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2024-06-18

プロジェクトX、出演NGなのでは。あるいは富士通半導体の敗北の歴史

富士通忖度してるとか言ってるけど、あれ、普通に取材NGだったんじゃないかな。

当時の経緯を知ってると「私の名前は出さないでください」ってなったとしても不思議じゃないと思う。そうなれば当然NHK富士通も触れないし、本人が拒否したんですなんて発表するわけもないし(例え親族が声を上げたとしても)

コンピュータって、富士通半導体最後打ち上げ花火だったんだよ。

当時の話

京の開発が進み、実際に生産されるころは、経営方針として富士通半導体撤退をするかどうかで揉めていたころだった。

コンピュータは、富士通自社工場で作った最後スパコンであると同時に、国のトップ開発のHPCにおいて、富士通が単体で作り上げた初めてのHPCでもあった。

これは、富士通が優れている、というよりも、逃げ遅れたと表現してもよいかもしれない。HPCプロジェクトからは、NEC東芝が次々と撤退していたのだ。

当時半導体の重い投資に堪えられなくなった電機各社とその銀行団は、自社から半導体部門、少なくとも工場を切り離したがっていた。まさに、それどころではなかったのだ。

しか富士通はまだ撤退決断せず、他社とは一線と画した対応をしていた。

ようにみえた。

富士通撤退戦を開始

コンピュータCPUは、45nmのプロセスで作ると言うことで言っていたためか、富士通はなんとか自社で開発した。けれど、京に乗せたプロセッサ最後になった。次のプロセスは開発されていない。

https://news.mynavi.jp/techplus/article/architecture-467/

さらに、当時、45nmのプロセスは安定して無い状況で無理矢理作ったと言う話もあったはずだ。これは京コンピュータ以降はTSMC委託することが決まっていたため、既に投資が絞られていたためでもある。

(後にTSMC版の進んだプロセス製造されたSPARCを使ったミニコンピュータが何個か作られたのだが、ノード辺りの性能が30%以上アップしたと言う。これはプロセスが細分化された以上の性能向上であった)


富士通が、自社の半導体部門富士通セミコンとして切り離したのが2008年。京コンピュータ用のプロセッサ生産したのが2010年三重工場であった。

その三重工場2013年さらに別会社として切り離され、現在は完全に売却されて富士通に残ってない。

また、同じく半導体工場としては福島県の會津富士通があったんだが、その時の工場撤退エピソードは、今でも大企業黒字でも簡単工場撤退させる事例として有名になった。かなり悲惨事態だったと言える。

そうして重荷になっていたとされる工場を切り離しファブレスに近い業態にしたのは、富士通半導体を残すためだったと思われる。

しかし、そうした建前などなかったかのように2014年にはシステムLSI/SoCの開発部隊分社化を決定。それが現在のソシオネクストであるPanasonicLSI部隊と合弁した会社で、分離した当時、富士通設立当初40%の株式を保持していたが、現在は完全に売却してしまった。

現在富士通半導体部門はFeRAMや光回路用の超特殊ものを除いて完全売却で撤退している。


なお、その後、ルネサステクノロジ(※富士通は合弁に参加していない)が組込向け半導体でほぼ世界首位と同率2位まで上り詰め、国内半導体必要性が新たに叫ばれTSMC国内半導体工場建設。Rapidusという日米政府が関わる半導体企業ができる流れになっている。もし将来、RapidusがプロジェクトXになるときには、大手電機産業からリストラされた技術者達の奮起という文脈が語られそうな気がする。閑話休題

2012年。京が世界一を取ってその後、富士通半導体の敗北が確定した年

件の方がご退任をされたと言う2012年は、半導体さらなる切り離し、売却などの決断と、次期スパコン(つまり富岳)がSPARCを捨ててARMになるという決断が行われた年であったと考えられる。(発表は後になる)

半導体を専門にされてずっとやってきた方には堪えられないもだったのではないかと拝察する。仮に、思い出したくもないし、宣伝にも使われたくないと判断されても仕方がないことでは無いかと思う。(もちろん 出演NGされたと言うのはワイの妄想なので注意)


その後、富士通SPARCを使ったUNIXサーバーを作り続けてはいたが、大きくアーキテクチャ改善する開発は行われないまま(保守設計は続けられていたが)メインフレームとともに撤退が発表された。これはやむを得ないことだろう。

また、ARM化された富岳は、確かに能面や利用面、汎用性では高い成果を出したが、富士通ビジネス的にはさっぱりだったと思われる。


アーキテクチャARMに切り替えた理由は、ビジネス面でもあった。高性能タイプARMを作ることによって、旺盛なクラウドDC需要などに対して食い込んでARMサーバを大きく拡販していくことだったと思われる。

が。富岳に乗せたARMプロセッサを利用した波及製品はみられなかった。

なぜか。それはAWSMS AzureGoogleなど膨大な需要を持つ企業は、需要が巨大すぎてARMが搭載されたコンピュータを買うのではなく、自社でARMIPを購入し独自開発することを選んだためである

彼ら相手には商売にならなかった。それ以外のクラウドベンダーは無きに等しい。ARMなどアーキテクチャが影響しないのはPaaS以上の象徴度を持つサービスだが、寡占状態にある大手以外まともに提供出来ていないため、市場が無いのだ。


ただし、この時富士通ARMの競業によってARMは成果をあげた。アウトオブオーダー実行など、ARMは高性能コンピュータ必要技術富士通から取り込んで現在に至る。

それ故、富士通商売は上手くいかなかったが、世の中的には良かったとは言えるのではあるのだ。そのIP大手クラウド各社は自社向け半導体を作って商売をしているのだから

エピローグ または今後について

今、富岳の次のHPC予算要求の山場を迎えている。

https://newswitch.jp/p/41595

から今のタイミングプロジェクトXに乗ったのだと思うが、綺麗事では語れない話がたくさんありすぎる。


受注はまず間違い無く富士通だと言われている。と言うのは、開発の一部は既に行われているから。

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2310/12/news074.html

そして、国内にもう国産HPCを作ることの出来る会社NEC富士通ぐらいになってしまったためである

富士通は新しいHPCは1位を目指さないかもしれないという考えから計算効率の方に大きく振った開発を進めおり、国内トップHPC採用されたという実績を背景に売り出そうというつもりではあると思われる。富岳の夢再び、だ。

しかし、富士通は今年1月ハードウエア会社を分離した

https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/special/1560540.html

この新会社、分離時には綺麗事を書いてあるが、

https://www.fsastech.com/about/

ご覧の通り、富士通ブランドを一切使っていないのだ。既存商品から富士通マークを取り払っている。さらに、会社概要株主欄がなく、富士通名前が出てこない。(他の関連会社はそういった記載がある)

半導体がどうなったかの流れを知っていると、暗い予感しかしない。

そして、HPCレイヤーの低い、ハードウエアに近い部分、さらメカニカル設計や冷却など物理的な部分のノウハウが多く必要とされる。それを富士通分社化して製造能力を失っていく中で、果たしてまともにHPCが作れるのだろうか?

さらに、確かに2010年代半ばのころはワークロード不足に陥ってコンピュータは安売りに陥っていたが、現在AIと言う巨大な需要が生み出され、価格回復ハードウエアが再び重要と考えられ始めている。ハードウエアと同時に提案できる能力が強みになりつつある。

しかし、既に富士通はそれらに対応するための強みを、はした金と決算数字をよくするためだけに売り払った後である案の定、粉飾紛いの異様に高い目標に対して、結果が出ないと言う発表を繰り返している。

富士通アクセンチュアを真似ていると言われる。以下の記事にはこうある

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00848/00049/

目指す先はアクセンチュア富士通が主力工場を総務に移管する理由

時田社長2019年9月に開いた初の記者会見で「開発製造拠点をどう整理するのか」という質問に「既に方向は定まっている。後は状況判断と時期の問題富士通サービスに集中する企業になる」と応じていた。

時田社長方針は「アクセンチュアにないもの富士通もいらない」とみてよい。

そこまでやったのに、ここ3年ほど株価は伸び悩みが続いている。アクセンチュアの真似をしますと言ったときは撥ねたがが、その後は同業他社業界全体の株価上昇率に及ばない状況が続く。
それはそうだ。アクセンチュアの真似をしていてはアクセンチュアには勝てない。まして工場売却を通じ、元々の強みを捨て弱みまでアクセンチュアの真似をしているのだ。富士通この先生きのこるにはどうすればいいのか?


これがプロジェクトXの真のエピローグではないかとワイは思いました。

2020-12-19

日本半導体産業年代記

以前にこんな日記を投下した半導体業界人増田です。

https://anond.hatelabo.jp/20200813115920

https://anond.hatelabo.jp/20200813164528

久々に日記を書きたくなったので、今回は方向性を変えて年代記風の記事を投下してみます

私自身は業界の全盛期である80年代~90年代前半を経験しておらず、当時の状況を記述するのに十分な知識がないため、その時代については省いています

ということで、私がこの業界に入ることになる少し前の90年代半ばから物語を開始します。

工場呼び名企業の再編によって変わる事が多々あるので、原則立地で表記している。

1990年代半ばごろ 時代の転換点

80年代後半に栄華を極めた日本半導体産業であったが、日米貿易摩擦の影響で一時に比べて勢いを失っていた。

また、韓国企業の台頭により得意分野のDRAMの雲行きが怪しくなり始めたのもこの時期である

(余談だが、日本半導体衰退の原因としてよく話題に上がる韓国での週末技術者バイトさらに昔の話である。このころにはすでに強力な競合に育っていた。)

とはいえ世界的にみると日本の電機メーカー資金力・技術力ともに上位であり、一時的不況を乗り越えさえすれば再び繁栄が訪れると誰もが信じていた。

そんな時代背景の元、日本企業貿易摩擦に対抗しつつ、さらなる勢力拡大を図るため、自動車産業成功例に倣い世界各地で現地生産を進めることで変化に対応しようとしていた。

北米進出歴史
企業進出設立
NECカリフォルニア州ローズビル1981
富士通オレゴン州グラシャム1988
三菱ノースカロライナ州ダーラム1989
日立テキサス州アービング1990
松下ワシントン州ピュアラップ(National Semiconductorより買収)1991
東芝ヴァージニア州マナサス(IBMとの合弁でドミニオンセミコンダクタ設立) 1996
欧州進出歴史
企業進出設立
NECリビングストン1982
日立独 ランツフルト1990
三菱アーヘン1990
富士通ダーラム1991
アジア進出歴史
企業進出設立
NEC中国首鋼集団と合弁工場設立1991
三菱台湾力晶半導体(Power Chip)と提携DRAM技術供与1994
東芝台湾華邦電子(Winbond)と提携DRAM技術供与1995
沖電気台湾南亜科技(NANYA)と提携DRAM技術供与1995
日立新日本製鉄及びシンガポール開発庁と共同出資シンガポール工場建設1996

1998 ~ 2002 終わりの始まり

Windows95ブーム終焉による半導体のだふつき、アジア通貨危機後の韓国メーカーのなりふり構わぬ安値攻勢、ITバブル崩壊による半導体需要の激減と、短期間で何度も悪化する半導体市況。

次第に半導体産業は将来性を危ぶまれるようになり、成長分野から社内の『お荷物』とみなされるようになっていった。

かつて半導体事業の中核だったDRAMは、優位性を失い韓国企業覇権を譲り渡してしまった。

資金面でも徐々に脱落するメーカーが現れ始める。はじめについていけなくなったのは、バブル期事業多角化を進めて半導体新規参入した鉄鋼メーカーだった。

続いて総合電機各社も規模縮小に向かう。世界中に作った半導体工場投資の回収ができないまま次々と閉鎖されていった...

工場の現地化の試みは失敗に終わり、10年程度という短い期間での工場立ち上げ・閉鎖はマンパワー資金の浪費に終わった。

こうして各社は体力を削られ、余力を失っていくのだった。

1998

新日本製鉄館山半導体工場台湾UMCに売却

三菱北米拠点ダーラム工場を閉鎖

日立北米拠点アービング工場を閉鎖

松下北米拠点ピュアラップ工場を閉鎖

富士通欧州拠点ダーラム工場を閉鎖

1999

新日本製鉄シンガポール半導体工場株式日立に全額譲渡

NKK綾瀬半導体工場キヤノンに売却

富士通DRAM撤退

NEC日立DRAM事業統合を決定。エルピーダメモリ設立

2000

神戸製鋼、米TIと合弁の西脇半導体工場を米Micronに売却

日立台湾UMCと合同で初の300mmェハ(従来の主力の直径200mmのウェハから2.25倍の面積になり、ざっくりいえば同じ工程数で2倍程度のChipが取れてコストを削減可能現在に至るまで主流のウェハサイズ。)を使用する工場トレセンティテクノロジを常陸那珂設立

2001

東芝DRAM撤退北米拠点ドミニオンセミコンダクタを米Micronに売却。

ソニー熊本に300mmのイメージセンサー工場建設

2002

NEC欧州拠点リビングストン工場を閉鎖

富士通北米拠点グレシャム工場を閉鎖

NEC、非メモリー半導体事業分社化NECエレクトロニクスを設立

2003 ~ 2007 反転攻勢

繰り返す半導体市況の激しい変動も落ち着きを取り戻し、待ち望んだ好景気がやってきた。

90年代後半から不況で体力を消耗した日本企業だが、いまだ技術力は健在。

からブームとなっていた『選択と集中』を合言葉に、各社の得意分野に集中投資だ!

パソコンではアメリカ企業に後れを取ってシェアを失ったが、液晶プラズマをはじめとするテレビDVDレコーダーデジカメ等、日本お家芸である家電デジタル化が進展する今こそ最大のチャンス!

さらに、世界中で規格が共通化された第三世携帯電話が普及すれば、圧倒的な先進性を誇る日本携帯電話が天下を取れるのだ!半導体復活の時はついに来た!!!

製造業国内回帰の波に乗り、生産性に優れる300mmウェハの工場をどんどん建てて再起をねらうのだ!

2003

日立三菱ロジック半導体事業統合世界三位半導体メーカールネサステクノロジ誕生

富士通、米AMDNORFlashメモリ事業統合Spansion設立

エルピーダ三菱電機からDRAM事業譲渡日本の残存DRAM事業が集約。新社長を外部招聘し、反転攻勢開始

東芝四日市に300mm対応NANDFlash工場四日市第3工場建設開始

東芝大分に300mm対応の先端ロジック工場建設開始

NECエレ、鶴岡に300mm対応の先端ロジック工場建設開始

ソニー長崎に300mm対応の先端ロジック工場建設開始

2004

ルネサス三菱時代から欧州拠点アーヘン工場を閉鎖

エルピーダ東広島に300mm対応DRAM工場建設開始

東芝大分の300mm工場が稼働

NECエレ、鶴岡の300mm工場が稼働

富士通桑名に300mmの先端ロジック工場建設開始

Spansion会津若松に300mm対応NORFlash工場建設を発表

松下魚津に300mmの先端ロジック工場建設開始

ローム浜松に300mm工場建設

2005

エルピーダ東広島の300mm場が稼働

東芝四日市第3工場稼働

ルネサスUMCからトレセンティテクノロジの持ち株を買収。完全子会社

ソニー長崎の300mm工場が稼働

富士通桑名の300mm工場が稼働

松下魚津の300mm工場が稼働

2006

東芝四日市に300mm対応NANDFlash第4工場建設開始

富士通桑名に300mm新棟を建設開始

エルピーダ台湾力晶半導体と共同で台中DRAM工場建設

2007

Spansion会津若松の300mm工場が稼働

東芝四日市の300mm第4工場が稼働

富士通桑名の300m工場新棟が稼働

2008 ~ 2015 暗黒時代

2000年代日本企業の反転攻勢は、リーマンショックで終わってしまった。

日本の電機業界が成功を夢見たデジタル家電韓国勢との競争に敗れ、携帯電話でも海外展開に失敗した。

90年代から繰り返し計上してきた赤字と、2000年代の大規模投資を経た今、半導体工場への投資継続する資金的余力はもはや残っていなかった。

不採算部門とみなされるようになった半導体事業設備投資が止まり建設されてからわずか数年で時代遅れとなってしまった。

これ以降は、東芝NANDFlashメモリや、ソニーイメージセンサーといった競争力を維持している分野、また旧エルピーダDRAM工場といった外資資金を得た分野のみが投資継続されることになる。

2008

ルネサス日立時代から欧州拠点、ランツフルト工場をLファウンドリーに売却

日立シンガポール工場シンガポールチャーターセミコンダクタに売却

ソニー長崎の300mm工場東芝に売却

ローム沖電気半導体事業を買収

2009

Spansion倒産

2010

ルネサスNECエレが合併世界第三位半導体メーカールネサスエレクトロニクス発足。フィンランドノキアからモデム部門を買収。

東芝四日市に300mmのNAND製造第5工場建設開始

米TI、Spansion会津若松の300mm工場買収

2011

ルネサスエレ、NEC時代から北米拠点ローズビル工場を独テレフンケンに売却

ルネサスエレ、1400人リストラ

東芝四日市の300mmの第5工場が稼働

ソニー長崎の300mm工場東芝から買戻し

オン・セミコンダクター三洋電機半導体事業を買収

2012

エルピーダメモリ倒産。米Micronが買収

ルネサスエレ、7500人リストラ

富士通岩手の200mm工場デンソーに売却

2013

東芝四日市の300mm第5工場2期工事開始

ルネサスエレ、ノキアから買収したモデム事業から撤退さらに2300人リストラ。またNEC時代中国の合弁を解消し撤退

富士通マイコンアナログ事業を再建したSpansionに売却

2014

東芝四日市の300mm第5工場2期分稼働。200mmの第2工場を300mmに建て替え

ルネサスエレ、年2回のリストラで約1000人削減

Panasonic半導体工場をまとめてイスラエルTower Jazzに売却

ソニールネサスエレから鶴岡の300mm工場を買収

富士通桑名の300mm工場台湾UMC出資受け入れ

2015

ソニー東芝から大分の300mm工場を買収

ルネサスエレ、1800人リストラ

富士通PanasonicSoC設計部門統合、ソシオネクスト設立

2016 ~ 再編ひと段落?そして現在へと続く道

この時期に至ってようやく主要半導体メーカー工場再編が一通り完了し、現在につながる枠組みがほぼ出来上がった。

リーマンショック後の大規模再編で日本企業世界地位はかつてないまでに低下し、国内工場においても外資系の傘下に入るところが増えた。

現在半導体の先端工場継続投資できる日本企業は、イメージセンサーに強いソニー東芝メモリ事業を引き継いだキオクシアだけである

はたして日本半導体産業は今後どうなるのだろうか?再び世界に飛躍する日はやってくるのだろうか?

2016

東芝四日市の第2工場建て替え完了大分岩手の200mm工場分社化ジャパンセミコンダクターを設立

2017

東芝本体粉飾決算あおりを受けてメモリ事業分社化東芝メモリ設立四日市に300mmの第6工場建設開始。さら北上市に300mm新工場建設

ルネサスエレ、米intersilを買収

2018

東芝メモリ四日市の第6工場が稼働。多国籍連合ファンドパンゲアから出資を受ける。

富士通桑名の300mm工場台湾UMCに売却。また、会津若松の200mm工場も米オン・セミコンダクターに売却。

2019

東芝メモリ、キオクシアに社名変更北上工場稼働

Panasonic、残ったマイコン等の事業台湾Nuvotonに売却して半導体から撤退

ソニー長崎に300mm新工場建設開始

Micronエルピーダから買収した広島工場拡張

ルネサスエレ、米IDTを買収

2020

キオクシア、北上に300mm第2工場建設開始

東芝本体SoC部門撤退で770人リストラ

2021

キオクシア、四日市に300mm第7工場建設開始予定

2018-09-12

戦術レベルの敗退を繰り返してじり貧になったNEC

昔の格言か何かで、『戦略レベルミス戦術レベルでは取り返せない』というのがある。

かに、近年電機業界で大きな損失を出した会社を見てみると、この戦略レベルミスが非常に目立っておりなるほどなと思う。

プラズマディスプレイ社運をかけて大赤字を出したPanasonicPioneer、巨額の開発費をCell Processor投資して爆死したSONYWestinghouseの買収でやらかし東芝等。

ところが、最近増田話題NECを調べてみると、こうした会社とは不振の状況が違うように思えてきた。

なんというか各事業競争力を失って徐々に敗退していくというような。言い換えれば戦術レベルの敗北を繰り返してじり貧になったとでもいうか。

半導体がらみの仕事をしていてNEC事業所にも出入りしていたことがあり、個人的にも興味があったので歴史を少しまとめてみた。

なお、この記事を書くのに参考にしたのは下記NECIRで、1990年からの業績データと、1995年から会社紹介資料が閲覧可能

https://jpn.nec.com/ir/index.html

NEC 事業撤退歴史

1999年 半導体メモリ事業日立統合して分社化。後のエルピーダメモリ2012年経営破綻

2000年 家電部門NECホームエレクトロニクス事業停止。

2001年 有機EL事業サムスンSDIと合弁化。2004年有機EL事業から撤退

2004年 プラズマディスプレイ事業パイオニアに売却。

2010年 半導体子会社NECエレクトロニクスをルネサステクノロジ統合半導体事業から事実上撤退

2011年 パソコン事業レノボとの合弁化。

2011年 液晶事業天馬グループとの合弁化。2016年に完全売却。

2013年 携帯電話事業から撤退

2017年 リチウムイオン電池事業から撤退

NECのかつての栄光

1991年 NEC研究員だった飯島澄男がカーボンナノチューブ発見

2001年 スーパーコンピューター地球シミュレーターが世界一の性能を発揮

2001年 2000年3月決算過去最高の売り上げ5兆4000億円達成。 ※バブル期1990年度でも3兆7000億円程度。この時期までは比較的うまく経営ができていたと思われる。

2003年 小惑星探査機はやぶさ打ち上げ

1985年-1991年 半導体世界一

2001年-2004年 携帯電話日本一

NECの業績に影響のありそうな政治案件

1989年 アメリカスーパー301K発動

1998年 防衛庁談合事件

個人的経験に基づく雑感

NECに出入りしていたころに思ったが半導体事業部に新卒で入った社員は大体優秀かつ深夜残業休出当たり前なモーレツリーマンだった。

設備投資研究開発費も年間3000億円コンスタント投資しており、今の水準で考えても少ないことはなさそう。

しか20世紀終わりから21世紀にかけて爆発的に伸びた情報通信産業に社内のリソースを集中してて、バックに住友財閥もついている。

会社の置かれた状況を考えると韓国サムスン電子中国Huaweiみたいに、今でも世界を席巻できていただろうに。マジでどうしてこうなった

当時気になったのは本業関係ない関連会社が異様に多いことぐらい。(不動産NECファシリティーズ運送業NECロジスティクス食堂運営NECライベックス、企業研修NECラーニング等)

どうでもいいけど最近スローガンのOrchestrating a brighter worldってのはマジで意味不明。迷走ぶりを象徴している。

https://jpn.nec.com/press/201507/20150701_01.html

https://anond.hatelabo.jp/20180911165115

2013-02-18

オピニオンリーダーのようなものを目指しているらしい @ihayato ですが

イケハヤ師が、「オピニオンリーダー」のようなものを目指しているのは間違いないだろう。

奴のサイトに行けば、「賛否両論?オピニオン」なるコーナーがあるし、

内田樹大先生からお墨付きを頂いているわけだから(どのつぶやきか忘れたが、内田大先生はイケダ師のことをえらく褒めていた)、

奴がそういう方向を目指そうとしているのは分かる。

だが、奴がオピニオンリーダーになるのは無理だろう。

たとえば、ホリエモン大前研一、(知名度は低いが)佐々木俊尚なんかは「オピニオンリーダー」と呼ばれるに相応しい人物であろう。

異論は認める異論のある人は、是非自分にとっての「オピニオンリーダー」的な人物を思い浮かべてほしいわけだが、

所謂オピニオンリーダーと呼ばれる人間必要ものは、2つあると考えている。それは、誰もが認める経歴と、リサーチ能力である

先に挙げた人物にはこの2つがある程度備わっているが、イケハヤ師にはこの2つが致命的に、ない。

経歴の欠如

学生の時分にまとめサイトでそこそこの収入を得たという話だが、それだけではかなり弱い。

大学卒業後は、

2009年ルネサステクノロジ入社するも、入社した月に合併が決定。いきなり沈み行く船に乗ってしまいました…。

ブログきっかけに知り合ったトライバルメディアハウスの代表、池田紀行さんに誘われ、2010年3月転職ソーシャルメディアコンサル事業を立ち上げ。

2011年4月NPO支援、ライター活動により多くの時間を割きたくなり、フリーランス転向。「テントセン」という名前NPOマーケティングを支援するプロボノ集団も作っています

2012年4月からは、育児時間を割くべく「プロブロガー」というキャリアを歩んでいます広告収入アフィリエイト収入で生きてます、もとい皆さんに生かされています

とまあ、別にそこらへんの意識高い()系の学生と大差ない経歴なのである。というか、億単位稼いでいるよざわつばさ(よながつばさと間違えそうだ)に比べると

アフィリエイターとしてもポンコツ…

ここに「年商数億の社長」とか、「MIT博士号を取得」とかそういう経歴が要るのだ、オピニオンリーダーというものになるには。

リサーチ能力の欠如

それと、彼に足りないのは「リサーチ能力である

奴のエントリーがよくブログとかTwitter突っ込みを受けるのは「自分が優秀で有能で、周りはそれをやっかんでる」と勘違いしている節がありますが、

残念ながらあなたの主張があまりリサーチ不足だからですよ。

たとえば、

厄介なのは正義を執行する彼らには罪悪感が微塵もないことです。本気で世の中にいいことをしていると思って、気に入らない人間を「在日」と罵るわけです。歴史を振り返れば、こういう「正義漢」たちが魔女狩りをし、ホロコーストを行ったのでしょう。

魔女狩り、ホロコースト在日…非常にデリケートな事柄を、「正義感仕業」と何の根拠もなく断言しているあたり、

リサーチ能力の低さが滲み出てしまっているわけですが、どうなんですかね。

こういうのって根拠もなく主張してもいいんですかね。

もっと言うと、「のでしょう」「たぶん」がやたら多い。数えたことないけど。

そういえば、残業してまで高収入なら低収入でも残業せずに家族との時間を大切にしたいって仰ってましたねぇ。

嫁は残業しているのに。

というわけでイケハヤ師はオピニオンリーダーになるには大変御愁傷様な素質しか持ち合わせていないわけだが、

彼はコピーライターとしては大変秀逸である

安価家具家電が欲しいなら「Sayonara Sale」をチェックすると良いか

年間100回近く人前で話して分かった、プレゼンにおける5つの学び

たぶん広告代理店コピーライターとして働けばものすごい稼げるのではないだろうか、と思う。

http://nari104.net/blog/internet/fire/870/

2009-10-29

http://anond.hatelabo.jp/20091023113517


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* (株)大垣共立銀行

* 大阪リコー(株)

* 岡谷鋼機(株)

* 沖電気工業(株)

* (株)オンワード樫山

* (株)カナモト

* (株)関電工

* (株)鹿児島銀行

* 鹿島建設(株)

* 加賀電子(株)

* 亀田製菓(株)

* 独立行政法人研究開発機構

* (株)河田

* 関西電力(株)

* (株)関東つくば銀行

* キヤノンシステムアンドサポート(株)

* 近畿日本ツーリスト(株)

* キーコーヒー(株)

* (株)木曽路

* 京セラ丸善システムインテグレーション(株)

* 共同印刷(株)

* キリンビバレッジ(株)

* 北川工業(株)

* (株)紀伊國屋書店

* (株)岐阜新聞

* キヤノンマーケティングジャパン(株)

* (株)九九プラス

* (株)九電工

* (株)協和エクシオ

* 麒麟麦酒(株)

* (株)近畿大阪銀行

* 近畿日本ツーリスト(株)

* (株)熊本ファミリー銀行

* (株)群馬銀行

* グリコ栄養食品(株)

* (株)久米設計

* クラブツーリズム(株)

* (株)京王プラザホテル

* (株)京王百貨店

* 京王不動産(株)

* KDDI(株)

* (株)コイケ

* コーア(株)

* 神戸信用金庫

* (株)神戸ポートピアホテル

* 神戸ヤクルト販売(株)

* (株)コナカ

* コニカミノルタメディカル(株)

* (株)コミューチュア

* (株)高速オフセット

* 小松フォークリフト(株)

* コナミ(株)

* (株)ゴルフ・ドゥ

* (株)再春館製薬所

* 三機工業(株)

* 学校法人 埼玉医科大学

* 斎久工業(株)

* SUNX(株)

* (株)山陰合同銀行

* (株)サンドラッグ

* ザ・ペニンシュラ東京(株)

* (株)西京銀行

* 埼玉日本電気(株)

* (株)さなる

* サミット(株)

* サントリー(株)

* (株)サンリオ

* (株)JTB九州

* (株)ジェイティービービジネストラベルソリューション

* (株)ジェーシービー

* 島根リコー(株)

* 島村楽器(株)

* 敷島製パン(株)

* 静銀ビジネスクリエイト(株)

* 昭和飛行機工業(株)

* 四季(株)

* (株)資生堂

* (株)七十七銀行

* (株)常陽銀行

* ジャルスカサービス(株)

* (株)ジャルナビア大阪

* 新日軽(株)

* ZLBベイリング(株)

* (株)ジェイアール東海パッセンジャーズ

* (株)JTB首都圏

* (株)JTBワールドバケーション

* 島田商事(株)

* (株)清水銀行

* 清水建設 株式会社

* (株)JALスカイ名古屋

* (株)ジャルセールス

* (株)十八銀行

* (株)十六銀行

* (株)スズケン

* 住友信託銀行(株)

* 住電エレクトロニクス(株)

* 大日本住友製薬(株)

* (株)スタッフサービス

* 住友電設(株)

* 積水ハウス(株)

* 全日本空輸(株)

* セコム上信越(株)

* (株)セガ

* セコム(株)

* セイコーエプソン(株)

* (株)西武百貨店

* 西武信用金庫

* (株)セブンイレブンジャパン

* ソフトバンクBB(株)

* (株)損害保険ジャパン

* 綜合警備保障(株)

* ソニー(株)

* 高輪プリンスホテル((株)プリンスホテル

* (株)竹中工務店

* 大成建設(株)

* 大和ハウス工業(株)

* 大和冷機工業(株)

* 高砂熱学工業(株)

* 多摩信用金庫

* タリーズコーヒージャパン(株)

* ダイダン(株)

* 武田薬品工業(株)

* 第一生命保険相互会社

* 大和証券(株)

* 中央三井信託銀行(株)

* (株)中国銀行

* テルモ(株)

* TIS(株)

* (株)ディーシーカード

* (株)帝国ホテル

* (株)デイリーヤマザキ

* 東海東京証券(株)

* トップツアー(株)

* 東京海上日動火災保険(株)

* 東京海上日動システムズ(株)

* 東京シティ信用金庫

* 凸版印刷(株)

* (株)トッパン・マルチソフト

* 東京コカ・コーラボトリング(株)

* (株)東京ヒューマニアエンタプライズホテル日航東京

* 東京ベイ信用金庫

* 東芝物流(株)

* 戸田建設(株)

* 東京電力(株)

* (株)東芝

* 東京書籍(株)

* (株)東京ドームホテル

* 東陶機器(株)

* (株)トーエネック

* (株)トーハン

* (株)トーメンエレクトロニクス

* (株)鳥取銀行

* 豊橋信用金庫

* トラスコ中山(株)

* (株)南都銀行

* 新潟交通(株)

* 西日本旅客鉄道(株)

* 日興コーディアル証券(株)

* 日本製紙(株)

* (株)ニトリ

* (株)日本旅行

* 西日本旅客鉄道(株)

* 西松建設(株)

* 日本アイ・ビー・エム(株)

* 日本紙パルプ商事(株)

* 日本ケンタッキー・フライド・チキン(株)

* 日本サムスン(株)

* 日本生命保険相互会社

* 日本電産(株)

* 日本マクドナルド(株)

* (株)ニチベイ

* 日本電気(株)

* 日本ヒューレット・パッカード(株)

* 日本トラスティ・サービス信託銀行(株)

* (株)西日本シティ銀行

* (株)日建設計

* 日商エレクトロニクス(株)

* 日清医療食品(株)

* (株)日本航空

* 日本食研(株)

* 日本トイザらス(株)

* 日本農薬(株)

* ノバルティスファーマ(株)

* (株)農協観光

* 野村證券(株)

* (株)野村総合研究所

* (株)パソナ

* (株)八十二銀行

* パナソニックSSマーケティング(株)

* パナソニックCCソリューションズ(株)

* パナソニック半導体システムテクノ(株)

* 萬有製薬(株)

* (株)ファーストリテイリング

* 東日本旅客鉄道(株)

* (株)日立製作所

* (株)日比谷花壇

* (株)百十四銀行

* 兵庫信用金庫

* (株)広島銀行

* 富士ゼロックス(株)

* (株)プリンスホテル

* (株)ファミリーマート

* 富士通(株)

* 富士通サポートアンドサービス(株)

* プラス(株)

* (株)フランドル

* (株)ブリヂストン

* 北海道空港(株)

* 北海道リコー(株)

* 本多電子(株)

* (株)北國銀行

* (株)防長トラベル

* 株)北越銀行

* (株)北洋銀行

* 北海道旅客鉄道(株)

* マイクロソフト(株)

* 松下電器産業(株)

* (株)みずほ銀行

* (株)三井住友銀行

* 三菱商事(株)

* (株)三菱東京UFJ銀行

* (株)ミキハウス

* 三島信用金庫

* みずほ情報総研(株)

* 三菱商事シナリ(株)

* 名鉄観光サービス(株)

* 森永製菓(株)

* ヤマハ(株)

* (株)ヤナセ

* ユニ・チャーム(株)

* (株)ユアテック

* ユニー(株)

* (株)ユニマットオフィス

* ユーシーカード(株)

* (株)読売旅行

* 楽天(株)

* 菱洋エレクトロ(株)

* (株)リコー

* (株)ルネサステクノロジ

* レンゴー(株)

* (株)レリアン

* YKKAP(株)

 
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