はてなキーワード: 大屋とは
首都圏だと生活保護世帯や借金を踏み倒したことのある人、ホームレス、自己破産者など生活困窮者は保証会社の審査に通らないことが多いし、原則としてアパートを借りることができないし、住宅扶助の範囲内で出してるアパートがまずないです。
一応郊外だと、住宅扶助の範囲内であるにはあるけど、保証会社が必須で、一口IHか二口ガスコンロ設置可能、3点ユニットバス、プロパンガスという普通の人が選ばないような物件ぐらいしか勤務先は紹介できないです。
地域によっては生活困窮者の仲介が非常に面倒ですし、心がマジで折れます。
ただ、生活困窮者みたいな保証会社の審査が通らない人でも一応手はあります。
勤務先の社長の知り合いの大屋さんは生活保護がOKなので、大家さんに情報を伝えて、入れてもらうという手があります。
ほかの地域ではどうか知らないけど、首都圏だと、障害があったり、ほかの物件がなく、ドヤに入れてもあまり意味がないケースの場合、風呂が共同のアパートに入れるという手も使えることがあります。
管理物件で風呂なしの共同アパートみたいなのはあり、ここに生活保護の方を入れたことは何度かあります。
ただ、金銭管理ができないなどの事情がない限り、福祉事務所は代理納付をしてくれず、滞納リスクはそれなりにありますし、ガラス1枚を壊して逮捕され、拘留され、生活保護が停止になったケースもあるにはあります。
ある生活保護世帯が部屋をゴミだらけにし、ゴミ捨てと掃除で1か月ぐらいかかったことあります。
(業者に頼むと早いのですが、それだと二桁万円はいくので、1か月間遊ばせたほうが安いのです)
もう一つの手はNPOや一般社団法人の紹介で入れてもらうという手があります。
この手の物件の作り方は大体は以下の通りで
1.不動産屋が競売でアパートを買う
郊外かつ3点ユニットバス、プロパンガスガスの物件は非常に人気がなく、家賃2万円で契約が取れないことが多々あります。このケースだとアパートを購入する際に借りたお金を返せず、競売に出されることがあります。
競売なので、ハザードリスクもなく、土地の形が正方形や長方形に近く、きれいに分割でき、退去費用を払ってもなお、ペイする物件は建売業者が買いますが、そうでない物件は建売業者すら手を出しません。
例えば、アパートは原則として家賃収入÷利回りでで値段を出すので、家賃2万円、利回り10%、10部屋のアパートだとおおむね1440万円で買うことができます。
(土地の形状やハザードリスクによっては公示価格×土地面積×形状やハザードリスク補正で値段を計算し、うまいこと混ぜ合わせるので、さらに安くなることがあります)
2.一般社団法人やNPOを設立する
不動産屋がそのまま生活困窮者を入れてもいいのですが、生活困窮者は精神疾患を持っていたり、高齢者だったり、ホームレスかつ境界知能を持っていたり、と相応の知識が必要になることが多いです。
さすがに不動産屋には手が余るので、お医者さんや精神保健福祉士、無料低額宿泊所の管理に必要な資格を持ってる人を雇い入れ、法人名義で寮とアパートを借り上げる。
寮に生活困窮者を住まわせ、しかるべきタイミング――金銭管理ができるかとか知能、預貯金、収入の有無の凹凸に関して確認し、問題ないようであれば、アパートを紹介します。
(場合によってはアパートにそのまま住まわせることもあります)
3.生活保護の申請をする
2の段階で要件を満たしていることが多いので、申請は通ることが多いです。
申請が通ったら、住宅扶助費が4万円支給されるので、一部屋につき2万円の利益を得ることができます。
4.不動産屋がポータルサイトで売却をする
1のようなアパートです家賃4万円だと4800万円が売値になります。仕入れ値は1440万円なので、粗利益は3360万円+仲介手数料になります。
仲介手数料は3360万円ですと、106万円ぐらいになり、トータルの粗利益は3466万円ぐらいになります。
もちろん、リフォーム費用や広告費、競売で仕入れた費用(登録免許税や金利とか)などが別途かかり、入居がうまくいかないケースだと炊き出しをしたり、ほかの業者に広告費を払って、入居者を集めないといけないです
なので、粗利益3466万円がまるまる残るわけではありません。
住む家が見つかり、ホームレス状態からは脱することができます。
ただ、買主目線だと、リスクは高く、最低でもレントロールを見せてもらってください。レントロールに書かれている家賃が住宅扶助と同じ金額であれば、生活保護世帯が入ってるので警戒したほうがいいです。
また、この家賃が住宅扶助費よりも下回っている場合も注意したほうがいいです。
大家さんが適当に値付けをし、自力で治せるなら、時間との兼ね合いになりますが、まずくはないですが、家賃が低いということは低所得者層がそれなりに入り込んでおり、かなえ先生が言うように自分で自分のケツを吹く必要があります。
誰も助けてはくれません。(要配慮者住宅の要件を満たしているなら、補助はありますが…)
なので、アパートを買う前にアパートの周囲と歩き、近所の不動産屋の相場家賃を見ておいたほうがいいです。
ハザードマップポータルサイトやグーグルマップである程度はわかりますが、坂の感覚や匂いなどは実際に歩いてみたほうが手っ取り早いです。
なお、住宅扶助費に関してですが、コラボなどいくつかの団体がやらかしてくれたので、流れが変わる可能性があります。
住宅扶助費がある日突然下がる可能性があるということだけは覚えておいてほしいです。
賃のように明確な基準によって設定されるべきも
要である.
要である.
されるべきものではないことは言うまでもない
なお、かなえ先生がライブ配信でいっていたようにDIYでリフォーム費用を抑えるという手もありますが、ペンキを塗るのは結構面倒ですし、壁紙もうまくやらないと穴が開くことがありますし、斜めに貼ってしまうこともあります。
工事業者に頼むと高いですが、なるべくなら、業者に頼んだほうがいいです。
あと、プロパンガススキームと言って、プロパンガス屋に設備の設置をただで依頼して、入居者にガス料金+設備の設置費用などをふたんする方法が流行ってますが、都市ガスエリアだと埋めるのが非常に難しくなります。
また、お客さんが部屋を借りるときに重要事項説明書でここら辺を説明しないといけない方向性に傾きつつあるので、プロパンガススキームはやらないほうがいいと思います。
おお、岡本太郎批判にそのまま使えそうだ。本来は万博会場全体の予算であったものを太陽の塔ひとつに使ってしまい、途中で発覚し慌てて止めようとしたが時すでに遅し。あの塔が完成した
[B! 万博] サクッと調べたので間違えてるかもしれんが 万博会場の建ぺい率は70%な..
上記コメントは 太陽の塔内部の展示資料とパンフレットを読んだ私の記憶をもとに書いたのですが、改めて調べたところ
の間違いだと思います。いい加減なことを書いて申し訳ありません。ブコメも修正しておきます。
ただ太陽の塔建設は当時大変揉めていたこと、岡本太郎が勝手に暴走したことは事実のようです。
以下、参考になりそうなページをまとめておきます
会場計画プロデューサーの丹下健三氏と岡本太郎の取っ組み合いの喧嘩がさまざまな記事で言及されています。
中でも堺屋太一氏による「地上最大の行事 万博博覧会」は当事者による記述として興味深いので引用します
計画が出されたとき、万国博開催期間は梅雨の時期も含まれるため、人を集めるには「屋根」が必要だという意見が出た。しかし、これほど巨大な建造物の屋根をどのように作るのか、技術的な解決策は見えてこない。建設省や通産省からは安全性を危惧し、縮小変更を訴える声が強かった。
(中略: ここから大屋根建設の苦労が語られますが省略します)
お祭り広場の建築が軌道に乗り始めたと思った矢先のことだった。展示プロデューサーの岡本太郎氏が、お祭り広場の大屋根の真ん前に、塔をつくると言い出した。これが、かの「太陽の塔」である。
「すでにシンボルタワーは菊竹清訓氏が設計しています。あなたは展示プロデューサーなのだから、展示に集中してください」
菊竹氏が設計した蜂の巣状のシンボルタワーは、会場の南端に建てる予定で計画が進んでいた。しかし岡本氏は一歩も引かない。
「万国博の展示の中心には、一眼でわかるような造形が必要です。一番目立つ展示を私は考えました」と言ってスケッチブック4冊ほどを取り出した。そこには「太陽の塔」のスケッチが200枚くらい描かれていた。(中略)岡本氏の熱弁を聞いたところで、もちろん丹下氏は納得しない。丹下氏の口調は次第に厳しくなり、
「お前にそんなものを造る権利はない」「造るとしても、目立つところにあるのは許さない」
どうしても造るなら、お祭り広場の屋根の設計を変更して、太陽の塔を屋根で囲って見えないようにする、とまで丹下氏は言った。
すると岡本太郎氏は烈火の如く怒り、関係者のいる前で2人は取っ組み合いの喧嘩を始めた。互いの弟子たちは喧嘩を止めるどころか加勢し、手のつけられない状態になった。慌てた私はいったん通産省が引き取りますと2人を制したが、「引き取るとはどういうことだ」と、今度は私が2人に罵倒される始末だった。結局、大屋根の中央に大きな丸い穴をあけて「太陽の塔」を突き抜けさせるという妥協案に落ち着くまでに1ヶ月かかった。
(「地上最大の行事 堺屋太一 万博博覧会」 p269~p280)
このように「太陽の塔」はもともとシンボルタワーとして造られたものではなかったが、結果的に二つのタワーが万国博に登場した。岡本太郎氏は「自分の太陽の塔と、菊竹氏のタワー、どちらが真のシンボルタワーかは大衆の審査に委ねるべきだ」という考えを示した。と同時に「自分には自信がある」ということを盛んに表明した。この勝負、岡本太郎氏に軍配が上がったことは歴史が証明している
なお、著者である界屋太一氏は通商産業(現経済産業)省の方であること、出版が2018年であることは注意が必要です。
まるで仲介役をしていたような書き方ですが、以下の小松左京氏の著書によれば通産省も強固に反対していたようです。
当初の見解とは大きく異なり太陽の塔が歴史的シンボルになってしまったせいで不都合なことはみんなちょっとずつ伏せている感じはありますね。
予算といえば、あの「エキスポの顔」といわれた高さ六十メートルの名物「太陽の塔」があやうく消えかかったことがある。テーマ展示の、総予算は前にもいったように建設費こみのあち見つもりで三十億は必要だと、岡本氏のスタッフははじき出していた。(この金額で理事会で説明する時、岡本氏はテーマ展示には「最低三十万円」必要だ、とやってしまった。石坂会長の「明治四十五年の万国博」とともに万国博の二大迷言とされている)
大蔵省筋はこの規模を内々に承認していたが、監督官庁の通産側は、あまり正面に大きなものを建てられると、ホストカントリーの日本政府館が目だたなくなる、という理由で強硬に反対した、テーマ展示の稔予算はせいぜい三、四億でいい、というのだ。モントリオールのテーマ予算百億と大変なひらきだ。そんな予算ではとてもテーマ展示はできないとプロデューサー側がいうと、もともとテーマなんてものは万風博にはいらないものだ、とまで極言した。
(中略)
予算の三倍にふくれ上った見つもりをむりやり削るのは大変な作業だった。業者サイドと一項目ずつ検討し、全体の仕様をかえ、やっと予算の倍ぐらいまで削った。だがそれをさらに半分にするのは、背筋の寒くなるような作業だった。
場合によっては、石を一つころがしておいても、これが「根源の世界」だとひらきなおってみせると豪語していたものの、当初のイメージが、はなはだしく萎縮してしまうのはさけられなかった。それに私は平野氏と話しあって、第三スペース「心の世界」に展示する、海外民俗資料収集のための、予算六千万円は、最初からおさえて、絶対手をつけないことにしていた。一・五倍にまできりつめる時、展示構想を基本からやりかえなければならないところにまできた。
テーマ展示に関わった小松左京氏が予算で苦労する様子が書かれています。現在の国立民族学博物館は小松左京氏と平野氏が守ったのですね。知りませんでした。
(id:ryotarox さんありがとう!)
id:tapi423 さん、こちらこそどうもありがとう。
サクッと調べたので間違えてるかもしれんが
会場図面を見ると割と厳しいだろうなぁと
これがかなり食ったんじゃ無かろうか
建ぺい率の食い合いになり、休憩所には屋根はつけられない、みたいな話になったのでは
結局、建築基準法的に屋根のない工作物パーゴラ建築にするしかなく
面白いのは、未着工の海外館、100%建たない、空き地に万博協会がおざなり休憩所を建てるだろうが
建ぺい率に余裕が出たのでこっちは屋根付きになる、エアコン完備、こっちにしか人来ねぇみたいな状況になるだろう。
まぁそんな事はどうでもいい、俺が気に入らないのはデザインに機能美も根拠も無い
石を吊るしてどう命が輝くのか、未来なのか、
本来であれば全体統括のデザインマネージャーが居て、各種のパビリオン、施設、床材の色まで目を光らせ、全体の調和を図る、その指針になるのがイベントのテーマ
ところがそういうものがまったく機能してねぇのよ、それぞれのパビリオンや施設が好き勝手、バラバラのパッチワーク。
さらにそれぞれのデザイナーは万博テーマなんて歯牙にもかけない。無視
ねぇのよ
「めっちゃデカイ石を吊るしたら映えね?凄くね?見たことねぇべ」
助平心が全部透けて見える
万博のテーマに沿ったデザインで来場者の利益を最大に考えたらこんなデザインにならない
なーんも考えてない
んな事は全員わかってる
という某さんの発言に対して、政治学者や法律学者などは割とまともにとりあっているのか?
あるひとの投稿では被成年後見人にも選挙権があることと比較していっていた。
しかしそれは違うだろうと思う。”成人”であればいくら後見人がいたとしても”成人”だ。
しかし0歳児は成人ではない。
もし0歳児に選挙権を認めるのであれば義務教育の中での公民教育はどういう意味を持つというのだろう?
学者にとっては公民教育なんてアリバイみたいなもので無意味といいたいのだろうか?
一応日本では”義務教育”で公民教育をやることになっていて、たとえば義務教育を終えていれば新聞なども読めて、
日本国憲法の大枠も理解して、政治的な意思を表すことをできるようになって”成人”ということだ。
河野某や大屋某などにとっては、自分たちのような高度な知識をもって初めて政治を語れるのであり、
それ以外は0歳児も同じようなものってことか?
やる前から失敗だ失敗だってうるせーよ。大体お前ら万博行った事あるのかよ。無いだろ。
つくば万博はなんか凄かった。小さかったからあんまり覚えてないけど未来だこれは、これが未来か。って感じでとにかくワクワクした。記念メダル作ってもらったのかすごく嬉しくて、それが一番記憶に残ってる。
食の祭典はやたら人多いし食い物食べるだけでどこも長蛇の列で、ほとんど食べられなくてしかもマズかった記憶がある。子供ながらに「なんて時間の無駄だ」って思った。早く帰ってファミコンしたかった。
俺から言えるのは子供がワクワク出来ない万博は失敗するって事だ。木製の大屋根にワクワクする子供なんていねーよ。もっとあるだろ。額からビーム出しそうな塔とかそういうの。子供をワクワクさせろもっと。
改めてまだ続いているようなので書いてみます。
大屋教授はどうも岡口氏は辞任すべきだったのに当然の処分ということのようです。
しかし、裁判官に求めるものはひとそれぞれで、ある意味裁判官は法の裁定者であって立法者でも行政者でもないので、
例えば彼の場合は特に民事ですから、商売上のトラブルがあった際に損害賠償の裁判があったとして、そこに登場する裁判官が、
事件の被害者を傷つけるような発言をするひとだとして、それが裁判衣影響すると思う人はあまりいないのではないでしょうか。
そうすると大屋教授がいうところの職務上の不適切とはなんだろうという感じです。
ただし、例えば野球の現役選手が他の試合を見て、”下手だ”とか言えば、これはやっぱりその選手は変な奴とも割れるわけで、
岡口氏の発言もそういったリスクを負う発言であった、しかし彼はそれをやったということでしょう。
しかし、一方では裁判官も組織の中に所属することで給与を得ているわけですから、ある程度その組織を代表する面がある。
それも事実でしょう。なので、戒告を受けたところで投稿は方向転換すべきだったと思うのですが、その辺はなぜ?という気もします。
表現の自由と絡めるひとがいるようですが、単なるリンクであれば表現にはならないのであると思います。
もちろんそういった判決に何か自分が付け加えるのであれば”表現”だと思います。また、そうしていれば、印象はずいぶん違ったのではないかとも思われます。
引用した目的がよくわからないのが今回の問題を引き起こしているところもあると思うのです。
あとよくわからないのはやはり遺族がなんでそんな投稿を目にしてしまったのだろうということです。
もし遺族にそのような投稿をわざとShareするような人がいるのであれば、その人も投稿者と同様にかなりの問題があると思われます。
この問題で張り切っているひとに慶応大学大屋教授がいる。この方は法哲学の先生と思っていたのだが実定法の人だったのだろうか?
それにしてもこのひとの投稿を読んでいると、横領のことなどはちょっと的外れな気がする。
フォロワーがいることは”地位”なのか。例えばフォロワーがいないひとがいったとしてもそれは天に向かっての独り言、4万人のフォロワーがいれば、4万人に向かってしゃべることになる、ということを考えろということですね。
しかし実際はこの方が横領について”地位”と書いているが、それはそのとりで、一般社員が横領できる金額と役員、取締役などに上がっていくに従い、横領できる”額”は増える。
それとSNSは同じなのか、違うのか。
電子マネーサービスを「 ミャクぺ!」、ポイントサービスは「ミャクポ!」、NFTサービスを「ミャクーン!」と呼ぶらしい。まず香ばしいのは、2025年に開催される万博に既にオワコンとされているNFTを売りにしていることだ。
万博のNFTにはPLT(Palette Token)というNFT等のデジタルアイテムに強いとされるコンソーシアム型のProof of Authorityブロックチェーンが採用されている。イーサリアムのガス代が高いので安価にNFTを流通させることを目指してるらしい。NFTの流通にはガス代がかからないが、NFTの発行にガス代が取られるモデルになっているらしい。
ブロックチェーンで決済用の電子マネーを実現するとなると、取引所はどうするのだろうかとか、円ペッグするのだろうか、業態やライセンスはどうするのだろうかとか色々気になることがあるのだか、Palette Tokenにはそのような要素が見当たらない。色々調べてみたところ、この資料に答えがあった。
https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/230704_image.pdf
どうやら電子マネーとポイントはオフチェーンらしい。ブロックチェーン関係ない普通の電子マネーを作ることを意味する。2025年に特に新しい技術要素もない、(おそらく)日本国民しか利用できない電子マネーを新規開発するということになる。
インバウンドを考慮するのであればクレジットカードと銀聯、アリペイに対応しておけば十分だろう 。もちろん万博内ではこれらを利用できるようにするらしい。これはAirPay等の決済代行サービスがあれば実現できること。万博の売りにするような要素はない。入札でより安く導入できる事業者を探せばいいだけの話なのだが、なぜか新規電子マネーを作ろうと思ってしまったのだ。理解できない。
さて、ここで気になるのはPalette Tokenの使い道だ。先の資料を見ると、NFTプレゼントや外部事業者との連携に活用するようだ。
実は既に大変素晴らしい分野で活用されているので、その事例をご覧いただきたい。
https://expo2025-wallet.com/events/otoshidama.html
専用アプリをダウンロード・登録した上で、リンクの受け取りボタンを押すと、Palette Tokenがもらえる。
謳い文句の通り、トークンが貰えるだけである。画像が一緒に表示されるが、上のリンクと同じ画像であり、コンテンツ自体に価値があるわけでも所持権利があるわけでもない。
謎度: 星3つ🌟🌟🌟
2. NFT駅スタンプラリー
https://www.jr-odekake.net/navi/nft-stamprally/
駅に置いてある2次元コードを読み取ると(以下同様)
謎度:星3つ🌟🌟🌟
3. おトクなクーポンNFTをゲットして大阪の食を楽しもう!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000046288.html
お食事割引クーポンが貰える大変お得な活用事例。店舗にある2次元コードを読み込むと、NFTを取得することができ、そのNFTを店員に提示すると割引を受けることができるらしい。
NFTとクーポンに何の関連性があるのかはよくわからないが、主催者曰く改竄がしにくいというメリットがあるようだ。
仮に目の前の人が NFTを所有していると自己主張しているとして、店舗の人間はどのようにNFTを所持していることを確認すれば良いのだろうか。トークンIDやコントラクトアドレスがわかればウォレットアドレスがわかるから、所持していることは確認できるんじゃないかって?ウォレットアドレスが何のNFTを所持しているかは確かにわかる。では、目の前の人間がウォレットアドレスの所有者であることはどうやって確認するのだろうか?ウォレットアドレスや所持しているNFTトークンはグローバルに公開されているため、誰でも正しい情報を知ることができる。これは誰でもなりすましができてしまうことを意味する。NFTは提示しただけでは所持確認をすることがでないため、改竄を防ぐためにはトランザクションで店舗のウォレットにNFTを移動する必要があるが、現状そのようにはなっていないようだ。
謎度: 星5つ🌟🌟🌟🌟🌟
まとめ
2024-01-10
電子マネーサービスを「 ミャクぺ!」、ポイントサービスは「ミャクポ!」、NFTサービスを「ミャクーン!」と呼ぶらしい。まず香ばしいのは、2025年に開催される万博に既にオワコンとされているNFTを売りにしていることだ。
万博のNFTにはPLT(Palette Token)というNFT等のデジタルアイテムに強いとされるコンソーシアム型のProof of Authorityブロックチェーンが採用されている。イーサリアムのガス代が高いので安価にNFTを流通させることを目指してるらしい。NFTの流通にはガス代がかからないが、NFTの発行にガス代が取られるモデルになっているらしい。
ブロックチェーンで決済用の電子マネーを実現するとなると、取引所はどうするのだろうかとか、円ペッグするのだろうか、業態やライセンスはどうするのだろうかとか色々気になることがあるのだか、Palette Tokenにはそのような要素が見当たらない。色々調べてみたところ、この資料に答えがあった。
https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/230704_image.pdf
どうやら電子マネーとポイントはオフチェーンらしい。ブロックチェーン関係ない普通の電子マネーを作ることを意味する。2025年に特に新しい技術要素もない、(おそらく)日本国民しか利用できない電子マネーを新規開発するということになる。
インバウンドを考慮するのであればクレジットカードと銀聯、アリペイに対応しておけば十分だろう 。もちろん万博内ではこれらを利用できるようにするらしい。これはAirPay等の決済代行サービスがあれば実現できること。万博の売りにするような要素はない。入札でより安く導入できる事業者を探せばいいだけの話なのだが、なぜか新規電子マネーを作ろうと思ってしまったのだ。理解できない。
さて、ここで気になるのはPalette Tokenの使い道だ。先の資料を見ると、NFTプレゼントや外部事業者との連携に活用するようだ。
実は既に大変素晴らしい分野で活用されているので、その事例をご覧いただきたい。
https://expo2025-wallet.com/events/otoshidama.html
専用アプリをダウンロード・登録した上で、リンクの受け取りボタンを押すと、Palette Tokenがもらえる。
謳い文句の通り、トークンが貰えるだけである。画像が一緒に表示されるが、上のリンクと同じ画像であり、コンテンツ自体に価値があるわけでも所持権利があるわけでもない。
謎度: 星3つ🌟🌟🌟
2. NFT駅スタンプラリー
https://www.jr-odekake.net/navi/nft-stamprally/
駅に置いてある2次元コードを読み取ると(以下同様)
謎度:星3つ🌟🌟🌟
3. おトクなクーポンNFTをゲットして大阪の食を楽しもう!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000046288.html
お食事割引クーポンが貰える大変お得な活用事例。店舗にある2次元コードを読み込むと、NFTを取得することができ、そのNFTを店員に提示すると割引を受けることができるらしい。
NFTとクーポンに何の関連性があるのかはよくわからないが、主催者曰く改竄がしにくいというメリットがあるようだ。
仮に目の前の人が NFTを所有していると自己主張しているとして、店舗の人間はどのようにNFTを所持していることを確認すれば良いのだろうか。トークンIDやコントラクトアドレスがわかればウォレットアドレスがわかるから、所持していることは確認できるんじゃないかって?ウォレットアドレスが何のNFTを所持しているかは確かにわかる。では、目の前の人間がウォレットアドレスの所有者であることはどうやって確認するのだろうか?ウォレットアドレスや所持しているNFTトークンはグローバルに公開されているため、誰でも正しい情報を知ることができる。これは誰でもなりすましができてしまうことを意味する。NFTは提示しただけでは所持確認をすることがでないため、改竄を防ぐためにはトランザクションで店舗のウォレットにNFTを移動する必要があるが、現状そのようにはなっていないようだ。
謎度: 星5つ🌟🌟🌟🌟🌟
まとめ
ある日の超暮方(ほぼ夜)の事である。一人の下人が、クソデカい羅生門の完全な真下で
雨やみを気持ち悪いほどずっと待ちまくっていた。
馬鹿みたいに広い門の真下には、この大男のほかに全然誰もいない。ただ、所々丹塗の
びっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱に、象くらいある蟋蟀が一匹とまっている。
クソデカ羅生門が、大河のように広い朱雀大路にある以上は、この狂った男のほかにも、激・雨やみをする巨大市女笠や
爆裂揉烏帽子が、もう二三百人はありそうなものである。それが、この珍妙男のほかには全然誰もマジで全くいない。
何故かと云うと、この二三千年、京都には、超巨大地震とか破壊的辻風とか最強大火事とか
極限饑饉とか云うエグすぎる災が毎日つづいて起こった。そこでクソ広い洛中のさびれ方は
マジでもう一通りとかそういうレベルではない。旧記によると、クソデカい仏像や文化財クラスの仏具をものすごいパワーで打砕いて、
その丹がベッチャベチャについたり、金銀の箔がもうイヤになっちゃうくらいついたりした木を、路ばたに親の仇のようにメチャメチャつみ重ねて、
薪の料に売りまくっていたと云う事である。クソ治安がいいことで知られる洛中がその始末であるから、
正気を疑うレベルでデカい羅生門の完全修理などは、元より誰も捨てて顧る者がマジで全然なかった。
するとそのドン引きするくらい荒れ果てたのをよい事にして、クソヤバい狐狸がドンドン棲む。世界最強の盗人が6万人棲む。
とうとうしまいには、マジで悲しくなっちゃうくらい全然引取り手のないきったない死人を、この門へ猛ダッシュで持って来て、
超スピードで棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が怖いくらい全然まったく見えなくなると、誰でもメチャメチャ気味を悪るがって、
この門の近所へはマジでビックリするくらい足ぶみをしない事になってしまったのである。
その代りまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、
その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、
亜音速で飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、
それが胡麻をえげつない量まいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、頭おかしいくらいデカい門の上にメチャクチャ大量にある死人の肉を、
気が狂ったように啄みに来るのである。――もっとも今日は、刻限がハチャメチャに遅い(ほぼ夜)せいか、
マジで一羽も見えない。ただ、所々、ほぼ崩れかかった、そうしてその崩れ目にメチャメチャ長い草の森のごとくはえ倒したクソ長い石段の上に、鴉のえげつなく臭い糞が、
点々と白くこびりついているのが見える。下人は七千万段ある石段の一番上の段に、
洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、
メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。
作者はさっき、「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と書いた。しかし、
下人は激烈豪雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはマジで全然ない。ふだんなら、
勿論、クソ強い主人のえげつなくデカい家へ帰る可き筈である。所がその糞主人からは、四五日前に
暇を出し倒された。前にも書いたように、当時ただでさえ最低最悪のゴミの掃き溜めである京都の町は一通りならず
衰微しまくって本当に惨めな感じになっていた。今この最強にヤバい下人が、永年、犬のごとくこき使われていた主人から、暇を
出されたのも、実はこの大衰微のクソしょぼい小さな小さな余波にほかならない。だから
「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と云うよりも「クソヤバい豪雨にふりこめられた
下人が、マジで全然行き所がなくて、超途方にくれていた」と云う方が、完全に適当である。
その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のヤバい下人のUltimet-Sentimentalisme of the Godsに影響した。申の刻下りからふり出した大雨は、
いまだに上るけしきが全然かけらもない。そこで、のちに剣聖と呼ばれる最強の下人は、何をおいても
差当り明日の暮しをメチャメチャどうにかしようとして――云わば絶望的にどうにもならない
事を、どうにかしようとして、悲しくなるくらいとりとめもない考えをたどりながら、
さっきからアホみたいに広い朱雀大路にふる豪雨の音を、聞くともなく
聞いていたのである。
豪雨は、トチ狂ったクソデカさの羅生門をつつんで、メチャメチャ遠くから、ざあっと云う轟音をあつめて来る。
夕闇は次第に空をびっくりするほど低くして、見上げると、超巨大門の超巨大屋根が、斜につき出した
超巨大甍の先に、ドチャクソ重たくうす暗い雲を嫌になるくらい支えまくっている。
どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる
遑は本当にマジでまったくない。選んでいれば、築土の真下か、道ばたの土の真上で、超苦しい饑死を
するばかりである。そうして、このガチで世界一デカい門の上へ猛スピードで持って来て、
選ばないとすれば――巨大下人の考えは、何度も寸分たりとも違わず完全に同じ道を低徊した揚句に、
やっとこの局所へ逢着した。しかしこの「すれば」は、マジでいつまでたっても、
結局「すれば」であった。クソザコ下人は、手段を選ばないという
事をエグ肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、
その後に来る可き「世界最強の盗人になるよりほかに仕方がない」と云う事を、
下人は、意味わからんくらいクソ大きな嚔をして、それから、死ぬほど大儀そうに立上った。南極かってくらいに夕冷えの
する世界最悪の罪の都京都は、もう火桶が8億個欲しいほどのガチえげつない寒さである。暴風は信じられないほどデカい門の巨柱と
巨柱との間を、クソヤバい濃さの夕闇と共にマジで全然遠慮なく、吹きぬけまくる。丹塗の超巨大柱に
下人は、頸を人間の限界を超えてちぢめながら、山吹の汗袗に無理やり重ね倒した、紺の襖の肩を
物理的にありえない動きで高くしてクソデカ門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる
惧のない、一晩メチャメチャ楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、クッソ長い夜を
明かそうと思ったからである。すると、幸い超巨大門の上の宮殿並みにデカい楼へ上る、幅の
バカ広い、これも丹をキチガイみたいに塗りたくった梯子が眼についた。上なら、人がいたに
しても、どうせ臭くてきったない死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた巨大な聖柄の
大太刀が鞘走らないように気をつけ倒しながら、藁草履をはいた巨大な足を、
それから、何百分かの後である。クソデカ羅生門の楼の上へ出る、幅のアホみたいに広い
梯子の中段に、一人の巨大な男が、猫のように身をちぢめまくって、ヤバいくらい息を
殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす大火炎の目を灼く光が、
かすかに、その男の右の頬をぬらしている。えげつなく短い鬚の中に、とんでもなく赤く膿を
持った巨大な面皰の大量にある頬である。巨下人は、始めから、この上にいる者は、
臭死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三千段上って見ると、
上では誰か燃え盛る大火をとぼして、しかもその大火をそこここと疾風のごとき
速さで動かしているらしい。これは、そのドブのように濁った、この世の理を超えて黄いろい光が、すべての隅々に
巨大人食い蜘蛛の巣をかけた天井裏に、激しく揺れながら映ったので、メチャすぐにそれと
知れたのである。この豪雨の夜に、このクソデカ羅生門の上で、世界すら灼く業火を
ともしているからは、どうせただの者ではない。
下人は、巨大な守宮のように足音をぬすんで、やっとクソ急な梯子を、一番上の
段まで這うようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、紙のように平に
しながら、頸を出来るだけ、ろくろっ首のごとく前へ出して、恐る恐る、巨大な楼の内を
覗いて見た。
見ると、地の果てまで広がるがごとき楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの山のように巨大な死骸が、無造作に
棄ててあるが、業火の極光の及ぶ範囲が、思ったよりクソ狭いので、数は
幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に
完全に全裸の死骸と、メチャクチャ高級な着物を着まくった死骸とがあるという事である。勿論、中には
女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、
捏ね倒して造った人形のように、口をヤバイくらい開いたり手をキロ単位で延ばしたりして、
ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの山くらい
高くなっている部分に、ぼんやりした猛火の光をうけて、クソ低くなっている
部分の影を一層超死ぬほど暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。
下人は、それらの超ビッグ死骸のメチャメチャくっせえ腐爛した最悪の臭気に思わず、鼻を掩って掩って掩いまくった。しかし、
その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を完全に忘れ尽くしていた。あるハチャメチャに強いクソデカ
感情が、ほとんどことごとくこの最強男の嗅覚を奪ってしまったからだ。
下人の巨眼は、その時、生まれてはじめてその激臭死骸の中に蹲っている最低最悪醜悪人間を見た。
檜皮色のきったねえ着物を着た、ノミのように背の低い、ナナフシのように痩せこけた、白銀髪頭の、豆猿のような
老婆である。その老婆は、右の手に大火炎をともした最高級松の巨大木片を持って、
その大死骸の一つの巨顔を覗きこむように眺め倒していた。髪の毛のクソ長い所を見ると、
下人は、六〇〇分の恐怖と四〇〇分の知的好奇心とにつき動かされ続けて、暫時(七十二時間)は呼吸を
するのさえ忘れていた。旧記の記者の語を全て丸々借りれば、「頭身の剛毛も一生太り続ける」
ように感じまくったのである。すると糞老婆は、高級松の大木片を、床板の間に
狂ったように挿して挿して挿し倒して、それから、今まで眺め続けていた大死骸の首に両手をかけると、
丁度、大猿の親が大猿の子の虱を全部とるように、そのバカ長い髪の毛を一〇〇〇〇本ずつ抜きはじめた。髪は手に奴隷のように従って抜けるらしい。
その髪の毛が、一〇〇〇〇本ずつ抜けるのに従って、下人の腐りきった心からは、恐怖が
少しずつ完全に消えて行った。そうして、それと完全にピッタリ同時に、この老婆に
対する想像を絶するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、この糞老婆に
対すると云っては、語弊がありすぎるかも知れない。むしろ、この世に存在しうるありとあらゆる悪に
対する巨大な反感が、一分毎に強さを等比級数的に増して来たのである。この時、誰かが
この最強正義の体現たる下人に、さっき門の真下でこの性根の腐ったドブ男が考えていた、超苦しい饑死をするか
世界最強の盗人王になるかと云う世紀の大問題を、改めて持出したら、恐らく清廉潔白超高潔下人は、マジで何の未練の
カケラもなく、本当にめちゃめちゃ苦しい饑死を選んだ事であろう。それほど、この男の中の男のあらゆる悪を世界一憎む心は、
大馬鹿で学のない下人には、勿論、何故糞老婆が死人の髪の毛を抜くか本当に一切わからなかった。
従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいかマジでまったく全然
知らなかった。しかし馬鹿下人にとっては、この豪雨の聖夜に、このクソデカ羅生門の真上
で、大死人のぬばたまの髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に絶対に許すべからざる
世界最低の悪の中の悪であった。勿論、クソアホ下人は、さっきまで自分が、世界一の大盗人王になる気でいた
事なぞは、とうの昔に忘れきっていたのである。
そこで、下人は、両足に剛力を入れまくって、超いきなり、大梯子から三千里(約一万二千メートル)上へ
飛び上った。そうして世界最高の名刀と謳われる聖柄の大太刀に手をかけながら、超大股に老婆のど真ん前へ
歩みよった。老婆が死ぬほど驚いたのは云うまでもない。
老婆は、一目下人を見ると、まるで攻城弩にでも弾かれたように、天高く
飛び上った。
「おのれ、どこへ行く。」
最強下人は、雑魚老婆が大死骸全てに無様につまずきまくりながら、可哀想なくらい慌てふためいて逃げようとする
行手を完全に塞いで、こう罵りまくった。糞老婆は、それでも神速で巨大下人を
つきのけて行こうとする。剛力下人はまた、それを絶対に行かすまいとして、
ものすごい力で押しもどす。二人は巨大死骸のまん真ん中で、しばらく、完全に無言のまま、
つかみ合った。しかし勝敗は、宇宙のはじめから誰にでも完全にわかっている。下人は
とうとう、老婆の腕を馬鹿力でつかんで、無理にそこへ叩きつけるようにねじ倒した。丁度、軍鶏の
脚のような、本当に骨と皮ばかりの細腕である。
「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」
下人は、老婆を全力でどつき放すと、いきなり、大太刀の鞘を瞬間的に払って、白いミスリル鋼の
芸術品のように美しい色をその眼の前へつきつけた。けれども、極悪老婆は完全におし黙っている。両手を
わなわな高速でふるわせて、強肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ完全に
飛び出そうになるほど、ありえないくらい見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを
見ると、最強下人は始めて明白にこの糞老婆の生死が、全然、自分の完全なる自由意志にまったく
支配されていると云う事をめちゃくちゃ意識しまくった。そうしてこの超意識は、今まで
けわしく燃えさかっていた巨大憎悪の心を、いつの間にか絶対零度まで冷ましてしまった。後に
残ったのは、ただ、ある大仕事をして、それが超円満にめちゃくちゃうまく成就した時の、
人生最高の安らかな得意と大満足とがあるばかりである。そこで、有能下人は、老婆をはるか高みから
見下しながら、少し声を柔らげてほとんど聞き取れないほどの超早口でこう云った。
「己は検非違使の庁の役人などでは断じてない。今し方この巨門の真下を
通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけまくって、どうしようと
云うような事は神仏に誓って絶対にない。ただ、今時分この巨大門の真上で、何を
して居たのだか、それを己に話しまくりさえすれば最高にいいのだ。」
すると、糞老婆は、超見開いていた眼を、構造的にありえない形で一層大きくして、じっと
その下人のブッサイクで気持ちの悪い巨大な顔を見守った。まぶたの超赤くなった、凶暴肉食最恐鳥のような、
めちゃくちゃ鋭い眼で見まくったのである。それから、本当に醜い皺で、ほとんど、鼻と一つになったタラコ
唇を、何か金剛石のごとく硬い物でも噛んでいるように動かした。極細い喉で、針のように尖った喉仏の
動いているのが見える。その時、その喉から、凶鴉の啼くような汚い声が、
喘ぎ喘ぎ、下人の大耳へ伝わって来た。
「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、巨大鬘にしようと思うたのじゃ。」
天下無双の無敵下人は、老婆の答が存外、めちゃくちゃ平凡なのに自殺したくなるくらい本当に失望した。そうして極限まで失望すると
同時に、また前の強烈な殺意を内包した本気の憎悪が、氷のように冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へ大量に
はいって来まくった。すると、その超メチャメチャ剣呑な気色が、先方へもテレパシーのごとく完全に通じ倒したのであろう。
雑魚老婆は、片手に、まだ大死骸の頭から奪いまくったバカ長い抜け毛を大量に持ったなり、
蟇のつぶやくようなクソ小声で、口ごもりながら、こんな事を云った。
「成程な、死人の髪の毛を抜くと云う事は、何ぼう滅茶苦茶に悪い最低の事かも知れぬ。
じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい
人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、八岐大蛇を
四寸ばかりずつに切って干したのを、干巨大怪魚だと云うて、太刀帯の陣へ
売りに往んだわ。大疫病に五回かかって死ななんだら、今でも毎日売り
に往んでいた事であろ。それもよ、この女の売る干巨大怪魚は、味が頬が落ちるほど本当によいと云う
て、太刀帯どもが、絶対に毎日欠かさず菜料に買いまくっていたそうな。わしは、
この女のした事が人類史に残るほどに悪いとはまったく思うていぬ。せねば、とてつもなく苦しい饑死をするのじゃて、
仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も超悪い
事とは全然思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、超苦しい饑死をするじゃて、
マジ仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その本当に仕方がない事を、よく
知っていたこの極悪女は、大方わしのする事も大目に見まくってくれるであろ。」
巨大下人は、大太刀を瞬きの間に鞘におさめて、その大太刀の美しい柄を左の手でおさえながら、
死ぬほど冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、メチャメチャ赤く頬に膿を大量に
持った超大きな面皰を気にしまくりながら、聞いているのである。
しかし、これを聞いている中に、下人の史上空前に邪悪な心には、あるクソデカい勇気が生まれて来た。
それは、さっきクソデカい門の真下で、この腑抜けカス男には全く欠けていた勇気である。
そうして、またさっきこの馬鹿でかい門の真上へ瞬間的に上って、この老婆を人間離れした動きで捕えた時の
勇気とは、全然、完全に反対な方向に動こうとするデカ勇気である。下人は、超苦しい
饑死をするか大盗人王になるかに、まったく一瞬たりとも迷わなかったばかりではない。その時の
この最低男の心もちから云えば、苦しい苦しい饑死などと云う事は、ほとんど、考える
事さえ出来ないほど、意識の完全な外に追い出され倒していた。
「きっと、そうか。」
老婆の話が完ると、下人はメチャメチャ嘲るような声で念を押しに押した。
そうして、一〇〇〇足前へ出ると、不意に右の手を面皰から七尺離して、老婆の襟上を
神速でつかみながら、噛みつくようにクソデカい声でこう云った。
「では、己が完全引剥をしようとまったく恨むまいな。己もそうしなければ、二時間後に饑死をする体なのだ。」
韋駄天の異名をとる下人は、目にも止まらないほどすばやく、老婆の着物を完全に剥ぎとった。それから、丸太のように太い足に
しがみつこうとする老婆を、超手荒く死骸の上へ蹴飛ばし倒した。梯子の
口までは、僅に五千歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった
檜皮色の着物をわきにかかえて、マジでまたたく間に死ぬほど急な梯子を夜のドン底へ
かけ下りた。
しばらく、まさしく死んだように倒れていた糞老婆が、巨大死骸の中から、その全裸の
あまりに醜すぎる体を起したのは、それから本当に間もなくの事である。老婆は
つぶやくような、うめくようなクソうるさい声を立てながら、まだ太陽のように燃えさかっている火の
まばゆい光をたよりに、梯子の口まで、えげつないスピードで這って行った。そうして、そこから、
びっくりするほど短い白髪を倒にして、クソデカ門の真下を覗きこんだ。
https://anond.hatelabo.jp/20200611125508
https://read-assist-dxn.web.app/contents/rashomon_all_pc.html
ある日の超暮方(ほぼ夜)の事である。一人の下人が、クソデカい羅生門の完全な真下で雨やみを気持ち悪いほどずっと待ちまくっていた。
馬鹿みたいに広い門の真下には、この大男のほかに全然誰もいない。ただ、所々丹塗のびっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱に、象くらいある蟋蟀が一匹とまっている。クソデカ羅生門が、大河のように広い朱雀大路にある以上は、この狂った男のほかにも、激・雨やみをする巨大市女笠や爆裂揉烏帽子が、もう二三百人はありそうなものである。それが、この珍妙男のほかには全然誰もマジで全くいない。
何故かと云うと、この二三千年、京都には、超巨大地震とか破壊的辻風とか最強大火事とか極限饑饉とか云うエグすぎる災が毎日つづいて起こった。そこでクソ広い洛中のさびれ方はマジでもう一通りとかそういうレベルではない。旧記によると、クソデカい仏像や文化財クラスの仏具をものすごいパワーで打砕いて、その丹がベッチャベチャについたり、金銀の箔がもうイヤになっちゃうくらいついたりした木を、路ばたに親の仇のようにメチャメチャつみ重ねて、薪の料に売りまくっていたと云う事である。クソ治安がいいことで知られる洛中がその始末であるから、正気を疑うレベルでデカい羅生門の完全修理などは、元より誰も捨てて顧る者がマジで全然なかった。するとそのドン引きするくらい荒れ果てたのをよい事にして、クソヤバい狐狸がドンドン棲む。世界最強の盗人が6万人棲む。とうとうしまいには、マジで悲しくなっちゃうくらい全然引取り手のないきったない死人を、この門へ猛ダッシュで持って来て、超スピードで棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで、日の目が怖いくらい全然まったく見えなくなると、誰でもメチャメチャ気味を悪るがって、この門の近所へはマジでビックリするくらい足ぶみをしない事になってしまったのである。
その代りまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、亜音速で飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、それが胡麻をえげつない量まいたようにはっきり見えた。鴉は、勿論、頭おかしいくらいデカい門の上にメチャクチャ大量にある死人の肉を、気が狂ったように啄みに来るのである。――もっとも今日は、刻限がハチャメチャに遅い(ほぼ夜)せいか、マジで一羽も見えない。ただ、所々、ほぼ崩れかかった、そうしてその崩れ目にメチャメチャ長い草の森のごとくはえ倒したクソ長い石段の上に、鴉のえげつなく臭い糞が、点々と白くこびりついているのが見える。下人は七千万段ある石段の一番上の段に、洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。
作者はさっき、「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と書いた。しかし、下人は激烈豪雨がやんでも、格別どうしようと云う当てはマジで全然ない。ふだんなら、勿論、クソ強い主人のえげつなくデカい家へ帰る可き筈である。所がその糞主人からは、四五日前に暇を出し倒された。前にも書いたように、当時ただでさえ最低最悪のゴミの掃き溜めである京都の町は一通りならず衰微しまくって本当に惨めな感じになっていた。今この最強にヤバい下人が、永年、犬のごとくこき使われていた主人から、暇を出されたのも、実はこの大衰微のクソしょぼい小さな小さな余波にほかならない。だから「下人が雨やみをメチャメチャ待っていた」と云うよりも「クソヤバい豪雨にふりこめられた下人が、マジで全然行き所がなくて、超途方にくれていた」と云う方が、完全に適当である。その上、今日の空模様も少からず、この平安朝のヤバい下人のUltimet-Sentimentalisme of the Godsに影響した。申の刻下りからふり出した大雨は、いまだに上るけしきが全然かけらもない。そこで、のちに剣聖と呼ばれる最強の下人は、何をおいても差当り明日の暮しをメチャメチャどうにかしようとして――云わば絶望的にどうにもならない事を、どうにかしようとして、悲しくなるくらいとりとめもない考えをたどりながら、さっきからアホみたいに広い朱雀大路にふる豪雨の音を、聞くともなく聞いていたのである。
豪雨は、トチ狂ったクソデカさの羅生門をつつんで、メチャメチャ遠くから、ざあっと云う轟音をあつめて来る。夕闇は次第に空をびっくりするほど低くして、見上げると、超巨大門の超巨大屋根が、斜につき出した超巨大甍の先に、ドチャクソ重たくうす暗い雲を嫌になるくらい支えまくっている。
どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる遑は本当にマジでまったくない。選んでいれば、築土の真下か、道ばたの土の真上で、超苦しい饑死をするばかりである。そうして、このガチで世界一デカい門の上へ猛スピードで持って来て、きったない犬のように超速で棄てられてしまうばかりである。選ばないとすれば――巨大下人の考えは、何度も寸分たりとも違わず完全に同じ道を低徊した揚句に、やっとこの局所へ逢着した。しかしこの「すれば」は、マジでいつまでたっても、結局「すれば」であった。クソザコ下人は、手段を選ばないという事をエグ肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、その後に来る可き「世界最強の盗人になるよりほかに仕方がない」と云う事を、積極的に肯定するだけの、莫大な勇気が出ずにいたのである。
下人は、意味わからんくらいクソ大きな嚔をして、それから、死ぬほど大儀そうに立上った。南極かってくらいに夕冷えのする世界最悪の罪の都京都は、もう火桶が8億個欲しいほどのガチえげつない寒さである。暴風は信じられないほどデカい門の巨柱と巨柱との間を、クソヤバい濃さの夕闇と共にマジで全然遠慮なく、吹きぬけまくる。丹塗の超巨大柱にとまっていた象サイズの蟋蟀も、もうどこかへ行ってしまった。
下人は、頸を人間の限界を超えてちぢめながら、山吹の汗袗に無理やり重ね倒した、紺の襖の肩を物理的にありえない動きで高くしてクソデカ門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目にかかる惧のない、一晩メチャメチャ楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、クッソ長い夜を明かそうと思ったからである。すると、幸い超巨大門の上の宮殿並みにデカい楼へ上る、幅のバカ広い、これも丹をキチガイみたいに塗りたくった梯子が眼についた。上なら、人がいたにしても、どうせ臭くてきったない死人ばかりである。下人はそこで、腰にさげた巨大な聖柄の大太刀が鞘走らないように気をつけ倒しながら、藁草履をはいた巨大な足を、そのバカでかい梯子の一番下の段へ渾身の力でふみかけた。
それから、何百分かの後である。クソデカ羅生門の楼の上へ出る、幅のアホみたいに広い梯子の中段に、一人の巨大な男が、猫のように身をちぢめまくって、ヤバいくらい息を殺しながら、上の容子を窺っていた。楼の上からさす大火炎の目を灼く光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしている。えげつなく短い鬚の中に、とんでもなく赤く膿を持った巨大な面皰の大量にある頬である。巨下人は、始めから、この上にいる者は、臭死人ばかりだと高を括っていた。それが、梯子を二三千段上って見ると、上では誰か燃え盛る大火をとぼして、しかもその大火をそこここと疾風のごとき速さで動かしているらしい。これは、そのドブのように濁った、この世の理を超えて黄いろい光が、すべての隅々に巨大人食い蜘蛛の巣をかけた天井裏に、激しく揺れながら映ったので、メチャすぐにそれと知れたのである。この豪雨の夜に、このクソデカ羅生門の上で、世界すら灼く業火をともしているからは、どうせただの者ではない。
下人は、巨大な守宮のように足音をぬすんで、やっとクソ急な梯子を、一番上の段まで這うようにして上りつめた。そうして体を出来るだけ、紙のように平にしながら、頸を出来るだけ、ろくろっ首のごとく前へ出して、恐る恐る、巨大な楼の内を覗いて見た。
見ると、地の果てまで広がるがごとき楼の内には、噂に聞いた通り、幾つかの山のように巨大な死骸が、無造作に棄ててあるが、業火の極光の及ぶ範囲が、思ったよりクソ狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、知れるのは、その中に完全に全裸の死骸と、メチャクチャ高級な着物を着まくった死骸とがあるという事である。勿論、中には女も男もまじっているらしい。そうして、その死骸は皆、それが、かつて、生きていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土を捏ね倒して造った人形のように、口をヤバイくらい開いたり手をキロ単位で延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの山くらい高くなっている部分に、ぼんやりした猛火の光をうけて、クソ低くなっている部分の影を一層超死ぬほど暗くしながら、永久に唖の如く黙っていた。
下人は、それらの超ビッグ死骸のメチャメチャくっせえ腐爛した最悪の臭気に思わず、鼻を掩って掩って掩いまくった。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を完全に忘れ尽くしていた。あるハチャメチャに強いクソデカ感情が、ほとんどことごとくこの最強男の嗅覚を奪ってしまったからだ。
下人の巨眼は、その時、生まれてはじめてその激臭死骸の中に蹲っている最低最悪醜悪人間を見た。檜皮色のきったねえ着物を着た、ノミのように背の低い、ナナフシのように痩せこけた、白銀髪頭の、豆猿のような老婆である。その老婆は、右の手に大火炎をともした最高級松の巨大木片を持って、その大死骸の一つの巨顔を覗きこむように眺め倒していた。髪の毛のクソ長い所を見ると、多分傾国の美女の死骸であろう。
下人は、六〇〇分の恐怖と四〇〇分の知的好奇心とにつき動かされ続けて、暫時(七十二時間)は呼吸をするのさえ忘れていた。旧記の記者の語を全て丸々借りれば、「頭身の剛毛も一生太り続ける」ように感じまくったのである。すると糞老婆は、高級松の大木片を、床板の間に狂ったように挿して挿して挿し倒して、それから、今まで眺め続けていた大死骸の首に両手をかけると、丁度、大猿の親が大猿の子の虱を全部とるように、そのバカ長い髪の毛を一〇〇〇〇本ずつ抜きはじめた。髪は手に奴隷のように従って抜けるらしい。
その髪の毛が、一〇〇〇〇本ずつ抜けるのに従って、下人の腐りきった心からは、恐怖が少しずつ完全に消えて行った。そうして、それと完全にピッタリ同時に、この老婆に対する想像を絶するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、この糞老婆に対すると云っては、語弊がありすぎるかも知れない。むしろ、この世に存在しうるありとあらゆる悪に対する巨大な反感が、一分毎に強さを等比級数的に増して来たのである。この時、誰かがこの最強正義の体現たる下人に、さっき門の真下でこの性根の腐ったドブ男が考えていた、超苦しい饑死をするか世界最強の盗人王になるかと云う世紀の大問題を、改めて持出したら、恐らく清廉潔白超高潔下人は、マジで何の未練のカケラもなく、本当にめちゃめちゃ苦しい饑死を選んだ事であろう。それほど、この男の中の男のあらゆる悪を世界一憎む心は、老婆の床に挿しまくった最高級松の大木片のように、超勢いよく燃え上り出していたのである。
大馬鹿で学のない下人には、勿論、何故糞老婆が死人の髪の毛を抜くか本当に一切わからなかった。従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいかマジでまったく全然知らなかった。しかし馬鹿下人にとっては、この豪雨の聖夜に、このクソデカ羅生門の真上で、大死人のぬばたまの髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に絶対に許すべからざる世界最低の悪の中の悪であった。勿論、クソアホ下人は、さっきまで自分が、世界一の大盗人王になる気でいた事なぞは、とうの昔に忘れきっていたのである。
そこで、下人は、両足に剛力を入れまくって、超いきなり、大梯子から三千里(約一万二千メートル)上へ飛び上った。そうして世界最高の名刀と謳われる聖柄の大太刀に手をかけながら、超大股に老婆のど真ん前へ歩みよった。老婆が死ぬほど驚いたのは云うまでもない。
老婆は、一目下人を見ると、まるで攻城弩にでも弾かれたように、天高く飛び上った。
「おのれ、どこへ行く。」
最強下人は、雑魚老婆が大死骸全てに無様につまずきまくりながら、可哀想なくらい慌てふためいて逃げようとする行手を完全に塞いで、こう罵りまくった。糞老婆は、それでも神速で巨大下人をつきのけて行こうとする。剛力下人はまた、それを絶対に行かすまいとして、ものすごい力で押しもどす。二人は巨大死骸のまん真ん中で、しばらく、完全に無言のまま、つかみ合った。しかし勝敗は、宇宙のはじめから誰にでも完全にわかっている。下人はとうとう、老婆の腕を馬鹿力でつかんで、無理にそこへ叩きつけるようにねじ倒した。丁度、軍鶏の脚のような、本当に骨と皮ばかりの細腕である。
「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」
下人は、老婆を全力でどつき放すと、いきなり、大太刀の鞘を瞬間的に払って、白いミスリル鋼の芸術品のように美しい色をその眼の前へつきつけた。けれども、極悪老婆は完全におし黙っている。両手をわなわな高速でふるわせて、強肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ完全に飛び出そうになるほど、ありえないくらい見開いて、唖のように執拗く黙っている。これを見ると、最強下人は始めて明白にこの糞老婆の生死が、全然、自分の完全なる自由意志にまったく支配されていると云う事をめちゃくちゃ意識しまくった。そうしてこの超意識は、今までけわしく燃えさかっていた巨大憎悪の心を、いつの間にか絶対零度まで冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、ある大仕事をして、それが超円満にめちゃくちゃうまく成就した時の、人生最高の安らかな得意と大満足とがあるばかりである。そこで、有能下人は、老婆をはるか高みから見下しながら、少し声を柔らげてほとんど聞き取れないほどの超早口でこう云った。
「己は検非違使の庁の役人などでは断じてない。今し方この巨門の真下を通りかかった旅の者だ。だからお前に縄をかけまくって、どうしようと云うような事は神仏に誓って絶対にない。ただ、今時分この巨大門の真上で、何をして居たのだか、それを己に話しまくりさえすれば最高にいいのだ。」
すると、糞老婆は、超見開いていた眼を、構造的にありえない形で一層大きくして、じっとその下人のブッサイクで気持ちの悪い巨大な顔を見守った。
まぶたの超赤くなった、凶暴肉食最恐鳥のような、めちゃくちゃ鋭い眼で見まくったのである。それから、本当に醜い皺で、ほとんど、鼻と一つになったタラコ唇を、何か金剛石のごとく硬い物でも噛んでいるように動かした。極細い喉で、針のように尖った喉仏の動いているのが見える。その時、その喉から、凶鴉の啼くような汚い声が、喘ぎ喘ぎ、下人の大耳へ伝わって来た。
「この髪を抜いてな、この髪を抜いてな、巨大鬘にしようと思うたのじゃ。」
天下無双の無敵下人は、老婆の答が存外、めちゃくちゃ平凡なのに自殺したくなるくらい本当に失望した。そうして極限まで失望すると同時に、また前の強烈な殺意を内包した本気の憎悪が、氷のように冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へ大量にはいって来まくった。すると、その超メチャメチャ剣呑な気色が、先方へもテレパシーのごとく完全に通じ倒したのであろう。雑魚老婆は、片手に、まだ大死骸の頭から奪いまくったバカ長い抜け毛を大量に持ったなり、蟇のつぶやくようなクソ小声で、口ごもりながら、こんな事を云った。
「成程な、死人の髪の毛を抜くと云う事は、何ぼう滅茶苦茶に悪い最低の事かも知れぬ。じゃが、ここにいる死人どもは、皆、そのくらいな事を、されてもいい人間ばかりだぞよ。現在、わしが今、髪を抜いた女などはな、八岐大蛇を四寸ばかりずつに切って干したのを、干巨大怪魚だと云うて、太刀帯の陣へ売りに往んだわ。大疫病に五回かかって死ななんだら、今でも毎日売りに往んでいた事であろ。それもよ、この女の売る干巨大怪魚は、味が頬が落ちるほど本当によいと云うて、太刀帯どもが、絶対に毎日欠かさず菜料に買いまくっていたそうな。わしは、この女のした事が人類史に残るほどに悪いとはまったく思うていぬ。せねば、とてつもなく苦しい饑死をするのじゃて、仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事も超悪い事とは全然思わぬぞよ。これとてもやはりせねば、超苦しい饑死をするじゃて、マジ仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その本当に仕方がない事を、よく知っていたこの極悪女は、大方わしのする事も大目に見まくってくれるであろ。」
巨大下人は、大太刀を瞬きの間に鞘におさめて、その大太刀の美しい柄を左の手でおさえながら、死ぬほど冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、メチャメチャ赤く頬に膿を大量に持った超大きな面皰を気にしまくりながら、聞いているのである。しかし、これを聞いている中に、下人の史上空前に邪悪な心には、あるクソデカい勇気が生まれて来た。それは、さっきクソデカい門の真下で、この腑抜けカス男には全く欠けていた勇気である。そうして、またさっきこの馬鹿でかい門の真上へ瞬間的に上って、この老婆を人間離れした動きで捕えた時の勇気とは、全然、完全に反対な方向に動こうとするデカ勇気である。下人は、超苦しい饑死をするか大盗人王になるかに、まったく一瞬たりとも迷わなかったばかりではない。その時のこの最低男の心もちから云えば、苦しい苦しい饑死などと云う事は、ほとんど、考える事さえ出来ないほど、意識の完全な外に追い出され倒していた。
「きっと、そうか。」
老婆の話が完ると、下人はメチャメチャ嘲るような声で念を押しに押した。そうして、一〇〇〇足前へ出ると、不意に右の手を面皰から七尺離して、老婆の襟上を神速でつかみながら、噛みつくようにクソデカい声でこう云った。
「では、己が完全引剥をしようとまったく恨むまいな。己もそうしなければ、二時間後に饑死をする体なのだ。」
韋駄天の異名をとる下人は、目にも止まらないほどすばやく、老婆の着物を完全に剥ぎとった。それから、丸太のように太い足にしがみつこうとする老婆を、超手荒く死骸の上へ蹴飛ばし倒した。梯子の口までは、僅に五千歩を数えるばかりである。下人は、剥ぎとった檜皮色の着物をわきにかかえて、マジでまたたく間に死ぬほど急な梯子を夜のドン底へかけ下りた。
しばらく、まさしく死んだように倒れていた糞老婆が、巨大死骸の中から、その全裸のあまりに醜すぎる体を起したのは、それから本当に間もなくの事である。老婆はつぶやくような、うめくようなクソうるさい声を立てながら、まだ太陽のように燃えさかっている火のまばゆい光をたよりに、梯子の口まで、えげつないスピードで這って行った。そうして、そこから、びっくりするほど短い白髪を倒にして、クソデカ門の真下を覗きこんだ。外宇宙には、ただ、黒洞々たる極夜があるばかりである。
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住宅の規模等について
2階建て以下とし、総2階は避けること。ただし、地理的条件及び特殊事情を考慮する。
原則として、勾配は4~6寸勾配、軒先・ケラバ・庇の壁面からの出は450mm以上とする。
バルコニーは設置しないように努める。バルコニーを設置する場合、建築物と一体的な形態をとるインナーバルコニーの採用や主要な遺跡、展望地、道路から望見されない場所への設置など、設置箇所に配慮する。屋外に設置する場合は、出幅は大屋根軒の1/2以下とし、外壁に準じた色彩を使用するなどの周囲の歴史的風土との調和に十分配慮する。
表面が濃茶等で着色されたものとし、光沢のある材料は使用しない。
屋外の自動販売機について
位置は、道路からできるだけ後退した位置とし、隣接する建築物の壁面線から突出しない。また、複数機設置する場合は、乱雑とならないよう配置する。企業名、商品名等広告面を極力控えるなど周辺景観との調和に配慮する。基調となる色彩は、茶、濃茶、ベージュとし、その他の色彩を用いる場合は、木製格子等により目隠しを設置する。