はてなキーワード: 消費者金融とは
大手といってもその業種がニッチ過ぎて競合相手がいなかったからだし、私も含め末端の人たちはみんな非正規だったのだけれど。
私のいた部署は出社して、管理職からとある書類を貰ったら各自振り分けられた複数の会社に行き、持ってきた書類にハンコ押してもらったり訂正して頂いて、回り終わったら帰社して明日の書類の準備をするという、営業と事務半々みたいな業務をしていた。
そんな業務の微妙さや仕事してる姿を誰にも見られないからか、普通と呼ぶにはちょっと「?」がつく人が多かった。
覚えてる限りを挙げてみると
・借金で首が回らず家賃も滞納しているため家に余り帰れず野宿しがちで、携帯も家電もないから消費者金融が会社に電話や直接回収しにくる40代独身。
・寡黙過ぎて10年勤務しているけれど、最寄りの駅と年齢以外のことを誰も知らない30代後半の男性。
・モーニング娘。が好き過ぎて関東圏に来る時は大体のコンサートに行き、次の日には体調不良で当日欠勤をするが、皆それが酷い二日酔いなのが暗黙の了解だから、昨日はモー娘のコンサートがあったという無駄な指標になる人。
・「私、夫が誰にも知られちゃいけない秘密を一つ握ってて、それがある限り自分は自由に生きられるの」と言っていて、周囲は「一体どんなことを」と思っているが気が強いので誰も言い出せない姐御肌の30代女性。
・機械オンチの同僚のPC端末の壁紙を突如νガンダムに変えたり、黙って無表情に仕事をしていた私に、飲み会で私に「あなた何人目?ねえ何人目?」と泥酔しながら聞くガチオタ既婚男性。
・ゲイでオネェなことを全く隠さないで話すのは構わないとして、片想いの同僚が他部署の女性と婚約したのを知り、心痛の余り会社を無断欠勤を数日間して、心身を心配して手土産を持って課長が自宅に訪ねた男性。
・その課長には愛人が3人いて、さらに奥様との夫婦生活も月1であると忘年会で暴露し、姐御さんに
「50代でそれってお盛ん過ぎませんか?!」
と詰め寄られていた。
他にも様々おりましたが、代表的な人はこんな感じでした。入社して1ヶ月くらいの時、若手の正規社員に
と心配されたりもしたけれど、私は元気でした。
結婚を機に引っ越すので退職したけど、社会のすみっこで微妙に生きづらい人には凄く快適だからあんなだったのかもな、と今でも思ってる。
箇条書きにしたら、とんでもない家庭だなと。私は長男
1987年 父親ほのぼのレイク、アイク、武富士、ワイドから数百万の借金。祖父が返済
1989年 父親武富士、ワイドから数百万借金。母親の両親が返済。消費者金融チンピラが家に乗り込んで来て布団を破かれた
父への尊敬がないからとの理由と叱責。朝5時まで母親、長男を正座させ祖父と父親は4リッターほどの焼酎を飲み干す
1995年 父親、アコム、武富士から数十万の借金。長男学資保険を解約し支払い
2000年 正月帰省時、出前の寿司のお金が支払えず地元の寿司屋から催促。2ヶ月分割
2001年 祖母が死去。葬式が貧相だと親戚一同から怒られる。通夜、葬式時のお礼なし食事なし
地獄に落ちろ!!
どう考えても今年から来年に向けては上がり相場でしょう(S2Fモデル盲信)
手持ちの現金ないのでビットコイン担保にしてドル(USDt)を借りて、そのドルで更にビットコイン買い増しておいたったわ
10BTCくらい持っているからそれを担保にしています。実質1.1倍のレバレッジかけた取引を手動でやってる感じかな
借金の利率は12%なので、年利12%以上の速さでビットコインの価格が上がったら俺の勝ち、それ以下だったら俺の負け
俺の目にはビットコインは12%どころか余裕で100%超えるようにしか見えていないので、拾えるお金を拾いに行っているって感覚です。
最初は国内の消費者金融とかカードローンでの借金を考えて探してみたんだが、JScoreって融資サービスに色々情報を入力して出てきた結果が「年率15%限度額30万」とか言うあほくさい融資内容で、完全にサラ金から資金を引っ張ってくるのは諦めた。まぁ無担保なんでこれが限界なんだろうけど笑った。
ところでなんで、こんな危険なことしているかというと。全然危険じゃないからだよ。
これが危険だと思う人は「380万円借金やばすぎ」とかか思ってるんだろう。ヤバいのは割合計算できないお前の頭だよ。
10BTCの文字が読めないか、10BTCの価格がわからないんだろう。10BTCは3800万円だよ。総資産の1/10くらいしか借りてない。
もっと言うならビットコイン以外にも株式などの資産は別に持ってるので、総資産の1/10以下のお金しか借りていません。
そんでその380万円が2倍になったら380万円儲かります。1.5倍でも190万手に入ります。
価格上昇については本当のことは誰もわかりませんが、各国の法律や企業ではまだまだビットコインは過小評価されていること、例えば日本で分離課税とかのイベントで購入者が増える余地がまだまだあることや、S2Fモデルの考え方を総合した結果のわたしなりの確信です。
2017年のバブルの頃は借金ぶっこんでる人がうじゃうじゃいた事を考えると、2021年初頭は過熱感がない。ようはバブルはまだ始まったばかりなであり、これからのビッグウェーブにはガッツリ乗っておきたい感じ
あと人生で一度も借金したこと無い(奨学金除く)ので、人生経験の一つとして体験してみたいってのもあった。
自動車ローンとかも触ったこと無いしな。いざ借金するときにLTV50%ってなんだ〜とか改めて担保融資の仕組みとか勉強する余裕とかなさそうだし、平時で余裕のあるうちに体験しとくのはありかなって思った
借金があるってことは友達にも家族にも内緒で消費者金融とかに細々と返済を続ける生活を3年程してた。
借金の理由は、大型家電が複数同時期に壊れたことと病気で仕事を続けられなくなって無職になったこと。
病院代とかはまあなんとかなったんだけど、病気でもそれなりに働かなきゃ行けなくてバイトみたいなのを騙し騙ししてた。
体がキツいときは急に休んだりしてた。
まあ、バイト先コールセンターだったんで当日行けなくても上司は優しいんだよ。
ドタキャンするクズばっかりだったし、休憩するって帰るやつばっかりだったから、当日でも具合悪いとか連絡入れて休むやつの方が稀なの。それで辞めろとかも言われないの。
どんなクズでも仕事にさえこれればいいって環境だったから、精神が不安定だった自分には逆に安心して仕事できてた。
まあ、精神安定して仕事もまともにこなせるようになったらクズの尻拭いばっかりするようになったんで転職したんだけど。
そんで、転職して精神が不安定なときにショッピングローンで購入した冷蔵庫とか洗濯機とか電子レンジとかパソコンとか、あと食費一年分くらい、消費者金融からキャッシングして家賃も一年分くらい借りたりしてたんで60万くらいになってた。
そのあと借りたりはしてなかったけど毎月4,5万返済に使ってた。
ずっと返済しててあと1、2年で返済終わるかなって思ってたらコロナ禍になった。
そしたら職場の飲み会がなくなり、友達同士の飲み会もなくなった(今まで生活が苦しいので何回かに一回は断ってた)
職場は運のいいことに派遣を切ることをしなかったし(テレワークできない仕事だったから毎日通勤はしてるんだけど)
コロナ禍前と同じように働いてる。
友達同士や家族で行っていた旅行も好きなアーティストのイベントも無くなったので、お金を使わなくなった。
そのおかげか全部返済が終わった。
まあ、終わったとはいえ癌になったことが最近わかったのでこれから医療費はかかりそうなんだけど。
まあ、でもステージ1だし、いきなり死んだりはしないだろうし、例えここで死んだりして死んだあとに親に言ってなかった借金があったとかってことにはならなさそう。
安心したって思った。
あと、地味に自粛生活でその気になれなかった部屋の模様替えと掃除が出来たのも良かった。
ずっと燃やせないゴミを出したいと思ってたけどなかなかまとめられてなかったんだ。
もう着ない服をまとめる時間も無かった。
昔ハマってたフィギアをまとめてフリマアプリに出せて良かった。
部屋がスッキリして毎日ご飯作るの楽しいよ。洗濯するのも楽しい。掃除機かけるのも楽しい。
トイレの匂いが気になって、消臭スプレーを買った。ユニットバスに使ってみた。
なんだか、昔、通っていた風俗店の匂いを思い出した。常にシャワーとクリーニング業者から運ばれてきたペラペラバスタオルの酸っぱい匂いを誤魔化すための香水。
あれは、消臭スプレーの匂いだったのかと、今更ながらに感じた。
なけなしのお金をはたいて、通い、お気に入りの子に、おそらく彼女の日給分ぐらいの金額のネックレスをプレゼントした。
この季節で、サンタコスプレを着たままで、途中まで、しごいてもらった。
それまでは、教えてもらえていなかったLINEのアカウントを教えてもらって、しばらくやりとりしていた。
今は、月に2万円台の安いアパートで、お腹も壊しやすく食生活も不規則で。
https://www.mizuho-fg.co.jp/company/activity/onethinktank/pdf/vol021.pdf
はっきり言ってこれを読んだ方がこんな素人増田を読むよりずっといいのだが、なかなかのボリュームがある資料なので簡単にまとめる。
経済はレーガン政権時並の好調だったが、コロナショックで帳消しに。所得格差・保有資産の一極集中は拡大する一方であった。
(筆者補足)トランプが実施した大規模減税いわゆる「トランプ減税」については富裕層減税・低所得層増税であったという分析がある。
https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3555
共和党と民主党の対立が激化した。共和党多数派の上院では強行採決が増加。トランプ政権は議会による立法を経ず行政命令として政策を実行することも多かった。
州政府は抵抗のため訴訟を提起するようになり、最高裁判事に保守派が増えたにも関わらず法的根拠の無さなどから却下されることも多かった(トランプ政権の勝率は5割を切る)。
こうしたことの結果、米政府に対する国民や諸外国からの信頼が低下した(なぜか日本では上昇)。
アメリカファースト主義を採用し、多数の条約・国際機関から離脱。それに代わる新しい枠組みを確立することはできなかったが、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)構想」はバイデン政権にも引き継がれる。
パリ協定離脱に見られるように、環境問題には消極的だった。結果として大企業による動きが先行している。
富裕層(所得・給与・遺産税)、企業(法人税)へ増税、中間層以下には減税を実施する。
4年間で2兆円規模の環境・インフラ投資を行う。大規模なクリーンエネルギー政策への転換により自動車産業の強化なども図る。
大企業による寡占化が低賃金や過少投資の一因となっているという見方から市場集中度を低下させようとしている。
具体的にはGAFAに代表されるプラットフォーマーによる自己優遇や独占的地位の濫用の禁止、プラットフォームとコマースの分離を求めるなど。
(上記プラットフォーマー改革はバイデン本人は乗り気でないが民主党が要求している。共和党は断固反対)
破産法改正、消費者金融規制強化、住宅ローン規制緩和など低所得層向け支援が中心。
抜本的改革の優先度は低い。
外交ではトランプの個人的関係に基づく協力関係を廃止。従来の同盟国重視に戻す。
中国との対立はこれまでは輸入拡大要求や制裁関税など貿易摩擦に過ぎなかったが、人権問題への対応など構造的問題に踏み込むと見られる。
気候変動や対北朝鮮など特定分野での協力はありうる。一方的な制裁発動には抑制的。
対日関係ではトランプ・安倍間の個人的関係は消失するため従来通りのやり方に戻り、駐留費用負担倍増のような過大な要求は求めてこない見通し。
対中政策への協力は求められるだろう。
トランプ政権下の規制策を撤回するが、国内雇用重視の路線は継続する(ビザ発給数制限など)。
パリ協定復帰を明言している。トランプ政権下で行われた排ガス規制等の緩和は全て巻き戻す方針。
全ての改革が実現すれば2022年に3%程度のGDP押し上げ効果が見込まれるが、共和党の反対や保守派判事の増加により実現性は不透明。
バイデン本人は民主党中道派として知られるが、民主党内では左派の勢いが強く彼らに引っ張られる可能性もある。
文章どころか、伝えたいことをうまく伝えるのが難しい。
いろんなところで文章を書いたけれど、どれだけ丁寧に文章を書いたところで「伝えたいこと」を私が書いたとおりに読み取ってくれる人というのは少数だった。
荒れるときが一番わかりやすく「このコメント欄は一体なんの話をしてるんだ?」というくらい読み取ってもらえないのだけど、ただただ「感動した」という平和な反応のときすらも「え、そう思うんだ」というときも多々あった。
他の人の文章を読んでいても、荒れているときの反応が理解できないときもある。
「この人の文章の伝えたいことはそこではないのでは?」というところに反応が集まり、荒れてしまっている。そう感じるときが多くなってきた。
「その出来事があって、初めてこう思うようになった」という話なのに、「その出来事」の部分にすごい量の反応がある。
例えば、
友達Aと同居していて、家賃やら生活費やらを折半しているにも関わらず、その彼氏は仕事をやめたことを友達Aに一切言わなかった。
言わなかったどころか、数ヶ月もの間、仕事に行くふりをして毎朝出かけていたのだ。
それが職探しだったらまだ良かったのだが、彼氏が行っていたのはパチンコだった。
それも、友達Aの財布からお金を抜いたり、消費者金融に借金をしてまでパチンコへ行っていたという話だ。
私はそういう話を聞いていたので、友達Bが「旦那が最近仕事をやめたことを黙ってたんだよね」と言い出したとき、嫌な予感がしたのだ。
友達Bの旦那もそれはそれで結構なクズらしく、喧嘩の耐えない夫婦だった。
もしかしてクズ男というのは行動が似るのかな? と私は思い始めていた。
しかし、よく考えてみると、友達Aも友達Bも正直わりと我の強いほうだったので、言いたいことをはっきり言うタイプだった。
彼氏と喧嘩するときはだいたい「彼氏が嘘ついてんのにどう頑張っても認めない」だとか、「本当のことを言ったら怒らないのに、素直に本当のこと言わないからムカつく」だとか、「すぐバレるような嘘をつくな」だとかが多かった。
たしかに彼女側の意見しか私には情報が入ってこないので、「それはクズだね」とか「怒っちゃうよね」とか同意する部分が多くなるわけだけど、もしかして、クズ男にしてるのは彼女の方なのでは? とも思えてきたのだ。
怒られる体験や、キツイ物言いを受けすぎた彼氏は、「本当のことを言っても怒らない」ということを、信じられないんじゃないだろうか?
だから彼女のことが安心して相談できる相手ではなくなるし、下手な嘘をついてしまい、バレてまたキツく言われる。その無限ループなんじゃないだろうか。
それに加えて、悪いことを咎めるばかりで、よかった部分を認めないこともあるのかもしれない。
彼女たちはよく「そこは別によかったんだけど、その前(その後)がマイナス過ぎたから結果マイナスだよね」というようなことも言うのだ。
その「そこは別によかったんだけど」の部分をもっとケアしてあげたら、また結果は違ったんじゃないだろうか?
突然仕事をやめて、そのことを伝えずにパチンコに行くような行いを認めるわけじゃないし、本当にもともと本人の意思が弱いのが原因であるかもしれないけど、もしかしたらその原因を膨らませたのは気の強い彼女たちなのかもしれないと、少し思ってしまったのである。
という話があったとして、これに対する反応が
「私だったらそんな男すぐ別れる」
「お前の友達、ロクなやついないな」
「私の彼氏もそんなだった。もう別れたけど」
という感じなのである。(例えの話も、反応の例も上手く真似できていないかもしれないけれど)
でも上の文章は「彼女がキツイ物言いをし続けた結果がクズ彼氏なのかも?」みたいなことを話の中心として書いている(つもり)なので、この反応は少し謎に感じてしまう。
とくに「男がクズだからキツイ物言いにもなる」のような反応は、一見ちゃんと読んでいるように感じるのだけど、私が考えたのは、「キツイ物言いをされるべき行いをしているのだから、キツイ物言いをされるべき」という話ではなくて、「どうしてキツイ物言いをされるべき行いを何度もしてしまうようになっているんだろう」という話なのである。
「クズ」になってしまう理由を「本人の性格」ということ以外にも、こういう原因があるのかもしれないという話をしたかったので、「男がクズだから」という話は筋が通っているようで捻れているように感じてしまう。
きっとこの文章でもうまく伝えられていないと思う。
私が24歳の頃、池袋西口のキャバクラに面接に行った事がある。
大学卒業後、アルバイトを転々とするが何一つ長続きせず、消費者金融からも20万円ぽっち借りただけですぐに借りられなくなった。
親には何度も泣きついて、ついに「もうあげられるお金はないから、地元に帰って来なさい」と最後通告されてしまった。
私はどうしても田舎に帰りたくなかった。
アルバイトも長続きしない人間が、キャバクラで接客なんてまず出来ないのは明白だが、人間窮地に追い込まれれば出来ない事はないと当時の私は思った。
ならしっかり定職に就けば良いものを、地道に働くより短い時間で沢山稼ぎたいと欲だけは深かった。
昼のアルバイトが続かないなら、夜のアルバイトなら続くかも?というよく分からない希望もあった。
インターネットのキャバクラ求人サイトで歩いて行ける池袋西口の店に早速面接の予約をした。
何故そこにしたかと言うと、歩いて行けるけどバスか電車を使ったと申告すれば交通費をチョロまかせると思ったからだ。(当時キャバクラに送迎がある事を知らなかった。浅はかでみみっちい考えである。)
面接日はすぐに決まった。
面接当日、お店のドアを叩くといかにもという感じのスーツの男性が迎えてくれた。
オープン前の店内は薄暗く、並べられたボトルとシャンデリアだけがボヤッと青白く照らされている。
大きな黒い皮張りのソファに、何だか汚ならしい女が座っていた。
顔はどう見ても50過ぎのおばさんだが、赤いペラペラのドレスを着て、白髪まじりの髪を無理矢理ブリーチした金髪は綺麗に巻いてある。
時折カウンターで作業している若いボーイに怒鳴るように話し掛けているが、ボーイは何も返さなかった。
この店のお局だろうか。私はきっとあの人にいじめられるだろう。とまだ面接もしていないのに不安だけは募る。
おばさん嬢から少し離れたソファに案内され座ると、先程カウンターで作業していた若いボーイがスッとドリンクを出してきた。
カクテルグラスにオレンジ色の液体、カットされたオレンジが刺さっている。
アルバイトを20件以上転々とした私でも、面接にこんな飲み物を出されたのは初めてだった。
口にしなかったので今となってはあれがオレンジジュースだったのか、お酒なのか、それともまた別の何かだったのかは分からない。
私は段々怖くなっていた。
1秒も働いてない私にこんな飲み物まで出して、この人達は私を一体どうするつもりなのか。
飲み物を凝視している間に玄関で迎えてくれた男性が向かいのソファに座った。この人が店長らしい。
「身分証見せてくれる?」と言われ免許証を差し出すと店長は「これコピー」と先程のボーイに渡した。
「何でキャバクラで働こうと思ったの?」と誰もが疑問に思うであろう事を聞いてきた。
「あっ、お金がなくて.......はい」と何の捻りもない返事をした。ここでスキルアップだなんだと嘘をついても仕方がないと思った。
ここから先は記憶がぼんやりしているのだが、質問は上記の一点のみで、後はどういう風にお金が貰えるか、どんな事をすると罰金か、などの説明を店長は淡々と話し始めた。
緊張した頭にシステムを叩き込む余地はなく、ただぼんやりと(もうここで働くんだな.......)という実感だけがふつふつと沸いていた。
奥の席で煙草をふかすおばさん嬢、テーブルに置かれた謎のカクテル、シャンデリア、ボーイ、目の前でキャバクラの説明をする店長.......
昨日までの自分からは想像もつかない夜の雰囲気に、私は怖じ気づいてしまった。
働きたくない。怖い。でももう後戻り出来ないところまで来たんじゃないか。
ここでやっぱりやめますなんて言ったら、東京湾に沈められるのではないか。
さっき免許証のコピーも撮られたから悪用されるのでは。もう私の人生は終わった。
お母さんには迷惑ばかりかけた。金をせびるばかりで、何もしてあげられないまま私は夜の街に消費されるんだ。
そこまで考えて、私は泣き出した。
「すみません、私やっぱり無理です.......ごめんなさい.......」
言ったら殺されると思いながらも、もう言わずにはいられないくらい恐怖と不安に押し潰されていた。
店長は顔色ひとつ変えず「そうですか、駅まで送るね」とスッと立って出口に向かった。
外に出ると一気に安心した。
「すみませんでした.......失礼します」と頭を下げて帰ろうとしたら、店長もついてくる。
えっ?!ほんとに駅までくるの?!と内心焦った。
私はまだ解放されていないのだろうか。
夜の池袋の街を並んで歩きながら店長は「世の中には悪いお店も沢山あるから、もうこういう事はしちゃいけないよ」と言った。
怒るでも諭すでもない、フラットな口調だった。
「はい.......すみません.......」それしか言えない。時間と労力と謎のカクテルを無駄にしてしまった私はどんな償いをすればいいのか、何か要求されるのだろうか、お金はない.......どうすれば.......と私の頭はいっぱいだった。
店長はそれ以上の事は言わず、お互い無言で池袋西口の駅に着いた。
「では気をつけて」「はい、ありがとうございました」お辞儀をして数歩歩いて振り向くとまだ店長はこちらを向いて立っていた。
何もなかった。
本当に駅まで送ってくれただけだった。
駅前に用事があったのだろうか、そのついでに私を送ってくれたのだろうか。
でも振り向いた時にまだ店長は立っていた。
優しい人だったのだろうか。
私は東京湾に沈められる事も、免許証が悪用される事も(多分)なく過ごしている。
この10年性懲りもなく何度も金がなく、出来もしない職業にヤケクソに飛び込もうとした時はあったが、あの時の店長の事を思い出しては踏み留まった。
藤田孝典のツイッター上での暴言と風俗業の人たちの反発がまだまだ続いている。
基本的に風俗業の人たちに共感できるし、説得力もあると思うがが、
「好きでやっている人もたくさんいる」
⇒「好きでやっている」人がたくさんいることは事実だろうし、
「好きと思わされているだけ」という批判も見当違いだとは思う。
しかし、それが心身の健康リスクの高い仕事であれば、普通に規制されるべきである。
そして風俗業は、明らかに心身の健康リスクが著しく高い仕事と言わざるを得ない。
「労働法がなんだ、俺は土日関係なしに24時間働きたいんだ」という人がいたとしても、
「規制すれば地下に潜ってより悪質化する」
消費者金融を規制する時も、そうしたロジックが濫用されていた。
⇒ 理想は同意できるが、正直難しく廃業以上に現実的ではない。