はてなキーワード: 医師不足とは
今回の東京医大の問題を見ていて、別の視点から意見を書いておきたい。
結論から言えば、「医師免許制度は廃止、または縮小することで、医療問題の多くを解決できる」ということになる。
極論を言っているように聞こえるかもしれないが、当初は私自身も「免許制度廃止」は論外だと考えていた。しかし、この議論に関して調査を進めるほど、廃止論の方が正しいと思うようになった(もちろん、他の職業免許制度全般に当てはまることではあるが、ここでは医師に限定する)。
根拠を列挙しよう。
①免許制度によって医師人口が人為的に抑制されている結果、1人あたりの業務量の増加・ブラック化が進展した。反対に、免許制度がない状況では医療業務従事者の供給が増加・柔軟化し、これが解消される。東京医科大の「女子受験生減点問題」は、これで解消できる。
②医師国家試験が不要となるため、国家試験に関する問題が解消される。東京医科大学の「浪人生減点問題」は、これで解消できる。
③現代では主にAIなどのテクノロジーの進歩によって、医師でなくとも可能な医療業務は増加してきている。「法的に医師のみに認められているが、実際には医師以外にも可能」という業務を、他の労働者に負担させることでも医師不足問題を解消できる。
④医学部卒業者以外にも医療業務への参入を認めることで、雇用を拡大することができる。特に医療業務は海外へ流出することは考えにくいため、非常に効果的である。
⑤医療サービスをもっと安く受けることができるようになる。特別に参入を制限された医師だけではなく、一般の労働者が医療業務に参入するにつれて医療サービスの原価は低下し、価格にも反映されるだろう。
⑥医療サービスが低価格化する結果、社会保障費が抑制され、政府の財政にも少なからずプラスの効果が及ぶだろう。
⑦「本物の医療サービス」が低価格化することで、インターネット上のあやしい医療情報や非科学的なうたい文句で販売される製品による被害も減少させることが可能となるだろう。
⑧医療に関連したサービスや機器の製造の発展に寄与できる。医療に関する知識が少ない人でも、機器の操作を覚えるだけで医療業務を提供できるようにするために、診断機器やインターネットを利用した医療サービスが発展するだろう。
①「免許制度がない状況では医師の質が低下するのではないか?」と反論する人がいる。
しかし、現に業務上のミスが大きな影響を与えるにも関わらず、免許制度のない職業は多数存在し、一般論として彼・彼女の仕事の質が低いとは言えない。例えば、ある種のエンジニアや機械保守作業者、企業経営者などが当てはまるだろう。
こういった職業は政府が決めた基準を超えるためではなく、他の企業や労働者に負けないために日々努力している。「免許制度がない職業に就いている人間の仕事の質は低い」という主張は、大変失礼なだけでなく事実に反している。
②「免許制度には犯罪を防止、または犯罪の捜査に役立つ」という意見も散見される。
しかし、これは免許制度ではなく「登録制」でも可能なことである。つまり、医師として業務を開始するにあたり、役所に届け出を出すだけで達成できる。事実、金融業や飲食業などはこうした制度になっており、十分に犯罪を抑止・摘発している。
もちろん、「試験に合格した人間の方が、そうでない人間よりも倫理的に優れている」などということは決してない。
以上の論点から、現行の医師免許制度は、患者の命よりも医師の収入を優先する結果になっている可能性がある。医師免許制度を完全に廃止するか、より手軽に取れるものにすることを検討することは大いに意味があると考えられる。
私はこの結論に必ずしも自信を持っているわけではないが、これを機に免許制度の是非について議論することは必要ではないだろうか。
という論法を目にしましたけれども、医療崩壊と男女差別は全くの別の問題でしょう。というか、今回の東京医大の件で問題なのは大きく2つ。
その2つを混同してる人が多いなと思いました。だから今回の件の解決策は労働環境の改善と男女差別の是正両方が必要だと思います。
労働環境について。
といったような意見が紹介されていた。というかよく見た。そういった発言者に女医さんが含まれてるのがびっくりなんだけどね。それに対して「現場がそう言ってるから仕方ない」もっとひどいのが「医者なら頭いいはずだから正しい」とでも言いたいようなツイートが目立つ。
医療現場の最前線で働く人達の労働環境が劣悪だということは認めなくちゃいけないしどうにかしなくちゃいけない。自明です。
でもどうにかしなくちゃいけない、労働環境を改善するために取られた策が「女医予備軍を減らせ」というわけだったんでしょうね。
でもそれって結局下の世代を辛い目に合わせて、そういう意見を通した人達は今までのように上手く回っていた男性中心の現場を変えたくないだけなのでは。
将来的に見て、女医さんの数が増え年齢層が厚くなれば子育てで離脱する戦力のカバーはできるんじゃないでしょうか。そういう体制が出来上がるまでには少しきついのかもしれません。アリとキリギリスのような話じゃないですかね。
医療界全体に第一線を離脱する女医は悪で医師不足の原因という認識が蔓延していて、もっと根本的な原因や解決策に目を背けてきたのが今回表沙汰になったのかもしれません。
結局医師が足りないなら増やせば?とは思います。医学部の認可もっと下ろしてたくさん医学部生入れて、質を確保しなければいけないなら国家試験の合格率を厳しくしたりすればいいのに。(そもそも国家試験の合格率が毎年9割に決まってるのもおかしくない?)厚労省だったり医師会だったりもっと権力のある大きい組織が動かなきゃ何も起きないのだろうから、現場の医師にこそ「仕方ない」で思考停止するのでなくて声を上げていただきたい。(ほんとは今まで声を上げても何も変わって来なかったのかもしれない。うーん、とても綺麗事を言ってる気はする)
男女差別について。
弁明の余地なし。完全悪。でないとこの類の男女差別がこれからも容認され続けてしまう。大学は誠意ある対応を。
そもそも大学もやましいからが点数開示の方法公開してないんですよ。なに、弁護士通さなきゃいけないわけ?返還する受験料に加えて弁護士雇った金払ってくれんの?
1番ショックだったのが
「女性差別はよくあること」
「差別なんて医者になった後いくらでもある」と言ってしまってること。
男性社会で摩耗しすぎて感覚が麻痺してるんですかね。これから女医さんになっていく人達が女性差別された時に、同性の上司にも「仕方ない」と味方をしてくれないと思うと虚しくないですか?
それから、これはやっかみかもしれないけど、そういう発言をされた女医さんは「逆境に逆らって医者になって活躍してる私」に悦に入ってるのでしょうか。悲しいな。
結局医者は皆天才な訳ではないし人格者でもないんですよね。もちろんすごく優秀な医師も徳の高い方もいらっしゃるでしょうけど。
それから東医出身女医は優秀論法あるけど、東医出の女医さんの中でコネ入学した方もいらっしゃるでしょうね。(暴論でごめんなさい)
という医学部志望の戯言でした。生意気言ってごめんなさい。でも、この先医者になって同性の上司にも味方してもらえないかもしれないと思うと絶望なので、進路変更しようかな。闇が深すぎて一生を無駄にする気がする。
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10年目内科医。ここを見ていると「医者を増やせば解決する、日本医師会が巨悪」「女性医師は医療崩壊の原因」云々…との意見が多いように思う。
恐らく東京医大の事件に関しても、「男女平等の時代に逆行するなんて前時代的大学なのだ」といった感想を持つのが一般的なのだろう。
しかし、この出来事は実は医療崩壊の最終段階の端緒となる出来事のようにも思われる。
他でも議論されているが、まず医師を増やすことに原則的に反対の医師は多くないように思われる。増やせるものならどんどん増やしてほしいと思っている。
しかし我が国の医師の数が増えないのは、医師会が反対しているから、医師らが声をあげないから、等々ではないように思う。
欧米と決定的に違うのは、我が国では国民皆保険制度があり、誰でもどこでも医療を受ける権利がある。ということである。
極端な話、日本最高峰の大学病院に突然風邪でかかっても、数千円のはした金を余計にはらえば見てもらうことができるのである。
保険証の力は絶大で、診療の求めを受けた医療機関は「応召義務」のため診察を原則拒否できない。
しかし国民皆保険のこの素晴らしいシステムには致命的な制約がある。
それは、国が決めた一律の料金で患者を診察する、ということである。ここに「よりよいものを提供し、より大きな対価を得る」という資本主義的価値観はない。
訓練された一流の外科医が胃がんの手術をしようが、3年目のペーペーが手術しようが、病院が手にするのは「所定の胃がんの手術料金」である。
外来で例えよう。A医師は患者の話を遮り、高圧的で、診察は3分。B医師は患者の話に共感的で、優しく、10分間丁寧に診察を行う。
しかし病院からしたら、A医師は一時間に20人分の売り上げを獲得するのに対してB医師は6人分の売り上げしか獲得できない。病院から見てより稼いでくるA医師の評価の方が高くなる。
要するに薄利多売のビジネスモデルを「お上」に強制されていて、回転率が命なのだ。即ち某ラーメン屋風に言えば、ロット乱しはギルティであり、長話する客と、それを許容する店員は退店やむなしなのだ。
以上のように、国民皆保険のシステムと病院の関係を考えると、「高圧的で話を聞かず、3分診療の医師」の需要はとても高いのだ。
B医師は人間的には素晴らしいかもしれないが、殆どの病院が赤字すれすれでやっている現状をかんがえると、「いらない子」なのである。
でもそんなA医師みたいなやつばかりな病院はどうせ患者がこなくなるかというとそうではない。
一つは、医師不足で患者余りであること、もう一つはA医師のような人物は大体特殊な技術や多分野における専門医資格保持者であったりするからだ。そのような、希少価値のある医者は一時間に20人ほどの予約がはいる。そりゃみんな、「優しいけど非専門」より「ぶっきらぼうだけどド専門」の先生に見てほしいからね。こうしてA医師はさらに人の話を聞かず、高圧的になっていくのでした。
以上のように、医療の価格は「お上」に決められているのだ。うちはすごい手術するから+10万円ね!なんてできない。当然、すごい手術をする医師に特別手当てが出る病院なんてのもない。そもそも病院は儲かってないのだから。
そうすると、医師からしたら、腕を磨く必要って何?ということになる。
普通の会社であれば、大きなプロジェクトを遂行し、地位が上がって、給与もあがり、達成感を得るのだろうが。
それがない医師はどうしたらいい?残されたのは「やりがい」のみである。患者さんに「ありがとう」と言ってもらった。助からない人を助けた。そういうことに価値を見いだすしかないのだ。
医師は医科大学に入学し、その段階から世間とは切り離された環境で培養される。総合大学においても医学部とその付属病院は、他学部とは明らかに一線を画している。「頑張って素晴らしいパフォーマンスをあげれば収入が増える」といった極めて基本的な資本主義的価値観を体験することなく研修医となり、医師となっていく。
そういった育成環境によりいわば世間知らずのまま育った医師は次第に先鋭化していく。「医師は人命に関わる特別な職業であり、滅私奉公を基本とし、過労死も厭わない。金を求めるものは、医は仁術の精神を忘れた愚か者だ」と言う奴すらいる(自分は引いてしまうが、どこの医大にでも少なからずいるものと思う。)
いわばエリート意識の塊となり、医療現場に放り込まれるのである。
一人前の医者になってもその「呪いとも言うべきエリート意識」から解放されることはない。技術を高めても、接遇を改善しても、給与に反映されることはないからだ。
しかしこの「エリート意識の塊」こそ、現代医療の根幹を支えている人たちなのだ。
医者には三種類いる。勤務医、開業医、フリーターだ。一番儲かる(時給換算で)のは開業医、次にフリーター、最後に勤務医である。しかし、勤務医は段違いに忙しく、高度な技術を要求され、責任も非常に大きい。しかもこの三種類の形態はお互い自由に行きできるのだ。
それでも勤務医が存在し続けるのは、「エリート意識の塊という呪い」のおかげであり、先鋭化した医師がいるからである。36時間連続フルパワーで働き、土日も働き、下の教育と、病院経営陣との間に挟まれ、寿命を削る(実際に勤務医の寿命は一般人口より短い)。こんなことができるのは言わば「エリート意識の塊=狂信者」だけである。
この「狂信者=勤務医」の呪いがとけて、居なくなるときが日本の医療崩壊が真に実現するときではないだろうか。
医者を増やす事のリスクとしては、①医師数の増加による、医師の社会的ステータスの低下②収入の低下があげられると思う。
①に関して、先に述べたように「狂信者」のエネルギー源は強烈なエリート意識である。数を増やすと言うことは、医師の質は下がるのは必死である(弁護士の例をかんがみても)。今まで医師になれなかった人を、医師にするのであるから。こうした変化は、家族も省みず、収入にも執着せず、すべてをなげうって医療に身を捧げる者の士気を「医師の希少価値の低下」を通じて下げてしまうかもしれない。
②に関しては、医療費はその半分が人件費であり、医師の数を増やすと言うことは、医師一人辺りの給与は下げなくてはならない。これも「医師間で相対的に少ないとはいえ、一般社会人より多い給与を減らすこと」で「狂信者」の、モチベーションを下げ、呪いを解き、開業やフリーター医師への逃散を誘発するには十分な理由になるだろう。
つまり、今の医療崩壊は医師を単純に増やすだけでは解決しない。また増やすことは万事を解決するわけでもなく新たな問題を起こす可能性もある。
これが我が国で医師を増加させることが、医療崩壊の解決にならないであろう理由である。
歪な国民皆保険制度のもと、なんとか医療業界が試行錯誤でたどり着いた妥協案が現在の医療体制なのだ。東京医大の問題もその歪みの一部でしかなく、この問題を小手先のテクニックで解決したように見せたところで、根本の病理はなにも変わらないのだろう。
医学部生の男女比率は、ほぼ半々だと思ってよい。彼ら彼女らが、後10年したら専門医の資格を取り始め、いよいよ臨床で活躍というタイミングで、大多数の女性医師が、産休取得は避けられない状況となる。そうなればどうなるのか。医師不足になるに決まっているのである。高齢層の疾患、循環器系のピークは、2030年~2040年ころにピークを迎えるため、まさに後10年後、危機的な状況となっているのである。
医局人事でも、産休に入りそうな女性医師を、あえて差し向ける医局もある。それほどにまでして、女性医師がハンディであるかのような状況なのだ。
ただ、それ以降になれば、医療需要は低下するので、一気に日本全体で楽になるというのが、医学部定員を削減しようという国の戦略なのだろうか・・・。
https://anond.hatelabo.jp/20180630150652
タイムリーな投稿があったので、女医さんと一緒に働くことになった男性医師側の意見を書いておく。
さて、俺のいる科はこの数年、5人で仕事をやってきた。この業界、5人というのは数字だけみると恵まれているほうだ。
1.ジジイ:名目上のトップ。現場の仕事はほとんどしない。たまに外来をやるくらい。出張多い。
2.上司:実務上のトップ。ベテランにさしかかってきた年で、体力がないと言いつつなんでもバリバリやる。
4.若手:5年目。ルーチンワークは一通り覚えている。
5.新人A:研修医上がりで、この科を選んだばかりの卒後3年目。
以上の体制が、新年度から以下のようになった。なお全員が某医大の医局人事に従っている。
1.ジジイ
2.上司
3.俺
4.女医:育休明けたばかり。いちおう専門医で、俺より1つ2つ上だが修練歴は短い。
異動にあたって医局とジジイが話をつけてきたのだが、「若手を減らすかわりに、非常勤だが専門医を一人増やす」とのことだった。
ふたを開けてみれば、
・女医さんは週3.5日来るはずが、週3日・時短勤務に→人数に余裕のない曜日、時間帯が増える
・夜間の呼び出しに対応できない→ジジイと新人は無理なので、上司と俺で時間外の電話を全部受ける
・今まで下っ端二人に病棟の細々した仕事をお願いしていたのが、年の順で俺にも回ってくるようになる
・女医さんは久しぶりで仕事を忘れている部分もあるので、俺がそのつど教えることに
など明らかにきつくなっている。帰宅時間は平均して1-1.5時間遅くなった。
元々呼び出しはかなり少ない科ではあるが、2日に一回の拘束が生じ、心理的にきつくなった。
少し俺の話をしよう。俺自身が今の診療科を選んだのは「楽だから」だ。
うちは3代続く外科系の家で、長兄も外科だ。俺自身は家に帰らない親父の仕事ぶりを見て「あれは無理だな」と思っていた。
10年以上も前になるが、2chでQOML(quality of my life, quality of medical staff's life)という考えが流行ったことがあった。
仕事もいいが医者自身の私生活も大事にしようぜ、というものだ。(雪月花のブログ、と言えば一部の人に伝わるだろうか?懐かしい。)
俺は大いに感銘を受け、医学生時代は2chのQOMLスレに入り浸った。フリーター・ドロッポ(ドロップアウト)のスレなどもあった。
どこの科が楽だ、研修病院はこう選べ。地方の医師不足や診療科の偏在?構うものか。医療崩壊?ハードランディング上等じゃないか。
いやなら辞めろ、代わりはいくらでもいる。逃散だ。そう言って盛り上がった。
今の若い人たちもQOMLの影響は受けているようだ。今は単にQOLと称することが多いらしい。
「研修医やる気なしクラブ」スレッドなど、その思想は受け継がれている。
とにかく患者が少ないか、急変しないか、そもそも患者を持たない。それが進路選びの大前提だった。実際それに従って進む科を選んだ。
10年経って、意外に医療崩壊の進みは遅く、ゆっくりとシュリンクしていく様相を見せている。
産科、小児科、外科の減少のために人が殺到するかに思われた当科も、思いのほか人手不足のままである。
今年、女医の影響というか、女医にまつわる産休や育休の影響をはじめて受ける立場になった。
女性の同僚はいたが、フルタイムだったためこれまで特に気にすることもなかった。
むしろ俺自身は女医の働き方に理解があるつもりだった。半分が女子学生の大学だってある時代だ。
そして実際に影響を受けて思った。これはきつい、と。
女医さん、時間あたりで外来件数を比較すると、俺の1/3くらいしか働いてない。
それでいて時給換算すると俺より高い額をもらっている(なんで知ってるかというと雇用通知書を机の上に置いてたからだ)。
朝のカンファレンスが終わった頃やってきて、多少の仕事をして、早く帰っていく。俺たちは溜まった仕事もそこそこに、夕方のカンファレンスに臨む。
彼女はときおり電話1本で「子どもが熱出たんで休みます」と言い、俺たちは一つ減ったブースで外来をこなす。
そんでこの前、彼女がさらに時短を望んでいるとかの話を小耳にはさむ。
ジジイや上司は、家庭は大事だからねーと言う。認める方向のようだ。
いやいやお前それ、俺らの家庭が間接的に犠牲になってるのはいいのか。聖人か。
短いなら短いでせめて同じ密度で仕事できませんかって聞きたいが、当の女医さんはいい人そうなので、ってか多分普通にいい人なので聞けない。
やる気はない、医者はただの生きる手段。病院や業界に対する忠誠心はまるでない、と俺は自分で思っていた。
それでもQOMLを達成するためには馬力と要領が必要で、全力投球して9時5時を目指すもんだと考えていた。
そこへ余りにもマイペースな(ように見える)同僚が現れて困惑している。じつはQOML派じゃなかったのか俺。
業界みんなで支えなきゃ。
お前も無理って言えばいいじゃん。お前も真似してみれば?
マネジメントの問題だ。人を別に雇え。できなければ診療規模を縮小しろ。
そんな正論はいくらでも思いつくが、理想論の上に即効性もなく、さえずるなという感じ。
給料上げてもらえば?とかね。俸給表で決まってるんですがね。ま、残業や呼び出しで10万ほど増えましたがね。
「やっぱさー、一緒に働くなら元気のいい男の子がいいよ」
この人がそんなこと言うんだ、まだこの業界後進だなって思った。
でも今度から俺も言おうと思うわ。「次は活きのいい若い男を頼む」
現在の医者は医療業務全般を行うことが出来るが、医者でも得意不得意がある。
それならば専門分野だけが診察治療できる医師の資格を作ったらどうだ
例えば、医者の補助をする看護師が、◯年以上看護師やってて準医師試験に合格したら準医師になれるとか
消防の救急救命士がドクターカーに◯年乗車して准医師試験に合格したら准医師として医療行為を行えるとか
司法解剖の補助を◯年して准医師試験に合格したら解剖だけ出来る准監察医になれるとか
臨床心理士でも精神医療に○年従事していて准医師試験に合格すれば准精神科医になれるとか
歯科助手に○年従事していて試験に合格すれば准歯科医師になれるとか
競争が起きて悪い医者は廃業だが努力する優秀な人材は医者になれる
良い考えじゃない?
そうだろうね
10年前くらいに医師不足とか医療崩壊が話題になった時は「医者は死ぬほど大変な仕事!モンスター患者滅びるべし!」な雰囲気になってたけど
今はそういう話が忘れられて、モンスター患者の話題が出ても「医者なんて儲けてるんだからそれくらいやれよ」的なコメント見るようになったものね
産科不足なんかも忘れられたよなあ
大野病院事件とかどれだけの人が覚えてるんだろう
無痛分娩の話題なんかが出ると「全員無痛分娩出来るよう医師は努力するべきなのに妊婦は苦痛を味わうべき的な思想ガー」ってさ
そもそも今の産科医麻酔科医の人数で出来るわけないだろ思想の問題じゃねえよ、って突っ込む人もいるけど僅かになった
あと、「医師は看護師は誰も文句言わないのに保育士だけ言われるのは差別」とか言うのがいるけど
まあ今んとこ看護師はどうしようもないんだけど(男性看護師少なすぎて。でも一部の男性美容系の病院で男性看護師だけというのをアピールしてる所はあるね)
医師は女性医師を求める女性はごく普通にいて、医師業界側もそのニーズに応える形で女医がいる事をアピールしてたり
病院検索サイトが「女医がいる」事を検索条件に出来るようにしてたりしてるし
医師看護師以外も、例えば超音波担当の技師は女性のみの病院とかあるし
(超音波は狭い個室に技師と患者が長時間二人っきりとなって技師が患者の身体を触る必要があるため、
わいせつ被害が起きやすく実際に訴えられるケースも時々起きている)
イスラムみたいに女性は女性医師しか診ない事にしろ、とか言ってるのは煽ってるつもりなんだろうけど
最終的にはそれが一番無難かもね(まあ医師不足が解消しない限りは無理だが、男女比率自体は女医率がどんどん増えているので
医師不足さえ解消すれば、科による偏りはあるにしろ、ある程度は可能になると思う)
人手が足りないならまず待遇なんとかしろよ! と思うのだが、金がないのだからどうしようもない。
地方紙のさらに地方のニュースでは、医師不足がよく話題になる。
よく読んでみると、大抵は産婦人科などきつい科の、それも勤務医が足りないというのが正確だ。
おそらく、勤務医の立場からすれば、交代要員がいない、学ぶべき先達もろくにいない、
何より人口が減って、将来開業もできない。というか、今あるとこすら経営が危うい。
そんな田舎で耐えて、キャリアを積んでもしょうがないのだろう。
全くの無駄ではないにせよ明らかに損で、スタートの段階で小金をもらっても、結局は割に合わない。
田舎の人材不足の原因は、下っ端の待遇が悪いから。それも正解だと思う。
しかし、本当にどうしようもないのは、そこから上がった先の魅力の低下であり、
将来を餌に下っ端をこき使うシステムが、もはや機能しなくなりつつあることではないだろうか。
今更もう既得権益の側には入れないという諦めと、そして実はその既得権益すら危ういことではないだろうか。