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はてなキーワード: ガラパゴス化とは

2021-09-05

ガラパゴス経済内需中心で経済を支えられる)というだけで日本は凄いよ!

個人的

キャッシュレス化でもインターネットでも日本アメリカ両方の法律に従う現状は二重規制でやばくない?自前にしないとビジネス育たなくね?」

みたいな記事を書こうと、人に聞いてみたら

そもそも、だいたいのことを自前でできる能力のある日本みたいな国がレア

って言われて唸った

アメリカ以外のサービスを使う選択肢がほぼない国の方が世界的には多くて

国内マーケット技術の両方を持ってる国自体日本ドイツ中国インドしかなくね?」

みたいなこと言われて、

日本ガラパゴス化してるんじゃなくて、自国で賄う選択肢がまずないのか!」

って驚いてる

ここ20年ぐらい、キャッシュレスしてる国や、アメリカサービス最適化してる国の方が進んでるように吹聴する知識人マスコミが多いんだけども…アレ厳密には正しくないんだ。

殆どの国はガラパゴス化もできないし、する気もないんだわ。

この辺の前提抑えておかないと世界見方が逆になるなぁ

逆にガラパゴス化する事になってもまずは自分で作ることを模索しないと、アメリカ自国の二重規制で苦しむのが明白だからガラパゴス化することになっても最初自国で作ろうとするのは間違ってないのね。

とにかく、ガラパゴス化しないように国際規格に寄せろみたいな論調って、後にリスクになる

例えば、You Tubeみたいな動画サイトで魚をシメ映像とか、タコを食べたり踊り食いする動画日本なら文化なんだけども…アメリカ的には文化どころかタブー抵触するから広告つかないんですよ。

プラットフォーム自国で取れないと日本に居ながら、アメリカ法律に影響で規制されちゃったりする

逆に、日本モザイクかけないと売れないモノとか、やっちゃいけないギャンブルアメリカでは全然OKってパターンもあって、世界の人が見る・やってることを日本にいることで規制されるケースも有る。

これがネットでなにかやる時にすごくややこしい

日米両方の規制を満たしたことしかできんから不利

ネットブログなりYou Tubeなりを色々やったことがある・Googleツイッターを利用したことある人ならこの辺の問題って切実に感じてると思う。

ただ、世の中的にはこの窮屈さ・アメリカに合わせると日本文化が消えかねないことがどうも伝わってないんよねぇ…

最近ずっと考えてるけど、なかなか記事にまとめきれないネタなので、考えを聞かせてもらえれば嬉しいです。

私の中で、細い道筋は見えてるけど、理論立てて説明仕切る予備知識が足りてない気がしてるので

僕のことをネガティブ人間だと感じる人も多いんだけど、自分のことでも他人のことでも結果が出ないことや不合理な行動をとってしまった時にあれこれ考えてしまうんですよね。

日本ではそういう人は言い訳してるとか批判ばかりとか言われるけど、なぜうまくいかいか考えないと繰り返すわけで…

2021-08-16

anond:20110810020658

imodeでやってたんだから、「ガラパゴス化」で正しいと思うぞ

とにかく、「インターネット」が普通になっていった技術の波に悉く乗り遅れた

ローカル対応するだけでワールドワイド商売自動的になってしま英語圏

世界展開しようと思ったら一工夫いる日本の基礎条件の違いもでかい

閉じた世界であるimodeがなまじ国内成功してしまったのもでかかった

日本には結構、そういう残念な技術あるよね

2021-06-22

KADOKAWA株主総会で誰か聞いておいてほしいことまとめ

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9468/ir_material2/158791/00.pdf

そんなわけで日付変わって6月22日KADOKAWA社の株主総会である

KADOKAWAといえば小学館集英社講談社などとならぶ業界大手であるが、ほか3社と違って上場している分、株主総会であれこれ一般株主さんが発言質問する余地がわりとある

だが「株をもってるので株主総会には行くけれど、といって何を聞けばいいのかわからない」という諸兄もおられるであろう。

ということで、ここでは上記IR情報なんかを眺めながら、このへんを聞いてみると面白いかもしれないですね、というポイントをまとめてみる。

むろん、IR情報そのほかの情報からわかる程度のことでしかないので、この増田はなんの内部情報でも機密情報でもありません。あしからず

WEBサービス事業

よく見るとわかるのだが、WEBサービス事業については事業投資がない。

ポータルでは、「niconico」における“選択と集中”の加速による収益構造改善と、「ニコニコチャンネル」におけるコンテンツの拡充によるチャンネル有料会員数の増加を図ってまいります

とあるのだが、つまり特に新規の開発だったりアップデートとかもしていなくて、損してる事業カットして利益を出している、というだけである

それゆえに、

「これってつまりニコニコ』をはじめとしたドワンゴ事業は全体としてクローズするという意味ですか?」

という質問が、実は今回の資料もっとクリティカルなところかもしれない。

普通に考えると、そうですよ未来においてはクローズするんですよお察しくださいよという意味なのかなと思うが、実際聞かれたらどうこたえるのか、というのはある。

今のプレミアムのお客さんに「今後はクローズしていくのですが、引き続きよろしくお願いします」ということは言えないだろうし。

コミックライトノベル事業

IP事業といえばメディアコングロマリットたる同社の中核でもある…のだが、意外とつかみにくいところもある。

全体としては成績がよく、それはあっぱれなことじゃないですか、という風に一見するとなるのだけれど、詳しく見ていくとそう簡単ではなかったりする。

一見するとわからないところの話なので、ちょっと長い。

IP創出においては、新人作家の育成を行うとともに、投稿数とユーザー数の伸長が続く小説投稿サイトカクヨム」や「魔法のiらんど」等を通じたネット投稿原作創作支援を加速し、原作発掘の強化に取り組んでおります

とあるのだが、ここでライトノベル系でかつて隆盛していた「小説新人賞」が特筆されていないのがポイントである

ライトノベル

去年の株主総会レポート

三崎尚人 @nmisaki

KADOKAWA株主総会。「文芸でヒット作もなくカクヨム等で新人発掘するのは無駄では?」という質問出版社株主総会で出るのは衝撃。もちろん、「新しい作家さんを育てていくのは役目なのでチャレンジは続けて行く」と青柳さんがちゃんと答えていましたが。

https://twitter.com/nmisaki/status/1273795900956004353

というツイートがあったが、質問しろ回答にしろちょっと惜しいと感じる。質問もズレているのだが、じゃあこの回答がそのまま真か?と考えるとちょっとアヤシイよね、という話をする。

実際のところ、たとえばこんな感じで質問されるとKADOKAWAライトノベル系の事業としては非常に痛いはずだ。

カクヨム新人を発掘しても、それまでのWEB作品ほどのヒット作になっていないのでは?」

小説新人賞で発掘したはずの新しい作家さんがほぼ育っていないことについてはどう考えていますか?」

このあたりの質問をされると、たぶん結構痛い、はずだ、と思う。どういうことか。

しかに『聖女の魔力は万能です』とか『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』とか、たとえば今クールを見ても「小説家になろう」や「カクヨム」発の作品は続々アニメ化されている…のだが。

たとえば『ソードアート・オンライン』『この素晴らしい世界に祝福を!』『Re:ゼロから始める異世界生活』『魔法科高校の劣等生』『オーバーロード』『幼女戦記』といった大ヒット作はいずれも遠ざかっている、というのが実情かと思われる。

特にA6文庫版のライトノベルでは、今もってここに挙げたような作品(このすばはもう完結したけれども)が各レーベルを背負っているという状態で、「次のリゼロ」「次のSAO」が長いこと出ていない(ファミ通文庫は「次の孫」がおらず、どうなったか…は公式サイトを見てください)。

これに拍車をかけるのが2番目の質問で、上記のような「次の超大作が出ない」状態ではあるのだけれど、しかし同社のライトノベル事業の中心は確実に「ネット投稿原作」に主軸を移している…というか「それしかない」という状態になっている。

たとえば角川スニーカー文庫公式サイト https://sneakerbunko.jp/ で当月の新作なんかを見てみると、

こんなラインナップなわけだが、どの程度が「ネット投稿原作」かといえば(なんだか間違い探しみたいだけど)『魔眼で始める下剋上 魔女とつくる眷属ハーレム』以外は全部ネット投稿原作である

ていうか残るこのひとつも、GA文庫で『ハンドレッド』を書いていた箕崎准先生がなろうっぽく書いたファンタジーで、つまり「なろうかカクヨム原作があった作品」か「メディアミックスしたラノベ作家がなろうっぽく書いた作品しかないという状態である地獄…。

またまたー、この月だけでしょ、大げさな~」と思われる諸兄においては、スニーカー文庫近刊を1年くらい遡ってみるとよい。オリジナルありません。スニーカー大賞を受賞した作家さんたち、みんなどこ行ってしまったん…?

で、これは別にスニーカー文庫けがそうというわけではなく、富士見ファンタジア文庫ファミ通文庫あたりも同じ状態である

そしてライト文芸では富士見文庫などもかなりネット投稿原作小説軸足を移しつつあって、ここまでの流れを理解すれば

「新しい作家さんを育てていくのは役目なのでチャレンジは続けて行く」

というのが実際かなりアヤシイことが把握できるはずだ。

ライトノベル定義論とかやってる場合ではないのであって、実は特にKADOKAWAライトノベルは「=WEB小説」になるかどうかの曲がり角にある、と言ってよい。もしかするとここで「いや、『探偵はもう、死んでいる』と『スパイ教室』がある」と思われた諸兄におかれましては、KADOKAWAさんの新人賞で毎年何作品が受賞して何冊が刊行されているのかを確認されたい。

「ごくわずかな当たった作品以外は、受賞作家の2作目も出せない」というのが、2021年KADOKAWAライトノベル事業の傾向である(電撃/MFは多少抗っているくさいが、そんなMF文庫Jでも売れているのはYouTubeマンガノベライズだったりする)。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9468/ir_material_for_fiscal_ym1/99258/00.pdf

なんかを見てみても「Webでの新人発掘を強化」とは書かれていても新人賞についてはまったく書かれていなかったりするので、これはもうKADOKAWA新人発掘の手段としては新人賞を諦めた、とみるべきだとは(資料だけを見ていると)思うが、それを確かめることは必要…というか、ラノベファンの諸兄はぜひ直接聞いて、確かめてみるとよい。

コミック

コミック事業についても似たようなところがあって、こちらもかろうじて『ダンジョン飯』がIR資料には記載されているが、これはかれこれ2014年開始の作品だったりする。

じゃあそのほかは?というと、アニメ化が発表された『異世界おじさん』はTwitter/Pixiv発だったり、おけけパワー中島でおなじみ『私のジャンルに「神」がいます』もTwitter発だったり…と、つまり自前のプラットフォームから屋台骨を支えられるヒット作がなかなか出せていない…のが現状で(『異種族レビュアーズ』はあるけどね)、主軸としてはWEB発の作品への声掛けだったり、あるいはなろう小説コミカライズや、ピッコマあたりで連載されている縦読みコミック書籍化作品だったりする(『外科医エリーゼ』など)

これを「原作発掘の強化がされている」と肯定的に見るのか「自主開発能力が弱体化してネット原作に頼っている」と否定的に見るかは難しい。

集英社などが自前のプラットフォームであるジャンプ+」で『SPY×FAMILY』『怪獣8号』など次々新規のヒット作を出していることと比較すると、あまり楽観的には見られないか…というところ。

で。コミックでいうともう少し面白いのは、ピッコマことKAKAOとの関係性についてである

KAKAOについて

KAKAOといえば、2020年8月タイミングKADOKAWA株を5パーセント以上取得したことが報じられた。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL21HLU_R20C20A8000000/

実はこのあともちまちま買い進められており、もうちょっと増えている。資料にある

KSD-NH

ってやつである。意外と持ち株比率第1位だったりする(2位はカワンゴ)。

加えて、韓国個人投資家なんかも手を出したりしている。

ので、何気に馬鹿にならない比率韓国勢に買い進められたのが2020年KADOKAWA株だった。

で、ここで気になるのが、昨今の決算資料

https://ssl4.eir-parts.net/doc/9468/ir_material_for_fiscal_ym1/99258/00.pdf

などにも記載されていた『縦読みコミック』の件。

なぜかといえばカカオサービスであるところの「ピッコマ」がいま一押ししているのがこの縦読みコミック…ピッコマ的には「SMARTOON」というやつであり、KADOKAWA縦読みコミック振興策が「ピッコマとの協業」のための施策なのか「ピッコマとの競合」のための施策なのかが、非常に気になるところなのだった。

流通について

ちょっと話が戻るのだが、先ほど触れていた出版事業については、IPの開発に加えてこんなことが書いてある。

同時に、営業力を活かしたきめ細かなマーケティングにより、生産部数の最適化とそれによる返品部数の最少化を進め、収益の最大化を目指してまいります2022年3月期より順次稼働予定の製造物流一体の最新鋭工場につきましては、小ロット適時製造と適時配送を実現することで、製造コストの削減や更なる返品率の改善を行い、業界が直面している物流問題にも対処しながら、中長期的に収益力を向上させてまいります


この工場は、ちょうど株主総会も開かれるところざわサクラタウンにある例のアレだが、ここで注目するのは「適時配送」の方である

KADOKAWAといえば、配送発注の窓口として独自

https://www.kadokawa.co.jp/houjindirect/

というのを持っている。上記の適時配送についてもこうした独自システム活用されるのか――というところで出たのが、下記の報道である

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1324469.html

講談社集英社小学館丸紅出版流通改革で新会社、というこれである。もちろんKADOKAWAにおける流通改革・DXというのはかなり前から企図されていて、こうした動きよりも先にシステムを整えていると考えられる。

そこで気になるのが、KADOKAWAはこの新会社システムを使うのか(参画するのか)、あるいは対抗するのか、というところである

「先日御社以外の小集講三社と丸紅の新会社報道がありましたが、この流通システム御社が利用する予定はありますか?」

業界大手が結束したこの新会社に、御社が参画していないのはなぜでしょうか?」

というのは、実はこの適宜製造計画においてもけっこう難しい問題として立ちはだかる(ので、聞かれると面倒くさい質問である)と思われる。

なぜかといえば、仮にこの新会社による流通デファクトスタンダードになった場合に、KADOKAWAは「流通デファクトスタンダードをとるのか、あるいはガラパゴス化した自社独自流通戦略を維持するのか」という選択を迫られる可能性があるから(そして、その可能性はそう低くもない、と思われる)。前者はせっかく作ったシステムの破棄や修正意味しているし、後者にはデファクトから外れることによるリスクがある(特に大手三社が多くの割合を占めているコミック流通などにおいて…)

というか適宜製造と適時配送システムを自社でもっていたのなら、上記みたいな会社が出現する前に一ツ橋音羽に呼びかけて自社のシステム業界スタンダードになるようにふるまえばよかったのに…とも思うが、後知恵ではある。

というかんじで

誰か聞いておいてほしいことをまとめてみました。なんかバランス悪いなあ…。

基本的に各種の公開情報の組み合わせでしかないので既知の事項かと思いますが、株主総会にご出席の皆様の参考になれば幸いです。

2021-06-15

anond:20210615121706

インターネットの発展で世界中の人が英語という共通言語情報共有できるインフラが整ったが、

英語に苦手意識を感じる人が多いせいで情報ガラパゴス化しているから。

ITに関わる人間からするとわからないことを調べるとき

圧倒的に日本語よりも英語情報のほうが信頼できるものが多いと感じる。

2021-06-14

anond:20210610212018

IBM中の人だけど流石にこんな酷い状況ではないので違うと思う

まあどこかにガラパゴス化した部署があるのかもしれないが、それなら社内転職でいいしなあ

最近増田格闘ゲーム化していないか

何も知らない人でも楽しめる投稿がどんどん減って、

1日にはてブに数時間浸ってないと前後関係が分からないような投稿がどんどん増えている。

詳しくなればなるほど面白さは増えるが、

それは詳しい人にとっての面白さであり、

本日はじめましての人からすれば何言ってるのかイミフ会場と化すので一見さんがどんどん離れていき、

めでたくガラパゴス化、ってのをたどっているのではないかと思うのだが。

2021-05-18

中国韓国との競争に敗れ衰退が続く日本造船業について

かつては世界最大の船舶建造国であった日本だが、今では中国韓国に追い抜かれ衰退の一歩を辿っている。

少し前まで造船所で設計業務を行っていた中の人として立場から日本造船業界の現状と苦境の原因について説明したい。

赤字続きの造船事業から完全撤退する企業が相次ぐ

造船大手サノヤスHD新造事業新来島どっく譲渡不動産賃貸業に特化、三井造船も造船事業常石造船譲渡することを決定済み。

その他中小造船所についても新造事業から撤退表明が相次いでおり、業種転換や修繕事業への特化に取り組む先が増えている。

余談ではあるがサノヤスHDから新来島どっくへの事業譲渡価格はたったの100万円。人員設備、40億円超の銀行借入を引き受けてもらうとはいえ実質は無償譲渡

この譲渡価格を見れば、今の日本国内の造船事業にはその程度の価値しかないということが分かって頂けると思う。

手持ち工事量が1年を切ると危険水域

造船所は一般的に最低でも2年分の手持ち工事を確保する必要があると言われている。

(契約から船舶の引渡しまで2~3年なので、手持ち工事量が2年を切ると設計リードタイムが確保出来ない)

ところが現時点で手持ち工事量が1年を切ってしまっている造船所が国内には多数存在している。仮に今すぐ市況が回復して受注出来たとしても設計作業が追いつかない状態

まあそんな状況でも「弊社なら年内竣工可能です!」と安請け合いして現場を大混乱に陥れる営業担当がどこの造船所にもいるはず、多分。

新規受注が取れないのは何故? キーワードは「環境規制」「船腹余剰」

新型コロナの影響も当初は確かにあった。昨年春頃は世界的に物流が停滞するとの見方から用船料が暴落し、ハンディマックスサイズ(DWT60,000トン)のバルクキャリア(ばら積み船)で7,000ドル/day程度まで落ち込み完全に採算割れとなっていた。

しかし今足元では同船型の用船料は25,000ドル/dayとリーマンショック前の水準まで急回復している。

普通ならここまで用船料が上昇すれば新造船を発注する動きが出てくるはず。ではなぜ誰も発注に走らないのだろう。

船舶世界中を航海するので世界共通環境規制が定められている。NOx(窒素酸化物)排出についても段階的に規制が強化されており、2016年以降に建造される船には三次規制(従来の排出から80%削減)が適用される。

各造船所は規制強化間際に駆け込みで契約を進めた(2015年末までに契約した船は少し緩めの二次規制仕様での建造が可能)ので、2016年以降も二次規制対応船の建造を続けられた。

だが昨年くらいで二次規制契約船の手持ちが尽きてしまった。ちなみに三次規制対応の船は二次規制比較して建造コスト10%ほど上がる。

このコスト増加分を誰が負担するかが明確になっていないため、誰も発注に踏み切れないのである

(本質的にはこのコストは当然荷主が負担(用船料へ上乗せ)すべきなのだが、船主・オペレーター要請しても荷主の方が圧倒的に立場が強いため有耶無耶にされてきた)

また、リーマンショック前に用船料が急騰し、それを受けて2009~2012年頃に大量の新造船が建造された。その後船舶需要が低下したのちも造船所が設備稼働維持を目的としてストックボート(発注が無いまま船舶を建造し、造船所が自社グループ内で船主として船を保有する)の建造を行ったため、供給過剰な状態が続いた。

ストックボートは市況が回復したときには中古船として売却されるわけだが、単なる需要の先食いでしかない。結果として新規受注が伸び悩むこととなっている。

造船所が人手不足なのは3K職場から

私自身は上記に挙げたような大手造船所ではなく、年間で数隻程度しか建造していない中小造船所で設計部員として働いていた。

現場は1年を通して屋外で作業をするので3Kかと言われれば間違いなく3K

納期厳守で納期を守るためなら深夜残業や土日出勤も当たり前という反面、色々な面でゆるい職場でもあった。

船舶が完成したあとは引渡し前に必ず海上での試運転を行う。各担当船舶に乗り込み丸一日かけて運航データを取るのだが、気象条件によってはこれが一日では終わらない。

契約書上では「船速は○ノット以上とする。下回った場合0.1ノット毎に○百万円のペナルティが発生する」となっているので、試運転では必ず契約速度をクリアする必要がある。

風もなく海面もクリアなら特段問題ないのだが、季節によっては荒天続きでまともな運航データが取れないときもある。その場合、延々と条件の良い海面を探し続けることになる。

一日で試運転を終える予定でピクニック気分で酒と食料を積み込んで宴会を開いたものの、翌日も翌々日も天候に恵まれ二日酔い状態で航海を続けたこともあった。

またあるとき台風の接近により、建造中の船舶を岸壁につけたままでは損傷する可能性があるからタグボートで沖合いまで曳いて行ったこともあった。

万が一に備えて船中泊をする人員を残して私たちは岸壁へと戻ったのだが、事件はそこで起きた。

係船用の岸壁まであと少しというところで急にエンストを起こしタグボートが止まってしまったのだ。なんとか手動でエンジン再起動するも全く動く気配がない。

9月になっていたとはいえまだうだるような暑さの中で、私たちは仕方なく全員でボート内にあったパイプやら板やらをパドル代わりにして必死に漕ぎ続けた。

なんとか岸壁に到着したときには皆が皆疲労困憊、脱水症状寸前となっていた。

地面に倒れ込みスポーツドリンクを飲みながら、「こんなことな最初から手漕ぎの方が楽だったな」と冗談を言って笑いあったこともあった。

日本の造船所が中国韓国の後塵を拝した理由 「設計システムガラパゴス化」「部品の規格共通化」

話が横道へ逸れてしまっていたので、本題に戻ろう。韓国中国の造船所に対し日本の造船所は価格競争力において圧倒的に劣勢である

ハンディマックスサイズバルクキャリアを建造するとして、日本中国ではUSD2mil~3milの価格差が発生するといわれている。

従来からこの価格差は「中国韓国政府国策として造船を支援しているから」「中国は安い人件費を背景に人海戦術で建造しているから」と説明されていた。

また、価格面では日本は劣るが、品質においては日本が優位だとも言われてきた。

私に言わせればこれはどちらも正しくない。昔はそうだったのかもしれないが、今では中国建造船のクオリティ日本建造と大差ないくらいにまで向上している。

一方で日本の造船所は熟練工の退職による人手不足外国人実習生で埋めている惨状なので、過去との比較では技術レベルは数段落ちている。

日本中国人件費比較においても以前ほどの差はない。ではなぜ日本の造船所の建造コストは高止まりしているのだろう。

私は「設計システム共通化」「部品規格の共通化」という2つの点で中国に大きく差をつけられているのだと考えている。

日本の造船所は大手から中堅どころまで各造船所がそれぞれに設計部隊を抱えている。造船業仕事量の山谷が激しいので、自前で設計を抱えると設計コストが高くつく。

更に日本場合設計システムについても三菱製、IHI製、日立製などなど各社が自前のソフトでの作業を行っているので、使い勝手は良いがコストは非常に高い。

日本製の設計ソフトを使うのは日本企業だけ、しかもそんな狭い市場に3社も4社も自前ソフトを投入しているので維持管理や改良にかかるコストが高くなってしまう。

翻って中国韓国世界トップシェア英国AVEVA社のソフト使用しているところが大半なので、システムの維持更新にかかるコスト日本と比べれば格段に安い。

日本自前主義ガラパゴス化を招き、結果としてそれが衰退の原因となってしまっているのである

部品規格の共通化」についても同じことが言える。自動車メーカーコスト削減のため、異なる車種間の部品共通化を進めコスト削減を図った。

中国の造船所は建造と設計が分離されており、各造船所は決まった設計会社から図面を購入してくるので造船所間の部品規格の共通化が図られている。

日本場合、同じところに使う部品でも造船所毎に微妙カスタマイズされているので、部品メーカーは多品種ロット製造余儀なくされ、それがコスト増に繋がっている。

規格共通化を図るため、国内首位今治造船と第2位のJMUが共同の設計会社日本シップヤード」を設立したが、今からではすでに手遅れではないかという気さえする。

トヨタ代表される日本自動車メーカーは地道なカイゼン活動コスト削減を少しづつ少しづつ積み上げて今の体制を作り上げた。

それに対し日本の造船所は「船価は為替や用船料市況次第で数億円単位で動くので多少のコスト削減は無意味」などと言い訳しながら丼勘定を続けてきた。

アメリカ自動車メーカートヨタ駆逐されてしまったのと同様に、経営改善を怠ってきた日本の造船所は淘汰されてしかるべきなのだろう。

終わりに

他業種と違って造船業界は新型コロナ対策の無利息融資を受けることが出来なかった。コロナ特別融資は「売上高が前年同期比で減少していること」が要件となっている。

造船業界は2年程度の手持ち工事量を確保しているため、コロナの影響はすぐには出ない。各社の売上が減少するのはコロナ前に確保していた手持ち工事が枯渇する2022年以降であるが、その頃にはコロナ特別融資制度は終了してしまっている。

かくいう私の勤務先も手持ち工事量が大幅に減少し、仕事のなくなった一部職種の人たちは近隣の自動車メーカー半導体工場などに期間限定で出向することとなった。

新規受注が無いので設計人員も約半数がリストラされることとなり、私を含め大勢設計部員建築系などの設計会社転職することとなった。

退職が間近に迫った日の夜、私は仲のよかった同僚たちと居酒屋最後送別会を行った。「昔みたいに一気に船の市況が回復して、またみんなで船を造れたらいいね」と言いながら

でも絶対にそんなことは起きないと頭では分かっていながら、4人で楽しかった頃の思い出を語り合った。

閉店時間まで飲み会は続き、終電を逃してしまった私は一緒にタクシーで帰ろうという同僚たちの誘いを断り、一人で駅前ビジネスホテルに泊まることにした。

妻には今日帰宅が遅くなるとあらかじめ伝えてある、折角なので今日は久しぶりに遊んで帰ろうと決めた私はすぐにスマホ検索をはじめた。

相応の料金を払うと一定時間女性派遣してくれて更に手厚いサービスが受けられるというお店に電話をかけると、私は部屋で一人女性の到着を待った。

やってきたのは、見た目はまあ普通なのだが愛想もなく非常に態度の悪い女性であった。営業トークも無くほぼ無言で体を洗われた私は「やることを済ませてすぐに寝よう」と決めた。

女性の側も同じ考えであったようで、適当前戯を済ませたあとで「いれてもいいですよ」とぶっきらぼうに言うと身体を投げ出して仰向けになった。

それならばと私も上にまたがり身体を動かしたのだが、態度の悪さに加えアルコールを過度に摂取していたこともあり、一向に気持ちよくならない。

好きな女優の顔を思い浮かべつつ全力で腰を振り続けること数十分、なんとか制限時間ぎりぎりで放出することに成功した。

ぜいぜいと肩で息をする私を尻目に彼女はさっさとシャワーを浴びるとすぐに着替えを済ませ去っていった。

ベッドに寝転がり額の汗を手で拭いながら私は遠い昔の夏の日のことを思い出していた。「こんなことな最初から手こきの方が楽だったな」

2021-02-07

anond:20210207105112

読んでなくて字面だけで雑感を書く。

基本的日本企業を礼賛しているようだからバイアスがかかっている可能性あると感じる。

日本が優れたことをやっていると書いているようだが、そうであってもガラパゴス化して世界基準から遅れるというのが日本企業の特徴なので現状先行している技術があったとしてもそれは優位性とならない可能性がある。

2020-09-28

anond:20200928064032

それが儲かるって言い続けてガラパゴス化して次第に奇妙な生物みたいなデザインが出来上がる

いつか歯止めをかけたほうがいいと思う

2020-08-28

anond:20200828133321

関大学校ごとに(なんなら学部ごとに)めちゃくちゃに出題形式も傾向も違うし、むしろ進学校こそ生徒の志望校に合わせてガラパゴス化した方が良いのでは

anond:20200828130545

進学校は結局、画一的入試問題が解けるようになることが目的なので、学校別にガラパゴス化した考査問題を解かせる意味が無いと思う。

進学校では、ガラパゴス化した考査問題でも、教科書会社が作った正規化された単元テストでも、正直どっちでもいいだろう。教員負担軽減という点では、後者の方が良いはず。

2020-08-18

中国スマホメーカー、大チャンスじゃね?

アメリカWeChatを締め出す話。

中国iPhoneユーザーアンケートをとったら95%が、WeChatが使えなくなったらiPhoneは買わないとの答えだったらしい。

GooglePlayからWeChatダウンロードできなくなるだろうから中国メーカーAndroidカスタマイズした独自OSが大躍進するんじゃね?

中国内でガラパゴス化しても市場が巨大だからやっていけるだろうし。

2020-08-10

anond:20200810122909

過去遺産日本人口(1.2億)じゃよ

日本は234カ国中世11位の人口の多い国

輸出依存度は15%程度で国内人口多さで経済が成りたっている内需の国 (輸出依存度は米国に次ぐ世界第2位の低さ)

 

日本独自文化人口の多さに支えられている(同時にガラパゴス化の原因でもある)

 

が、人口減よりも致命的なのは

裕福な国の二代目三代目は、徐々に働かなくなっていく傾向があるにならって、

アカデミア含めてあらゆる分野でまともに働く気がないこと。末期のソ連のよう

 

ハングリー精神にあふれ、勤勉でよく働く外国人を受け入れたほうがよいとあらゆる投資家に言われているが

全然そんなことをする気がなく、

おっ!したか!と思ったら高度な人材ではなく低スキル人材に的を絞っているとか基地外じみてて

しか奴隷みたいな扱いして各国から怒られたり、そっぽ向かれたり(日本に入ってこない)している

 

でもまぁ、ある日突然、日本が弾け飛んで消滅するわけでも無いので「各々方、英語がんばろう」で良いんじゃ無いですかね

あと、エロ絵の練習して海外お客様向けに商売するのもええかも知れない

もしくは、フィギュアガレキとか

2020-07-10

ポリコレ日本ガラパゴス化してるから良くない」というがフェミ人達的にイスラム教という日本に比べれば圧倒的メジャー存在をどう思ってんのかな?

下手すれば全てがイスラム基準になる未来世界もあるんだけど、そっちのポリコレに合わせるのかな?

(全てのイスラム教徒が女性を圧迫するとは思わないけどサウジアラビアとか見ると、ねぇ…)

2020-06-23

法律関係者の法学部至上主義辟易する

しかしたら医学部とかでもある話かもしれないが、法律関係者(大学法学を教えている人、法曹法律関係の士業者)は他の文系学部を見下す人が少なくない。理由はさまざまだ。

日本で長い伝統があるとか人材の育成に貢献しているなとなど…

しかし納得がいかないのはそんな理由で他の学部(とその出身者)を見下すということだ。

「◯◯さんは法学部を出ていないかダメだ」

「◯◯さんは法学出身じゃないか私たちの話についてこれないだろう」

「◯◯学(法学以外の文系学問すべてが代入される、特に人文科学が多い)なんて何の役に立つの時間と金無駄でしょ?」

なんてことが法学世界では日常的に話されている。

法学は非常に権威的な学問だ。若手は何を言っても相手にされないのに、ベテランなら何を言っても賞賛される。そのベテランに媚を売るだけしか能がない連中も少なくない。

外国に学んで近代的な社会を作るための手段として始まった学問だが、それなら他の学問分野に対する敬意というものを忘れてはならないはずであるしかしそんな声は相手にされず、今日も法の世界ガラパゴス化していく…

2020-02-24

anond:20200224161549

老害の影響っていうのもいくらかあるだろうけど、それだけではないと思う。

それより、製造業依存とか終身雇用制が原因だと思う。

同じ物を同じ品質で大量に作るには、人もみんな同じような考え方をしている方が都合がいいから、個性集団を乱すものだという考え方が根付いた。業務改善するにしても、工場機械を変えるみたいな根本的な解決ではなくて、機械をそのまま残して小さい品質改善にとどめるようになった。

今は同じ物を大量につくってもしょうがなくて、新しい事業を始めることが重要から、みんな同じ考えになるより人それぞれ違う考えをもっていた方が有利で、以前より個性重視になってきた。

終身雇用制ということは会社同士での人の出入りが少ないということだから会社ごとに業務ガラパゴス化する。世界標準とか業界標準かに合わせるより、今いる人の学習コストを低く抑えることを選ぶ。ガラパゴス業務は複雑化するから新しい社員説明できず、先輩の技を盗めとしか言えない。長く会社にいる社員は、標準的などこの会社でも通用するスキルではなく会社固有の業務しか身につかないか会社に捨てられると人生が詰む。

そんな状態情報システムを導入しようとしても、会社業務説明できる人が誰もいない。だからユーザー企業内のSEじゃ対応しきれずにSIが発達したけど、いくらプロでも、誰も知らない業務システム化するのは容易じゃないからたびたびシステム化に失敗して巨額の損失を生む。

終身雇用制はそろそろ限界らしいし、しばらくたてばこの逆の状態になって、日本生産性もあがるんじゃないかなと。今後ガラパゴスが進んで差が広がっていくとは思ってない。

2020-01-15

香川のやつ

ゆくゆくは全国に範囲を広めて、未成年わずゲーム全般規制視野に入れてるようだが日本らしくてすごく良いと思う

ゲーム業界衰退は勿論、IT音痴を増やしてもっとガラパゴス化してけ

2020-01-11

anond:20200109114755

俗に言うガラパゴス化が起きるのは、とんでもなく隔絶した環境にあるか、そうでなければドメスティックものがそれなりに強くて蓄積があってレベルいからだろう。

日本語でもまあまあ学問できちゃうから英語論文書く段になって苦労があるのと同じで

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