はてなキーワード: 天国と地獄とは
友人の結婚式のために京都に行った時のことだ。京都大丸地下フロアのトイレを出てすぐのところに、チーズ屋があった。俺は普段チーズなんか全く食わないんだけど、なぜかその時は吸い込まれるように店に近寄って、日本酒に合うチーズありますかと聞いていた。後日、親父からいい日本酒を貰える予定があったのだ。店員は、それがねお客さん、チーズは日本酒に…………と答えた。ああ、合わないのか。とちょっと残念に思ったら、合うんですよ!とキラキラした瞳で答えた。お婆ちゃんの店員だった。俺は直感的に、この店員は信用できると思った。オタクの目をしていたからだ。
お婆ちゃん店員はいろいろなチーズを試食させてくれた。どれもこれも濃厚で複雑な味わいがあり、それだけで完成された食べ物だった。しかし、中でも俺に衝撃を与えたチーズがあった。コンテチーズである。美味しいナッツのようなコクと程よい塩気、ミルクの芳醇でクリーミーな味わいがあり、マジで無限に食べられるほど美味かった。人生、このチーズ知っているのと知らないのでは、天国と地獄ほどの差がある。もはや義務教育で教えて良いレベルで、QOLに大きな影響を与える。俺はすぐにコンテを買って、意気揚々と大丸を出た。
あれから数年、俺は東京や地元近郊のデパ地下、専門店を中心にコンテチーズを買っているのだが、あのとき食べたほどのコクやクリーミさ、芳醇さが全然ない。京都大丸でないと駄目なのか?そんなことあるのか?天下の東京で駄目なのに?チーズを買いに京都まで……行くべきなんだろうか。まだあのお婆ちゃん店員はいるだろうか
俺はゆるふわっとした自殺願望があるんだけど自殺した奴は霊魂となり永遠に現世に留まって延々と自殺を繰り返す説に恐れをなしてるんだよな
あと死後に閻魔とかジーザスとかによって生前の行いで天国と地獄に振り分けられる説もやだわ
俺は死んだら無になりたいの
恐らく既存の自然科学で明らかになってる限りの世界の全貌から導出される答えは死後の世界などありま天使👼だと思うんだけど、でも「もしマジだったら?」っていう疑念がね…… どうしても消せないのよね……
あと仮に俺たちが天国と称す死後の世界があったとしてもさ、人間が生前の自我を保ったまま召されるならそこは絶対天国ではありえないよな
だって人間が生前の自我を保ったままなら現世の苦しみが天国でも再生産されるに決まってるじゃん
天国行ってもあいつウゼーとかあいつキモいとかやっちゃうだろ人間は
無限に資源があって望む資源全てが手には入ってもあいつウゼーとかあいつキモいだけは絶対やらかすわ人間は
だから仮に天国があったとしても、そこはたぶん神的な存在によって自我に改造を施され完全に浄化された「かつて人間だった何か」が無数に蠢く世界なんだろうな
「生きてりゃ嫌なことあるわけだよ、誰でも。だから、おれにもあるわけね。そういうのは誰かに聞いてもらいたい」
「そうだよね」
「で、おれがそう思うんだから、たぶん『みんなも誰かに聞いてもらいたい』と推測できるよな」
「うん、まあ」
「ん?うん」
「天国でも地獄でもご飯食べるときに長~い箸を使うのね。テーブルの反対側に届くくらいの」
「うん」
「そんで地獄では箸が長すぎて自分の口に入れられないの。だから誰も食べられない。でも天国では長い箸を使って向かい側の人に食べてもらうの。だからみんな食べられるってお話」
「ほう」
「でさ、みんなが自分の話してたら、誰も他人の話を聞かないし、聞いてもらえない世界になるじゃん。地獄とおんなじ」
「うん」
「逆に、聞いてあげようって人ばかりの世界だったら?」
「そりゃあその方がいいけど、実際にはそうじゃないじゃん」
「そうでもない」
「えー、そうかなあ」
「そうでもないって言ったのは、全世界じゃなくておれの周り」
「じゃあ参考にならないじゃん」
「なんでだよwww」
「だってそんな人ばっかりいないよ」
「そりゃそうだ」
「じゃあ無理じゃん」
「いやいや、方法はあるよ。即効性はないけどね」
「ふーん…、どんな方法?」
「んーとね…、確認なんだけど、お前はおれの愚痴を聞いてくれる気あったりする?」
「え、そりゃあるよ、わたしも聞いてもらってるし、むしろ聞いてあげたいくらい」
「そういうこと」
「え?」
「聞いてくれる人ばっかりはいない、でもおれの周りには今いた、だろ?」
「ああ…そうか」
「わかってきた?」
「うん、なんとなく。でもわたし、お母さんが話を聞いてくれても聞いてあげたいとは思えない」
「そりゃ、いつもうんこぶつけられてるしな」
「どういうこと?」
「お前のお母さんな、いつもお前の都合とか意見とか聞いてくれる?」
「ううん、一緒にいたらお母さんがずっと話す」
「それ、うれしい?」
「ううん、しんどい」
「だよな」
「うん」
「それが『ぶつける』ってこと。片方は言い続けて、もう片方は黙って聞くの。しんどいだろ?」
「なるほど」
「お前さっき『むしろ聞いてあげたいくらい』って言ったじゃん」
「うん」
「そりゃそうでしょ」
「じゃ、おれの話をガマンして聞くよってことかな?」
「いや、役に立ちたいって思う」
「じゃ、お母さんの役に立ちたいとは?」
「思わない」
「なんで?」
「きっとわたしじゃなくてもいいし、会話したいわけじゃないって感じるし」
「なるほど、何かにぶつけたいだけってことね」
「うん。前は楽にさせてあげたいって思ってたけど、もう疲れちゃった」
「でもおれには楽になって欲しいの?」
「うん」
「なんで?」
「うーん…いつも気持ちを聞いてくれるじゃん?」
「うん、まあね」
「話すと楽になるのね。わたしもそうしてあげたいって感じかな」
「うん」
「さっき天国と地獄の長い箸の話したじゃん?」
「うん…あ!そうか」
「わかる?」
「うん、まだなんとなくだけど」
「さっき『実際にはそうじゃない』って言ってたけど、今もそう思う?」
「いや…うーん…、でもやっぱりお母さんには思えない」
「そりゃそうだろ」
「え、なんで?わかんない」
「おれとお前って何?どんな関係?」
「ん?友達でしょ?」
「そう。で、おれ、友達は大切にするの」
「うん」
「逆を言うと、大切にするのは友達だけ」
「う、うん」
「大切は、特別扱いって言い換えてもいいかな。友達じゃない人は特別扱いしない」
「うん」
「つまり、相手かまわずうんこを拾わないんだよ。おれが仮設トイレになるのは、お前がおれの友達だからだ。友達じゃないやつのために、仮設トイレ役を引き受けたりしないわけよ」
「うん」
「人を大切にするってさ、簡単にできたらいいけど難しいんだわ。全員を大切にするなんてほとんど無理なの」
「うん」
「うん」
「なるほど」
「友達に限らずみんなを大切にできる方がいいことのように思うだろ?違うんだよ」
「え、そうなの?」
「うん、違う。何かを大切にするってのは、他の何かを大切にしないこととセットなんだ」
「えー、納得しにくい」
「そうだろうな。でも、無理は続かないじゃん。大切にできたはずの人まで大切にできなくなるよ」
「そうかもしれないけど…」
「お前さ、音楽聞きながら本読める?」
「うん」
「そのとき、音楽も大切に聞いて、本も大切に読めてるって思う?」
「…」
「大切にしようと思ったらどっちかしかできなくない?」
「…うん」
「大切にしないって言ってもひどく扱うってことじゃないよ。特別扱いしないだけ」
「…」
「本当に大切にしたい人のために、あっちにもこっちにもいい顔しないってことだ」
「うん」
「友達じゃないやつを特別扱いしない分だけ、友達を特別扱いする余裕があるんだよ」
「なんかわかってきた気がする」
「お前、あっちにもこっちにもいい顔しようとしてるもんな」
「うん」
「それうんこ拾ってんだって。だからうんこぶつけたくなるんだよ」
「ああ、そっか」
「まじで?」
「疑えってwww」
「www」
「でも、大切にしたい友達がいると、すこし余裕が持てるんだ。それはお前もそうだろ」
「え、そうかな」
「あれ?お前、おれのこと大切にしたくないの?」
「大切にしたいって思う。大切にできてるかはわからないけど、いなくなったら困る」
「うん、うれしい」
「おれは友達じゃない人のうんこは受け取らない。その分それなりに耐えられるし、おれの話を聞いてくれる友達もいる。『おれは処理できる』ってそういうこと」
「そっか…うらやましいな」
「お前もそうなれるよ」
「え、それは無理だと思う」
「いやいや、おれが特別恵まれてるんじゃないよ。友達になるって決めたら大切にするだけだよ」
「そうなの?」
「うんこにたとえてるけど、要するにストレスなの。独りで発散する方法があっても、誰かに聞いて欲しいときもあるじゃん。そういうときは友達を頼っていいの」
「うん」
「誰だって愚痴なんか聞きたくないよ。でも大切な人は癒やしたい、役に立ちたいって思うじゃん。でも常設トイレってわけでもない。あくまで仮設トイレなの。いつでもうんこウェルカムってわけじゃないの。だからぶつけちゃだめで、相手の気分とか都合とかも気にして聞いてもらったらありがとうとかね。トイレはキレイに使わないと。そういうのが大切にするってことだ」
「うん」
「余裕がないとぶつけたくなっちゃうから、友達じゃない人を特別扱いしない。仮設トイレ役にもならない」
「うん」
「だから、お母さんもうんこぶつけてくるだけなら特別扱いしない」
「絶対、嫌味言われる」
「それでもいい顔しちゃだめなんだ。そんなの、うんこウェルカムって言ってるようなもんだ。拾わず、流して、相手しない」
「そういうことか」
「そう。だから自分が大切にしたいと思う人に集中する。そうしたら自分が大切にしたものだけが残っていくよ、当たり前だろ?」
「ああ、なんかわかった気がする」
「絶対やだ」
私は通り魔に殺された。
突っ伏した私の肉体の傍にはあどけない少年がおもちゃのような拳銃を手に持って立っていた。彼と出会った時、少し危ない気配を感じないではなかったが、まさかこんな子供にいきなり後ろから撃たれるとは予想だにしなかった。
妻と2人の子供を残して旅立つのはなんとも心残りだが、そうなるべくしてなったのなら致し方ない。不思議と怒りも恐れもない。
見上げると、夜空は魂で満たされていた。肉体の目では決して見ることのできなかった大きな流れと波が光り輝いて世界を満たしていた。輝きを目にした私は、突然殺されたばかりだと言うのに大きな安らぎを覚えた。妻に「悲しむ事はない」と、子供たちに「恐れる事は無い」と、今すぐ伝えたいが、時が来れば彼らにもわかることでもある。
私の精神はまだ肉体を持っていたときの形を保とうとしていたが、手のひらからとても小さな光の粒が漂い出て、大きな魂の流れに飲まれていった。なるほどこうして私はそのうち小さなバラバラの光の粒になって、流れとともにこの星で、この美しい世界でまた、生きること、愛すること、死ぬことを繰り返すのだ。
なんという安らぎだろう。目立った不幸のない、どちらかと言えば幸せな人生だったが、この安らぎを知らずに肉体に繋がれて生きる事は、大きな苦しみと悲しみを伴っていたと言わざるを得ない。私が生前に考えていた「人生」とは、その半分でしかなかった。こうして肉体の寿命が終わり、精神だけの存在になって初めてそのことがわかった。まだ肉体を持って生きている家族、友人に、この世界の真の豊かさを伝えるすべはないだろうか?
と、突然頭が痛み出した。そんな馬鹿な。私は光の粒になって大いなる流れに還るのだ。なぜ肉体を持っているかのように痛みを感じなくてはならないのだろう。
私の頭の中で小さな金属の欠片が脈打っていた。あの少年に打ち込まれた銃弾の破片だ。精神だけの存在である私がなぜそんなものに影響を受けるのだ。
ふと気がつくと閉ざされた扉の前に私のような何かが立っていた。少年に命を奪われた時にすら感じなかった猛烈な嫌悪と恐怖が、全身を駆け巡った。今すぐここから離れなくては。しかし、その思いとは裏腹に私はその薄気味の悪い私のような何かにどんどん引き寄せられていった。頭の中の銃弾の破片が強く輝き脈打ちながら、じりじりと私を引っ張っていくのだ。見ると、まがい者の私の頭部にも2つ、鈍くしかし強く輝く何かが見えた。やはり銃弾の破片だ。頭の中の銃弾同士が強く引き合っているのだ。全力で抵抗したが、どうやらその力に逆らえそうにない。
私はじりじりと引き寄せられながら、私のまがい物を観察した。
光の粒で満たされた精神だけの私とは正反対に、どす黒いぬめりが渦巻いてできているようだ 。
粘り気のある真っ黒いうねりの渦の中からかすかな悲鳴が時折聞こえてくる。
「許してくれ…」「来ないでくれ」「…助けて…」「もう来ないで…」
あの少年の声だった。
なるほど、人を殺すと眠れなくなると言うのはこれだったのか。
罪の意識が、慙愧の念が、自分が手にかけた被害者の姿で昼夜を問わず本人を責めさいなむのだ。
少年の黒い悲鳴は強烈だった。どうやらやはり彼は人を殺して何も感じないような根っから狂った人間ではなく、むしろ本来殺人などと言う極端な行為からは程遠い、周囲から押さえつけられ続けた人物のようだ。そのことを実感した途端光の粒である精神だけの私は、私の形をした少年の真っ黒な妄念に完全に飲み込まれた。
私のまがいものを形作っている少年の思いは、「私を殺したこと」の周りをぐるぐると回っていた。
「ざまぁみろ…」「お前があそこにいたのがいけないんだ、お前が僕の言うことを…僕の話を聞かないからだ」「偉そうにしやがってふざけるな…..」「僕を大切にして僕を大切にして」「僕の意思を尊重しないのならお前を殺して僕も死ぬ」「ごめんなさいごめんなさい許して……」
なんと身勝手な、そしてなんと汚らわしい。
苦しいのはわかるがこれぞ自業自得だ。しかしその苦しみも肉体の命が尽きるまでのほんのひとときのこと。せいぜい悩み悶え給え。同情はするが、私の肉体の命を奪った者のために、なにができるわけでもないし、こんなところに閉じ込められる謂れもない。
私は目の前の黒い波を両手でぐっと押し広げて出口を開こうとした。少年の悲鳴がひときわ大きくなった「助けて………!!」
申し訳ないが、私には関係のないことだ。少年よ、君も肉体を失えば今の私のように光になってより大きな光になるのだ。それまでの我慢だ。
しかし私の頭部の痛みはますます激しくなり、力が入らない。なんとも暗黒のうねりが分厚くて、それお押し広げて外に出ることができない。恐怖を感じた。このままなのか?自分を殺した相手の妄念に、時の終わりまで囚われなくてはならないのか?
ひょっとして、この少年が、真っ黒に汚れた自分の想念に苦しめられたまま肉体の命が尽きると、精神だけになっても黒い渦に飲み込まれ、永遠に苦しみ続けてしまうのではないだろうか。
私が閉じ込められている私のまがい物の遥か下方に、膨大な闇がうごめいているのがその証拠だ。少年の肉体と精神をからめ取ろうと手を伸ばしてきているではないか。
閉ざされた扉の中には少年がいて、膝を抱えて泣いていた。その少年の肉体の周囲を、おぞましい鎖のような黒い渦が取り巻いていた。
少年は自分の行為をひどく悔いていた。「殺したひとが毎晩訪ねてくるなんて知らなかった……..」「助けて……助けて…..いやだ…..見たくない」「怖い怖い怖い」「あの人達と別な形で出会いたかったのに……」「もう一度、僕のファンとして僕の目の前に現れてくればいいのに……….」
私に肉体が有った頃、酒に酔って妻子に暴力を振るい続け、当然のように妻子に逃げられたがしかし、復縁を熱望している同僚がいた。私は不思議で仕様がなかった。絶縁の原因は自分なのに、なぜそれを忘れたかのような態度で復縁を熱望するのか。
自分のしでかした事は無かった事にしてやりなおしたい。それが、肉体に繋がれた魂の弱さなのだ。
私がそう思った途端に、わたしを拘束している黒い渦の力が弱まった。私に触れている部分が、光になったのだ。
ふむ。
ならば、是非もない。私がこの場所に呼ばれ、私の形をした妄念に閉じ込められた理由がようやくわかった。
少年は私の頭に銃弾を打ち込むことで私に助けを求めていたのだ。
彼が身勝手な妄念に苛まれたまま死ねば、その魂はどす黒く汚れた渦になりこの美しい星を汚す。そんなことはさせない。私の妻と子どもたちが、まだ長い年月ここで生きるのだ。 精神だけの存在になっても、私は夫であり父親である。
さらなる少年の悲鳴が、漆黒の鎖となって、私をぎりぎりと締め付けてくる。
「僕を褒めて…….僕を認めて……」「生まれ変わるために勉強したんだ……僕が歪んだのは資本主義の学校教育がいけないんだ……..」「…….僕が人殺しになったのは、僕を三回捨てた母ちゃんのせいだ…..」「僕が殺した人たちは、僕のファンなんだ……支持者なんだ…….毎晩ここに来るのは、僕をちやほやしに来るんだ……..」
私に肉体があったら、馬鹿なことを云うな、と叱り飛ばしているところだろう。しかし今の私は、少年の悲鳴と嗚咽でできた黒い妄念に囚われの身。私の形をしたまがい物に、私自身が閉じ込められていて、どうにも抜け出せない。
少年が作ったわたしのまがい物は「なぜ私を殺した?」「私がいったい君に何をした?」「罪を償え」「死を持って贖え」「肉体の寿命ギリギリまで苦しみ続けろ」と、少年を毎晩責め苛んでいた。少年自身の罪の意識がそうさせるのだ。
その苦しみに耐えきれず、私が彼のファンになる、などいった荒唐無稽な逃げ道をも見つけてしまった。
では、戯言にこそ寄り添おう。
実際の私は、通り魔である少年に殺された犯罪被害者だが、彼の希望通りに、彼のファンとして彼の前に現れよう。
以前は、天国と地獄、という考え方が全くピンとこなかった。今はよく分かる。肉体がなくなった時、光として大いなる流れに還ることが天国、死してなお自意識という牢獄につながれたまま生を呪い続けるのが地獄。肉体につながれたまま地上を生きるのは、さながら煉獄の日々だ。
ならばわたしは、少年にとっての、煉獄の炎となろう。私という光で、彼の妄念を内側から焼き尽くし、肉体の寿命が尽きたときに、私と同じような光であるように、少年をきちんと導こう。
たとえどんなに酷いことでも、起きたことは全て最善なのだということを伝えなければ。
私のまがい物と、そこに囚われた私は、依然、閉ざされた扉の前に立っている。扉の向こうの部屋では、少年が膝を抱えてすすり泣いている。
待っていろ、今助けてやる。どんなに時間がかかっても。
私は、私を包むまがい物を動かし、扉を開けてこう言った。
三途の川の渡し守はそう言った。
守れなかったらどうなるんですか?
私がそう尋ねると、彼は笑いながら、さぁ、私の仕事はこの川の岸までなんで。と答えた。
小舟を降り。
この先には天国と地獄があるはずなのに、道は一本しか見えない。
私は先へと歩き出す。右側を通りながら。
死者の国へは一方通行だ。誰も彼の国からは帰ってこない。なのに右側通行なの?
遠くに人影が見える。背の高い、黒い影。そしてそれは近づいてくる。
通るべきは右なのか、左なのか。
私は意を決し、右側を歩き続ける。
黒い影は間近にきて、こんばんは、と声をかけてきた。
アレは駄目だ。見ても返事をしても駄目だ。
私はもう死んでいるけれど、きっと今より恐ろしい目にあうところだったのだ。
あの影は、渡し守のところまで行くのだろうか?行くのだろう。
だから彼は右側が正しいと知っていた。
けれども、彼が知っているのは多分それだけ。
右側を歩き続けて、まだ先は見えない。
たまに「無縁仏になるぞ」的な脅しをかましてくる人いるけど、無縁仏ってそんなに脅しになるほど嫌なものか?仏教徒の人前提で。
異教徒や無宗教の人ならともかく、仏教徒の人相手でもそこまで効果ある脅しとは思えないんだよな。
天国と地獄の概念があるとしても、無縁仏だと天国行きに時間がかかるだけで全く行けないとかは無いわけで。(地獄行きの人は別として)
私は特に自分の宗派に熱心とか信心深いわけでもなく、普通に仏教と神道を信仰しているけど、家の墓なくてもいいと思うし、無縁仏でも不都合は無いと思う。
100年どころか50年もしないうちに、更新しなかったりとか寺が潰れたりして墓が撤去されたら、それこそ実質無縁仏みたいな扱いになるわけだしね。
■はじめに
※初匿名投稿兄貴です。やり場のない不思議な感情を匿名で書き殴れると聞いてすっ飛んできました。優しくしてください。
※タイトル通り、風俗に行ったときの話がこの注意書きの後にずらずらと書かれます。ですが、登場人物や登場する店舗のお名前はボカして表現します。つまり、調べても意味はありません。
※パネマジはしめやかに爆発四散すべき。パネマジが激減するって確証があるならば店舗名を出してもいいとすら思ってる。
というわけで本文行きまっせー!
突然だが、
ここすっげぇ大事なところなので4回も言った。
思えば、3x歳まで純潔を守りすぎた。○ナ○ーをやりすぎた。
白髪が1本、2本…と増え始めても「相席屋やら婚活パーチーよりも数億倍手軽なオ○ニーでええわ」と思っていたのだが、2次元の限界なのだろうか、それとも単純にやりすぎたのか、2018年の春頃から2次元ですら勃たなくなってきた。
「やはりヴァージンループだけでは満足出来ない!女の肌の温もりが欲しい!温もりがあったら勃つような気がする!」
…そう考えた僕は、某風俗情報サイトを漁り、東京・吉原のとあるソープランドを見つけた。
ソープランドは本番アリのエッチなお風呂である。会社の同期と酔った勢いで行った沖縄のピンサロとは違う。
エロゲよろしく、騎乗位でブルンブルン揺れるパイオツを無心にしゃぶりつきながら、時にはディープキスをしながら、夫婦の夜の営みのような何かを展開出来るという夢のようなお風呂なのです。
店によってはケフィア(意味深)を目一杯出せるところもあったりなかったり。
で、見つけたソープランドは、まな板から「マッキンリー山脈かな?」と見間違えるぐらいに大きな山脈を2つぶら下げているお姉様まで選り取り見取りのお風呂屋さん。
「選り取り見取りなら、どのキャストさんでも短小包茎童貞でも優しく筆下ろしをしてくれるん違うか!?」という期待を胸に、同じお店のお姉様キャラで3人まで絞り込んだ。
万が一、これで勃たなかったら本気でどこかのサッカー選手のように本格的に治療に専念しないといけない。
そのためには一挙手一投足が大事や、ここからもう本番始まっとるようなもんやで、と思いつつお店の電話番号をポチポチと押し、予約の電話をかけた。
声が震えているのをよーーーっく感じ取りながら「x月の2x日19時から、○○すぁんか☓☓さんか△△しゃんオナシャス!」と伝えた。その日は僕の誕生日だからだ。記念日大事。
「x月の2x日、20時30分からであれば☓☓さんがご案内出来ますが」
との回答が。
1時間30分もずれるぐらいなら美味い飯食って帰ろか、そう思ったが同じ夜は二度と無い。
しかも☓☓さんはウェブサイトのプロフィールを見て、選んだ3人の中では(申し訳ないが)地雷キャラのかほりがしていたので、出来れば避けたいところだった。
こっちが折れる形になり、向こうの言われるがままに申込を完了させた。
「30分おきに現地からハイエースが往復しているので、20時までに上野駅のファミマ前にいてください」という一言が言い終わるか終わらないかぐらいで電話が切れた。
そして当日。
風俗ライターのブログやら初心者向け記事を見ながら暇をつぶし、19時50分…になったが、そもそもハイエースすら見えない。
雲行きが怪しい。
そのまま林さんになって行こうかと思ったが止めた。
ひょっとして全然違うファミマなんやろか、と思ってお店へ電話。
「今、入谷口目の前のファミマにいらっしゃいますか?恐らくウチのハイエースが見えると思うんですけど」
そして首をゆーっくり廻して気づく。
なんでこの地はファミマが、大通りを挟んで向かい側と、僕が待っているファミマ、そして明らかに人がいなさそうな方面とアメ横近くの合計4店舗もあるのさ。誰かツッコまへんかったのかこれ。
つまるところ、東京、しかも上野という大都会になった途端にこんなにファミマの数が激増するとは思わず、指定されたファミマとはまるで違う「ファミマ」の前で待っていたのである。
ファミマだって、なんとかバーガーだって、雑居ビルだって名前がある。○○店って言ってくれるだけでも調べようがあるのに、なんでこの人は頑なに「入谷口です」としか言わへんのだろうか。
Googleを駆使し、辿り着いた先は街灯も少ない、人も少ない「これ同じ上野なの?」と思うぐらいの入り口の前にあったファミマ。
何か中東系が複数人でタバコ吸っているし、その隣でアジア系が大声で喋ってるし、もうアングラ感ぱねぇっす。ワタシニホンゴシカシャベレナイヨ。
ドライバーさんから「分かりにくくてすいません」としきりに謝られたが、正直あんたに非は無いと思う。
ドライバーさんと雑談をすること10分。どうにか時間ギリギリで現地到着。
お金を支払い、待つこと5分で順番が来た。
いよいよボン・キュッ・ボンのお姉様とイチャコラする時間が来たぞーーーーーー!イェアアアアアアア!!
「初めまして、☓☓です。宜しくお願いします」
そこに勃っていた、いや立っていたのはタマゴ型の人だった。
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ホームページにはそう載っていた。
プロフィールにもマッキンリー山脈()が連なる画像があるし、画像から見えるシルエットはボン・キュッ・ボンのそれだ。
では、僕の目の前にいるタマゴさんはなんだ。TVでお馴染みの○ツ○さんか。北海道で酪農やっている○マ○さんか。
そもそもタマゴ型過ぎてKどころかDもないぞ、この山脈の大きさは。
今の状況になって初めて、風俗業界にはびこる「パネマジ」という悪習の実態を感じ取っていた。
パネマジというのは所謂一つの「合成」で、今回のお相手のように、明らかな「タマゴ型体型」をスレンダーな「峰不二子体型」に作り変えることを指す。ところどころ似ている点を残しているので、明確に詐欺ってわけじゃない。転じて表面化しにくいという点がある。
まぁ、酷い場合は顔すら別人になっていることもあるらしいけど。
誤差はあれど、この店、いや業界全体でこの手の加工は流行っているんだろうなぁ…
酒も抜け、受け入れられない現実に気が少しずつ遠のいていくのを感じつつ、四畳半ほどのお部屋にご案内。
部屋に入ったら、脱ぎ脱ぎから1~2分程度の雑談→即尺の流れ。童貞でも分かるこの作業感。
救いがあるとしたら、この頃には意識が若干混濁していたことだろうか。
汗が腕や脇から出きれず、顔から足からも汗が出まくった末、脱水症状に移行しつつあったのだ。
血流よりも多汗が勝ってしまって全く勃たないが、とりあえず挿れようと健気に頑張るタマゴお姉様。
…早よしてくれ…
ゆっくりとマイ・サンを受け入れ、実に機械的な上下運動をするタマゴお姉様。
…うん、重い。
グラビガってぐらい重い。
AVそのままに「アッアッアッ」って言ってくれるのは気分が高まってええんやが、オットセイが乗っかって僕の上下で「オウッオウッオウッ」って雄叫びを挙げているイメージに早変わり。異種姦?
まぁそれでも自分の意志に反して射精感は徐々に高まりまして、まぁ、出たわけですよ。
一通りの射精感が収まった後、騎乗位でリードしてくれていたタマゴお姉様の体重が僕の下半身に一気に伸し掛かり、膝関節近辺が大きくたわむような、そんな感覚があった。
刹那、激痛が走った。
ふくらはぎ近辺を見ると、数字の1みたいな形に変形しているんですよ。
何回か肉離れになったことはあるけど、比べ物にならないレベルの激痛。天国と地獄。いや地獄の釜の底やな。
痛いリアクションとド素人でも分かる足の変形具合にタマゴお姉様は「こういうの初めてじゃないから」と冷静に言いつつ、マッサージしてくれました。
なにこれマジで。逆レイプってこんな辛いの?そして初めてじゃないだと?なんつった今?
服を着せてもらい、程なくしてドアホンが鳴ったので階段を降りる僕とタマゴお姉様。
伸ばす度に痛みが走って真っ直ぐ立てない状態でも、僕には帰る家がある。家族がいる。
ただ気合で入谷口から改札に向い、山手線に乗り込んだのである。
「どう考えても…あれは別人だよなぁ…」
https://togetter.com/li/1226715
30代前半と後半に1度づつ、エージェントを通じで転職をしてことがある。
エージェントは担当者によって天国と地獄を見るので、やばいと思ったらチェンジを要求した方がいい。
30代前半の転職活動は半年近くかかったが、30代後半の転職活動は1ヶ月程度で終わった。
歳を重ねているのに、30代後半の方が書類通過率も最終面接到達率も抜群に良かった。
それぞれの会社の採用理由が「現在会社が必要としている技能を持っている」だったので、当時持っていたスキルと会社の希望が合致しやすかったのだと分析している。
昨年からある技術者を募集しているのだが、「30代後半〜40代半ばの応募者が揃ってダメ」という事態に立ち尽くしている。
自分も40代に入っているので、同世代にダメ出しなんてしたくはないが、ダメ出しせざるを得ない状況だ。
今回の採用は「既存の技術者と並び立って(将来的に並ぶでもいい)、プレイヤーとして活躍して欲しい」というのが第一の希望だった。
・年齢は30歳前半、上限で38歳くらいまで(それ以上は場合によって判断)。
・未経験者不可。基礎知識を身につけており、細やかな指導をしなくても仕事を遂行できる。
幾人か応募があったのだが、いわゆる「アラフォー」と言われる応募者全員がダメだった。
どこがダメかといえば
・そもそも「プレイヤー」になる気がない。企業概要だけ確認して、応募要項を理解してるか怪しい。
・「ずっとやりたいと思っていた。経験がないので頑張ります。会社に入ってからも新しい技術を吸収したい」な人。
・自分はとても優秀です!という気持ちが文章の端々から感じられるが、プレイヤーとしての実力は極めて低く、「前職(大手)の褌で仕事してたの気づいている?」な経歴の数々。
・職務経歴書は時系列でまとめるのが普通だが、本人が「不利」と思っている経歴を年代関係なく一番後ろに持ってきている。見づらい(個人的に一番印象悪かった)
応募要項「プレイヤー欲しい」なんだけど読まずに曲解しているの?その年齢で会社に貢献できるスキルはないの?前の会社の名前で仕事してたの忘れてない?
…という地獄絵図だった。
人の話(募集要項)、全く聞いてないんだよね。この人たち。
あの募集要項、実際の仕事内容とか、誤解されないようにかなり考えて書いてるんですけど…。
うちも想定年齢決めてますよ。
でもね、年齢とスキルのバランスが良ければ採用も検討するし、場合によっては役職だって用意しますよ。
けれど、検討する余地がないほどダメなので書類選考で落とします。
企業側はマネージメント経験やら、いろいろなことを要求してくる。
かつて中年求職者で、現在は採用に関わっている立場から言わせてもらうと、「その会社が欲しているものと自分のスキルは合致するのか?それを活用して会社に利益をもたらすことができるのか」が一番問われていると思う。
先にもあった「経験がないので頑張ります。会社に入れば新しい技術を吸収したい」というのは、20代〜30歳前半なら許されるコメントなんだよ。スキルを持つはずの中年が言うコメントじゃない。
年齢とスキルのバランスが悪い上、募集要項ともアンマッチなので、会社への貢献が見込めないから書類選考で落とすのだ。
誰しも、自分の能力に関しては、実際よりも「できる」と思う節がある。
自分もかなりそうだと思う。今の会社では管理職をしているが、他の会社ではまったく使えない中年である可能性が高い。
乖離するのは仕方ないとしても、その乖離が激しすぎるのが「中年で転職がうまくいかない」人の特徴でもあると思うんだよね。
同年代にダメ出ししすぎて「オマエもダメじゃん!」って感じなんだが、すべての中年応募者がダメだと言うわけじゃない例を最後に出しておきたいと思う。
私が関わらない他の技術職の募集の中には、書類選考落ちの20代30代を尻目に、軽やかに書類選考を通過した40代がいる。
こちらの技術職も上限は35歳くらいで、若手社員を採用したい下心があるのだが、応募内容を見てみると「会いたい」を思わせる内容だった。
使ったことがある人なら知っていると思うが、一部を書き換えればそのまま相手に送信できるてプレートが用意されている。
それらのテンプレートの使用有無で書類選考通過率が上がるわけではないのだが、
・今までの経歴
・貢献できると思っているところ
を簡潔に記載していた。
募集要項にもマッチしているし、管理職(プレイングマネージャーが多い)に迎えちゃってもいいかも?というスキルだった。
変に自分の経歴を誇っている風でもなく、淡々と自らの経験を述べている文章が印象的だった。
給与が安いからと言うだけではない。来るべき世代交代をスムーズに行うには、構成人数がある年代に偏っていては危険だからだ。
けれど他方で、企業内で設定した上限年齢を超えていたとしても、優秀な人材であれば採用に動くと言うこともある。
これは完全に私の偏見なんだけどさ。
「早期退職を募集していたので、それに応じて退職した」中年層って、転職活動に苦戦している人が多い気がする。
在職していた企業が大手であるほど、その名前を外した時の「本来の自分の価値」を見誤っているから、苦戦しているじゃないのかな。
完全な偏見なんだけどね。
私はいわゆるオタクという生き物、しかも基本好きになるのは主要ではなく脇なんかでひっそり生きているか主要でも女性人気の低いマイナーキャラだ。見目麗しいキラキラしたイケメンよりも、一癖も二癖もいやもう五癖くらいあるキャラの方が好きだ。
例えるとすればアンパンマンより天丼マン、工藤新一より毛利小五郎、ハウルよりクロトワ、サトシよりタケシ、徳井より福田、ハンバーグよりクレソン…みたいな感じだろうか。ハンバーグに至ってはクレソンが乗っていない時の方が多いだろう。
そんな癖がある決して正統派とは言えないキャラを気付けば好きになってしまう。
付き合いたいとかは微塵も思わない。何気無い彼らの生活を己が干渉すること無く、空から見守りたい。
お気付きの方もいらっしゃるかもしれないが、ここまでは前置き。ずっとこんな調子で続くから耐えて欲しい。
遡ること数年前、私はやっぱりしがないオタクだった。あるアニメの放送が始まりなんとなくで観始めたら最後、どっぷりとハマってしまった。
毎週の放送が楽しみで、おのずと好きなキャラ…いわゆる推しも出来た。決してグットルッキングガイとは言えなかったが、性格や立ち位置やセリフ回しなんかが凄く好きだった。いつもは筋肉むきむきのキャラばかり好きになるのに、「痩身も悪くないな!」と思えた。
そのキャラが出る回は例え一瞬でも何度も何度も繰り返し観た。
そんなこんなで推しが出来ると、今度はそれを語り合う相手が欲しくなる。
現代にはツイッターなんていうオタクに優しいコンテンツがあるので、私はそれで仲間を探した。…が、やはりマイナーなのである。私が好きになるキャラは基本マイナーなのである。全然仲間がいないのである。
人気アニメで、沢山のオタクが楽しげにひしめき合っていると言うのに、その人混みを掻き分けども掻き分けども見つからない。カバンの中も机の中も探したけれど見つからない。
同士はいないのかー!
もう全然良い、腐女子でも貴腐人でもなんでも良い。それより私と踊り狂って欲しい。
そんなこんなで私は腐女子のお姉さま方という素敵な語れる仲間を見つけ、幸せ推し語り生活が始まる……はずだった。はずだったんだけど、いや始まってはいた。でもね、そのお姉さま方は一番好きなキャラは別にいた。
推しが違った。
ではどうして私の呼び掛けに彼女達は応えたか。……そう、そこでカップリングという問題が発生するのである。
カップリングとはつまりキャラ同士がイチャイチャするに当たっての男性役と女性役の掛け合わせだ。
掛け合わせるキャラによって名称も変わる。アンパンマンが男性役で天丼マンが女性役ならアン天みたいな。知らんけど。
基本一番好きなキャラ…最推しは女性役にする人が多い(勿論逆の人も沢山いるけどその傾向が強い)。
私が繋がったお姉さま方はみなさん私の推しを男性役に置いていた。そこで認識の齟齬が生じていたわけだ。ついでに男役と女役を逆にした所謂「逆カプ」の人口はほぼ無かった。
悪口ではなく比喩でもなく、本当にウンコみたいなカップリング名だった。もうどう擁護も出来ない程にウンコだった。(その後あまりにもウンコなので名称が改良されたらしいけど、それはまた別のお話)
そんなわけでどうにも腑に落ちないままずるずるとアニメを見てツイッターなんかで感想を漏らしていた時、一人の同志と繋がった。
彼女もやっぱり腐女子で、しかも最推しは別にいる。私の推しを男性役の方に置いて腐った生活を楽しんでいるような人だった。しかし話していくうちに彼女は彼らをBLとしてではなく、キャラ同士の精神的な繋がりが好きだと吐露するようになった。
……分かる、分かるよ。物凄く分かる。
そう私も同意した。
というのも、彼女の最推しと私の最推しは協力者であり主従であり静と動であり、また一種の腹心の友のような複雑な関係だった。それが好きなのだと彼女は言う。私も全く同じだった。
それからと言うもの、彼女とめちゃくちゃ二人の考察を語り尽くした。とても楽しかった。アニメは最終回を迎え、各々考えさせられる様なラストではあったがそれでも私達の熱は冷めず、毎日毎日推しは違えど二人の関係性を語って盛り上がった。
こんな時間がいつまでも続くと、私も彼女も思っていたことだろう。多分。
そんな中、事件は起きた。
アニメの最終回から数ヶ月経ったある日、一冊のスピンオフ本が出版された。なんと私の推しがメインキャラだった。しかもアニメ本編よりも前が舞台。つまり彼の半生を知ることが出来る。
発売日を手帳に書き込み、わくわくしながら待ってそして満を持して小説を手に入れた。フォロワーの腐女子のお姉さま方もみなさん手に入れていたし、もちろん彼女も「スピンオフ買ってきた!」とはしゃいでいた。また沢山語れるネタが増える!嬉しい!私は素直にそう思っていたし、フォロワーさん達も彼女も同じ気持ちだっただろう。
そう、読むまではね。
その日の夜、ツイッターのタイムラインは死屍累々だった。本当にあれは地獄だった、誰も全く幸せじゃ無かった。さながらお通夜。全員喪服着て泣きながらお焼香あげてる。
みんながわくわくしながらページをめくり、余す所無く読み込んだであろう私の推しのスピンオフにはとんでもないことが記されていた。
ちんこが無い……?
ちんこが無いって……?
ちんこが無い……?
どういうこと……?
比喩……??
いいや、比喩ではない。
本当にちんこが無かった。
正確に言えば拷問のすえ去勢されていた。正直、どう自分の中で処理すれば良いか分からなかった。だって今まで推しにちんこが無いなんて状況、一度だって経験して来なかった。というか考えたことすら無かった。そらそうだ、もしかして無いかも?なんて日常的に考えてたら危ない人だ。
まあね、別に私はそれでも良かった。
ちんこがあろうと無かろうと、推しが推しであることに変わりはない。別にちんこの必要性とか無かったし。ただトイレとか立って出来ないのかなとは思ったけど。いつも個室に入らなきゃいけないわけだから、推しが小学校高学年の多感な時期じゃなくて良かったなみたいな。え、小学校高学年の推し?想像したらか〜わ〜い〜い〜!
だが、腐女子のお姉さま方は違った。そりゃそうだ、だって男性役に据えてた男にちんこが無かったんだもの。
じゃあ今まで私達がしてた妄想ってなに???あのちんこはなんだったの???まぼろし???
そんな感じでみんな死んでいた。現実について行けず、一部ハイテンションな人もいて逆に悲しくなった。
そんな、無理すんなよ…泣きたい時は泣いて良いんだぞ…。
そうやって私が肩を抱いてやる前に、1人また1人とお姉さま方は別のカップリング、もしくは別の推しを見つけジャンルから去っていった。随分と人が少なくなって廃れ、ダムに沈んだ街みたいになった。
でも、私にはあの子がいた。
やったー!あの子なら別に私の推しにちんこがなくても変わらず語ってくれる!だって精神的な繋がりが好きなんだもの!そう思い、私はウキウキでその子のアカウントを覗いた。
明らかにツイートが減ったのは推しにちんこが無いと判明した時期。当初はそれでもぽつぽつと呟いていたようだが、次第にそれもなくなり「すごい」という呟きを最後に更新がなくなっていた。何がすごかったのか、それを聞くことは金輪際叶わないだろう。
なぜなら、彼女はそれから暫くしてアカウントを消してしまったから。
ああ、ちんこか。
私はそう思った。
お前もちんこなのか。
私は信じていたのに、結局ちんこなのか。
精神的な繋がりが好きだと言っていた彼女のリプライを思い出し、そしてまた思った。
好きだったの、ちんこ的な繋がりじゃん。
なぜ突然こんな話をしたためたか。
それは、つい最近公式で大きな発表があったからだ。どうやら、私に天国と地獄両方を見せてくれたその作品の映画第2段が制作されるらしい。きっと私の推しは出ては来ないだろう。それでも、あの時感じた失意とそれを上回る楽しかった記憶とを思い出し記録しておきたいと思ったのだ。
みなさんもどうか気を付けて頂きたいと切に思う。
女性キャラにおっぱいがないなんて事良くあるよとのコメントを頂いたが、良く考えてみて欲しい。私の推しにないのはちんこだ。つまり男性器である。ならばそこで消失すべきは女性器の方ではないだろうか。
貴方の大好きな女の子に女性器が無いのである、じゃあ今までの甘い妄想はなんだったんだ!?あの穴は幻想だったのか!?何処に出し入れしてたんだ!?なんて思わないだろうか。
私は推しの事をそういう目で見てはいなかったのでノーダメージだったが、そういう目で見ていた腐女子のお姉さま方には大ダメージだったのだ。きっと今まで自分の中で育んできた彼らの記憶が幻想だったと悟り、とんでもない喪失感に襲われたのだろう。ご理解頂きたい、彼女たちも私とは別角度で心に傷を負ったのだ。
2020.追記
このアニメの3期が今年放送、また配信されました。もちろん見ました。大好きな彼は当たり前ながら出て来ないですが、非常に面白かったです。とくに敵のトップが最高でした。これからもこのコンテンツが繁栄していく事を願います。
微妙な年齢と貯蓄額な気がする。起業するならある程度エネルギーがあってそれなりに無理のきく体力があるうちが良いとは思うけど、具体的に商売になりそうなスキルや才覚があるかによって天国と地獄ぐらいの差が出そう。
ちなみにその貯蓄で不動産を一括で買うとどうなんだろう。自分が40代後半で、マンションを買ってローンを完済したんだけど、こういうのを見るとマンションにしないで現金で貯める方が良かったのかなと悩む。
ただ、あまり投資とかで儲ける方法を熱心に研究するタイプではないので、そこそこ良い立地で月々の管理手数料と固定資産税を払えばそれ以上家賃がいらないという現状は自分に合ってるような気がする。