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はてなキーワード: 一般均衡とは

2024-11-03

経済の話をすると、やたら理解力の欠如した連中が湧いてくるんだけど、ミクロ的に見たら「俺の利益になることをしろ!」と政治主張してるだけなんだよねアイツラ

例えば一般均衡理論がどうとか、動的価格理論がどうとか、そういう話をしたいんよ俺は

2024-09-15

[] 無限次元確率動的一般均衡モデル

1. 確率基底と関数空間

完備確率空間 (Ω, ℱ, ℙ) 上で、右連続増大フィルレーション {ℱₜ}ₜ≥₀ を考える。

状態空間として、実可分ヒルベルト空間 ℋ を導入し、その上のトレース作用素なす空間を 𝓛₁(ℋ) とする。

2. 無限次元確率微分方程式

システムダイナミクスを以下の無限次元確率微分方程式記述する:

dXₜ = [AXₜ + F(Xₜ, uₜ)]dt + G(Xₜ)dW

ここで、Xₜ ∈ ℋ は状態変数、A は無限次元線形作用素、F, G は非線形作用素、uₜ は制御変数、Wₜ は Q-Wiener プロセスである

3. 一般化された経済主体問題

経済主体最適化問題を、以下の抽象的な確率最適制御問題として定式化する:

max𝔼[∫₀^∞ e⁻ᵖᵗ L(Xₜ, uₜ) dt]

ここで、𝓤 は許容制御の集合、L: ℋ × 𝓤 → ℝ は汎関数である

4. 無限次元HJB方程式

価値汎関数 V: ℋ → ℝ に対する無限次元Hamilton-Jacobi-Bellman方程式

ρV(x) = sup{L(x, u) + ⟨AX + F(x, u), DV(x)⟩ℋ + ½Tr[G(x)QG*(x)D²V(x)]}

ここで、DV と D²V はそれぞれFréchet微分と2次Fréchet微分を表す。

5. 無限次元Fokker-Planck方程式

システム確率分布時間発展を記述する無限次元Fokker-Planck方程式

∂p/∂t = -divℋ[(Ax + F(x, u))p] + ½Tr[G(x)QG*(x)D²p]

ここで、p: ℋ × [0, ∞) → ℝ は確率密度汎関数、divℋ はヒルベルト空間上の発散作用素である

6. 無限次元随伴方程式

最適制御問題随伴方程式

dλₜ = -[A*λₜ + DₓF*(Xₜ, uₜ)λₜ + DₓL(Xₜ, uₜ)]dt + νₜ dW

ここで、λₜ は無限次元随伴過程、A* は A の共役作用素である

7. 無限次元マルチンゲール問題

価格過程一般的な表現を、以下の無限次元マルチンゲール問題として定式化する:

Mₜ = 𝔼[M_T | ℱₜ] = M₀ + ∫₀ᵗ Φₛ dW

ここで、Mₜ は ℋ 値マルチンゲール、Φₜ は予測可能な 𝓛₂(ℋ) 値過程である

8. 関数空間上の測度変換

Girsanovの定理無限次元拡張を用いて、以下の測度変換を考える:

dℚ/dℙ|ℱₜ = exp(∫₀ᵗ ⟨θₛ, dWₛ⟩ℋ - ½∫₀ᵗ ‖θₛ‖²ℋ ds)

ここで、θₜ は ℋ 値適合過程である

9. 無限次元確率偏微分方程式

インフレーション動学を、以下の無限次元確率偏微分方程式記述する:

dπₜ = [Δπₜ + f(πₜ, iₜ, Yₜ)]dt + σ(πₜ)dW

ここで、Δ はラプラシアン、f と σ は非線形作用素、iₜ は金利、Yₜ は総産出である

10. 関数空間上の漸近展開

さなパラメータ ε に関して、解を以下のように関数空間上で展開する:

Xₜ = X₀ + εX₁ + ε²X₂ + O(ε³)

ここで、各 Xᵢ は ℋ 値確率過程である

11. 実質賃金への影響分析

実質賃金過程無限次元確率微分方程式として定式化する:

dwₜ = [Bwₜ + H(wₜ, πₜ, iₜ, Yₜ)]dt + K(wₜ)dW

ここで、B は線形作用素、H と K は非線形作用素である

金利上昇の実質賃金への影響は、以下の汎関数微分評価できる:

δ𝔼[wₜ]/δiₜ = lim(ε→0) (𝔼[wₜ(iₜ + εh) - wₜ(iₜ)]/ε)

ここで、h は ℋ の任意の要素である

12. 抽象考察

1. 非可換確率論:

量子確率論の枠組みを導入し、不確実性のより一般的な記述を行う。

2. 圏論アプローチ

経済モデルを圏として捉え、関手自然変換を用いて分析する。

3. ホモトピー型理論

経済均衡の位相構造分析し、均衡の安定性を高次ホモトピー群で特徴付ける。

4. 超準解析:

無限小解析を用いて、極限的な経済現象を厳密に扱う。

結論

無限次元確率動的一般均衡モデルは、金利インフレーション実質賃金相互作用一般的な形で記述している。

モデルの複雑性により、具体的な解を得ることは不可能に近いが、この理論的枠組みは経済現象本質的構造を捉えることを目指している。

このアプローチは、金利上昇がインフレ抑制を通じて実質賃金に与える影響を、無限次元確率過程観点から分析することを可能にする。

しかし、モデル抽象性と現実経済の複雑性を考慮すると、具体的な政策提言への直接的な適用不適切である

このモデルは、経済学の理論的基礎を数学的に提供するものであり、実際の経済分析政策決定には、この抽象的枠組みから導かれる洞察を、より具体的なモデル実証研究と慎重に組み合わせて解釈する必要がある。

このレベル抽象化は、現代経済研究最前線はるかに超えており、純粋理論的な探求としての意義を持つものであることを付記する。

2024-09-13

[] 貨幣発行の無効性の証明

貨幣中立性と超中立性の理論

貨幣中立性と超中立性の概念を用いて、貨幣発行の効果を厳密に分析する。

貨幣中立

長期的には、貨幣供給量の変化は実質変数に影響を与えないという仮説である

定義:∀x ∈ X, f(λM, x) = λf(M, x)

ここで、

貨幣の超中立

貨幣供給量の成長率の変化も実質変数に影響を与えないという、より強い仮説である

定義:∀x ∈ X, g(μ, x) = g(μ', x)

ここで、

動学的一般均衡モデル

より厳密な分析のため、動学的一般均衡モデルを考える。

代表的家計効用最大化問題

max E₀[Σ₍ₜ₌₀∞) βᵗU(cₜ, mₜ/pₜ)]

制約条件:cₜ + mₜ/pₜ + bₜ/pₜ = yₜ + (mₜ₋₁ + Rₜ₋₁bₜ₋₁)/pₜ + τₜ

ここで、

貨幣発行のインパクト理論分析

1. フィッシャー方程式

i = r + π

ここで、i は名目利子率、r は実質利子率、π はインフレである

2. 貨幣需要関数(Cagan型):

ln(Mᵈ/P) = α - βi + γy

ここで、Mᵈ は貨幣需要、P は物価水準、y は実質所得である

3. 貨幣市場均衡条件:

Mˢ = Mᵈ

4. 貨幣成長率とインフレ率の関係(長期均衡):

μ = π

ここで、μ は貨幣供給量の成長率である

これらの方程式から貨幣供給量の増加が長期的にはインフレーションに直結し、実質変数に影響を与えないことが導出される。

数学証明貨幣発行の無効

仮定

1. 貨幣中立性が成立

2. 合理的期待形成

証明

Let M₀ be the initial money supply and M₁ = λM₀ (λ > 1) be the new money supply after monetary expansion.

Step 1: By monetary neutrality, ∀x ∈ X, f(λM₀, x) = λf(M₀, x)

Step 2: Let P₀ and P₁ be the price levels corresponding to M₀ and M₁ respectively.

Step 3: In equilibrium, M₀/P₀ = M₁/P₁ (real money balances remain constant)

Step 4: Substituting M₁ = λM₀, we get: M₀/P₀ = λM₀/P₁

⇒ P₁ = λP₀

Step 5: For any real variable x, its nominal value at t=1 is P₁x = λP₀x

Conclusion: The monetary expansion leads to a proportional increase in all nominal variables, leaving real variables unchanged.

この証明は、単純な貨幣発行が実質的経済問題解決しないことを数学的に示している。

2024-09-10

[] ミクロ経済学抽象化

1. 圏論アプローチによる消費者理論

1.1 基本設定
1.2 選好の表現
1.3 一般化された効用最大化問題

sup_{x ∈ U(X)} x subject to φ(x) ≤ w

ここで、φ: U(X) → ℝ は連続線形汎関数、w ∈ ℝ は初期富である

2. 微分位相幾何学アプローチによる生産理論

2.1 基本設定
2.2 一般化された利潤最大化問題

sup_{y ∈ T_p𝓜} ω(y)

2.3 生産対応特性化

生産対応を η: T*𝓜 → 2^{T𝓜} とし、以下の条件を満たす:

∀ω ∈ T*𝓜, η(ω) = {y ∈ T_p𝓜 : dω(y) = 0}

ここで、dω は ω の外微分である

3. 作用素代数アプローチによる一般均衡理論

3.1 経済定義

経済 ℰ をC*-代数 𝒜 上の作用素の組として定義

ℰ = ((ℋ_i, π_i, Ω_i)_{i ∈ I}, (T_j)_{j ∈ J})

ここで、

3.2 均衡の定義

状態 (ψ_i*)_{i ∈ I} と価格作用素 P ∈ 𝒜 が均衡であるとは、以下を満たすことを言う:

1. ∀i ∈ I, ψ_i* = arg max_{ψ ∈ ℋ_i} ⟨ψ, π_i(P)ψ⟩ subject to ⟨ψ, π_i(P)ψ⟩ ≤ ⟨Ω_i, π_i(P)Ω_i⟩ + ∑_{j ∈ J} θ_{ij} τ(PT_j)

2. ∀j ∈ J, T_j = arg max_{T ∈ 𝒜} τ(PT)

3. ∑_{i ∈ I} (ψ_i* - Ω_i) = ∑_{j ∈ J} T_j

ここで、τ は 𝒜 上のトレース、θ_{ij} は消費者 i の生産者 j に対する利潤シェアである

4. 非可換幾何学アプローチによる市場構造

4.1 スペクトル三つ組

市場構造を非可換幾何学の枠組みでモデル化:

(𝒜, ℋ, D)

ここで、

4.2 市場均衡の特性化

市場均衡を以下の作用素方程式特性化

[D, π(a)] = 0, ∀a ∈ 𝒜_{eq}

ここで、𝒜_{eq} ⊂ 𝒜 は均衡状態を表す部分代数、π は 𝒜 の ℋ 上の表現である

5. ホモトピー理論と均衡動学

均衡への収束過程ホモトピー理論を用いて分析

H: [0,1] × X → X

ここで、X は経済状態空間、H(0,x) = x_0(初期状態)、H(1,x) = x*(均衡状態である

均衡の安定性は、ホモトピー H の特異点構造と関連付けられる。

2024-08-26

経済学の未解決問題

以下は経済学における未解決問題リストである。これらの問題の一部は理論起源を持ち、一部は正統派経済理論経験的観察を説明できないことに関するものである

資本理論

ケンブリッジ資本論争

1950年代に始まった経済学における論争である資本財の性質役割、および集計的生産と分配に関する新古典派見解への批判が争点となった。自然成長率が外生的か内生的かという問題が論争の核心にある。この論争の決着については経済学者の間で合意が得られていない。

転形問題

マルクス経済学特有問題で、社会的必要労働時間に基づく商品価値市場競争価格に変換する一般的規則を見出すことである本質的な難しさは、直接労働投入から剰余価値の形での利潤と、商品間で大きく異なる直接労働投入と資本投入の比率を、全投下資本に対する平均利潤率の傾向と調和させることにある。

行動経済学

顕示選好

消費者がすべての選択肢を購入できる場合、顕示選好理論は本当に消費者の選好を明らかにするのか。例えば、消費者が3つの商品を購入できる場合、AからCへ、そしてBへと購入順序が変わっても、これは消費者の選好がA > C > Bであることを示唆するのか。

タトヌマン

一般均衡理論の定式化において、タトヌマン試行錯誤)が重要役割を果たす。初期契約が均衡をもたらさな場合、それは終了し、新しい契約策定される。初期契約が解除されない場合、元のプロセスの誤差の程度に応じて、異なる価格セットにつながる可能性がある。

人間バイアス統一モデル

行動経済学研究により、人々が認知バイアスの影響を受けることが明らかになった。これらのバイアス経済モデルに組み込む統一的なモデルはまだ見られていない。

金融経済

株式プレミアムパズル

過去100年ほどの間、米国株式の平均実質リターンが債券のそれを大幅に上回っている理由説明することが課題となっている。

配当パズル

配当を支払う企業投資家から高い評価を受ける傾向がある現象説明が求められている。

改良されたブラックショールモデルバイノミアル・オプション価格モデル

これらのモデルには多くの重要制限があり、特に歴史的市場の動きを考慮できないことや、オプション過大評価する傾向がある。

国際経済学

貿易における自国バイアスパズル

国内地域間貿易が、法的障壁がない場合でも、異なる国の地域間貿易よりも実質的に大きいという観察結果を説明するフレームワーク現在存在しない。

株式自国バイアスパズル

多くの国の個人機関が、グローバル経済ポートフォリオを大幅に分散させる能力があるにもかかわらず、外国株式わずしか保有していないという観察結果の説明が求められている。

バッカスキーホー・キドランドパズル

消費が産出よりも国家間で相関が低いという経験的観察を説明することが課題となっている。

フェルドシュタインホリオカパズル

OECD諸国において、長期的な国民貯蓄率の平均が国内投資率の平均と高い相関関係にあるという観察結果の説明が求められている。

PPPパズル

実質為替レートが多くのモデル示唆するよりも変動性が高く、持続性があるという観察結果を説明することが課題となっている。

為替レート切断パズル

為替レートと経済の他の部分との間の短期的なフィードバックリンクが弱いことを説明することが求められている。

経済人類学

形式主義実体主義論争

新古典派経済モデル普遍的妥当性に関する論争が続いている。形式主義者は適切な修正を加えれば任意社会適用できると主張するが、批判者は合理的選択効用最大化の普遍性に疑問を呈している。

[] 社会厚生の公理的定式化

基本設定

1. 経済主体の集合は E = {1, 2, ..., n} である

2. 財の集合は G = {1, 2, ..., m} である

3. 消費集合は Xᵢ ⊆ ℝᵐ₊ for i ∈ E である

4. 選好関係は ≽ᵢ on Xᵢ for i ∈ E である

5. 生産可能性集合は Y ⊆ ℝᵐ である

効用最大化問題

消費者 i の効用最大化問題は以下のようになる。

max{xᵢ∈Xᵢ} uᵢ(xᵢ) subject to p · xᵢ ≤ wᵢ

ここで、uᵢ: Xᵢ → ℝ は効用関数、p ∈ ℝᵐ₊ は価格ベクトル、wᵢ は初期賦存量である

利潤最大化問題

企業利潤最大化問題は以下のようになる。

max{y∈Y} p · y

一般均衡

一般均衡は以下の条件を満たす配分 (x*, y*) と価格ベクトル p* の組である

1. xᵢ* ∈ arg max{xᵢ∈Xᵢ} {uᵢ(xᵢ) : p* · xᵢ ≤ wᵢ} for all i ∈ E

2. y* ∈ arg max{y∈Y} p* · y

3. Σ{i∈E} xᵢ* = Σ{i∈E} wᵢ + y*

厚生経済学の基本定理
ホテリング補題

利潤関数を π(p, w) とすると、

∂π(p, w)/∂pⱼ = yⱼ(p, w)

ここで、yⱼ は財 j の供給関数である

生産者余剰の変化

価格変化による生産者余剰の変化は以下のようになる。

ΔPS = ∫{p₀}^{p₁} y(p, w) dp

公共経済学の定式化

社会厚生関数は W: ℝⁿ → ℝ である

政府問題は以下のようになる。

max{x,y,t} W(u₁(x₁), ..., uₙ(xₙ))

subject to:

1. Σ{i∈E} xᵢ = Σ{i∈E} wᵢ + y

2. y ∈ Y

3. xᵢ ∈ arg max{xᵢ∈Xᵢ} {uᵢ(xᵢ) : p · xᵢ ≤ wᵢ + tᵢ} for all i ∈ E

4. Σ{i∈E} tᵢ = 0 (予算均衡条件)

ここで、tᵢ は個人 i への移転支払いを表す。

2024-08-18

anond:20240817220243

anond:20240818001406

消費税は、消費を抑えるためにある

これちゃん経済学勉強したことないけど「ぼくのかんがえるさいきょうのけいざいがく」が好き、な人がよく言うよね。アジテーション味を強くして、消費税は消費に対する罰金だ、とかも言ったりする。

でも実際には、所得税だって所得制限する結果として消費を抑えるために働くし、

消費税だって労働によって買えるものを減らす結果として労働価値を減らし労働を抑えるために働く、

といった一般均衡での最終到達点を考えなければならないから、消費税は消費を抑えるためにあるなんて特に意味があるフレーズじゃないんだけどな。公共投資給付金といった支出側の増加を伴わないなら、消費税に限らず大概の税が消費を抑えるので。公害や不健康に対するピグー税みたいな局所的で、部分均衡で概ね近似できるもの消費税では全然話が別。

2024-08-16

[] 円安物価高のデメリット

円安物価高のデメリット分析するために、経済理論を使ったアプローチを示す。

以下では、動学的確率一般均衡(DSGE)モデル確率微分方程式を用いて、円安物価高が経済に与える影響を数理的に抽象化する。

1. 動学的確率一般均衡(DSGE)モデル

DSGEモデルは、経済全体の動学的な相互作用考慮したモデルである。ここでは、消費者企業政府、および外部経済考慮し、円安物価高の影響を分析する。

消費者最適化問題

消費者は、無限時間にわたる効用を最大化する。効用関数を U(C_t, L_t) とし、割引因子を β とする。消費者の動学的最適化問題は次のように表される。

max E_0 [ ∑_{t=0}^{∞} β^t U(C_t, L_t) ]

subject to

P_{C,t} C_t + B_{t+1} = W_t L_t + (1 + r_t) B_t + Π_t - T_t

ここで、C_t は時点 t の消費、L_t は労働供給、P_{C,t} は消費財価格、B_t は債券保有量、W_t は賃金、Π_t は企業から配当、T_t は税金である

企業最適化問題

企業生産関数 Y_t = A_t ・ F(K_t, L_t, M_t) に基づき、利潤を最大化する。

max E_t [ ∑_{t=0}^{∞} β^t ( P_{Y,t} F(K_t, L_t, M_t) - W_t L_t - r_t K_t ) ]

subject to

K_{t+1} = (1-δ)K_t + I_t

ここで、δ は資本の減耗率、I_t は投資である

2. 為替レートと輸入物価関係

円安が進行すると、輸入品価格が上昇する。これを数理的に表現するために、為替レート E_t と輸入品価格 P_{import,t} の関係を以下のようにモデル化する。

P_{import,t} = E_t ・ P_{foreign,t}

ここで、P_{foreign,t} は外国通貨での輸入品価格である

3. 確率微分方程式によるモデリング

為替レートや輸入物価の変動は、確率微分方程式を用いてモデル化される。例えば、為替レートの変動は次のように表される。

dE_t = μ E_t dt + σ E_t dW_t

ここで、μ はドリフト項、σ はボラティリティ、dW_t はウィーナー過程である。このモデルを用いることで、為替レートのランダムな変動が輸入物価実質賃金に与える影響を分析できる。

4. インプリケーション

2024-08-13

左翼思考主義で、右翼自然主義というのは納得がいく

傾向として、左翼思考主義で、右翼自然主義というのは納得がいく

https://anond.hatelabo.jp/20240805223215#tb

どちらが賢いとかどちらが偉いとかではなく、思考パターンの傾向として納得がいく

面白いのが、世の中には自然主義的な考え方を持つ、思考主義者というのもいる

古典的経済学者という人種は、まさにそれの最たる例である

一般均衡理論基本的な考えは市場に任せれば、効率的資源配分が実現するというものである

交換の利益ミクロ経済学の基礎においてる以上、この結論ある意味当たり前である

この自由放任の考え方は、自然主義的な傾向があるにもかかわらず、数学的な論証によって築かれた理論的基盤に依拠してる点から思考主義的ともいえる

資本主義肯定する立場には二種類いる

一つ目が本能による肯定

自然界は弱肉強食」「競争は当たり前」

こういった本能により資本主義肯定する

二つ目理論による肯定

一般均衡理論のような考えを持ち出して、市場均衡の効率性を主張する

こういった本能による資本主義肯定理論による資本主義肯定存在する

ハイエクは、設計主義計画経済を嫌ったが、彼の主張が「あらゆる計画抵抗する計画」と皮肉られるのもこの所以である

エリートによるエリート批判思考主義者による思考主義無謬性に対する批判、これらは自己矛盾を起こしている

2024-08-12

[] 金利上昇と円高の影響の分析

金利の上昇と円高インフレ抑制する影響を分析する。

DSGEモデル(動学的確率一般均衡モデル

DSGEモデルは、経済全体の動学的な挙動分析するために用いられるモデルで、金利為替レート、インフレ相互作用を捉えることができる。

モデル構成

1. 家計最適化問題:

  • 家計は消費と労働供給最適化する。効用 U(Cₜ, Lₜ) を最大化するために、予算制約 Cₜ + Bₜ₊₁/(1+rₜ) = WₜLₜ + Bₜ + Πₜ を考慮する。
  • ラグランジュアンを用いて、𝓛 = Eₜ ∑ₜ₌₀^∞ βᵗ [U(Cₜ, Lₜ) + λₜ(WₜLₜ + Bₜ + Πₜ - Cₜ - Bₜ₊₁/(1+rₜ))] を最大化する。

2. 企業最適化問題:

  • 企業生産関数 Yₜ = Aₜ Kₜᵅ Lₜ¹⁻ᵅ を用いて利潤を最大化する。
  • コスト最小化の条件から、Wₜ = (1-α)Aₜ Kₜᵅ Lₜ⁻ᵅ と rₜ = α Aₜ Kₜᵅ⁻¹ Lₜ¹⁻ᵅ が得られる。

3. 中央銀行政策ルール:

4. 為替レートの動学:

モデルの解法

DSGEモデルは通常、線形化して解く。ここでは、状態空間表現を用いて、リカッチ方程式を解くことで均衡を求める。

1. 線形化:

2. 状態空間表現:

  • Xₜ₊₁ = A Xₜ + B εₜ
  • Yₜ = C Xₜ

3. リカッチ方程式:

結果の解釈

2024-07-23

[] ミクロ経済学概要

1. 一般均衡モデル

経済を I 個の財・サービス、J 人の消費者、F 社の企業から成るとする。

1.1 消費者最適化問題

消費者 j ∈ {1, ..., J} の問題は以下のように定式化される:

 

max Uⱼ(xⱼ)

s.t. p · xⱼ ≤ wⱼ + Σ(f=1 to F) θⱼᶠπᶠ

 

ここで、

Uⱼ: 消費者 j の効用関数(強い単調性、強い凸性を仮定

xⱼ = (x₁ⱼ, ..., xᵢⱼ): 消費ベクトル

p = (p₁, ..., pᵢ): 価格ベクトル

wⱼ: 初期賦存

θⱼᶠ: 消費者 j の企業 f への所有権シェア

πᶠ: 企業 f の利潤

 

一階条件(Kuhn-Tucker条件):

∂Uⱼ/∂xᵢⱼ ≤ λⱼpᵢ, xᵢⱼ ≥ 0, xᵢⱼ(∂Uⱼ/∂xᵢⱼ - λⱼpᵢ) = 0 ∀i ∈ I

λⱼ(wⱼ + Σ(f=1 to F) θⱼᶠπᶠ - p · xⱼ) = 0, λⱼ ≥ 0

 

ここで、λⱼ はラグランジュ乗数。

1.2 企業最適化問題

企業 f ∈ {1, ..., F} の問題

 

max πᶠ = p · yᶠ

s.t. yᶠ ∈ Yᶠ

 

ここで、

yᶠ = (y₁ᶠ, ..., yᵢᶠ): 生産ベクトル(正は産出、負は投入)

Yᶠ: 企業 f の生産可能集合(閉凸集合と仮定

 

一階条件(利潤最大化条件):

p · y ≤ p · yᶠ ∀y ∈ Yᶠ

1.3 市場均衡条件

市場清算条件:

Σ(j=1 to J) xᵢⱼ = Σ(f=1 to F) yᵢᶠ + Σ(j=1 to J) wᵢⱼ ∀i ∈ I

 

ここで、wᵢⱼ は消費者 j の財 i の初期賦存量。

 

ワルラス法則

p · (Σ(j=1 to J) xⱼ - Σ(f=1 to F) yᶠ - Σ(j=1 to J) wⱼ) = 0

 

2. 一般均衡存在証明(概略)

1. 価格単体を定義:Δ = {p ∈ ℝ₊ᴵ | Σ(i=1 to I) pᵢ = 1}

2. 超過需要関数 z(p) を定義

3. z(p) の連続性を証明

4. 予算制約とワルラス法則より、p · z(p) = 0 ∀p ∈ Δ を示す

5. 境界条件:pᵢ → 0 ⇒ zᵢ(p) → +∞ を証明

6. Kakutani の不動点定理適用し、z(p*) = 0 となる p* ∈ Δ の存在を示す

3. パレート最適性の数学的特徴付け

社会的厚生関数 W = W(U₁(x₁), ..., Uⱼ(xⱼ)) を最大化する問題を考える:

 

max W(U₁(x₁), ..., Uⱼ(xⱼ))

s.t. Σ(j=1 to J) xⱼ = Σ(f=1 to F) yᶠ + Σ(j=1 to J) wⱼ

yᶠ ∈ Yᶠ ∀f ∈ F

 

一階条件:

W/∂Uⱼ · ∂Uⱼ/∂xᵢⱼ = μpᵢ ∀i ∈ I, ∀j ∈ J

p = ∇yᶠπᶠ(yᶠ) ∀f ∈ F

 

ここで、μ はラグランジュ乗数、∇yᶠπᶠ(yᶠ) は利潤関数の勾配ベクトル

 

これらの条件は、消費の効率性、生産効率性、そして消費と生産効率性を同時に表現している。

4. 厚生経済学の基本定理

第一基本定理:完全競争市場均衡はパレート最適である

証明には、均衡条件とパレート最適性の条件の同値性を示す。

 

第二基本定理任意パレート最適資源配分は、適切な初期賦存の再分配の下で、競争均衡として実現可能である

証明には、分離超平面定理を用いる。

2024-07-22

[] 動的一般均衡理論抽象拡張

1. 基本設定

経済表現する空間を E とし、これを局所位相線形空間とする。価格空間 P を E の双対空間 E* の部分集合とし、商品空間 X を E の部分集合とする。

2. 一般化された超過需要関数

Z: P × Ω → X を一般化された超過需要関数とする。ここで Ω は外生パラメータ空間である。Z は以下の性質を満たす:

(a) 連続性:Z は P × Ω 上で連続

(b) 一般化された同次性:任意の λ > 0 に対して Z(λp, ω) ≈ Z(p, ω)

ここで ≈ は適切に定義された同値関係

(c) 一般化されたワルラス法則:<p, Z(p, ω)> = 0

ここで <・,・> は E* と E の間の双対性を表す

(d) 境界条件:p が P の境界に近づくとき、||Z(p, ω)|| は無限大に発散

3. 価格調整メカニズム

価格の動的調整を表現するために、以下の無限次元力学系を導入する:

dp/dt = F(Z(p, ω))

ここで F: X → TP は C^1 級写像であり、TP は P の接束を表す。

4. 均衡の存在と安定性

定理1(均衡の存在):適切な位相的条件下で、Z(p*, ω) = 0 を満たす p* ∈ P が存在する。

証明の概略:KKM(Knaster-Kuratowski-Mazurkiewicz)の定理一般化した不動点定理を応用する。

 

定理2(局所安定性):p* の近傍 U が存在し、初期値 p(0) ∈ U に対して、解軌道 p(t) は t → ∞ のとき p* に収束する。

証明の概略:リャプノフ関数 V(p) = ||Z(p, ω)||^2 / 2 を構成し、V の時間微分が負定値となることを示す。

5. 不均衡動学

不均衡状態における経済主体の行動を記述するために、以下の最適化問題を導入する:

 

経済主体 i に対して、

最大化 U_i(x_i)

制約条件 <p, x_i> ≤ w_i + Σ_j p_j min{z_ij, 0}

 

ここで U_i は効用汎関数、w_i は初期富、z_ij は財 j に対する主体 i の超過需要である

6. 確率拡張

確率空間 (Ω, F, P) 上で、以下の確率微分方程式を考察する:

dp(t) = F(Z(p(t), ω))dt + σ(p(t), ω)dW(t)

ここで W(t) は適切な次元のウィーナー過程、σ はボラティリティ作用素である

7. 漸近解析

ε → 0 のとき、以下の特異摂動問題考察する:

ε dp/dt = F(Z(p, ω))

この解析により、短期的な価格調整と長期的な均衡の関係を明らかにする。

8. 一般化された不動点定理

定理3(一般化された不動点定理):P が局所位相線形空間 E の非空、凸、コンパクト部分集合であり、F: P → P が連続写像であるとき、F は不動点を持つ。

この定理を用いて、より一般的な経済モデルにおける均衡の存在証明できる。

 

定理 4: 漸近挙動定理

ε → 0 のとき、特異摂動問題 ε dp/dt = F(Z(p, ω)) の解の漸近挙動は、元の動的システムの長期的均衡と一致する。

2024-07-18

[] 両義的資源文明発展

1. 理論的枠組み

両義的資源善悪両用可能な要素)の文明発展への影響を分析するにあたり、以下の経済学概念を中心に議論を展開します:

a) 内生的成長理論(Romer, 1990; Aghion & Howitt, 1992)

b) 制度経済学(North, 1990; Acemoglu et al., 2005)

c) 情報経済学(Stiglitz, 2000; Akerlof, 1970)

d) 行動経済学(Kahneman & Tversky, 1979; Thaler & Sunstein, 2008)

2. 内生的成長理論による分析

Romerの内生的成長モデル拡張し、両義的資源(R)を組み込んだ生産関数を以下のように定式化します:

Y = A * K^α * L^β * R^γ

ここで、Y は総生産、A は技術水準、K は資本、L は労働、α, β, γ はそれぞれの生産弾力性です。

R の善悪の影響を表現するため、以下の条件を追加します:

dA/dR = f(I, S)

ここで、I は制度の質、S は社会的規範です。f(I, S) > 0 の場合、R は善として機能し、f(I, S) < 0 の場合、R は悪として機能します。

3. 制度役割の厳密な分析

Acemoglu et al. の制度経済学モデルを応用し、以下の制度の質関数定義します:

I = g(P, E, C)

ここで、P は政治的制度、E は経済的制度、C は文化的要因です。

制度の質 I が高いほど、両義的資源 R が善として機能する確率が高まります

Pr(R is good) = h(I)

ここで、h'(I) > 0 です。

4. 情報の非対称性の影響

Stiglitzの情報経済学に基づき、両義的資源の利用に関する情報の非対称性を以下のように定式化します:

SW = PB - (PC + SC * (1 - θ))

ここで、SW は社会的厚生、PB私的便益、PC私的費用SC社会的費用、θ は情報の完全性を表す指標(0 ≤ θ ≤ 1)です。

5. 行動バイアスの厳密な分析

Kahneman & Tverskyのプロスペクト理論拡張し、両義的資源の利用に関する意思決定を以下の効用関数表現します:

U(x) = x^α for x ≥ 0

U(x) = -λ(-x)^β for x < 0

ここで、α, β は感応度パラメータ、λ は損失回避度です。

Thaler & Sunsteinのナッジ理論適用し、両義的資源善用を促進するための選択アーキテクチャを以下のように定式化します:

Pr(Good use of R) = j(N, I, θ)

ここで、N はナッジの強度を表し、∂j/∂N > 0, ∂j/∂I > 0, ∂j/∂θ > 0 です。

6. 動学的一般均衡モデル

上記の要素を統合した動学的一般均衡モデルを以下のように定式化します:

max Σ(t=0 to ∞) β^t U(C_t)

制約条件:

K_(t+1) = (1-δ)K_t + I_t

Y_t = A_t * K_t^α * L_t^β * R_t^γ

A_(t+1) = A_t + f(I_t, S_t) * R_t

I_t = g(P_t, E_t, C_t)

ここで、β は割引因子、δ は減価償却率、I は投資です。

結論

この分析から、両義的資源が善または悪として機能するかは、以下の要因に大きく依存することが示されました:

1. 制度の質(I)

2. 情報の完全性(θ)

3. 社会的規範(S)

4. ナッジの強度(N)

5. 行動バイアス(α, β, λ)

これらの要因を最適化することで、両義的資源の正の影響を最大化し、負の影響を最小化することが可能となります。具体的には:

重要となります

この分析は、両義的資源管理活用に関する政策立案重要示唆を与えるものであり、持続可能文明の発展に寄与する可能性があります

政策立案者は、これらの要因を考慮しつつ、両義的資源善用を促進し、悪用抑制するための包括的戦略策定する必要があります

2024-06-11

[] 経済理論への力学の導入

問題: 価格調整を含むように、一般均衡理論拡張せよ。

 

経済学において、均衡価格の静的理論ワルラスによって始められ、アローとドブリューにより確立された。

単一市場からなる簡明な場合需要供給方程式で表され、自然力学が容易に分かるが、複数市場に関する状況は複雑である

需要過剰は、価格なす空間から商品なす空間への関数Z(p)=D(p)-S(p)と考えられる。

ここでDとSはともに個々の行為の合成によって決定されている。

このとき経済学個人の振る舞いに関する諸条件に根拠を与え、それらの条件はZの持つべ諸公理を導く。

すなわち Z: R_{+}^{l} → R^{l} が需要過剰写像であるとは、次の公理を満たすZを言う。

これにより、Zは境界を含まない正の象限と(l-1)次元球面との共通部分上のベクトル場とみなせる。

均衡価格ベクトル、つまりZ(p^{*}) = 0となるベクトルp^{*}の存在ホップ定理から導かれる。

この問題は、価格ベクトル状態とする力学モデルを探すということである

この理論現存する均衡理論と両立しなくてはならない。

理想的なのは経済行為者の個々の行為によって決定される価格時間発展をも含むことである

2023-10-08

anond:20231008134055

それは比較的マシな部類の理論だな

「神の見えざる手」というと胡散臭く聞こえるが、「一般均衡理論」といえば誰もが知っている需給の話だ

2021-08-03

anond:20210803133020

文系」と言って想像するのが文学音楽というのもステレオタイプすぎて勘弁してくれってなるな。経済学についても知ってて欲しいし、需要供給IS-LM分析だ!とかそういうアホ文系学部でやってるような話ではなく一般均衡理論現実的でないか実際問題どうすんのかとか議論できるくらいであって欲しい。

2021-07-29

anond:20210729010023

転売屋存在市場効率性を改善しない

ここ、経済学的には正確にいうと『市場効率性を改善するとは限らない』なのが難しいところなのよ。Willingness to pay順の原則に代わる、誰がその商品の消費に相応しいかというかなり危険規範を導入しないとならないので。

市場効率性を改善することが一切ないのであれば転売屋は完全排除されても何も悪いことが起きないけど、そう簡単には言えなかったりする。

また、経済学的にはさらに、チケットプラモゲーム機といった転売が起きる商品市場における需要者・供給者に転売屋存在が与える影響だけでなく、その影響を受けた需要者・供給者の行動変化が他市場に与える影響も考えた一般均衡判断しないとならないのも難しいところ。興行主やメーカーとその消費者だけ考えて社会的に望ましいかどうかを議論しても片手落ちになってしまう。

2015-11-16

部長説明するナッシュ均衡ワルラス均衡

よう、昼休み仕事してるとハゲるぞ。

さて、ナッシュ均衡ワルラス均衡が話題だ。

戦略決定とか価格決定とか言うと、部課長級に説明を求められたりする。

本来ggrksとか言いたいところだろうが、言えないのが宮仕えの辛いところだ。

理解してこいよとも言えない。理解できない方は大抵立場が上で、説明できない方のボーナスが減らされる。

ナッシュ均衡ワルラス均衡の説明

「均衡」は、基本的には、ガッチリハマっている状態を示している。

ナッシュ均衡(Nash equilibrium)

参加者選択肢を変更すると今より悪くなるので、変更する理由がない状態

参加者全員が自分目線ベストチョイスの状態

パレート効率的(Pareto efficient)

参加者の誰かを犠牲にしないと、誰かが良くならない状態

誰も損せずに誰かを改善できるなら、パレート改善できる状態

最適な資源配分とは違う点に注意。全体100万円を、老人80万円、子供20万円で分けた「後」の状態パレート効率的。

社会資源配分問題でよく使うので「パレート最適」という単語を嫌う人もいる。最適配分を示さなから。これ豆な)

ワルラス均衡

需要供給が大きく動かないでハマっている状態。「需要供給価格が決まる」だな。

ある1つに注目すると、部分均衡。市場全体の全部コミコミだと、一般均衡

フランス人レオンワルラスさんが1874~1877に書いた本に載ってる、一般均衡(general equilibrium)理論のこと。

具体例での説明

いやー、ナッシュ均衡は、戦略的意思決定学問であるゲーム理論(Game theory)の非協力ゲームを解いた時に出てくる「答え(解)」の状態を示す単語ッス。

協力しちゃダメッスよ?んで、他の「選択肢」を取るメリットがなくなった状態を言うッス。

パレート効率的とかも聞くッスけど、誰も損せずにもっと良い改善方法が無い時の事ッス。

ワルラス均衡は、経済学の話ッスね。需要供給価格が決まるって話ッス。

ワルラス均衡は、ナッシュ均衡だと聞いたんだが?」

同じ「均衡」って単語で僕なんかは間違えそうになるッスけど、全然違う話なんで同じ式の中に入れちゃダメッス。

  1. 価格10万円、需要が5千台、供給が1万台とすると、5千台余るッス。
  2. こう言う時、価格は下げるッス。10万が8万に、5万に、と。
  3. どんどん下げていって「5万なら買い!」の需要が、供給釣り合うと、価格が安定するッス。これがワルラス安定ッス。

経済学価格調整モデルの話で、フツーは戦略的意思決定選択肢をどうするみたいな話は出てこないッス。

ヤマダ安ヤマダ高
ビック安ビック売れる,ヤマダ売れるビック売れる,ヤマダ売れない
ビック高ビック売れない,ヤマダ売れるビック売れない,ヤマダ売れない

ヤマダとビックで、売れたほうが儲かる(利得が大きい)時は、当然ヤマダもビックも値下げするッス。

まあ、ナッシュ均衡と言えなくも無いッスけど……あんま言わないッスね。

「じゃあ、目からウロコ!囚人のジレンマって経済にも繋がる話だったのか! - 嗚呼、学習の日々ナッシュ均衡というのは?」

ナッシュ均衡でも、価格の均衡でも、どっちでも無いッス。

  • ある店が10万円のテレビを値下げして5万で売りに出す(前提が無いッス)
  • A:需要が十分に高く、10万で価格形成されてるなら、他の店は値下げしないッス。売れるんで。値下げ店が馬鹿ッス。
  • B:需要が低くて、供給の方が大きい状態だったとすると、他の店は値下げするッス。売れてないんで。ワルラスさんの言う調整過程の話ッス。

ワルラスの均衡は、需要が多くて供給が少ないなら価格は上がる、需要が少なくて供給が多いなら価格が下がる、結果需給が吊り合って価格が安定した状態のことッス。

「店が意味もなく価格を下げたら、他の店も下げざるを得ない」とか無いッス。

先の例だと、TVを普段から100円でヤマダが売り出したら他の店も100円で売るとか無いッス。

ナッシュ均衡は、選択肢がどんづまって他の選択肢を取ると損する状態を言うので、さっきの例とは関係無いッスね。

(ヤマダが100円で利益が出るならヤマダが市場を寡占するというのは、違うモデルの話でワルラス的調整過程の話では無いッスね)

少なくとも、囚人のジレンマから出す話じゃないッス。超時空の飛躍ッスね。リン・ミンメイッス。

良く話に出てくる囚人のジレンマの話

囚人A協調囚人A裏切り
囚人B協調2,20, 10
囚人B裏切り10, 05, 5

数字懲役でA,Bの順番ッス。懲役は少ない方が利得が大きいッスね。

囚人Aは、囚人Bがどちらの選択肢をとっても、常に裏切るのが利得が大きくなるッス。

他の選択肢を取ると損をする、これが全部のプレイヤー囚人A,B)で決定できると、ナッシュ均衡ッス。

囚人Aと囚人Bが、両方とも協調したら2年づつじゃないか」

そこがミソッス。

ご指摘の通り、両方協調なら、両方裏切りより「どちらも損せずに、改善できる」状態ッスね。

まり、両方裏切りナッシュ均衡は、パレート改善できる状態にあるので、パレート効率的ではないッス。

こういう、自分利益だけを考えて最適な選択をする状態(他の選択は損する状態)が、全体としては効率的では無いのが、ジレンマって呼ばれる理由ッス。

それだけの話ッス。

でも、ワリとこういう、利得の表を作ると両方が得する選択肢の組み合わせはあるのに、その選択肢は選べない状態ナッシュ均衡で、パレート効率的では無い)は存在するッスよ。

蛇足的な用語解説

うーん。あんワルラス均衡って言わない気がするんだけども。((※1))

あ、用語定義と、その用語が良く使われる場面と、ある場面を説明するモデルとで、全部違うから混ぜないように注意したい。

  1. ナッシュ均衡」は、誰もが動くと損する「状態」を指す。(それを何に使う・何を分析するとかは別)
  2. 参加者が利得を最大化する場合に、それ以上動かない状態になる経緯・戦略を見つけるために使う。
  3. ナタデココ生産量は、クルーノー競争モデルナッシュ均衡を見つけることで、良く説明できる。

3番のモデル適用は即一般化はできないし、2番のよく使われる場面を定義に入れてはいかん。

勝手に話を補完したり飛躍したりするのもダメなんだけど、まあアレだ。はてなだし。

神の見えざる手

需要供給価格が決まるよね、というアダム・スミスさんの仮説。

個人の利益追求で、市場が適切な状態に落ち着くよね、というわりと哲学的な話。

ワルラス的調整過程

需要供給に合わせて価格が変動して、結果需要供給は落ち着くよね、というヤツ。

(需給が均衡することをワルラス安定、均衡しないことをワルラス不安定と呼ぶぞ)

マーシャル的調整過程

需要(欲しい/欲しくない)は即反応できるけど、供給(作る/作らない)は対応時間かかるじゃん?というヤツ。

なので、需要の変更と価格の変更は即座に動くけど、価格を見て供給が動くのは遅れる。

異なるモデル間の行き来

異なるモデルを、一緒くたに適用することは、フツーは出来ない。もちろんできるものもあるけど。

例えば、Cournot competition(クールノー競争)の均衡点は、「供給を絞れば価格が上がる」→「価格が高いから生産すれば儲かる」→「いっぱい生産たか価格が下る」を延々と繰り返せば「生産量と価格が均衡する」って話で、ワルラス的調整過程の「一部分」の説明であって、違う話。

で、全く同じ生産量と価格との関係モデルで「価格を変える」とBertrand competition(ベルトラン競争)というモデルになって、こっちは「一番低い価格をつけた企業が全ての需要をゲットするので、価格限界費用に一致する(最安値市場を占めるから、一番安くなる)」というモデル

経済学におけるモデルは、現状をどちらが上手く説明できるかのモデルであって、別にどっちが正しいとかそういう話では無い。所詮単純化したモデルだし。

全部違うものっしょ?どれがどれに含まれるとか、ナンセンス

ナタデココ生産量決定におけるベストチョイスは決定できる「だからナタデココ価格市場参加者全員のベストチョイス、とかは言えないかな。(結果的に合っていても、証明過程に飛躍があれば説明したとは言えない)

除草剤耐性穀物種子におけるクルーノー競争ナッシュ均衡との乖離から見る不完全競争推定」とかそういう使い方するかな。

ミクロ経済学オススメ本は……結局思想の話になって荒れるんだよね……ブコメでどうぞ)

http://anond.hatelabo.jp/20151116001112

((※1:この増田では、ワルラス均衡を一つしか財が存在しない仮定で説明している。ミクロ経済学でやる時は、一般均衡になるので、全ての財が均衡するときの話として聞いとかないと単位は貰えない。ワルラス均衡という場合は、全ての市場価格と、全ての需要とペアで示す事が一般的。とは言え、大抵2人と2つの財で説明するんだけどね))

http://anond.hatelabo.jp/20151116001112

追記によって、どうやら元増田(というかid:blueboy氏でいいのかな?)がゲーム論における「戦略」に誤ったイメージを持っているだけだということがはっきりした。

ゲーム論における戦略とは、「戦略集合」という名前の集合の元であるに過ぎない。

そして戦略集合は(自白黙秘)のようなものでもいいし、(X_1,X_2, ....,X_n) ,各X_iは実数、のようなものでもいい。

後者の例において、X_1,X_2...に財1、財2、...という意味を与えれば、これは競争市場における戦略に他ならない。


01:12追記

焦って書いて誤ったが、競争市場戦略はn財の生産計画ベクトルまたは消費計画ベクトル(X_1,X_2, ....,X_n) であり、このベクトルの集合が戦略集合である

ただしこの誤りによって論旨は異ならない。


09:27追記

なんか「訂正」が入ってた・・・

ゲーム論に対する誤解を一部認めたようだけど

ワルラス均衡(一般均衡)と言いつつ最後まで部分均衡の説明に終始していたあたり経済学の方も大分怪しい。

これ以上元増田とこの話題議論する意味も意欲もないが。

2013-06-14

共産主義が駄目な経済理論的な理由

と書いていてなんだが、実のところ、完全競争市場において資源配分計画を行う主体が情報を十分に持っていて合理的ならば

共産主義経済パフォーマンス市場義経済のパフォーマンスは同じ。

これは1920年代から1940年代で「経済計算論争」というのが行われて、その中でオスカル・ランゲって人が証明してしまったものなのです

数学的に完全な説明がついたとされるのは別の人たちの登場を待つけど)。市場経済こそが最高の効率だっていう所に、共産主義も同じだよ?っていわれたときの衝撃は、

ガンダムでいうなら、ダカール演説でクワトロ・バジーナことジオン・ダイクンの遺児であるシャア・アズナブルアンチ地球連邦政府だけど

地球人類を粛清しようとは思っていないと知らされた時の地球人の衝撃みたいなものかと思われる(どちらも、ま、そうだよね派もいたかと思うけど)。


ということでこの衝撃は、市場を重視する経済学者達の思想を根底からさぶったんだけど、これについて有効な反論を行ったのが

池田信夫大先生でおなじみのフリードリヒ・ハイエク。彼は「資源配分計画を行う主体が情報を十分に持っている」という点があり得ないと述べ、

分権的なメカニズムである市場でなければ効率的資源配分が行えないと述べた。ハイエクは、そのような情報を一握にしようとする組織文明をも破壊する

と述べるんだけど、アムロダカール演説を知って、あ、このキャスバル地球隕石落とすに違いないと思ったはずなのと似ている(そんな描写ありません)。


さて、この論争どう決着がついたかというと、新訳版にダカール演説が消えたようになかったことになりました。結局、ランゲはこの後、どうやって情報を集めるかってことに

力を入れ、ハイエクは30年くらい冬眠させられる。戦後の2~30年主流となるのは第三の道である介入型市場経済を掲げるケインズ経済学で、それも冬眠からさめた

ハイエクに批判されるのはご存じのとおり。やっぱり重要な論点は政府情報を集約しきれないところにある。


総括すると、共産主義が駄目な経済理論的な理由は計算不可能性に帰せられ、常識的にはやはり駄目そうということになる。

はいえ、じゃ、計算できるようになればいいんじゃねと夢を膨らませることは可能である。うん、けど、情報処理能力を高めるのは無理そう。

じゃ情報処理量を抑えればいいんじゃね?人も資源もさ!なら、隕石落とせば…



追記

トラバついたこと、また、トラバついている最中に書き直した点があるので返信します。

まず、十分な情報という点を数学的にという点ですが、残念ながらこの論争はそこまで深い話に行きませんでした。

というより、私の書き方がまずく、数学証明というのは完全競争市場においてすべての財の受給を一致させるある価格存在するという

一般均衡存在数学的に証明されたことを指しています(角谷の不動点定理とかおなじみの奴ですね。院レベルの話は下段で)。

これが証明されることは、すなわちランゲの主張するように計画主体がすべての財の受給を一致させるある価格を決めることが出来るのであれば

完全競争市場で実現されるような財の配分が共産主義経済にても実現されることを指しました。

さて、本来であれば、その価格決めにおいて計画者と市場どちらがロスが少なく決められるかの論争が行われるべきでした。

しかし、上記のごとく、ランゲはその価格決めの調整過程研究に入りましたが市場との比較を行うことはありませんでした。

また、アメリカ経済学では(同じように!?市場一般均衡解が決まるまでの動学的過程への関心が1970年代以降強まりますが、

調整方法市場であるか計画であるか言及する人はいませんでした。そうしている間に、1991年ソ連崩壊し、経済学アメリカ経済学に収斂します。

残ったのは市場経済と動学的一般均衡モデル。もはや、計画者と市場という論点は消滅しました。

ということでトラバの方には、学部上級レベル齊藤先生には飽き足らずもっと深い(己の数学的才能のなさに絶望する多分一番経済学の分野でできつい)世界へ進んでもらいたいと思います

2008-08-31

http://anond.hatelabo.jp/20080831153526

うわ、J Math Econに載ってるからって「数理経済学」なんてのに分類してるかわいそうな人がいる。くすくす。

一般均衡理論でがりがり書いている人もゲームの細かいことやってる人もいっしょくただ。

えーと、そんな彼が「林・斎藤誠以外」のマクロ経済学者を列挙してくれるところを見てみたい。ほら、頑張れ。

あと、リフレ派のものいいだと、国債を買い捲ればリフレ脱出必ずできる(のにやらない日銀馬鹿)ってことだろ。できないかもしれないってのは十分に日銀が考えて、そこで怖いから(あと「財政規律」とやらかな?)馬鹿みたいに国債を買わないわけで。で、その「必ず」ってのがuniqueness or for-all propertyじゃないの。

っつうか、結局最初の一段落だけで、お前みたいな馬鹿馬鹿の殿様に釣られるってところはなんもいってねえじゃん。

2008-08-10

http://anond.hatelabo.jp/20080810195239

どんどん草生やして必死だよね。客観的には壊れたレコードでしかないんだけど。

>いや「有限」と「足りない」は違うだろw 

じゃあ不老不死でも病気なるみたいなバカ話に戻る?

アメリカの悲惨な自由主義医療の例もあるし、世界大恐慌の例もあるなあ。

前者を支えているのが、ことさらに「社会主義医療」の恐怖を歌う議論上の詐術なんだけどな。

保険制度は逆選択の問題があって、公的な皆保険の方が「効率的」となる可能性があるんだよ。

ここでも求められているのは効率性、資源の有効活用。個々の製薬会社医師保険会社らは

自由主義経済で儲けてるでしょ。それが世界中からの優秀な医師の確保や新薬の開発につながっていたりする。

残るは政治行政の問題、再分配。ただ他方で、最近日本医療崩壊が、診療報酬医学部定員と言った、

行政政治の杜撰な決定によってもたらされている面がある。そして重要なのは、それらを再分配によって修正するには、

誰かを「かわいそう」な目に遭わせる必要がある点。医師だったり患者だったり納税者だったりね。資源は常に有限。

世界大恐慌については政治行政の失敗。アメリカFRB自体がそう言ってるよ。

まあでも今の所、クメール・ルージュ大躍進や某地上の楽園のような地獄絵図は見あたらないよね。

>つか、そういう実例の評価の話じゃなく、あくまで学問モデルとして提示しなきゃ話がおかしくないか?

>だって、福耳先生の話に出てくる百貨店って実在しないだろ?

だからワルラス一般均衡モデル

>とりあえずさっきの投稿で、君の考える企業像が現実に即してないことは示したなあ。

どこで?つかこっちは「いわゆるネオリベリスト」じゃないよ。再分配重視してるし。

>なるほどなるほど。そんなに優れた例なのであればどうしてあの先生は謝ったりしたのかねえ。

モデルの説明力とは関係のない事で謝ったんだろうね、簡単。

>出来てないw

んじゃあ、不老不死でも病気なるみたいなバカ話に戻る?

経営学というか企業を始めとする組織のいらない世界というのは、妄想の中では存在しうるね。

しかし現実はそうじゃないから、経営学要請される。

>お前の中の企業はそうなのかもしれんが、現実企業は必ずしも利益の最大化だけを目的にしてるわけじゃないねえ。

より利益を上げないと不要な本店の維持なんて無理でしょ。当たり前の話を繰り返させないでほしい。

>いや、かわいそうな百貨店を生かすのだって別に行政政治の問題だけじゃないだろうに。経営者の判断の話だが。

いや、「かわいそう」と思う主体は「かわいそう」な百貨店じゃないよ。行政政治の話。

経営者はいかに競争相手を「かわいそう」な目に追い込むかを考えてるわけ、いつも。

そういう意味では百貨店と競合他業態は対等なの。カルネアデスの板だね。

>で自動車リコールの話はガン無視?ww

悪い、単なる見落とし。冗長だから省いても良かったと思うけど。

ま、そちらの理屈に反論出来ないなんて事はまず無いから安心してほしい。

それって長期的な評判の問題だよね。結局、企業は自分の利益の事しか考えてない。

というかこれ、件のサヨク人達が分裂勘違い劇場さんに説教してた内容だけどね。

経営学経済学では「企業は自分の利益しか考えていない」と想定するってさ、彼らも。

後は(というか元々そうだが)全部ゴミかな。論破or説明済みなんで面倒。

人の話を理解する気があれば過去レス読んで。

2007-09-15

一般均衡(長期)の考えかたって人気がないよね。

世の中お互い様のところがあるのだから、どうやっても抜けられない差別とかで社会を分断しない限り、「ひたすら永遠無限に搾り取られるだけ」の側と「ひたすら永遠無限に搾り取るだけ」の側になるはずがない。

勝った会社は敵のいない市場ではそれ以上大きくなれず、そのうちいろんなところが経年劣化するし、ノウハウというのはいずれは世の中全体に広まってゆく。金持ちも賢いばかりではなくて、無駄遣いもする。

問題は、それを待っている我々には1年2年、ひょっとすると1ヶ月2ヶ月が死活問題だってことだ。

(追記)だれか「経済原因による自殺、住居の喪失脱税社会的損失でありこれらを減少させることは経済の産出増に優先する」という公理(でいいと思う)と両立する労働市場一般均衡理論を作ってくださいよ。そしたら不毛な言い合いを終わりにできるかもしれない。それとも「ゲームルール」が明確になるだけで、ますます激化するだろうか。

 
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