はてなキーワード: 深夜ラジオとは
そういう中高生の親に内緒でこっそりみたいな現実も含めてゾーニングされた世界って認識で良いと思うんだけどね。
良いだろ別に、公共と私的空間の中間領域にちょっぴり下世話でくだらない世界があったって。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200426-00010000-flash-ent
自分は岡村隆史氏のラジオリスナーではなく、この記事だけ読んだ感想でしかないけど、
深夜ラジオリスナーが公共の電波にのせられるギリギリの発言(つまり下ネタ)を求めているのはあったとしても、叩かれてもしょうがない気持ち悪い発言だな、と思う。
でも、そもそも下ネタって程度はあれどれも女性軽視なものでは?
自分は男性で、学生時代などはそれはそれは低俗な下ネタに興じてきたものだけど、男性が発言する下ネタというのは、女性性を消費するモノとして見た文脈で成り立っていると理解している。
岡村が絶賛炎上中であるが、その理由は自由意志でなく風俗で働く人が増えることに対し、純粋な消費者の目線のみから幸運と表現したのがまずかったのだろう。
ホストクラブでは客を経済的に困窮させ、いかに風俗に落とすかがマニュアル化されているし実際多くの客は風俗嬢含め夜職の女性だったりする。
この場合、最後の決定は女性自身がするにしろ、自由意志でないのは確かだ。
しかしホストクラブの存在は軽蔑されず(むしろ最近はメディアなどでも持ち上げられているが)、多くの人が分かりやすい芸能人のちょっとしたコメントに噛み付いて溜飲を下げている。
※ミュージカル(広義)巻き込んでごめんなさい
※双方において「一般的」「平均的」「代表的」ファンではない自覚はあります
「君変わってるね〜〜〜」と言われて嬉しかったり煩わしかったりした。
舞台を趣味に挙げると「ミュージカルってなんかいきなり歌うよね笑」
「なんか女の人の趣味って感じ」「なんか無理なんだわ」と
聞いてもいないのに全拒絶されることがあるのですが
深夜ラジオも同じくらい全拒絶されやすいジャンルだと思っています。
俳優でアーティストでさえ下ネタを言うのが粋という世界が深夜ラジオなので。
モテとか考えるなら正直どちらも挙げないのが正解。
ラジオは主に中高生の受験勉強のお供でお世話になり、今はミュージカルに全振りしています。
今日、日本ミュージカル界の豪華メンバーによる動画が投稿されて
その界隈は大いに湧いていたのですが、
私は「自分の応援してる人いねえ・・」「人気者の集まり・・そうですか・・」と
ひねくれたおしていたので同志がいないかと探しに行ったのですが
ミュージカルでは立場の弱いひとや権利や平等を取り上げることが
非常に多いので、今回の発言に関して怒る人が多いのは当たり前です。
それがたとえ「コロナで風俗に行けないのでダッチワイフを買うか真剣に悩んでいる」
というリスナーへの回答だったとしてもアウトだったと思います。
そっかー、そうだよなーと思いながら
そういえばミュージカル(広義)でも
露骨な「オカマ」描写、頻発する「頭がいかれてる」「精神病なんだ」
とかポツポツ思い出す。
でもそこを批判されたら「わかるけど、いやそれはね・・」って
言いたくなると思うんですよ。
で、本当に一緒にするの申し訳ないんだけど
あの薄汚い番組とあの薄汚いおっさんに救われる瞬間も確かにあるんですよ。
テーマが重くて引きずったりして、でも見れてよかったなと帰路についたことも
なんか辛くて寝れなくて25時にひっそりラジオ立ち上げてしょうもない話を聞いて
低俗なネタでゲラゲラ笑って、いつもと変わらない放送に安心して眠りについた夜もある。
そして冒頭に戻りますが
「なんか歌い出すのがさ〜」という外野は
「とりあえず全部聞いて!それから言え!」と思うし
それでもやっぱり無理という人は必ず出てくる分野であり
その人を克服させることはほぼ不可能なので
まあ無理して見なくていいので放っといてください・・と思うのです。
漫画やアニメで定期的に上る乳がうんたら女キャラうんたらの議論のときにも
思うんですけど、何も知らない外野からジャンルごと石を投げられるのって
今回の発言、是非は確実に非です。
「短期間でお金を稼がないと苦しいから可愛い風俗嬢が増える」って発言は単に一般論を提示してだけであって、「もっと風俗落ちする女性が増えて嬉欲しい」と言ってなくない?可愛い嬢が増えるかどうかは個人でコントロールできるような話じゃない訳で、「どうせなら楽しんだほうがいい」って話でしょ。
それから、岡村を否定してる人たちは身銭を切って風俗嬢に援助する気概はあるの?風俗業は今回のコロナで最もダメージの大きかった業種の1つで、「風俗嬢が可愛そう」だなんて言ってるよりも、コロナ明けたら実際にお店に行ってお金を落とす人の方が風俗嬢にプラスでしょ。中には望んでいないのに風俗嬢にならざるをえなかった女性もいるかもしれないけど、それでも全く客が入らないよりは客が来てくれた方がよくない?(一部のクソ客は除く)
政治レベルの話であれば望まない職に就かざるを得ない人を救う方法を考えるべきだけど、個人レベルの話で「風俗行こうぜ!」は問題ないと思うんだよなー。
確かにゲスい話題なので生理的に嫌悪感を抱く人がいるのも分かるんだけど、深夜ラジオだし、誰かに迷惑をかける発言でもないし。「35歳で羊水が腐る」レベルの発言だったら深夜だろうが炎上必至だけど、今回のは違うでしょ。
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 75 | 6958 | 92.8 | 37 |
01 | 71 | 8128 | 114.5 | 55 |
02 | 36 | 3503 | 97.3 | 37.5 |
03 | 44 | 8794 | 199.9 | 52 |
04 | 58 | 4004 | 69.0 | 33.5 |
05 | 29 | 1482 | 51.1 | 36 |
06 | 35 | 2820 | 80.6 | 49 |
07 | 28 | 1406 | 50.2 | 40.5 |
08 | 77 | 7161 | 93.0 | 52 |
09 | 108 | 6938 | 64.2 | 36 |
10 | 90 | 6298 | 70.0 | 37.5 |
11 | 160 | 9279 | 58.0 | 32 |
12 | 129 | 17169 | 133.1 | 31 |
13 | 135 | 9917 | 73.5 | 34 |
14 | 104 | 6110 | 58.8 | 31 |
15 | 105 | 6650 | 63.3 | 34 |
16 | 124 | 8535 | 68.8 | 33 |
17 | 158 | 12500 | 79.1 | 45.5 |
18 | 164 | 14670 | 89.5 | 33 |
19 | 134 | 7647 | 57.1 | 30.5 |
20 | 166 | 11727 | 70.6 | 35 |
21 | 221 | 16771 | 75.9 | 42 |
22 | 186 | 15776 | 84.8 | 35 |
23 | 205 | 17794 | 86.8 | 38 |
1日 | 2642 | 212037 | 80.3 | 37 |
オジサン(6), 岡村(58), 岡村隆史(6), おながいします(4), 深夜ラジオ(6), 性風俗(35), セックスワーカー(10), 性風俗産業(4), PhD(3), 4月23日(3), ベローチェ(3), 困窮(21), オマエ(17), 密(16), 従事(11), 不況(11), 風俗嬢(20), GW(14), 風俗(89), 靴下(8), いみ(12), 貧困(30), 再開(16), 在宅(23), 自粛(55), にゃ(9), ご時世(8), 収束(12), 主義者(9), 労働(35), コロナ(178), 搾取(20), 緊急事態(15), 喜ん(14), リモート(12)
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昔「サンドウィッチマンのオールナイトニッポン」でやってたわ。
2011年3月18日に当時のレギュラーだったAKBのピンチヒッターとして放送されることになった番組。
11日、番組収録中に気仙沼で被災。逃げ込んだ山から津波と火災を目の当たりにしてから1週間、東京に戻りあらゆる情報番組に出演、更に義援金を設立して
彼らはオールナイトニッポンの生放送に臨んでいた。
時報と共にショートコントで始まった番組は、1曲目から50TAを流し、時折シリアスなトーンになると富澤がボケを入れて緩和、意外に深夜ラジオらしいゆるい放送になっていた。
ただいつもなら「全国36局」と言うところを「全国の放送局を繋いで〜」と言っていたり、CMもあいさつ→オシム→子宮頸癌のACトリプルコンボだったので普段から聴いている身からするとやはり異様な放送ではあった。
それでもこの1週間、色んなパーソナリティが距離感と温度に悩んできた中、サンドは1番のびのびとトークを展開していて、私も1週間で1番気兼ねなく笑えていた。
東北放送のアナウンサーとの電話、被災地からのメール読みが続く番組の後半、会津若松のリスナーから1通のメールが届く。番組冒頭のショートコントで何故か涙が出てきたという文に始まり、2人や東北への熱いエールの後「頑張れ青森宮城岩手福島のみんな!ここまでハードルを上げたうえでもう1つコントをお願いします!!!」という完璧なフリをされ
伊達が「言ったらわかる?」と確認だけして披露したのが「ラーメン」だった。披露後彼らは「これが我々の仕事です」「泣いたってメールください」と続けた。
私の住んでいた地域は地震の揺れも感じられないようなところだった。ただ田舎だったからテレビに映る光景にはどこか見覚えがあって、そのうち大地震が来ると言われ続けている地域なのでなんだか苦しかった。でもそんなことを言う権利も無いと思っていた。電気も西側だったので自粛とかの匙加減もよくわからなくて、この実感できない異常事態に対してどう振る舞うのが正解なのかという気持ちが常に付き纏っていた。
でもこの番組では笑ったり、被災地の現状に耳を傾けて想像したりと2人のトーンに委ねて過ごすことができた。声以外何も情報が無いのに、無いからこそ、あの1週間見てきたどんなものより私の心に強く響いた放送となった。
9年の時を経て、サンドウィッチマンは幾分かフォルムが丸くなったもののあの日と変わらない姿で芸人として聖火到着式に参加し、聖火がつかないというお粗末な事態の場つなぎにあのラーメンのネタを繰り出した。
多分この9年間に相当な回数ラーメンネタをやっていると思うし、1回ぐらいは私も見てるのかもしれないけどネタの終わりに挟んだ「はい!オリンピック!」で当時の「はい!オールナイトニッポン!」を思い出し、当時のことを色々と振り返ると止まらなくなったので放送を再生しつつ書いてみた。
あの時はありがとう。
ラジオの曲は名曲ぞろいと言うけど、それは必死にFENを聞いていた世代や深夜ラジオの黄金期に触れていた世代の話だろ。彼らの話ならわからんでもないが、最近のアーティストでラジオを聞いてきた奴なんてほぼいない。マジでいないって。徳永が歌った壊れかけの黒いラジオだってちゃんとイメージできてないだろ。スマホで聞いてる奴がラジオの実物それも骨董品なんざ知ってるわけねえだろ。そんな奴にラジオの何がわかるってんだよ。名曲~泣ける~わかる~とか言ってりゃ済むと思ってんだろうが。聞きかじった話の上っ面をなぞっただけのクソセンチメンタリズムで名曲いっちょあがりってか。ふざけんなよ。もはや若い奴にはラジオの名曲なんて作れない。実際21世紀になってからというもの名曲は出ていない。ジュディマリのradioですらもう20年以上前になるんだぜ?
新天地での生活に慣れて、もうそろそろ「行きつけ」みたいな場所を作りたいなーと思い数ヶ月前からバーに通いだした。
最初は静かに飲んで他の客の話を横聞きして(友達の少ない身としてはそれだけでも結構面白い)うとうとしたら帰っていた。
何回か通うとマスターに自分の話をしたり他の客とも少し話すようになった。
すると何回も顔を合わせるおじさんができた。そこの常連であり似たような仕事をしていて、仕事柄時事の話とかも真面目にできる。変なマウントもない良識派のおじさんだった。
都会の日向で明るくうぇーい生活を20数年送ってきた会社の同期と、田舎の日陰でぶつくさ言う20数年を送ってきた私には常識が大きく異なる点があり、ショックを受けることも多い。その点おじさんは人生を積んでいるから常識に乖離もないし議論好きなこともあり話が弾む。入社当時もうぇいの喧騒から離れ人事のおじさんと喋っていたので、好かれてるとかお気に入りとか言われていた。
確かにおじさんと話すのはリスクが低く、普段何の役にも立たない自論も語れるしためになったり珍しい話が聞けるので結構楽しい。特に予定もないので夜中までおしゃべりして飲んで帰っていた。
その日も途中からおじさんたちと話していた。私は考察と議論好きに加え、プロレスと深夜ラジオを少しかじっているという特徴があった。この2つは同世代よりはるかにおじさんに刺さる話であり、その日もプロレスの話で盛り上がった。そこからまた仕事の話になり、なんか膝触られたなとは思ったがおじさんは3軒目らしいし酔ってるんだろうなと思った。何周かしてまたプロレスに戻り、小学生の時に回し蹴りとかやってたという話をしたところ蹴られたいとおじさんが言った。相当酔ってらっしゃるなと思ったがマスターもいたのでMなんじゃないですか?と問答してそれなりに盛り上がった。
かれこれ5時間ぐらい喋っていた。閉店時間となりチャリで帰ろうとしたがおじさんはふわーっとしていたのでしばらく歩くことにした。
するとおじさんが「今日可愛いね」といって頭をポンし始めたので「これはマズイな」と思ったらやはりしなだれかかられてしまった。
体格差はあるが力は無かったので冷静におじさんを起こしてやめましょうと宥めたあと、しばらく関係のない話をして、おじさんがシャンとしてきたなと思ったところでチャリで爆走して帰った。
何も襲われたなんて思っていない。本当に就職で住み始めた土地だし同期もアレだしでツテ0なので自分で友達を開拓してみたかった。しかし通う場所も集う場所も無いしアプリやSNSで繋がることも無い。考えた末のバーだった。だから会社や旧知の友人以外と話せるのが新鮮でそれなりに楽しかった。
あと上述の通り、自分でもおじさんとばかり話が盛り上がってしまうことについて自覚があった。ゼミの先生や上司と1:1で話すのも全然楽しかった。周りが好きなタイプにジャニーズや若い俳優をあげるなか、答えが出ずに考えていると「反町隆史とか?」と振られてしまうような私であった(無論、反町隆史はここにおけるおじさんとは年齢ぐらいしか共通項の無いナイスガイである)
となれば私はやはりおじさんが好きなのだろうか?おじさんでもいいのか?という疑問は結構な間、確かに存在していたのだ。
そしてそれについて私も答えを知りたいと思っていた。
が、しかし、昨日出たのは「おじさんと話すのは楽しくても、おじさんを愛することはない」という答えであった。酒の勢い、相手に流されて、という理由がつけられる状況においてもおじさんと寝ることはできなかったのだ。
マイルドに言えば頭ポンされても心ときめかず、可愛いねと言われても「確かに今日の仕上がり良かったな」としか思わず、悪く言えば、あのまま応えていれば酒臭いとかタバコ臭いとか身体がだらしないとか思ってしまうのは必須であり、小さい細いの私がおじさんと並べばどうみても程度の低いパパ活であり、つまり生理的に無理なのだ。
あるとき、親戚のおじさんがなぜ大学生になっても挨拶でハグするのだろうと思い「もう私も大人ですから、やめましょう」と言った、まさしくあのノリで「今後会ったら気まずくなりますから、やめましょう」とおじさんに言ってしまったのである。
話が合って良識があり、独り身っぽいけどなんか矜持がある紳士という魔法は溶けて
若い姉ちゃんとワンチャンしようとしたただの婚期逃しただけだったおっさんになってしまった。
それと同時に「もしかしたらおじさんも恋愛対象なのかしら?」という私のぼんやりした疑問もNOという答えで消滅してしまった。
私の記憶が正しければ、おじさんはおそらく家と逆の方向に歩いてきたはずである(以前は逆方向に帰っていたから)。
私が爆走して消えたあと、きっと踵を返しているだろう。もしかしたら以前もそんなことがあったのかもしれない。
おじさんにとって私はいつまで「悩ましき、打てば響く人生の後輩」で、いつから「なんかワンチャン寝れる気がする20代女性」になったのだろう。
おじさんは反省したのだろうか、恥ずかしくて死にたくなったか、あるいはミスったなあぐらいの常習犯なのか。それを考えて少し笑ったり、おじさんは無理だなやっぱ…と少しガッカリしてる私は冷酷なのか。
とか書いてたら長い揺れが来た。
そういやおじさんとは震災の話もした。私は被災地における同期のあるふるまいに怒り、未来の故郷に待ち受ける絶望と空虚さを語った。おじさんは真面目に話を聞いて「でもそんな悩めるひとだからこそ、辞めないでほしい、そういうひとが若い世代にいることは1つの希望だ」と言っていた。あんな会話も、魔法が解けてしまったから、もうできないな。
夜の校舎の窓ガラス壊せる人は、なんで壊せるのだろう。
壊す前に「これを壊したら、朝礼があって、やったやつはだれだーみたいなことを聞かれる」と思わないのだろう。
今日は男が大好きなラジオ番組のイベントがある。芸人が10年間続けた深夜ラジオのイベント。
男はそのイベントのライブビューイングを見に行く予定だったのだが、そんな日に限って風邪を引いていた。
一日ぶりに入る風呂の中にスマートフォンを持ち込み、そのイベントのレポートをチェックしていた。
楽しそうだ。
とても楽しそうだった。
楽しそうで憎かった。
「風邪ひいてても行けばよかった。。」
そう思いながらスマートフォンを脱衣所に置き、洗い場の椅子に座る。
目の前の鏡には自分の顔。髭をそっておらず、風呂を入っていなかったせいか髪の毛も脂ぎっており、とても醜い。
ふと鏡を殴って割ってしまいたい、と考えた。殴って割ればどれだけすっきりするのであろう。
ただ、殴った後はどうなる?
鏡の中の醜い男はいなくなるが洗い場の男は消え去らない。
その異音に気付いた家族は風呂場にきて何があったかを聞くだろう。
そのあとは「お前はもっとできるぞ、応援してる」と言われるだけの煩わしい家族会議があるんだろうな。
そんなことを考えてしまい、男は鏡を殴るのをやめた。
直後に、男は強い強い息苦しさを感じていた。
そして、もし今の考えが間違えだったら、鏡を殴ってもよかったんじゃないか。と考えていた。
もし、あの時の心配が実現しなかったら、大嫌いだった水泳部をやめて自分でもばかげた夢だと思っていたプロレスラーになるための努力をしてもよかった。自分の好きなように生きることを恐れないでもよかった。
わずかな時間だが永遠に感じる息苦しさの直後、男は殴ってみようと思った。思いっきり殴ってみようと思った。
男は殴った。鏡ではなく、鏡の横の壁を。
プラスチック製の壁面だからなのか、分厚い下敷きを殴ったような感触があった。
壁の奥に空洞があるようで、思いもよらない大きな音が鳴った。
男は音に反応して親が来るかと心配したが、来ない。こんなものだ。
いまから十数年前、高校生の頃に「M-1甲子園」というイベントに出た。
よしもとが主催、イオンが協賛の高校生の漫才コンテストであり、吉本が素人の高校生の中から未来のスター発掘するという意図がある大会なのだが、いろいろ不可解な思いをしたので書こうとずっと思っていて、昨年末のとろサーモン久保田の上沼恵美子への暴言、立川志らくのM-1での審査を評したブログがホッテントリになったタイミングで書きたかったが師走の忙しさで書く時間がなく無下にしてしまった。
もうタイミングを逃したのだが、今年のM-1まで取っておいても書くのを忘れてしまいそうなので、今このタイミングで書かせてもらう。
俺が高校生だった十数年前、地元のイオンでM-1甲子園なるイベントの予選があるので出場しようと友人から誘われた。
俺は中学の文化祭で、生徒が体育館でステージで催し物を披露するコーナーで中2から2年連続漫才をし、2年連続投票の結果優勝した。それまでギター覚えたてのヤンキーが稚拙な演奏を披露しイキがる場でしかなく、ヤンキー以外の出場は暗黙の了解で禁忌とされていた雰囲気の中において、ヤンキーの許可なくそこに割って入った俺の漫才が優勝したのだ。
中1の頃はオタク扱いされスクールカースト最底辺だった俺が、中2の文化祭からは学校の人気者となれたのだ。その年頃の女子というのはスポットライトを浴びた男だったら誰でも良いようで、それまで俺のことをゴミのような目で睨みつけ忌み嫌っていた女子どもが急に俺のことをチヤホヤしていたが、俺は奴らのことを恨んでいたので硬派気取ってまるで無視していた。今考えたらやれたかもしれない。
高校生になってから文化祭の時の相方とは違う高校に進んでしまい、相手も部活に勉学に励みたいとのことで漫才は続けられなかったところ、別の漫才をやりたかったという友人が俺をM-1甲子園に誘ってくれた訳だ。
予選通過したら東京で決勝があり、優勝したら賞金20万円貰えるらしいのだが、まあ、中学の時の相方は笑いのセンスもよく、俺の書いたネタに文句も言わずそのまま受け入れてくれ、相性もよかったので満足いくネタが披露でき爆笑をかっさらうことができたのだが、M-1甲子園に誘ってきた奴は笑いのセンスがまるで無いどころか俺の作ったネタにいちいち文句を出し、その割に自分でネタは書かず俺のネタをベースにまったくつまらない方向に改変を要求し、お笑いをやるっつってんのに道化を演じるのが嫌なようでかっこつける言動ばかり取りたがり、人を笑わせたいというよりスポットライトを浴びてただ女子にモテたいだけという性欲しか感じられない奴で、ああこりゃあクソ滑りするなあ予選絶対通過しねえなという未来しか見えなかったが既にM-1甲子園にエントリーしてしまったので後の祭りだった。
俺は学生ながらに雑誌の読者投稿コーナーや深夜ラジオでネタが採用され、ネット大喜利で優勝を経験している職人だったので、ネタ作りに関しては自信があったのにも関わらず俺の意図した笑いどころが全却下された挙句ただ男子高校生ふたりつまらない立ち話をするだけの漫才とは言えない地獄のような内容しか用意できずM-1甲子園の予選の日はやってきた。今もその日を鮮明に記憶している。
当日、そいつは気になっている女子をつれてきて、もうすぐ始まるつってんのに、つまらない内容だがネタ合わせだけはしておきたい俺を尻目に女子と2人でイチャイチャとイオンのゲームコーナーでずっと太鼓の達人をしていた。
高校生なので楽屋などなく、これから始まるショッピングモールの広場に用意された舞台周辺に出場するっぽい高校生がぞろぞろ現れ始めた。俺も1人そこで待っていると、出場するっぽい奴が近づいてきて「あれ?見ない顔ですね?普段どこでやってるんですか?」と声をかけられた。
見ない顔?普段どこで?純粋な素人の高校生が集まっていると思っていたのだが、こいつら普段どっかの舞台出てんのか?
質問の意味がわからないので「人前で漫才やるのはこれが初めてですね〜」と答えると、「あっ…」といった顔をしてそいつは離れていった。
通りすがりの子連れ家族の父ちゃんに「これから漫才やるんですか〜?誰が出るんですか〜?」と聞かれ「高校生の漫才コンテストです」と答えると、「なんだ〜素人か〜絶対つまんねえな〜誰が見るんだそんなの」と吐き捨てられた。俺がこれから出るんだよ!という不快になる一幕もあった。
するとイオンのイベント担当みたいな人が出てきて「これから始めます」と胸につける番号札みたいなのを配りだしたので、急いでゲームコーナーから相方を引っ張り込んできた。
審査員は吉本芸人だ。各地方に吉本の事務所があり、うちの地元の吉本芸人が審査員として招かれており、イベント開始直前に腰を低くしたイオンのスタッフに先導されながら会場へとやってきた。
すると、それまで会場でそれぞれバラけてダラダラしていた、これから出場する高校生達が一斉に一列に並び、もう夕方なのに「おはようございます!」と業界丸出しの挨拶で綺麗にお辞儀をした。
それに対し審査員の吉本芸人は「おう、頑張れよ」と一言いうと審査員席に着座した。
そんなん知らん俺はもちろん並ばず業界の挨拶もせず、ポカーンですよ。こいつら、全員吉本の息かかってるやんけ!
その瞬間、この大会の意図を把握した。これは、吉本の息がかかっている、将来吉本所属が決まっている高校生を集めて、あくまで素人として吉本が世間に紹介するイベントなんだと。
予選出場の高校生コンビは全部で10組、俺の他にポカーンとしていたのは1組だけだったので、確実に素人と言えるのは俺とその1組のみで、残り8組は吉本の息がかかってる連中なのだ。
じゃあ、どう転んだって完全な素人は絶対に予選通過しねえじゃねえか。これから俺が滑るのはわかりきっているとはいえ、一気に冷めてしまった。
いざ漫才が始まると、さすが審査員の芸人におはようございますと礼する連中だけあって普段から仕込まれているのだろう、みんなしっかりとしたネタをして、横で観ている俺は笑ってしまった。
けど、他の吉本の息がかかってると思われるコンビは、他のコンビのネタには一切笑わず鬼のような目で睨みつけていた。怖っ。
で、いざ俺の出番がきたが、ボケもなく笑いどころのないネタがウケるはずもなく、少数集まった観客が舞台に目を向けず全員が手元の携帯を見ているという、生きた心地のしない地獄のような時間だった。死ぬかと思った。
漫才が終わり、審査員が苦笑いをしながら「独特な世界観ですね」とだけ言った。
その後の出番だった「おはようございます」を言わなかったコンビもやっぱり面白くなかった。
もちろん吉本高校生の中から東京行きが決まり、もうこいつとは二度と漫才しねえと決めて、素人であるはずの高校生たちの不可解な行動に疑問を持って帰った。
次の日エゴサーチをしてみると、2ちゃんねるの芸人板で俺がクソつまんねえとボロクソに叩かれていた。死ぬかと思った。
その数週間後。
深夜に何気なくテレビをつけていると、地元ローカル番組で吉本若手芸人のネタを見て笑ったら罰ゲームというコーナーが始まった。
ローカルタレントがニヤニヤしながら口に牛乳を含み、そこに出てきたのはイオンで漫才をやった高校生たちだった。
えー!?もう「吉本若手芸人」って言い切っちゃってるじゃん!!じゃあもうこいつら素人じゃないじゃん!!
高校生という紹介もなく、あの日イオンで見た連中全員がその番組で「吉本芸人」としてネタを披露していた。
息かかってるどころか、地元ローカル局とはいえテレビの仕事受けちゃってる時点でプロだよね!俺の予想は正解に近かったのだ。
ええ、こいつらプロじゃんと思った俺は地元吉本の所属芸人一覧をネットで確認したが、あの高校生達は誰も所属芸人に名を連ねていない。
なんなの?やっぱり素人なの?どっちなの?謎は深まるばかりである。
その数日後、この連中は「素人なのかプロなのか」の事実が判明する。
学校から帰ってきてバイトに行く準備をしながら夕方のローカルワイドショーを見ていると、地元の芸人を夢見る高校生に密着した特集がはじまった。
そこで特集されている高校生は漫才コンビではなくピンなのだが、ただつまらないダジャレやギャグをするのみで舞台では滑り続け、ライブで勝ち上がれなく悩んでいるという。
仕組みはこうだ。吉本の事務所には芸人を夢見る高校生が次々駆け込んできており、ライブで勝ち上がれば晴れてプロとして吉本に所属できる仕組みで、そのピン高校生はプロを目指しているがライブで滑り続けてなかなか勝ち上がれないのだという。
吉本の稽古場みたいなところでネタ見せをして、社員なんだか作家なんだかわからないがその様子を見ていた大人からつまらない、それじゃ勝ち上がれないぞと叱責されそのピン高校生は悔し涙を流していた。
そのシーンで、あのイオンで見た高校生たちも映り込んでいた。特集は「頑張れ○○くん!未来のスターとして応援します!」と締めくくられた。
つまり、吉本所属のプロとは言い切れないが、「吉本預かり」として普段から吉本の舞台に出演していて、稽古場では吉本の人間からも指導されている。それで、たまにテレビにも「吉本芸人」として出演しちゃう。
もうこれは素人とはいえないのではないか。完全に吉本の息かかっちゃってるんだもん。
その当時、M-1甲子園で決勝を勝ち進んだコンビが実は松竹芸能所属(事務所ページにもプロフィールが記載されていた)だとわかり、M-1甲子園の「プロは出場不可」というルールを破っているのではないかとお笑いファンの掲示板で炎上していたのだが、それ言ったら出場している高校生の大半が半分プロみたいなもんじゃねえかと思った。
やっぱり、この大会は「素人の高校生の中から未来のスターを発掘」なんて意図じゃなくて、「吉本預かりの芸人を世間に認知してもらう」大会でしかなかったのだ。
その頃は世間で圧倒的な若手お笑いブームだったこともあり、素人の大会と銘打ったM-1甲子園ですらネットではちょっとした話題になっていたのだが
俺が高校を卒業する頃には審査内容の不透明性などが指摘され盛り下がる一方で、ネットで話題になることが全くなくなってしまった。
高校を卒業したら芸人になりたいと漠然と思っていたが、こんな経験をしたので絶対に吉本に入ることだけはないなと考えていた。
高校卒業後、イオンで見た彼らのコンビ名でググって現状を調べてみたのだが、そこから吉本に所属することなく芸人の道を諦めそれぞれ大学に進学したり就職したりしているようだった(そいつらのブログを見つけたのだが解散報告などをしていた)
そんな俺も相性の良い面白い相方を見つけることもできず、ピンでやる度胸もなく、そのまま普通にサラリーマンとなった。
その後M-1甲子園は「ハイスクールマンザイ」というダサいイベント名に改名し、一時はその様子が全国放送などされていたようだが全く話題になることがないのでもうとっくに終わったイベントかと思っていたら、今調べたら去年もやってたみたいだ。
オタクカルチャーは、はじめから商業的な素人の勘違いカルチャーとして生まれたものですからね。
もともと文化人というのはそれなりの教養を身につける必要があったけど、それが80年代あたりから「誰でも文化の発信者になれますよ〜」という新たな(そして巨大な)市場の開拓が始りました。それで、それまで文化の受け手だった人たちも即席の担い手になることができるようになりました…糸井重里の新人類文化なんかがまさにそのハシリ。素人モデルなんてのもこのころ生まれましたね。でも、そこにアダプトできなかった(今で言うところのオタクくさい)若者はどうしたかというと、DAICONやコミケやワンフェスに、あるいは深夜ラジオの投稿なんかに向かったわけです。
この「プロと素人の差を意図的に喪失させる」システムが完全に固定化したのはここ20年の出来事。インターネット登場以後、ホームページ、ブログ、SNSとメディアの進化を通して段階的に成長してきました。本来は階級差の「消滅」を企図したはずのこのシステムですが、一旦階級差が無くなったと勘違いするや否や、今度は新たな階級を作るゲームがあちこちで行われました。その一つがオタクの中での階級闘争で、この新たなヒエラルキーの中で彼らは上位階級に食い込もうと常に戦い続けることになりました。でもそのためには、オタクを一つの生態系としてセグメンテーションし、ゲーティングし、ブロック化する必要がある。つまり、オタク以外は「一般人」と言わなければ、そのゲームはそもそも成立しない、ということです。