「書籍流」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 書籍流とは

2021-05-10

お気持ち抜きで語る「本屋で買って」請願

ツイッター漫画家が「リアル書店で発売1週間以内に注文するのも含めて買ってくれ~」というのをわざわざ4ページも漫画を描いてお願いしていたのを「業界がまるでなってない」旨のごもっともな引用リプで伸びてましたね。こんばんは。その書店最前線アルバイトをしているアマ漫画描きです。

あの引用リプを食らって「すっげえわかる……ただ何もやってないわけじゃないかお気持ち抜きなら聞き入れてもらえるかなあ」と長文をしたためることとしました。長くなるので論文スタイルにならって先に何言うかざっと並べておきます。太字のとこだけ覚えて帰ってね

=====

一応、自分コミック担当なので語りがコミック話題に寄りますのでそのつもりで後は読んでください。あと取次系通販こち

HonyaClub https://www.honyaclub.com/shop/ (取り扱い店舗 https://www.honyaclub.com/shop/store/search.aspx)

e-hon https://www.e-hon.ne.jp/bec/EB/Top (取り扱い店舗 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SF/Search)

初速は正義~なんだKADOKAWAそのムラは~

初速売り上げ…すなわち発売して間もない期間での売り上げ部数というのは書籍流通にかかわる全員にとって重要指標です。書店員は作品認知度や以降の追加注文数をはかるために初週売り上げ部数の数字を注意深く追っています。たとえば発売4日か5日後に売り切ってしまった場合は大急ぎで追加注文を入れますし、発売日の入荷数として見積もりが少なかったという事実を受け止め次巻発注は強めに出さなければなりません。

読者をないがしろにするわけではありませんが、ネット通販で熱心に作品を追う読者よりもリアル書店書店員に作品名が覚えられているほうが大きい効果が出ます。このあたりは先に上げた漫画にもあったと思いますが、続刊が来た時に刷り部数を決めるのは当然取次から発注数…つまり全国の書店からの注文の集約数です。自分からすれば注文した数から減らされるわ、角川エースとかそもそも注文させてくれないわ色々言いたいことはあるのですが、とにかく発売日が来る前は書店からアプローチ作品の如何を図るバロメーターなのです。いやほんとKADOKAWAくんさあ前巻の売り上げに対して減らしすぎなのと売れないやつめちゃくちゃ送ってくるのなんなの…

書店員の心象がわかりやすくよくなる方法が「初速でよく売れる」なので、あの漫画あんなことをお願いしたわけですね。自分からすればあのお願いの仕方はネット民に撒く餌としては仕掛けが甘いと思いますね。ツイデモのせいで見誤ったのでしょうがTwitterちゃんと聞き入れてもらえるのは日本一世論に効くお気持ちではなくてこの後書く読者側にもたらされるメリットを説くほうなんだよなあ…

レジ来なくても書店予約と同じインパクト!取次系通販

何度も例の漫画をあげつらうのもアレですが、あの漫画を描いた方KADOKAWA系列コミック出してるんですよ。じゃあなぜカドカワストアと取次ネット通販を紹介しない??お店の人にこの番号見せてね!とか漫画描いてないでカドカワストアのリンク張りなさいよ…

カドカワストアはその名の通りKADOKAWA運営する通販サイトです。素直に言いますが手練れのアニメオタクはこういうメーカー通販使うほうが楽だと思います見出しにある取次系通販というのは、ちらほらと出てきていた取次の運営するネット通販サイトのことを言っています。今回これを書く最大のポイントであり、例の漫画がなぜ取り上げなかったんだと憤慨しているのがここです。

この取次系通販、一番のメリット書店で受け取る場合はいかなる場合も送料がかからないことです。コロナステイホームで若干意味合いが薄れてしまいましたが、ネット通販のウィークポイント「送料」「宅配の受け取り」の2点をかなり軽々と克服できるわけです。ほかの通販と違って段ボール個別包装ではないのですが、書店店頭で受けられるサービス問題なく同等に受けられますブックカバー(紙)はもちろん、自分の勤める店はラッピング無料なので京極夏彦作品10ラッピング無料です。

ちょっと前は新刊予約が弱かったのですが、ここ最近になってかなり予約の融通がきくようになりました。お店に来なくてもジャンプコミックスの予約ができるよ!ただし超人気どころは早期に終了するのでお早めに(直近だとウマ娘シンデレラグレイ呪術廻戦はレーベル同発のうち唯一予約が締め切られた)。作家にとってはAmazonリンクを張るのと変わらないのでは?と思われますが、取次系通販を使って書店受取してもらうと書店の売り上げにカウントされます。割と続刊発注の参考にされますし、運がよければ棚常備も夢ではありません。作家よ、Amazonをやめて取次系通販リンクを張るのだ。

いいところだらけみたいに言ってますがそれなりに弱点もあります。まず当然ですが自宅や勤務地の近くに本屋がなければ店頭受け取りのメリット享受できません。受取に使えるのは本屋だけなので、コンビニいくらあってもどうにもなりません。その場合宅配に切り替えることとなりますが、送料ボーダーが2000円です。一度に4冊5冊コミックを買ったり、専門書を買う人だと痛くはないのですが、いつもヒロアカだけ買ってるみたいな少額のカジュアルユーザーには不利です。専門通販の弱さが如実に出てます

あと利用する場合全員にかかわるところでは、近所の本屋がどの通販サイト対応しているか調べる必要があります。1つの書店基本的に1つの取次からのみ書籍を入荷しています(例外はあるにはあるのですが、近年取次による書店チェーンの買収が相次いでいるため考えるほとでもありません)。なのでそのサイト運営している取次と取引してないと「受取店舗選択」で目標書店が出ない可能性があります。注文よりも先に対応店舗チェックを怠らないでください。2サイトなのにリンクが4つもあるのはそのせいです。多分受取場所指定しないと注文確定できないのでとにかくネット通販は落ち着いてやりましょう。

Amazonはよせ…デフレ脱却したら急にトドメ刺されるかもしれないぞ

トドメを刺されるのは読者じゃなくて作家側なんですけども…お気持ち抜きと言いましたが、最後ここだけ持論が入るので「お気持ちじゃねえか!」と言われればぐうの音もでません。すんません

正直なところ、ツイッターで作者本人が新作告知するときAmazonリンクツイートしてるのですが「よしてくれ…」と常々思ってるんですね。まあ書店員なので食い扶持がどうのというんじゃないだろうな?と疑われるやもしれませんが、そっちよりも困ることがあるんですよ。

言いたいことは単純で「文化資本流通外資に握られるのまずいよな」ということです。直近ではアニメ業界チャイナマネーが流れ込んでいて内容に物言いがついたとかいう噂もどこかで聞きますが、日本日本ユーザーに向けてもの書いたり作ったりするのに何故か海外基準規制がかかることになっては困るんです。

日本は本当にヤバそうな表現性器モザイク修正を除けばかなり表すことには寛容な法運用をしてるのはご存知かと思います。日々増田で繰り広げられる議論にはヒヤヒヤしていますし、そろそろ六法に「週刊文春Wedge関係者は年1回殴ってもよい」と書き加えてほしいのですが、それでも書くこと考えることそのもの否定するつもりはありません。だってその刃を向けたとて、次には自分に向けられるものエスパー真美の「くたばれ評論家」が最近期間限定公開されたとき話題になりましたが、頑張って作った作品が誰かになじられても「このやろう!」と腹を立てて、それでおしまいなんですよ。出した側と受け取った側にそのコミュニケーションが生まれただけなんですよ。それを送り合う人同士のコミュニティに対して横から火炎放射器で村ごと焼かれるようなことされるわけにはいかないんです。

紙の本だけの話ではなくなりますが、日本語の電子書籍を売ってて、ある日Amazonからワシントン州でこの表現規制されることになったので、今日から販売停止です」とか言われても日本からじゃ抗議のしようがない。たとえ話としては飛躍しすぎてておかしいとは思いますが、売り上げの一部はちゃん本国に行ってるわけで「全く縛りはうけない」とは言い切れないです。もう一段飛躍しますが海外基準規制が入ったときには日本国内表現規制過激派活動団体が勢いづいて手が付けられなくなると思います海外のものは何でも先進的だと思われてるので普通に無敵突進してきます

とにかく、初速の大切さもそうなんですが、作家側は中長期の視点に立った見通しが弱いんです。国内流通に本を流しているのだからもう少し現在システムとか問題点とか勉強してもらいたい。というか本来作家がそういうこと考えなくていいようにするのが出版社であり編集者なので、今回の件業界側は作家にああい漫画描かせてしまたことを猛省してください音楽業界はLinkfireでストリーミングサイトへのまとめリンクページを作っていますが、出版社側であんな感じのランディングページ作るとかやれることはけっこうわかりやすく残ってるはずです。

最後見出しの「デフレ」の件はかなり蛇足なので流し読みしてほしいけど書いときます。完全に自分の所感ですが、いまリアル書店ギリギリ残ってるのは「マジョリティがまだまだITオンチ、あと送料も惜しいほど手持ちがない」からではないかと感じています。いつデフレ脱却を達成しITオンチがいなくなるかわかりませんが、もし達成したその時にネット通販勢力図次第では日本らしい漫画アニメのありかたを否定されてしまうだろう…そう思いながら明後日レジに立ちます

2019-05-17

anond:20190517191449

日本書籍流通って特殊なので、どんだけ売れるかが出版社の手腕によるものだってのは当たってるよ。とくに初版が1000、2000ぐらいの本だと尚更。

あと紙の本の初版発行数と電子書籍販売数は合体してないから、「本当にどのぐらいの人が読んでるか」って答えは簡単にはでないんだよなー。

2017-10-03

anond:20171003144541

角川さんは書籍流通に乗せてほぼ定価販売BD付き書籍売りまくっているのに、逆噴射する理由として、憶測されている理由はあまりに弱いと思うんだけど。

2013-12-16

街の零細書店は、アマゾン侵食されなくても、高齢化後継者難で、どのみち潰れる運命だった。

【10月27日の自分ツイート転載

★「Amazonのせいで街の零細本屋が潰れた」という「分かりやすい説明」が受けるが、

 街の零細本屋Amazonが伸びなくても早晩廃業してた筈。個人経営主が高齢化して後継者いないか

 /“なぜ、Amazonで本を買わないの?” http://htn.to/xz9JM5

★@sutannex 多分本屋業界に限らず日本の個人小売業共通。

 高度成長期に創業した個人商店主が丁度リタイア時期。

 子供が継がなければそのまま廃業。早晩廃業する予定だから、売上アップにシャカリキにならない。

 Amazonの普及は個人商店、個人経営商店の廃業を体よく後押ししただけ

高度成長期に成立した社会システムは、次世代が継がない限り、団塊世代鬼籍入りと共にフェードアウトする。

 個人経営商店、個人経営工場、個人経営工務店という存在も、あと10年もしたら後継者難で激減する

★「日本人書籍離れ、Amazonの普及が街の本屋を壊滅させた」という論調は皮相的。

 Amazonが普及しなくても、経営者高齢化して後継者がいない街の本屋の減少トレンドは変わらなかっただろう。

★むしろ、個人経営商店インフラ後継者として「Amazonという書籍流インフラ」が出現した書籍業界は「恵まれた方」だ

★個人経営商店主が鬼籍に入ったあとに後継するプレーヤーがいない業界が一番問題。

 日本中小企業メーカーの大半は、経営者鬼籍に入ったら廃業に追い込まれる。日本のモノ作りの基礎体力が低下する(モノ作りインフラ崩壊

自分関係する住宅業界の隠れた課題、最大の課題はこれ。

 いわゆる「棟梁」「工務店」の後継者が不足している。このままでは「家を作りたくても、建てる人がいない」ということになりかねない

宮脇書店とか、地方でも法人組織書店は生き残ってる。

 零細本屋廃業理由は、「本が売れないから」というより、「後継者問題をクリアできない個人商店限界」だと思う

  / “なぜ、Amazonで本を買わないの? - 琥珀色の戯言” http://htn.to/xSRrTp

★たとえば、個人経営が多い「そば・うどん屋」って、ものすごい勢いで廃業してる。

 しかしその理由を「日本人のそば・うどん離れ」とか「丸亀製麺のせい」と分析するのはトンチンカン

 「零細本屋が潰れるのはAmazonのせい」と言うのは、それと同じくらいトンチンカン

★まあ丸亀製麺が伸びたのは、個人経営のそば・うどん屋が激減してると言う供給プレーヤーの変化を巧く捉えた、と言う面もある

駅前不動産屋とか、そろそろ創業者が70代でリタイア時期。多分、大手仲介会社が伸びるんだろうな

★いわゆる「街の電器屋さん」も、そろそろ代がわりの時期。ヤマダ電機が伸びなくても、早晩廃業する運命にあった

★今の団塊世代までは、実家の大半は農家だった訳。農家は一種の個人事業主で、組織人じゃない。

 「個人事業主ネイティブ」な団塊世代は、高度成長期結構個人商店開業した

しか団塊ジュニア世代になると、企業勤めがポピュラーになり「組織ネイティブ」になってくる。

 そうなると成人しても創業あまりしないし、のみならず個人商店の息子も跡を継がずに組織に入ったりする

後継者不足問題が一番深刻なのは間違いなく農業日本農業はTPPなんかには関係なく、後継者難で失速する

★「低い低い」と問題視される日本カロリーベース自給率だが、曲がりなりに40%程度を維持してるのは、

 昭和一桁な高齢農業者が頑張ってコメ作ってるから。彼らが鬼籍入りしたら、TPPに関係なく自給率は更に激減する

2010-01-31

ttp://twitter.com/sasakitoshinao/status/8445980851

取次が総量規制をはじめると何がたいへんなのか、出版海外の人にもわかるように説明します。

書籍は委託制で販売されています。つまり出版社は本を取次に委託し、取次は書店に委託する。

たとえば卸値500円の本を1万部刷って、出版社が取次に卸します。この際重要なのは、売れた分だけ取次からお金をもらうのではなく、取次に委託した分すべての金額をいったん取次から受け取れること。つまりこのケースでは500万円収入

でも仮に1万部のうち書店で5000部しか売れず、残り5000部は返本されたとします。そうすると出版社はこの5000部分の代金250万円を、取次に返さないといけない。これはたいへん!

そこで出版社はあわてて別の本を1万部刷って、これをまた取次に卸値500円で委託します。そうするといったん500万円の収入になるので、返本分250万円を差し引いても、250万円が相殺されて入ってくる。

これこそが永江朗さんが言っている「本の金融化」といわれる恐ろしい状態。出版社は返本分の返金を相殺するためだけに本を刷りまくるという悪のスパイラルへと陥っていくのです。

ここで取次側が総量規制をするとどうなるか。出版社の側は返本分をカバーするだけの新刊本を取次に卸せなくなり、これによって取次に返金しなければならなくなる事態が、ついに到来してしまう。

自転車操業だった出版社の中には、返金できなくて資金ショートするところも出てくる、ということです。

取次はこれまでは書籍流プラットフォームとしてお金が集まっていたので、なんとかこのバブルを維持できていましたが、出版業界全体が縮小する中でそろそろお金を回せなくなってきている。

もう「本の金融化」を維持させるだけの体力がなくなりつつあるということです。これがバブル崩壊。バン!で出版社が次々に倒れていく最初の兆候。以上、説明終わりです。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん