はてなキーワード: 混合診療とは
頭の中でこんな感じのことを考えているお医者さんは別に珍しくもない。
書いているのは設定通りとすれば若い先生とお見受けするが、若い医療従事者が働きはじめて救急外来で出会った生◯やその他のクレーマタイプの患者に怒りを覚えて、稚拙な自己責任論を振り回した文句を書き連ねて炎上してしまうのはもはや年中行事だ。しばらくするとみんな落ち着いてくるが、心の中には自己責任論の延長線にある考え方を秘めた野良リバタリアンみたいなのが医者には多い。
玉木氏の問いである「国民皆保険制度を維持したままコストを持続可能にするにはどうしたらいいか?」という質問に真面目に答える時点で、これはリベラル路線に乗っかっている。玉木氏の術中に嵌っているといえなくもないが、答えているのは国民皆保険制度は維持したほうがよいと考えている真面目でやさしいリベラルな先生たちなのだ。この増田のように「知るかよ、国民皆保険制度の方を壊しちまえばいいだろ」と考えているリバタリアン医者もたくさんいる。
なんか勘違いしている人も多いのだが、国民皆保険制度はとてもとても国民を保護している制度だ。医者の収入の出処が公金で、安定しているように見えるので医者のためにあると思っているかもしれないが、実際は反対である。もちろん国民皆保険が一部の医者を競争から保護している面は否定できない。しかし国民皆保険制度は競争からの保護のかわりに医療から値付けの権利を奪って公定価格を定めている。この公定価格をなんと呼んでいるかというと診療報酬である。保険から支払われるので報酬で別に間違ってはいないのだが、全体にかかった医療費の何分の一は自己負担しているので、患者側からしてもこれは公定価格といっていい。報酬という言葉に引っ張られる形で今回の玉木氏のように診療報酬=医者の収入というミスリードを敢えてする人があとを立たないのも以前からだ。玉木氏のポストにみんなが突っ込む形で何度も説明されているが、診療報酬=保険診療をした上で病院が受け取る対価なので、製薬メーカーへも医療機器メーカーへも、医者以外の病院では働くすべての人の給料の原資が診療報酬だ。
医療費の値付けの本質は「命が惜しけりゃ金を出せ」である。なのでうっかりするとすぐに青天井になる。公定価格のない医療費がいくらかかるのかの典型例がもちろんアメリカだ。医者の間では「医者になるならアメリカ、患者になるなら日本」が定説である。そりゃ働くんなら値付けができる側に回ったほうがいいに決まってるだろ。医療を受ける側に回るなら公定価格があったほうがいいに決まっている、ジョン・ロールズの無知のヴェールをかぶるまでもない。
先に述べたように医者はどちらかというとリバタリアンに傾きやすい。ずっと恵まれた環境で一生懸命勉強してきて、エリート意識を持っている人も多い。だから今の日本の医療制度の枠内でも「自分ががんばって能力を高めたのにそれが自分の収入に跳ね返らないのはおかしい」という感覚を潜在的に持っている人も多い。「俺たちも能力を高めるために競争するから、お前たちも受ける医療のレベルにあわせて対価を払え」という態度に医者全体がなってしまうと、困るのは患者の方である。
東大の文系を出た人たちは医者を蛇蝎のごとく嫌っている。霞が関の中には今の制度を維持したまま、医者を警察官や消防署員のようにしたいと願っている勢力が強いような印象を受ける。東大も出てないのに自分たち官僚より確実に稼げるようになれる人がいることを許せないのだ。そうなると医療がどうなるのかは想像がつかないが、今よりも金はかからなくなっても荒廃していくのではないかと思われる。では医者はその方向を選ぶかというと多分そうはならない。そうなるかわりに今の制度に少しずつ自費で受ける部分が混ざっていくことを容認するだろうと思う。混合診療というやつだ。歯医者でやっているのと同じ、保険で治すと銀歯、自費なら白い歯、というやつ。お金のない人は保険医療しかしない公立・公的病院へ、お金がある人は民間の病院でプラスアルファのお金を払って優先的に受けたい医療をどうぞ、となる。その社会では医者同士に競争が生まれる。たぶん医者はこの状態をわりとあっさり受け入れる。若い人ほどあっさりと。今の時点でこの混合診療導入に一番反対しているの誰だか知ってる?みんなが既得権益の保護団体として忌み嫌っている医師会ですよ。
医者同士が競争するようになって、年取った開業医がついていけなくなって没落していく様が展開されるとみんなは喜ぶだろう。しかしそれが一巡して医者同士が切磋琢磨して、提供できる医療の質を高めて、なおかつそれに自分たちの納得のいくような値付けができるようになる頃には、保険証一枚でどこにでもかかれた時代はとっくに過去のものになり、お金のない人はすっかり縮んだ保険診療の枠内で提供される医療をお金がないからと建て替えもされない古い建物の病院で研修医から受けることになる。とても良い先生にあたったと喜んでいたら、その医者は来月にはあなたの払うお金ではかかれない立派な病院に異動しているかもしれない。そしてそんな時代が来ることに実は多くの医者は心の痛みを感じない。医者はわりとあっさり自由競争バンザイ派に染まっていくからだ。その心象風景を描いたのがこの増田なのである。
覚えておいてほしいのはみんなからみてあまりにも非効率的なこの医療制度が、WHOが評価する世界でもっともすぐれた医療制度ということだ。しかしながらどういうわけだか中で働く人にも、受診する側も不満タラタラなのがこの制度なのである。
トランスは病気ではないから手術による加療を前提とするのは差別だとかいう人々もいるけど、そういう思想的なのは置いといて、性別移行するつもりはあるけどすぐには難しい人が相当多いというのは書いとく。だいたい下のような理由。
お金、時間、周囲の理解、体質、それらに恵まれない限りなかなかできない手術なわけ。
なので、実際に手術済ませてる当事者も「手術すりゃいいじゃん」とはなかなか言いづらい。自分たちは特別に恵まれてて、それができない人が本当にたくさんいるというのがわかってるから。
情報の非対称性って話だね。
ただ他科でも同じだから良いとは全く言えないと思う。医師の負担が大きくなるのは事実だけど、今の時代選択した医療の意図の説明と、可能であれば苦痛の緩和は考えてしかるべきかと。受益者としての産婦人科分野での活動っていう観点では応援できる。
でも保険適用となると話は別だわ・・・。まずは健康保険制度守りたいもん。確認し切れてないけど保険診療に付随して許可される医療として麻酔を追加(保険収載)してほしい、ならまだ納得。でも混合診療はやっぱりダメだわ。
健康保険の仕組みを知らない人にとっては本当に知らない、ってのはわかるんだけどね・・・。
せめて内部にいる医師や看護師が声を上げて欲しい(Twitterで「混合診療」で検索するとやっぱり懸念の声もあがってるけどさ)。
無痛分娩にしろ、そもそも自然分娩自体が疾病ではなく保険適用外(かつ出産手当金で3割負担より大抵安くつく)という文脈があるわけだし。あまりにも無理解が表に出てる活動は公には応援できないよ。
追記だけど痛みで検査や治療に抵抗があるなら麻酔の使用は検討されるべきだし、選択を問われるべきとは思う。ただ既存の保険診療の枠組みを越える活動は、もはやその域を越えてるなと。
おそらく今日の体験を誰かに話すこともないだろうし、帰ってから妻にも事の詳細は話さないだろう。
そうすると、今日の出来事は一生自分の内だけに留めておくことになり、それはそれで何だか勿体ない?ような感覚があり、この場をお借りすることにした。
***
当方、年齢は34才。妻は2つ年上で、結婚10年目の子なし。セックスレス歴は5年目くらいになるだろうか。
毎晩一緒に晩酌するくらいには夫婦仲は良いのだが、異性としてのエロスはもう感じない。これは私が、というよりお互いにそうなのだろう。
ただ、子どもは欲しいという気持ちは双方にあり、年齢を考えると作るなら待ったなし、という状況だ。
妻は子宮内膜症という病気を患っており、2年前に一度手術をしている。
片方の卵管が詰まりやすくなっているため、妊娠するとしたらチャンスは2ヶ月に1回と当時の担当医に説明を受けている。
(排卵は基本的に毎月交互に行われるということを、この時初めて知った)
年齢による妊娠率低下に加え、チャンスは2ヶ月に一回という状況だ。
子作りという目的さえあれば一応セックスレスは解消できるとは思うが、
完全な自然妊娠に任せていては、何事も起こらず来年また1つ歳を重ねている姿が容易に想像できた。
後々になって検査をしたら実は不妊の原因は自分にあった、なんてオチは絶対に回避しなくてはならない。
尚、34年生きてきて自分の精子に何かしらの異常を感じたり、親・兄弟に遺伝的に心配するような出来事は一切ない。
そもそも、「あれ、量少なくね?」「なんか、水っぽくね?」などデリカシーのないことをいう彼女でも作らない限りは、
自分の精子を他人と比較する機会は訪れないため、基本的に自分の精子は自分基準で絶対的に正常なのだ。
男性側はそのことを念頭において、自分の精子と向き合う必要がある。
***
前置きはこれくらいにして、ここからは精子採取の詳細を語っていきたい。
病院に行ってやることはいたってシンプルだ。カップに射精して提出するだけ。
それだけの事と言えばそれだけなのだが、病院でオナニーというのはこれまでの人生で経験したことがないので、何となく朝からソワソワしていた。
入ったことはないが、繁華街にある個室ビデオ屋みたいな感じを想像して、内心ちょっとだけ楽しみな気持ちもあった。
クリニックに到着すると、受付には20代半ばくらいの若い女性スタッフが2人座っていた。
初診ということを伝えると、その場で今日の検査の流れについて簡単に説明を受けた。
検査はまずは診察からスタートした。40代前半くらいの男性医師が担当だった。
事前にWeb問診票に回答しているので、その場で回答内容をフムフムと読み進める。
問診内容には、自慰の頻度や勃起の状態、夫婦のセックス回数など、かなりプライベートな質問も多いのだが、
「夫婦関係はほとんどなし、と。なるほどね。」といった感じで、こなれた感じで読み進められていく。
一通り問診票を読み終わると、そこから男性不妊検査の説明が始まる。
2以降は保険外診療で、2が9,000円、3が11,000円、4が7,500円の全額自費負担だ。
ちなみに2以降もやる場合は混合診療となるため、1も全額自己負担となり4,000円となる。
合計すると3万ちょいだ。
一応事前に金額感は調べていて、精液検査は保険診療ができるとネットに書いてあり、
1,000〜2,000円程度を想像して来ていたので、突然3万円と言われて驚く。
ただ、色々と考えた結果、全てお願いする事にした。
理由としては、今回の検査目的は妊娠に向けて最短の選択肢を選ぶ事だからだ。
まずはライトなものから順番に試して行って、上手くいかなかったらより詳細の検査をして、
また、どうせ精子を採るなら一度に全部詳しく調べてもらった方が単に効率的だと思ったからだ。
4項目全ての検査をお願いする旨を伝えると、診察は終了した。
***
次は、いよいよ採精の説明だ。
看護室という小部屋に呼ばれ、中には20代後半くらいの女性スタッフが一人いた。
そこで、採精のやり方についてレクチャーを受ける。
・採精室に移動し、部屋に入ったら電気をつけて鍵を閉める
・まずは石鹸で手をよく洗い、その後、アルコール消毒をして手をよく乾かす
・プラスチック容器(プッチンプリンより一回りくらい小さい)の中に精液をすべて出す
注意点としてはこれくらいだったのだが、
直接的な言い回しを避けるような変な間があった。
「手を洗って消毒をしたら、よく手を乾かしてから、、、、その、、行ってください」
みたいな説明の仕方なので、
医療従事者として、毅然と「このカップに精液を全量出してください」と説明をされたら何も感じないが、
たどたどしく言うのは、こっちが変な気持ちになるのでやめてほしい。(悪くはなかった)
さて、ひと通りレクチャーが終わり、早速採精室に向かう。
ちなみに、精液検査を行うには大体3〜7日間禁欲する必要があり、
私の場合は7日間禁欲していたので多少なりともムラムラはしていた。
採精室に入ると、1.5畳くらいのスペースに、テレビとDVDデッキ、
部屋の中央には白いリクライニングチェアーがあり、ティッシュ箱とゴミ箱が置いてあった。
ゴミ箱は足で踏むと蓋が開くタイプのもので、直接手を触れないで済むのは衛生的で良かった。
テレビ台の上には、DVDが10枚ほど入ったDVDケースとエロ本が1冊置いてあった。
エロ本は何となく触れたくなかったので完全にスルーし、DVDケースをパラパラとめくった。
ジャンルはバランスよく取り揃えており、ラベルを見る限り割と新しい感じがした。
真っ白なDVDラベルに、黒マッキーで手書きでこう書かれていた。
「下と唇で感じあう、濃密ベロキス尽くし」
どことなく漂う、裏モノ感を感じた。
内容は、
というのも、この採精室、一体どれくらいの時間で出るのがベストなのか、という問題がある。
遅すぎた場合、「あの人、どんだけ満喫してんだ・・・ここ、医療機関ですよ」という目で見られるのではないか、という気持ちと、
早すぎた場合、「え、あ、もう終わったんですね。早いですね」と、口には出さねどそう思われるのではないか、という気持ちが交錯する。
自分の中で、遅すぎず、早すぎない時間を「15分」と設定し、タイムマネジメントすることにした。
それともう一つ、大きな問題がある。
先ほどのレクチャーでは、この辺りの詳しい説明までは受けていない。
部屋の中で、使えるアイテムは限られている。
それから、使い道の分からない大きなキッチンペーパーのような紙もあった。
脱出ゲームさながら、この密室で課されたミッションをクリアする必要がある。
試行錯誤の結果、最終的に以下の流れとなった。
・リクライニングチェアーの座部に大きなキッチンペーパを敷く(念のため2枚重ね)
・その上に採精カップを置く
・ズボンを下ろし、リクライニングチェアーに向かって前傾姿勢となる
・ただ、こうするとテレビに対して背を向ける形になってしまうため、DVDが見れない
何が正解だったのか、それは今もわからない。
***
無事ミッションをクリアし、あとはこれを提出すれば今日の検査は終了だ。
部屋の片づけをし、事前に渡された白い紙袋にカップを入れて部屋を後にする。
精子の提出先は、採精室から歩いて20メートルくらい先にあるガラス張りの部屋で、
ガラス張りの壁には、カップを置く小窓と中のスタッフと会話するための受話器が備え付けられていた。
ガラス窓の向こう側は無菌室のような真っ白な空間で、スタッフは白衣を着て全員マスクをし、白い帽子をかぶっている。
小窓に自分の精子が入った紙袋を置くと、ガラス窓の向こう側にいるスタッフが近づいてきて、それを受け取った。
受話器を手に取り、ガラス越しでアイコンタクトを取りながら会話をする。
という気持ちになってくる
ガサゴソガサ・・・
カップが日の目を見る。
カップを軽く振ったりしながら、観察した様子をPCに打ち込んでいく
自分が数分前に出した精子を、白衣を着た綺麗なお姉さんが繰り返し、何度も確認する
こ、これは、一体なんの時間なんだ。
なんとも言えない不思議な空間、不思議な時間、不思議な気分に包まれた。
「お待たせしました。最後に、お名前をフルネームで教えてください」
「ありがとうございます。確かに受け取りました」
そう言って受話器を置き、笑顔で見送られた。
***
http://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=22829
患者をお客さんみたいな扱いしてヒルドイド大量処方してる医者知ってる。
というか勤め先。
クリーム軟膏ローション全部出して気に入ったの使ってね。みたいな。
なんなら奥さんにも勧めといてよいくらでも出すから笑 みたいな。
ホッテントリにもときどき上がってくるような似非医学系には大体手出してるし。混合診療どんとこいだし。
こんなとこだとわかってたら就職しなかったのだが、開院から入ってしまったので情報が無かった。
(今思えば院長の経歴とか詳しくしておくべきだった)
前職が訳あって短いため、もう少し勤務歴が欲しくずるずる仕事を続けているのだけど、自分に面倒がふりかかるのが嫌で(最低)チクることもできないで居る。(何処にチクればいいかはわかってる)
医療系の怒れるブコメや記事見る度に沈鬱な気分になる。辞めたら即各所に密告するつもりではいるのだが。
就職したところがあくどい職場だったらみんなすぐ辞められるのかな。転職したら大手マルチの子会社だったって知り合いは割り切って働いてるうちに「品質はいいんだよ」とか言い出してた。
http://b.hatena.ne.jp/entry/www3.nhk.or.jp/news/html/20151106/k10010296571000.html
話題になっていたので、とりとめなく書いてみる。
A+B→C
で反応させてCだけ取れました、なんてことはありえない。
反応しなかったAやB、AやBに含まれていた不純物、反応の副生成物、反応に使った溶媒、溶媒に含まれている不純物、反応容器の成分、容器についていた不純物、精製過程での混入物、Cからの分解物……
例えばCの純度が98%以上という試薬でも、蒸留したのか、クロマトで分離したのか、再結晶までしたのかでまったく別物になる。
最近は分析機器の感度も良いので、メーカーの違いがはっきり見えることが多い。
さらには、同じメーカでもロットが変われば中身が違ってくることもあるし、梅雨時期に製造されたのはよくないとかあるある。
普通は、同じと考えてよいのだけど、時々そうでないこともある。
例えばWコウとNライがそれぞれ自分のブランドで売っている試薬だけど、実際のメーカーは同じ会社が下請けしていたりすることもある。
だから、ジェネリックも一概には言えなくて、先発品と同じメーカーが作っていて、錠剤に刻印が入っていないだけという薬もある。
だから本当は最終的な効果をきちんと比較するのが望ましいのだけど、臨床試験をするとすごい費用がかかるのでジェネリック作る意味がなくなる。
もし、自分が医師だったと考えてみる。患者にジェネリック医薬品を投与したとする。
その場合に「あなたがジェネリックを選択したのが悪かった」と言われたときに反論するデータがない。
薬は箱に入れて売られている。
薬が切れるたびに至急で発注しても卸が困るので、ある種の紳士協定のようなもの。
ここで、通常の先発品なら大抵100錠程度が1箱に入っている。
そうなると、ある人に30錠売ると残り4,970錠を薬局が在庫として抱えることになる。
そうなれば、ジェネリックを強引に売るような困った薬局も出てくる。
薄利多売の在庫リスクを薬局に押し付けるのでジェネリックは嫌われる。
ジェネリックは特許切れとともに出てくることがほとんどだが、その頃には先発品の発売からだいぶ時間がたっている。
そのため、先発品メーカーはその頃にはかなり投資を回収していて、あえて売りたいわけではない状態になっていたりする。
以前話題になったアメリカの会社のように、いきなり値上げすることはできない。
混合診療が禁止されている日本では、国の保険者の言い値で薬を売らない会社は、事実上商売ができない。
ここにTPPで「自由競争」が入ってくれば薬代は劇的に跳ね上がるだろう。
日本では皆保険があるため、先発品でもジェネリックでも、たいていの人は自由に選べる。
安倍政権が進めて、よくわかっていない日経がドンドコ報道する混合診療について、医療系の立場から常識レベルで再考してみた。
結論:金持ってる人は迅速に26%オフになるかわりに、現状で皆が享受している9割オフになるまでの期間が遅くなる。
「患者のため」というありがたい理由で提案されている患者申出療養、
実際の患者負担モデルを、似た制度の「先進医療」の数字で試算してみます。
533施設で14479人が先進医療を受けて、総額は約146億円です。
うち先進医療分が約100億円で保険診療分が約46億円とのことでした。
これを使って患者申出療養の場合の一個人の費用負担を想定してみると、
仮に上の金額からゼロを4つ取って計算すると以下の通りになります。
・現状:保険適用外の治療法が100万円で、プラス全額負担が46万円
46万円が保険適用で13.8万円、更に高額療養費制度を使って8.3万円
・結果:146万円が108.3万円にということで、26%オフになります。
患者申出療養を利用する一部の人は26%オフで多少助かりますが、
日本の薬価は安いので承認申請へのインセンティブが小さくなります。
現在のような、人道的な理由での早期承認を求める声は届きにくくなります。
なお、薬事承認されたら、146万円が9.3万円になり、93%オフです。
一部の患者が26%オフにすべきか、後々93%オフの誰でも受けられる患者か、
どちらを優先させるか、この国の枠組をエイヤッっと決めるのは政治の役割ですが、
この政治判断って変ですよね、普通に考えると、あたまが悪くて政治家として失格としか思えないですよね。
先週、突然にJA全中の解散指示が出ました。この混合診療も突然です。
去年辺り、小泉政権の時に混合診療を言い出したの日医から譲歩を引き出したかったからだと内情を明かした官僚だか政治家がいました。
同じ病院内で保険診療と自費診療を受けた場合は混合診療にあたるかもしれませんが、
全く別々の病院で保険診療と自費診療を受ける場合は混合診療に当たらないという認識なんですが違うんでしょうか?
良くある誤解
保険診療と自由診療を併用すると全額自費負担になる?
保険診療と自由診療を別の病院で受ければ、保険診療分は保険給付が受けられる。保険診療分の保険給付が受けられなくなるのは、同じ病院で保険診療と自由診療を受けた場合に限られる。
http://taste.sakura.ne.jp/index.cgi/%CD%FD%C1%DB%A4%CE%BA%AE%B9%E7%BF%C7%CE%C5%B0%C6
http://matome.naver.jp/odai/2135321398034940301
を元に各党の政策をまとめてみた
自民 = 維新 = みんなの党 = 新党改革>新党日本>緑の党 = 新党大地 = 社民党 = 共産党 = 公明
このコピペって、もっと早くから反対するべきだったって主張だと思うんだけど、それって自衛隊機に空中給油のプローブ付けるの反対したり、混合診療解禁に反対したりするのと同じ発想だよね。もっと言えば予防拘禁と同じだよね。
それに、反対するべきことは反対するべきであって、他の誰かがどうであるとか関係ないと思うんだけど。みんなが反対してくれないって、そりゃネゴシエートの仕方がまずかったんじゃないの?
プロ市民のようにものすごく些細な一点で反対するよりは、自分にとって譲れない点を設定して、そこで反対した方が説得力あると思うんだけどどうかな。
http://anond.hatelabo.jp/20091128040524の件について。
署名を呼びかけるチラシの中に、以下の一文があった。
この「不可能になる」とはどういうことなのかについて、おおやにきの人が「漢方薬と事業仕分け」(http://www.axis-cafe.net/weblog/t-ohya/archives/000671.html)と題して記事を書いておられる。
このエントリによれば、保険適用除外になった分の漢方薬は、医師が処方することは困難になる。なぜなら、現在の混合診療禁止の原則の下では『健康保険が適用される部分とされない部分が混在することは許されていない』から、だそうだ。すなわち、保険適用外の薬を組み合わせると、他の医療行為も含めて全て「自由診療」扱いになってしまうので、医者は適用除外分の漢方薬の処方箋が書けない、と。
この混合診療問題、上のチラシでは一言も触れられていない。おそらく、医師の世界では言うまでもない程の常識ということなのだろう(他の反対声明では触れているものもあるかもしれないが未確認)。
というわけで、混合診療問題についてもう少し詳しく調べてみた。といっても、Wikipediaなわけだけど。
http://ja.wikipedia.org/wiki/混合診療(リンクがキーワード化されて涙目)
これまで「原則」と書いたが、そもそもの問題として、「混合診療の禁止」を明文化した法律は存在しないそうだ。また、この原則の妥当性そのものについても、ここ数年の間にも何回か議論があったらしい。例えば、「海外で認可されている新薬が日本では~」みたいな話とか。
混合診療問題についての詳しい議論は、Wikipediaを参照して欲しい。一読して気づくのは、医療保険制度においては、保険診療≒「国として有効性と安全性を認めた治療」であることだ。当たり前といえば当たり前だが。
加えて、その枠外から外れるタイプの医療を、原則的に認めないという姿勢が明らかだ(一応「先進医療」「選定療養」という例外はあるのだが)。混合診療禁止側の言い分としては、保険適用外の治療を認めると患者の安全を保証できないからダメだ、ということになる。そういう姿勢だと、藁にもすがりたい患者が、逆に「お上が認めない画期的治療法」に流れたりしないんだろうか、という気もするのだけれど。
rna 医療, 政治 エビデンスが出せない薬があるから議論の方向性によっては「十分な議論」をしたら必然的に負ける。かといってプラセボとしての有用性とか公開の場で議論は無理。国民の声を背景に曖昧決着が落としどころでは? 2009/11/28
http://b.hatena.ne.jp/rna/20091128#bookmark-17606220
つまり、漢方薬には「有効性と安全性」を証明できないタイプの薬があるらしい。あと、他の増田が書いた「漢方薬に保険が効くようになった経緯」http://anond.hatelabo.jp/20091128145746では、漢方薬の保険適用については、かなり政治的な働きかけがあったという話が出ている。
ここでは、漢方薬の医学的に効果があるのか云々という話には踏み込まない。俺の専門外だし。ただ、事業仕分けによる、(一部の)漢方薬を保険適用除外にすべしという結論については、以下のうち、どちらかの施策を同時に行う必要があるのかもしれない。
俺は、基本的に事業仕分けには賛成の立場だ。「仕分けの基準が一面的だ」みたいな批判は散々あったが、どんな事業にせよ「一面」としては公の利益に資する部分があるのは当たり前だ。それとは別に、不合理だったり非効率だったりする「一面」を徹底的に検証することは大事だ。「素人に何が分かる!」では、それを言う専門家が依拠する「一面」が絶対的なものであることの証明になりはしない。
一方で、今回のように、どうやら予算削減と同時に制度的な手当てが必要であることが見えてきたものもある。大仰な言い方をすれば「グランドデザインが見えない」ということではあるが、要は、予算はそれを運用する制度と一緒に考える必要があるという単純な話だ。
事業仕分けという、国民に公開された形で金銭的な部分の効率性を追求する試みは、今後も継続して行うべきだ。一方で、予算配分の変更に伴ってどのような制度設計が必要か、議論する場も必要なのは疑いない。むしろこちらの方が大変だろうが、政権の、そして我々の今後の課題だろう。