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2022-11-15

anond:20221115210131

俺は命が大事から強盗に襲われたら大人しく金品渡すけど、お前は強盗相手に戦うつもりというか、戦うべきだとするの?

anond:20221115151548

武装強盗に襲撃されたらお前は戦うつもりでいるの?

anond:20221115053650

「こういう時に例え話はよくないんだけど、増田の財布を勝手に持ち去ろうとする人がいたとしても、持って行っていいですよ。あとで交渉するので穏当に返してくださいねと言えるのだろうか。」

いや、強盗にあったら金銭差し出して抵抗しないけど、あなた武装した強盗と戦うつもりでいるんですか?

anond:20221115123111

軍事費シマシで西側軍事同盟に擦り寄りながら「戦うつもりはない!平和を!」と言っても説得力は無いってことだよね。やっぱり丸裸にならないと。

anond:20221114223913

遺伝呪いは重いけど

生活環境でなんとか軽くできる場合もあるよ

情がうつってるなら頑張るしかいね

2022-11-14

生きる意味が感じられない理由

※低〜中程度のうつなんで、それによるネガティブ思考も多分含まれる。

生きる意味が感じられない。

と、言うよりは世の中に対する違和感が強い。

なぜ、お金をそんなに人は求める。本来必要な分だけあれば良い。より多くお金を動かす為に、広告感情煽りSNS依存を生ませる。不幸な人を増やして金を生むな。

幸せになる為に必要なのがお金ではなかったか

愛だ恋だ、そんな綺麗なものはない。

空想で作り上げるな。変な理想像を植え付けるな。苦しむ人が増えるだけだ。

anond:20221113233839

わたし発達障害と診断される前に同じような理由で振られたので人ごとと思えず…。

ADHD不注意強めで若干ASDあり。

でもスマホスマートウォッチリマインダー活用、投薬で下記は結構マシになったよ。

遅刻

忘れ物

・うっかりミス

優先順位ミス

・強い衝動による高い買い物

・過度な飲酒

・多弁

今お付き合いしてる人には病名は伝えてないけど、大きい音や衝撃に異常に弱い、一気に物事を言われたり急に決断を迫られたりするとパニクるけど時間経てば落ち着くから待ってほしい、とは伝えてあるけど、病名は言うつもりはない(もしかして…?と言われたら言うつもり)

いわゆる女性らしい仕草と私の発達障害の傾向が真逆から、男の人に愛想尽かされまくったのでつい心が痛んでここまで書いてしまったよ。

あったかくしてたくさん寝て美味しいもの食べたらいい事あるから今はゆっくりしようね。

弟さんも増田さんもこれからたくさんいいことがありますように。

anond:20221114190641

からなんで4年前の増田の貼り付けなん

IT業界については増田を熟読して勉強してるのでエアプじゃありません、なんて言うつもりかい

anond:20221114181531

ファーストクラスにも、赤ちゃん連れはいる。

でも大抵おとなしい。

一度泣いた赤ちゃんがいたけど、その親が各席に行って謝ってたな。

俺も別に気にしなかった。そんなもんだろって。

なんか前に、ファーストクラス赤ちゃん泣いてるからエコノミーに移れってCAが言って問題になってたな。アメリカだったか。結局うつらなかったらしいが。

後で航空会社が謝ったそうだよ。つまり赤ちゃんファーストクラスに乗せてもOKってことだ。

まあ、赤ちゃんが泣くくらいで文句言う奴がファーストクラス乗るなってことだな。

US中間選挙の僅差について結果から思うこと

トランプ応援勢力の一つにはハッキリ統一教会があったわけで、日本安倍元首相山上被告に襲撃されて亡くなったということからアンチ安倍統一教会ムーブメントがなかったら、もっと統一教会共和党プッシュ(もしくはアンチ民主党デマ)のために動けたかもしれなくて、US内にアンチトランプの機運が高まっている中であっても議会共和党多数のねじ状態になっていたかも知れない。

そう考えると、もの凄い影響を手製の銃で引き起こしたというすでに歴史で百年語られるであろうチートさらにもう1ページが追加されたとも言えるわけで、これはもう善悪で語るのも憚られるような伝説級の何かだったのではないのかと思わされてしまう。被告個人英雄視するのは間違っている気がするのでそれは否定しておくが「何かがのりうつって銃撃を実行した」みたいな見なしをしたくなるのを止めることはできない、くらいのことはいえそう。(まぁそれでいくと、安倍元首相の方も出雲で討たれたヤマタノオロチ級の何かと言うことになるので???だが、国難と呼ばれることも多かったしその評が正しかったのだとすると一応キャスティングは合っていることになる?)

2022-11-13

anond:20221113193809

しろあなたは怒りとものすごく上手く付き合えていたと思う。

多くの人が怒りを他者に向けて攻撃したり弱いものを虐げたりさらにそれを正当化する中、あなたはそれをポジティブ行動に変えてたって事ですよね。それって誰にでもできる事じゃないですよ。

そして今はエネルギー源であった怒りが無くてエネルギーが足りてないって状態なんですね。

おそらくは薬によって無理やり思考力を低下させられてるんじゃないでしょうか。

私も長年うつ病なのでわかるんですが、うつの薬って「穏やかになる」というよりは思考力や感情を低下させられるんですよね。その状態ものすごく不安になるというのもわかります。人からは穏やかになってるならいいじゃん!と思われるかもしれないけど、今までの自分が変わってしまうのは本当に辛いですよね。ですが恐らく、その状態の方が「怒りをうまく変換できない不安定な状態」よりは幾分かはマシな状態なんだと思います

くれぐれも医師相談なく服薬を止めるのはやめてください。今は辛いかもしれないけど、徐々に怒り以外でエネルギーを蓄えるすべを身体が身につけていくと思います

(その状態半年以上、年単位で続くならさすがに主治医相談してください)

具体的なアドバイスが出来ずすみません

人間のしょうもない不思議は、自然淘汰の結果として解釈すると諦めが

なぜおなかいっぱいで体に悪いとわかっていても、ケーキポテトチップスを食べたいと思うのか

砂糖・塩・油・炭水化物を余分に食べたいと思う個体が生き残った

なぜ部屋のすみっこが落ち着くのか

すみっこじゃないと落ち着かない個体は外的に襲われて死んだ

なぜシャツの中に髪の毛が入ると、他のことが手につかないほど痒くなるのか

→掻かなかった個体は、虫からバイキンをうつされて死んだ

2022-11-12

妻が突然どなってくるので困ってる

今朝、妻と一緒に美容室にいく予定があって、掃除や子の準備をしたあと、子といっしょにNHK教育テレビぼんやり見てしまっていると、大量の洗濯ものをしていた妻からいきなり怒られた。

時間がいつのまにか間に合わなくない時間になっていたのに準備ができていないように見えたり、せかさなかったことが悪いらしい。

1-2分で準備して出かけることにして、子を預けてなんとか美容室に向かった。

しかに、自分時計を気にしていなかったことは悪い。

ズボンを履き替えていなかったことも準備不足で悪い(ただし、外に行くズボンソファーに座るのを妻が嫌うので直前に履き替えることにしていた)。

でも、いきなり、なんでもう間に合わないじゃない!と怒鳴るのは受け止めるのに難儀する。

自分が悪いのは間違いないけれど、妻も時間を見落としていたし、2人ともよくなかったのではないか、と思ってそう返すと、さらに怒られる。

妻は時間がわかっていたそうで、ならもうちょっと早くせかしたらいいのに、とも思うけれど、反論するのは反省していないから、とさらに怒られる。

事前に何時の電車に乗るか、何時に家をでるか意識合わせ出来たらよかった、とは思うし、時間が過ぎていたら、間に合わないから急ごう!となるのがいい気がする。

で、ずっと怒っているかというとそうではなくて、一緒にでかけているといつのまにか甘えてきたりしてよくわからない。

そして、自分は怒鳴られたことでちょっと萎縮してテンション低くなりがちで、そうしていると、ずっとむすっとしていて楽しくない、とまた怒られる。

こんなささいなこと(でも相手にとってはいらだつんだろう)で怒鳴られることがたまにあって、けっこうつらい。

離婚以外でいいやり方ないでしょうか。

anond:20221112134723

あ、『この収入でどうやってひとりでメシ食うつもりんだ?』って話ではなくて、

いろいろあって正社員かになれなかったとか、求人応募に気後れするとか、そういう話ならまったく気にしなくていいぞ

 

マネージャー職・ミドル以上のエンジニア募集ならともかく、

それ以外は『無断欠勤しないでお仕事してくれる』以上のことは期待していないし、

期待していたらただのバカなので相手しなくていいぞ

そもそも募集項目はバイトパートでも有期契約契約社員であることは変わらないし、

採用時に雇用形態聞くのは、応募者の就労意識確認リーダー経験の有無の確認意味しかない

 

バイトリーダーでも、

チームリーダー(契約社員)としてメンバーの勤怠管理・属人化を防ぐための業務マニュアル制作教育担当してましたとでも言っとけ

聞いてるのは今売れる特別スキルがあるか?じゃなくて、これから仕事やる気があるか?だから

anond:20221112111608

当たり前だろう

なに敵から褒めてもらうつもりでいるんだよ

アホか

から攻撃しか来ない

しかも実際馬鹿共闘で即分裂したろ

お前はなんでそんな馬鹿共闘を支持できるんだよ

身内に甘いな

2022-11-11

anond:20221111225054

男は人格に大問題ありの男でも「同じ男クラブ」に入れてつるんでるじゃねーか

何言ってんだ

 

このマッチョクラブはいじめどこじゃねーぞ、

たとえどれだけ人が死んでも、どれだけの女がレ〇プされても

男の行動基準は「自分被害が及ばず、甘い汁を吸えるなら問題ない」で済ませる、それが男だよ。

「赴任先の中国若い女性に性的強要結婚詐欺紛いを働き、相手から訴えられそうになると逆に恫喝訴訟しかけて黙らせる常習犯」とか

「部下をパワハラうつ退職か自〇に追いこむ天才」だとか

若い女貧困につけこみ現代版鹿の苑作り買春あっせん富裕層コネづくり&自分富豪いり」

「女はセクハラ対象枕営業しなきゃ干すという歪な構造を明るみにしようとした女性記者恫喝」、

こういうのは誰も庇い切れなくならないかぎり、「マッチョクラブ」でお互い庇い合いつづける。

 

ちなみに4番目のやつはワインスタインの秘蔵っ子と言われたマ〇ト・デイ〇ンな。

北千住商店街を抜けた先にある荒川にはきっと大切なものが詰まっている。

デービッド・アトキンソンがいうには、1990年から2021年までに生産性年齢人口(16−64歳)が1299万人も減っているらしい。高齢者は2141万人も増えている。人口動態によって、社会保険料消費税も増えて、移転政府支出が増えている。そんなツイートをみて僕は「どうすんだよこの社会・・・」とつぶやいた。


どうすんだよこの社会


「おれはさ、どんなに社会がクソだったり、自分の身の置かれている環境がどうしようもなかったり、システムによってどんな不利益が被られようと、そういったことを理由に行動をせずに批判者側に回るっていうのが一番嫌いなんだ」

Kは黙って聞いている。きっとこのクソムカつくどうしようもない共感性皆無男をどうにかして言いくるめてやろうと思っているのだ。

「それでさ、どうするわけ?大事なのはその置かれた状況を出発点にどんな一歩目を進めるかじゃん」

あなたって本当に、なんてことを言ってくるんだろうね。むかつく」

「おれがそれを言って嫌われるかもしれない可能性は、そいつにいったときそいつ人生好転するかもしれない可能性とは関係がないからな」

人はみんな弱い。日本人とかじゃなく、人類全体で弱いのだ。30年間も生きてきて、ようやっと肌で理解してきた。

おそらく自分雇用者側に回ったからだろう。その人間の本性を前提にシステムは構築されなければならないのだ。

自分はそれをものすごく憎んでいる。いや、憎んでいた。正確に言えば、昔はそういった理不尽な抑圧がものすごく窮屈で、どうにかなりそうだった。

なぜだか知らないけど、自分は昔からずっとそうだ。そういう人間として生まれ育った。

でも今は違う。それは社会として必然的存在しているものだ。それを自分体感してしまった。


エリート女性システムに抑圧されるのは、女性全体の勤労意欲が低いからだ。きみがどんなに自分のことを才女だと思ったとしても、それを証明する方法が他になければ、面接の時に語り得るものなんて雇用者側は信用することなんかできやしない。どうせ好きな人ができて、その人と結婚したら、すぐに子供を作って辞めていくんだろうって。そう思われている。きみがどうかは重要じゃない。問題は、社会がずっとそのように回ってきたということなんだ」

「だけどそれは間違っている。社会女性の機会均等を実現すべきだし、資本体力のある会社だったらそれを実現できるはずでしょう?」


「なんで?会社が何十年と高い法人税を払いながら貯めてきた内部留保を、なぜ利益がでるかどうかもわからないもののために使わないといけないの?そしてなんでそのような貯金が当然の権利として自分提供されると思っていて、そうしない社会が間違っていると思っているの?」

「そんなの綺麗事だよ」

「そうかなぁ。極めて現実的なことしか言ってないけど」






理想というのは脆いものだ。僕は理想論者だ。正真正銘の。正真正銘すぎて理想同化しているかもしれない。

それほどの理想論者がいうことが極めて現実に即したものになるなんて、だいぶ皮肉の利いた人生だと思う。

「でもね、なんであなたがそれを言ってくるのかをよくよく考えてみると、あなたになにか得になることがないっていうのがわかってくるのよ。そういう意味で、稀有存在よね

あなたって。どうしてそんなことをしているの?」


Kは自分LOVE輪廻を回したいんだと言った。僕は「自分もそれをやっているつもりなんだ」と言った。

「誰かにもらった恩を、別の誰かに与えたい」 それ自体は物凄い誇大な理想論かもしれない。








Kの彼氏は1年前に死んだ。自殺だった。

正確にいうと、元彼氏だ。別れた後に、いろんなことが重なったのだという。

彼氏理想論者だったそうだ。とてつもない理想論者だったのだろう。きっと、世の中に蔓延する悪意や、欲望を受け止めきれなかったんだと思う。

高尚な理想を掲げることは、現代ではとても難しい。







僕たちは北千住にいた。ずっと北千住にいた。Kと出会ったのも北千住だった。

ずっと仲が良かったわけではないが、期間だけで見ると長い付き合いとなる。僕がまだサラリーマンの時だった。

「まだ学生だった頃からすると、だいぶ、変わったね」

「それって、いい意味よね?」

「もちろん。ふわふわした足が、ちゃんと地についてる」










僕たちはよく荒川に行った。深夜の荒川は静かだった。

河川敷ほとりで缶チューハイを飲む。

「この広い空に包まれているせいで、きっと気が大きくなっちゃったのよ。こんなこと言うつもりなんてなかったのに」



Kはそう言って泣きながら笑っていた。




今日は月がすごく明るいから、だいぶ遠くまで見通せたのかもしれないね



僕は橙色のランプが等間隔で並ぶ夜の首都高が魅せるトラックの明かりをぼんやりと眺めているのが好きだった。

それは北千住に住む僕にとって、今日の星空と同じくらい、大切なものだった。

僕がKにプライベートのことを聞くと、Kは仕事に集中するんだって言った。

Kはなにか煮え切らぬ様子で僕に話を聞いて欲しそうだった。2件目に行けるような時間だったから、「もう少し話していく?」と聞いて、

それでいつものように荒川まで歩いていった。


前の彼氏の話を聞くと、Kは「うーんそれは言えない」と言った。

言えないんだったら話さなくていいし、きっといろんなことがあったんだと思う。


そうして1分くらいぼんやりしながら、Kは「まだ自分の中で整理がついていないのよ。この感じをどう処理したらいいのかわからなくて」と言った。



「なにやら元カレが死んじゃったような心残りだね」



「死んじゃったのよ」

Kは言った。










彼氏はとても誠実な人だった。不誠実なことは許せない。浮気や、不倫だとか、そういうものに自ら手を染めるようなことはしないんだって

相手に対してそんなことがあるかもしれないだなんて想像もしないほど実直な人だったのだと言う。

一社目に入った会社を辞めて転職した会社ちょっとブラックみたいなところでね、自分と別れたタイミングっていうのもあったのか、いろんなことが重なって、それでかな。

実家のお母さんから電話がかかってきたとき、私は会社にいたんだけど、気が動転していてね、私の様子を見兼ねて先輩がタクシーGOで呼んでくれて、それで帰ったの。

から私のお母さんも私がぐちゃぐちゃになっていたことを知ってるし、私その時子供ときのように泣きじゃくってた。葬式はもう済ましているって向こうのお母さんは言ってた。カレが亡くなってから3日後くらいに連絡がきたから。それで、東京にいるカレの友達に連絡をして欲しいって。ひどくない?それを私に頼むのよ。

でもね、私よくわからないの。何だろう、栃木実家に行くなんて、いまだにできてない。だって、なんかそれをしちゃったら、もう二度と戻ってこないような気がするでしょう?もし、私が会いに行かなかったら、まだカレは生きているのかもしれないって。確かに私は人の死に携わることが多かったけど、葬式が残された人たちのためにあるんだってこと、いまだったらすごくわかる。



僕は煌々と輝く月を見上げてから、その隣にある星に向かって念じるように言った。

「行こう。絶対行こう」



だよね。いかないとだよね。



絶対に行きなよ」



「あとね、一つ、言えることがあるとしたら。俺の姉も、当時付き合っていた彼氏を亡くしたことがあるんだ。

からKに言えることは」



その経験は必ず乗り越えられる人にしか訪れない。




僕は「絶対に生きなよ」と言った。生きるしかないんだよ。どんなに絶望の淵に立たされたって、残された側は後を追うことができないんだ。

だって、それは、負けたことになるじゃん。相手に。ずるいよね。ムカつくよね。自分勝手だよね。



「私もね、最初に聞かされた時、なにかずるいってきもちが片隅にずっとあった。何だろうね、ずるいよね。卑怯よね。ムカつくよね」




「わかんないけどさ、Kちゃん応援してるから、どうにかしなよ」



「なにそれ笑雇ってくれるってこと?笑」



「それもありなのかな笑」



「800万円で、秘書!とかどう?」



たかいなあ笑」










僕たちが今経験していることは、必ず乗り越えられるものなんだと思う。

認識できるものしか経験できるものはない。僕は、Kにとって4人目の人間だった。

幸か不幸か、僕はKの背負っているものを一緒に背負うことになった。

「こんな話を聞かせてもらえるなんて、俺の人生って素晴らしいなぁ」と僕は言った。


僕はきっと他の人よりも背負うものが多く生まれてきた。

から、僕は自分にできることを増やさないといけないと思う。


商店街を抜けて駅に向かう前に僕はKの腕を引っ張って、力一杯抱きしめた。

そこに純粋気持ちしか込められていないことを理解したKがいることがわかった。


「本当、あなたって、稀有存在よね」


「泣かせることにかけてはベテランからね、よくも悪くも」



「悪い方がほとんどでしょうね」









理想現実があることを理解している。理想現実は明確に区別されるものでなく、現実の一部として理想存在していることを理解している。

僕は極めて現実的立場から理想のためにできる一歩目を進めている。その区別ができなくなってしまった先に死が存在していることを理解している。

僕は生きるために、現実理想を分けて考えるようになった人間だった。この社会の答えを生み出すために。





改札に上がる東口エスカレーターの前でKはじゃあねと言った。

僕は言った「頑張ってね」



「あのさ、きょーこちゃん。とにかく、頑張ってね」



僕は静かに笑った。



Kはエスカレーターを登っていった。


僕はそっと歩き出した。

挨拶できない子連れの親

たとえばエレベーターで開閉ボタンを押してスムーズに乗降できるようにしたとき

年寄り中年の男女(子連れではない)、若い人は大抵「ありがとう」とか「すみません」と一言挨拶してくれたり、言葉にしなくても軽く会釈くらいはしてくれる。

子連れは何も言わず当たり前みたいな顔をしてショッピングカートベビーカーを押しながらスタスタと降りていく。

 

たとえば狭い道を歩いていて他人とすれ違う際に道を譲ったとき

年寄り中年(子連れではない)はやっぱり簡潔な挨拶会釈はしてくれる。自転車漕いでる中学生すら会釈くらいはする。

ママチャリや電動自転車で走ってくる子連れ相手歩行者だろうと堂々と走り去る。

 

同じ場面で自分が親切にしてもらったり譲ってもらったりしたら一言お礼を言ったり会釈したりする。子供の頃は自分の親がそうしてるのを見てきたし、そうするのが当たり前だと思ってた。

 

別に何か欲しいとか、ものすごく丁寧なお礼の言葉を述べてほしいとかじゃない。

小さい子供にお礼しろというつもりもない。

でも親である大人が最低限の礼儀すら持ち合わせてないのは嫌だなと思うし、そういう人たちが子供の前でそんな振る舞いを見せているのもなんだか暗くて嫌な気持ちにさせられる。

自分でもみみっちいとは思うけど、ここで書いたような子連れの親に何度も遭遇すると時々どうにも辟易してしまう。

 

 

M-1グランプリ2022予選3回戦 きつね日和は何故全スベリしたのか

https://gyao.yahoo.co.jp/episode/636257de-a14f-41cf-a54d-26d3fe68c2d7

https://youtu.be/I84Y-mFG4Ls?t=401  上下同じ動画です。

ネタバレ注意※





今年のM-1グランプリ東京予選3回戦で大事件が起きた。歴史的な無風を喫したコンビが現れたのだ。

M-1グランプリ3回戦といえば毎年300組前後しか進出しない狭き門。今年は参加組数が激増し7261組がエントリー。倍率が24倍を超えるという厳しい戦いだった。

(実際には増加したエントリーの大半はアマチュアなのだが)

しかし3回戦とは言えスベってしまコンビも多数現れ、とりわけスベったコンビは毎年ネタにされる(2021年のEverybody、2019年のちゅんま等)。

そんな中これ以下は今まで無かったと言える驚異的なゼロ笑いを記録したコンビが今年現れた。ビクター所属のきつね日和である

なんと無観客で行われた2020年の1回戦よりスベってる(5~6人の審査員は会場に入っていたので時々笑い声が入った)。

全体的に客が重く低調な会場だったとは言え、なぜこんな事になってしまったのか。ネタ考察する。


このネタツッコミおいなり達也(以下おいなり)が定番質問である「遊びに行くなら海か、山か」という2択にウンザリ

「もう答えは決まってるんです!山っ!山一択です」と主張する。

即座にボケ松本が「海のほうがいいけどなぁ」と返し、おいなりは「お゛ーっ!?こんな近くに敵が居たか お゛ーっ!?」と急沸騰。

松本に対し「じゃあディベートで決着つけようじゃないか」と勝負を持ちかけるというものである

以上が導入であり、ここまでの問題点おいなりが2連続で甘噛した程度である

おいなりはまず「山は頂上から景色が綺麗」とアピール松本は「景色が綺麗と言っても辺り一面 白一色。代わり映えしないでしょ?」と否定する。

条件を真冬の降雪時にしている。しかし、確かに今は11月初冠雪を記録した山も既にあり違和感はあるが極端に変なことは言っていない。

おいなりも「あ、そう?」と相槌を打つ。

続いて「しかもその山さ、頂上に登るまで1ヶ月はかかるからね?」と言う。ここで条件が一気に海外の8000m~7000m峰になっている。

明らかに理不尽な条件のすり替えではあるが、何故かおりなりは「そんなにぃ?」と流す。

松本は何食わぬ顔で海をアピール。「一方海は綺麗に透き通っていて、サンゴ礁が見えて、海の周りにはハイビスカスの花が咲いているんだよね」と言う。

するとおいなりは「ダメだろー!!お前の海、多分、沖縄だなっ!お゛ーいっ!!!海の最高峰沖縄を出してくるなっ!こっちは平均的な山でやってんだ!!!!」と

叫喚の全力ツッコミ視聴者松本の言った条件が沖縄かどうか、なんてこと全く気にしていない。

そもそも海派が"沖縄の海"を挙げること自体なにも問題ないように思えるし、勝手おいなり自分ルール沖縄を持ち出された事にキレている。

何より問題なのは松本勝手に「その山は頂上まで1ヶ月はかかる」と不利な条件をすり替えた事、現時点で視聴者が抱く最大の違和感に対してはおいなりノータッチな点だ。

違和感脳内を渦巻く中で休む間もなく次の展開が始まる。

「あとっ!山はですよ、空気がおいしい!とにかく空気が透き通っております!」とおいなりが山をアピール

返す刀でまたしても松本空気がおいしいと言ってもさ、氷点下から肺が凍っちゃうよ。しかもその山さ、今まで300名以上が亡くなってるからね」と条件をすり替えながら否定

この時点で松本勝手に山派の条件をヒマラヤ山脈にしている事は全視聴者が察する。にも関わらずおいなりは「あそう?」「あそんなにぃ?」と特に関心を持たない。

そして松本、海の魅力主張のターン。「一方海は焼きそば、焼きとうもろこし文字通り美味しい空気が楽しめるからね」と言う。

ダメだろーっ!!!お前の海、海の家ついてるなっ!!!お゛ーいっ!!!!!」

なぜか海の家がある事についてブチギレるおいなり意味がわからない。

沖縄のビーチ」と「海の家がある海」なら圧倒的に後者の方が身近である。「一般的な海」を想像して海の家が無い情景を浮かべるほうがレアケースだろう。

しろ松本おいなりに「沖縄のビーチ」というリゾート地最初に挙げた事にキレられたので、おいなりに合わせて庶民的な海の楽しいところを挙げたように思える。

なのにキレるおいなり自分の条件をヒマラヤ山脈にされているという理不尽にはノータッチで、理不尽ツッコミ視聴者の頭の中はぐちゃぐちゃである

もうこの辺で「まさか終盤でこれを伏線回収してオチに使うつもりなのか…」と不安がよぎる。

恐ろしい事にこのブロックはまだ終わらない。

おいなり「お゛いっ!海の家ついてるじゃないかっ!オイッ!」 

松本「いやついてるもんなの…(正論)」

おいなり「人の手使うなよ!こっちは人の手使ってないんだからっ!!さあっ!!」

山が自然のもので人の手は全く加わってないかのような言い様である。言うまでもなく、おいなりの主張する「平均的な山」の場合

というかレジャーを前提にした「平均的な山」だからこそ、登山道が整備され安全登山が楽しめるようになっている。

草木登山客の妨げにならないように伸びたら随時刈ってるだろうし、第一山小屋」や「自販機」は富士山の頂上でさえ置いてある。

違和感に次ぐ違和感。ここで視聴者はある可能性について考える。ヒマラヤ山脈場合おいなりの言う事の筋が通るからだ。

エベレストなどには整備されてないルートもあるはずだ。山小屋も多分無い。まさかおいなりが最大の違和感にツッコまないのも、おいなりエベレストを想定して言っているのか…?」

などと想像を巡らせながら漫才を見ている。笑えるわけがない。そして怒涛の展開が始まる。

おいなり「あと山はですよっ!とにかく美味しいものが沢山っ!もう山菜とか取れますからねっ!」

松本山菜と言ってもさ、採れるのフキノトウくらいでしょ?」

おいなり「あそう?」

松本しかもその山さ入山料だけで100万円かかるからね」

おいなり「そんなにぃ?」

松本「一方海はスパムむすび、ロコモコ丼、なんでも食べれますからね」

おいなりダメだろーっ!!!お前とうとう、ハワイで来たなっ!!お゛ーいっ!!!!!」

問題である。ここで遂に「山派の条件がエベレストになっている」という可能性も崩れてしまった。

頂上まで1ヶ月、300名以上が死亡、入山料が100万円という条件は疑いようがなくエベレストだ。しかしこれらの条件に「フキノトウ」が加わってしまった。

一応、調べてみた。日本語だけではなく英語エベレストフキが生えているか案の定なかった。

なお、ヒマラヤユキノシタというヒマラヤ山脈原産植物があり、これは氷点下46℃でも生きていけるという事は分かったが分類上はフキと全く関係がない。

多分これは単純な情報ミスリサーチ不足だろう。というより視聴者がすぐにウソか本当か判断できない情報を無闇に出すべきではない。

フキノトウという100%生えてないとは即座に判断できない植物を出してしまったせいで「エベレストフキノトウってあるの?」と視聴者は思ってしまい、余計な想像をする。

違和感の蓄積と「まさかこのままエベレストオチで終わらないよな?」という不安視聴者の緊張はピーである

そして恐れていた事態が起きる。

おいなり「お゛いっ!!ハワイ行ったじゃないかお前は!海外最高峰を出してくるんじゃないよ!こっちなんてフキノトウ一本なんですからねっ!」

おいなり「…ダメだろーっ!!!俺の山、ずっと、冬じゃないか!!!お゛ーいっ!!!!冷たい景色に冷たい空気フキノトウ、なんで俺は冬で戦ってんだよ!!!!」

おいなり「…ダメだろーっ!!!俺の山もしかしてエベレストだな!!!お゛ーいっ!!!!入山料めちゃくちゃ掛かって人が死んで一ヶ月かかる、これエベレストしか無いんじゃないか!!!!」

間髪入れない連続ツッコミ。これが最大のネタバラシであり盛り上がりどころと想定したと思われるが、視聴者は全員エベレストである事に気づいている。

ここまで引っ張ってエベレストじゃないパターンを期待していた。そして問題フキノトウも全く処理されていない。それどころか畳み掛けでフキノトウというワードが繰り返し出たことで

違和感がいっそう強まっている。「エベレストフキノトウってあるの?」という疑問がチラついてしようがない。まだフキノトウが無ければ幾らかマシになっていた。

そして終盤30秒を切ってようやく条件をすり替えられた事においなりがキレる。

松本「いいじゃないですか、世界一の山なんだから

おいなり世界一の山でもレジャーとして厳しすぎるぞっ!もう反則負け!海の負け!山の勝ちでいいですかっ!?

松本「いや絶対海の勝ちですからだって海は水着美女たくさん見れますよ」

おいなりダメだろーっ!!!じゃ~あ、海の、勝ちでーす!!!来年一緒に行こうなっ!!どうもありがとうございました!!」

ここまで異常なまでに山に熱量を見せていた男が水着美女でコロっと白旗を上げる妙に気持ち悪いサゲで漫才は終わる。


結論

漫才ツッコミテイストに関わらず、基本的ボケ違和感の残る発言をし、それをツッコミが適切に指摘・解消する事で笑いに繋げる。

きつね日和は一度も適切に違和感を解くことが出来ず、最後まで違和感が蓄積し続けて笑いにならなかった。

「的はずれなツッコミを続けるおいなり」に笑うというケースも考えられ、もしかしてそれを意図して作ったネタ可能性もあるがM-1予選で使うにはあまりリスキーである。それにだとすれば松本の指摘も少なすぎる。

とは言え特徴的なツッコミや同じパターンの反復で多少の笑いが起きても良いと思うが… 板の上の魔物

■きつね日和はどうすればよかったのか

おいなりが「俺の山もしかしてエベレストだなっ!」と言った後に松本矛盾点をつつき追い詰める展開を作る(「エベレストフキノトウなんて生えてないよ」「山好きなのにそんなことも知らないの」「一般的な山だって登山道は人の手で作られてるよ」「山一択のくせにアピールポイント弱いな」等)


2022/11/12追記

おいなり海の家にブチギレたくだりですが、20回ほど視聴したところで

もしかしておいなりは 「山は空気がおいしい!とにかく空気が透き通っております!」と自然空気の良さを主張したのに

松本が「焼きそば、焼きとうもろこし文字通り美味しい空気を楽しめる」という人工的なものアピールしたので「人の手を借りるんじゃないよ!!」と言った可能性に気づきました。

それならば「海派か山派か」という大きな括りの議題の他に「"自然を"堪能できるのは」といった細かが議題を冒頭で言う必要があります

おいなりが主張する前にそれぞれ「どっちが綺麗か」「どっちが自然を堪能できるか」「どっちがグルメがおいしいか」といった議題を言ってけば混乱を免れる事ができました。

2022-11-10

20年前に買った冷蔵庫

丸っこい格好でお気に入りなんだけどいよいよやばくなってきた。

きょうついに玉子ポケット玉子が凍ってしまった。もうダメかな(´・ω・`)

anond:20221110143218

別にそれらがまともじゃないとかいうつもりはないんだけど具体的にどこを指してまともではないのかは一緒に示してほしかった

2022-11-09

anond:20221109170231

追記みたけど実行にうつさんかったら山上さんのほうが先に死んでるかもしれないじゃんね…というか…うん

 

anond:20221109201311

わがままなやつだな

でも出前館とかウーバーイーツみたいに配達料、システム手数料チップとか払うつもりじゃないんだろ?

あんだけ割増料金とっても出前館は大赤字

電子書籍の5倍払ってくれるなら本屋をやってやってもいいぞ

既婚者によるホストクラブ体験レポート(長文)

結婚して初めてホストクラブに行ったので、記憶の整理のために書いた。同じ空間にいた人なら一発で誰か分かる内容だが、果たしてあの空間はてな匿名ダイアリーを読む人はいるのだろうか? 

Too Long; Didn't Read.

【忙しい人のために】支払総額10万。閉店後のデート同衾を誘われて逆に萎えた。キスはされたがセックスはしていない。既婚者が行ってはならない場所だと痛感した。

スペック結婚10年目、子なし、レスだが仲は良い、アラフォー田舎在住、普通体型、不美人。性欲はあまりないがときめき欲(?)はある。田舎すぎて職がないのでオンラインで小銭を稼いでいる。

【本文】

ある日東京に行き、用事を済ませた後一人でホストクラブに行った。結婚前は都内在住で、メンズキャバクラ(今は廃れつつある時間ホストクラブ)に1年ほど惰性で通った苦い経験がある。最近ホストクラブホスト個人YouTubeチャンネルSNSアカウントを開設しているので、店に行く前からホストクラブ雰囲気ホスト個人のことを知ることができる。あるチャンネルを通じ某大手グループ所属ホストXを知り、声と顔が好みすぎて会ってみたくなった。配信で「既婚者がお店に行ってもいいですか?」という質問に、「全然OK! 人のものっていいよね」とあしらっていたのも決め手になった。

行く日の夜、インスタのDMで「Xさん初回指名今日お店に入れますか?」と連絡すると、しばらくして「ありがとうございます顔写真付の身分証明書必要なので持ってきてくださいね」という旨の返事。初回指名とは指名するホストを予め決めて初入店すること。普通、初入店時は指名ホストを決めるために1人5~10分くらいでホストが入れ替わり立ち替わりやってきて、これを初回と呼び、1時間3千円〜と安い。初回指名は2回目以降の来店と同じ扱いで、予め指名したホスト接客し、だいたい2万〜。

上品そうに見える服にハイブランドスカーフ金持ちを装った小さい鞄をひっさげ、軍資金として独身時代貯金から15万おろす。店の付近で迷ってしまい、恐怖と緊張が高まる中、なんとか店を見つけてエレベーターで昇り、震える手で店の扉を開ける。YouTubeTikTokで見たままの店内、見たままの美丈夫たちが目に入り、テンションと緊張と恐怖が最大値になる。受付で身分証明書を見せる。コピーはとられなかった(たぶん)。書き物もなし。ホストに呼んでもらう下の名前(偽名可)を聞かれて本名で答えると、若手ホストに席へと案内された。

21時少しすぎに行ったが店内はまだガラガラホストクラブは通常19時開店だが幹部(売り上げの多いホストたちの呼称。毎月売り上げ上位をキープするなど、条件がある)は21時に出勤するところが多く、同伴(出勤前に姫(=客)とデートすること)してから来るためと思われる。

若手ホストメニューを見せてもらう。発泡酒や缶酎ハイは2本セットで2000円。水商売では明記された値段に消費税と、TAXという名目の法外なサービス料約25~45%が加算される。グラスワイン1杯3000円、有名日本酒4合瓶3万円〜、スパークリングワインボトル5万円〜など。すでに高い。この店の場合消費税とTAX入れて支払額は書かれてある値段に×1.5しなければならない。

飲み物を迷っていたら担当指名したホストのこと)となるXが登場。わー! ばり好みの顔! YouTubeでの印象より背が高い! 身体つきが思ったより男らしい! 超好みの顔! いい声! 上品な色味の上等なスーツ! ほのかないい匂い! 感極まって思わず立ち上がりペコペコするキモいムーブかますと「その反応めっちゃ嬉しい!」とリップサービス。並んで座ると膝の先を触れ合わせてくる。既に刺激が強すぎる。

「来てくれて本当にありがとう! SNSとかで『行きます!』って連絡来ても9割来ないからさ〜」といった会話を至近距離でする。顔が近い! すごく目を合わせて会話してくる! カラコンで目がちょっと充血してる! リップが淡いピンクでぷるぷる! マットなお肌! 化粧品または香水のいい匂い! 脳内麻薬が瀑布のように分泌され、体がじんわりと変な風に麻痺してくる感覚に陥る。

担当から店の料金システム説明される。席料は固定であとは飲み物代が加算されるだけ、とのこと。予算は5万円と伝え、とりあえず自分担当白ワイングラス、ヘルプ指名ホスト以外で席につきお喋りしてくれるホスト)に缶酎ハイを注文。時々膝に手を置かれつつ、「どうして俺指名なの?」「YouTubeを見て……」「いつから?」「初めてYouTubeチャンネルができたときから……」「えーすごい! 古参じゃんw」みたいな会話から入るが、一杯目を飲み切らないうちに内勤(ホストをどの席につかせるか等を指示する裏方)に呼ばれていなくなった。

ホストクラブ売れっ子になればなるほど自分以外の指名客(被りと呼ぶ)も来るため、高いお金を払っているのに自分の席についてくれる時間が少なくなるので、席についてもらうためにはより高額の酒を入れなければならない、という鬼畜商売である。高額な酒を入れると、「[ホスト名]の姫様より[酒名]が入りました〜!」と被りを煽るようなクソデカ店内放送が入り、シャンパンコールとなる。

担当がいない間は卓を挟んだ向かいに他のホストヘルプについてくれる。主に若手や新人がついてくれるが、数分だけ幹部もついてくれた。「隣座ってもいい?」と聞かれるも「あなたの姫に悪いか大丈夫です」といい人ぶって断ると「優しいんだね」とにこり。幹部は纏う空気が柔らかく、ドキドキするというより癒される感じがして話しやすく、なるほどこれが売れっ子なのかと思った。

3人くらい新人ホストが入れ代わりヘルプについた。そのうちに他の席も埋まり出し満席になる。他の席に担当がいるのが普通に見えるし声が通ってよく聞こえる。被りの姫がエレベーターに乗るときに肩を組んでいるのがちょっと見えて気になってしまう。姫たちは水商売風の人もそうでなさそうな人もいて年齢は2040代くらいだろうか。可愛い人や綺麗な人ばかりで背筋が伸びる。

新人ヘルプでも会話に困って気まずい、ということはないが、店には他の席の会話を聞かれないために大音量音楽が常に流れており、大声で喋り続けるので喉が枯れてくる。龍角散ダイレクトを持参すればよかったな、とこぼしたら、ヘルプの一人が龍角散のど飴をくれた。いい子~! 

やたら長く感じて正確には分からないがたぶん40分くらいすると担当が戻ってきた。酒が進み、白ワイン2杯目を自分担当に追加。スカーフを巻いてもらうなど戯れあう。この辺りからディタッチがあからさまに増えてゆく。膝に手を置くほかには腕を回したり肩や頭を寄せ合ったりふくらはぎスカート越しに揉むなど。小中高と容姿で虐められていた私のような不美人にもけっこう触れてくるんだなと思ったが、手慣れているというか、勢いがありすぎるというか、誰にでも同じようにやっていそうな雑な感じがした。確かこの辺りでLINEの交換をしたと思う。最新型のiPhoneの画面は少し割れていて、LINEはウケ狙いのような画面で萎えた。非現実的空間現実に引き戻させないでおくれ。

グラスが空いたものの、「そろそろ予算に達しそうだけどどうする?」と言われ、「1、2万なら超えても大丈夫」と答える。赤ワイン担当自分に追加。チェイサーがわりにジャスミン茶も追加。

赤ワインが来たあたりで担当に仕掛けられている感覚があった。抱きつかれたりキスされそうになったり、今後通わせるためか艶めいた色を滲ませるような会話内容になってくる。今日初めて会ったのに早すぎないか? 田舎在住で頻繁には通えないか最初からフルスロットルなのだろうか。「いつ東京出るの?」「明日」「えっ、じゃあ今夜がラストナイトじゃん! そうしたらさ、……店が終わったら、一緒にどこかへ行こうよ」閉店後にホストデートすることをアフターと呼び、これがあの聞きしに勝るアフター……! とちょっと感動。しかし既に23時を回っており、眠気と疲れでそろそろ宿に戻りたかった。けっこう渋ったのだが全く諦めてくれる気配がなかったので「じゃあ[歌舞伎町にある一部に有名なスポット]に行きたい」と言ってアフターを約束した。いま思うとここで無理にでも帰っておけば、よい思い出だけが残っただろう。しかし、店に着くまでの緊張や恐怖、美丈夫たちに囲まれてちやほやされる高揚感、薄暗い店内、馬鹿みたいにうるさい音楽と店内放送、美しい姫たち、昏く煌びやかな装飾、服越しに伝わる担当の体温と質感に飲まれて断れなかった。そのままずるずると奈落の底へ導かれてゆくような心地だった。

赤ワインが空いてラストオーダーの時間が迫ってきて、どうしようか……となり、つい雰囲気に負けて「10万円までなら出せて、それ以上は物理的に無理」と言ってしまう。「じゃあ俺の好きな日本酒頼んでいい!?」と担当の目と纏う空気が突然ぱっと明るくなる。10万円という額は一般人からすると大金だが、ホストクラブにしてみれば雀の涙。そんな額に対してこのぱっと嬉しそうな表情になったのが演技なら、けっこうすごいなと思った。

日本酒の4合瓶が来る。ジャスミン茶を飲み干す。幹部が数分席についてくれたり、日本酒の話などをしたりして2合くらい飲んだあたりでシャンパンコールをする時間になり、天井からスモークが出たり赤や青のライトが点滅したり始める。まぶしい。担当ヘルプコールのために席を外す。私の席の左側には壁があって、その壁を挟んだ反対側でコールしていた。様子は見えなかったが、オールコールホスト全員でコールするレベルのとても高額の酒が入ったようだった。席で一人になり、ここぞとばかりにアイスペールに入った氷をひたすら食べながらコールを聞いていた。酔っているのに頭の中はだいぶ醒めていて、帰りたいなあ、アフター行きたくないなあ、明日何時に起きなきゃ、こんなにボディタッチされるとかえって萎えるな、などと考えていた。内勤が伝票を持ってくる。会計99000円也。ちゃん10万に収まってよかった。バインダー現金10万円を挟んでおく。

シャンパンコールが終わって担当が戻ってきた時には、動いたせいなのかすっかりベロベロで、やたらと抱き着いたり抱き寄せたり私の頬に鼻や唇をつけてきたりする。もはやホストというよりもいい匂いのするばか犬に懐かれているような気分だった。ばか犬に失礼か。ただあまり酒の匂いはせず、抱き着かれるたびにいい香りがした。その秘訣は知りたい。お会計でおつりの千円が返ってくる。

閉店時間が近づいてきて、初めのうちは「余ったお酒持って帰っていい?」と言っていたのが何かスイッチが入ったのか飲み干そうとしていて、ヘルプも呼んで飲ませようとしていたがなかなか減らず、残り一合くらいになったあたりで母校の下校時刻に流れていたのと同じ曲がかかり始めた。ホストクラブでもこういう曲ってかかるんだねと笑いながら、仕方ないのでテキーラを飲むような飲み方で日本酒を片付けた。ごめんよ。担当は私のグラスが空くたびに自分のグラスに入った日本酒そっくり私のグラスに入れることで自分も飲んでいるようなふりをしていた。汚いわんこそばスタイルはやめろ。

閉店時間間際になってやっと飲み干せたので店を出る。「エレベーターの前で待ってて!」と担当に言われて待つ。担当千鳥足で、本当にアフターに行ける状態なんだろうかと不安になる。早く帰りたい。担当が戻ってきて(吐いたのかな?)エレベーターで一緒に降りて外に出る。風が冷たくて寒く、少し酔いが醒める。

歩きながらそれとなくホテルに誘われる。これがあの「初回枕」……! (初めて来店した客とセックスすること)本当にあるんだ! と思いつつ「いや結婚してるから無理」と答える。「えっ、結婚してるんだ! いいなー」「いいだろー、結婚はよいぞ」などと大変ふざけた会話をしつつ担当自販機の水をねだる。アフターは基本的に全額担当持ちである担当も水を飲めばいいのに矜持があるようで、この日見る限り一滴のノンアルコールもとっていなかった(裏では飲んでいたかもしれないが)。歩きながら500mlを飲み干す。ゴミ箱がない。道路が汚い。担当寒い寒いと言って首元に手を突っ込んでくる。冷たい。やめろ。

歌舞伎町にある一部に有名なスポット]に着いて少し戯れたあと、一軒目の居酒屋に入るが色々あってすぐに出る。この時の担当セリフ店員への不満)にドン引きして逃げたくなる。走って振り切れるか? と思ったがヒールだし転ぶかもと思って諦める。歌舞伎町から出てしまうと、25時過ぎという時間のためか新宿の街には本当に誰もいない。担当はとても酔っていて突然大声を出したり歌いだしたりする。人がいなくて本当によかった。「今日最後の日なんでしょ」「旦那さん家なんでしょ」と色々な言い回しで何度もホテルに誘われるので行く気がないことをセリフと態度で示すと「は? うざ」と何度も言われつつ、誰もいないのに妙に明るいビルの中へ入ってゆき妙に大きなエレベーターに乗る。

エレベーターが開いた先はアクアリウムダイニングで、これ見よがしに淫靡雰囲気が漂っていた。かなり広い店内だったが時間時間なためか客は数組しかおらず、わかりやすいかがわしいカップル席に通される。店内はホストクラブよりもやや暗く、蛍光がかった瑠璃色水槽の中で熱帯魚がけだるく泳いでいた。グラスビールを二杯注文する。眠さのピークは越えたが倦怠感がひどく、早く帰らせてくれと心から思った。

担当も意地になっているのかなおも枕に誘ってくるので、そんなに飲んでたら起つものも勃たないだろと思いつつ、なんとか諦めてもらえる話題を……と性病の話などをする。「いや実は昔クラミジアうつされて……(嘘)」「えー、小陰唇見なきゃ信じない。小陰唇見せろ(嘘つくな)」今日初めて会った人間同士でする会話ってこんなだっけ? 結婚前知り合いにレイプされてそのせいか不明だが後日HPV高リスク型と診断された話、その知り合いが肺がんになって死んだ話などをする。意外と否定せず聞いてくれる。梅毒流行っているか絶対に夫以外の人とセックスしたくない、会ってちょっとときめきたかっただけでセックスがしたいわけではない、刺激が強すぎる、もう充分楽しんだからもう帰りたい、ということをひたすら言い続けたら、さすがに担当も嫌になってきたのか目を見ながら「はいはい梅毒梅毒」とか「ガキが」とか言ってくるようになる。一回りくらい年下の男子にガキがと罵られてもかえって滑稽である。それでも抱き寄せられて頭を大きな手で優しく撫でられる。どの客にも同じことをしているんだろうなと思って全く嬉しくなく、もはや触られすぎて全くドキドキもしない。終電前に帰ればよかったな、でもそれだとかえっていい思い出しか残らなくてまた行きたくなってたかもしれないから逆に最悪な場面が見られてよかったかもな、それにしても色々ドン引きだな、こんな接客される被りの姫たちがかわいそうだな、ホストクラブなんぞ二度と行かないな、私みたいな人間が行く場所じゃなかったな、早く終わらないかな、宿に帰って風呂に入りたいな、と色々なことを考えながら撫でるに任せていたらマスクを外されてキスされた。気持ち悪かった。顔と声は本当に好みなのだが、本当に好みでも気持ち悪いと感じたことにほっとした。独身時代だったら、あるいは夫と仲が悪かったら、あるいは自分の性欲がもっとあったら、ここまで行きつく前にすっかりやられて身も心も崩れ爛れ落ちて二度と引き返せないところまで一瞬で行ってしまっていたかもしれない。担当の顔は暗い店内で定かではないが能面のような顔をして笑っていた……ような気がする。

もう行こうか、と担当が言って、ビールを飲み干し(担当はやはり汚いわんこそばスタイル自分ビールを私のグラスに注いでいた)店を出た。そのまま新宿駅のタクシー乗り場まで一緒に歩く。「次いつ東京来るの?」「LINE返信してね」みたいな会話をしたような気もするし、「はーうざ」と言われたような気もするがあまり覚えていない。タクシーに乗る前に最後ハグされたのでハグし返す。酔って匂い全然からない。これでやっと帰れる! と開放感でいっぱいだった。

タクシーの中ですぐLINEブロックし、インスタの捨てアカウントを削除する。部屋に帰った時には27時だった。水を700mlくらい飲み風呂に入ってさっさと寝た。(幸いなことに二日酔いにはならなかった)

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振り返ると、なんだか夢か幻かのような朧気な記憶しかなく、つらつら書いてみたが本当にあったことなのか少し不安になる。写真も撮っていないし、連絡手段も断っている。不美人だし、何十、何百万も使うような客には見えないだろうから色恋営業かけられることもなかろう、楽しく飲んで帰れるだろうと思っていたらこんな目に遭うとは思わなかった(昔通っていたメンズキャバクラ担当とは、艶めいたこともなければアフターや同伴をしたこともなかった、というのもある)。至極当たり前なのだが既婚者が行く場所ではなかった。なお夫への罪悪感は悲しくなるほどない。もしもセックスしていたらあったかもしれない。

次に東京へ行く機会があるとすれば半年以上後なので、物理的に距離を取れる環境でよかった。もしも都内在住だったら、通ってしまっていたかもしれない(逆に、田舎在住で通えないからこそ一度店に行ってみようと思ったのはある)。中村うさぎの著書やネットに転がるホスト体験談ねほりんぱほりんホスト回などは履修済だったが認識が甘すぎたようだ。

担当が酔うまでは、べたべた触りだす前までは、本当に楽しくてドキドキして理想的ホスト遊びだった。あんなにひどい目に遭ったのに、店内でのよい思い出が脳みそのどこかに楔を打ち付けたみたいだった。薬物中毒者気持ちがわかる気がした。もしも万が一、もう一度担当に会いたくなったら、遅めの時間帯に何か大事な予定を入れて早い時間入店するか、財布の中に免許証現金3万円だけ入れて入店して酎ハイだけ頼むか、とにかく自分意志を信じないで行動するしかないと思った。こんなことを考えている時点でもうだめかもしれない。もしもまた店に行くことがあればまたレポートしようと思う。その時は嘲笑ってほしい。そんな日が二度と来ないことを祈っている。

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