はてなキーワード: 善良な市民とは
正直あれは大多数の善良な一般市民には縁の無い話なので気に病む必要なんかないと思う
大多数の善良な市民は、そもそも刺されることも刺すこともないだろうから
(ここからめちゃくちゃ長い話が続くのでご注意ください)
気にするのは
・本当に痴漢をやっている奴
・痴漢憎しで疑いのある奴は全部刺そうと思い詰めた行き過ぎた奴
・チクッと刺して相手がビビるのを見て楽しもうと思っている迷惑な愉快犯(冤罪を起こす奴)
ぐらいのものじゃないだろうか
男性はそもそも大多数が痴漢なんかやったことがないしやろうとも思ってない
↓ ↓ ↓
ゆえにどちらかと言うと冤罪の方が恐ろしい
+
「ちょっと当たったくらいでいちいち文句を言っているのではないか」
という「自分ではそもそも経験もなく具体的な話を身近に聞いたことも無いので想像と理解に限界がある」という現象が起きている
それに対し、女性は学生の頃から被害の大小はあれど何らかの性的な嫌がらせを経験した人間が思ったより多い
性的に不快な目に遭遇したという経験の中には「痴漢被害」もある
しかしわざわざそんなに親しくも無い異性に「私は痴漢にあいました」などと言いふらしたりはしないものだ
わざわざ言わないのは何故かと言うと
「まず恥ずかしい。恥ずかしい目に遭ったことをおおっぴらに言いたくない。うわさされたくない」
「告げた相手によっては『モテる自慢なのか』『性的魅力がある証拠だと言っているのか』のような謎の勘違いによるセカンドレイプまがいの心無い言葉をかけられるのが嫌」
「被害の程度によっては思い返すのも吐きそうなほど辛くて忘れ去りたい。なかったことにしたい。だから言わない」
というような理由が考えられる
(あと、少数ながら男性が男性から痴漢されたというケースも、痴女に触られたというケースも実際にあるので、被害にあわれた方々はそのツラさがご理解いただけると思う。
しかしこれがまた一層人に言いづらいものなので、大多数の善良な市民はそんな事が起こっているとはツユ知らず日々を暮らしているのだ。
だからこそ「まさかそんな」「痴漢なんて実在しませんよ」という発想になる)
被害の実情を知らない男性も、自分は痴漢に遭遇したことが無いという女性も、「ウソだろ」と言ってしまいがちだが、それはぐっと飲み込んで欲しい。
まぁとにかく、男女間での理解と想像と経験の差があまりにも違いすぎて、こと「痴漢」の話に関しては無駄に「男女の喧嘩」のようになりがちだ。
しかしよく考えて欲しい。
犯罪もしていない善良な男女同士でいがみ合って、得をするのは誰かと言うと「真の犯罪者(痴漢する奴と冤罪でっちあげする奴)」である。
本当の犯人である自分たちからみんなの目をそらすことが出来るのである。
対立煽りの方向へ話を転がせば、あとは勝手に善良な市民どうしていがみ合ってくれるので、大変に楽なのだ。
とてもちょろい構図だと言えるだろう。
「痴漢なんて絶対してない」し、「今後しようとも全く思っていない」のである!
そして「自分は痴漢じゃないから、冤罪の方がよっぽど怖い」と思っているのである!
考え方の基本姿勢がそこだから、痴漢被害者が勇気を出して訴えた時にも
「まさか」「考えすぎでは」「ちょっと当たったのを大げさに言っているのでは」
という考えになりがちである。
世の女性の大多数はそもそも「誰かを痴漢冤罪にハメてやろう」なんてこれっぽちも思っていないのである!
そんなことをする奴はごく一部。
しょっぴいていい。
むしろ痴漢に悩んでいる女性陣の敵でもあるので、しっかりとおまわりさんに叱られて冤罪にハメようとした男性に謝って罪をつぐなって欲しい。
遊びじゃねーんだよ!
今後の生活がかかってんだよ!
それを軽い気持ちで「キャー!この人チカンですー!」などとウソをついて面白がるような、ニンゲンのくさったような奴はさっさとおまわりさんに連れて行かれるがいい。
最近は微物検査をしっかりしさえすれば、例えば被害女性の胸と尻「だけ」に異様に容疑者の触った跡が出てくるなんて動かぬ証拠もバッチリらしいから、強く希望すればよいと思う。
犯人でないのなら大丈夫、身の潔白を証明するには強く毅然とした態度でいることだと思う。
ところで、一概に「痴漢」といっても善良な一般市民が想像するには限界があり、そして世の中には「まさかそんなやり方で痴漢を?!」というような被害も実際にあるので痴漢被害に詳しくないのは当然な善良な一般市民は被害者を「ウソだろ」「大げさな」などと少ない知識と想像で無駄にけなすのは良くない。
ウソはついていないし、むしろ恥ずかしいのをぐっとこらえて真の犯罪者を何とかして捕まえて欲しい、今後似たような被害が出ないで欲しい、そんな気持ちを無碍にしないで欲しい。
男性は大体自分が痴漢被害者になる事がとても少ないため、本当にその辺何も知らないのである。
知らずに済んでいるのは幸運である。知らないのは、善良だから。
「痴漢」なんて悪いことを考えてみたり実行してみたりしていないから。
これは男女とか無関係に遭遇すると「わかる」と思うのだが「痴漢の触り方」と「うっかり当たっただけ」というのは、それはもう全く別物な触り方なのである。
いかにもいやらしくしつこく撫でさすってくるとかいうのは、まだ分かりやすい。
触りつつとぼけようとする悪い奴というのは、まず「手のひら」を使わないことも多い。
手の甲が「偶然触れた」だけ、を装ったフリをして何度もタッチしてきたり、
新聞を持つヒジが「偶然となりのお姉ちゃんの胸に触れた」だけ、を装って何度も揺れて近づいてきたり、
あいてるのに隣に座って居眠りを始めるフリをして、ヒジを隣の女性のわき腹にグイグイとアバラが痛いくらいに押し付けてきて、次の駅で「起きとったんかい!」とツッコミたくなるくらい素早く降りていく、などなど
これは、本当だ。
触られた側でも「痴漢」か「そうでない」かはちゃんと分かるのである。
触られたほうも、「まさか」「偶然?」「勘違い…?」と最初は悩んで、その上で状況を見て確証を持って判断しているのである。
電車の揺れでピンポイントで女性のお尻の間に元気な息子さんが「偶然」ぴったりフィットするなんてのはエロ漫画の中だけのことで、実際は意図してそうやって腰を持っていかない限りはかなりムリな状態なのである。
偶然少しグラっと揺れただけで、たまたま女性の両胸をピンポイントでわしづかみにしたりは、まず「ない」のである。
大体、善良な一般男性なら「あっ!触ってしまう・・・!」と思った瞬間できるだけ必死で避けようと試みるのが常である。
痴漢の動きは、触られる側からすると「モロバレ」な気持ち悪さなのである。
犯罪者本人は、それを巧妙にカモフラージュしているつもりなのが非常に痛々しい。
あと、何度も言うが「痴漢なんて身近には出会ったことがない」「そんな被害、周りでは聞いたことが無い」というのは、非常に幸運なことである。
電車に乗れば、バスに乗れば、それが「満員ではないのに」わざわざ擦り寄ってくる・・・それが痴漢である。
自転車通学をすれば、「ただ後ろから同じくらいで走っているだけ」という状態でバイクでずっとついてくる・・・そんな場合もある。
痴漢は、痴漢なので善良な市民の思いもよらないような方法で破廉恥なことを仕掛けてくるのである。
これは本当である。
安全ピンで刺すという話が可能(オススメはしない)なのは、そういう「何故か他にもあいてる席が沢山あるのに密着して触れてくる」という痴漢に対してである。
満員電車ではそもそも遠くから手だけ伸ばしてこられたらもう誰か分からないし、自分や別人の尻を刺す可能性の方がよっぽど多いので、全くオススメできない方法なのである。
というのは、ある意味では痴漢被害の現状を知らないから言えることなのである。
すいていても、他にいくらでも席はあるのに、狙ったように妙に近くに寄ってくる・・・それが痴漢である。
日ごろ強がっている(ように見える)女性も、内心は痴漢被害に苦しんで早く忘れ去りたい、犯人は一刻も早く腕を切り落とされるか他界して欲しい、などと考えているものである。
男女でいがみ合ってる場合ではない。
真犯人をどうにかして阻止すること、捕まえて引き渡すこと、次なる被害者を極力出さないようにすること、これを共に考えていかねばならないのである。
今私が非常に面白がっている人物で宇野常寛さんという人がいます。
この人はネット上でサブカルチャーへの評論を展開し、その文章を買われて(?)ライターとしての活動を開始、現在はSFマガジンという雑誌で評論「ゼロ年代の想像力」を連載しており、オタク評論の新たな地平を切り開いた巨人・東浩紀と敵対したり、一緒に酒を飲んだりしています。
要は上の世代にもある程度期待されている新進気鋭の評論家さんです。
その主張は苛烈で痛快です。「評論の世界は十年遅れている」と言い放ち、その十年を取り戻す作業が自分の仕事だと宣言しています。上の世代の評論家はすべて「現状認識できていないノスタルジー中年でもはや害悪」、萌えに耽溺するオタクは「『酸っぱい葡萄』状態のどうしようもない奴ら」と無手勝流の撫で斬りで片っ端から斬り捨てます。
この人の活動の遍歴をまとめてみると面白いのでは? と思いこの記事を書いてみました。
北海道にて全寮制の男子校に入る。ここでの経験がその後の宇野さんの方向性を決定付けます。元々オタク率が高い田舎の進学校、加えて異性がまったくいない寮生活という住環境……。それは寮生の九割がキモオタという地獄絵図。ここで宇野さんは大嫌いなファンタジー小説を新刊が出るたびにむりやり読ませられて感想を聞かれる、などの地獄のような責め苦を受け続けます。富野信者でサブカル系の宇野さんには美少女がビキニアーマーを着て大冒険をするような話は耐えられなかったのです。
なぜ宇野常寛があれほどまでに萌えオタを敵視するのか? それはこの寮生活でのトラウマがすべての原因なんです。宇野さんが萌えオタを攻撃するのはこの頃の復讐なのです。
寮生の半分は卒業後に「引きこもりのギャルゲーマー」になったそうですから相当屈折した人たちが集まっていたことが覗えしれます。そして、「恋愛したくてもできないからギャルゲーに逃げるオタク」をいっぱい見た宇野さんは「性愛コンプレックス」にこだわるようになります。
同じ嗜好性を持つ人間がまったくおらず、一人で古本屋に行き「アニメック」のバックナンバーを買い集めていた宇野さん……。この時に趣味を共有できる仲間に出会えていればその後の人生は大きく変わったでしょう……。
この辺の話は旧惑星開発委員会のコンテンツ「善良な市民のオタク黒歴史」というエッセイに詳しいです。
高校を卒業し、宇野さんは寮生活から解放されて浪人生活に入ります。ここでどんな風に過ごしてたのかはあまり語られませんがPLANETS第四号によると「楽しすぎてさらに浪人した」と書いてありますので、キモオタ軍団から解き放たれたのがよっぽど嬉しかったのか勉強せずに遊んでいたようです。
しかし、そこはやはり浪人生。二年間もの浪人生活でキャンパスライフへの憧れはどんどん膨れ上がっていきます。未だに「大学生活」や「サークル」に拘るのはここに起因があるとみて間違いないでしょう。
ところで思春期を男子校で過ごし、その後二年間浪人……ってことは宇野さん、ヤラハタですか?
そして、立命館大学に入学し関西に移住。大学に入った宇野さんはサークルの自己紹介名簿を見るのが趣味となり、サークル内での「立ち位置」や「キャラ設定」について考察するようになります。おそらくは自慢のコミュニケーションスキルを生かしてサークル貴族となり、カーストの下位にいる人間(宇野さんによると「毎日辛いけどサークル抜けると友達がいなくなるから抜けられない人間」)を苛め抜いていたんじゃないでしょうか。
そして在学中、おそらく三年生か四年生の頃に「善良な市民」というハンドルネームで2002年1月に「惑星開発委員会」というウェブサイトを開設します。それまでのテキストサイト(単なる日常を痛々しいほどの過剰な修飾で必死に面白話に仕立て上げようとするサイト)に違和感を持っていた宇野さんは一人ではなく友人を誘って複数人で運営。
主なコンテンツはアニメ・漫画作品を複数人でレビューする「クロスレビュー」、90年代のサブカル文化人や事件を考察を加えて紹介する「惑星開発大辞典」、宇野さんが出会った痛いオタクを面白おかしく描くエッセイ「善良な市民のオタク黒歴史」などです。
複数人で運営していること、宇野さんの広範なサブカルチャーへの知識、ひたすら萌えオタを攻撃する芸風、まったく洗練されてないごちゃごちゃしたサイトデザインなどで話題になります。
特に萌えオタへの強烈な煽りは当時のオタクたちを刺激し、某掲示板でスレッドが立ち「萌えオタは現実逃避してるのか?」と論争が巻き起こるほどでした(当の宇野さんは萌えオタ批判は「過剰な方が面白いからエンターテイメントでやってる」と掲示板でネタバラシしていました)。
しかし、おそらくは就職でメンバーのプライベートが忙しくなり、クロスレビューを更新することが難しくなります。また、萌えオタ批判がマンネリ化し、一本調子になってしまい、読者にも飽きられ始めてしまいました。そうして宇野さんは更新への意欲を失っていき、更新を止めてしまいます。活動停止、実質の閉鎖です。最終更新は2003年4月になっています。
続き
これは、生活保護以下の収入のやつに対して無条件でその分を補填するって制度だ
ベーシックインカムと違って全員にやる必要がないから金もさほどかからない
反論出来ないだろ?
むしろ批判してる政党の支持者が結束してより政権が安定するだけ
こういう実現可能かつ票が集まるしかない政策をどんどん上げていくことが民主主義であり善良な市民なんだよ
お前らはてなーがやってんのは欲しいものを買っえもらえなくて騒ぎ回ってるガキと同じこと
少しはIQあげような?
宇野氏のアンチが過去ログを引き合いに出して宇野氏を叩いてるが、
いやいや、宇野氏の善良な市民時代って十年以上も前やん。古い証文にもほどがある。
宇野氏は00年代末期から10年代前半にかけて、けいおんやAKBを好きになって変節したんだよ。
人は変わるんだよ。アンチは人が変わることや成長することを許さない人達ですか?
宇野氏の芸は、学識や教養を以ってオタクを類型化し、その正体を看破する知的な芸であり、
カジサックのように特定個人の外見や仕草を笑うようないじめ芸ではないし、
はあちゅうの童貞いじりのようなクリエイティビティの欠片もない素人芸でもない。
(4)
転叫院さんの批判に対する宇野さんのレスポンスはなされませんでした。この時、宇野さんは何をしていたか?
406 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2006/09/10(日) 00:11:01 ID:1CS5n8Ba
本業が多少忙しいんだろ
(コーナーの量からしてとてもそんな忙しそうには思えないが)
ライター業の仕事が増え始めて忙しかったみたいです。ウェブで読める「宇野常寛」の仕事はこんな感じ。
ところで転叫院さんがメンバーを抜けてこんな余波が。
429 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2006/09/13(水) 22:09:03 ID:knDGDuU2
あとがきのところで「新訂惑星開発大辞典」を作ることを言明してるな
立ち上げ当初から惑星開発大辞典を全面改稿すると宣言していたのですが、今もそれはなされていません。メンバーズリストによると転叫院さんが新訂大辞典を担当するとなっており、おそらくは転叫院さんの脱退によってお蔵入りになったのでしょう。
ライターとしての宇野さんの仕事が確認できるようになると、某掲示板のスレッドではこんなことが書かれます。
82 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/11/26(日) 20:55:33 ID:o7u55b6O
つまらないんだよな。
サイゾーの大月Pへのインタビューも、惑星では作品を(エヴァで
なくてナデシコだが)腐したくせに当たり障りの無い阿るような内
容だったな。
まあ、現実社会では無力な宇野が惑星開発委員会のノリで行こうと
思ったら、とたんに干されてしまうだけだろうけど、大月Pのような
95 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/11/28(火) 10:35:42 ID:xVa/bnZz
「昭和歌謡の復権をもくろむ22歳!イケメン俳優・半田健人の素顔」
「「宇宙的に正しい」世界のためにSUGIZOが届ける愛のメッセージ!」
それに対する某掲示板の反応。
170 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/12/20(水) 03:36:22 ID:KuoUp39d
171 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/12/20(水) 12:19:09 ID:MWlXtQcI
172 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/12/21(木) 04:56:38 ID:TCkkxLa4
ライターって大変なんだなあ
年を開けてから2006年を総括した惑星開発大賞を発表しますが、更新も減りこんな風に書かれます。
45 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2007/03/21(水) 19:04:07 ID:pBOezhAt
昨年からの惑星開発委員会の失速は、客が望んでいない木更津キャッツアイ
3月の更新は「大学生よ、サークル貴族を目指せ!」のみ。サークルクラッシュ人間学なる文章も載せていきますが更新が縮小した感は否めず……。「プライベートが忙しい」とは何なのか? それが明かされるのが2007年5月になります。
「PLANETS」第三号の告知し、そしてついに5月25日発売のSFマガジンで連載「ゼロ年代の想像力」が始まります。この連載によって初めて商業誌での「宇野常寛」の文章に「善良な市民」の名前で展開していたオタク煽り、現状批判などの主張が盛り込まれていきます。この連載は初回から東浩紀批判が繰り広げられており、さっそく東浩紀さんも自身のブログで反応しています。
宇野さんはこの原稿のなかで「東浩紀の劣化コピー」という言葉を使っているのですが、最近の僕はまさに、彼がそう呼んでいるであろうひとたちの言動にウンザリして、批評家としてのエネルギーを失いつつありました。宇野さんの原稿は、そんな僕に久しぶりにやる気を与えてくれました。こういうエントリを書くと、また変な業界読みをするひとがいるかもしれませんが、もはやそんなのもどうでもいい。単純に嬉しいので、ここに記しておきます。
あとは連載を楽しみにしています。
(3)
そして今度は2005年5月に「第二次惑星開発委員会」と銘打って再び「善良な市民」の名でサイト運営を開始します。宇野さんはどうやら東京に移住したようです。旧・惑星開発委員会にもあったクロスレビューに加え、テーマについて語り合う惑星座談会、機動戦士Zガンダムを全話振り返る機動戦士Ζガンダム回顧録などがメインコンテンツです。メンバーは宇野さんがネットで面白い文章を書く人に声をかけて集めたそうです。
旧・惑星委員会との変化はメンバーだけでなく善良な市民のキャラクター設定も微妙に変わってます。旧での苛烈な作品批判は軟化し、良いところはきちんと誉めるようになり、下の世代の目を意識しているのか啓蒙的な要素が増えています。また旧ではパロディの範囲内だった評論を真面目にやろうとしている印象を受けます。
そして、「宇野常寛」の名前でライター活動を開始します。この頃の宇野さんは「宇野常寛」と「善良な市民」を分けて使っており、「宇野常寛」での仕事は掲示板で「ぬるい」「何で毒舌キャラで行かないんだ?」と言われており、ライターとして真っ当に仕事をこなすのが「宇野常寛」、毒舌キャラで評論を展開するのが「善良な市民」と使い分けようとしてたのでは、と推測できます。
2005年12月には今や数千部の部数を誇ると噂されている「PLANETS」の第一号をコミックマーケットにて販売。
2006年4月にははてな界隈のオフ会に飛び入りで参加しています。その時の宇野さんの様子をid:laisoさんはこのようにブログで書いています。
善良な市民という人はしょっちゅうこっちをチラ見してきて超絶うざかった。
「見んなって」というと「見てないよ。それは君がこっちを見てるから――」と
返してくるのでなるほど、それはそれでそれはそれだと思って、
自意識バトルを常に仕掛けてくるのだなと思った。
宇野さんは高橋克典似のイケメンかつ知性溢れる聡明な人間のようです。
2006年の4月はさらにサイゾーでインタビュー記事を担当したという告知をし(活字媒体での仕事を発表したのはこれが初めて)、2006年7月には「PLANETS」第二号の告知がされます。この号から正式に「宇野常寛」名義になり、東浩紀に原稿依頼をして断られたりしています。
この時期、某掲示板での宇野さんへの評価は「ある程度良い大学の学生がオタクを批判してたのは小気味良かったが、売れないサブカルライターが必死にオタクを批判してるのは見てて痛々しい」といった調子です。また「この仕事量で食べていけるのかな?」と心配する声もあがります。PLANETS第二号の白倉プロデューサーへのインタビューで特撮界隈で話題になるもこんな書き込みが。
802 :名無しより愛をこめて [sage] :2006/08/14(月) 12:21:50 ID:FJc6m3X80
>800
お前の読む労力なんざ知らん。まあインタビュは8Pしかないけど(しかもメールインタビュだ)
けど言った手前とりあえずガンダム云々について(ID違うのは気にしないで)
インタビュア:現在本誌でも特集しているTBSの竹田Pの手がけるアニメーションでは作品に明確なアンチ・グローバリズムのメッセージが盛り込まれています。同じアンチ・グローバリズムの立場から、娯楽番組を制作するという立場で、竹田Pと白倉Pは共通しているはずですが「竹田アニメ」のような直接的なメッセージを「白倉ライダー」はほとんど発することはありません。これはプロデューサーとしてのスタンスの違いなのでしょうか?それともアンチ・グローバリズム観の違いでしょうか?
白倉:グローバリズムとかいう耳障りのいい言葉を創出して価値観を押し付けるのには反対です。価値観や思想信条は個々人がみずからの経験を通じてそれぞれ獲得していくものであって、誰かから押し付けられるのでは宗教と変わりありませんただ、番組にメッセージを盛り込むなどというのも、同じく、公共的な番組を私物化する行為だと思います
なんか一時が万事この調子でサブカルから平成ライダー語ろうとする同人誌側と>サブカルとかまったく意識してない白倉
とで齟齬があって凄く微妙(白倉が種とかハガレンとか見てるとは思えないし)
まあ上の文からでも白倉Pの番組観はちょっと見えるけどこういうのは今までも散々言ってるし
808 :名無しより愛をこめて [sage] :2006/08/14(月) 23:26:32 ID:nAGLeJSg0
管理職として実務に携わっている会社人とサブカルライターとの違いが
痛いほど伝わってきて、イタイ。
現状を憂えた宇野さんの熱意はなかなか動物化したオタクには伝わらないようです。
そして、2006年9月に「惑星開発委員会の善良な市民(宇野)氏を批判する」と題した文章がアップロードされます。書いたのは転叫院さん(id:tenkyoin)。第二次惑星開発委員会の中核メンバーで、ウェブ上やPLANETS誌上で宇野さんと対談をしています。お互い、一目置きあっている「盟友」って感じだったのですが……。
惑星開発委員会が批判している対象への批判があまりにレベルの低いものであったから,私は惑星開発委員会に関わった.だが,いまや,惑星開発委員会への批判があまりに低レベルだと感じる.だから,惑星開発委員会へのまっとうな反論を書きたいと思った.
以後、転叫院さんはメンバーから外れ、自身のウェブサイトで「惑星開発委員会の善良な市民(宇野)氏を分析する」「ゼロ年代の想像力」に対する批判者のためのメモ書き」「惑星開発委員会の宇野常寛氏を批判する 2007」と、度々宇野さんの批判を展開しています。転叫院さんの契機が何だったのか、本当のところはわかりません。友達は大事にしましょうね、宇野さん。
(2)
当時の惑星開発委員会はオタク界隈ではけっこう話題になっており、それを象徴するのが岡田斗司夫の来訪です。
4月12日(金)
逃避でネットを覗いていたら「惑星開発委員会」というサイトを見つけた。
http://members.tripod.co.jp/toumyoujisourin/rvtop.htm
惑星開発大辞典コーナーに僕の名前もあったので掲示板に挨拶したら、さっそく管理者の方からメールをいただく。
返事で「なぜ岡田斗司夫は作家を自称しているのか、については次の日記で答えましょう」と約束してしまうけど、なんでオレは仕事でもないところで働こうとするのか。とほほ。
その後、岡田さんはこのサイトを気に入り、定期的に掲示板に書き込みをしたり、知り合いに紹介したりしていたみたいです。
8月13日(火)
「ロスノフスキ家の娘」、あっという間に読了。
しょっちゅう覗いてるサイト「惑星開発委員会」にこんなテキストがあった。僕も今、格闘技オタクたちが嫌いで嫌いでしかたないので、思わずここに紹介してしまう。
(中略)
あああ、俺の言いたいことを俺より上手く書いている~!もう俺、物書き引退しようかなぁ。
相当宇野さんのことを買っています。当時の日記にはこんな記述もあり「これは善良な市民のことでは?」と言われてました。
知り合いから「就職活動に失敗した」というメールを受け取る。彼に「就職なんかせずにライターになれ」と忠告したばっかりなので、これはなんとか編集者に売り込んであげなければいけない。
まぁ僕よりは才能もある人だし、なによりまだ20代前半という若さなので、ライターとして喰っていくことぐらいはできるだろう。しかし彼を「こういう人生」に引き込んだ責任というのは、あるのかな?
僕は「自分への責任は、他者には移譲し得ない」という考えなので、あんまり悩んだりしないけど、これが唐沢俊一さんのように責任感の強い人なら、あとあとまで面倒見たりするんだろうなぁ。
この日記も宇野さんのことですね。実際に会って話したようです。
10日(水)
朝、マクドナルドでハンバーガーを食べる。ついに一個まるまるを完食できるようになった。まだ喉の痛みは残っているけど、まぁ一安心。
おもしろ会の武さんと5年ぶりぐらいに会う。なにかと思えば「物書きになりたい」という相談。彼女の同人誌を預からせてもらって、編集さんを紹介する約束をする。
続いて京都から宇野くん。彼とは初対面だけど、昔に彼が浅羽通明氏に説教された話を教えてもらう。浅羽氏の書き下ろし本『教養とはなにか』を院生たち取り巻きと話してるときの浅羽さん「これで革命を起こす」と叫んでいたらしい。当時10代だった宇野君がこれに疑問を呈したら喫茶店で閉店まで説教されたらしい。やはり浅羽さんは熱くて面白い人だ。
そして、岡田さんは惑星開発委員会のオフ会にまで顔を出すまでに。その時のことを日記でこう書いています。
27日(火)
木曜のオフ会に向けてリビングをかたづけ、そのあと覚悟を決めてついに北歯科へ。
もうずっと前に神経を抜いた歯なので、おそらく歯茎が炎症を起こしているのだろう、
ということで今回は様子見。
ブックスルーエで宮脇檀の『男の生活の愉しみ』(PHP文庫)を買う
20年近く前、仕事で一山当てたら宮脇氏に自宅を設計してもらおう、と思っていた。
不幸なことに宮脇氏は98年に他界し、僕はいまだに一山当てれずにいる。
でまぁ、書店で氏の本を見かけたら自分の果たせなかった夢への供養だと思って
買うことにしている。
……その後、岡田さんが惑星開発委員会に言及することはなくなりました。「あんなもん」だったので飽きてしまったんでしょうか?
惑星開発委員会の更新をやめ、善良な市民のキャラを捨てて2003年8月頃にはてなダイアリーで新たに始めたのがヘルシー女子大生(id:kurosawa31)と言われています。挑発的な言動、サブカルへの豊富な知識、そして女子大生であることが話題になり「はてな界の斎藤美奈子」と称されたりします。
と書かれているのである程度の騒動を起こしたことがわかります。
しかし、今となっては日記はプライベートモードに設定されており、internet archivesに残っている断片的なものしか読むことができません。
それによるとヘルシー女子大生は京都在住ということになっており、宇野さんは立命館大学卒業後、京都で就職したのではと推測できます。
2ちゃんねるの過去ログを追うと初期から善良な市民との類似性が指摘されているのが面白いです。その時は「言っていることが似ている」と言われる程度ですが、しばらくして2004年3月に「オトコノコ」「キャラ売り」「同じ穴のムジナ」「ブンガク」などのワードの相似性、話してることが一緒などの指摘がされヘルシー女子大生=善良な市民なのが濃厚となります。この指摘に伴って日記の更新頻度は落ち、プライベートモードとなったわけです。
この頃の宇野さんは旧・惑星開発委員会のような「有名サイトになろう」とか今のような「ライターとして成りあがろう」という気概はなく、ネカマして周りを翻弄させて楽しみつつ、趣味としてドラマなどの評論を書いていこう、という印象を私は持ちます。