文章どころか、伝えたいことをうまく伝えるのが難しい。
いろんなところで文章を書いたけれど、どれだけ丁寧に文章を書いたところで「伝えたいこと」を私が書いたとおりに読み取ってくれる人というのは少数だった。
荒れるときが一番わかりやすく「このコメント欄は一体なんの話をしてるんだ?」というくらい読み取ってもらえないのだけど、ただただ「感動した」という平和な反応のときすらも「え、そう思うんだ」というときも多々あった。
他の人の文章を読んでいても、荒れているときの反応が理解できないときもある。
「この人の文章の伝えたいことはそこではないのでは?」というところに反応が集まり、荒れてしまっている。そう感じるときが多くなってきた。
「その出来事があって、初めてこう思うようになった」という話なのに、「その出来事」の部分にすごい量の反応がある。
例えば、
友達Aと同居していて、家賃やら生活費やらを折半しているにも関わらず、その彼氏は仕事をやめたことを友達Aに一切言わなかった。
言わなかったどころか、数ヶ月もの間、仕事に行くふりをして毎朝出かけていたのだ。
それが職探しだったらまだ良かったのだが、彼氏が行っていたのはパチンコだった。
それも、友達Aの財布からお金を抜いたり、消費者金融に借金をしてまでパチンコへ行っていたという話だ。
私はそういう話を聞いていたので、友達Bが「旦那が最近仕事をやめたことを黙ってたんだよね」と言い出したとき、嫌な予感がしたのだ。
友達Bの旦那もそれはそれで結構なクズらしく、喧嘩の耐えない夫婦だった。
もしかしてクズ男というのは行動が似るのかな? と私は思い始めていた。
しかし、よく考えてみると、友達Aも友達Bも正直わりと我の強いほうだったので、言いたいことをはっきり言うタイプだった。
彼氏と喧嘩するときはだいたい「彼氏が嘘ついてんのにどう頑張っても認めない」だとか、「本当のことを言ったら怒らないのに、素直に本当のこと言わないからムカつく」だとか、「すぐバレるような嘘をつくな」だとかが多かった。
たしかに彼女側の意見しか私には情報が入ってこないので、「それはクズだね」とか「怒っちゃうよね」とか同意する部分が多くなるわけだけど、もしかして、クズ男にしてるのは彼女の方なのでは? とも思えてきたのだ。
怒られる体験や、キツイ物言いを受けすぎた彼氏は、「本当のことを言っても怒らない」ということを、信じられないんじゃないだろうか?
だから彼女のことが安心して相談できる相手ではなくなるし、下手な嘘をついてしまい、バレてまたキツく言われる。その無限ループなんじゃないだろうか。
それに加えて、悪いことを咎めるばかりで、よかった部分を認めないこともあるのかもしれない。
彼女たちはよく「そこは別によかったんだけど、その前(その後)がマイナス過ぎたから結果マイナスだよね」というようなことも言うのだ。
その「そこは別によかったんだけど」の部分をもっとケアしてあげたら、また結果は違ったんじゃないだろうか?
突然仕事をやめて、そのことを伝えずにパチンコに行くような行いを認めるわけじゃないし、本当にもともと本人の意思が弱いのが原因であるかもしれないけど、もしかしたらその原因を膨らませたのは気の強い彼女たちなのかもしれないと、少し思ってしまったのである。
という話があったとして、これに対する反応が
「私だったらそんな男すぐ別れる」
「お前の友達、ロクなやついないな」
「私の彼氏もそんなだった。もう別れたけど」
という感じなのである。(例えの話も、反応の例も上手く真似できていないかもしれないけれど)
でも上の文章は「彼女がキツイ物言いをし続けた結果がクズ彼氏なのかも?」みたいなことを話の中心として書いている(つもり)なので、この反応は少し謎に感じてしまう。
とくに「男がクズだからキツイ物言いにもなる」のような反応は、一見ちゃんと読んでいるように感じるのだけど、私が考えたのは、「キツイ物言いをされるべき行いをしているのだから、キツイ物言いをされるべき」という話ではなくて、「どうしてキツイ物言いをされるべき行いを何度もしてしまうようになっているんだろう」という話なのである。
「クズ」になってしまう理由を「本人の性格」ということ以外にも、こういう原因があるのかもしれないという話をしたかったので、「男がクズだから」という話は筋が通っているようで捻れているように感じてしまう。
きっとこの文章でもうまく伝えられていないと思う。
無意味な空行を入れると下の世界に生まれ変わるんだって。イヤだねぇ。