はてなキーワード: 吸血鬼とは
公開初日になんかTwitterで話題になってるな~という理由だけで夕方頃に読み、衝撃を受けた。
自分はあまり作品に対する感想を他人とすり合わせたりすることはしないのだが、あまりに衝撃だったのでここに残すことにした。
もちろんネタバレを多分に含むため、未読の方は一旦回れ右して頂きたい。
本作は作中に主人公の作る映画が登場し、主人公の生きている現実と入れ子構造となっている。
構成物を箇条書きにすると、
・映画①の上映後、絵梨と出会い不評だった映画①のリベンジのため次の映画を作ろうとする。
・映画②を上映し映画①のリベンジを果たしたがその後は平穏だが虚無な日々を過ごした現実(現実③)
・現実③の後、現実②で死んだはずの絵梨が実は吸血鬼で生きていたという何か(不明①)
といった内容である。
このように現実と映画を行き来、というかさらに大きな器で更新し続ける。
コレは映画ですよ、コレは現実ですよ、といった予告は一切なく、
読んでいくうちに実はコレは映画でした~といったように急に言われ続けるのだ。
そして、終盤にいたってはそれが現実なのか映画なのかすら読者には分からないようになってくる。
中盤まではこの作品内の「現実」は私たちの生きている「現実」と同じ世界観だと思って見ていたが「絵梨が不老不死の吸血鬼だった」という設定が出てくるためだ。
この設定はそれが主人公作成の「映画」だからなのか、あくまでこの作品自体が「漫画」だからであって主人公の生きている「現実」はファンタジーな世界観だったのか判断がつかない。
このように少しずつ映画と現実の境界線をあやふやにしてきたところで最後の爆弾が投下される。
映画①で散々作中キャラの不評を買い、絵梨の評価を得た「爆発オチ」だ。
この漫画自体が最後の最後、その「爆発オチ」をなぞって終了となる。
「結局爆発オチじゃねえか」
「最初の映画①をなぞらえた上で考えるとこの爆発オチは必然だし、絵梨との関係を見ると感動的ですらある」
「爆発オチで終わったということはこの漫画は全てが主人公の作成した映画でしかなく、主人公の現実は一切描かれない。つまり母や絵梨自体も創作の存在でしかなく、全てデマかもしれない。そう考えるとやはり爆発オチというのはどうなんだ」
この漫画の入れ子構造のように感想自体がどんどん大きい枠で更新されていき収拾がつかなくなってくるのだ。
そして考えていくうちにふと気づく。
「爆発オチなんてサイテー!と考える俺はまるで作中で映画①を批判したモブどものようだし、この漫画は面白かったと考える俺はまるで絵梨、いや絵梨でなくとも作中に描写はされなかったが映画①を見て大多数の意見に流され意見を言えずにいたであろう絶対に0人ではないであろう映画①を評価したモブのようだ。」
「結局一切描かれることの無かったこの作品の映画を作った主人公はどこにいるんだ?それを最終的に突き詰めるとタツキ氏本人にいきつくのでは?」
「この感想を考えている俺自身がこの作品の一部ではない保証もない」
元々舞台の用語で第四の壁というものがある。意味としては知っているものとして解説を省くが、最近の作品にはこの第四の壁を破る作品というのがとてもメジャーになってきた。
・少なくとも、スマホの主観視点になっていないシーンは編集済み=虚構。ほかのシーンについては解釈の余地あり
・どこが虚構でどこが現実かについては作者にとって重要ではない。重要なのは読者が気持ちよく思い出を残すこと。
・爆発オチや、思いつきそうな感想を先回りして潰して大量に予防線を張ることで、まじめに言及したら負けのような状態を作っている。多少の言い訳なら鼻につくところだが、やりすぎることによって逆に面白くなっている。
■本作は五重構造になっている
②を映画にして上映したが、盛大に失敗。謎の女と共にリベンジで映画作る主人公
あとは無数の映画のオマージュ、それから作者の過去作や実体験も重なってくる。
身もふたもないことを言ってしまえばすべて虚構。なぜなら最後の爆破オチは現実ではありえないから。また、マンガなんだから全部虚構だろともいえる。ただ、それだと何も言っていないのと同じなので、作中世界で起こった事実を基に編集によって脚色されている、と捉える。じゃあどこが事実でどこが脚色なのか?これは作中でわかりやすく表現されている、主観/俯瞰視点と、手ブレ表現を手掛かりにする。この二つを抑えておけば切り分けできる。
■①
最初は主観視点でスマホ撮影している。全体を通してだが、移動シーンやシーンの切り替えの際は、いちいち手ブレ表現を入れている。このへんはいわゆるドキュメンタリー映画の王道表現なだがマンガでこれをやって読者に伝わるのか?
18P、主観視点になっていない=スマホで撮っていないので編集シーン。ここテストに出ます。
P19、雑な爆発シーンは後付けであることが容易にわかるのだが、P18の構図には映像を取っているはずの主人公が映っている→誰が撮影している?→後撮り。さらに、P123において優太は車から出ていないことが示されており、そうするとP16からすでに父親が演技していることまで疑えてしまう。
■②
P21の俯瞰視点、これは何をどうやっても後撮りでないと撮影できない。P23も怪しい。P27はスマホで隠し撮りしているとすれば後撮りでなくても可能。そして最初の作品批評がここ。読者の思ったことをわざわざ言語化してくれているのが、逆にこの作品の非常に批評しづらいところ(どういう感想をつぶやこうとしても、作品内で先取りされてしまう)、そのまま引用。
★"母親の死を冒とく"”あんな映像流して母親に申し訳ないと思わないのか”そして極めつけの"ラストなんで爆発させた?"
続いて自殺シーン。P32のメメントモリ、は死を思え、という慣用句だが映画の文脈では映画メメントを思い出させる。いっそメメントみたいに時系列シャッフルすればよかったのに、と思うところだが、実は時系列が編集によって巧みにシャッフルされているという捉え方もできる。実際にリアルタイムでスマホで撮った映像と、後撮りした映像がシームレスに混ざっているが、普通にマンガを読んだだけでは気づかないようになっている。もちろん全部後撮りの可能性もあるが、それだと考察のしようがないので手ブレしてるところは本物と考える。
P39、作中で言及されている通り本来は眼鏡かけてて矯正もしているので、A.めちゃくちゃ頑張って撮りためた映像をソフトで編集した、B.わざわざ撮影のために演技して撮り直した、C.完全なる創作かの三択となる。中学生の技術力を考えるとBかC。
P45、プロジェクターの真ん前にカメラを置いているから、完全に後撮り。ちなみにここで映っているのは映画ファイトクラブ。ファイトクラブは、本作のどこまでが現実で空想かわからないというネタ元の一つになっている。話がそれるが、ファイトクラブといえば選挙演説で有名な外山恒一の批評が異様に完成度が高く、未視聴でも必読。ほかにもメタ構造のネタでヒットしたカメラを止めるな!も思い浮かぶ。あとニューシネマパラダイスとか、そもそも本作のタイトルとページ数の元ネタであるぼくのエリ 200歳の少女など、挙げればきりがないと思うし俺なんかより作者の方が100倍くらい映画をみてそうなんでネタ元を挙げ切るのは不可能だが、個人的にはこのへんの映画を思い出した。
★P52、作品批評"どこまでが事実でどこまでが創作かわからない"。
P63、二人はしばらくずっと映画見ているが、ここもプロジェクター視点になってる。ちなみに、このひたすら映画を見て感想言う特訓だが、これは作者自身が過去に編集と似たようなやりとりしてたことを過去のインタビューで語っていた。
★P79にて、これも一応作品批評になるのか、一見意味不明な爆発シーンを入れた動機が主人公の口から言語化されている。
★P82で、作品のテーマである"ファンタジーをひとつまみ"=吸血鬼と爆発要素。
P84で、①のネタばらし。実は母親の嫌なところは編集でバッサリカットされていることが判明し、作中描写に編集のウソが混ざっていることが明示される。
★P86にて自己分析という体で、①を批評している。"主人公の抱えている問題は…多分…映画をバカにされた事じゃなくて…母親の死を撮らなかったこと"そして、吸血鬼が死ぬシーンの説明。
P87で絵梨が意味深に沈黙しているシーン、ここで彼女の死期が近いことが偶然にも主人公の提案したプロットと被ってしまい、その動揺を表すために意図的に同じコマが挿入されている。動揺しているからこそ表情が動かないというのは逆説的だが、P85の喜怒哀楽表現との対比により、余計に目立つ。P85~86も過去回想シーンのため、編集。
P90~P93もそう。意図的に沈黙を配置することで画面に緊張感を作っている。さっきの彼女の沈黙と比べるとわかりやすい。こういう間を作る表現は、週刊連載のページ数に囚われないからこそやりやすい表現で、電子掲載の特性が生かされていて良い。
★P93~の父親の名演技。これも作品批評になっている。"自分が面白いと思って作った作品が馬鹿にされオモチャにされたらまともじゃいられないんだ"。
前のルックバックに対する批判を思い出す。ちなみに作者の自伝的要素としては思い当たるふしがもうひとつあって、チェーンソーマンの前作ファイアパンチでも作中のある印象的なコマが切り取られて海外(主に4chanの/a/)でネットミームというおもちゃになっている。"kino meme"で検索したらたくさん出てくる。
P97、この父親の怒りすらも演技という体。父親に作品批評をそのまま言わせてしまうのとわかりやすすぎだが、あえてそれを"演技ですよ、本当はそんなこと思っていませんよ"と自虐的にネタにしてアピールすることで、ネタにマジレスを防ぐと同時に、この作品のテーマの一つである虚構と現実の境目がわからない状態を作り出していて一石二鳥となっている。
★P99、ここで批評をもう一発かましてくる。"創作って受け手が抱えている問題に踏み込んで笑わせたり泣かせたりするモンでしょ?作り手も傷つかないとフェアじゃないよね"
ここは非常に巧妙で、さっきの作品批評がわざとらしい感じだが対比してこっちは本音を語っているように見える。傷つきはするけどしょうがないよね、そしてなにより、創作ってのは受け手も傷ついてなんぼのもんだろ、という主張を相当オブラートに包んで発言している。
P100、"今のセリフいいでしょ?"とこの本音を語っているように見せた発言すらメタってしまう。これすら本音ではないと言っており、さすがに照れ隠しじゃねーのと思うが予防線になっている。
P108。最初の出会いが病院なわけで、何らかの病気であることは元々暗示されていたが、ここで絵梨が倒れこみ、病気の存在が劇的な形で示される。手ブレにより躍動感が表現されていて気持ちがよいがこれ伝わるのか?(2度目)。
P109、病院では一切手ブレがなく動と静の対比。P117、①のような素人臭い動きの画面が続き、主人公の動揺する心理が表れている。この漫画ほぼモノローグがない代わりに、マンガなのにもかかわらずこういうカメラワークでの映画的表現をうまく使って心情を表現していて、作者はやはり天才か?となる。
P122、お母さんの性格の悪さが開示され、①はかなり編集が入っていたと判明する。ただし、嘘だったとしても、思い出を美化するのはいいことだと主張している。
★P130、作品批評。"優太はどんな風に思い出すか、自分で決める力があるんだよ それって実は凄い事なんだ みんながどういう風に絵梨ちゃんを思い出すのか 絵梨ちゃんは優太に決めてほしかったんじゃないかな……"
ここは今までと違って、一切茶化していない。編集により現実が捻じ曲げられる恐ろしさというネガティブな側面を前もって提示しておきながら、でも思い出を美化するのもいいよね、と肯定する流れ。否定的にしたいなら順序を逆にすればいいだけなので、これは割と「作者がほんとうに伝えたかった事」としてとらえていいんじゃないかな?と思う。
P131、編集シーンが入ることで、②もまた生の現実ではなく、美化された思い出、編集された虚構ということが暗示される。
■③
P151にて場面転換。
P155、本来の絵梨は矯正している、眼鏡をかけていることが明らかになり、②のネタばらし。P130~132に対するわかりやすい答え合わせになっている。
P164、ここから主人公のモノローグ。終盤の展開がモノローグではしょられるの、低予算あるあるで笑える。本筋じゃないし時間内の200Pに収まらないからカットされたのかもしれない。そうなると、ディレクターズカット版の単行本では未公開映像が流れるのかな?
P167、低予算映画あるあるの、父親役と本人役が一人二役なんじゃないのかという考察を見たが、見た目違うとはいえ割とありそう。
■④
P177、ここにきて見開きばーん。P151以来のタメがあるのでとても気持ちが良い。①~④の間の場面転換すべてに共通して、見開きが挿入されたタイミングで、作中作→現実へメタ構造が切り替わる仕組みになっている。そして、さんざん言ったように主観視点になっていないので、これはすべて後撮り。よって吸血鬼は実在しない。Q.E.D. あとこれ面白いのが、絵梨がメガネしてないし矯正もしてないところ。この吸血鬼は映画の美化された絵梨を真似しているため、見た目も現実ではなく映画準拠になっている。
★P180、"そうかっ 夢か…… それか僕のイカれた幻覚で…"とわざわざ口に出して言う。
映画のタイトルだけ羅列してもわかりにくいので、夢か現実かわからない状況を読者向けに解説する。あとシックスセンス、定番のネタバレなんでしょうがないけど笑うわこんなん。
★P181、作品批評。"恋人が死んで終わる映画って在り来りだから後半に飛躍がほしいかな… ファンタジーがひとつまみ足りないんじゃない?"
恋人が死んで終わる映画って在り来りだよねーという批判が飛んでくることがわかっていて予防線を張っており、後半の飛躍をまさに今行っている最中なので、言うまでもなく非常にメタい。
★P191、最期の作品批評、"見る度に貴方に会える… 私が何度貴方を忘れても 何度でもまた思い出す それって素敵な事じゃない?"
作中の元になった出来事が忘れられても、作者が死んだとしても、作品が残れば思い出は受け継がれていく。たとえそれが美化され、脚色され、編集されたものだったとしても。つまり、映画の内容がどこまで虚構でどこまで現実かはどうでもよく、受け取る観客がいい思い出を残してもらうことが大事、という壮大なちゃぶ台返し。最後の爆破オチで壮大に茶化されているとしても、作者の伝えたい主張にウソはないだろう。
P199、ここは皆さん一番好きな映画の爆発を思い浮かべながら。予防線をあまりにも張り巡らしているせいで作品が予防線の塊になっており、最後に爆発オチを持ってきてすべては創作だと主張することで、主客転倒が完成。終幕。
すべては爆発のための前振りととらえることもできなくはないが、ルックバックで思ってもなかった方向からダメージ食らったので、思いつく限りの主張を先回りしてそれ自体を作品にしてやろうというところなのではないか。脚本作る労力を考えると本当に頭が下がる。
ルックバックはそれを漫画という手法を使ってやったけど、全く同じテーマを被してきたってことはタツキって人が今相当書きたいテーマなんじゃないかな?(それかルックバックであーだこーだ言われて腹立ったからリベンジしたのかもしれんが)
ルックバックでは漫画が過去を遡ることで、友人が助かったかもしれない世界に思いを馳せることで主人公は友の死を受容し、超克した(ぶっちゃけあんま覚えてないけど)
今回は映画的手法やパロディを用いることで、映画の中の絵梨に吸血鬼という設定をつけて永遠の命を授けた。
絵梨が映画の中で生き続けてる存在になることで主人公は絵梨の死を超克した。
たぶん、絵梨もそれにより自分の死を受け容れることができた。
ただ、それは現実逃避でもあるので、ちゃんと主人公にとっての餞別であり、これがファンタジーだと目を覚ますことができるひとつまみのファンタジーである爆破という表現を最後に加え死を受け容れ、ちゃんと彼なりのさよならを告げた。
(あ、これは絵梨のラストシーンは親父さんを使ってあらかじめ撮影していた説を適用してます)
パロディに拘っていたのも映画によって死を克服するというテーマだったからだと思う。
世間ではよくわからんとか放り出しとか爆破wwwとか言われてるけど、そんな難しいことや謎はなく、長いけど無駄は少なくちゃんと筋道を立てた物語だな、って気がしたよ、ワイの脳内では。
個人的にルックバックより凄いと思ったけど、多分こんなに普遍的な喜ばれ方する作品じゃないとは思った。
だし、集英社あげてどかーんと広告打つよりも、個人HPに上げてジワジワ口コミ広がっていく様な作品とも思った。
ストーリー単体で見た時には、例えば吸血鬼設定するなら「長生き」だけじゃなく色々な所で肉付けしていった方がよかったと思うし、卒業以降の苦悩の描写もあるべきだった。と思う。(読み切りでページ数が、オマージュ作品が、というのは分かるけど)
さよなら絵梨のすごいところは、
・かつ、映画の下位互換じゃなくて漫画でしか表現し得ないところに昇華している
・漫画だからこそ、1人称→3人称の切り替えに違和感が出ない(ことに気付いて取り入れてる)
・一定のコマ割りをベースに物語の大小を表現する為に大きさを変えている
みたいな、いわゆる超絶技巧の披露が主だと思う。失礼だけど読者全員がこの凄さに気付ける訳ないし、殆どの人は「タツキ作品」で、もしくは作中のオマージュが、みたいな点で絶賛してるわな。
「あえての爆発オチすっげえっす!w」も的外れだと思ってる。漫画太郎のトラックオチと同系列で感想言ってる人いるけど、この漫画の爆発は複数の感情の消化先としての爆発であって、「オチにちょけて見ましたw」じゃないと感じた。
①横長固定四コマ
・「横長固定四コマで日常を描く」手法自体はよくあるが、それ1本で最後まで走りきる漫画は珍しい。
・「横長固定四コマで日常を描く」手法で一番多くの人が目にしたことがあるのは、たぶん『幽遊白書』の海藤の日常
・近年は定点カメラが時間を表す表現として、主に成人漫画で一般化している
・難病モノ、かつ固定四コマで最期まで走りきる読み切りとして『肩幅の未来(やまむらはじめ)』がある。泉信行氏がやまむらはじめファンサイトを運営していたこともあって、一般的な知名度と比べてマニア人気のある短編。
・しかし、『肩幅の未来』再読すると『さよなら絵梨』とはかなり雰囲気が異なることに気付く。
・『肩幅の未来』における固定四コマは、あくまで淡々と続く日常(そしてそれがある日突然終わることを予感させる)を表す。終わらない日常を描く日常系四コマと同一の効果を狙ったもの。
・これに対して『さよなら絵梨』はより固定カメラ及び手持ちカメラの画角を表現するための意識が強い
・『肩幅の未来』より、アメコミ的表現や藤子・F・不二雄の諸作によくみられる時間経過を表す連続三コマの表現に近い
・メタフィクション?
・表現論?
●『さよなら絵梨』は何をしようとしたのか
・たぶん漫画でフェイク・ドキュメンタリーをやりたかったのだと思う
・念頭にあったのは、白石晃士のフェイク・ドキュメンタリー諸作品
・『チェンソーマン』単行本作者コメントにも、『コワすぎシリーズ』や『貞子vs伽椰子』についての言及がある
・以下、「映画の生体解剖 VS戦慄怪奇ファイルコワすぎ!(高橋洋・稲生平太郎・白石晃士)」より引用
”フィクションとドキュメンタリーの違いは(中略)フィクションはキャメラの存在を消していくもので、ドキュメンタリーはキャメラがそこにあるということを顕在化させていくもの”
”そんな馬鹿なことがあっていいのかというぐらいのことが起きてても、「だってキャメラの前で起きてるんだから、『イッツ・オール・トゥルー』じゃないの?という”
”自分がフェイクドキュメンタリーを撮っててすごく魅力を感じてるのは(中略)フェイク・ドキュメンタリーという手法を使えばそういうことをすっ飛ばして、映画の表現をものすごく原始的なものに戻せると思ってるんです”
「一部の人しか楽しめない」「価値がないものをもちあげてる」という評価は妥当ではなく、
『さよなら絵梨』は優れたエンタメであり作品で、個人が面白いとおもうかは別に価値はあるものとして考察されるべきものだと思う。
【1:爆発オチが凄い】
作品が深く理解できてなくても、なんとなくの意味がありそうな爽快感を味あわせて
【2:どう消費されるかのデザインが凄い】
まるで祭りかイベントをデザインするかのように反応を誘導するのに成功している
「最後の爆発が嘘」「絵梨転生と吸血鬼設定が嘘」「交通事故が嘘」「そもそも全部が嘘で映画」とどれでも話が成り立つようになってる。
考察厨も大満足だし、パターンごとに優太が何故そうつくったのかを考えてもまた興味深く想像が広がる
【4: (3)を前提としたメッセージが凄い】
たぶんこれから「○○がもっとも妥当な解釈で素晴らしい」みたいな言及や論争がいろいろあるんだろうけど、
「どんな風に思い出すか決める力がある」という父親の言葉のように読者に委ねられてる。
しかし、それは『解釈はご自由に』という投げっぱなしではなくて
どのように解釈しても「(爆破オチという爽快感ある)想像力とフィクションで救いを人は得られる」というメッセージが成立しており
優太や創作側の人間に限らない普遍的なフィクションのパワーを感じさせる。
だからこそ(1)の段階でも凄さや良さがなんとなくでも伝わって評価されているのだと思う。
そして、それが(3)のどれがフィクションでもいい、という多重構造で語られてるのが芸術点が高い。
【5:他にも語れる部分が多い】
藤本タツキの作家性や映画などのオマージュについて語れるのもポイントではあるだろうけど、(1)~(4)に比べれば些末だと思う。
人間の命が作品として残る、けどその作品も永遠には残らず無常、だが創作への衝動はあるみたいな虚無と衝動のせめぎあいかのような
俺は理解できねえ
まずここがわからない。
最初に断っておくがこれは「漫画なんだから全部フィクションだろwwww」で終わる話じゃない。
「作中のキャストが実際に体験したことを映像化した部分が何割含まれているか」という話であり、逆の言い方をすれば「両親や同級生も全部俳優で、中学生の主人公とオッサンの主人公は別の俳優がやっている」という解釈が正しい可能性も考慮するということだ。
ありがちなパターンで「4コマ漫画になっているページは映画」だと考えると母親の病院を爆破したのが現実になってしまう。
逆に「4コマじゃないページは映画」だと考えてもいいがこれだと現実部分がコリジョンを起こし始める。
全てのページが映画であり映画の中で映画を何回も作るという『カメラを止めるな』方式なのだと考えるとハッキリするが、その場合この話は「作中のキャストにとってもフィクション」となるのだろうか?
この入れ子構造は作中で何度もループがされており、主人公が文化祭でクソ映画を上映したことだけが真実だったり、逆に文化祭でクソ映画を上映することはなくいきなり泣かせる映画だけ上映していた可能性もあるのだ。
難しい。
とっかかりがない。
それこそ「あの世界には本当に吸血鬼がいて、主人公は吸血鬼を爆破して去っていった」という仮説さえもオッズこそ凄いことになってしまうが完全に死んでいないのではとさえ思えてくる。
「大きな嘘は作中に1つまで」という映画論もあるし、また「作中に1つだけ論理破綻を残して受けての考察を深める」という意味不明な理屈もある。
後者の理屈は往々にして映画か解説者のどちらかの頭が破綻しているのを必死になって誤魔化そうとする場合に使われがちだ。
たいていこの「1つだけ論理破綻が残されている」の理屈を安易に振り回す考察者はのちにスタッフインタビューが出てきたときに大恥をかいて「でも映画を見ただけだと読み取れなかったんだからしょうがないじゃん」と慌てふためくものである←最初から無理に決めつけて格好つけなければいいだけだったのに……という話であることは伝わってるよね?
さて今回もそこに気をつけていきたいのだが、気をつけようとすると一気に手詰まりに近くなる。
いや答えは見えてる。
「映画の完成にはファンタジーが1つ必要であり、吸血鬼というファンタジーを入れても映画は完成しなかった。爆発というファンタジーを入れて映画が完成した。つまり吸血鬼はファンタジーだった」
これでいいはずなんだ。
いいはずなんだが、誘導されている気がしてならない。
のちにタツキが編集者とインタビューをするときに畳をひっくり返されて顔を真赤にさせられる気がしてならないほどに誘導させられている。
だがそれを恐れて別の考察を始めさせようという悪意さえ感じる。
これがまず思いつく。
前作ルックバックを知っていれば思わずコレに飛びつきそうになる。
でも本当にそうなのか?
カメラは作り手が切り取りたいように世界を切り取ってくることが殊更に強調されていく作品の中で、カメラが切り取ってきたものをそのまま受け取って良いのか?
素直に受け取れという作品で良いのか?
「映画ってマジで面白いよな。映画好きの美少女吸血鬼とかいたら最高じゃね?ついでに失恋するときは相手が病死したら文学的で二重にいいね」とかそういう話でしかないのを必死に意味を見出している我々をタツキが掌に乗っけって笑ってるんじゃないのか?
「爆発オチは最低なのか」という映画にも思えるし「俳優って役作ってるだけなんだよな」って話なのかも知れないし、答えを一つに絞れるのか本当に?
分からねえ。
難しいぞ。
で?お前らこれが理解できたんだよな?
理解できてるからなんか偉そうに「いやー素晴らしい作品だった。これはこういう作品だったわけだが、なるほどなるほどだね」ってコメントしてるんだよな?
俺はもう「分かんねえ……むっず……ところでチッスはしてるけどエッチもしてるんすか?」ぐらいしか言えることねえぞ?
やっぱはてなーって頭いいんだな
[Slipknot - The Chapeltown Rag [Visual 001] - YouTube](https://www.youtube.com/watch?v=j2v4u7VhoPU)
[Intro]
Read all about it if you want to know
Read all about what they want you to know
知りたいのなら 全て読め
あいつらが知りたいこと 全て読め
[Verse 1]
Everything is god online, and it's as evil as it gets
This is not a fuckin' trick, either follow or repent (No choice)
Get infected by a vertical event
Check the meter, check your watch
Are they ever gonna stop?
Runnin' out of daylight, nighttime's better
But we know how to handle the truth, motherfucker
Scandalous know-it-all, feedback chamber
Nobody wants the proof, they want a number
[Verse 1]
これは糞ガキのお遊びじゃねぇぞ 従うか悔い改めるか(選択肢は存在しない)
やめようって思わないのか?
光使い果し、夜輝きだす
[Pre-Chorus]
We don't deny what is wrong with our lives
We can't decide what is left of our right to silence our remains
Buried in the back and I'm sick and alive
Hollow as a breath, the further you dive
[Pre-Chorus]
死骸を黙らせるために使える権利が何なのか 選り出すことはできねぇんだよ
影に忘れ去られて 俺は病んで生きている
息するように空洞になって お前はさらに潜っていく
[Chorus]
Oh, how I've missed your honesty
You never miss with your intensity
You're gonna need a new disguise
Just slide into the nearest lie
[Chorus]
お前の正直さが恋しくなったよ
お前はてめぇの情熱で失敗なんてしなかった
血管の破裂、静脈の遁走
一番近い嘘に滑り込むだけ
[Verse 2]
All the ligatures are getting tight, like a style
Murder another mouth before the trial
Scalpel and then you scalp 'em to fucking death
Kills for the other vampires and surrogates
It's a ploy for attention and evidence
All your fucking monsters are flaws in your common sense
Do the dance while the shovels are breaking dirt
Everybody mind your fuckin' business or you get hurt
[Verse 2]
縛りが全部キツくなってきやがった "スタイル"みてぇに
審判の時までには よその声は潰れちまう
メス くたばるまで手術する
注目と証拠のための策略だ
[Pre-Chorus]
We don't deny what is wrong with our lives
We can't decide what is left of our right to silence our remains
Buried in the back and I'm sick and alive
Hollow as a breath, the further you dive
[Pre-Chorus]
死骸を黙らせるために使える権利が何なのか 選り出すことはできねぇんだよ
影に忘れ去られて 俺は病んで生きている
息するように空洞になって お前はさらに潜っていく
[Chorus]
Oh, how I've missed your namaste
You never miss with your integrity
You're gonna need a new disguise
Just slide into the nearest lie
[Chorus]
血管の破裂、静脈の遁走
一番近い嘘に滑り込むだけ
[Bridge]
Read all about it if you want to know
(Everything is god online)
Read all about it if you want to know
(Everything is god online)
Read all about it if you want to know
[Bridge]
知りたいのなら 全て読め
(全てはオンラインの思し召し)
知りたいのなら 全て読め
(全てはオンラインの思し召し)
知りたいのなら 全て読め
[Breakdown]
Stoned like a beast on a chain lookin' dead
Feelin' strange, what the fuck
I'm material to sew into the stains
Like a catalogue of pain, like a martyr in restraints
I can kill with a will, and it's stronger every day
I'm a knife, I'm a gun, I'm a slit, I'm a scar
I'm a scream, I'm a death, I'm a threat, I'm afraid
That you will never understand I'm not the same
You better call the triple 9, I want a face
I'm afraid, I'm afraid, I'm afraid, I'm afraid
[Breakdown]
鎖に繋がれた獣みたいにラリって死んじまってる
妙な気分だ、何なんだクソ
意思を持って殺せる それは日に日に強くなる
俺はナイフ、俺は銃、俺は裂け目、俺は傷跡
叫んで、殺して、脅して、怖くて
君には理解できないだろうが 俺は同じゃないんだよ
トリプル9と呼ぶべきだ 俺は顔が欲しい
怖いよ、怖いよ、怖いよ、怖いよ
[Outro]
When everything is god online, nothing is
When everything is god online, nothing is
[Outro]
原文|https://genius.com/Slipknot-the-chapeltown-rag-lyrics
翻訳ベース|www.DeepL.com/Translator
翻訳・意訳|HXi
1話はなぜかDYNAMIC CHORDのような雰囲気を醸し出しているが2話からは普通の女性向けアニメになる
そこそこキャラ数がいるわりには全員キャラが立っていて見やすかった
萩の月食べたい
2話の引きがとても良かったので最後まで見たが、損したとは思わない程度の面白さはあった
アカツキ大佐の近くに男キャラがいたら意外と女性人気が出たりしたのだろうか
ジョンはかわいかった
キャラの行動や会話に妙な作り物感があり、キャラが自分で動いているような感じがしない
ラノベ原作・ソ連モチーフ・アリプロOPのラブコメという異色な雰囲気の作品
宇宙開発がテーマだが特段小難しい設定はなく、広くおすすめできる良作
イリナの声は最初は少し違和感があったが最後まで見ると他には考えられなくなる
忙しくてなかなか最終回を見れずやっとこの前見れたのでこの投稿も今になった
https://twitter.com/igorarias67/status/1498861968383524864
モーフィング
https://twitter.com/Santiago0072/status/1498862918900801538
ttps://twitter.com/EliotFernandezM/status/1498853798307004421
これはTIME誌に訴えられるかも
ttps://twitter.com/prisi_luna27/status/1498839311394893826
半透明鏡
ttps://twitter.com/jcmorenozabala/status/1498845884498407426
TIME誌2番目
ttps://twitter.com/aj_cule/status/1498844006351921154
ttps://twitter.com/mariahe24870904/status/1498837236099555333
ttps://twitter.com/iTonni14/status/1498828985916080130
部分コラ
ttps://twitter.com/DiegoDarwin2021/status/1498827598125846540
フューラー2022
ttps://twitter.com/Paul22025126/status/1498827540433186816
https://twitter.com/AngelDLaCruz_/status/1498854335614107649
見てないのもそこそこ
一覧、あらすじはアニメイトのサイトが便利(https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=6212)
前期で面白かったのは吸血鬼、古見さん、月とライカ、ブルーピリオド
感想には偏りが強い
今期おすすめ
原作を知らなくても環境状況背景人物の関係性などベース要素が1話で全てわかるようになってるのが良い
平家物語(というか日本史)を知ってればどのタイミングから話が始まってるか理解できるのでより楽しめる
全体的にとても質が高いので今期1話見た時点で1本選ぶなら間違いなくこれ
以下あいうえお順
いい意味でこだわりが爆発してて最高、質も高い
原作の細かい動作や表情や演出をアニメスタッフが綺麗に救い上げてる
イロドリミドリ
ゲームありき
この1話でどの層がついてくるのか謎
オンエアできない!
怪人開発部の黒井津さん
コメディ系っぽいのでだらだら見るのに向いてそう
夢落ちも全力
CUE!
転生してからが本編だろうにそこまでが長すぎるし安っぽい
VRMMOモノ流行ってるけど質の良し悪しが作品によって露骨に出る
殺し愛
何を見せられてるのかわからない
暗殺者同士のラブコメ?なら実写映画が散々やってるので独自性次第
最遊記RELOAD -ZEROIN-
今期でBL見たいならまずはこれか
錆色のアーマ-黎明-
衝撃的なショボさ
元は舞台らしいけどアニメ化する必要があったのかと思うほど疑問な仕上がり
錆喰いビスコ
面白そうな雰囲気はあるものの1話だと何もわからない、1話の内容圧縮して前半に縮められたのでは
2話見た、うっっすらこの先が見えてきた、少し期待できる、全体的なクオリティは高め
3話まででプロローグ、安定してて良さげだけどもっとテンポ早くして欲しい
失格紋の最強賢者
オレツエー
何も考えずダラダラと見れるけど所々重い
その着せ替え人形は恋をする
序盤で主人公が1から説明してくれて何を目指すかハッキリしてるので作品の主軸があり見やすい
質もそんなに悪くないので気になる作品
2話敵が馬鹿で結果的にオレツエー作品の亜種レベルになってしまった
主役2人はしっかりしてるけどこの先不安
昔死んだ同級生が脳に未来予知電波を流してきてそれを聞くと超人パワーで解決
3話誰を助けるかトロッコ問題を都度仕掛けられるらしいがそれだけで話持つのだろうか
ゲームありき
薔薇王の葬列
少女漫画みたいな話の進み方
戦って下克上うんぬんとか言いつつ戦いの場面がそんなに出てこない
新規にはこれといった見所がまだ見当たらない
ゲームありき
フットサルの動きが作画カロリー高いのかあまり書かれない、これでお察し
アニメ質高いしデブリ回収だけのSFなのに1話見て次も見たいと思える
相変わらず充分すぎるほどのクオリティ
リアデイルの大地にて
全体的にチープ
ただそのチープさのおかげで細かいとこにいちいち突っ込まず緩く見れる、面白いわけではない
体操サムライあんま話題にならなかったが結構良くて同じ枠、同じ雰囲気
絵や声優はかなり力入ってるので展開次第