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はてなキーワード: 赤狩りとは

2024-11-05

anond:20241105172144

あなたの挙げた主張には、いくつか事実に基づく部分もありますが、一部の点で正確性に欠けるところがあります。以下に、それぞれの主張について詳しく解説します。

1. 「(古典的)自由主義の元で経済的格差が生まれる」

古典的自由主義では、市場自由個人権利尊重されるため、富や資源特定個人企業に集中する傾向があり、結果的経済的格差が拡大することが多いです。自由主義的な経済システムは、競争を促しイノベーションを生む一方で、収入資産の差が生じやすい側面もあります。この点は多くの経済学者や歴史的データからも支持されています

2. 「経済的格差問題に対して自由主義アンチテーゼとして、平等こそ真の自由では?平等の為に自由制限すべきでは?の社会主義共産主義がうまれる」

自由主義へのアンチテーゼとして、平等を重視する社会主義共産主義提唱されてきたのは事実です。マルクスエンゲルス理論化した共産主義は、資本主義の下での格差批判し、平等社会を目指すものです。ただし、「平等こそ真の自由」という表現社会主義理論では明確に定義されていませんが、平等な機会の確保や富の再分配によって、より多くの人が実質的自由享受できるとされています

3. 「冷戦時代社会主義であるソ連共産主義中国対立によってアメリカ赤狩りが行われる」

冷戦時代アメリカソ連社会主義国家)、中国共産主義国家)は確かに対立しており、アメリカ国内で「赤狩り」(レッド・スケア)が行われました。これは、共産主義の影響を恐れた米国政府や一部の市民が、国内共産主義者や社会主義者に対する監視弾圧を行ったもので、特に1950年代に強まった運動です。この点については、歴史的事実として正しいです。

4. 「アメリカ国内社会主義者や共産主義者が『私のはコミュニズムではなくリベラリズムだ』と主張して赤狩りを逃れる」

これは正確ではありません。冷戦時代リベラリズム自由主義)はアメリカ国内で広く支持されていたため、多くの社会主義者や共産主義者がこれを名乗って保身を図ったというよりも、単に社会主義共産主義への疑念が強かったため、共産主義距離を置く人が増えた、もしくは意見を控えるようになったと見るのが妥当です。また、アメリカにおける「リベラリズム」は当時、資本主義の枠内で福祉や公正な競争を求める立場であり、共産主義社会主義とは異なる理念を持っていました。

5. 「平等を錦の旗に他人自由制限するのを是とするリベラルがうまれる」

現在アメリカにおける「リベラル」という言葉が、平等を重視して自由一定制限をかける政策を支持する立場を指すこともありますが、これは「自由主義リベラリズム)」そのもの完全に一致するわけではありません。現代リベラリズムは、経済的平等個人権利自由バランスを目指す思想です。必ずしも他者自由積極的制限するという意味ではなく、むしろ公正な社会を作るための規制を支持するというのがより正確な表現です。

結論

概ね事実に沿った主張もありますが、一部で誤解や単純化が見られます

2024-09-13

anond:20240913152456

社会自由主義って昔ながらのやつか

先祖返りか

https://en.wikipedia.org/wiki/Social_liberalism

社会的自由主義[は、社会正義社会サービス、混合経済公民権政治的権利の拡大を支持する政治哲学であり、自由主義一種であり、限定的政府と全体的に自由放任主義的な統治スタイルを支持する古典的自由主義とは対照的である

どちらも個人自由を重視しているが、社会的自由主義は、社会的平等対処し、公共の福祉を確保する政府役割をより重視している。

■衰退

1960年代1970年代経済問題を受けて、自由主義思想はいくつかの変化を遂げた。

ケインズ派財政運営自由市場を妨害しているとして批判された。

同時に、増税で賄われた福祉支出の増加は、投資の減少、消費者支出の減少、そして「依存文化」の創出への懸念引き起こした。

労働組合はしばしば高賃金産業の混乱を引き起こし、総雇用は持続不可能であると考えられた。

フリードリヒ・ハイエクの影響を受けたミルトン・フリードマンサミュエルブリタンなどの作家は、社会自由主義の逆転を主張した。

彼らの政策(しばしば新自由主義と呼ばれる)は、西側諸国政治特にイギリスマーガレット・サッチャー首相アメリカロナルド・レーガン大統領政府に大きな影響を与えた。

彼らは経済規制緩和社会サービスへの支出削減の政策を追求した。

社会自由主義連合崩壊した理由の1つは、1960年代1970年代国家政府から独立して活動できる金融利害関係からの挑戦だった。

関連する理由としては、フランクリン・D・ルーズベルトなどの政治家が提唱した社会主義医療などのアイデアが、赤狩り最中保守派特に前述のレーガンによって批判され、社会主義的とみなされたことが挙げられる。

もう1つの原因は、連合の一部を形成していた労働組合の衰退であり、労働組合自由主義コンセンサスに挑戦する左翼イデオロギーの支持でもあった。

これに関連して、労働者階級意識の没落と中流階級の成長があった。

社会自由主義を最も受け入れていなかった米国英国による貿易自由化の推進は、支持をさらに弱めた。

社会自由主義思想現代的復活

20世紀から社会的自由主義政治的影響力を失いつつあったが、ジョン・ロールズ政治哲学)、アマルティア・セン哲学経済学)、ロナルド・ドゥオルキン(法哲学)、マーサヌスバウム哲学)、ブルースアッカーマン憲法)など、多くの著名な著者の登場により知的復興を遂げた。

社会自由主義政党または社会自由主義派閥を持つ政党

日本立憲民主党

歴史的社会自由主義政党または社会自由主義派閥を持つ政党

日本日本社会民主党

って書いてあるけど?

2024-09-01

正義暴走」なんて存在しない

正義暴走」なる概念ネトウヨ特有かと思っていたが

どうも最近ではリベラルフェミニスト人達にも「正義暴走」なる言葉を使う人達がいるようで、危険だなーと思っている。

「『正義』の暴走」と、「正義」の方を鉤括弧付きで語るならまだしも、そういう留保すらなしに「正義暴走」とか言っちゃえる神経が理解出来ない。

それって「正義」という言葉を単にその個人集団の信念程度の意味で用いているよね?そうじゃなくて、もっと人権社会福祉を前提に置いた規範的な概念なのが「正義」でしょう。

正義」じゃなくて、「思想信条暴走」とでも言うならば分かるんだが。

正義暴走」の例として、ナチス文革赤狩りを挙げている人がいたけれど、いやそれらは「正義」ではなく明確に「悪」じゃん

どんな思想信条の下に行っていようが暴力虐殺絶対的「悪」であるという、最低限のコンセンサスすらない人達が用いるおかし言葉が「正義暴走」。

イスラエルがやってる虐殺なんかもそうだよね。それは正義ではない。

2024-04-07

オッペンハイマー』観た。

元カノが死んでから自分を責めたり、実験の爆発を目の当たりにしてから水爆反対への心変わりに向かっていったりと、オッペンハイマーには自分のやってる事への当事者意識の薄さみたいなのがあるのかなって感じがした。

絶対悪」のナチスドイツなき後にもまだ(瀕死の)日本がいるじゃないか研究を続けて、いざ実験成功して投下した後になってから果てしない核軍拡競争への憂いで気持ちが揺れ始める。赤狩り時代が強調されてはいとはいえ水爆ソ連への牽制だという言い分にもあまり強く言い返せない。

ストローズの「奴は瓶から出した原爆魔神を元に戻そうとしてる」みたいな台詞は、オッペンハイマー憎しで出た言葉かもしれないけど彼のふわふわした感じを端的に表していたような気がした。トルーマンに腰抜けと一蹴されたのも。

学生時代に病んでたのは、物理学なんかやってると唯物論的な方面実存不安を抱えるようになるんだろうか。ピカソストラヴィンスキーに触れるシーンでそう思った。それに対してセックス不足だろと言われてたのも、そういう抽象的な事ばかり考えずに地に足つけて生活したら、的な意味だったんだろうか。共産主義唯物論は結び付けられて語られるようだけど、活動に傾倒していったのもそういう事なんだろうか。

日本にまつわる描写淡白だっていう感想もあるらしいけど、自分は投下後に言われていた「国内で抗議が"起こらない"のが心配だ」みたいな台詞結構印象的だった。

劇中で何度も鳴り響くオッペンハイマーの功績を称える足音軍靴の音に重なるものがあった。

実験シーンで爆破音を大分遅らせる演出は、まあそうなるだろうなあと思わせる猶予になってしまったけど、それを補って余りある ほどにオッペンハイマーが抱いたであろうアンビバレント感情を思わせられた。

「ほぼ0%」だからまあ大丈夫だろうと研究を続けたり、爆破の直前に賭けをしてたり、防護服を着る事もなく目視で爆発を眺めたり、実験成功すれば無邪気に熱狂する辺り、研究者達からはどこか呑気さを感じる。

それはしばしばハリウッド映画非難されていた核兵器への認識無頓着さへによるものではなく、むしろそういったものに関して意識的に描いているんだと思う。思いたい。核兵器が実戦投入される以前の出来事を描いたシーンでもあるし。

ローレンスやラビ出会いから関係比較的重点的に描かれてたけど、他にも色々と博士政府人間が出てくる中で、それ誰だっけって人名が飛び交ったりして分かり辛い部分も多かった。

証人に呼ばれたローレンスと廊下鉢合わせて、結局彼が来なかったシーンもいまいち意味が分からなかった。冒頭の1. 核融合 2. 核分裂も何か象徴的な事を言っているのだろうけどいまいちよく分からなかった。

ただ3つのパートが徐々に絡み合っていってオッペンハイマー人生が語られる感じは、テネットとかインセプションに比べたら大分と分かりやすかった気がした。

プロジェクトX、よりは粛々と進むマンハッタン計画、胃が痛くなるような小部屋の尋問ストローズの閣僚入りに向けた公聴会、というそれぞれのシーンの要点を抑えた上で2度目に観たら前半の印象も大分鮮明になってより分かりやすくなった。

今の所世界は滅んでないけど核兵器も滅んでいないらしいし、これからどうなんでしょうねえ。この手の作品を観て大量破壊兵器よろしくないですねえ、平和は個々人の意識によって作られるものですよねえ、というポーズを取りつつ、まあ言うても別にボーッと生きてたって自分の生きてる間くらいは大丈夫っしょ……って思ってる自分がいますねえ。

2024-03-31

オッペンハイマー見てきた

普通にクリストファー・ノーランらしい、いい「アメリカ映画」だと思う。

赤狩りを描いているし、原爆肯定的に扱っているわけでもない。

でも「もし原爆アメリカに落ちていたら」この映画アメリカで公開することはできなかっただろうな。

そういう意味でもアメリカらしい映画だったね。

参考

オッペンハイマーのわかりづらいところと、もう1人の主人公

ネタバレあり。

オッペンハイマーみた。解説感想かきたくなった

以下ネタバレありまくり














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オッペンハイマー、まず理解するのにアメリカ人の伝記物なので当時のアメリカ歴史を知っておく必要がある。さらノーランのあまり説明せず、時間軸をぶった切るスタイルがすごいのでよりわかりづらくなっている。

話の流れとしては、1954年カラー)と、1959年(白黒)の話の二軸になっている。

1954年、当時のマッカーシー赤狩りオッペンハイマーソ連スパイ容疑かけられて狭い部屋の公聴会で責められて、最終的に公職追放されるまでのところがメイン。その中でオッペンハイマー自分過去を回想するという形で原爆開発の流れが示される。

そして、ややこしいのは白黒で示されるストローズの話。あの白黒の場面は1959年のことで、オッペンハイマーは出てこない。当時ストローズが商務長官に任命されそうになり、公開の公聴会がひらかれている。アメリカでは長官に任命されるときに公開の公聴会が開かれてどうするか決めるというのを知っていないとあのシーン自体が何をやってるか全然わかんないんだよな。そしてその公聴会ストローズはオッペンハイマーを陥れたことを追求され、反対が多く長官になれなかったということが表現される。

このオッペンハイマーストローズ2人が一番絡まるシーン、湖の畔でストローズがアインシュタイン無視されるところってのは映画では一番最初に出てくるが、戦後の話だってのもまぁわかりづらい。

それで、そういうことを知った上で見直すと、映画オッペンハイマーオッペンハイマー自身と、ストローズという二人のキャラの話を混ぜているとわかる。

オッペンハイマー天才破天荒女性関係が滅茶苦茶なのかとか、自分がどういう立場なのかわかっていながら共産主義関係者を積極的に絡ませたり…それこそ弟誘うの駄目だと思うんだけど…とか、そういうの。自分大学院のころに世話になった教授が似たような超天才型で、それに振り回された経験があり、あー天才ってこういうところあるよね…自分勝手に好きにやるよね…って思った。そういうのもあって、本人に感情移入しづらかった。

そして、オッペンハイマー原爆への後悔は、確かに後悔しているんだけど、後悔している自分に酔ってる、可哀想自分可哀想てのを表現している感を感じてしまった。これは愛人が死んだときの態度で表現されているようで、あそこも自分のせいで人が死んだこと自体は後悔してるけど、こんなに後悔してます自分が悲しくて泣いちゃってます!慰めて欲しい!っていうオーラがすごい。

でも、自分かわいそう感の強さにうーんって思ってたら、作中でもトルーマンには馬鹿にされて、ストローズには後悔なんてしてないっていわれて、奥さんから殉教者になる自分に酔ってるだろみたいなこと言われてるから意識的表現してるんじゃないかな…と深読みした。

それで、正直、オッペンハイマー自身よりも、ストローズの方がすごく魅力的に感じた。RDJの演技がすごい。まぁ政治家って時点で普通人間ではないのだけど、人間性がずれてる天才と比べる形で一人の人間表現していた。小物さ、狡猾さ、天才とは違う尊大さ、そういうところを会話や態度で表現していて、とても魅力的だった。もう一人の主人公…というか主人公が2人いると思ったし、この映画オッペンハイマー舞台装置にしたストローズの話なんじゃないのかって思った。

とにかく、すごい作品だった。見て良かった。

映画って楽しい

2024-03-30

anond:20240330104918

もしエスピオナージであれば、赤狩り簡単に騒がれるようなところに紐をつけたりせず、もっと隠匿性のあるところにつけにいくでしょう?「こいつが犯人にきまっとる!」みたいなところにつけにいくかしら?

内閣府タスクフォース会議中国ロゴリベラル沈黙しているのは、これが赤狩りから

会議資料はほぼ全公開、発言動画YOUTUBEで公開、だから大林委員提言中国国益だというものがあれば、

個別に精密に検証可能状態。でもそんなのは出てこない。「ロゴが動かぬ証拠!!!」「成田闘争・・・」「孫正義・・・

みたいな外形の話だけで「アカを国政に絡ませるな」という議論をして気持ちよくなっている人たちがいる。大林委員は確かに発言素人クサくて空気読めていないところもあるが、役所側は是々非々で、「その点はこういう事情でこうなっているので今はできない、継続検討」「改善に向けては〇〇の見地から継続した議論必要」等と押し返しているのでそれでいいのではないかと思う。

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/conference/energy/e_index.html

2024-03-24

再エネ規制改革タスクフォースの件ではブクマカ反知性主義まれりだろう

中国企業マークが!中国の回し者!」とかおかしすぎる。

具体的に「大林某さんが、エネルギーに関して〇〇という主張をしているが、それは中国を利するのではないか」「製品採用については国内企業製品に限る等の制限を設けるべきではないか」という意見があるとしたらまだわかる。そうではなくて、「大林某は中国の回し者、セキュリティクリアランスどうなってるんだ!」とかまんま戦前赤狩りと同じだろうよ。リベラルの皆さんは萌え絵巨乳が揺れてるとか揺れてないとかそんな話してる場合じゃないと思うんだが。

2023-07-26

オッペンハイマー』を見た感想

当方ヨーロッパ某国にいるので、先日クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を視聴することができた。

同日公開だった方向性の全く違う『バービー』との造語ミームになるなど、英語圏を中心に話題になっているが、『オッペンハイマー』は原爆開発のマンハッタン計画を指揮した物理学者の伝記映画であるため、日本での公開は未定であるという(しか8月が近いこの時期なので)。

本稿では、映画を観て思った感想を徒然に書いてみたい。

ネタバレ等は気にしないで書くので、情報を入れないで視聴したい向きは注意されたい。

複雑な映画である

この映画では、3つの時間が並列で進む。

戦中の原爆開発まで、戦後赤狩りによるオッペンハイマーの失脚、さらにその後のストラウス(オッペンハイマーへの個人的因縁から裏で糸を引いた人物)の議会公聴会だ。

人間関係は多層的で、時間経過とともに関係も変質する。

また、最初マンハッタン計画までを除けば、基本的法廷である

当方英語リスニングに慣れているとは思うが、聞き逃した事柄もあった。日本語字幕で見ればこの苦労は少なかったかもしれない。

さらに3時間と長い。劇場結構混んでいたが、途中で携帯を見たり同伴者と話したりするガキ共もいた。

原爆の扱いを巡って

映画的なクライマックスは、一応ロスアラモスでの原爆の爆発実験に置かれており、中盤に訪れる。

これによってオッペンハイマープロメテウスとなり、世界に滅亡をもたらす「死」となる。

オッペンハイマーはこの後苦悩し、戦後水爆開発に反対し、それが戦後公職追放の憂き目を見る仇となる。

日本人として気になる広島長崎描写は、直接行うことは避けられている。

しかし、罪の意識に苛まれ主人公が投下後にロスアラモスの職員を前に演説する際、喜びを口にしドイツに落としてやりたかった(オッペンハイマーユダヤ人)と盛り上げながらも、皮膚がポロポロと崩れ落ちる幻影を見せる(これは『はだしのゲン』での描写が思わず想起された)、職員向けの広島視察報告会で残虐な写真想像させるリアクションを演じさせる、という程度は行っている。

また、アメリカ軍原爆投下地を選定する際、

などと軽い調子で話し合う場面は生々しい。

僕は被爆出身ではないし、広島高校修学旅行で一度訪れた程度なのだが、上述の演説中のフラッシュバックの場面では、被爆者が受けた残酷な苦悩を思い、思わず涙がこぼれた。

これはアメリカ人が憎いとかどうのという話ではなく、(戦後も含めた)歴史という大きな対象個人との対比に心が動いたという話と言えようか。

あとちょっと思ったのは、爆発前のカウントダウンAVJOIみたいな効果がある。

個人的営為の究極であるAV鑑賞と、大衆娯楽にする装置であった映画館での映画観賞との接続は興味深い。

アメリカ合衆国暴力映画

アメリカ合衆国原罪のようなものも、映画に盛り込まれている。

まず、ロスアラモ研究所を作った砂漠原住民土地であり、オッペンハイマー自身戦後インディアンに返せと言う台詞がある。

原住民から取り上げて作った研究員居住空間は、まるで西部劇舞台である

ガランとした土埃舞う道、左右に並ぶ木製の建物

妻がシーツを取り込む場面はフォードにありそうだし、ロスアラモスに引っ越してきたオッペンハイマーの妻はサルーンがあれば完璧ねと言う台詞もある。

事程左様に西部劇的な舞台が用意されるが、アメリカ合衆国西部劇で描いてきた神話や、その自警的な暴力性と法による支配との相克は、これまで様々な映画で繰り返し取り上げられてきた主題である

この映画でも、原爆を無事作り終えて職員に肩車されるオッペンハイマーの背景には、星条旗がはためく。

アメリカ合衆国原理的に持つ暴力性を描いているのだろう。

科学者戦争協力

自明テーマであるが、見逃すことはできない。

オッペンハイマーナチズムへの反発からアメリカ軍原爆開発をリードする役目を引き受けた。

科学政治関係というテーマは、コロナ禍での専門知の活用学術アカデミー問題、そして2011年原発事故など、日本でも問題になってきた。

現代的でアクチュアルテーマを扱う映画である

共産主義科学資本主義

この映画テーマはもちろん原爆というプロメテウスの火である現代的なテーマである

しかし今一度思い返してみると、科学共産主義資本主義関係にも踏み込まれているのではないかと思う。

科学の進展と共産主義は切っても切れない関係にある。ソ連科学推し進め、オッペンハイマーマルクス主義科学的社会主義)に興味を持つなど、科学者共産主義楽園が訪れるのではないかと期待した。

しか共産党による独裁となったソ連崩壊し、その混乱を収めたプーチンウクライナに核の脅しをかけている。

では資本主義勝利かと言えば、その限界が指摘されて久しい。アメリカ合衆国共産主義への恐怖から赤狩りを進める。さら戦争に勝つために原爆まで作ってしまった当事者である

この映画は、冒頭で述べたように3分の2が赤狩りに関するものである

原爆映画ではあるのだが、共産主義科学に関する映画と考えることもできよう。

日本で公開すべきか・できるか

3時間という長尺の映画であるが、これだけ多様で重層的なテーマを盛り込み、商業作品にしたクリストファー・ノーラン製作チームの意欲は素晴らしい。

しかし、あくまでもアメリカ国内の話であるという感じもする。ソ連、そしてヨーロッパ中国の動向も薄い。

そして日本では、まずもって娯楽作品ではないから、商業成功は見込めるのかは分からない。

さら原爆開発に対する反発も大きいだろう。被爆者が親類にいる訳でもない私でも涙がこぼれたので、当然のことだと思う。

しかし、重く重要主題を扱う映画ではあると思うので、公開の判断がなされて多くの人が視聴する文化的土壌に期待したい。

2023-01-20

疫病とか戦争とか暗殺とか赤狩りとか「それ教科書で見た」を体験させてくれる令和

2022-09-21

anond:20220921204333

6個あるパンを四人で分け合えよと思ったあなた共産主義者!!

赤狩りじゃ〜!!

2022-09-12

anond:20220911020227

最後のまだ山上安部暗殺事件テロじゃないっていってるアホがいる話

以下の記事追記です、もう前回でだいぶ書きたいことは書いたのであれが最後でいいかなとは考えていましたが、ブコメを読んでいてふつふつとこれだけは書いておかないといった思いが沸き上がり書き散らします、これで最後追記です。

まだ山上安部暗殺事件テロじゃないっていってるアホがいる話

https://anond.hatelabo.jp/20220910005727

続まだ山上安部暗殺事件テロじゃないっていってるアホがいる話

https://anond.hatelabo.jp/20220910153218

新まだ山上安部暗殺事件テロじゃないっていってるアホがいる話

https://anond.hatelabo.jp/20220911020227

テロかどうかなんてどうでもよくない?という上から目線な諦念感

似たようなコメント最初記事でもたくさんいただいてたのですが、ここに来てだいぶ意見が強くなってきたのでこれは書かないとといけないなとは。

もう何度か書いてますが、実際にテロなのにもかかわらずテロじゃないというのは、この事件本質を覆い隠すような、本当に解決しなければならない社会瑕疵から目をそらしてるような気持ち悪さを感じてます

まさにプーチン戦争軍事作戦といいか狂気に走ったようなインチキさ、統一教会から世界統一家庭連合名前を変えてかつての罪から逃れようとしたように誤魔化している、そんな気がしてなりません。

私怨安倍晋三山上との個人的関係の話だから事件とは自分たち関係ないんだといった無責任な態度はもうとれないのです、この事件、人が死んでいることをもっと重く受け止めた方がいい。

何故テロ私怨と言い換えることにここまでこだわるのか

はてなではテロではない私怨だといって安倍晋三は殺されて当然みたいな意見が憚り通っていることには勿論許すことができませんがメディア記事や一部ジャーナリストまで言っていることに危機感を覚えて定期的に啓発をするようになりました。

例1 この記事では銃の乱射事件であってテロではないとよくわからない論理を持ち出してる

<凶弾に倒れた安倍元首相>「テロ」と呼ぶことに疑問、「暗殺」は?=国際定義から考えるhttps://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_900837/

例2 この記事海外メディアassassination=暗殺報道しているかテロではないとしている、しかし前の記事でも言ったが暗殺とはテロの一形態

安倍元首相銃撃は「テロ」ではない 事件めぐり出回る2つの誤解https://news.yahoo.co.jp/articles/db2b787d0a9dbc1da2df323039f74cd69b3e2f61?page=1

※ちなみ少し検索してみたら海外メディア暗殺かつテロリズムと報道している例はすぐ見つかった‘

Terrorism’: Abe killing seen as attack on Japan’s democracyhttps://apnews.com/article/shinzo-abe-crime-tokyo-freedom-of-speech-b6a34a5269f6c90097eb677071aeb11c

例3 日曜討論で遮られたのが話題になったジャーナリスト江川紹子氏は発言の中で政治テロというよりも統一教会への恨みとしている

https://video.twimg.com/ext_tw_video/1548680986384220165/pu/vid/640x360/IG9lWLZpbjHBIDV2.mp4

以上のようにテロではないと言い換えるようなことがメディアでも行われていることに危機感を抱いたのです。

ブコメへの返信

onesplat “定義の話をし始めたら死ぬほど面倒な言葉遊びに” いやいやw 「AはXである」という主張はまずXの定義について合意が取れていないと何の意味もないことは理解できるか?まさにその言葉遊びを始めたのはお前なんだよ

最初定義を書かなかったのは、これまでの記事では最初テロ定義について書いていたのですが、あんまり伸びなかったからです。ある程度ツッコミポイントを作っておいた方が記事が伸びるのでは?といった狙いもありました。言葉遊び不毛さに嫌気がさしていたのは事実ですがね。

それに最初言葉遊びを始めたのは安倍暗殺事件テロではないとして山上英雄視しているような身の毛もよだつような連中です。

lady_joker 内容よりなんでこんなエントリを書き続けているのかのほうに興味があるかな。いちいち「自分統一教会関係者ではありません」という旨を表明し続けているあたり、他人の目を怖がっている人なんだろなとは感じる

書いておかないとお前は統一教会関係者だろ!って赤狩りし始めるのが目に見えてたのでね、主題とは違うことに論争を費やすのはあまりにも無駄増田に書き散らすのはただのライフワークです。普段映画とか漫画とかアニメエントリ書いてます

ackey1973 まだ“テロテロじゃないか”で消耗してるの? 山上容疑者殺人犯で、統一協会は悪質なカルト。そこがブレなければ、まあいいかな。

分かってない人達の声が大きい限りは言い続けます山上は頭のいかれた殺人鬼テロリスト、そして統一教会は悪質なカルト集団これに変わりはないです。

aLa 政治目的ではなく私怨なのでテロという表現には違和感があるね。国葬を強行したい自民党からすれば、「私的トラブル演説中に起きた」より「元総理を襲ったテロ行為」と表現した方が都合が良いだろうけど

安倍晋三テロによって命を落とした悲劇政治家にしたのは政府自民党ではなく山上なのです。それがわからない限りはあなたとは平行線のままでしょうね。

koo-sokzeshky 「あの事件テロだ」は発言者次第で色々な事実認識(山上目的等)や価値判断(いま何を問題視すべきか等)が埋め込まれるので、テロか否かの論点は単純に遠回りですね。「問題点」のくだりに注力するとよいのでは

遠回りでも本質を覆い隠すようなことにはNOと言い続けます。それが私ができる反暴力、反テロ活動、山上言論に力はないと凶行に走ったことへの意趣返しです。

itochan 「結果として○○だからテロ」というのは変かと。「○○するために行動したかテロ」と、犯人意図を重視したい。でないと殺人業務上過失致死が別けられない。テロ未遂事件も結果がでないなら無罪になる。

起こした状況や関係性によって呼び方が変わるのは当然です。上司が部下に殴ったのならそれはパワハラ、夫が妻を殴ったならDV政治活動中の政治家を殴ったのならそれはテロです。

kotobuki_84 現状まあ少なくとも「テロリズムの信奉者たちに担ぎ上げられるという形で、あれはテロだったという既成事実が後から形成されつつある」という所までは確実だと思う。https://b.hatena.ne.jp/entry/s/smart-flash.jp/sociopolitics/200133

過激派にはつける薬がないのでどうしようもないですが、私怨から山神というような気持ち悪さに与するのは勘弁ですね。記事を読む限りテロリストという側面は強調していないみたいですが

これを書いてもお前統一教会だろ!っていうゴブリン達が少なからずいることに驚愕してます

統一教会韓鶴子サタン

2022/09/12 18:30頃 Re-Imagination(再創造

https://anond.hatelabo.jp/20220912182117

2022-08-27

anond:20220827001021

ちがうちがう。

しろ赤狩り歴史があるからこそ。

赤はこれまでさんざん狩られてきたんだから、今回の事態自分たちが狩り返す絶好のチャンスじゃん。

このチャンスを見送ってどうするの。

2022-08-04

anond:20220804101731

元増田は法を犯さな範囲なら宗教自由を認めようねって主張だと受け取ったんだけど君は違う受け取り方したの?

私は、元増田の主張は

「法はその当時の社会性や時代性によって左右されるものから、法に反する行動自体は裁かれても、教義のものが法を犯す原因だとしても、これを否定すべきではない」

という論調かなととらえました。

 

教義を実行したら犯罪になる場合だけ、それを犯罪行為として対処できるし、それが多発するなら公安監視対象になるのが現状

 

と言ってるわけで、表出した犯罪行為に対してのみ対処すべきで、その原因となる教義や、団体のものは罪に問われない、と言っているわけですよね。

いわば、病原体が原因で体に不調をきたしているとして、その症状に対してのみ対処療法をして、病原体に対する根治治療はすべきでないと言っているわけです。

 

それに対して、私は教義思想のものが法を犯す原因となっているのであれば、それはその根底から対処すべきと考えます

たとえば、今や暴力革命志向しないと断言している共産党すら世間ではこれだけ警戒されているわけですが、

仮に共産党が今でも「革命のためには暴力によるクーデターも辞さない」と公言し、実際に赤軍時代のような暴力事件が多数起きていたとしたら、

当然共産主義思想自体危険視され、規制されますよね。というか、実際そうなってましたよね。

 

赤狩りの負の側面はもちろんあると思いますし、何ならその副作用の最たるもの勝共連合、すなわち渦中の統一教会であるわけですが。

そういう意味では、今統一教会の影響力が政界から一斉に排除されようとしているのは、レッドパージバックラッシュのようでいかにも皮肉というか、運命的なものを感じます

いずれにせよ、反社会的団体宗教だろうが容赦なく排除すべきで、実際に被害者が多数出ている以上、信仰自由理由にした擁護には反対の立場です。

2021-10-19

共産党さんは共産党自覚を忘れちゃったんだなというか

共産主義とか言う立憲君主制から見ても民主主義から見ても資本主義から見てもどう見ても危険思想を奉じている自覚がなくなっちゃったのかな

思想を持っていることを理由に罰を与えるなら殺人カルトの次ぐらいに全滅させなくちゃいけないグループなんですけど共産主義革命したい系グループって

そこを思想信条自由言論の自由がないばっかりに前の戦争でひどいことになった、というこの国の事情で強固に自由が確保されているということを利用していままでなんとかやってきたわけじゃん

自民党一強の政策をいや自民党がそう主張するならこっちも当然ケアしないとおかしいですよねみたいな相手の力を利用してすこしだけ共産主義理想に近いところに曲げたりして資本家けが肥え太る悲惨状態を少し良くしてきたわけじゃん

自分のよって立つ足場を切り崩して自分を食べ始めたら人民赤狩りされて即終了よ

焚書坑儒みたいにやられるのすぐよ

第二次大戦のころにお国のためと称して一般大衆国内でなにやらかしたかもう忘れちゃったのかい

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