はてなキーワード: イカとは
休みで暇だったのでブクマに挙がっているものを解説しようとしたが、思ったより時間がかかったので途中放置していたのを今日発見したので、MOTTAINAI精神で投稿しておく。推敲はしていない。
「これも いきもののサガ か‥‥」
暇潰しの為にモンスターを世界に放ち、それに抗う人間たちの姿を見て楽しんでいた神に対して、主人公達が戦いを挑んだ際の神のセリフ。
タイトル回収におおっとなるシーンであり、叙事詩と性のダジャレかよとずっこけるシーンでもある。
ラスボス・かみを即死攻撃のチェーンソーもしくはのこぎりで攻撃成功した場合のシステムメッセージ。
設定ミスのため、防御力の高い敵ほど効きやすくなり、ラスボスである神にも即死攻撃が通用してしまう。
まともに戦うとかなり強いうえ、ワープする道具や技を持っていないと鍛えに戻ることもできないため、拾ってなんとなく取っておいたチェーンソーで神をバラバラにして勝利するプレイヤーは多かったと思われる。
たまたまボス固有の撃破演出が真っ二つになる事なのもあって印象深い。
美しい者のみを都市に住まわせ、醜い者・老人・障碍者をジャングルに追放した女神ビーナスへの主人公のセリフ。
「ころしてでも うばいとる」
念願のアイスソード(高価)を手に入れて喜んでいるガラハドに話しかけると表示される選択肢のひとつ。
スーパーファミコン版ではこの選択を選ぶと「な なにをする きさまらー!」のセリフと共に戦闘もなくガラハドを殺してしまい、自分でやっておいて悲し気なBGMが流れるのだが、PS2でのリメイク版である『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』では戦闘になるうえ結構強いため、返り討ちにあうプレイヤーも多数いた。
「アリだー!!」
この襲撃自体よりも、その後しばらくして発生するイベントの方が印象が強いせいか、「アリだー!!」が後のイベントを指す意味で使われることも多い。
「私が町長です」
魔物にいけにえを捧げるのを拒み、主人公達に魔物退治を依頼する……と装って、主人公達を生贄にすべく、いけにえの穴に閉じ込める。
で、魔物(飢えたねずみの群れ)を退治して帰って来た時の第一声がこれである。第一声と書いたが、以降これ以外言わない。
後の作品でもネタとして扱われており、ロマンシングサガ リ・ユニバースでは使用可能なキャラとして登場する。
「じゅもんが ちがいます」
ファミコン版の1と2で、ふっかつのじゅもんの入力間違いの際に表示されるシステムメッセージ。
特に2はじゅもんが長い為、間違っていた場合の精神的ダメージは大きい。
3以降はバッテリーバックアップによるセーブが導入されたが……。
「おきのどくですが ぼうけんのしょ1ばんは きえてしまいました」
おなじみの効果音と共に流れる、ファミコン版3以降でセーブデータが消えた際のシステムメッセージ。
実際にはセーブデータが正しく読めない状態になった場合に発生し、データが破損したと見なしてこの後にデータを消すので、急いで電源を切ってカートリッジを挿しなおせば読み込める場合もあるとか。
「しんでしまうとは なさけない…」
1では「しんでしまうとは なにごとだ!」など、作品やキャラクターごとにセリフが若干異なる。
「ぬわーーっっ!!」
その時点で圧倒的な強さを誇るパパスが、主人公を人質に取られたことにより、為すすべもなく倒される衝撃的なシーンである。
「いいですとも!」
敵として主人公セシルの前に何度も立ちふさがったゴルベーザが正気に戻り、月の民フースーヤと合体魔法を放つ際のセリフ。
敵だった時の悪行とのギャップや、今は亡き笑っていいともの定番台詞「いいとも!」との近似性などから、妙に記憶に残るセリフである。
「あ……えっちい本が落ちてる」
主人公スコールとヒロイン・リノアが思い出作りするための場所に、仲間のアーヴァインが目印として置いていた雑誌を見た時のリノアのセリフ。
水着グラビア程度なのか、R18な内容なのかは不明だが、一目で分かるくらいだから肌色率は高いのだろう。
メインキャラの一人・ジタンを象徴するセリフ。FFの名言の中でも特に好きと言う人も多いだろうが、私は友人のプレイを眺めていただけなので特に思い入れはない。
「『おまえが行くって言ったからさ』」
ジタンがヒロイン・ダガーに「どうして一緒に来てくれたの?」と言われた時に返した言葉。作品内での芝居のセリフからの引用。
ジタンの育ての親で盗賊団首領であるバクーが、メインキャラの一人である堅物騎士のスタイナー(一人称は「自分」)に向けて言ったセリフ。
「駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚」
自らの手を汚さずに権力を拡大しようとするロンウェー公爵と、公爵に従い手を汚す騎士レオナールや旧友ヴァイスを、それを良しとしない主人公デニムの立場から見たものと思われる。
平民の義勇兵として戦争に駆り出されたものの、戦後は恩賞も与えられなかったため、盗賊まがいの革命組織となった骸旅団へ向けての一言である。
舞台であるイヴァリースの貴族の考えとしては珍しいものではないが、名言というよりは暴言であろう。
「かがくの ちからって すげー!」
モブキャラのセリフ。このセリフの後、各作品での新機能の解説が続く。
「強いポケモン 弱いポケモン そんなの人の勝手 本当に強いトレーナーなら好きなポケモンで勝てるように頑張るべき」
現実同様に作中世界でもいわゆる強キャラばかり使われる風潮があるのだろうか。
「心じゃよッ!」
小柄な少年ユンがならずもの達に立ち向かった場面で、肉体はお前らの方が強いかもしれないが彼の方が強いという内容の会話の後で。
「サラマンダーより、ずっとはやい!!」
かつて主人公ビュウのサラマンダー(竜)に乗って一緒に空を飛び、結婚について語ったヨヨであったが、敵国の将軍パルパレオスに恋し、彼の竜に一緒に乗った際のもの。
ビュウとヨヨの名前は変更可能であり、自分と好きな女の子の名前にしたプレイヤーの心を殺す。
「人類は何も学ばない」
オープニングの言葉。
『狂皇子』ルカ・ブライトが、命乞いした女に豚の真似をさせた後のセリフ。当然きちんと自らの手で殺す。
突き抜けた悪党のため、悲しい理由のある敵に辟易した一部のユーザーから愛されている。
「待たせたな!」
主人公ソリッド・スネークのキメ台詞、というには若干ネタというかメタな使い方をされている。
「大好きな社長さんのために物件売ってきたのねん!現金たくさんないと倒産こわいもんね!」
お邪魔キャラ貧乏神のセリフ。プレイヤーの物件を勝手に安値で売り払っておいてのこのセリフである。
黒字倒産は怖いから多少の現金は欲しいよなと思わないでもないかもしれないが、このゲームの物件は採算性が高いため、基本的に手放すものではない。
(イヌも ひとも よるは ねるもんだぜ ねろよ!)
ゲーム冒頭の夜のシーンでの、主人公の家の飼い犬のセリフ。主人公はテレパシーで動物の考えが分かる。
「まんめんみ!」
プレイヤーキャラクターであるイカガールの掛け声の一つ。正確な発音と意味は不明だが、よし! やったぜ!というような場面で使われる。
他にも色々ある中、このセリフがよく使われるのは、発音が比較的聞き取りやすいのが原因かもしれない。
「オレサマ オマエ マルカジリ」
「Today is my birthday. The victory sure would be nice!」
ミッション1での、早期警戒管制機スカイアイの空中管制指揮官から主人公へのセリフ。
1年後の敵国首都での戦いでも……。
「ほざいたな こわっぱ!」
「私自らが出る!」
「千年前から好きだった。」
「これはひどい」
セガサターンソフトにも関わらずスーパーファミコン(の中でもセンスの無い作品)のようなグラフィックを見たプレイヤーの心境とシンクロし印象的である。
「うぐぅ」
メインヒロイン、月宮あゆの定番セリフ。基本的には困った時に発する。
「上から来るぞ、気をつけろぉ!」
伝説のクソゲーとして名高いデスクリムゾンのOPムービーでの、主人公・コンバット越前のものと思われるセリフ。
その後の効果音からすると、どうやら爆発物を投下されたらしい。
「せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ」
何がせっかくだからなのか、扉が赤くない(扉の上にある宝石のような物が赤い)、そもそも画面には扉が1つしか映っていない、などツッコミどころが多い。
「コレ、イエジャナーイ! 」
ヒロインの一人、高坂茜の家(段ボール製)を見た主人公のセリフ。
「*いしのなかにいる*」
テレポート系トラップや呪文の使用ミスなどにより、石壁の中にテレポートした際のシステムメッセージ。
苦労して育てたパーティメンバーが蘇生のチャンスも与えられずに即全員ロストし、オートセーブされる。
「かゆい うま」
T-ウイルスに感染し、徐々にゾンビ化していく男性の日記の最後のセリフ。「かゆ うま」は間違い。
「怖気づくと、人は死ぬ」
「オール! ハンデッドガンパレード! オール! ハンデッドガンパレード! 全軍突撃!
たとえ我らが全滅しようともこの戦争、最後の最後に男と女が一人づつ生き残れば我々の勝利だ!
ちなみに、戦っている彼らのほとんどは生殖機能の無いクローン人間である。
「こんな げーむに まじになっちゃって どうするの」
当時としても高難度な(というより何をしたら正解なのか分からない)ゲームをクリアした後にこれである。
「絶望を確認することしかできないかもよ?」「絶望を確認するという希望がある。」
「電車は悲しい…」
オープニングで、レールに沿ってしか動くことができない電車に対して。
「エモノがいたぜ」
敵とエンカウントした際の主人公側のセリフ。何しろ主人公達は魔物なので。
「タフすぎてソンはない」
ゲーム中ではなく、説明書内の言葉。テンゲン社のゲームの説明書は独特な文章で有名。
「Good bye faithful suit.」
自機のAIがパイロットを脱出させ、敵基地に特攻した後に流れるボイス。
主人公の上官・プライス大尉の回想に出てくる、15年前のプライスの上官・マクミラン大尉のセリフ。
突入や全力疾走前の待機中に言う。狙撃成功時の「ビューティフォー」「グーッナイ」も有名。
「密です!」
「透明人間かな?」
「それしかないよな」
名作傑作と言われている割には響かなかったなあという駄文
・青山作品はかつてハマってコナンは50巻近く、まじ快は3巻まで、YAIBAは全8巻のうちの真ん中の一部以外は集めた。
・劇場版コナンは全部見たわけではないが、こだま作品、銀翼、紺青が好き。確か水平線上、鎮魂歌、純黒は見た。
・相棒や科捜研の女は多分見たこと一度はあるとは思うけど、よく見てて好きだったシリーズとしては記憶してない。100の資格を持つ女や紅蓮次郎や法曹系の女主人公のが好きだった。
正直これコナンでやる必要あるかなと思った。ベイカー街の亡霊と同じくやりたい題材のために、名探偵コナンを利用した匂いがした。問題は、ベイカーはコナンファン・ホームズファンの中でも賛否わかれるところはあっても一般受けは良く対象もあくまで子供であるのに対し、執行人は対象が大人で一応コナンの推定ファンの年齢層だろう子供を捨て去っている節があった。正直良い意味で心動かされたのが、①毛利家(園子緑さんも含む)の描写、②少年探偵団がストーリー上意味があって足手まといではない、③ポアロのお姉さんの変なジェスチャー、④カーアクションで電車の側面を走るところ、⑤博士が有能(クイズだけや場所や道具提供だけではない)……くらいしか思い出せない。あと車のCGが結構目に入った。
まず、ストーリーに燃えるところがあまりない上に大人向けで暗い。公安警察が元警察官で、現有名探偵(背後のコナンという強力な協力者が目当て)とはいえ、一般人を巻き込んで拘束するようなことはどうなんだろうと思う。警視庁や地方警察所属警察官を好感の持てるキャラクターに描いてきた本シリーズにて、公安関係者にキャラクターとして好感が持てなかった。公安の歴史を考えれば好感を持てないキャラクターというのは考えられることではあるが、純黒の風見のあまりの無能さにキュンとしただけに残念に思った。すべての元凶は公安といってもいい物語であったが、燃えるところが少なく、対象を大人だけに振り切らないでほしかった。犯人の動機が協力者を失うことになった公安に復讐するためであるが、犯人も協力者もコナンも安室自身の正義の上で行動している。正直安室登場後のコナンに関してはあまり正義を問われたくないが、正義は一つではなく難しいものであるだけにコナンでやるのならストーリー自体もう少しは明るくした方がいいのではないかと思う。公安という立場をメインに出してきただけに難しいものではあるが、あまりの視覚的物語的暗さになんだかなという気分でいっぱいだった。正直自家用のテレビで見たが、夜設定とはいえ画面的にあまりにも暗いと感じた。またゲストキャラクター(いつもの芸能人枠)の弁護士の方のラストシーンで激昂するところがあるが、彼女もそれまでに公安の協力者として暗躍する中で監視していた対象に惹かれたものの、事件が起こり協力者に協力を頼んでいた中で自殺される。そのまま協力者を続けていたら実は公安によって、自殺していたとされていた恋人は生きてましたなどという自身の判断によるものであれど公安に人生を振り回されているのは、哀れみの感情をいだいてしまった。しかし彼女も暗さを増長した一因である。
次に犯人サイドの事情や処理に面白みがないなと思った。ここでは犯人の協力者は含むとする。推理モノやサスペンスで個人的に楽しみにするのは、犯人の動機が大きい。犯人が犯行を起こす動機が、同情する余地があったりカリスマ性があれば正直娯楽として好きになってしまう。犯人の処理もそうだ。ただ今回の犯人周りはつまらなかった。犯人の上司に対して火傷負わせ他のが犯人と分かったときはよくやったと思ってしまったが、協力者の生存を知らされて諭されてすぐパスワードを言ってしまったりコナンの言葉にすぐ諭されてしまったりというのは、尺の問題が大きいかもしれないがやった規模や抱えていた自身の正義に対して描写が薄いなあと思った。協力者の方は結局自分の正義感に酔いすぎて就職できなかっただけで死んだと思ったらなんだかんだのうのう生きてたし、あと正直ミスキャストで演者に対してキャラが抱えているものが大きすぎて演者が頑張っている分ちょっとなあと思った。おそらくもっと丁寧に描写されていたら協力者の生存に残念だとは思わなかっただろう。正直犯人サイドのキャラクターとしての描写があんなに有名作なのだからもう少し掘り下げしていると期待していたために残念に思った。犯人よりも公安の傍若無人さの方が印象に残り、それがクライマックスの燃え上がるはずのところでうまく自分には火が付かなかった。
またクライマックスで少年探偵団が活躍するところと安室とコナンが活躍するところがある。少年探偵団が足手まとい過ぎない(足手まといの例:水平線上)、灰原が原作のスペックから考える必要以上に出しゃばらない(一応薬学が専門のはずなのに薬学以外で博士よりも活躍している場面など)、博士が有能(ただの見守るお爺さんや道具・場所・クイズ提供者じゃない)など個人的には好きだと思った。ただ、何も知らされずに衛星探査機を子供たちが迎撃するというのはどうなんだろうかと疑問には思ったが。目暮警部をはじめとするいつもの警察関係者のポーズに近いのもあるとは言えど、子供に危ないことをさせないために止めるのに慣れているだけに、博士以外ためらう姿が絵として見られないのが少々残念に思った。まあコナン・灰原以外の事情を知る大人が公安関係者だけなことはあるために納得は行くが。今回は探偵たちの鎮魂歌のように実は危険な目にあっていたし、その状況を対処したのは少年探偵団という描写だった。彼らなら事情を知ったうえできちんと対処できる(例:天国)という期待があっただけに、実は自分たちで破壊した探査機を間近で見られなくて悲しむ姿に言ったうえで協力してもらってもよかったんじゃないかなと思った。
毛利家の描写(園子緑さん含む)は結構好きだった。近年のコナン映画は蘭にとりあえずアクションさせ、雑でも新一と叫ばせればいいという個人的な偏見がある中新一を必要とする理由(おっちゃんの逮捕)がわかりやすく、コナンから蘭への愛情もちゃんと尊重している(安室がコナンから蘭への感情に言及している)など、蘭の扱いがラブコメ中心ではない映画にしては良いと思った。純黒の蘭の存在意味が無に近いのを最近見返したので、思っていたよりはよかった。コナン映画といえば蘭に精神的デバフをかけるのが恒例ではあるし、よくそれで叩かれている(空手強いのに騒ぎすぎとか)のを考えると新しい精神的負荷のかけ方だと思った。小五郎を蘭が疑うというのは14番目の標的でもあったが、今回は異例の起訴という事態に陥っているため精神的に弱っても不自然ではないと思う。妃さんも身内には弁護できないという状況でおっちゃんのことを考えているのが伝わってきてよかった。エンディングの毛利夫妻はやっぱりこうでなくちゃと思った。園子は不安な欄に付き添ってあげているいいやつだし、緑さんも毛利家のことを思っている(正確には妃さんのことだろうけど)し、色々と手助けしてくれたりしてよかった。正直毛利家がこの映画の視覚的にも物語的にも癒しとなっていたところあった。
あと途中で車が泣き顔に見えるほどズタボロになっているのがかわいそうだけど、頑張ったねって感じで好き。カーアクションで電車と真っ向から衝突し、電車の側面走ったりと本当お疲れ様だった。最後はもう廃車確定なのかもだけど、MVPは君だったよ。
総括すると、「名探偵コナン」の傑作として持ち上げられていた割には基本的に物語が暗くてスンって気分でいた時間が多かった。ベイカーみたいに「名探偵コナン」としては異色という認識だとしても、それまでの認識していたコナン像と違ってたぶん困惑しただろう。これがコナンでなければもうちょっと先入観に踊らされることなく、楽しめたのかな。正規の駄作とまでは言わないけど、公安や警察方面に明るくもなく、コナン知識に自信があるわけでもない身としてはもうちょっと説明が欲しいなと思った。例えば、なぜ犯人が共犯者を選んだのか、共犯者は自殺した()あとどうしていたのか、コナンがスマホに盗聴アプリを仕込まれていたことを博士に調べてもらって知っていたのなら調べてもらう際にバレなかったのか、NAZUは侵入された後に犯人によってパスワード変更されるまで(された後も)何もしなかったのか、警察(公安)以外の省庁のお偉方が無能に見えたけど本当に何もしてないのか、犯人の上司(公安検察の人)が結構嫌なだけの不美人に描かれていたけど何か信念とかはあったのか、あのあと女弁護士はどうなるのか、あたりの説明は欲しいなと思った。小説を読めばいいのかもしれないけど、こだま時代の疑問点はあっても雰囲気とかでだいたい満足みたいなのに慣れすぎてて手を積極的に出す気にはなれないんだよなあ。世間評価のわりにあんまり響かなくて残念だった。安室というよりも公安の降谷を見るための映画だなと思った。だけど映像やアクションでごまかすんじゃなく、降谷という人についての描写をもうちょっと色濃くやってくれたら今よりも好みの作品になってくれたかもしれない。
例えばさ、学校とか人によっては会社とか、アレルギーについて説明するよね
「これ食ったら苦しむし、最悪のたうち回って死にます」って宣言して、死なないようにする為に
そうしたら、メシ出す人や手配する人、大人であれば飲み会だのランチ会だのの幹事もソレを理解してくれるじゃん
え?くれない?まぁ、話を最後まで聞いてくれ
とにかく、アレルギーである事を説明すればそれを出すのを避けてくれる訳だ
仮にその判断する側に人の苦しむ様を見たくて仕方ないソシオパスや、純粋にどうなるのか興味あるのでとりあえずやっちゃうサイコパス、あとは根性論で何でも解決したがる頭の硬い人がいたとしよう
そうしたら、自分にとってのクリティカルな毒物を手配されて「食え」と言われる訳で
もしかすると、そもそもその毒物が隠れてるメシを黙って出される可能性すらある
アレルギー以外にも、持病の薬を飲んでる姿見て「ああ、あの薬無いと苦しんだり死ぬのね」とか、妊婦さん見て「腹蹴り飛ばしたら赤ん坊死ぬな…」とか、車椅子や松葉杖の人見て「踏切のど真ん中でコレ壊したら恐怖に怯えた挙げ句に肉片になって弾け飛ぶんだろうな」とか、そういうの
そうしたいと思ったことすら無い俺でも、ふと思う事あるよ?そんなの絶対しないけど
じゃあさ、他の人も思うかもしれない、思っててもしないかもしれない
そう考えたら、人の良心や倫理観を頼って自分の弱点晒しちゃうの、怖くない?
俺は怖いよ、うんちうんち
バイト先の「ふぃよるど」というノルウェー料理店がコロナの影響で閉店することになって、全員で乃木坂まで閉店作業を手伝いに行った。全員といってもおれ自身を含めてバイトは学生の3人だけだったが、小さな店の厨房設備や什器を回収業者のトラックに運び込むにはその人数で十分だった。
夕方には作業が終わって、最後に3人でご飯でも行こうかということになり、平林の車に乗って南青山・六本木方面に行ったはいいが、どこも営業自粛中で閉まっている。
「どうする?」とおれが訊くと、「どこでもいいよ、ラーメン屋でもなんでも。ちょっと調べてみる」とディキンソンがiPhoneを取り出す。ディキンソンは女子大の英米文学科に行っていて、本名は別にあるのだが、エミリー・ディキンソンとかいう詩人について卒論を書くつもりらしい。理工学部の平林と経済学部のおれはその方面に全く無知だったので、詩人の名前の響きだけで衝撃を受け、以来店では彼女をディキンソンというあだ名で呼んでいた。
車内では爆音で日本語の歌がかかっている。バブル期ぐらいの日本の音楽を集めるのは平林の趣味で、とくにアイドルの音源を偏愛していた。高校まで競技水泳をやっていた平林は運転席でイカリ肩を揺らしながら酒井法子?の歌に合わせて All Right, All Right と裏声で歌う。
恋を失くした
悔しいけど
「あった、開いてるとこ。オメガラーメン。麻布十番。どう?」ディキンソンが後ろの席から画面を差し出す。青山霊園を走る車の中で、平林は相変わらず All Right, All Right と裏声で歌う。「ちょっと、うるさい」とディキンソンが平林の頭を押さえつける。おれは助手席からiPhoneの画面を覗き込む。「いんじゃないかな。あとは車停める所か、探してみる」
オメガラーメンは空いていた。というか客はおれたちしかいなかった。カウンター6席ほどの店で、3人並んで座るとけっこう密だったが、今日いっぱい密だったので、いまさらどうしようもないよなと話しながら座った。
「えいらっしゃい」と店主らしき人がカウンターごしにメニューを置くが、オメガラーメンと一行書いてあるだけだ。3人ともオメガラーメンを頼んだ。
出てきたのは真黒なラーメンで、独特のぬめりがあるスープから肉の塊らしきものが突き出している。ビーフカレーのようにも見えるが、中央に配置された白髪ねぎの小山がラーメンらしい外観をかろうじて保っていた。
味はなんというか、微妙だった。3人とも無言で平らげて店を出た。
代々木上原に住むディキンソンを途中で降してから、赤羽に実家がある平林と田端に住むおれは北へ向かった。
「また3人でこうやって会うこと、あるのかな」
「どうかな。まあ、あるんじゃないかな。当面、全員日本にいることになりそうだし」
「どういうこと?」
「咲は、あ、ディキンソンは、秋からアメリカの大学に留学が決まってたんだけど、話が流れちゃったらしい。コロナのせいで先行きがわからないからって。それでけっこうがっかりしてたんだ」
「そうなのか」としか言えなかった。
なぜおれは知らないのか。なぜ平林は知っているのか。なぜディキンソンの下の名前を言ってからディキンソンと言い直したのか。
動坂下の交差点で降してもらい、セブンイレブンに寄ってからアパートへ向かうあいだ、胸に覚えのない異物感を感じ続けていた。それは甘すぎたオメガラーメンによる胸焼けなのか、ディキンソンにこれまで自分が何かを感じていたことにたいする動揺なのか、わからなかった。
常々バニーガールのキワッキワの谷間とか、ギリッギリの鼠蹊部とか、アミッアミのタイツを見てハッピーになりたいなと思っていた。2019年12月末。久しぶりに会った大学時代の友人と2人で飲んでいた時、ちょうどエロの話で盛り上がったので、一緒にバニーガールバーへ行くことにした。
バニーガールバーは古い雑居ビルの4階に入っていた。2階には「マッサージ、ドデスカー?」的なお店。3階にはメイドバー……という、いやらしい匂いがぷんぷんと漂うビルの狭い階段を、ドキドキムラムラしながら友人と登った。
俺たちを迎えてくれたバニーガールは期待通り股間に訴えかけるものが多分に含まれた芸術的な衣装で、さらに愛想も良く、俺はハッピーになり始めていた。俺と友人の仕事の話だとか、網タイツがしょっちゅう破けて困るだとかそういう話題を経て、このバーが入っているビルの話題になった。俺はなんとなく「下のメイド達と交流とかはあるの?」と聞いてみた。するとバニーガールは、眉をひそめ「メイドはやばいコばっかなんですよ〜」と言って話し始めた。
「あのコら、あの狭い階段で全ッ然道譲らないの。あのスカート、広がっていて邪魔だッていうのに、全く知らん振りなんですよ!」
友人が「メイドやばいのおもろいな〜! どこのメイドもやばいんかな?」と言うと、バニーガールは一層嫌悪感を露わにして
「いや、絶対そうですよ。前メイド喫茶でバイトしてましたけど、あのコら無断欠勤とかめっちゃするし、礼儀とか全ッ然身についてないし、頭おかしいコばっか。メイドにまともなコなんてほとんどいないですよ!」と言い放った。
彼女はメイドに差別的な発言をしたと感じた。その場は「へーそうなんや」と言って別の話題に切り替えたが、友達と別れた後にジリジリと不快になってきた。
この「不快」というのは、友達同士との何気無い会話の中で、特定の人種の人々に対する、本人にとっては悪意のない差別的な発言と直面した後にも迫ってくる。だがそれらは決して差別的な発言そのものに対する、怒りだとか、悲しみといった不快感という意味ではなく、自分の感情のあり方にぐるぐると悩み初め、その取り扱い方に困ってしまう、という不快感だ。
その後振り返ってみて俺はどう感じたか。
メイドへの差別的な発言を目の当たりにしたが、咄嗟のことだったので「そんなことを言ってはいけないよ」とバニーガールに指摘すべきだったが、できなかった。そのことについて悔しさに震えた。
いや、それは違う。単にバニーガールの機嫌を損なうのが恐しく差別的な発言を指摘できなかっただけだ。それをメイドに糾弾されるのも恐ろしく、「悔しかった」と言って誤魔化し「咄嗟のことだった」と言い訳をしているに過ぎない。結局俺は周囲を顔色を伺ってばかりいるような人間なのだ。俺は自分の臆病さを情けなく思った。
いや、本当に考えるべきことは、差別的な発言を指摘できた・できなかったという次元ではなく、そもそもなぜバニーガールの彼女はメイドへ差別的な発言をしたのか、という点かもしれない。彼女自身について少し考える。どうやら彼女は、自身が「ヤバいコが多い」と感じていたメイドをやっていたようだ。それに、彼女とは別のバニーガールはアームカットの跡で肩がまるで焼きイカのようになっていた。彼女のことはよく知らないが、働いてきた中で結構追い詰められていて、メイドを差別し見下していないと自分を肯定できない状態に陥ってしまっていたのかもしれない。俺はそんなバニーガールの境遇に同情し心を痛めた。
いや、これはバニーガールを「メイドを見下さずには自分を肯定できない」と見下すことによって、俺は自らを肯定しようとしているのかもしれない。それを偉そうにバニーガールの境遇に対する同情だとか言い繕うなんて、なんて高慢で卑怯なんだろう。俺は自身の卑劣さに悲しくなった。
いや、そもそも悔しさに震えるのも、臆病さを情けなく思うのも、同情し心を痛めたのも、卑劣さに悲しくなったのも全部嘘で、結局どれも「差別はよくない」という世間に受け入れて貰うための薄ら寒い演技に過ぎず、本心はただ寂しさを埋めるために差別問題を利用しているだけではないだろうか。いやいや、それもまた違って……。
差別的な発言に直面すると自意識という触手にがんじがらめにされ、一体自分がどう感じているのかが全くわからなくなってしまう。鏡合わせの空間に迷い込み、どの鏡に映る自分が本物なのかわからなくなってしまったような不安に陥る。そういう意味で、差別的なシーンはとても不快だ。
こんな不快な思いはしたくないし、バニーガールとメイドが共存し手を取り合い、2人で俺を笑顔で迎えてくれる社会になるのであれば、それはとてもとてもハッピーな社会だと思う。なのでこのバニーガールによるメイドへの差別問題がなくなれば良い、とは思う。
しかし、差別問題について解決しようだとか、どうこうしようだとか考えるのは、メイドでもバニーガールでもない第三者の俺にとっては想像以上に体力を消費するし、例の不安な気分に陥ることになる。こんなことに頭を悩ます位ならば、例えばマイクロビキニの女の子について考えていた方がハッピーだし、有益な時間を過ごせるだろう。よし、というわけで今度はマイクロビキニバーへと行くことにしよう。
アベノセイカキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!