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2020-05-29

あるビジネスホテルの話

私は、十年くらい前までとあるビルメンナン会社の清掃部門で働いていて、そのある全国展開するビジネスホテルチェーンがそのビルメンナン会社のある地域運営する3店舗くらいのビジネスホテル業務委託契約元請けを通じて請け負っていて、その担当をしていた。

主に客室清掃と日常清掃、定期清掃の3つになる。

当然のことながら、ホテルの清掃と言えば客室清掃がメインで、請負金額が余りに安すぎて、客室清掃係のハウスキーパーさんには実質的最低賃金を下回る賃金しか払えず、部屋数の歩合制という悪しき偽装請負形式でやらざるを得なかった。

やらざるを得ない、とは、当然会社の都合でしかないわけで、犯罪行為であるが、実際のところ、それでも赤字だった。

赤字にしていても、元請けから他の仕事補填するという考え方で会社の方は請け負っていた。

元請けにしても利益は微々たるもので全く儲かっていない。十店舗くらい請け負ってやっと一人分の給料が出るという程度らしかった。

それくらいそのビジネスホテルオーナー会社はドケチなのである

どうしてそんなドケチ仕事を引き受けるのか? それについては少しカラクリがあるのだが、その話はややこしいのでしない。

から担当者の私は、そんな安い給料で働いてくれるパートパートとは言えないが)を確保するのにめちゃくちゃ大変だった。

そのホテルで働くのが好きな人や、働く仲間が好きな人時間の都合が合う人、そして他でもあまり雇ってくれそうにない人などが中心になる。

当然どの業界でもそうだが、私自身もしょっちゅう人手不足を補わざるを得なくなる。

ただ、そのホテル支配人業務委託契約で雇っていて、その支配人の方がもっと酷くて、住み込みで24時間365日(うるう年なら366日)×数年間、基本的にはほぼホテルにい続けなければならない(完全にい続けなければならないわけではないが実質的にはそうだった)。

数十室から百室を超える場合もあるのだけど、基本、それを夫婦二人で見なければならず、それでは当然賄えないので、自分たち報酬からアルバイト雇用経費を支払わなければならなくなる。

でも、金銭的にはどうしてもそこを抑えないと、自分たちの取り分が余りに雀の涙になってしまうので、支配人が受け持つ仕事はかなり多くなる。

稼働率によるインセンティブがあったかどうかまでは知らない。でもそんなの入れても、吃驚するくらい安いのは確か。賃金計算したら最賃を遥かに下回るだろう。

ここまで話すと、ひえーひでぇブラックだな、と思われるだろうが、しか待遇を除けば、実はそうでもない部分がある。

このホテルチェーン、地域場所にも依るとは思うけど、その支配人ピタッと嵌ると、楽勝らしい。

担当者をやっていた数年間で四人ほどの支配人と会ったが、うち二人はいつも上機嫌で、そのうち一人はほんとに「全然楽勝っす」と言っていた。

要は要領がいいのだろうけど、担当者の私がいつそのホテルに行ってもその支配人、昼間は寝ていたし、起きて出てくる時はステテコ姿が多かった。

 

さてそんなホテルだけど、どこのホテルチェーンかは私は絶対に言わないが、温泉付きになっているところがある。

温泉と言っても、温泉水をどっかから買ってそれを循環させている形式になっている。

この温泉水がやばい

温浴施設で最も恐れらているのはレジオネラ菌である

レジオネラ菌保健所検査で検出されてしまうと業務停止を喰らう。

感染者でも出したら報道されて一大事になる。

からどこの温浴施設でもいろいろな方法で殺菌処理をしている。

で、私が担当したあるホテル温泉、ここでは薬中ポンプと言って、温泉水にここから塩素成分を付加してレジオネラ菌を発生させない仕組みになっていた。

ところが。

私は、当時まだ新人で、そんなのあるなんて全く誰にも教わっていなかった。これ自体が酷いのだけど、ある日、そのホテル支配人から激怒して会社電話が掛かってきた。

保健所レジオネラ菌が検出されたと言われたぞ!どうなってるんだ?」

である

薬中ポンプだけでは防げない場合がある。循環経路の何処かで異常発生しているかも知れないからだ。だから普通一定規模以上の温浴施設では必ず毎週一回は、高濃度次亜塩素酸ナトリウム溶液を投入して、温泉水を循環させ殺菌消毒後、湯抜きをする。

そこはそんな規模ではなかったので、条例適用外だったが、薬中ポンプ必須だった。

この薬中ポンプが数年間に渡り、全く動作していなかったのである。俺はそんなの知らんし。

一体何故そんな事になったのか。

支配人も知らない。

薬中ポンプがあるのを知っていたのは、私の会社のもう一つの別の部門であった設備である。でも、設備には責任はない。定期メンテナンスをしているだけだったから。

で、その私の会社社長、大慌てで次亜塩素酸ナトリウム溶液のポリタンクを担いでそのホテルに馳せ参じ、会社社長の跡取り息子と二人、循環に依る殺菌消毒に取り掛かったのである

理屈は知っていてもやり方なんか知らんド素人社長必要量の何十倍か知らんけど、大量投入したもんだから、お風呂シャボン玉発生機と化した。だってジェットも回してるんだから

「おい!水入れろ!水だ水!泡を消せ!」との社長の怒号が飛ぶ。

息子は大慌てで、ホースを繋いでお風呂に水投入……したらしい。息子から聞いたんだよ、この傑作話

ともかく一旦はそれで落ち着いた。

原因究明すると、過去に誰かが、薬中ポンプ管理が面倒で、お風呂を洗っているアルバイトやらせようとしたら、うまく機器が扱えなかったらしい。

そこで、その薬中ポンプに投入する専用薬剤を、温泉タンクに定期的に一定量投入するという独自方法になっていたのだった。

誰やねん、そんなアホなことしたのは。それは分からずじまい。

ともあれ、これでは循環経路の温泉水に対しては何の役にも立たない。

で、まだ後日談がある。

その会社バカ社長、じゃー取り敢えず、一週間に一回はしなくていいけど、一ヶ月に一回だけ循環消毒しましょかと、激安の仕事にしやがった。確か一回2万円。

それはまだいい。だけど、ド素人ものから、適正な塩素濃度を知らない。

何処で調べたのか知らないが、今度は激薄を指示して私に教えた。おそらく自分がやった泡発生事件が怖かったのだろう。

で、激薄すぎて、その一年後、またレジオネラ菌を出したのである。で、その仕事はなくなった。

言い訳してたなー、そのバカ社長、「レジオネラ菌は外から持ってくる温泉水に入ってるんだよなぁ、防げない時は防げないよなぁ」なんだって

じゃぁ聞くけど、他の温浴施設はどうなってんだ? つーの。

 

で何が言いたいかと言うと、温浴施設では当たり前のレジオネラ菌という重大な問題すらも、支配人が知らないという杜撰なことをやっているというのがそのホテルチェーンの実態だ、ということ。

こっちはその管理責任契約すらないんだよ。上の時もたまたま慌てて対応に乗り出しただけ。

 

あそこは見た目は綺麗かもしれないけど実態はそういうホテルなんだよ。少なくとも私の知っている十年くらい前まではね。何処とは言わんけど。

 
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