はてなキーワード: トーハンとは
つい最近まで過疎地の被災者はさっさと移住させろとか言ってた連中が、同じ口でトーハンがどうたらとか言ってると思うとなんだかなーって気分になる。
「僻地や離島の本屋の話かと思ったら大阪の有名書店じゃん!」みたいなブコメもあって、ナチュラルに田舎は不便で当然だしこれからもっと不便になるのも当然って思ってるんだなーと。
そりゃ田舎を都会並に便利にしろとか、田舎の本屋を都会並の品揃えにしろみたいなことは言わないよ。
でも、住むところを行政の都合に合わせて決めろとか言われたり、今も使ってる道路や水道を無駄だから廃止しろとか言われる田舎と、漫画が一冊入荷しないだけで同情や取次叩きのブコメが並ぶ都会の本屋の格差を見るとやるせない気分になる。
ここまで人としての扱いに格差があるのが当たり前なんだろうか。
こういうことを書くと「昔はもっと格差があった」とか「ネットがあるから今はマシ」とか言われるんだろうけど、そのうち「田舎者にネットはもったいない」とか「田舎に電気は必要ない」とか言われるのも時間の問題なんじゃないかって気がしてくる。
そんなはずはないって思うかもしれないが、例えば医療に関しては「田舎に病院はもったいない」が現実に起こってるからな。
私が敬愛して止まない、ふみふみこさんという漫画家さんがいる。
その方が本日twitterで下記のような事をおっしゃっていた。
発行部数が少なく、書店にあまりおいてない上、Amazon楽天もずっと欠品状態ですが、重版かからないと打ち切りという謎の状況です。ははは(乾いた笑い)どうぞみなさまご協力ください。としかいえません。まずは一話お試し読みを読んで下さい→https://t.co/QhCOic31uS— ふみふみこ@3/25『qtμt①』発売 (@fumifumiko23235) 2017年4月13日
本日はこの
「書店にあまりおいてない上、Amazon楽天もずっと欠品状態ですが、重版かからないと打ち切りという謎の状況」
漫画家(作家)が本を作って中身が完成してそれが世に出る事になった時、
同時進行で出版社内で行われているのが「部数の決定」です。
この本はどれだけ売れるだろう。
我が社の本はどれくらい売れるだろう。
この作者にファンはどれくらいいるだろう。
類書はどれくらい売れているだろう。
カバーの出来はどうだろう。
中身の出来はどうだろう。
事前の評判はどうだろう。
どんな人が買うだろう。
などなどなどなど、
まあ、いろいろ考えるわけですよ。
毎月たくさんの本を扱っているから、
数字のことはおおよそ分かる。
でも、作品のことは実はそんなに詳しくない。
当然だ。毎月かなりの量の本が出ているんだから、
そんなわけで部数はだいたい
・同一作者の過去実績
・類書の実績
さて、部数が決まったら営業は
これを「配本」って言います。
これを決めるのは営業部だったり、
でもわかりにくいのでその辺はスルーしてね。
全国で書店はだいたい13,000店くらいあるので、
この部数が多いのか少ないのかは、なんとも言えないですね。
ケースバイケース。分かりやすくするための数なので気にしないでね。
さーて、ではここで配本をするわけですが、
めちゃくちゃざっくり言って、
・実績配本
・均等配本
・傾斜配本
名前の付け方は仮です。
【実績配本】
その名の通り、実績で配本します。
シリーズ続刊だったら
「前の本が何冊売れたか」
4巻が2冊しか売れなかったのに、
5巻で50冊の注文を出しても2冊しかくれないよ。
読んで字の如く実績で配本するので、
続刊の時がだいたいこれです。
【均等配本】
全部のお店に均等に入れよう。という配本です。
今回のケースで言えば、
13,000店で13,000なので、
全部のお店に1冊ずつ送ろう!
でも、こんなやり方、ほぼ絶対にやりません。
売れる本が同じだなんてことは無いでしょう。
それぞれ得意不得意があるわけです。
じゃあ、得意なところにたくさん入れて、
不得意なところに入れるのやめようぜ。
というのが、三つ目です。
【傾斜配本】
もう、さっきほとんど全部書いちゃいました。
要するに、お店や地域によって配本数を変えるのです。
13,000部の本だけど、秋葉原でめっちゃ人気ある人の本だから、
秋葉原のオタク向けのお店4店舗にそれぞれ100冊ずつ置いてもらおう。
オタク向けのお店は全国展開していて、
それぞれのお店には15冊ずつ送ろう。
1冊か、送らなくてもいいや。仕方ないよね。
的なことをするわけです。
買いたい人と売りたい人のマッチングを考えるとこれがベターですね。
ん?
全部のお店に最低2冊は入れて、その上で秋葉原とかの量を増やせ?
刷って売れなきゃ赤字。
売れても刷った部数の5割は売れなきゃ赤字。
5割売れても5割じゃ続刊も無理。
って話だから、諦めてね?
さーて、そんなわけでいよいよ発売になった本。
当初の予想と少し違って、売ってみたら一般店で売れました。
なんかね、イオンの中に入ってる本屋さんで主婦が買ってるんだって。
ということは往々にしてあります。
でも、配本した時は秋葉原に傾斜をかけていたせいで、
イオンの中の本屋さんには2~4冊くらいしか入ってなくて、どこも完売。
「どこにも売ってないよー」の声があがりはじめます。
「売れてるし買えない人がいる。重版して!」
ところがどっこい。重版はできないのです。
読んで字の如く「市場に出回っているまだ買われていない在庫」です。
実は2,000部くらいになっていました。
池袋とか、大阪の日本橋とか、そのほか色々にも多めに送っているので、
13,000部のうち4,000部がそれらのお店に置いてあるのです。
もちろん、他にも置いているけれど売れていないお店はたくさんあります。
全部合わせて、2,000部くらい売れ残っているとしましょう。
するとどうでしょう。
世の中には「まだ6,000部の売れていない本がある」のです。
んで、これは「売れずに出版社に戻ってくるかもしれない本」なのです。
その状況で追加の重版はできないですよね……。
これが
「発行部数が少なく、書店にあまりおいてない上、Amazon楽天もずっと欠品状態ですが、重版かからないと打ち切りという謎の状況」
の正体です。
では傾向と対策。
そんなこと、言えるはずがないですよね。
「このお店で買うと栞がもらえるよ」
「このお店で買うと描きおろし冊子がもらえるよ」
「このお店で買うとサイン色紙がもらえるよ」
というのは、要するに
「このお店にたくさん本置いてもらうからそのお礼にいいものを付けるよ」
特典が付くお店には他のお店よりたくさん置いてある
=そのお店に行けば本を買える可能性が高い
のです。
この事実を知ってもらって、
店舗特典情報をきちんと出してもらうことがいちばん効果的です。
あと、例えば
「イオンに入れた4冊が1週間で3冊売れた」
と
「秋葉原入れた100冊が1週間で75冊売れた」
やばいです。100冊入れて75冊売れたら、即重版検討案件です。
しかも、秋葉原で売れたのであれば他のオタク街でも売れるのでは。
なので、オタク向けの本を描いていて、それを売りたいのであれば、
是が非でも「秋葉原で買え」というのがいちばんの効果を生むのです。
そうなんですよね。
読者にそこまで負担を強いるの、下の下ですよね。
買ってくれる人になぜ負担を強いるのか。ぷんぷん。
次善の策として、よく言われるのが「予約」です。
効果的な予約は、発売1ヶ月以上前にしないと、ほぼ無意味なのです。
本屋さんで売り切れてる本を予約して
「2ヶ月待ち」と言われたことありませんか?
あれ要するに
「出版社の手元に在庫無いから重版するか売れ残ったのが戻ってきたら送るね」
という状況なんです。
発売前の予約だと、配本時にその分の冊数が優先されます。
実は思われているほど冊数が極端に売れるわけではありません。
300とか500冊くらいで売れている方だと思われます。
なので、在庫切れは頻繁に起こるんですよね……。
みんなで秋葉原に行こう!
ちなみに重版については
http://anond.hatelabo.jp/20161218163305
を参考にするといいんじゃないかな。
都の交渉のトゥギャッターみてて、都とかそれに賛成している民主の意見きいてみると結局問題は
「・街の個人本屋がめんどくさいことをしたがらしない(薄利多売の書店業に身分証確認が邪魔)。
・小規模出版社(10人以下、いつでも潰れるがまた出てくる)が業界自主規制はなから無視して作った本が全国に普通に配本される。
というところみたい。
内容ももう古くなってるビニ本エロ本のしくみ「指定」を、今度はどう漫画アニメに受け入れさせるかってこと。
アングラについてはやっぱり自主的に逃げて「続きはウェブで!」ってネット課金化でもしたほうがいいんじゃないのかな(り○れあたりはけっこうとりくんでる、やっぱ大手ではないが中堅らしいよね)。それで逃げられればトーハンニッパン通すより経済的にも実は楽なんじゃないかな、これ。
そうなると、今の構図って「わかってて逃げまわりながらやってる確信犯出版社が大手にまで迷惑かけている」。しかし、都に簡単に個別撃破されそうでいて、小規模出版社に細かい需給をひろいあげてもらってきた経験が、作者と読者をしっかりつないでるから一枚岩なのですな。10社協定みてると「おれたちは関係ない」ってほっかむりするかとおもってたとこもちゃんと正面からうけとめた(リィド白泉あたりは切迫してそうだけど)
そうなのよ、買うほうからみても、アマゾンもコンビニも近所の書店もかかわるから大事なのよ。
逆に、うちの実家のど田舎みたいなとこは、逆転現象でアダルト専門店が先にぽつぽつできて、そこが普通のコンテンツも扱ってくれると便利という。細かい需給からなんでも始まってるんだ。
だから今後も気軽に成人向けに参入して売ってくれないかなとはおもうけど。
で、民主が賛成して可決する方針との一報あり。漫画は小説よりわかりやすいから(文脈的に実写のつぎに、小説よりも、というランク付けだ)ということをあげあしとりで漫画好きさんたちがあれこれいっているけれど、これはむしろ、誇ってもいいコメントだとおもう。
ああでも、ほんとに「いつもよんでるアレ」が今後も手に入りやすいように願います。
しょてんがんばれうんとがんばれ、アマゾンがんばれうんとがんばれ。
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読みたいときが買いたいときだからさ、注文してから時間のかかるboopleとかe-hon(トーハンのシステムに相乗りしてる?7andYも)は
あまり相性がよくないんだよね。書店に行くのが一番いいとは俺も思うんだけど、なかなか足が向かなくなったなぁ。本は買ってるけど。
ただ、以前より買い漏らしは多くなった。初刷にそんなにこだわらなくなったってのはあるんだけど。bk1、ほどほどに早く、ほどほどに
還元率がよく(反映は遅いね)、ほどほどに梱包・配送もよいということで俺的最強となりました。
楽天ブックスは以前使ってたんだけど、コンビニ受取の決まりが少し変わったときの対応で悪い印象を持って以降は一度も使ってないや。
http://anond.hatelabo.jp/20070622143857
増田を起点にDL論争が勃発しているが、そして似た話が前にも紛糾していた気がするが、
供給側の主張を易々と受け入れて倫理として取り込み、他人に説教までしてしまう人がここ増田にもかなり多い。見た感じ2:8ぐらいで供給サイド優勢といった感じ。
まったき消費者なんていないという増田がいたけど、まったき生産者もいない。むしろ生産の対価の9割がクリエイターにわたらず権利団体や流通など中間マージンに消えていて、その取り分を享受しているインサイダーなんて増田にいるわけもないのに(増田がトーハンの経営者一族とかJASRACの役員だというなら話は別だけれども)、この中間マージンがこれほどの規模のぼったくりになったのも歴史上かつてないというのに、そのボラレぶりを多くの人が所与のものとして内面化してしまっている。この事態に至るまでに100年かかってないというのが何より驚異的。
「美しい国」なんつって今は笑ってられるけど、何年かすると本気ワードとして内面化する世代が現れるんだろう。
教育というのは恐ろしい。