はてなキーワード: リクナビとは
大学中退後フリーターを続けていて、27才にして6社を転々としてきた。
途中から田舎の実家へ引っ越して甘えて過ごしていたが、今年頭に急に東京で就職したくなって、何社か受けるも不採用が続き、田舎にいることが原因なのではないかと思い、思い切って東京でのフリーターを始めた(この判断がすでにアレであることに最近やっと気付いた)。
引っ越しから数ヶ月経って、東京でのアルバイトと生活にも慣れてきたため、リクナビネクストやマイナビ転職で正社員を探し始めたが、どうにも求人の待遇に不安を感じる。
手取りではなく月給20万とか、40時間分のみなし残業代込みとか、賞与なしとか。
しかし、正社員になれないまま東京でフリーターを続けるなら、実家へ帰った方がマシである。
収入は下がるけど、両親の顔を見ながら幸せに暮らしたいとも思う。
ゴミのような履歴書でも応募できる、年間休日120日以上、手取り18万以上、新宿駅近く勤務の正社員求人なんて、やっぱり存在しないのだろうか?
院1。夏。もうすぐ学会だ。
学会で忙しいだろうからっていって、1日インターン2つ申し込んだだけにした。
さてとインターン見なきゃな、とどの長期インターンはもう終了している。やべー。
ふとインターンサイトのプロフィール、いわゆるアピールボードを開く。
この二つはもう埋まっている。わりと迷わず埋められたと思う。
……。
空欄。
理由は単純で、一人の方が楽やんとか人と話すネタ浮かばんからどう話しかけりゃいいかわからん!とかいうてたらあっという間にハブ山ハブ男。
サークルどころか学科でもそうだった。研究室はちょっとだけ話したかも。4人の研究室。なお1人は失踪。1人は就活。
もう1人は、俺が研究やってるのを見てか、こいつについときゃ卒業できるやろwと思われたのか。共同研究すること。あれ共同って言わないよ。
あーじゃあ趣味を代わりに書き込もう。サークルの代わりになるかな。
自分は一人でチャリでふらっと数日旅行するのが好きだし、それを書いてもいいかな。。。
んでもこの項目で企業が知りたいのは、多分協調性かリーダーシップを見たいんやな。
ということは、、、
ここに一人でチャリがどうのこうの書いたってなんの意味もないじゃないか。
いや、協調性ってなんだろう。
どうもグループで何かを成し遂げるために必要な能力のすべて、らしい。
だとすれば。
22の人間が人生を思い返すだって笑われるのかも。でも気づいてしまった。
この段階ですでに必要とされていた『協調性』なぞ、俺にはない。
中学時代まで空気を読むの意味が、感覚としてもわからないポンコツっ子でした
まあだからいろいろされる人でした でもそういうことした人に今はうらみなんかありません
というか書きたいそこは本題じゃないですね
高校時代になって初めて、なんとか空気を読むことの理解をしました
そのときに自分を妥協することでこんなにも認められるんだ!とか思っていました
それが認められたことのイコールにもならないのに
協調 … 力を合わせてことをなすこと 利害の対立するものが、力を合わせてことにあたること
妥協 … 対立していた者の一方が他方に、あるいは双方が譲ることで意見をまとめること
http://www4.plala.or.jp/k-k/meisai019.html
らしいです。協調性は妥協じゃない。当たり前の話なのにあまり考えてもみなかった。
ああーーーーでも気づいてたんでしょう。なあ大1の俺。なあなあなあ。
心のどっかで絶対に妥協は逃げで、妥協すれば協調できる、仲間の一員として認められるってもんじゃないことを知っていたはずだよ。
だけどすぐに「しょーじき人生一人の方が楽やろw」とか思っちゃってさ
きっとそういう気持ちが大学生の俺自身をハブ山ハブ男にしたわけです。
俺はいま協調性を身につけたい。というかそれで成功体験が欲しい。
こんな悪くもないのに謝罪しまくって妥協し、協調できた気になってる自分を変えたい。
「就活のためにボランティアしてるようなもんじゃんwこの偽善者がw」
「いまさらボランティア!?あんたインターン長期いってないのに!?」
特に「就活のためにボランティアしてるようなもんじゃんwこの偽善者がw」っていうのが脳内で聞こえる。
「いまさらボランティア!?あんたインターン長期いってないのに!?」
これも聞こえるけど、まあまあまあ……
正直一番下なんてのはどうだっていい。
「就活のためにボランティアしてるようなもんじゃんwこの偽善者がw」これがヤバい。
就活のため→自分を変えたい→協調性養って成功体験ゲットして自信付けよう、なんだよね。
不純すぎる。
キモい。
もうだめなのかもしれない。なんだか行動する気力をそがれていく。
今日も何も何も決められないまま、俺はリクナビのアピールボードのページを閉じる。
ボランティアのページを閉じる。
声にならない叫びを叫びたくて、1年ぶりにここに来た。もしかしたらだれか共感してくれるんじゃないかとか思ってしまう。
書き殴った理由はうっぷんを晴らしたくて、だけども。。。
どうしたらいいのだろうか、明日は休みを取れたので、とりあえず、寝て起きてゆっくり考えよう。
叩かれてるかもしれんなそれはそれで落ち込むけどもまあまあまあ……
https://anond.hatelabo.jp/20170902142944
しろくま先生のブックマークで青二才のことを久しぶりに思い出したわ。
そういえばそんなのもいたね、相変わらずなのかよと見に行ったら思ってたのとぜんぜん違うじゃん。 最近の記事見たらお友達もできて楽しそうにしてるじゃん。今更QMAにハマってQMAの紹介とかやってんじゃーん。
ようは、今まではてなでしょぼい注目を集めることくらいしかアイデンティティを見いだせなかった人がブログをきっかけにして、はてな以外に自分が生きる場所を見出したってことでむしろ祝福すべき話だろこれ。
たしかにブログ記事超つまらなくなってるけど、ブログがつまらないってことはリアルが充実してきたってことで本当にいい話って考えるでしょ。
青二才はようやくはてなを卒業できそうだね、良かったね、あとは独自ドメイン取ってWPにでもひっこせば完璧だね、二度とこんな地獄には戻ってくるなよ、って言えばいいのにメルマガだのVALUだのどうでもいいところでチマチマ悪口を言う事しか出来ないのって恥ずかしくないの?
はてな村を卒業して真人間になろうとしている人間を追いかけて石を投げるのはマナー違反だろ。 他の人間見つけてそっちにいけよ。まだ青二才で消耗してるの?
それはそうとして青二才、文章方ははあんまり変わっておらんな。一番新しい記事読んだけど
就活で戦うのが不利だから、リクナビマイナビに頼った就活を辞めた方がいいだけ。
自分で仕事を興してもいいし、バイトから入って信頼関係築いてもいいし、やりたい仕事の知り合いを作って、仲間に入れてもらうのもいい!
でも………
◇移民を受け入れるかどうか?
移民を受け入れない
→ごっそり抜けた30代40代、今更なんとか技術や社内文化を継承しようとするも、手遅れ感満載
今まで、下っ端仕事しかさせられなかったのに急にアナログな業務と責任感を押し付けられ疲弊するゆとり
移民を受け入れる
→いつの間にか増える非正規雇用、契約社員、派遣社員が増殖し、気がついたら正社員率は20%以下に
非正規上がりの40代管理職に顎で使われる新卒(あるいはその逆)
あらゆる会社の独自ルールが入り混じり、時折意味わからんことを口走る上司、社内サーバーの中はごっちゃごちゃ
もう結果は出てるかもしれないが、
転職した、今度の会社も転職サイトの直接応募だった、前職もそう。その前は会社のサイトから直接応募した。
この3回、同時に人材紹介でも応募したのだが箸にも棒にもかからない感じ。
面接も何回か行ったが、直接応募と条件的にはそう変わらない。
なんでかな~?と思ってみて、大手サイトの掲載料と人材紹介の手数料について調べてみた。
リクナビ、マイナビだけだがだいたい奮発して120万(4週掲載)、人材紹介なら400万円の人材の手数料とおおよそ同じだ。
転職サイトを利用する日本人の平均収入をこのサイトのとおりとすると(https://goo.gl/7641B)人材紹介のほうが高い。
でもだから終わってる。っていう話じゃない。
企業としてはいい人材が入ってくれば取り戻せる額なので、単純な金額の多寡では比較できない。
ではなぜ終わってると感じるのか。
日本人の大体転職サイトを使う人の収入の最頻値を450万とすると同じ人を雇うなら転職サイトへの掲載の方が単純比較だと安い。
しかし、人材紹介は成功報酬である。さらに人材の募集も紹介会社がやってくれ、1次面接程度のふるい分けなら任せることもできる。
この「成功報酬」がミソで、欲しい人材に当たるまでタダでガチャを回し続けられる。
「すぐに欲しいわけじゃないけど、いい人がいたら入社して欲しい」と言う長期的な視点でないと割高になるのである。
退職などで急に人材が必要になった場合は転職サイトへの掲載のほうが割安なのでそちらが選択される。
さらにそもそも「すぐに欲しいわけじゃないけど、いたら入社して欲しいいい人」なんてのは転職市場じゃ掘り出し物で、価格も結構高くなるので割高さは増すのである。
「エージェントで決まらなかったのは、お前が凡骨だからなのだ!」と言う厳しいご意見もあると思うし、
実際人材紹介会社が何社もあって潰れてないんで上記の状況では無いんだろう。
けど、管理職とか経営者とか希少な上級ニッチを雇うなら分かるけど、正直人材紹介会社を使うメリットっていうのがわからない。
特にこれ以上人不足になったらなおさら終わっちゃうんじゃないかとも思う。
飲み会が嫌だ
何が嫌って、本人たちは垣根のない関係を!とか思ってるんだろうけど実際は何かというと社内の立場持ち出して自分の気持ちのいい発言しか許さないとこ。
あと本気で嫌がってるのを分かってないとこ。
そもそも飲み会なんて仲のいい奴らで集まって、自然発生的に「じゃあみんなで座れるとこ行こっか」で開くもんであって
「はい飲み会開始~~~ハイ俺たち仲良しな!」なんてものはもはや関係の強要なんだよ。レイプなんだよ。
酒は誰もが大好きって感覚を共有しているつもりなのも嫌だ。
親が酒のんで暴れてるの見て育ってるんだから嫌だよ酒なんて。気狂い水だろ。
実際俺も遺伝してるから酔うと暴れるし、思ってもいないこと言っちゃうし。大抵は本音だけど。
まさか酔っても本音を出さない忠誠心を試してる、とか冷戦時代のスパイ採用のテストみたいなこと言うなよな。
大抵飲み放題なのも嫌だ。
2時間強制拘束なのが嫌だ。悪臭と喧騒の中、2時間も人生が消費されるという悪夢。最悪だ。
2時間経ってもまずすぐ立たないのが嫌だ。店も店だ。「もうお時間ですが」くらい言いに来てくれ。
いや言いに来てもまだダベったりする。最悪だ。
大体長くて見ても30分くらいでいいだろ。10分でも長いのに。
仕事上のケアがあるわけでもないし、昇進の口利きがあるわけでもないし、そもそも昇進したところで昇給だってしないし。
2次会があるのが嫌だ。
なんで自然な流れで「次の店どこにする?」なんて話になるんだ。そんなに飲みたいなら一人でやってくれ。
お前の人生が中年になってもなお空虚で、今後も何ら実りのない人生が待っていることが分かっているとしても、それに俺を巻き込まないでくれ。
1秒でも帰りたいのに、「いいから来い」じゃないんだよ。
もう大騒ぎしてお巡りさんに助けてもらいたい。泣きたいよ。
ああバカバカしい。古くはシュメール人の頃からこんな文化があるらしいが、本当にバカバカしい。
みんな本当にこんなのが好きなのか?いい加減にこんな文化規制してくれ。
リクナビもリクナビだ。「飲み会あります」「人権軽視あります」とかそういう項目が必要だろうが。分かっていたら入ってなかったのに。
http://anond.hatelabo.jp/20160618211423
「リクルートなりマイナビなりの営業と話するといつもボヤいちゃう。
"学生には内定攻略セミナーして、ESに書く事指南して、採用側企業にはESの記載内容はこういう学生を採用しましょう"とか
"1人で3度おいしいよね。なにこの死の商人。アンタその片棒担いでる意識ある?"」
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やはり個々人が相手に「自分はこんなことを起こせる」ということをアピールし、無視できなくなるレベルになるしかないのでは???(ぼやかし表現)
数多の歴史を紐解いても、力を持った弱者が好き勝手暴れまわることで、
ようやく、はじめて、その問題の解決に取り組まれたケースばかりだ。
私も直に後に続く。
ーーーーー
あと企業の人もいい加減下のループに気づいた方がいいと思うんだけど
リクナビ、マイナビに企業情報(広告)を載せ人を集める→たくさん来る→……が採用コストの増大かつ内定辞退も沢山現れ、結果としてリクナビマイナビの一人勝ち
15年前。
時期だけが違うだけで、(あとインターンがそこまでなかった)ほとんど今と一緒。
100社説明会いって50社くらいエントリーシート出して、第一志望おちて第二決まったとこで就職活動終えた。
リクナビとかから死ぬほどメールきてたけどほとんど読んでなかったな。興味本位でものこの量の会社説明会に行っていた。合同のは行ってない。自社のプレゼンを大規模にやる場所で社長とかがしゃべる説明会がやっぱり面白かった。
10年前に地方で就活した文系。時期はともかく、流れは今と一緒なんじゃないかな?
3年生になると、インターンとか行きだす。
夏~秋に、みんななんとなくリクナビやマイナビあたりに登録し始めて、みんななんとなく業界研究や企業研究、自己分析なんかをはじめる。俺はしなかったけど、OB訪問をする奴もいた。
冬くらいになると企業の合同説明会なんかが始まるので、気になる企業の説明会に参加しだす。
年明けくらいに、取り合えず唾つける気分でエントリーしまくって、企業単独の説明会に参加しだす。エントリーした企業から会社説明などの書類や選考書類が郵送されてきて、うんざりする。あとは、エントリーシートに備えて志望動機をや自己分析を練るのにも、うんざりしてたな。
2月くらいになると、企業ごとに志望動機とかを書くエントリーシート(今もあるのか?)を提出する。たぶん30社前後?Webで出すとこもあれば、郵送のところもあった。この辺で、リクルーターから携帯かメールに連絡が来る。
3月になると、面接が本格化して、既に内定が出てる同級生なんかも出始める。
今年度卒業予定であり就活手前ですが、今まで何もしてこなかった自分への苛立ちと後悔を感じています。なぜそんなことになったのかを自分の気晴らしに書きます。
専門学校に入学するのは「プログラマになるための最短ルート」だと思い、学費も大学より安いことから専門学校に入学。前年度は学校では基本情報技術者の勉強をするだけ。基本情報技術者を無事取得しましたがプログラミングの授業はゼロに等しかったので、個人で企業のapiとajaxを利用した簡易的なwebアプリケーションを作ったりしました。
今年度に入り学科の就活解禁日より二足ほど早く、プログラミングスキルを判定できる新卒エンジニア向け就活サイトで大企業様のスカウトを受け採用試験に挑戦。結果は不採用で通知メールにはコミュニケーションは問題なかったが、技術力が足りないと書かれていました。
私はCentOSで多目的サーバを高校時代から運用し、webアプリケーションを作った経験と国家資格をもあれば十分だろうと思っていたことが甘かったと痛感。
面接(というより面談)の対応をしてくださった方はとても良い方で、面談の中でエンジニアは常に最新技術へのアンテナを貼るべきで学生のうちは何でも作ってみるべきだと教えてくれました。
その教え通り私は今何かを作ろうとしています。それでも自分の中でプライベートの時間をプログラミングに割くことができず娯楽に使ってしまう心の弱さに苛立ちを感じているのです。
自分は就職するのだな、というのが決定的になったのは、大学三年の正月に帰省したときだった。そのとき姉は子どもを身ごもっていて、結婚式の準備を進めている時期だったと思う。両親の住む実家はいつになく浮き足だっていて、居間に鎮座した年代物のコンポが機嫌のよい音楽を流しているのを何年ぶりかに聴いたりした。この雰囲気だったら言っても大丈夫だろうかと思った。家に着いたその晩、おそらく姉の結婚式やお腹のなかの子どものことをしばらく話したと思う、そのあとに切り出した。あのさ、大学院に行きたいっちゃけど。
予想外に、部屋の空気が一瞬で凍りついたのを覚えている。両親は言葉を発さず、コンポから流れる陽気な音楽(荒井由実のセカンドアルバムの六曲目、あなただけのもの、)がいっきに、なにか強烈な、皮肉めいた疎外感のようなものを演出する異物となって浮き上がった感触があった。しばらくして、母が重々しく口を開いた、なん言いようね、そげんお金なかよ。大学院てなんね。行ってなんすると。もとより自分も、大学院で何か研究したいことがあるわけじゃなかった、研究というのが何をすることなのかもよく分かっていなかった。ただサークルや何やで接する先輩たち、自分より二年間長く学生でいられる、その二年間は就職せずにいられるひとらのことがうらやましかった。その程度の動機だったから、突如として部屋に現れた重苦しい空気を前にして、うっかり声に出した気持ちは途端に冷え切り、しぼんでいった。なんでんなか、分かった。話を逸らすような話題もなく、アルバムが次の曲に行ってしまうまえに居間を出て階段を上がった。あのコンポが音楽を流しているのを聴いたのはそれが最後だったと思う。
*
就活ではいろいろな街へ行った。下宿していた福岡から、十分な交通費が支給されるときは新幹線や飛行機(LCCはまだなかったから、スカイマーク)で行き、そうでないときは夜行バスで行った。その土地の知人に当てがあれば泊まらせてもらうときもあり、ネットカフェに泊まるときもあった。神戸の三宮とか東京の蒲田とか、そのころネカフェに泊まったっきり訪れていない街がいくつかある。
就活にかかる交通費は多くの同級生にとって悩みの種だったと思う。専攻柄、東京に一極集中したメディアや広告、出版関係の企業を受けるひとが多かったせいもあったか、とにかくいかに交通費で破産せず就活を乗り切るかはひとつの重要なテーマとして共有されていた記憶がある。自分もそんなに多くの交通費を出せる状況ではなかったので、受ける企業の数をかなり絞っていた。当時の就活サイトが提唱する標準的なエントリー数は二十社くらいだったけれど、自分は十社も受けなかった。それでも度重なる関西や関東への移動はそれなりに負担で、特に東京の会社で選考が進むたびに片道半日以上かかる夜行バスを往復するのは楽ではなかった。
夜行バスが発着するのはたいてい新宿の西口だった。あるとき、行きのバスに乗っていた添乗員さんと、帰りのバスでも鉢合わせたことがあり、乗り込みざまそのひとが、就活ですか、がんばってね、と声をかけてくれた。あのひとはたぶん、その数日間だけじゃなくてずっと、何十往復も、あの片道半日はかかる夜行バスに乗りつづけていたのだと思う、いまも乗りつづけているかもしれない。西新宿のビル街を歩くと時々そのことを思い出す。
支給される交通費で収入を得るモデルを立てていたひともいた。関東の実家や知人のところに滞在しながら、東京の会社をたくさん受け、それぞれの会社に対して福岡〜東京間の交通費を申請して利益を得る手法だったと記憶している。あるいは近場であれば、実際には18きっぷで移動しながら新幹線のぶんの交通費を出してもらう方法もあったらしい。これは静岡の会社に大阪から来ていた子が教えてくれた。会社でいっしょに最終面接を受けたあと、内々定をほのめかす説明会から帰るバスの中でのことだった。その子はすでに他社からも内々定を得ていて、ほんとうはそちらに就職するつもりだと言っていた。第一次安倍政権のときで、少なくとも経済政策はうまくいっていて売り手市場だったから、そのように交通費収入を得る目的で、実際には就職する気がない企業の内々定までを得る学生はその子だけではなかったと思う。二年後にはリーマンショックが起こって、ふたたび新卒市場は氷河期を迎えた(らしい)。もし自分が大学院に進み、二年後に就活をしていたら、たぶん学部のとき受かったところには受かっていなかっただろう。
職を得るためにスーツを着ることは苦ではなかった。それは公立の小学校から高校までをずっと制服で通わなければならなかったのと同じ程度の義務だと思っていた。大卒でそれをしなくてよい人生がどういう仕組みで成り立っているのか、そのころさっぱり想像がつかなかったし、いまでもその仕組みを十全に理解しているとはいいがたい。いずれにせよ、そうしたものは自分には関係のない、自分に与えられた生の可動域からは逸脱するものだと思っていた。もちろん、自分を取り繕って面接官に良い顔をすることとか、所与の経歴と志望動機を矛盾なく有効に繋げる作業を会社ごとに行うこと、そうした虚飾じみた行為への疲れはあった。リクナビやみん就のサイトを見るのも好きではなかった。けれど仕方のないことだと思っていた。ほかに生きられる道があるとも思えなかった、だからメンタツも読んだ、SPIも受けた、そうこうしているうち、他人に自分を矛盾なく説明するために用意したぎりぎり嘘でない物語の数々は、徐々に内面を染めかえ、自分のなかに元々あったそれらと区別がつかなくなっていった。照明がおとされた夜行バスの車中で、自分は眠れずによく手を組んで、いろいろな願いごとをしていたけれど、どうか今度の面接が通りますように、内定が取れますように、そういうこともふつうに願った。
*
先日、はじめて海外旅行に行った。羽田から仁川経由でニューヨークへ向かう機内の十数時間を体験しながら、ああ、これは博多から東京まで夜行バスでかかったのと同じくらいだなと思った。
夜行バスに乗っていたときの自分にとって、海外旅行も宇宙旅行も似たようなものだった。どうせ行けないのだから費用や行きかたなんて調べても意味のない、視界に入れたってしょうがないもの。行けるわけのない外国の遠さよりも、見慣れた田んぼ、そこにある変わらない暮らし、そういったものに思いを馳せるようになるのは、そのときの自分にはごく自然な成り行きだったと思う。だから新宿の街も好きではなかった。東口のネットカフェに泊まったり朝から歌舞伎町の銭湯に入ったりする小旅行を、楽しんではいたけれど、駅の通路に浮浪者の排泄物のにおいが漂っていたのを強烈に覚えてもいた。長く住むところではないと思った、その都市に、けっきょくいまは福岡に下宿していたのよりもずっと長いこと住んでいる。
去年はじめて実際に調べた、二月のヨーロッパやアメリカへ渡る往復航空券の値段は、盆や正月のラッシュのなかを新幹線で実家に戻るのと大差がなかった。どうせ行けるわけがない、他に選べる道もない、と見過ごしてきたものごとの数を考えた。けれど、そのときはたしかに、それが自分の視界に映るもののすべてだった。その視界が十分に広くなかったとして、いまを測るための物差しとしては省みることかもしれない、けれど責められるものではない。いまとむかしの自分は違う、同じものでない、そのことは互いの存在を妨げない。一応は自分のお金で大学院を出て一年が過ぎ、将来の自分から先借りしているお金を返しはじめて半年が過ぎたいまはそう思っている。
内定が決まっても辞退する事は可能、その場合もエージェントが企業とやり取りをしますから気になさらずと言われ、とりあえず数社に応募をした。
この時は希望と違う就労条件の会社から内定が出ても困るんだけどな…という、内定が出ることを前提とした応募だった。
内定ねぇ…
出ないんだこれが
エージェントから来るメールは「新しい求人が掲載されました」または「採用には至りませんでした」のメールのみ。
このあたりで自分の価値が採用側にとってどの程度のものなのか徐々に理解してくる。
・フリーランスと言いつつも良い人間関係に恵まれ仕事にも苦労しなかった→営業経験の不足
・誰かを雇うことなく自分だけで仕事をこなしてきた→マネージメント経験無し
・SPツールに拘りそれ専門で食ってきた→それ以外のことが出来ない
・40代
自分が採用する側だとして、数多くの応募の中からこのような者を雇うか?と聞かれたら返事に困る。つまりそういうことだ。
私がやってきた仕事は恵まれた人間関係の特定の狭い中でしか通用しない事だったんだなと初めて理解した。
仕事が順調に回っていたのも私の力量ではなく周囲の好意があって成立していたものだったんだなと。
とにかく働かないことには残りの税金も納めることが出来ず、私の、そしてなによりも子供の生活自体も崩れていく事に焦る。
リクナビ以外の転職サイト、エン転職やマイナビ転職、イーキャリア、DODAなどにも登録した。
希望する勤務地、月収、残業時間など条件を緩めていき、19時には帰宅していたい所を21時に間に合えば子供と風呂ぐらいは入れるだろう、
17時に学童から帰ってきた子供は私が帰宅する21時までどうする?まだ一人で長時間の留守番は無理だ。家政婦か?それのお金は?
考えないといけない事、現実的に無理な事が多すぎて頭がグルグルする。
近所の同級生家族には雑談で「そろそろ外で働こうかなーって」程度の情報は伝えた時に「それじゃお子さんはうちで夕食を食べなよ!w」
なんて社交辞令を本気で考えるわけにはいかず本格的にこれからどうするか、とにかく稼がないと…
そんな中、ひとつのデザイン事務所から面接をしたいと連絡が来た。
初めての書類通過に少し安堵するも平均残業は月に40時間と書いてある事務所だ。
基本就業時間は10-19時。そこに1日あたり2時間程度の残業を付け加え、事務所から帰宅するまでの90分を足すと22時30分…
どう考えても無理だ。
でも面接をし私の生活環境を考慮してくれて自宅への仕事の持ち帰りが許可されるのならもう少し早く帰ることが出来る。
とにかく話を聞いてもらおうと面接日を決めお伺いする旨を伝えた。
私は主にSP(セールス・プロモーション)ツールという販促物のデザインをしていた。
マイナーな商品なので何処にでもというわけではないが、コンビニやハンズなどに私がデザインをした商品もある。
デザインの仕事はセンスもそうだがその時の流行りを見極め、かつ新しい要素を提案していく作業でもある。
古く変わりのない完成されたデザインも多々あるが、そればかりだと私の仕事が不要になってしまうので
新しくデザインを起こしたりリニューアルする時に私のようなデザイナーへ依頼が来る。
その時代の流行に敏感になるには多くのものを見、他ジャンルや一見関係のない物や形を多く吸収することが必須だと思っている。
評判の店の内装や旅行先での景色、海外のプロダクトなど、自分が「良いな」「面白いな」と思ったものは購入したり写真に残したり。
それらのストックはいつ使われるかわからないが確実に仕事の幅に影響を与えるために必要な投資なのである。
というのが大義名分で、収入に比例し趣味や気になる物事に消費するお金も増えていった。
ラーメンをすすりデザートを食べるのも自分の仕事に直結する大事な投資。すなわち経費。
取引先のお姉ちゃんとデートしホテルに泊まるのも接待費という名の経費で申請(のちに振られる)。
そんな道理が通るはずもなく、経費として認められなかった経費はその年の年収として加算され、
収入アップ=税金増加であり追加徴収は合計で700万円ほどになり貯金はほぼ無くなってしまった。
転職するにあたり、これまでデザインの仕事で食べてきたので、当然その経験を活かし企業のインハウスデザイナーとして
ようこそ正社員で残業少な目ボーナスあり、土日祝休みで年間休日120日以上の新しい自分。
まずはリクナビに登録し数社の求人に応募するとリクルートエージェントという系列会社から登録しませんかと連絡がきた。
自分で探し応募するリクナビと違い、エージェントと言われるお姉さんと面談をし私の希望に沿った求人を探してくれるという。
採用された暁には企業側からエージェント会社に私の年収の数パーセントが報酬として支払われるという。
まずは自分がこれまでやってきた仕事の内容や希望する勤務エリアや年収、残業時間などを話すと
お姉さんがリクナビには掲載されていない求人を20社ほどピックアップしてきてくれた。
リクナビに掲載されている気になる求人もエージェントが直接やりとりをし年収の交渉などをしてくれるという。
ピックアップされた中から【応募したい】【気になる】【パス】と分けて、まずは【応募したい】【気になる】に応募してみましょうと言われた。
応募しても書類選考を通るのは50%、下手したら30%以下なので、とにかく気になった求人は応募し面接を受けツバを付けておきましょう、
とは言っても【応募したい】と思えるものが無く、SPツールのデザインに携われる求人は【気になる】に入った平均残業60-70時間/月で裁量労働制という求人。
裁量労働制。つまり勤務時間は自分の能力次第。残業してもいいがそれは自分の能力が低いから残業するはめになるわけで残業代は出さないよという酷い扱いのことであり、
「これで応募くるのか?どれだけ社員の時間を企業にささげればいいんだよ」と思えるほど今までの自分の仕事は恵まれていて自由であったと気付くのはもっと先のことであった。
実際のところ、嘘をつきまくって就活を成功させた人ってどれくらいいるのか気になる。
自分も面接の達人だの絶対内定だのの就活マニュアルを読み込み、それはそれは意識の高い就活生を演じるハメになって、嘘をついてきたけど、面接官に見透かされたのか嘘をつくのがヘタクソだったのか、ほとんど面接に通らなかったからなあ。
それで途中から開き直って、本音を若干オブラートに包んだような返答をするようになったら、徐々に面接に通り始めて、どうにか内定をもらうことが出来た。もう何年も前の話だけど。
面接で志望理由を聞かれたって、「家から近いから」「就活のイベントで勧誘されたから」「リクナビでたまたま目に入ったから」とか、もうそんな感じ。始めの頃は「業界における御社はうんたらかんたら、そして私はどうたらこうたら」と、それはそれは全く心にも思ってないことを延々と話してたわ。まあ考えてみれば、マニュアル通りに話せば、他の人もそんな話になるし、旗から見たら「ああ、コイツはダメだな」と思うよな……。
逆言えば、嘘付きが多いなら、案外本音路線で言ったほうがウケが良かったかもね。
だからまあ嘘ばっかりと投げやりになるなら、本音路線も悪くないかと。現に自分は本音路線で内定を貰って、今の会社にいるんだし。