はてなキーワード: 末っ子とは
育休中のリーマンだけど、子ども持つのめんどすぎてオススメできない。
育児休業制度のおかげで給料の2/3貰いながら、会社に行かないで済んでるんだけど。うちの会社、男で育休とった人いなくて、総務・上長の驚き(前向きな表現)と言ったら、こっちが驚くレベルよ。制度上、不利益取り扱いは出来ないんだけど、実質どうかっていうとね。察しのいいはてな-の皆さんならわかると思うから、書かないよ。というかまだ明けてないからどうなるか分からないけど、多分ポジティブとは言えなさそう。育休とること伝えたら、「来期、昇進予定だったんだけど……」って言葉濁らしてたから。主語言わないとこは、ギリギリの立ち回りしてくれたと思うよ。
都内在住なんだけど、うちの親はサイマーだし、嫁さんの両親は遠方でまだ末っ子学生だし頼るの無理でした。なんで夫婦2人で絶賛育児中。
新生児ってすごいのよ。一日に15枚もおむつ消費するし、2~3時間に1回は授乳しなきゃだし。つまりは子どもの対応してたら細切れにしか睡眠とれないのよ。これ1人でやってたら心病むレベルよ。
子どもが泣いてうるさいと上の階の住人はキレてくるし。そりゃ、可愛い顔見てないなら、五月蠅いだけの存在なんだろうから、仕方ないんやろうけど。
社会は、国は子供を必要としてるっていうけど、子ども持つってって社会的な障害として認識せざるを得ないぐらいのスティグマだわ。
勿論、社会も国も関係なしに俺の幸せのために子ども持ったんだけどね。
何より、息子の寝顔、泣き顔、変顔。家族3人での時間、これが幸せすぎてやめられないの。何なの、麻薬なの、美味しいの、死ぬの?絶対、死ぬまで生きるけど。
チョーめんどいからおすすめできない、これほんとよ。もうそろそろ、起きてくるからミルク準備しなきゃ。しばらくしたら保活せんといかん。頑張るか。
「日本映画が面白くない」のは、観客を育てなかった当然の帰結 - あざなえるなわのごとし
こういう義心溢れるジャンルファンを装ったオポチュニストがはてなに沸く度に吐き気を覚えるんですが、互助会云々以前にこういうのどうにかしたほうがいいですよね。
とはいえ。
俺だってあまり邦画を観るほうではない。比率で言えば海外映画10本に対して1本観てるか観てないかだと思う。その狭い視点でいえば、観るに値する邦画はやはり少ない。しかしそれがクオリティの問題だと断言するほど自分に自信はなく、単に受け手としての完成の欠如、文脈の欠落があるだけなのかもしれない。
ともかく、褒めるにしろけなすにしろ、漠然と言及するよりは対象を明確にしたほうがいくらか生産的だと思う。
そういうわけでここ二三年で面白かった新作実写邦画を十本ご紹介したい。アニメ? 2010年代最高のアニメ映画は『たまこラブストーリー』だって言わなくてもみんな知ってるだろうから別に? いいじゃん?
菅田将暉がバカかわいい弟役なのでバカかわいい弟ファン必見だ。
ここで挙げる映画としては適当ではないかもしれない。監督こそ日本人だが舞台も製作も韓国。才能ある映画人が「日本で映画を作らせてもらえない」と愚痴りながら海を渡って取り上げたクソジャップファック映画であるからだ。
とはいえ、白石晃士は『コワすぎ』シリーズでの評価の高まりもあってか、最近再び日本での仕事を、それも比較的(ハンバーガーからチーズバーガーになった程度の予算規模だが)大きな仕事を任されるようになった。良い子のみんな、『貞子 vs 伽椰子』絶対観てくれよな!!!
本作はいわゆるPOVモキュメンタリー・ホラーの一つの到達点。
『桐島、部活やめるってよ』で華々しい評価を受けた吉田大八監督の最新作。
前作で描いた思春期における漠然とした不安から一転、中年期の主婦の不安定な欲望を生々しく切り取る。
とにかく宮沢りえがエロい。相手役の池松壮亮は本作と『愛の渦』でセックス俳優キャラを確固たるものとし、最近では寺島しのぶや斎藤工なんかとラブシーンやらされてる。
綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すず、と今日本で最もアツい若手女優四人のアンサンブルがグルーヴィーな姉妹映画。
ずっと一緒に暮らしてきた上三人に、ある日とつぜん末っ子として加わることになった広瀬すず。
彼女たちの距離感と関係性、そして姉妹を取り巻く「海街」の日常が瑞々しい。是枝裕和しか、日本でしか撮りえない日本映画の最高峰。長澤まさみは直球エロくて、綾瀬はるかはにおわすエロさ。
一人で頑張って頑張って頑張ってるんだけどもうだめだよ〜
ってなってる自家中毒コミュ症は今すぐ観るべき映画。おばちゃんのがっかりおっぱいも要チェキ。
『冷たい熱帯魚』以来のエクストリームサイコジャップマスカー映画。
リリー・フランキーとピエール瀧が大量殺人鬼コンビとなって世の弱者をぶっこみまくる。
だんだんと憔悴していく記者役の山田孝之もいい味出してる。池脇千鶴は特に脱がない。
ウルトラ低予算で頑張って作ってちゃんとめちゃくちゃ面白くなった地獄コミュニーケーション映画。俳優の一人がこの前何かで逮捕されてましたね。
キョロ充の辛さや居心地の悪さが『桐島』以上のリアルさと俗悪さで浮き彫りにされている下衆の極みエンターテイメント。
「何か新しい映画を見たい」ならこれをオススメする。観てる間ずっと背中に悪寒を感じるけれども。
女子更衣室を盗撮したことがバレて地元の学校をクビになった教師が十年ぶりに故郷へ戻ってきた。
彼のビデオにたまたま今芸能人として活躍している元女生徒の百合セックスシーンが映っていたことから事態はあらぬ方向へと転がっていくノワールコメディ。
アニメじゃん? って? ちげえよ。こんなモブが背景でガチャガチャうごいてるアニメがあってたまるかよ。
岩井俊二はファッキンサブカルファシストどものキングであり、我々の永遠の敵でありますが、ナチスドイツがリーフェンシュタール『民族の祭典』を、アメリカの人種差別が『國民の創生』を生んだように、彼らもまた日本映画の傑作を生んでしまったのです。
長子(一番上)
しっかり者で年下の面倒を見る皆のまとめ役。
反面、初めての子(初孫)な事から幼少期は過保護に甘やかされ、神経質で打たれ弱い。
下の子が生まれた途端目が向けられるのでその記憶がトラウマになる。
温厚な性格の人が一番多い属性だが、凶暴になると一番問題を起こすのもここ。
自分より弱い物が常に側に居るので、社会に出て自分より強い者の前ではすぐに挫折する。
親の決め台詞は「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢しなさい。」
次子
観察力に優れている。長子の失敗を踏まえた育児を施される為、
賢く世渡り上手な場合が多い。要領がよく良好な人間関係を気づける。
逆にそれが長子には狡賢に見られがち。
口でも体力でも勝てない存在が常に居たので、自分より立場が上の者が気に入らない。
更に下に兄弟が居ると親の目が一番向けられなくなるので、ひねくれた性格になりがち。
ただ長子よりは神経質さはなく、悪く言えば大雑把、よく言えば大らかにもなる。
親の決め台詞は「弟(妹)なんだからお兄ちゃん(お姉ちゃん)の言う事聞きなさい。」
末っ子(一番下)
とにかく愛嬌がある。一番最後に生まれるので皆に可愛がられる愛され上手。
ただし、長子よりも周りからのチヤホヤ期間が長いので、ナルシストが量産される。
また、一番下でみそっかす扱いされる事が多く、自分が注目されてないと気が済まなくなる。
都合のいい時だけ可愛がられ、普段は除け者扱いされた事がトラウマで目立ちたがり屋。
親も育児に疲れ果てているので、一番手をかけずに持て余している。
「自分は長女だったせいで苦労してきた」と思い込んでる人は「妹」は生まない方がいい。
具体的に言えば女の子を産んだら下の子は諦める。次も女の子だったら多分可愛がれないだろう。
長女病の人は可愛がられてる妹が嫌いだから。
先に男の子を産んだ場合も危うい。次も男の子だったら上手く行くが、次に生まれたのが女の子だったら悲惨だ。
長女病は「弟や妹のせいで苦労してきた」という思い込みが、自分の子への憎しみに繋がる。
そもそも「苦労したのは自分のせい、自業自得」という考えに至れないので、すぐ他人に八つ当たりしたがる。
そうなりたくないのであれば、長女病は妹を生み出すな。弟も危ないかもしれない。一人に留めておくのが一番だろう。
長女病こじらせた母に当たられて育った末っ子の妹より。
私は、つまらない女。
飲み会では端の席に座りよほどのことがなければ席移動はせず、
会話では基本的に聞き役に回り、それでいて打っても響かず愛想笑いもかなり下手。
大人っぽいと言われ、家族構成を聞かれ答えると末っ子であることに驚かれ、
オモシロのノリで渾身のツッコミを入れたつもりがなぜか怒っていると誤解され全くウケない。
痛々しいことこのうえない。
基本的に冷めていて、別に頭なんて良くないのに他人を見下している。
なのに一人前に恋愛はしたいと思っているから、厄介な女である。
こんな調子では、きっと誰からも必要とされないままただ死んでいくだけ。
独りで生き死んでいく未来を思うと涙が出そうになる。
あなたの良さをわかってくれる人は必ず現れるよと慰めてくれたりする友達もいるが、
そんな悠長な構えでいいのか。
変わらなければ、適応しなければ。
散々言い古されてきたことだけど、この焦燥感はやっぱり就活と似ている。
相手と自分がうまくマッチしていないことをひしひしと感じるその空間の居心地の悪さったらない。
よく笑い目を見開いて頷きながら話を聞いたらもっと構ってもらえるのかな。
内向的な自分を少しでも変えたいから、飲み会は基本的に断らないし、よく足を運ぶ。
でも結局失敗して残るのはうまく立ち回れなかった自分への情けなさと対人スキルほぼゼロの状態、丸腰で戦いに臨んでしまった後悔だけ。
土曜の朝はいつもこんな感じ。
六つ子の長男「おそ松」の無邪気で傍若無人なところ、ナチュラルなスクールカースト上位者という感じがする。
公立の小中学校って、こういう性格の男子が無双してない?このネアカで強引でサイコパシーな感じ。
「俺、お前のことスゲー面白いヤツだって思ってるんだよ?」「好きだから構ってやってんだよ?」というノリで、
傍から見るとイジメみたいな待遇で人を扱ってそう。同級生に居たら超怖いやつ。
人に優しくしてみる時もあるけど、俺ルール俺基準で優しくする。飽きるときもスッと飽きる。
人にどう思われるか全く気にならない、徹底的な「自分の気持ちに正直」というやつで、その真っ直ぐなナチュラルさが怖いとすら思う。
というかおそ松兄さんぽい知人がひとり居て、モテるけど誰とも真面目に付き合ったことがない。
おそ松兄さんの性格がタイプだという女性、不幸フラグ立ってる気がする。
末っ子のトド松もスクールカースト高そうだけど、こっちはナチュラルじゃない。カースト上位者に必要な要素を狙って集めてる。
チョロ松と一松にもカーストが見えていて、トド松のように上位を狙う意欲が無くて「ケッ」となってる感じがする。
カースト自体が見えて無さそうなおそ松兄さんとは根本的に違うなと思う。
カースト見えてない:おそ松、カラ松、十四松
という感じ。
今はおそ松兄さんが「六つ子全員ニートでいいじゃん」という空気を作っているから、チョロ松が何と言おうとそういう空気だけど、
おそ松兄さんが「俺らもう26だぜ?」とか言い出したら、マジで就職しなきゃなという空気になりそうな気がする。
それまで「寂しいから」と弟の自立を阻んでおいて、自分が「就職っぽい気分」になったらしれっと就職するような、
自分の発言を自分で忘れている系の、天然で無茶苦茶な人の匂いがおそ松兄さんからはするわ。
作中でカラ松がサイコパスって言われたけど、おそ松兄さんの方がサイコパス感強い。
カラ松単体にカースト上位感は無いなあ。
おそ松兄さんは人の名前をよく呼ぶけど、カラ松は人に呼び掛けることが少なく、「逆ナン待ち」とか、コミュニケーションが結構受け身。
ウィンドの音を聞いてる俺、スカイの香りを嗅いでいる俺、サンシャインを浴びている俺。とにかく俺。話しかけてもらうために派手な服装をする俺。
兄弟の中でも根がビビリなほうとして描かれてるし、承認欲求が強いところも、学校みたいな同年代の集まる場ではナメられそう。
受け身の人って騙されやすくもある。ぼったくりバーの話や、「生パンティ付きのエロ本」を買ってたこと、あれも騙されやすさだよね。
兄弟を攻撃するようなことを決して言わないし、性格が温厚なんだと思う。
自分の中に悪意が少ないから、人から露骨に馬鹿にされたとしてもそれを馬鹿にされたと感じなくて、結果としてダメージを受けにくい。
チョロ松はイヤ代の回で「一軍の人来ちゃった」と感想持ったあたり、スクールカーストがっつり把握してそう。
兄弟の中では暴言吐きまくるけど、外では品行方正な、プライド高い内弁慶って感じ。
「こうありたい自分」のイメージと現実の自分とのギャップが大きくて、ストレス値高そう。
作中でもツイッターやってる描写があるし、インターネットに居る男という感じがすごくする。
自意識グラグラ感あるから、おそ松によくイジられるのもわかる。トド松のこと妬んでそう。
一松はお笑いが好きそう。お笑いに詳しい根暗という感じがする。そういう男子居たじゃん。
もともと真面目で人目を気にして消耗しがちなタイプだったのが、江頭2:50的な破天荒芸に救われて、脱糞とか下半身芸に突っ走ってる感じ。
Mr.ビーンの人って実は理学修士だけど、あの人にちょっと似てて「頭が良いけど顔芸ヨゴレ芸をすすんでやる」みたいな印象ある。
でも脱糞芸みたいなのって、やりすぎで、普通の女子は引くじゃないですか。
可愛いまともな女子ほど「明るいスポーツマンがおちゃらけてみせる」みたいな、眠てぇノリに笑うじゃないですか。
そういうのをくだらねーと思ってて、不謹慎な笑いでもOKとされるお笑い芸人っぽいホモソーシャルなノリが好きなんだと思う。
外の世界の方がオシャレで健康的で快適と感じてるトド松とは逆で、一松は松野家の兄弟ホモソーシャルノリが居心地が良さそう。
トド松が「こういうオシャレでまともな可愛い子と付き合いたい」って感じるような女子のことが一松は苦手そう。
でもこじらせ女も面倒だから、女全般が苦手そうなんだよね。公式でケモナーなのも納得感ある。
十四松はちょっとよくわからない。いじめられていた説もピンとこない。なんかスゲエ奴としてカーストの外側に生きてた気がする。
チョロ松とトド松がスクールカーストについて話す回とか無いかなあ。
トド松の10年後とかもすごい見たい。要領が良くて行動力もあるから、家を出て何かやってそうで気になる。
灘開成あたりの話。
土日は普通に遊んでる。寮にいたが、土日は靴がほぼなくなってるから、皆遊んでるか部活してる。
勉強ガリガリやる奴が半分くらい。勉強やらなきゃ即効で最下位まで行くっぽい。雰囲気は東工大。
男女交際の話すらでない。
教師はそこらの学校と同じレベル。特にレベルに違い無し。っつか、学校での勉強は、悪魔で定期テスト対策程度。自分で勉強はやる。
②医学部
テスト前2~3ヶ月はお勉強漬け。その時期は一日15時間くらいが多分平均じゃないだろうか。
大学受験と違って完全に暗記なので、どんだけ疲れていてもやれるから制限なくやる。下手したら大学受験よりやる。
それ以外の時期は、講義や実習とか必要なのだけ出て。ほぼ普通の学生と同じ。
部活に熱心な奴が多いが、それは将来のコネのためってのが多い。
人格的に優れてるっていうか、社会的な外面を完璧に作り上げてる奴が9割。皆オトナ。
③格闘技界
末っ子気質ってか、先輩、先生みたいなのに甘えてくる奴が多い。
知的レベルが残念なサルみたいな人も多いが、そいつらはそいつらで心はドキュンではない。刺青なければ公務員か?って感じの空気な人が多い。
無口な奴が多い。
非常に勉強熱心で。頭は悪くてもとことんやる。英語でもポルトガル語でも辞書見ながら格闘技の動画勉強している。
④医者
残酷な人が多いと感じる。感情が麻痺してる人も多い。半分くらいは人間味を感じない。
あと、サイコパスっていうか、暴力的な人が一定数発生する。やっぱ死体を見慣れてるとか関係あるだろうって思う。
アレだ、比叡山で修行してるお坊さんみたいな。そういう人達が多い。なんか悟ってる。
恒常的に寝ない生活からか、人の死に関わったり、リスクある処置のときにメチャクチャストレスかかるからか、感情的にキレル不安定な人がかなりいる。
上下関係に異常に厳しい。
川本くんには生まれた理由があって、そのひとつは、母親なんだけど、その話はしないでおこうと思う。彼の母親のことをそんな風には言いたくないんだ。
それに、川本くんが生まれた理由は、そういうことじゃない。川本くんは、三人兄弟の末っ子で、誰からも愛されずに育った。
とにかくクラスでも浮いている存在で、何を考えているかもわからないし、そもそも何も考えていなさそうだし、
でもときおりすごく考えてるような言葉をいうので、やっぱり考えているんだろうな、という感じだった。
ある日川本くんがいったことがある。
そんなセリフを言う川本くんは、今で言えば中二病なんて言われるのかも知れないけど、僕にはそうは思えなかった。
(僕は後にあのことを知ったのだし、そのときは感覚でしかなかったけど、やっぱり何か感じていたのだと思う。)
とにかく川本くんは口が達者で、女の先生はよく泣かされていた。だから思うんだけど、川本くんが何も考えていなさそうってのは、
衝動的だったってことだけで、頭は良かったんだと思う。川本くんは、頭はよかったんだけど、どうしようもないくらいに衝動的だったんだ。
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川から上がると、そこには何もなかった。一面のお花畑?そんなものがあるなんて誰が言っていたのだろう。
本当に何もなくて、ただ、ぼくは泥まみれでぐしゃぐしゃで、ドブ底に沈んだコンビニ袋と何も変わらなかった。
空が曇っていて、雨が降っていた殊ぐらいが唯一の救いだった。
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川本くんが生まれた理由は、いくつかあるのだけど、そのどれも僕には書くことができない。
川本くんも知らなかったと思う。ただ、なんでそんなことを言い始めたかっていうと、とにかく、
知りたかったっていっても、そういうことじゃない。僕の言っている知りたいは君の言っている知りたいじゃなくて、
本当に知りたいってことなんだ。保健体育の先生が授業で話すようなことでもない。
道徳の授業で、はっぱのフレディ、なんて言ってる場合じゃない。僕の言っている知りたいはそういうことじゃないんだ。
あぁ、もしフレディが好きな人がいたらごめんよ。僕もあれは好きだ。
とにかく、川本くんもフレディは好きそうだったけど(何も言ってなかったけど)とくに僕と川本くんにとってはそれ以上のものではなかった。
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夜の水はつめたかった。淡々と、つめたかった。どうしたのだろう。
もうすぐ何かが消えると言うのに、僕はなにも感じない。冷たいだけだ。
川の水ってのはいつもこうで、淡々と誰かを飲み込んできたのだろう。
夜の光が差し込んでくる。僕にとっては、いつもと変わらなかった。
これが苦しいってこと。ううん。そっか。
僕の家族は6人家族。僕は末っ子に生まれた。小学校二年生の時に母と僕と次女と長男で某テーマパークに行った。
僕が生まれる前は裕福な家庭だったらしいが、バブル崩壊の影響を受けてそのころは貧乏だった。だから家族で出かけた記憶はこれだけだ。
僕は身長制限であんまり乗れなかったのを覚えている。翌日はデパートでゲームを買ってもらった。なんでもない日に買ってもらうなんてことは初めてだった。
僕はぼくの夏休みがほしかったが、親が携帯ゲームにしなさいと譲らなかったのでシャーマンキングのカードゲームを買った。
そのあとカラオケに行った。僕は歌える歌なんてなかった。次女が「これなら知ってるでしょ」と入れてくれた歌がある。
ひと段落ついたごろ、母が切り出した。「死のうと思うの」と。この旅行も母と次女の企画だった。
長男は泣いてたが僕は何にも言えなかった。幼心にわかっていた。この家族は限界なんだろうと。
そのままタクシーで死に場所に移動した。崖に行った。みんな死んだけど、僕は死ねなかった。
事故を防ぐためだったのか、自殺の空気を感じていたのか、わからないが、タクシーの運転手に肩をつかまれていたからだ。
それからあまり時間もたたない頃、1年後ぐらいだったかな。長女も自殺した。
あの事件がきっかけかはわからないけど精神を病んでいたらしい。
最近、僕は表情をなくしてしまったことに気付いた。口角を上げてみようとしたら口元が痙攣して涙が出た。
笑おうとすると毎回涙がでる。僕ももう限界かもしれない。
しばらく疎遠だった従姉妹からようやく送られてきたメールは結婚の報告だった。
ぼくは従姉妹のことが本当に好きだったのだ。
2つ年下の従姉妹とは小さい頃によく遊んでいた。姉妹である母親どうしが祖父の会社で手伝いをしていたためいつもお互い連れられて来ていたのだ。
まだ幼い時の話ではあるが、親戚同士で旅行に行けばいつも二人で手をつないで歩いていたし寝る時ですら同じ布団に入っていた。
長女である従姉妹は兄が欲しくて、末っ子であるぼくは妹が欲しかった。そんな思いが一致したためか二入は本当の兄弟のように仲が良かった。いや兄弟以上だったかもしれない。
長女らしく優しいおっとりとした性格は、従姉妹をいつもにこやかな笑顔にさせていた。
兄弟の顔色ばかりみていた末っ子のぼくにしてみれば、ぼくの行動を無条件に笑顔で受け入れてくれる従姉妹は、隣にいてくれるだけで安らぎをもたらしてくれる存在だった。
ぼくはそんな従姉妹のことがいつのまにか本当に好きになってしまっていたのだ。
祖父が会社をたたんでしまったことで顔を合わす機会は減ってしまったが、小学生になっても休みになればお互いの家を行き来し、母親同士の仲が良かったこともあり旅行なんかもよく一緒に行ったものだった。
そんなある日、久々に親戚同士が集まることになった。
鬼になったぼくはちょうど目の前いた従姉妹の身体を抱えるように捕まえたのだ。
その時ぼくの両の手飛び込んできたのはわずかながらも確かな胸の膨らみだった。
従姉妹は戸惑うぼくの手からそそくさとぬけ出すと、そのまま鬼ごっこをやめて離れていってしまった。
その日を境に従姉妹は親戚の集まりから遠ざかるようになり、中学校に上がる頃には全くと言っていいほど顔を出さなくなっていた。
それからも会う機会を探してはいたものの、本当に理由を見つけることができなかった。
ただ会いたい。それだけでよかったのかも知れない。しかし、従姉妹という関係がそれを許してはくれないような気がしたのだ。
その後は人並みに女性ともお付き合いをしたが、従姉妹よりも魅力的と思える女性には出会うことはなかった。
忘れられないまま、それでいて会う理由もないままにいつの間に時間だけが過ぎ、ぼくは実に30も後半を迎えるまでの歳になってしまった。
いつまでも結婚しようとしないぼくに母親はしびれを切らせ会えば小言を並べてくる。
そうこうしている間に、とうとう母親の知人の紹介でとある女性とお見合いをすることが決められていた。
会ってみて驚いたのは、その女性はなんとなくではあるが従姉妹の面影を持ち合わせていたことだった。
その頃、従姉妹もまだ結婚をしないままだった。だが、散々に悩んだ結果、ぼくはその女性との結婚を選んだ。
結婚後すぐに子供にも恵まれ、人並みに幸せを噛み締めていた頃に悲しい知らせが舞い込んできた。
伯父である従姉妹の父親が病に倒れたのだという。しかも残念ながらその病は回復の見込みがないものだった。
母親とともに駆けつけた病室には、ぽつんと従姉妹は座っていた。
看病で疲れたためかすこしやつれて見えたが、すっかり一人の女性に成長した従姉妹はただただ美しかった。
そんな従姉妹は、ぼくに気づくと悲しさを見せまいと力なく笑ってみせたのだった。
その笑顔があまりに綺麗で、従姉妹に対して抑えていた感情の堰が音を立てて壊れていくのがわかった。
やはりぼくが好きなのは従姉妹だった。その気持に蓋をして得た幸せが間違えであることに気づいてしまったのだ。
しかし今更それをどうすることもできない。新しい命を前に、それが望まれていなかったものだなんて言えるわけがないのだ。
程なくして伯父さんが他界した知らせが届いた。
葬儀に顔は出したものの、ぼくは従姉妹に合わせる顔など持ち合わせているはずもなく、言葉を交わすことはなかった。
それから数年、従姉妹とはまた疎遠だった。それこそ連絡をする理由がなかったのだ。
ぼくは気づいてしまった真実をまた心の底奥深くに埋め戻そうと、必死で家族と向き合っていた。
そんな従姉妹から久々にメールが送られてきた。内容は結婚の報告だった。
ぼくの気持ちを知ってか知らずか、結婚式でカメラマンを頼みたいということらしい。
どこで聞きつけたのか、疎遠だった割にぼくが趣味で写真を撮っていることを知っていたようだ。
もちろん断る理由はなかった。
なぜなら、ウェディングドレスの従姉妹を、誰よりも、それこそ新郎よりも近くで見ることができるのかもしれないのだから。
その後もメールで少しのやり取りをしながら、最終的な打ち合わせは当日に顔を合わせてからということになった。
逃げ出したい気持ちがなかったわけではない。こんなに私情にまみれたままで写真なんて撮っていられるものかという疑問がいつも頭の片隅にはあった。
そうして当日、チャペルの中でホテルの関係者と打ち合わせをしていると、純白のドレスに身を包んだ従姉妹が母親に手を引かれながら入ってくるのがわかった。
挨拶もままならないままに思わずカメラをむけると、従姉妹はあの時のようにまた力なく笑ってみせたのだった。
そうして今ぼくの手元には千を超える写真が手付かずのままにデータとして並んでいる。ただ一枚、その時の笑顔が収めらた写真の調整を終えたところで、他の写真に手を伸ばせずにいたのだ。
従姉妹がこの笑顔を見せたのはこの時限りだった。それ以外の写真には感動の涙と笑顔が溢れているが、それを見るのは、ぼくにはただ辛く感じられてしまった。
式場で初めて新郎を見た時に、ぼくはハンマーで殴られたかのような衝撃を覚えた。
なぜならギョッと思えるのほどに新郎がぼくに似ていたからだ。それも顔や表情だけではない。言葉の選び方や身振り手振りまで、本当に気持ちが悪くなってしまうほどに似ていたのだ。
誤解かも知れない。独りよがりかもしれない。
でもきっと、従姉妹はぼくのことを好きでいてくれたのだ。ぼくが会いに行くのを待っていてくれたのだ。
なのにぼくは、世の中の常識だなんてつまらないことに遠慮して、従姉妹を困らせてしまうかもしれないなんて都合のいい解釈をして、逃げてしまった。
あの時、父親の病室で見せた従姉妹の笑顔は、あきらめを受け入れる笑顔だったのだろう。もう助からない父親の死を少しでも前向きに受け入れるためのスイッチが入る瞬間の笑顔だったのだ。
だとすれば、従姉妹が純白のドレスに身を包んで現れた時に見せた笑顔も同じものだろう。
ぼくへの想いと期待とを、もうあきらめたのだということを教えてくれるための笑顔だったのだ。
なんのことはない。
結局は、ぼくが一番に望むものを手放していたのは他でもないぼく自身だったということだ。
きっとこの写真を従姉妹に渡すことはないだろう。それどころか、他の誰ひとりにだってこの写真を渡すつもりはない。
10年ほど前だろうか。自分がまだ独り身の時に、お酒の勢いを借りて従姉妹の携帯に電話をかけたことがあった。
聞けば流星群を見に遠く離島へのツアーに参加しているとのことだった。
そんなぼくを疎ましくもせず従姉妹は電話に答えてくれたのだった。
私なら、正直にちょっと忘れてたことも言いつつそれも含めて謝って、その場は未来については触れず(その分豪華なプレゼント用意するから!とかは言わない。またどうせ忘れるんだろ、と思われそうだから)、次に会うときこそ最高のプレゼントを渡すようにするかな。でもって、その時にもう一回、「本当にごめんね!」と言う。
でも、こういうのってお互いの関係性とか増田自身のキャラによって、ふさわしいやり方も変わるんじゃないかな。他人のアドバイスで行動を選んでも、結果を引き受けるのは増田だよ。まずどうすべきか自分で決めるところから、脱「末っ子」してみてもいいのでは。
もともと休みがあわないので月に1回程度しか会わない友達。でもSNSでは頻繁にやりとりしているので仲はいい。去年の私の誕生日には、彼女はすごくステキなものをくれた。(多分値段も結構高い)
私の趣味にぴったりで、本当に嬉しかったので、そのすぐあとの彼女の誕生日には自分も喜んでもらえるものをあげようと思っていた。いろいろ悩んで、買おうと思ったものは受注清算だったので、次に遊ぶ日には間に合わなかった。誕生日のお祝いなのにごめんって言って、食事してその日は終わった。その次遊ぶ日は、私が風邪でドタキャンして会えなかった。そのリスケ日は、彼女の趣味のハンクラみたいなのを教えてもらって、それで終わった。(もう誕生日って雰囲気でもなかったせいもあって、忘れてた部分もある)そのあとも、体調不良でドタキャンしてしまうことが何度もあって、気づいたらいま。
自分の誕生日が近くなって、去年までなら「欲しいものある?」とか言ってきてくれる時期だったなあと考えていたら、自分は彼女に何もしていないことを思い出した。この一年間どう思ってたんだろう。表面上は優しいけど、ドタキャンしてしまったこともあってちょっと見きられかけているのかもしれない。別にどうでもいいと思ってたわけじゃなくて、完璧を目指しすぎて結局なにも手を付けずにいて忘れたと言うか。「やっぱり末っ子だからねえ」って私のことを彼女が評したことがあるけど、あきれられているのかもしれない。
・いますぐ謝って誕生日に豪華なものを用意する(2年分ってことで)
・忘れられてて腹が立つだろうから蒸し返さずに誕生日はちゃんとお祝いする
この3つで迷っている。
実家の犬はよく飛び跳ねる犬で、年に一度か二度帰るとそのたびに前足で腹を押したものだった。くるりとしっぽのまいた日本犬の雑種。動物愛護センターからその犬がもらわれてきたのは私が高校に上がった年である。うんこを踏んだ足で飛び跳ねていた時はてっきりバカだと思っていたが、びっこをひいているふりをして人の同情をひく仕草を見せた時にバカのふりをしているだけらしいことが発覚した。生後半年もたたないうちから、どうやったら人に愛されるかを知っている犬だった。
毎日マウントをとっていたせいか、実家を離れても犬はずっと私のほうが立場が上だと思っていたようだ。犬が来た時には実家を出ていた姉のことはよそさんだと思っているフシがあり、末っ子に関してはいつか立場が逆転するかもしれないと虎視眈々と機会を伺っていた。だから、実家を離れた二人が戻ってくるたび、犬はよく吠えた。私は吠えられなかった。ひと月前に実家に顔を出した時も、犬はやはり吠えなかった。十六になった犬は緑内障で目が見えておらず、耳も悪くなっている。なんにでもすぐに怯えて、よく吠え、そして怖くないものだと分かった後も不機嫌に唸っているおじいさんだ。私が実家に帰った時、犬は玄関の前で丸くなって寝ており、気配に気づいて顔をあげただけだった。わからないかもなと手をさしだし、匂いをかがせると犬は重そうに立ち上がってしっぽを振った。飛びかかっては来なかった。よろこんではねたりもしなかった。後足はもうだいぶよわって、散歩の途中に顔をあげて女子高生のスカートの中身を覗くこともできなくなっているのだからしかたのないことだ。かわりに犬は小さな頭を私の膝のあたりに何度も何度もこすりつけていた。なでてくれと言っているような気がした。昔はそんな甘え方はしなかったのに、自分の体の自由が効かないことを犬はよく知っている。撫でるたびに毛が抜けて、服につく。毛は硬くて白くて、そして臭かった。犬はあっという間に老いてしまう。いつまでも甘えっ子な弟のくせに、あっというまに年老いて死んでしまう。さびしい。
母親とは諦めて、折り合いつけて付き合えるようになったかなと思ってたんだけど
二十代半ばのなんかの折に、
「(妹)ちゃんは18になる前に父親を失ったかわいそうな子なのよ!?」と言われて
目の前が真っ暗になった
私だって幼稚園のころからあなたがたの喧嘩仲直り喧嘩仲直りに巻き込まれ振り回されてきたし
祖父亡くなる、大学の作品制作大詰めでインフルかかる、失恋、と
ズタボロのところに追い討ちのように離婚告げられて死にたかったし
受験だろうが学校でいじめたりいじめられたりしてようが構われず
怯えながら暮らした結果めでたくアダルトチルドレンの実績解除してるんですが。
なんかそういうとこでやっぱり、
ああこの人私より妹が好きなんだなとわかって
控えめに言ってがっかりした。
世界で親だけは絶対に子を一番に考えてるんだ、とか私にとっては嘘だ。
娘に対して夫を否定することは
娘の存在を否定することだ、となんでわかってくれなかったのか。
不仲の両親を見て育ってきたならあなたもわかってるはずなのに。
以降「お母さんには長女の気持ちはわからないから!」と開き直られるようになったし
みんな最後はわたしを棄てるのだ、という
この呪いはどう解いたらいいのか
諦め忘れるしかないと努めていても
三十になってもまだ時折泡のように
私には父方に伯母と叔母がいる。
母方には伯母がいたが、もうなくなってしまった。
今回出身地に父方の祖母に会いに帰ると、
祖母と一緒に暮らしている叔母はもちろん、最近二人目の孫が生まれた伯母もいた。
私はこの二人がどうも苦手だ。
なにか人生に必要な格言を残したりとか言うパワフルな人格ではないが、
出すぎたところもなく素直な性格をしていると思う。
母と祖母の確執なんていうものは見たことが無かった。特段仲がいいというわけではないが、嫁姑としては最高レベルの関係性だ。
ただこの祖母の娘二人はとんでもない。
まず伯母は、私の父とは若干年が離れている。
彼女は長男である父親に愛情を取られたというコンプレックスがあるようだが、自分も結婚し、娘二人を生んでいる。
思い通りにならないと気がすまない点と、壊滅的な要領の悪さだ。
まず思い通りにならないと気がすまない、というのは、若干彼女のコンプレックスに関係がある。
自分が一番に愛されるべきであると思っているので(驚くべきことに、彼女より30歳ほど若く、遠く東京からわざわざ里帰りしている私がいるにも関わらずだ)
すべて彼女の予定に合わせようとする。
もう老齢で脚の弱い祖母が歩くのしんどくなっても、彼女には関係がない。
祖母に手を貸すこともせず(それは小間使いの私の仕事なのだ)、彼女自身のスケジュールが押している、とわめくのだ。
私にはクソほどの興味も感じられない行事のために、私は連れまわされ、蚊に刺され、荷物もちをさせられるのだ。
そして彼女は行事に参加しているお友達への差し入れを渡せなかったからということで「お土産に」と私に下げ渡すのだ。
失礼ではあるが、祖母を立ててお礼を言って受け取ったが、そこからそのお土産に関する自慢話を聞かされたのは本当にうんざりした。
二点目の要領の悪さ、というのは一点目を読んでいただければわかると思うが、まず計画性が無いところに端を発する。
一日に何を終わらせ、どういう段取りでやるか、という方向性がなく、ひたすら自分のやりたいことを優先させてしまう。
やりたいこと自体も要領よくできるわけではないから、どんどん計画が後ろ倒しになってゆく。
結果やりたかったこともやらなければならなかったことも明日へ先送りになる。
そういう人なので、こちらの都合などは完全に後回しにされてしまう。
ただ、彼女の面倒くささは巧妙に隠されていた。ほかならぬ父の手によってである。
彼女は一家の末っ子であり、常に甘やかされて育ったのであろう。
50をとうに過ぎているにも関わらず、同僚の子供(小学生)をからかって遊び、それを嬉々として報告してくるような人格をしている。
そしてなんと驚きのバツ2.5である。0.5は内縁関係だった分だ。
にも関わらず私に速く結婚しろ、女は男がいてナンボ、男に愛されてこそ幸福、という人生観を押し付けてくる。
父によって彼女の面倒くささが隠されていたのは、父も彼女と同じような性格をしているからだ。
ただ、最後の0.5の男がとんでもない異常者であり、寝ている父に馬乗りになって殴りかかってきたというすごい出来事で(父は撃退に成功して、警察沙汰になった)
父の目が半分開き、彼女が異常だということに気がついたことから、自分自身もおかしいのではないかと思い始めた。
確かに父も異常な部分があるが、それ以来私がいやだといったらちゃんとやめるようになった。
そんな男とはもちろん付き合いたくないし、そんな男でも好かれていたほうがいいというのは私は間違いだと思う。
今回帰省したときに、祖母がなにか食べたいものはあるかと聞いたので、お刺身が食べたいと答えた。
ただそれは叔母によって却下されてしまった。その前日、祖母が私のために買っておいてくれたお刺身を食べたからだった。
家にあるもので食べよう、と私がフォローしてその場は収まった。
「ほら、こんなおいしいものを食べさせてもらって!贅沢娘!本当にわがままな子なんだから、もう!」
と満足そうに言うのだ。
そしてこの叔母のもっとも厄介なところは、みんなに愛されている幻想を抱いているところにある。
散々私に嫌なことをいい、力でねじ伏せて、いじめてきたにも関わらず、私にも好かれていると思っている。
ばかだなぁ。祖母のことが好きで祖母を立てているからいい顔しているだけにきまっているのに。
老い先短い祖母に、これ以上叔母のことで悲しんでほしくないだけだ。
結局、身内のところに里帰りしたのにどっと疲れてしまった。
私は祖母を介護するのはかまわないが、50過ぎのおばさん二人の介護までしたのだ。
疲れて当然である。
帰りがけ、祖母は私にお小遣いをくれた。一万円だ。