はてなキーワード: スクールバスとは
三重県南伊勢町から委託を受けて同社が運行する町営バス(南島南勢連絡線)が、終点から二つ前の停留所で運行を終えていた。
運行する伊勢営業所の報告を受けて、運輸局が監査を実施。同路線の利用者は地元高校の生徒が大半で、運行は学校のある日に限られていた。運転手は「スクールバスと思い込んでおり、過去3年間、生徒が全て降りると運行を終了していた」と説明したという。
たぶん、路線図を見るに五ヶ所バスセンターの前の船越あたりで県立南伊勢高校の学生を降ろして、その先の、山を登った町立南伊勢病院、また下りて南勢野添に止まってないんだろうな。船越で回送にして、病院に登らず、南勢野添をスルーして、バスセンターに戻ってたんだろう。山登り、他の路線も多く通る、となると知ってて飛ばしてるようにも思うけど。
まぁでも、他の全路線がそこを通ってるから、実用上問題はないんだろうな。時刻表を見ても、3分前 (8:23と8:26) に同じ路線の、学休日も運行するバスが通ってるから、そりゃ面倒くさいだろう。
リストver2
年月日 名称 | 場所 | 被害者数 | 使用道具 | 犯人 | 犯行時年齢 | 生まれ年 | 人物 | 供述 |
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1999.9.18 池袋通り魔殺人事件 | 池袋路上 | 死亡2+重軽傷6 | 包丁と金槌 | 造田博 | 23 | 1975 | 親が借金で失踪、大学進学断念 | 「真面目な人がさらにさらに苦しむ一方で、遊んで楽をしていられる身分の人たちがいることに嫌気がさした」 |
1999.9.29 下関通り魔事件 | 下関駅構内 | 死亡5+重軽傷10 | レンタカーと包丁 | 上部康明 | 35 | 1964 | 九州大学工学部卒一級建築士・離婚 | 「社会に不満があり、だれでもいいから殺してやろうと思った」 |
2001.6.08 附属池田小事件 | 私立池田小学校内 | 死亡8+重軽傷15 | 包丁 | 宅間守 | 37 | 1963 | 182cm離婚4回モテ男・兄は事件前に自殺 | 「なんや、家が貧しい者は、ええ学校入られへんのか」 |
2007.12.14 ルネサンス佐世保スポーツクラブ散弾銃乱射事件 | クラブ内 | 死亡2+負傷6 | 散弾銃 | 馬込政義 | 37 | 1970 | 高身長フツメン・週刊新潮によると母→父の逆DV家庭 | 犯行後自殺 |
2008.3.19 土浦連続殺傷事件 | 茨城県土浦市民家・路上 | 死亡2+重傷7 | 包丁とサバイバルナイフ | 金川真大 | 24 | 1983 | 父は官僚・帰国子女 | 「死刑になるために殺した」「ライオンがシマウマを食べるとき、シマウマに悪いと感じるのでしょうか」 |
2008.6.08 秋葉原通り魔事件 | 秋葉原路上 | 死亡7+重軽傷10 | トラックとナイフ | 加藤智大 | 25 | 1983 | 派遣社員 | 「負け組は生まれながらにして負け組なのです まずそれに気付きましょう そして受け入れましょう」「本気で自分を『負け組』だと考える人のことは全く理解できません。また、自分の努力不足を棚に上げて『勝ち組』を逆恨みするその腐った根性は不快です。」 |
2016.6.21 イオンモール釧路昭和通り魔事件 | 北海道釧路モール内 | 死亡1+重軽傷3 | 包丁 | 松橋伸幸 | 33 | 1983 | 介護施設調理師・新聞配達員 | 「人生を終わりにしたかった。死刑になってもいい。殺人が一番、死刑になるかと思った」 |
2016.7.26 相模原障害者施設殺傷事件 | やまゆり園 | 死亡19+重軽傷26 | 包丁 | 植松聖 | 26 | 1990 | 介護士 | 「障害者は可愛い。自分を必要としてくれる。天職だ」「重度障害者の家族は病んでいる。『幸せだった』という被害者遺族は不幸に慣れているだけだ」「特に短期入所者の家族は、暗い表情でそそくさと逃げるように帰っていきます。重たい表情で疲れ切っていました。」「職員は死んだ目をしていた」 |
2018.6.9 東海道新幹線車内殺傷事件 | 新幹線 | 死亡1+重傷2 | 鉈 | 小島一朗 | 22 | 1996 | ホームレス | 『さらに私は言った。「私には生存権がある」「(警官)この場合はあたらない」』 |
2019.5.28 川崎市登戸通り魔事件 | 私立カリタス小学校スクールバス停 | 死亡2+重軽傷18 | 包丁 | 岩崎隆一 | 51 | 1967 | ひきこもり | 犯行後自殺 |
渡邊博史(犯行当時36歳・1976生・元派遣社員)の手記より
《自分の人生と犯行動機を身も蓋もなく客観的に表現しますと「10代20代をろくに努力もせず怠けて過ごして生きて来たバカが、30代にして『人生オワタ』状態になっていることに気がついて発狂し、自身のコンプレックスをくすぐる成功者を発見して、妬みから自殺の道連れにしてやろうと浅はかな考えから暴れた」ということになります。これで間違いありません。実に噴飯ものの動機なのです。
しかし自分の主観ではそれは違うのです。以前、刑務所での服役を体験した元政治家の獄中体験記を読みました。その中に身体障害者の受刑者仲間から「俺たち障害者はね、生まれたときから罰を受けているようなもんなんだよ」と言われたという記述があります。自分には身体障害者の苦悩は想像もつきません。しかし「生まれたときから罰を受けている」という感覚はとてもよく分かるのです。自分としてはその罰として誰かを愛することも、努力することも、好きなものを好きになることも、自由に生きることも、自立して生きることも許されなかったという感覚なのです。
冬は余裕で積雪が2m越える所だとだけ。大体幼少時代が平成入ったばっかで、中学の時に引っ越した。ぶっちゃけ今もそうな所は結構あると思う。
山(集落)から下りないとスーパーが無い(車で約15分)。コンビニも無い。個人商店は一件ある。唯一の店でよく駄菓子を買ってもらっていた。電車の駅までは車で30分。なので電車に乗る=遠出!というイメージが今もある。ついでにスーパーよりコメリの方が近い。
小学校は複数の学年が一つの教室で授業を受けていた(近辺4つの集落が学区の小学校だったが、全校人数は普通の学校の1クラス分にも満たない)。そして自分の卒業と共に閉校した。中学校へはあまりに遠くてスクールバス通いだった。
また小学校では裏の畑で野菜を育てていたのだが、うまく育たない時は「野菜名人=家の祖父祖母に聞こう!」と言われた。駐在所の子以外の家は全て田んぼや畑を持っていた。習い事するにも町(中心部)の方へ車で行く必要があるため、親に送迎の余裕のなかった自分は良くも悪くも習い事とは無縁だった。
家は薪ストーブがあり、水は井戸水で、便所はくみ取り式だった。豪雪地特有の点として二階にも出入り口があった(自分が生まれて以降にこの出入り口が使われた記憶はないが)。あとほとんどの家に鍵が無い。
秋の稲刈り後、あちこちで籾殻を燻して肥料を作っている。すごく煙い。
冬の除雪車が走る所以外の小さな道は、集落の人でローテーションを組んでかんじきで踏み固めて作っていた。そうしないとまず家から出られない。親が言うには冬でも車で町へ行けるようになったのは昭和50年代らしい。
近所に同じ名字の人がかなりいるのもあってか、基本的に集落の人の事は屋号で言う。個人的に正直覚えるのがめんどい。しかし野菜のおすそ分けなどのために覚える必要はかなりある。特にタケノコは伸びまくると大変なのもあってかめっちゃおすそ分けされてて、未だにほぼタダで手に入るイメージがある。
増田は性犯罪者の味方だとは思わないが、結果的に与する側に立っていると思う。
そのようには読めない。性犯罪以外に、日常生活を送っている多数の女性、特に未成年が週に何度も遭遇するような犯罪は存在しない、という意味で、性犯罪は社会に許されている。女子高生時代毎日痴漢被害に遭っていた、という人もざらにいるけど、例えば全校生徒の一割が通学中に暴行被害に遭ったら、解決するまで電車通学や徒歩通学は禁止になると思う。実際、米国の多くの地域では、徒歩通学は禁止されていてスクールバスが走っている。現代日本は、痴漢被害の撲滅のためにそこまでコストをはらう準備はない。
で、被害者が苦しんでいます、って声を上げると、「お前みたいなバカは声を上げるな」って賢い人に言われるわけだ。増田の知り合いのバカとかぶったのか何か知らんが、無駄に攻撃的だと思う。職場の同僚の仕事依頼と性犯罪被害者の被害告発を比べる時点でかなりずれてる。
もし、本当に心から一件の性犯罪を一件の暴行と同じように憎んでるなら、性犯罪は、その発生件数の膨大さと未成年への被害から、その他の犯罪と異なり、特別に大きな問題だ、という結論にならざるを得ない。「ナチュラルに失礼」とかいう言葉は出てこないと思う。増田は賢いんだから、なぜ性犯罪がこんなに許容されているのかとか、性犯罪の摘発の難しさとかについてもう一度よく考えてから、被害者の告発を批判してくれ。
一部の地域では学校再開したそうだが、これは「未発症者を含め、感染者は把握できている」と想定できるから可能なことである。この想定が間違いだったら再び封鎖することにならざるを得ない。
逆に東京や札幌の場合は「未発症の感染者もまだいる可能性は低くない」し、現に「新たに見つかる感染者が毎日数十名出ていて、一定割合は感染経路が不明である」。神奈川、大阪、兵庫などの「2週間前はまだ感染拡大が続いていた」府県も現時点で安心はできない。
そして、どうやら「感染者のうち8割以上は他に感染させていないと推定されている」し、おそらくは「三密が全部揃った条件以外ではそこまで感染はしない」と推定されている。満員電車はそれほど人が会話しないから『密接』は満たさず、結果として東京でも満員電車利用者が多い三鷹・武蔵野・立川・府中あたりの感染者は少ない。町田・八王子は多いがこれは初期にクラスターとなった相模原市の病院やその周辺からの余波であろう。
では、三密を避けて学校を…再開できるかというと難しい要素は主に2つある
1.一部の教科の授業
グループワークやアクティブ・ラーニングは当面避けて、古典的なチョーク&トークでの授業が可能な教科については児童・生徒も教員もマスクをして(マスク入手事情は最近になって改善されているから何とかなるだろう)、教壇と児童生徒席の間にビニールシートを垂れ下げれば授業はできるかもしれない。
ただし、五教科でも英語や(特に小学校の)国語はやはりチョーク&トークだけでは授業として不十分で、一定割合は児童・生徒に発言させる必要があるから難しい。
五教科以外ならば体育(体育館は無理だろうし、校庭には物理的に限りがある。あと更衣室が三密になることを防ぐことが難しい)、家庭科などどうしても難しい教科はやはり存在する。
それらの教科を避けて時間割を組み直し、感染が収まるのを待ってからそれらの教科を集中的に行うのは教員が物理的に足りるかという問題も発生する。
2.スクールバス
そもそも学校はグラウンドなどの用地確保のために中心市街からやや離れた場所にあることが多く、特に多摩地区の学校は「最寄り駅からバス」が主な通学手段となっている学校も多い。
そして、「満員電車は感染源になりづらいと推測される、なぜならば互いが密接に会話しないから」と先に書いた。だが、スクールバス(学校保有のものに限らず、時間帯限定でバス会社が運行しているものも含む)はそうはいかない。
バスの中というのは当然密閉空間だし、どうしてもコストダウンのために満員に近い状態になっているバスは多いから密集状態である。そして、満員電車と異なり同じスクールバスに乗っている同じ学校の児童・生徒というのは知り合いに会う率も高く、結果として密接に会話してしまうこともある。「会話するな」と言って聞いてくれるような子どもたちばかりならば苦労しない。
なんか学童しらない増田が「群盲🐘を語る」やってるから一応横がわかるとこだけ補足情報書く
1:学童は預けてる子供の下校時刻になると学校まで迎えにいってくれるサービスやってるとこが多い。
2:一年生の子供の下校時刻は給食がなく11時ごろだったりする。親はそれにあわせるとおそらく一日休暇をとることになる
3:下校で付添される子供は一年生だけだとすれば、たぶん班に1人か2人しかいない。自分の子供が学童にいくならおそらく1対1になる。
近所の顔見知りとはいえ大人が他人の子供を一人つれまわすの気まずい。「親」とあるからと旦那に任せると旦那がつかまりかねない
そして、その理由はすぐに分かった。
「先ほどツクヒ君のご両親から連絡がありまして……登校中に車に轢かれたようです」
突如、担任の口から告げられた出来事に、俺たちまで交通事故に遭ったような衝撃を受けた。
両親によると、その日ツクヒは寝坊してしまったらしく、慌てていたらしい。
しかも車が滅多にこない場所なのもあって、油断していたのだろう。
そのせいで車道を横断するときに確認を怠り、良くない結果に繋がったというわけだ。
それでも軽い打撲と捻挫だけで済んだのは、不幸中の幸いというべきか。
「運転手側は逃げたようで、まだ判明していません」
担任はそう言っていたが、「逃げる」と表現するのも変な話だと思った。
話を聞く限り、運転手側に非はない。
寝坊したせいで急ぐ必要があったのも、歩道もない場所に突っ込むなんていう危険な行為を選択したのもツクヒだ。
俺も仲間も、いや、クラスの皆がそう思っていた。
だけど大人の世界では、そういうことを複雑にするのが流行っているらしい。
「今回、事故が起きてしまったわけですが……何か改善案があれば意見をどうぞ」
この交通事故は町の人々に瞬く間に広がり、ここ最近のトレンドになった。
そして数日後、この町にいる色んな市民団体が一同に介し、今回の件について議論することになる。
「こういった事故が起きた際、迅速に対応できるよう窓口を用意しましょう」
曰く「意味があるようで、実際は大して意味のないやり取りばかりしていた」だったという。
「その子供が急いでいたせいで起きたことを考慮するなら、登校時間をもっと余裕のあるよう設定すべきでは?」
「いや、それよりも通学路に配備する役員を増やすべき。そのためにも公費を増やしましょ」
「ボランティアに無償って決まりはありません。働く人間には相応の賃金を与えるべきでしょ」
「少しはあるでしょ!」
各々の、そんな思惑が見え隠れしていた。
「そもそも学校側が通学路をしっかりと定めるなり、スクールバスなり用意すれば、こんなことにならなかったのでは?」
「あと、未だ犯人を捕まえてない警察の無能っぷりも問題ですよね。やっぱり自警団を作りましょう」
そうして各々が言いたいことを一通り言い終わると、いよいよ交差した意見の中心点を決める段階に入った。
「それで、よさそうかな」
「そう、ですね」
「一応、君の意見も聞きたい。確か弟さん、事故に遭った子と同じくらいの歳でしょ」
「うーん、そうですね……」
調べた交通量を見る限り、信号機をつける意味はないと兄貴は内心感じていた。
だけど現に事故が起き、雇ってる側に詰問されている手前、下手なことは言えない。
「まあ、信号機があることで事故の可能性が減るなら、あるに越したことはないと思いますけど」
小銭稼ぎでやっていただけの兄貴は、無難な答えを返すしかなかった。
「よし、彼もこう言ってるし、この方向で進めていきます」
「そうですね。折衷案といきましょう」
何をどう折衷した案なのかは分からないが、ひとまず反対意見がでてこなかったので善しとなった。
内容の濃い記事だけど裏がとれてるか心配になったので調べてみた
https://ja.wikipedia.org/wiki/2015%E5%B9%B4%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%A1%E3%83%B3%E5%86%85%E6%88%A6
https://jp.wsj.com/articles/SB11168026957026933972104585370442973948542
https://www.bbc.com/japanese/45139240
https://www.afpbb.com/articles/-/3230222
フーシ派の軍が強くて、ディ派が弱いってのは、ちゃちゃと調べただけでは発見できず。
2014年から今にいたるまでイエメンではずっと内戦をしています。この内戦にはサウジアラビア、UAE、イランが関与しており、現在の中東情勢を理解するためにはこの内戦の概要を掴む必要があります。なのでその話をします。
です。大まかにいって国土の北西地帯をフーシ派が、南部と東部をハディ派が支配しています。イエメンは部族社会という色が濃く、各部族はそれぞれに思惑をもって活動しており、フーシ派にもハディ派にも属さないという地域も増えてきています。
内戦の背景について理解する必要はあまりありません。部族の利害や宗派の違いといったものから発生する、正直いってしまえばよくあるアレです。ではそのよくある内戦がなぜ泥沼化しているのか、そして何故誰も知らない戦争になっているのかを簡単に説明したいと思います。
内戦のきっかけはフーシがイエメンの首都を占拠しクーデターに成功したことです。これにより当時大統領を務めていたハディは首都を追われ、サウジアラビアに亡命しました。サウジアラビアはこれに危機感を抱きました。なぜならサウジアラビアはスンニ派勢力の事実上の盟主であり、イラン以下のシーア派勢力と敵対しているからです。イエメンはサウジアラビアと国境を接しており、ここに親イラン勢力が根を張ることはサウジの安全保証を根本的に脅かすと懸念されたわけです。そして実際その懸念は現実のものになります。
サウジはUAEと連合しハディ元大統領の支援に乗り出します。サウジとUAEは優勢な空軍力を活用しフーシ派から南部の要衝アデンを奪回することに成功します。そしてここにハディ大統領を傀儡として送り込み、フーシ派討伐に乗り出します。これが 2015 年 7 月までの流れ。
しかしサウジの勢いがよかったのはここまでの話で、以後内戦は泥沼化の一途を辿ることになります。泥沼化の理由として以下の要因が挙げられます
まずハディ派やサウジ空軍が弱いという問題についてです。一般にいってアラブの軍隊は非常に弱いのです。それはなぜかというと、クーデターを恐れるあまりにまともな訓練をつめておらず、特に大隊以上の連携の訓練などはろくにおこなわれていません。
例えば、空軍力を適切に発揮するためには地上の部隊との高度な連携が必要です。地上の部隊が空爆の目標地点を捜索し、適切に爆撃機を誘導してやらなければ効果的な爆撃はできません。また、航空偵察の成果を総合的に検討して情勢を判断する高度な情報組織も求められます。そういった高度な機能はサウジ空軍には備わっていません。では、サウジアラビアはこの問題をどのように解決していたかというと、大量の物量を投入して無差別爆撃を繰り返すという方法で解決をしようとしました。これには二つの問題があります。まずは人道上の問題です。実際サウジはこの問題で 2018 年ごろから大きな非難をうけるようになり以後無差別爆撃を封印しています。そしてこちらの方がより実践的な問題なのですが、コストパフォーマンスが極度に悪いという問題があります。いくらサウジが油田をもち金満国家だからといって爆弾をあまりにも大量に無駄弾にしていれば負担になります。あまり知られていないことですが、実際サウジアラビアは中国について世界三位の軍事費支出大国になっています。これは上記のような非効率な作戦が原因で、サウジアラビアの財政は痛みつつあります(そうしたサウジの苦境を悪用しているのが孫正義というわけです)。
ハディ派の弱さについては、元々弱いとかそもそもサウジの傀儡でありそこまでやる気がないとかそういったこともありますが、また別の事情もあります。その別の事情というのは「フーシ派は強い」という問題と裏返しでもあるのです。
それはつまりどういうことか。フーシ派はあくまでも奪う側であり、ハディ派は守る側であるということです。ハディ派はもともとの正統政府ですから、イエメンの国土や財産を防衛する戦いを展開する必要があります。一方フーシ派の根本は地方の小さな民兵組織ですから「守るべき既存のリソースや権益」を持っていません。なので彼等はハディ派と戦うにあたって都市がどれだけ破壊されようが民間人にどれだけ死者がでようが一切考慮することがありません(宗派も違いますし)。こうした姿勢の違いは戦闘力の違いに直結し、地上戦闘でハディ派がフーシ派を圧倒するという局面は初期におけるアデン奪還作戦以外で殆ど見られません。
ハディ派は強いフーシ派を攻撃するにあたって、地元の部族を懐柔しフーシ派を攻撃させるといった戦法をとることがありますが、フーシ派はこうした敵対部族を容赦なく殲滅してしまいます。
また、フーシ派が山岳民族的な性質をもつという点も重要です。一般に山岳民族というのは強いものです。グルカ兵などの事例にもある通りです。また、山岳民族である彼等は平地民との価値観をあまり共有しておらず、そうした点も彼等の強く残酷な戦い方を支えているだろうと思います。
次にUAEの背信という問題についてです。サウジ国内ではこの点がかなり問題視されているようです。UAEは内戦介入開始当初からイエメン侵略を目論んでいました。ハディ派首都のアデンでもUAEの特殊部隊がうろついているだとか、イエメン南部の離島ソコトラ島をUAEが侵略し領土に事実上組み込んでいるといった話があります。UAEのこうした態度は情勢を著しく混乱させ内戦を長引かせる要因になっています。またサウジ内では「UAEが漁夫の利を得るために内戦の泥沼化を積極的に目論んでいる」といった観測もあるようです。
そしてイラン革命防衛隊の介入という問題ですが、上記の通り内戦の初期においてイランと革命防衛隊はあまりイエメン内戦に興味をもっていませんでした。しかしサウジとUAEによる介入が頓挫すると革命防衛隊による介入が本格化しはじめます。すなわち、フーシ派の占領地域を拠点にしてサウジアラビア領土への直接攻撃を企図しはじめたのです。このことの背景を理解するためには、イランの革命防衛隊という組織の成り立ちを理解する必要があります。先述の通りアラブではクーデーターを抑えるために軍を弱くするのが普通の統治法です。これには例外がいくつかあり、たとえばエジプトでは軍が国家を統治しているのでクーデーターの心配は少ないので精強な軍を維持することができています。イランも例外の一つで、イランはかなり独創的な方法でクーデーターを防止しながら軍を強化することに成功しました。それはすなわち
というものです。一つ目の対策については軍の指揮権を天皇に直属させた大日本帝国軍とほぼ同様のものと言えます。故に、日本軍と同様のデメリットが生じることにもなりました。創業の功臣と君主が存命の時代は彼等のバランス感覚によって軍を適切に維持することができたのですが、君主が交代し創業の世代もいなくなると軍を誰も統制できなくなってしまったのです。ようするにホメイニが明治天皇、ハメネイが昭和天皇と理解すればよいわけです。
二つ目の対策について、革命防衛隊をつくるにあたって「イラン防衛ではなくイスラム革命の防衛と革命の輸出」を任務と定めてしまったことが問題になりました。彼等は事実上の外征軍となり、中東各所で怪しげなテロを繰り返す組織になってしまったわけです。さらにタチが悪いのが革命防衛隊が軍の能力を流用し建設会社や物流企業を多数直接経営しているという点です。これにより、彼らは財源や物資の点でも政府への依存が殆どなくなり極めて独立性の高い組織になっています。イラン政府の財源はかなりの部分石油に負っていますから政府は本質的には戦争を回避しようとします。一方建設業により資金を得る革命防衛隊にしてみれば石油産業が停止したところで知った話ではないので積極的に「革命の輸出」を手掛けるというわけです。
こうした性質をもつ革命防衛隊がイエメンに介入を開始すると積極策を採用することになるのは自明のことでした。イエメンに派遣された革命防衛隊はほとんど中央の統制を受けていないと見られており、これは要するに日本軍における関東軍に匹敵します。
こうした情勢のなかでイエメン内戦を象徴する戦いであるホデイダ攻防戦がはじまります。ホデイダはイエメン有数の港湾都市で外部からの物資の輸入をほとんどひきうけています。この都市を占拠することはすなわち外国の物資を全てコントロールするということでフーシ派もハディ派もこの都市の攻防に全力を投入することになります。内戦当初からこの都市はフーシ派が支配しており、ハディ派はサウジアラビアの支援のもとなんとかこの都市を奪還しようと試みました。ホデイダの攻防が本格化したのは 2017 年ごろからで、以後ホデイダは激しい戦火に見舞われ物資の輸入は途絶えイエメンでは難民が大量に発生することになります。
先述のとおりハディ派は弱く、サウジアラビア軍は動くものはなんでも爆撃する式の粗雑な無差別爆撃を加えることでなんとかフーシ派に対抗するといった情勢が続きました。こうしたフーシ派有利の情勢をみたイラン革命防衛隊は2017年末ごろより弾道ミサイルをフーシ派に供与(といっても操作する人員も革命防衛隊から派遣していたことでしょう)しサウジアラビア国土への直接攻撃を開始します。
こうした事態に至って危機感を表わにしたサウジ軍は 2018 年にはいってさらに爆撃を強化しますが成果はあがりません。そして彼らはついに致命的な誤爆事件をおこします。サウジ軍はスクールバスを誤爆し何十人もの子供を死亡させてしまうという事件をおこしてしまったのです。これにはさすがに各国からの非難が止まず以後サウジ軍は爆撃の対象を前線ではなく後方のフーシ派の基地に切り替えることになりますが、これによりホデイダ攻防におけるフーシ派の勝利が事実上確定しました。
2018年末ごろより国連によるホデイダ停戦工作が開始されます。停戦の調停中にも激しい戦闘の応酬が続きますがフーシ派有利という情勢は変化せず、国連の監視団は「フーシ派の勝利」という現状を事実上認める形の停戦を成立させました。これが去年末から今年4月ごろの話。
こうした状況のなかで革命防衛隊はあらゆる手段でサウジアラビア国土への直接攻撃を続けていました。その攻撃の主力となったのが弾道ミサイルとドローンによる空爆です。弾道ミサイルによる空爆はサウジアラビアの首都リヤドにも降り注ぎ100人以上の民間人が犠牲になっていると報じられています。ドローンについては、クアッドコプターのようなものではなくジェットエンジンを積んだ比較的大型の爆撃機で500kg程度の爆弾を積載し 300km の半径を攻撃できるとされています。これによる精密爆撃はイエメン内部でも利用され、ハディ派側の軍幹部がドローン爆撃によって多数殺害されるといった事件も起きています。
そしてホデイダにおけるフーシ派の勝利が確定すると、フーシ派は国連との合意にもとづきホデイダから兵力の引き抜きを開始します。少数の警備兵力を「憲兵」と偽ってホデイダに残置するとフーシ派は主力をサウジアラビア侵攻にふりわけます。これが今年の 4 月から今にかけての話で、フーシ派とイラン革命防衛隊の猛攻をうけてサウジアラビア/イエメン国境の要衝都市ナジュラーンが陥落寸前であると報じられています。またサウジアラビア空爆にあたってあらたに巡航ミサイルによる爆撃も開始され、先日のサウジ南部空港爆撃ではインド人など外国人にも負傷者がでています。
ではこのような酷いことになっている内戦がなぜあまり知られていないかというと、田舎の内戦など誰も興味がないという問題もあるのですが、サウジの劣勢というのもその原因です。というのもサウジアラビアは北朝鮮以上の独裁国家、統制国家なので自国がイラン勢力との戦争で敗北しつつあるという事実を隠蔽しているわけです。「イランの爆撃により100人以上の犠牲者がでている」という事実も最近になってようやくサウジ政府系メディアによって報じられました。以前は「イランのミサイルを迎撃した」だとか「フーシ派に猛爆撃を加えて戦果をあげた」だとかいった威勢のいい情報が散発的に報じられているだけでした。今少しづつですが苦境の真実をサウジアラビア側が報じるようになってきています。それだけ事態の悪化を隠せなくなったということでもあり、また危機感を醸成しようという思惑もあるのでしょう。
更に加えてですがサウジアラビアには「事態をこれ以上大事にしたくない」という思惑があるようにも見えます。現在おきていることは事実上「サウジアラビアとイラン革命防衛隊の総力戦」なのですが、サウジとしてそれを認めてしまうとイラン本土とも戦わなくなければなります。「イエメンのフーシ派という軍閥との小さな戦い」というフレームを維持することでなんとか大事にせずどうにかしてフーシ派だけを倒したいという希望が、事態を矮小化させ報道を管制するインセンティンブになっているように思われます。
サウジのこの失態をみて「イエメンはサウジのベトナム」と評する人もいます。ただベトナムのように「やらなくていい戦争で消耗している」というよりは「強力なイラン革命防衛隊とフーシ派の前になんとか国土を防衛しようとしている」というのが実態としては近いのではないでしょうか。