はてなキーワード: 漁夫の利とは
今日は、ちょっと日記の目的からはずれてしまうけど、前々から感じていたことを刺激する記事があったので、脱線します。
「働かないおじさんにならないための2つの方法 30代以降は自分の専門性を磨くことが大切」 っていう、東洋経済の記事は、
まあ、いまいち偏ってるね。
人事系の方々が、これからリストラや賃金カーブ見直しをする為に、外壕埋めて、策を弄してる感が丸見え。しかも、本の宣伝付き。
昔のメディア記者の方々は、そういった、公平なバランス感覚があったと思うんだけど、なんで変わってしまったんだろ?
やはり、メディアといっても、非正規社員や派遣社員が現場を動かすようになっているせいなのか?、あまりに偏っていて不思議だ。
もう、いいかげん人間のク○の集団(失礼)とその仲間(コンサル)たちの主張だけではなく、彼らの失策が
いかに、社員のやる気を削いでいるのかを指摘する記事も載せないとバランス悪いですね。
残念なのは、世代間の対立を煽って、漁夫の利を得ようとする人事のあくどさに、どれくらいの人が理解できてんだろうか。
世代間の対立を煽る構図って、大昔は、指導者階級が、アメリカが悪いといって煽った構図と同じ。それを、国内の対立軸に置き換えているだけ。
おそらく昔なら、労働者は団結して、会社と戦うんだろけど、まんまと世代間対立の罠にハマってるなと思う。
そういう意味では、今日本社会にまったく貢献していない経団○とか労○なんて、老害組織の象徴だとおもう。言い過ぎかな?
どっかの過激な政治家が、解体しようって言ってくれないだろうか。
だって、日本社会にまったく貢献していない団体って必要かね?これからの日本に、、、、
「働かない団体にならないための2つの方法 設立30年の歴史以降は団体の社会貢献を磨くことが大切」
って記事でも書くか。
新型コロナウィルスの話題で持ちきりですけど、年明け何があったか覚えている方います?
イランの革命防衛隊の司令官が爆殺されたんですけど、ご記憶の方いますか?
あと、しれっとアメリカはアフガニスタンから撤退するとかタリバンと和平交渉してるとか、これなんです?
トルコとシリア、ロシアでこっちも停戦するとかしないとか。アメリカ抜きで進行中ですか?
トルコは難民問題も「知らねーよ」と言い出してから、実際の難民の動きってどーなってます?急に来たらみんな新型コロナかかりません?
そして、OPECで減産しましょうよって話は流れて、増産してシェア取りに行くぜとサウジアラビア鼻息荒いですが、これってアメリカどー思ってます?
2015年から2016年に原油がモリモリ下がって「中東諸国のSWFが欧州銀行を通して株を売っている」とか、さんざん言われてんですが、2020年の暴落ではまったく聞きません。
もうすでに中東諸国は投資マネーを引き上げ済みで影響ないってこと?それとも関心が新型コロナだけだから騒がない?
シェール革命だって5年とか10年ぐらい前からニュースには出てたと思うけど、技術革新が政策決定のレイヤーまで浸透したの?
アメリカはエネルギーを地産地消できるようになってきた、対イラン、対シリア、対アフガン、対ロシアの外交政策が変わったの?
でも借金漬けになってるアメリカのシェール企業とか破綻するんじゃとか言われてますよね、アメリカ不動産には慎重になったけど学生ローン、オートローン、企業の社債で「危なくない?」ってのが10年でパンパンらしいですが、これも大丈夫ですか?
中東産油国対アメリカシェール企業って感じですか。原油安で力尽きるか借金返済で力尽きるか勝負だって。
それじゃ漁夫の利だって原油安って原油使う産業には追い風とか思うけど暴落したら絶対額が減って今までの設備投資やらランニングコストやらで、むしろジリ貧感ありません?電気ガス。
だって原油安になったからといって売上がボーンと増えるわけじゃないですよね。
太陽光風力水力地熱バイオマスとか色々ありますけど、コスト考えたらとか色々悩ましくないです?
あとプラスチックとか、止めましょーとか世界中で言ってるわけじゃないですか、地球温暖化とか。
新型コロナってすでにリセッションに向かい出してた世界経済を強制終了させた感じですよね。
実体経済が止まり出したら、金融政策じゃなくて財政で無理やり動かせって話ですが、これもどうなるか。
もうトランプ大統領も忘れてると思いますけどメキシコとの国境に壁作るって言ってたんですから、今こそ、これ作ったら良いのにって思いますけど、ダメですかね。
原油安でも大増産でシェア拡大して生き残るぜサバイバルな産油国。ゼロ金利と金融緩和拡大してシェール企業倒産させないアメリカ。
これからの世界経済の先行きは、新型コロナの終息と同じくらいアメリカの中東政策が大事になると思ってますけど、けっきょく、これからどーなるんでしょう?
詳しい人おしえて
何がなんでも安倍を倒すという一点では、意見の相違がないと思われる野党各党(維新は除く)。しかし、ここ最近、野党共闘に暗雲が立ち込めている。その理由のいくつかを、自分の観測範囲内でまとめてみた。
立憲民主は、希望の党が立ち上げられた時小池百合子に「排除」された立場なので、国民民主には恨み骨髄。また、国民民主が比較的保守的なのに対し、立憲はリベラルという違いもある。
立憲は国民民主の資金が欲しい(民主時代の政治資金を引き継いでいるのは国民民主)、国民民主は立憲の票が欲しい、という事情があり合流を模索しているが、政治スタンスの違いや主導権争いのため落とし所が見つからない。
数年前から、野党共闘でいつも問題になるのが共産党の存在。共産以外の野党の中には保守的な政治家もおり、こういった政治家の支持者は共産党との連携を嫌う。安倍もそれを分かっているので、野党共闘を崩す狙いで、しばしば共産を腐す発言をする。実際、幾人かの保守的な政治家は野党を離れて、自民に合流ないし無所属になっており、自民による切り崩し工作が成功している形。
国民民主の玉木は、昨年の参院選の結果を反省し「反対ばかりでなく、是々非々で行く。改憲の議論もする」と自民に譲歩するような発言をした。これがきっかけとなり、立憲支持者らは「馬脚を現したな、安倍の犬め」といった攻撃を開始。党内でも異論が噴出したため、玉木はトーンダウン。玉木はYoutubeで各党の政治家と対談をしているが、相手に合わせて調子のいいことを言う人間なので政治スタンスは不明。野党共闘にとってノイズになっている。
れいわの山本太郎が、消費減税に賛成しないなら立憲に対決候補をぶつけると言ったことで、双方の関係が悪化。以来れいわと立憲の支持者は、互いに互いを「野党共闘を邪魔しやがって。お前、安倍の犬だろ!」と罵り合っている。
昨年の消費増税による景気の冷え込みは、野党にとって、与党を攻める格好の材料と思われる。実際、共産・れいわ・国民は消費減税ないし廃止を言っている。しかし、立憲がこれに慎重。なぜなら、立憲には消費増税を決めた当時の閣僚が数多くいるため、増税が失敗だと言うと批判が自分たちに返ってきてしまうからである。
先日の京都市長選で、自民公明国民立憲社民推薦の現職と、共産れいわ推薦の新人が激突。これ自体はよくある構図だが、相乗り候補側が「共産党の市長はNO」という広告を出したことで、両党支持者の間で争いが勃発。また、これについて質問された枝野が「承知してないので答えかねる」と無責任な反応をしたことが、火に油を注ぐことに。
上述の通り、この一年ほどで立憲と共産・れいわの関係は冷え込んでいる。更なる関係悪化の火種となっているのが新型インフル特措法の改正。今回新型コロナ対策のために、同法が改正されるわけだが、安倍の協力要請に応じ国民や立憲は改正案に賛成。しかし、同改正案に緊急事態宣言を可能とする条項が盛り込まれているため、共産・れいわは反対。兼ねてからのいざこざもあって、立憲支持者、共産・れいわの支持者の間で、またも「安倍の犬め」と言い合う事態が起きている。
このように、野党間でまとまれない状況が続くと、漁夫の利を得るのは自民党だ。
景気の冷え込みや新型コロナで安倍自民は大きく支持を落とすだろうが、今の野党では自民支持を離れた国民の受け皿にはなれない。もし今年のどこかで解散総選挙が行われても、投票率が下落するだけだろう。そうなると、団体票・党員票を多く持っている自民が有利になる。実際、安倍政権が国政選挙で勝利し続けてきたのはこのためだ。
このままでは、国民の大半が安倍自民を支持せず投票もしていないのに、安倍自民が選挙で勝つという状況が起こることになる。それを避けるためには、野党が一枚岩になり統一的な政策を打ち出すことが急務…なのだが、それが無理なのも分かる。自分が勤めているゴミみたいな中小企業でさえ、派閥争いやいざこざはあって、それを止めることは難しい。様々な利権の絡む政治の世界となれば、なおさらだろう。
簡単に言うと、元増田の内容から経緯のところがすっ飛んだ感じ。
その空欄には代わりに歴史が挿入される。
これが何の話でもいつも採用される処理。
韓国「日本さん、服も知らない野蛮な原始人のあなたに文化と知恵をあげましょう」
日本「アウアウアー」
韓国「日本さん、あなた達は百済の家臣だったのですが、その後滅びた百済の末裔が日本という国を作りました」
日本「アウアウアー」
~数百年後~
韓国「何と恩知らずな!だが韓国民族の優秀な武術で常に撃退したぞ!」
~千年後~
日本「韓国の豊かな土地と文化を我々のものにするために本格的に攻め込むぞ」
韓国「何という恩知らずな!だが李舜臣将軍と勇猛な義兵によってコテンパンに倒してやった!大勝利!」
日本「グガガー」
~数百年後~
日本「韓国の豊かな土地と文化を我々のものにするために攻め込むぞ。韓国人はユダヤ人のように絶滅させるんだ。」
韓国「また来たのか恩知らずども!優秀な我々だが近代化が僅かに遅れた隙をつかれた!
一方猿どもは棚ぼたで得た西洋の技術で強化されている!これはまずいぞ!」
「抗日軍が勇敢にたたかったのだが李完用ら売国親日派どもに背中を刺されて惜敗してしまった!」
~35年後~
韓国「世界一過酷な植民地支配を乗り越え、独立闘士が日本を負かして追い出したぞ!」
日本「絶滅を目指したはずなのに優秀な韓国人がそれをさせなかった。それどころか統治中に2倍に急増されてしまった!」
「だが!韓国には親日派の種子を埋め込んだ。だから優秀なお前たちは永遠に団結できないであろう。
そして我々は親日派を足掛かりに必ずまたこの豊かな韓国を征服しに来るのだーー(ちなみにこの捨て台詞の主はあの安倍晋三の祖先である軍人阿部某)」
~数十年後~
韓国「我々の優秀さが漢江の奇跡を成し遂げたぞ。我が民族はやはり世界一優秀だ。」
「まずい、韓国戦争の漁夫の利でなり上がった我々だがそのアドバンテージも既に尽きた」
「サムスンを、ぶっ壊す!」
韓国「一度も我が国の役に立ったことのない猿たちがまた仕掛けてきた!」
「歴史について一度も心からの謝罪をしたことがなく謀略ばかり仕掛ける地球にいる資格のない民族!」
「このような堂々とした攻撃が出来るのは未だに我々を植民地として見下しているからだ!」
「また、安倍が自信満々なのは奴の祖先が仕掛けた韓国国内の親日派が呼応するのを知っているからだ!」
韓国「我々はこの猿たちの経済侵略に団結して立ち向かわなければならない!」
「これに負ければ韓国はまた支配され、猿たちは韓国の領土に移住してくるであろう!」
「何故なら列島は遠くない将来地震で沈む上に、放射能が国じゅうに蔓延していることを猿ども自身が知っているからだ!」
「今回が二度目の独立戦争となるであろう!」
「我々は日本に負けない!必ず勝てるぞ」
「世界も日本の暴虐を見過ごさず、きっと韓国の正義を支持するようになる!」
「闘争と同時に、日本が国じゅうの放射能数値を隠して世界を騙していることを世界中に知らせなければならない!」
大体こんな感じです。
韓国の人の歴史認識や日本への見解は全て実際に流布されている比較的メジャーなものを使っており、
私の創作要素はありません。
2014年から今にいたるまでイエメンではずっと内戦をしています。この内戦にはサウジアラビア、UAE、イランが関与しており、現在の中東情勢を理解するためにはこの内戦の概要を掴む必要があります。なのでその話をします。
です。大まかにいって国土の北西地帯をフーシ派が、南部と東部をハディ派が支配しています。イエメンは部族社会という色が濃く、各部族はそれぞれに思惑をもって活動しており、フーシ派にもハディ派にも属さないという地域も増えてきています。
内戦の背景について理解する必要はあまりありません。部族の利害や宗派の違いといったものから発生する、正直いってしまえばよくあるアレです。ではそのよくある内戦がなぜ泥沼化しているのか、そして何故誰も知らない戦争になっているのかを簡単に説明したいと思います。
内戦のきっかけはフーシがイエメンの首都を占拠しクーデターに成功したことです。これにより当時大統領を務めていたハディは首都を追われ、サウジアラビアに亡命しました。サウジアラビアはこれに危機感を抱きました。なぜならサウジアラビアはスンニ派勢力の事実上の盟主であり、イラン以下のシーア派勢力と敵対しているからです。イエメンはサウジアラビアと国境を接しており、ここに親イラン勢力が根を張ることはサウジの安全保証を根本的に脅かすと懸念されたわけです。そして実際その懸念は現実のものになります。
サウジはUAEと連合しハディ元大統領の支援に乗り出します。サウジとUAEは優勢な空軍力を活用しフーシ派から南部の要衝アデンを奪回することに成功します。そしてここにハディ大統領を傀儡として送り込み、フーシ派討伐に乗り出します。これが 2015 年 7 月までの流れ。
しかしサウジの勢いがよかったのはここまでの話で、以後内戦は泥沼化の一途を辿ることになります。泥沼化の理由として以下の要因が挙げられます
まずハディ派やサウジ空軍が弱いという問題についてです。一般にいってアラブの軍隊は非常に弱いのです。それはなぜかというと、クーデターを恐れるあまりにまともな訓練をつめておらず、特に大隊以上の連携の訓練などはろくにおこなわれていません。
例えば、空軍力を適切に発揮するためには地上の部隊との高度な連携が必要です。地上の部隊が空爆の目標地点を捜索し、適切に爆撃機を誘導してやらなければ効果的な爆撃はできません。また、航空偵察の成果を総合的に検討して情勢を判断する高度な情報組織も求められます。そういった高度な機能はサウジ空軍には備わっていません。では、サウジアラビアはこの問題をどのように解決していたかというと、大量の物量を投入して無差別爆撃を繰り返すという方法で解決をしようとしました。これには二つの問題があります。まずは人道上の問題です。実際サウジはこの問題で 2018 年ごろから大きな非難をうけるようになり以後無差別爆撃を封印しています。そしてこちらの方がより実践的な問題なのですが、コストパフォーマンスが極度に悪いという問題があります。いくらサウジが油田をもち金満国家だからといって爆弾をあまりにも大量に無駄弾にしていれば負担になります。あまり知られていないことですが、実際サウジアラビアは中国について世界三位の軍事費支出大国になっています。これは上記のような非効率な作戦が原因で、サウジアラビアの財政は痛みつつあります(そうしたサウジの苦境を悪用しているのが孫正義というわけです)。
ハディ派の弱さについては、元々弱いとかそもそもサウジの傀儡でありそこまでやる気がないとかそういったこともありますが、また別の事情もあります。その別の事情というのは「フーシ派は強い」という問題と裏返しでもあるのです。
それはつまりどういうことか。フーシ派はあくまでも奪う側であり、ハディ派は守る側であるということです。ハディ派はもともとの正統政府ですから、イエメンの国土や財産を防衛する戦いを展開する必要があります。一方フーシ派の根本は地方の小さな民兵組織ですから「守るべき既存のリソースや権益」を持っていません。なので彼等はハディ派と戦うにあたって都市がどれだけ破壊されようが民間人にどれだけ死者がでようが一切考慮することがありません(宗派も違いますし)。こうした姿勢の違いは戦闘力の違いに直結し、地上戦闘でハディ派がフーシ派を圧倒するという局面は初期におけるアデン奪還作戦以外で殆ど見られません。
ハディ派は強いフーシ派を攻撃するにあたって、地元の部族を懐柔しフーシ派を攻撃させるといった戦法をとることがありますが、フーシ派はこうした敵対部族を容赦なく殲滅してしまいます。
また、フーシ派が山岳民族的な性質をもつという点も重要です。一般に山岳民族というのは強いものです。グルカ兵などの事例にもある通りです。また、山岳民族である彼等は平地民との価値観をあまり共有しておらず、そうした点も彼等の強く残酷な戦い方を支えているだろうと思います。
次にUAEの背信という問題についてです。サウジ国内ではこの点がかなり問題視されているようです。UAEは内戦介入開始当初からイエメン侵略を目論んでいました。ハディ派首都のアデンでもUAEの特殊部隊がうろついているだとか、イエメン南部の離島ソコトラ島をUAEが侵略し領土に事実上組み込んでいるといった話があります。UAEのこうした態度は情勢を著しく混乱させ内戦を長引かせる要因になっています。またサウジ内では「UAEが漁夫の利を得るために内戦の泥沼化を積極的に目論んでいる」といった観測もあるようです。
そしてイラン革命防衛隊の介入という問題ですが、上記の通り内戦の初期においてイランと革命防衛隊はあまりイエメン内戦に興味をもっていませんでした。しかしサウジとUAEによる介入が頓挫すると革命防衛隊による介入が本格化しはじめます。すなわち、フーシ派の占領地域を拠点にしてサウジアラビア領土への直接攻撃を企図しはじめたのです。このことの背景を理解するためには、イランの革命防衛隊という組織の成り立ちを理解する必要があります。先述の通りアラブではクーデーターを抑えるために軍を弱くするのが普通の統治法です。これには例外がいくつかあり、たとえばエジプトでは軍が国家を統治しているのでクーデーターの心配は少ないので精強な軍を維持することができています。イランも例外の一つで、イランはかなり独創的な方法でクーデーターを防止しながら軍を強化することに成功しました。それはすなわち
というものです。一つ目の対策については軍の指揮権を天皇に直属させた大日本帝国軍とほぼ同様のものと言えます。故に、日本軍と同様のデメリットが生じることにもなりました。創業の功臣と君主が存命の時代は彼等のバランス感覚によって軍を適切に維持することができたのですが、君主が交代し創業の世代もいなくなると軍を誰も統制できなくなってしまったのです。ようするにホメイニが明治天皇、ハメネイが昭和天皇と理解すればよいわけです。
二つ目の対策について、革命防衛隊をつくるにあたって「イラン防衛ではなくイスラム革命の防衛と革命の輸出」を任務と定めてしまったことが問題になりました。彼等は事実上の外征軍となり、中東各所で怪しげなテロを繰り返す組織になってしまったわけです。さらにタチが悪いのが革命防衛隊が軍の能力を流用し建設会社や物流企業を多数直接経営しているという点です。これにより、彼らは財源や物資の点でも政府への依存が殆どなくなり極めて独立性の高い組織になっています。イラン政府の財源はかなりの部分石油に負っていますから政府は本質的には戦争を回避しようとします。一方建設業により資金を得る革命防衛隊にしてみれば石油産業が停止したところで知った話ではないので積極的に「革命の輸出」を手掛けるというわけです。
こうした性質をもつ革命防衛隊がイエメンに介入を開始すると積極策を採用することになるのは自明のことでした。イエメンに派遣された革命防衛隊はほとんど中央の統制を受けていないと見られており、これは要するに日本軍における関東軍に匹敵します。
こうした情勢のなかでイエメン内戦を象徴する戦いであるホデイダ攻防戦がはじまります。ホデイダはイエメン有数の港湾都市で外部からの物資の輸入をほとんどひきうけています。この都市を占拠することはすなわち外国の物資を全てコントロールするということでフーシ派もハディ派もこの都市の攻防に全力を投入することになります。内戦当初からこの都市はフーシ派が支配しており、ハディ派はサウジアラビアの支援のもとなんとかこの都市を奪還しようと試みました。ホデイダの攻防が本格化したのは 2017 年ごろからで、以後ホデイダは激しい戦火に見舞われ物資の輸入は途絶えイエメンでは難民が大量に発生することになります。
先述のとおりハディ派は弱く、サウジアラビア軍は動くものはなんでも爆撃する式の粗雑な無差別爆撃を加えることでなんとかフーシ派に対抗するといった情勢が続きました。こうしたフーシ派有利の情勢をみたイラン革命防衛隊は2017年末ごろより弾道ミサイルをフーシ派に供与(といっても操作する人員も革命防衛隊から派遣していたことでしょう)しサウジアラビア国土への直接攻撃を開始します。
こうした事態に至って危機感を表わにしたサウジ軍は 2018 年にはいってさらに爆撃を強化しますが成果はあがりません。そして彼らはついに致命的な誤爆事件をおこします。サウジ軍はスクールバスを誤爆し何十人もの子供を死亡させてしまうという事件をおこしてしまったのです。これにはさすがに各国からの非難が止まず以後サウジ軍は爆撃の対象を前線ではなく後方のフーシ派の基地に切り替えることになりますが、これによりホデイダ攻防におけるフーシ派の勝利が事実上確定しました。
2018年末ごろより国連によるホデイダ停戦工作が開始されます。停戦の調停中にも激しい戦闘の応酬が続きますがフーシ派有利という情勢は変化せず、国連の監視団は「フーシ派の勝利」という現状を事実上認める形の停戦を成立させました。これが去年末から今年4月ごろの話。
こうした状況のなかで革命防衛隊はあらゆる手段でサウジアラビア国土への直接攻撃を続けていました。その攻撃の主力となったのが弾道ミサイルとドローンによる空爆です。弾道ミサイルによる空爆はサウジアラビアの首都リヤドにも降り注ぎ100人以上の民間人が犠牲になっていると報じられています。ドローンについては、クアッドコプターのようなものではなくジェットエンジンを積んだ比較的大型の爆撃機で500kg程度の爆弾を積載し 300km の半径を攻撃できるとされています。これによる精密爆撃はイエメン内部でも利用され、ハディ派側の軍幹部がドローン爆撃によって多数殺害されるといった事件も起きています。
そしてホデイダにおけるフーシ派の勝利が確定すると、フーシ派は国連との合意にもとづきホデイダから兵力の引き抜きを開始します。少数の警備兵力を「憲兵」と偽ってホデイダに残置するとフーシ派は主力をサウジアラビア侵攻にふりわけます。これが今年の 4 月から今にかけての話で、フーシ派とイラン革命防衛隊の猛攻をうけてサウジアラビア/イエメン国境の要衝都市ナジュラーンが陥落寸前であると報じられています。またサウジアラビア空爆にあたってあらたに巡航ミサイルによる爆撃も開始され、先日のサウジ南部空港爆撃ではインド人など外国人にも負傷者がでています。
ではこのような酷いことになっている内戦がなぜあまり知られていないかというと、田舎の内戦など誰も興味がないという問題もあるのですが、サウジの劣勢というのもその原因です。というのもサウジアラビアは北朝鮮以上の独裁国家、統制国家なので自国がイラン勢力との戦争で敗北しつつあるという事実を隠蔽しているわけです。「イランの爆撃により100人以上の犠牲者がでている」という事実も最近になってようやくサウジ政府系メディアによって報じられました。以前は「イランのミサイルを迎撃した」だとか「フーシ派に猛爆撃を加えて戦果をあげた」だとかいった威勢のいい情報が散発的に報じられているだけでした。今少しづつですが苦境の真実をサウジアラビア側が報じるようになってきています。それだけ事態の悪化を隠せなくなったということでもあり、また危機感を醸成しようという思惑もあるのでしょう。
更に加えてですがサウジアラビアには「事態をこれ以上大事にしたくない」という思惑があるようにも見えます。現在おきていることは事実上「サウジアラビアとイラン革命防衛隊の総力戦」なのですが、サウジとしてそれを認めてしまうとイラン本土とも戦わなくなければなります。「イエメンのフーシ派という軍閥との小さな戦い」というフレームを維持することでなんとか大事にせずどうにかしてフーシ派だけを倒したいという希望が、事態を矮小化させ報道を管制するインセンティンブになっているように思われます。
サウジのこの失態をみて「イエメンはサウジのベトナム」と評する人もいます。ただベトナムのように「やらなくていい戦争で消耗している」というよりは「強力なイラン革命防衛隊とフーシ派の前になんとか国土を防衛しようとしている」というのが実態としては近いのではないでしょうか。
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 85 | 20942 | 246.4 | 76 |
01 | 81 | 13283 | 164.0 | 42 |
02 | 39 | 9491 | 243.4 | 40 |
03 | 16 | 5118 | 319.9 | 35 |
04 | 8 | 256 | 32.0 | 27.5 |
05 | 9 | 2141 | 237.9 | 146 |
06 | 30 | 6651 | 221.7 | 123 |
07 | 32 | 2217 | 69.3 | 34 |
08 | 59 | 4662 | 79.0 | 49 |
09 | 80 | 6003 | 75.0 | 38.5 |
10 | 99 | 10898 | 110.1 | 44 |
11 | 167 | 12772 | 76.5 | 43 |
12 | 152 | 11152 | 73.4 | 35 |
13 | 166 | 14379 | 86.6 | 42 |
14 | 183 | 20669 | 112.9 | 45 |
15 | 95 | 10193 | 107.3 | 40 |
16 | 148 | 15178 | 102.6 | 55 |
17 | 210 | 14027 | 66.8 | 47.5 |
18 | 130 | 18263 | 140.5 | 46.5 |
19 | 99 | 15329 | 154.8 | 47 |
20 | 62 | 4240 | 68.4 | 36.5 |
21 | 115 | 14077 | 122.4 | 31 |
22 | 130 | 10957 | 84.3 | 30 |
23 | 76 | 10655 | 140.2 | 43 |
1日 | 2271 | 253553 | 111.6 | 43 |
スナフキン(5), GOTO(5), 勝海(6), 桑田佳祐(4), たいら(3), 湯島(3), ヒョロ(4), 雌雄(4), 麻衣(5), 漁夫の利(3), ネット依存(6), たつき(13), 冤罪(19), 強姦(23), けもフレ(21), 特権(14), 敗戦(9), けものフレンズ(11), 帽子(7), 令和(20), スカート(18), カメラ(27), 性行為(10), 監視(18), レイプ(47), 魔(9), プログラミング(24), 監督(16), 悪意(15), 加害者(14), 証拠(23), パンツ(17), セックス(78), プログラム(13)
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