はてなキーワード: ハウスキーパーとは
結婚した女が義両親と一緒に住むのは上下関係ができて家事雑事の丸投げが起き奴隷のような状況が起きるから”ナシ”であって
その苦しい歴史を踏まえて核家族に移行したという経緯があるのだと言う。
出産育児に対して夫婦だけでは大変すぎる、女の方が産休育休で失うものが多く、職場復帰も難しいと言う。
「それならば海外のようにハウスキーパーやベビーシッターが要ると言うことか?」と聞いたら
欧米ではそういう路線でやっていると言う。ただし、裕福な夫婦や女性しかやりづらいのだと。
「であれば出産育児の負担を現実的に解決するためにハウスキーパーやベビーシッターは貧富の格差を利用した階級下の人間を使うという社会的には歪みのある問題のある構造ということか?」と聞いたら
「では人間に必要なのは育児家事をしてくれるロボットということか?」と聞いたら
私は、十年くらい前までとあるビルメンテナンス会社の清掃部門で働いていて、そのある全国展開するビジネスホテルチェーンがそのビルメンテナンス会社のある地域で運営する3店舗くらいのビジネスホテルと業務委託契約を元請けを通じて請け負っていて、その担当をしていた。
主に客室清掃と日常清掃、定期清掃の3つになる。
当然のことながら、ホテルの清掃と言えば客室清掃がメインで、請負金額が余りに安すぎて、客室清掃係のハウスキーパーさんには実質的に最低賃金を下回る賃金しか払えず、部屋数の歩合制という悪しき偽装請負形式でやらざるを得なかった。
やらざるを得ない、とは、当然会社の都合でしかないわけで、犯罪行為であるが、実際のところ、それでも赤字だった。
赤字にしていても、元請けから他の仕事で補填するという考え方で会社の方は請け負っていた。
元請けにしても利益は微々たるもので全く儲かっていない。十店舗くらい請け負ってやっと一人分の給料が出るという程度らしかった。
それくらいそのビジネスホテルのオーナー会社はドケチなのである。
どうしてそんなドケチな仕事を引き受けるのか? それについては少しカラクリがあるのだが、その話はややこしいのでしない。
だから担当者の私は、そんな安い給料で働いてくれるパート(パートとは言えないが)を確保するのにめちゃくちゃ大変だった。
そのホテルで働くのが好きな人や、働く仲間が好きな人、時間の都合が合う人、そして他でもあまり雇ってくれそうにない人などが中心になる。
当然どの業界でもそうだが、私自身もしょっちゅう人手不足を補わざるを得なくなる。
ただ、そのホテルは支配人を業務委託契約で雇っていて、その支配人の方がもっと酷くて、住み込みで24時間365日(うるう年なら366日)×数年間、基本的にはほぼホテルにい続けなければならない(完全にい続けなければならないわけではないが実質的にはそうだった)。
数十室から百室を超える場合もあるのだけど、基本、それを夫婦二人で見なければならず、それでは当然賄えないので、自分たちの報酬からアルバイト雇用経費を支払わなければならなくなる。
でも、金銭的にはどうしてもそこを抑えないと、自分たちの取り分が余りに雀の涙になってしまうので、支配人が受け持つ仕事はかなり多くなる。
稼働率によるインセンティブがあったかどうかまでは知らない。でもそんなの入れても、吃驚するくらい安いのは確か。賃金計算したら最賃を遥かに下回るだろう。
ここまで話すと、ひえーひでぇブラックだな、と思われるだろうが、しかし待遇を除けば、実はそうでもない部分がある。
このホテルチェーン、地域や場所にも依るとは思うけど、その支配人にピタッと嵌ると、楽勝らしい。
担当者をやっていた数年間で四人ほどの支配人と会ったが、うち二人はいつも上機嫌で、そのうち一人はほんとに「全然楽勝っす」と言っていた。
要は要領がいいのだろうけど、担当者の私がいつそのホテルに行ってもその支配人、昼間は寝ていたし、起きて出てくる時はステテコ姿が多かった。
さてそんなホテルだけど、どこのホテルチェーンかは私は絶対に言わないが、温泉付きになっているところがある。
温泉と言っても、温泉水をどっかから買ってそれを循環させている形式になっている。
レジオネラ菌が保健所の検査で検出されてしまうと業務停止を喰らう。
だからどこの温浴施設でもいろいろな方法で殺菌処理をしている。
で、私が担当したあるホテルの温泉、ここでは薬中ポンプと言って、温泉水にここから塩素成分を付加してレジオネラ菌を発生させない仕組みになっていた。
ところが。
私は、当時まだ新人で、そんなのあるなんて全く誰にも教わっていなかった。これ自体が酷いのだけど、ある日、そのホテルの支配人から激怒して会社に電話が掛かってきた。
「保健所にレジオネラ菌が検出されたと言われたぞ!どうなってるんだ?」
である。
薬中ポンプだけでは防げない場合がある。循環経路の何処かで異常発生しているかも知れないからだ。だから普通、一定規模以上の温浴施設では必ず毎週一回は、高濃度次亜塩素酸ナトリウム溶液を投入して、温泉水を循環させ殺菌消毒後、湯抜きをする。
そこはそんな規模ではなかったので、条例適用外だったが、薬中ポンプは必須だった。
この薬中ポンプが数年間に渡り、全く動作していなかったのである。俺はそんなの知らんし。
一体何故そんな事になったのか。
支配人も知らない。
薬中ポンプがあるのを知っていたのは、私の会社のもう一つの別の部門であった設備系である。でも、設備には責任はない。定期メンテナンスをしているだけだったから。
で、その私の会社の社長、大慌てで次亜塩素酸ナトリウム溶液のポリタンクを担いでそのホテルに馳せ参じ、会社社長の跡取り息子と二人、循環に依る殺菌消毒に取り掛かったのである。
理屈は知っていてもやり方なんか知らんド素人の社長、必要量の何十倍か知らんけど、大量投入したもんだから、お風呂はシャボン玉発生機と化した。だって、ジェットも回してるんだから。
「おい!水入れろ!水だ水!泡を消せ!」との社長の怒号が飛ぶ。
息子は大慌てで、ホースを繋いでお風呂に水投入……したらしい。息子から聞いたんだよ、この傑作話。
ともかく一旦はそれで落ち着いた。
原因究明すると、過去に誰かが、薬中ポンプの管理が面倒で、お風呂を洗っているアルバイトにやらせようとしたら、うまく機器が扱えなかったらしい。
そこで、その薬中ポンプに投入する専用薬剤を、温泉タンクに定期的に一定量投入するという独自の方法になっていたのだった。
誰やねん、そんなアホなことしたのは。それは分からずじまい。
ともあれ、これでは循環経路の温泉水に対しては何の役にも立たない。
で、まだ後日談がある。
その会社のバカ社長、じゃー取り敢えず、一週間に一回はしなくていいけど、一ヶ月に一回だけ循環消毒しましょかと、激安の仕事にしやがった。確か一回2万円。
それはまだいい。だけど、ド素人なものだから、適正な塩素濃度を知らない。
何処で調べたのか知らないが、今度は激薄を指示して私に教えた。おそらく自分がやった泡発生事件が怖かったのだろう。
で、激薄すぎて、その一年後、またレジオネラ菌を出したのである。で、その仕事はなくなった。
言い訳してたなー、そのバカ社長、「レジオネラ菌は外から持ってくる温泉水に入ってるんだよなぁ、防げない時は防げないよなぁ」なんだって。
で何が言いたいかと言うと、温浴施設では当たり前のレジオネラ菌という重大な問題すらも、支配人が知らないという杜撰なことをやっているというのがそのホテルチェーンの実態だ、ということ。
こっちはその管理責任の契約すらないんだよ。上の時もたまたま慌てて対応に乗り出しただけ。
あそこは見た目は綺麗かもしれないけど実態はそういうホテルなんだよ。少なくとも私の知っている十年くらい前まではね。何処とは言わんけど。
妻が稼げない仕事ばかりして家事もろくにできない(anond:20191229162032)
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20191229162032
率直に申し上げましてブクマカは頭がおかしいのでは?と思いました。
パートナーなのに悩み事を打ち明けられなかったのが寂しい/悩みに気づけなかったのが悔しいならともかく、仕事に関する相談は妻からありました。
なぜ妻に「辞めていいよ」と言わなかったんだ?以外に思うところがありません。
被害者ぶる要素が皆無です。
これは旦那が苛烈なパワハラを受けていても体調に不安を抱えていても職業人生に違和感を感じていても、
「貴方の方が大事だから明日にでも会社を辞めてきて」なんて口が裂けても言わない嫁ですね。
また、労働収入で生活をしているのにも関わらず、なぜ2馬力前提で生活設計ができるのでしょうか?
サイボーグかなんかでしょうか?無責任/無計画にも程があるのでは?
そもそも一緒に暮らす相手の職業や経済レベルを気にするのは、どちらかが倒れた時にいまの生活レベルを維持出来るかを考えての話ではないのでしょうか?
節約しても自分ひとりの時の1.5倍の生活費が掛かると試算した時に、
現状額面24万の人が数年で51万稼げるようキャリア構築するのが厳しいから同じ経済レベルの人なのでは?
好きで好きで仕方ないので全然違う経済レベルの人と一緒に暮らすことを決めたのであれば、
当然収入が低い方に合わせて生活をサイズダウンするべきではないでしょうか?
可及的速やかに不労所得を用意するよりは現実的で取りやすい手段です。
『今の生活の快適さ>相手と暮らす幸せ』 なら一緒に暮らさず恋人同士として近くに住んでいるべきです。
ハウスキーパーでも雇いましょう。1人で暮らしていた時は働いて家事もしてましたよね?
是非またそうしてください。
あなたが手にしたのは無償・格安のハウスキーパーではなく妻/夫のはずです
あと、相手の経済レベルを問わず、コスパは考えず、全自動ドラムと食器洗い機は必要経費だと思って買いましょう。
それに納得ができないのであれば、近くに住んで一緒に暮らすべきではないでしょう
こういう男女が子作りとかマイホームローンとか悪夢だから辞めてね
ブクマカたちは『愛ある家庭を築きたい・ただ好きな人と一緒に暮らしたい』には適性がないと思われる
まずは結婚の方針を決めろ(anond:20191230111251)
A:株式会社増田家を経営したい
B:株式会社増田家の社員として就労したい
C:社会的に妻/夫がいないと困るので結婚する
D:愛ある家庭を築きたい。ただ好きな人と一緒に暮らしたい ←これに向いてない
タイトルどおり
家の仕事は高級自動家電なんならハウスキーパーも入れても減らせ
家の仕事は減らしても子どものイベントと家のイベントは減らすなマストで参加だ
金ないのに子どもを作るな
チンコマンコ脳なのに子どもを作って良いのは富豪だけだぞ知ってたか?
女は老舗の旅館のご息女で両親は金が余ってる。在宅でライターをやっている。
男と女はデキ婚したが、実は男Aの子ではなかったことが、男Aが無断でこっそりやったDNA鑑定の結果でわかる。
無断でこっそりDNA鑑定する時点で別れたらいいのに、なぜか、実子でないことがわかっても、別れもせず、女に打ち明けもしない男。(女は男の子どもだと思ったまま)
それどころか、うだつが上がらないくせに、家を買うわ、やたら2人目をもうけようとする男A。なお家事も在宅ライターの女Bに任させきりで分担しない。
加えて金余っている嫁の実家からのプレゼントは「何かにつけて見下している」と不貞腐れた態度で嫁の両親と居合わせようともしない。(ひな祭りなど家族イベントであっても)
ある日、男Aの不倫がバレて離婚となるが、先行きが怪しかった会社が案の定潰れ、無職となり、養育費が払えなくなる。
養育費が払えなくなったことを盾に 女は子どもとの面会を拒否する。
褒められた父親ではなかったが、実子では無くとも、子どものことは愛していたので、ショックを受ける、男。
そもそも、きちっと養育費を払っている時点でも、子どもが嫌がっていると男は面会を拒否されている。パパ大好きっ子の急な変化に絶望感を感じる男。
もちろん、急にパパ大好きっ子が嫌がるようなそぶりを急に見せるようになったのは、
女が男(パパ)関連の話になると不機嫌になるので、幼いながらに忖度(ママにまで去られたくない)した結果である。
【ここまでの話を聞いたネット民の反応】
男様「嫁がクソ女」
女様「男が全面的に悪い」
家の仕事は両親子ども全員で平等にやりましょう。マストです。
しかし金を生む作業では無いので可能な限り減らして負担を無くしましょう。
全て自力で家事をするくらいなら、その時間で何か稼いだり勉強する方がいいと思います(家事が好きで苦にならないどころか娯楽になる人は除く)
家族/子どものイベントはマストで参加しましょう。
家事よりも仕事の方がプライオリティーは高いですが、
仕事よりも家族で過ごす時間の方がプライオリティーは高いです。
子どもにとって両親と家は1つだけです。
家族/子どもと過ごすを最優先出来ない人はそもそも家庭を持つのをやめましょう。
うだつが上がらないのに家買うとか子どもに迷惑を掛ける所業はやめましょう。夢は子どもが独立して老後の見通しが立ってからにしましょう。嫁も止めましょう。
つか、そもそも金もないのに2人目とか狂気の所業はやめましょう。
まず、稼ぎましょう。心配なら精子/卵子の冷凍保存でもしときましょう。
家庭を持つことが許されるチンコマンコ脳は富豪だけです。
チンコマンコ脳の自覚があり下の制御が出来ない平民は家庭を持つのをやめましょう。
子育ては莫大な経済的/時間的コストが掛かりますので平民が1ー2人育てられたら上々です。
何より家庭を持ち子を成したからには、自分のパートナー選びの結果に責任を持ちましょう。
チンコマンコが嫁旦那に反応しなくなった寧ろムカつくじゃねぇんですわ。
子どもにとって父親母親はそれぞれ世界に1人だけ。
お互いのフォローこそはしても子の前で乏しあうのは絶対に辞めましょう。
ましてや子どもに危害を加えるわけでもないのに面会拒否なんて論外です。
つーかたとえ養育費払わなくたって子どもが望む限りは会わせるべきです。子どもの権利だから。
無理矢理結婚させられたならばともかく、自分が選んだパートナーとその結果には責任を持ちましょう。
「ごめんくださーい」
俺たちは見舞でツクヒの自宅を訪ねた。
第一発見者なら、ツクヒを轢いた車を見ている可能性も高いだろう。
「来てくれて、ありがとうねえ」
「おカマいな~く、おナベな~く」
それにしても、意外といいとこ住んでんだなあツクヒのやつ。
部屋の中も小奇麗というか、品がある。
マメに掃除しているのか、それともハウスキーパーってやつがいるんだろうか。
他人の家を訪ねたときの独特な臭いもしなくて、するのは消臭剤の匂いだけだ。
出てくる茶菓子も気取っているというか、突然やってきた俺たちにポンと出せるレベルじゃない。
仲間のシロクロが、目的も忘れて菓子を食べるのに夢中になっている。
だけど親御さんたちは、そんな不躾な態度を気にせず接してきた。
「あの子を呼んでくるから、もう少し待っててね。怪我はもう大丈夫なんだけど、恥ずかしがってるみたいで」
「いやあ、学校で上手くやれているか心配だったけど、見舞いに来てくれる友達がいてホッとしたよ。あの子、学校のことは全く話してくれないからね」
あいつの親とは思えないほど物腰が柔らかくて、子供思いのマトモな人たちだ。
その意外性も気になるところだけど、今はそんな場合じゃない。
ツクヒがくると面倒そうだから、そろそろ本題に入ろう。
「そういえば、まだ見つかってないんですよね。ツクヒを轢いた車と、運転手」
単刀直入に質問するんじゃなく、話題に紛れ込ませるようにしていく。
「そう、なんだよね……」
被害者の親にとってはセンチメンタルな話だから、あまりズケズケと聞くものじゃない。
ガキの俺たちにだって、それくらいのことは分かる。
それで心象を悪くしてしまうと、聞き出しにくくなるしな。
「うん……今も何食わぬ顔で、どこかで車を走らせているかと思うと気が気でないよ」
「そう、ね……警察には早く見つけ出して欲しい、ね」
言葉を選んでいるのか、それとも出てこないのか、ところどころ詰まらせたテンポで喋っている。
それほどにツラい出来事だったのだろう。
「あの子が遅刻する~って言いながら忙しなく出て行ったから、車で送ってあげようと後から追いかけたら……」
そうしてやり取りを数分続けていくと、いよいよ聞きたかった部分を話し始める。
俺は前のめりになって尋ねた。
「轢いた車を見たんですか!?」
しかし、返ってきた答えは他の人と同じだった。
ここまで色々動き回って、何の成果も得られないのは初めてだ。
この人たちすら知らないんだったら、もうツクヒに期待するしかない。
ただ、あいつがここで喋ってくれるような気はしないから学校で聞こう。
それでも喋ってくれるとは思えないが。
俺たちは肩を落としつつ、この場はひとまず適当な理由をつけて退散しようとした。
「私、思うんだけど、運転手が見つかったところで大して意味ないわよね。ツクヒの不注意が原因なんだし」
「え?……」
得られた情報が肩透かしだったものだから、気が緩んでしまっていたらしい。
元々、思ったことが口に出やすいタイプだが、この期に及んでそれ言っちまうのかよ。
「おい、タオナケ!」
タオナケも失言にはすぐに気づいたが、取り繕うのが面倒くさくなって開き直った。
「危険を顧みず車道に突っ込んで、それで案の定ぶつかっただけ。それで“こっちが傷ついたので、悪いのはそっちだ”なんて当たり屋のゴロツキでしょ」
「よすんだ、タオナケ!」
「挙句、信号機がないのがダメなんだってことになったんだけど、あんな場所で轢かれるなんて普通ありえないし。あったところでって話よ」
俺たちは慌ててタオナケを止めようとする。
確かに俺たちも内心思っていたことだけど、ツクヒの両親がいる前でそれを言ってしまうのはマズいだろ。
(続き)
これ、『サマーウォーズ』--これは脚本自体は奥寺さんですけどね--の頃からの一貫して細田さんの弱点だと思うんだけど、いわゆるカギカッコつきの“リベラル”的な女性観・家族観の理解がひっじょーに浅薄で浅いんですよ。女性が家長、新しい!女性は子育てをしていて偉い!男はイクメン気取りだけど全然わかってない!主夫の育児なんてドタバタでダメダメ!→ね?俺わかってるっしょ?みたいな意識/無意識ですね。
まず、イマドキ4歳児に「男の子でしょ!」って言って説得するのは“絶対になし”とまでは言えないまでもちょっと古くさい感覚だと思うし、そんなあさーい理解だからサイコ父ちゃんが無慈悲な既読スルーをする一方で、クソガキ様の自転車の練習のとき--この父子モチーフもイマドキ手垢つきまくってませんかねえ--急に古くさい父親のイメージとなるんですよ。要するに無理してかっこつけて大衆に目配せしているおかげで世界観やキャラクターの知能レベルがガタガタなんです。
さらに痛いのがね、ミライちゃんが初めて現われたその動機、ネタバレになるから一応伏せますけどね。何か裏事情があるのかなーと思って見てたらそのまんまで、は?なんじゃそりゃ!っていう。何故そこだけ急に価値観が昭和中期以前になるのかな・・・?キミ、設定上は一応令和時代を育ったんでしょ・・・?ってかそれ、おもしろい、のですか・・・??
ところが、このミライちゃんについては、はあ、それで・・・?未来のミライちゃんにとっての“今”ならまだしも新生児のときのソレってそんな気にするもんなの?というか、我々はリアリティラインをどこに設定すればよいのかな・・・?となっちゃっていて、行動原理が全くロジカルじゃない!ギャグとしても全くおもしろくないし。そもそもね、あれだけドタバタしてたらいい加減お父さん気付くでしょ?何か不思議な力が働いているのかな?ってか結局“現実”ではどう処理されたの?ってのが全く意味不明、というね。
良かった点も一応言っておきましょう!特にクソガキちゃんのクネクネクネクネした動きね!ここに関してはいわゆるアニメーションに疎い私でも「あっこれは気合い入れてるな、金かけてんなー、他の諸作品とは次元が違うなー」と思わせるものがありました!
でもね、それに関しても、「動きリアルっしょ?」「幼児の動きわかってるっしょ?」という自意識が先に見えてしまって素直に楽しめない自分がおりました。ここもなー、動きを見せようというのが先にあって全くロジカルじゃないんだよな。
擁護派の中には、「アニメーションリテラシーがちょっと高くないと」「『話がどうこう』って言い出すとやっぱり『つまんない』って感想が出てきやすい」っておっしゃってる方もいるみたいですけどねー。専門学校生が卒業制作で作る映画の話をしているならまだしも、あれだけ大メジャー作家のアニメーション映画でそれ言い出しちゃったらダメですよ。動きを追求するにしても「話がどうこう」の最低限のレベルはクリアしてくださいよ。そこは逃げないでくださいよ。比較するのはちょっと残酷すぎるかもしれませんが、宮崎監督作品や高畑監督作品の批評でアニメーションリテラシーの高低の話出てきますか?そりゃリテラシーが高い方の方がより作品世界を楽しめる。そういうことは往々にしてございます。両巨匠の作品もそういった性質のものですし、ポスト世代では、庵野監督作品、片渕須直監督作品だってそのように評価できると僕は思います。
しかしね、それにしても、あれだけの資本がついていて、ちゃんと作品に力があればリテラシーの高低にかかわらず、大衆みながそれぞれの立場で楽しめるものになるはずなんですよ、本来は。
極端なこと言えばリアルなアニメーションが欲しいだけならモーションキャプチャーでウニウニ動かせばいいだけの話で。僕は、それ以前の、物語としての最低限の誠意やマナーの話をしているんです。
その象徴として最たるものがあの“意識高い系”住宅。あれ、わざわざ建築家の方にオリジナル建築の設計を発注したとのことですが、あのねえ・・・これ、建築家の方は発注に答えたまでで全く悪くないと思いますが、新生児と4歳児をかかえたサイコ父ちゃんが仕事をしながらワンオペ育児をする家があの作りって・・・。あのう・・・控えめに言って狂ってるんでしょうか?これも「ためにする」デザインにしか思えないというか、あの家の作りでこの家族--暴れ回る幼児たちやこれから年を取るご夫婦--が一人も頭をかちわらずに天寿を全うできたらそれこそ奇跡なんじゃねえかという(笑)。やっぱりねーそこらへんの視点への気配りも含め、とことん不誠実なんですよ。
あとねー、クソガキちゃんについてもですね、「アナルプラグ(笑)」って書いてきたリスナーもいましたけれども(笑)、未来のミライちゃんに対して顔を赤らめて言うセリフとか、“王子様”に対する態度とか、サイコ母ちゃんのアルバム(唐突に出てくる、結婚式のスライドのようなリアリティのないアルバム。あれだけ小綺麗な写真見せといてなーにが“黒歴史ww”じゃい!)への反応とか、カギカッコつきの“東京駅”での振る舞いとか、ラストシーンのミライちゃんの説明ゼリフとか、もうとにかくその場その場で場当たりでてっきとーにキャラクターを動かしているから、まとめて一本の映画として見させられると賢さの設定がぶれぶれなんです。
特にアナルプラグのクダリなんて完全に大人側の欲望の目線やんけ、これのどこがリアルな4歳児なんすか!というですね。
ぶれぶれといえば、こちらも指摘しておかなければなりません。
物語の根幹かつクライマックスにもかかわる、世界観の設定ですね。
ミライちゃんがこれまた脈絡のない説明ゼリフでとあるタブーを説明するんですが、その数十分後にはたやすくタブーが破られる。そして特にペナルティーもない。じゃああの説明ゼリフはなんだったの?観客ポカーンみたいな。
そもそも未来のミライちゃんが全て知ってるように振る舞っているのは何故?とかね。言い出したら切りがありません!
BTTFシリーズのようにパキッと全ての伏線を回収しろとまでは言いませんよ!けどね、作品独自のタブーを出したらペナルティもあわせて説明してくれないと意味ないでしょ!ってかそれって創作における最低限の誠意、マナーなんじゃないんですか?
どういうことか。要するに、タブーが実際に破られる?大丈夫か?大丈夫か?あーとうとう破られてしまったー!そのあと一体どうなるー?、という状況があって初めて我々観客は一緒にハラハラできるわけですよ。たとえるならアレですよ。映画『グレムリン』ありますよね。1984年。ジョー・ダンテ監督の出世作。その中で、例の3つのルール、ありますね。
この作品でたとえるなら、映画内で3つのタブーを説明したにもかかわらず、結局ペナルティはよくわからない。映画の後半でギズモが太陽が燦々と照る真っ昼間にグラサンかけてジャブジャブ海水浴をしている。そんで最後の最後にそれまでの展開と無関係な第4の設定が唐突にギズモの口から語られる。なんじゃそりゃ、みたいな(笑)。もう一体何がしたいの?というレベルですよ。
世界観の設定自体もね、これ、実は初見のとき、クソガキちゃんのインナートリップやらセルフセラピーやらの話かとも思ったんですが、どうもそうじゃない。福山ひいじいちゃんや東京駅のクダリを踏まえると、クソガキちゃんが明らかに経験しえないこと・知りえないことを経験していて、なんでインナートリップのルールからも明らかにはみ出している。
あのねえ、4歳児を主人公にすること、オムニバス形式であること、現実と夢、空想があいまいなことって世界観がグチャグチャであることの免罪符には決してなりませんからね。童話や寓話、不条理ってそういうことじゃあないんですよ。ことほどさように、幼児を、というか人間のあり方そのものなめている所作としか思えません!
細田さん、クレヨンしんちゃん、映画版だけでもいいからもう一度じっくり全部見てくださいよ。全てが100%の傑作というつもりはもちろんありません!ありませんけど、幼児が主人公であること、ギャグマンガであることを世界観の言い訳にしているのはほとんどありませんよ。その上で、幼児の幼児性、第一子と第二子の関係性、ペットとの関係性、親子が親子であること、夫婦が夫婦であること、家族が家族であること、などなど、比べるのもホントおこがましくてしんちゃん側に大変失礼な話ですが、大人も子供も笑えるギャグも交えつつ逃げずに遙かに高度のレベルで達成してますよ。
クレしんとの対比でいえばクライマックスのアレね。あー出た出た細田演出、はいはい。なんて意地悪な僕は呟いてしまったわけですけれども、これもちょっとしたネタバレになっちゃいますが、クレしんの某・大名作映画。監督・脚本は原恵一。ナンチャラ帝国(笑)オトナナンチャラ(笑)の、“あの例のシーン”。これ、見た方はおわかりかと思います。と同じようなシーンをクドクドクドクド・・・。犬まで登場させてクドクドクドクド・・・。そもそも犬ってああやって母犬と別れるのか・・・?違うんじゃねえの(笑)?ってかそれもセリフで説明すんのかーい!見てりゃそれくらい黙っててもわかるわ!それ以前の問題としてに父犬はどこに?ということも含めて、とにかくひっじょーにテンポが悪い!!
あと一つ、これだけは言わせてください。
僕、前から言ってますよね。我々の用語でいうところの、いわゆる一つの“ベロベロバー”問題でございます。
クソガキたちがおどけた何か面白“げ”なことをやれば面白くなると思ってますよね。テレビではそれでいいかもしれないけど映画はそれじゃあ笑えないんですよ。
なおかつ、それ以外のギャグもアナルプラグでしょ!?単に下ネタがダメってんじゃないですが、時と場所と見せ方を選んでください。ただただ不快です。R指定なくていいのか?これ、子供に見せてもいいの?という。
さらに、その滑ったギャグを、全然成長しないクソガキのワガママやサイコ両親の立ち振る舞いで上書きして不快感を増させていくという(笑)。もはや“げ”ですらないじゃないか(笑)!
うるせー!こちらがお前らを「好きくない」んじゃー!とホント上映中心の中で何度叫んだことか。
そんで全然成長しないサイコ両親が終盤あまーい自己満足のセリフを言い合いますよね。はあ・・・。それはまあいいんですが、まずご自分たちのサイコ性に手を当てて顧みていただいて、素晴らしいご両親のご美意識にはお反しあらせられるかもしれませんがご自宅に子供用の転落防止柵をつけるなり、恵まれた収入でハウスキーパー雇うなりしないと死人が出ますよ、なーんてひねくれた僕なんかは思っちゃいますけどね!ええ、ええ、どうもすいませんねえ!ひねくれ者なもので!
これもねえ、今回は残念ながらあざとい部分だけ、“やだみ”ばかり印象に残ってしまいました!
はいカメラパンしました。時間が経過しましたよ。これ省略だよ。映画的でしょ?というのもさー、それはそれでいいと思うし、正直さすがうまい演出だなあと感じたカットも中にはありました!冒頭の息でガラスを曇らすシーンとか、雪のシーンとかですね。でも、これは演出じゃなくて脚本の方の問題かもしれないけど、とにかく登場人物がクドクドと設定を喋る喋る。別に未来の人だからってイコール全知の人じゃないですからねえ?
これもそれなりの理由があれば設定を喋ること自体は全然いいんですよ。
さっきたとえにあげたBTTFシリーズのドクとか、顕著な例ですよね。要は、彼は物語の構造上、観客が知らないことを「知っている」から、タイムマシーンの設定を「知らない」マーティン(=我々)に対して多少くどく説明しても全く嫌みにならないじゃないですか。ちゃんと時間が変わって彼が設定上「知らない」世界のことは観客が知っていても一切説明してないでしょ。
このあたりもなー。知識レベルの設定が全然統一されてない。観客は最初から最後まで悪い意味で置いてけぼり。
たとえばこれ僕からの一つの稚拙な提案ですけどね。ひな人形を巡るくっだらねードタバタをどうしてもやりたいんなら、おじいさんのエピソードも、一見するとくだらない代々の言い伝えである迷信的なナニカを律儀に守りました→そうしたらおばあさんとめでたく結婚できました→ミライまでの血脈が繋がりました→だからミライもそれをなぞったのです、ってすればですね、まあ設定のレベルとしてはひとまず統一できるじゃないですか。そのあたりも含めてとにかく“雑”の一言に尽きるんですよ。
あと、これ、感想メールで指摘していたリスナーもいましたけど、父ちゃん側の血筋はガン無視?問題ですね。誰しもそうですが、父と母が「両方いて」初めて今の我々に繋がるんじゃねえの?おいしいところ、ドラマチックなところのつまみ食い的な、「ファミリーヒストリー」をそのままやりたいならわかりますよ?でもこの映画のテーマって、平凡な一家族の、非・ファミリーヒストリー的な部分にあるんじゃないんですか?
「ファミリーヒストリー」的にいってもですね、もうこれ作品の根幹の価値観の話なんですが、サイコな両親とは距離を置き、血縁を自分からは繋がず、一人で自己完結してアナルプラグで遊んで暮らす一生は果たして「不幸」なのか?「何かしらの罰を受けなければいけないこと」なのか?という問いにはこの映画、実は全然答えられていませんよね。そのように考える人は、排除され、存在しえない世界となってしまっている。ここ、最初にも述べた“この光景は果たしてユートピアなのかそれともディストピアなのか(笑)!”という問いにも繋がるところですが、このあたりも、昨今生産性だなんだとニュースになったりしていますが、イマドキの価値観でいえば、全体としてはどんどん多様な個人の価値観を尊重する方向に向かっていっていますよね。少なくとも、僕個人はかくあるべきだと考えています。「家族派は家族派」、その立場はもちろんそれで否定しないけれども、一方で「アナル派はアナル派」だし(笑)、「乳首派はもちろん乳首派」(スタッフ爆笑)、本当はね、みんな違ってみんないいと思うんですよ。
このあたりも細田さんの“臆面のない傲慢さ”の意識/無意識、いわゆる“やだみ”がどうしても透けて見えてしまっているというか。というよりも、悪いこと言わないからもう細田さんはこれ以上家族のテーマは触らないか、触るとしても設定から脚本から何から全部外注して演出だけに専念する方が良いと思いますけどねえ。僕は。
というか、そもそも幸せって他人と比べてしまった時点で大概幸せにはなれないですからね。“あの”東京駅の“あの”新幹線の設定を踏まえるとどうもここはそういう世界ではないようですが。僕はこの世界は断固拒否したいです。絶対に嫌です。別にひとりぼっちでも本人が幸せならそのままで全然いいじゃねえか、というね。僕なんかはそう思ってしまいますけれども。
あー時間がない!声優のお話とかもしたかったんですけどね。福山雅治さんの意外なはまりっぷりとかね。
結論としては、申し訳ないですが、僕個人は「好きくない」類の映画と言わざるを得ませんが、山下達郎さんの主題歌を劇場の音響で聴きたい方、幼児がアナルプラグを刺して絶頂する場面を超絶作画で見たいという方に対しては・・・・・・オススメです!
(終)