はてなキーワード: ウォッチとは
繰り返すが無差別でないことをきちんと判断基準を示して証明し、実際にそれに従った行動を取るのは元増田の責任。それが出来ないなら無差別と言うしか無い。現に無差別なんだもの。
そして善意のつもりでも行動が(無意識か意図的かは問わず、第三者から見て)悪意マシマシだから行動の内容まで疑われていることに気がつかないというのは、ありがちだがかなりヤバい傾向。
お前にとっては全ネット民が共有すべき緊急性のある話題でこれに反感を持つのは実行犯かその同類だけなのかも知れないが、肝心の広告先サイトでの行動が迷惑行為じゃそのサイト住民には反発されるだけなんだよ。
イケダハヤトのLIG批判エントリーが話題になってるけど、「いよいよ、ここまできたか・・・」と思わざるを得ない内容だった。
そもそも、誰かを下げて自分を上げる手法って、この世でもっとも嫌われるやり方でしょ。
まだ東京で消耗してるの?は炎上芸人としては優れたコピーだなって思うけど、田舎に引っ込んでからのイケダハヤトは
火のないところに薪をくべて、どうにか注目を集めたい一心で記事を量産してる。基本的に全然おもしろくない。
1日15本書いたところでイケダハヤトのファンなんて一部にすぎないし、ほとんどがウォッチ対象で見てる。
本当に影響力があったら、もっとお前の投稿はリツイートされてるし、苛立たせる文体はただ文章がヘタなだけ。
そんな自分を一切客観視せず、自慢ばかりを垂れて、極論の論旨で誰かを煽って煽って、
最終的にアフィリエイトでお金を稼いで「プロプロガーって儲かるでしょ!」ってお前・・・!
今回のLIG批判にかんしては、そもそもLIGがおもしろくないは周知の事実なんだよ。
何度も炎上してるし、話題になってるのは大半技術系の記事だし、おもしろの殿堂入りなんて
ファンがいいね!押してるだけじゃねーか。よりシビアなリツイート数で勝負しろよ。
今になって「LIGブログはつまんないですよ!」って、言っても大丈夫な相手に吠えてるだけで
ただの茶番じゃねーか。冷めたメシに向かって「ご飯冷たいですよ!」って言ってるだけ。
アートを突き詰めたければ、もっと本気で、全裸になるべきです。今は、そういうアートが求められている時代で、ぬくぬくコタツに入っている作家は愛されないのです。以上、サラリーマンのみなさま、わかりましたか。?
最後にこの文章は終わってる。イケダハヤトはオワコンだと断定していい文章でしょう。
ブログがアートなわけないだろ。ただの暇つぶしだよ、ワカハゲ眼鏡。
どこの世界に説得力なく誰かを批判したPVをアフィリエイトの小銭に変えてるアーティストがいるんだよ。
お前の娘が大きくなって、「イケダハヤト」って検索したらネガティブなコメントだらけで瞬殺でグレるわ。
その前にGoogleが「このブログは悪質だから弾こう」ってなるから、
放置してても勝手にオワコン化するんだけど、みんなもっと声を大にしてイケダハヤトを追い込むべき。
わかりましたか。?
もう長いことウォッチしてるブログがあって、そいつは大学卒業後もまともに就職せず、だらだらと旧司法試験を受けたり受けなかったりしながら30代を迎え、その後、奨学金をもらって法科大学院に通い、新司法試験の受験資格を得て試験に臨んだものの見事に三振(法科大学院卒業後5年間で受験できる3回の試験にすべて失敗)、いまは40歳超にして親もとでパラサイトしながら(たぶん)派遣労働かアルバイトをして生活してるんだけど、そいつが中島みゆきの名曲「ファイト!」について、しいたげられた人間がどん底から這い上がろうとするのを応援する曲であって、将来ある新卒を応援するCMに使われてるのは違和感みたいなコメントをしていて、この間からめちゃくちゃムカムカしている。おまえにだけはあの曲について語ってほしくない。おまえはあの曲を自分に重ねてみたりしてるんだろうけど、働きたくなさに受験に逃げ、それでいて受験に合格するための勉強もせずに自己満足のお遊びみたいな「お勉強」を続けた果てに受験に失敗、おそらくいまでは「俺はこんなつまらない仕事をしている人間じゃない。自分のような優秀な人間が報われない社会はクソだ」とか心の中でつぶやきながら誰でもできる単純労働で日々を過ごしているんだろうけど、俺に言わせれば、おまえはこれまで一度だってまともに努力したことなんかない人間だ。「ファイト!」に励まされるに値する人間なんかじゃない。ゆとりとか言われて馬鹿にされてる若者たちのほうがおまえなんかよりよほど頑張ってるよ。
最近某オンラインゲームのユーザーのセキュリティ意識がとても低い事に気がついた。
多くのユーザーがに自分を特定できてしまうような情報を簡単にTwitterや2chに載せてしまうのだ。
このままでは何かの事件に繋がってしまいかねないと思い、インターネットを利用する全ての人に向けて改めて、
何が良くて何がダメなのか、ネットストーキングの手法も含め、かいつまんで纏めてみた。
Twitterで何の気なしに日々自分の周囲で起こった事をつぶやいたり、
写真をアップロードしたりしている人は多いと思うが、自分がストーキングされているかも知れないと思っている人は少ないだろう。
これは間違いである。
ネットはほんとうに広大でほんとうに色々な人が居る。
あなたがつぶやいた特定のキーワードやちょっとした写真にフェチズムを感じる人も決して少なくないのだ。
ネットストーカーに狙われる(既に狙われている)可能性があるという事を知り普段から対策を講じるべきなのだ。
あなたがアップロードした写真はあなたを特定するときに絶大な効果を発揮する。
言っておくがストーカーはひとつの写真を数分~1時間以上かけてくまなくアラを探すものだ。
改めて言うまでも無いだろう。写真に付随する撮影日時、場所、利用したカメラの情報だ。
最近のGoogle画像検索はあなたが考えているよりも相当に賢い。
よく利用する喫茶店のサイトがヒットすれば、あなたにより近づくことができる。
ある程度の知識があれば写っている本、背景を特定することはそれほど難しいことではない。
例えばタバコが写っていたとしてエリア内のコンビニで貼りこむなんてことも可能だろう。
Twitterにアップロードした写真は:largeを末尾につけることでより高画質な写真を取得できる。
またツイートを削除してもURLを知っていれば一定期間アクセスすることが可能だ。
一度写真をアップロードしたら永久に消せないと考えて置いたほうが良い。
その他のWebサービスなどにアップロードされた写真は右クリックから保存出来ないものも多い。
そんな場合でもブラウザーの開発ツールを使えば簡単に元の高画質な画像をダウンロードできてしまう。
ツイートの中にはあなたに近づくための情報がたくさん散りばめられているので注意したい。
あなたが天気をつぶやけばそれだけで暮らしている地域がかなり絞られてくる。
実際にニコニコ生放送の放送中の雷の音、リアクションで都内への引っ越しを特定された人も居る。
写真と情報の時系列をまとめることであなたの住所はほぼ把握される。
ストーカーはあなたに関する些細なキーワードを使い数時間〜数日かけてくまなくGoogle検索結果を洗い出す。
あなたが例えTwitterの鍵アカウントを利用していたとしても
会話の相手が公開アカウントだとその流れからある程度の内容を知ることができる。
もしあなたがInstagramとTwitterで同じIDを利用しているなら今すぐそのどちらかを凍結した方が良い。
他にもあなたのIDでGoogle検索をしてどんなアカウントが出てくるか、自分でも知っておくべきである。
なぜなら感染した場合はPCに関係する全ての情報が漏れているからだ。
ウォッチ対象から次の段階に進んだという事であり、いよいよ本気で身の危険を感じる段階に入ってくる。
なおウイルス感染ルートの殆どは「あなたが外部から入手したソフトを実行した時」である。
ストーカーから見た場合、あなたに不正なソフトを実行させれば勝ちなのだ。
ウイルス感染に関して私がお勧めしたいのは、端末ごとにセキュリティレベルを設定することだ。
長らくPCを触っているとどうしても怪しいサイトやソフトを利用したいと思うことがあるだろう。
以下のような場合はその端末は汚染されていると意識するべきである。
汚染端末では下記の行為は絶対にしないというルールを設定するべきである。
あなたがどこかのサイトにアクセスした場合、その情報が数十の広告サービスに流れると言われている。
それらのサービスはあなたをほぼ完全に特定しどのようなサイトに接続したのかを全て把握しているのだ。
時間がある人は、ネット界隈で有名なコスプレイヤー、ニコ生主など、
Twitterアカウントを持っているユーザーを本気で特定する遊びをしてみると良い。
普段自分がどれだけ甘い情報を流しているのか、逆の目線から見ることが出来ると思う。
はてな王しなもんは二〇一三年の六月に死んだ。その後、ミニマリストの時代になった。物語の舞台はこの時代である。はてなダイアリーにもはてなブログにも長文を読み書きできる者が誰もいなくなった時代。終わりが近づいていた。当時のはてなでは、インターネットの終わりを待ち望む者と待ち望まない者がいた。一方は右翼、他方は左翼。ただし、両者は渾然一体としていた。彼らにも自分たちを見分けることはできなかった。なぜなら、インターネットの終わりは毎日毎秒ごとに訪れるから。それは、日本が滅びる前のことだった。
アナニマスダイアリーと呼ばれる古いサービスがあった。そこに、増田という若い増田がいた。人は彼のことを増田と呼び慣わしていた。「名無し」を意味する古い言葉だと人は言う。彼は美しかった。彼の書いた記事はさして評判を呼ばなかったが、いつも寄り添うように一本のブクマがついていた。Nettouochi は彼を愛していた。
Nettouochi は向かいの家に住んでいた。ブクマで生計を立てていた。気が狂わんばかりに増田を愛していた。朝も昼も晩も、ブラウザから増田を見つめていた。眠れなくなった。
ある晩、ねつけなくてベッドの上で寝返りをうちながら、彼女はひとりつぶやいた。
「休めない。あのひとのことを考えると、おなかがポカポカする。涙がまぶたのまわりにあふれてしまう。痩せこけて、いばらのよう(ずっと働かず増田にはりついているせいだった)。あのひとの名前がたえず気にかかる」
翌朝、彼女は服を着ると、青と白でおおわれたトップページをすっとばし、通りを渡った。そして、ブラウザの縁をたたいた。増田は不機嫌そうに眼をあげた。ネカマ仕事の邪魔をされたからだった。彼女は、あなたを愛しています。あなたの妻になれたらどんなにうれしいでしょう、と言った。さらにこう言い添えた。
「あなたのすべてが好きです。あなたの文字の響きさえ好きです。あなたにとって、自分の文字の響きとはなんでしょう。ただの文字です。でもわたしにとっては、命をかきたてるものなのです。」
増田は脱糞した。女を見た。考えさせてくれと言った。その申し出は光栄だと言った。夕暮れと夜と夜明けの時間をくれないか、よく考えてみるからと言った。
翌朝、正午のホッテントリが更新される前に、増田は Nettouochi の家の戸をたたいた。彼女は招き入れた。増田は彼女のほうを向くと、その手で彼女の手を包みこんだ。おまえの夫になることを考えてみた。ただし、結婚についてひとつ条件があると言った。
「Nettouochi よ、おまえのブクマ速度はアナニマスダイアリーで一番だという。はてなのトップを飾る他の増田記事とおなじように美しいホッテントリを作ることができるだろうか? わたしにはどうしてもできないのだよ」
そう言いながら、増田は腰に巻いていた自作記事を Nettouochi の手に託した。
Nettouochi は記事を手にして、顔を赤らめた。その記事には、増田のからだのぬくもりが残っていたから。彼女はこう答えた。
「やってみます、増田。だってわたし、あなたの奥さんになりたいのですから。きっと満足してもらえると思います」
Nettouochi は何日もぶっつづけで自演した。何日も徹夜した。でもどうしても、まったく3 users 以上を呼べる記事は作れなかった。
連日の徹夜の疲れに、ついに成功しないのではないかという怯えが加わった。情けないブクマカだという悲しみに、約束を守ることができないために増田に見放されるという苦しみが伝わった。
絶望がやってきた。PCの電源をつける意欲が失せた。食事も喉を通らなくなった。彼女はつぶやく。
「わたしは彼を愛している。わたしにはブクマの腕がある。休まず働いている。でもどんなにがんばっても、できない」
彼女はひざまずき、神に祈った。
「ああ偉大なるコーギーよ、助けにきてください。増田の妻になるためには何が足りないのでしょう」
ある晩のこと、Nettouochi が泣いていると、扉をたたく音が聞こえた。彼女はろうそくを手にした。
ウィルスを防ぐために共有ソフトで落としてきたセキュリティソフトに顔を近づけると、見慣れぬヨークシャーテリアの姿が見えた。
Nettouochi はおずおずと扉を開けた。テリアは言った。
「怖がることはない。わたしは夜に迷ったわんこだ。アナニマスダイアリーを覆うゴミ記事の霧をかきわけここまでやってきた。夜に灯るこの家の液晶が見えた。迷惑でなければ、ちょうどいいウォッチネタを少し所望したいのだが」
Nettouochi は客を招き入れた。
「青二才の新作をごらんにいれましょうか」
「いや、kawango と浩光先生のバトルのほうが良い」
テリアはネタをかじった。かじりながら、Nettouochi がこっそり涙をぬぐっているのに気づいた。
「娘よ、泣いているな」
Nettouochi はおっしゃるとおりです、と答えた。
「わたしは増田を愛しています。こんな時間まで働いているのも、増田にホッテントリを作ってあげると約束したからなのです。でも、夜を日に継いで五週間もたったというのに、ちゃんとした記事に改良できないのです。これをごらんになってくださいまし」
テリアはほほえんで言った。
「待て。世間は狭いと言うべきか、偶然は不思議なものだというべきか。たしか、わたしの首にかけてある袋に、それと実によく似た記事が入っているはずだ。」
二人は記事を見比べ、同じ文体、同じ内容で 300 users をこえていることを確認した。同じでない単語は一語もなかった。同じでないダジャレはひとつもなかった。
ところが Nettouochi はにわかに泣き崩れた。そして言った。
「わたしが泣いているのは、自分が貧しいからです。その記事にはすくなくとも三〇〇〇はてなポイント、色付きスター七十個の値打ちがあります。わたしにはとても買い取ることができません。わたしは増田と一生結婚できない。」
テリアは Nettouochi のすぐそばまで寄ってきて、その禿げ上がった頭を舐めた。そしてこう語りかけた。
「おまえが望むなら、ただでそれをやろう。」
「何と交換に?」と Nettouochi はテリアの舌を払って聞き返した。
「どんな約束?」
「お名前はなんと?」
Nettouochi は思わず笑い出した。手をたたいた。そして言った。
「kanose、そんな簡単な名前をどうして忘れることができましょう。からかってらっしゃるんだわ」
「からかってなどいないよ。そんなに笑うのはよしなさい。いいか、一年後の同じ日、真夜中のこの同じ時刻、もしおまえがわたしの id を忘れていたら、おまえはわたしのものになるのだ」
「名前をおぼえてることくらい簡単だわ。でも、あなたをだましたくはありません。わたしは増田を愛してます」
「増田との約束のことはすでに聞いた。だが、わたしと交わした約束のことも忘れてはいけない。わたしの id を忘れてはいけない。記憶がおまえを裏切ったときには、その増田には気の毒だが、おまえはわたしのものになるのだ。」
「おなじことを繰り返しているのはあなたです。わたしはばかではありません。 kanose という名前をおぼえていることは、Nettouochi という id をただしくおぼえているよりむずかしい仕事ではありませんし、自分の id をおぼえていることにログインするとき苦労した記憶もないように思います。一年後、あなたの腕に抱くのは風と後悔だけでないかと心配でなりません。」
「あるいはそういうことになるかもしれない。」 kanose は不思議な笑みを浮かべてこのような言葉を言い放つと、家を出て、また闇のなかへ去っていった。
二人は結婚した。結婚式はトピシュが取り仕切り、オフ会マニア、プログラマー、大学院生、メンヘラ、ネカマなどが列席した。
nettouochi はホッテントリ記事をかかげて、増田の家を訪れた。増田は妻に id とパスワードを教えた。彼女は不要な過去記事を削除した。風呂に入り、髪を上げ、首のところでリボンをまとめ、右手に iphone を持ち、床に横たわり、脚を開き、男を受けいれた。ふたりとも幸せだった。九ヶ月がたった。
九ヶ月目の終わり頃、日課のアナニマスダイアリー巡回をしているとき、Nettouochi の顔がにわかに曇った。
あの夜、彼女のもとを訪れたテリアのことを思い出した。そのとき交わした約束を思い出した。そのテリアの id を思い出そうとしたとたん、ふとその id が頭から逃げ去った。
その id は肛門の縁まで出かかっているのに、彼女はそれを排泄することができないのだった。その id は腸壁にこびりついていて、そこにあると感じているのに、それを蠕動させることも、放屁することも、発音することもできないのだった。
気が動転していた。彼女は室内を歩きまわった。あの夜自分が口にした言葉を繰り返したが、その時の仕草、あのテリアがブクマした記事、その毛並み、その言葉、その言い回しは思い出せても、その id は思い出せないのだった。
彼女は眠りを失った。
悲しみが寝室に忍びこんだ。夜になると彼女は怖がり、夫の記事へのブクマを拒み、背を向けて失った id を探し求めるのだった。
夫は驚いた。
Nettouchi は炎上するようなブコメを残すようになった。炎上しないときは、ブクマすること自体を忘れた。アナニマスダイアリーを巡回しなくなったので、クソみたいなイデオロギー論争であふれるようになり、煙が立った。それほど彼女は失われた id を思い出そうと必至になっていた。
夫は怒った。
彼女は痩せていった。また茨のようになっていた。アナニマスダイアリーに Nettouchi 以外のブコメも一切実らなくなると、ユーザーもいなくなった。すべてが静まりかえった。
夫はいきなり妻をぶった。
「おまえは泣きすぎる。そんなに泣くなら、これからはおまえのことを sabacurry と呼んでやろう。この村に潜む魔の id でおまえを呼んでやろう。まるで一日中泣いてばかりいるおまえとおなじように、一年じゅうわけのわからないブクマをつけてまわっている、その id でおまえを呼んでやろう」
Nettouochi は言った。
「わたしはあなたに嘘をつきました。あのホッテントリ記事はわたしのではありません。わたしにはそれへブクマをあつめることはできませんでした。わたしはずるいことをしました。わたしがどうしても記事を改善できないでいると、あるヨークシャーテリアが扉をたたきました。その人はわたしにホッテントリ記事をくれました。わたしは、一年後にそのテリアの id を忘れてしまったら、彼のものになるという約束をしました。もう九ヶ月以上たちました。id って何でしょう? id をおぼえるより簡単なことってあるでしょうか? 増田ということば、どうしてそれを忘れることがありましょう? あなたの名前、わたしはそれを『退会理由』欄に書いてアカウント削除することでしょう。それなのに、あの名前はどこかに行ってしまった。」
増田は近づいてくると、ホッテントリ記事を放り捨て、妻を抱き寄せた。
「泣くな」と彼は言った。「おまえが好きだ。わたしがその id をみつけてやろう。さもなくば、そのテリアを見つけてやろう」
増田は旅に出た。二時間歩くと、すっかり疲れてわんわんパーク跡地に座った。彼は泣きだした。すでに十ヶ月目のなかばになっていた。不意に彼の前にシロクマが鼻先をつきだした。シロクマは言った。
「なぜ泣いているの?」
「傲岸なテリアを探しているのだよ」
シロクマは言った。
「ついておいで!」
導かれると、そこは大きなお城だった。城の中庭では、従僕たちが大きな黄金のアドオンを磨いていた。
「よろしかったら、どうしてそのアドオンを磨いているのか、わけを教えてもらえませんか。」と増田は聞いた。
「ご主人様がもうじきアナニマスダイアリーへご出立なさるんだ。若いブクマカを探しだして、結婚するのさ」と従僕たちは言った。
「その御方の id は? さぞかしこのアドオンに劣らず立派な id に違いない」
「そうとも。加野瀬末友さまの、kanose さまのアドオンときちゃあね」
増田はみぶるいした。
彼は城を出た。加野瀬の領土を後にした。ちなみに、加野瀬とはニフティサーブのかつての住人たちが地獄(彼の瀬)をさして言った言葉である。
ちなみに地獄とはこの世のあらゆる人間たちがインターネットを指して言う言葉である。
彼はアナニマスダイアリーを目指して走った。彼は kanose という id を繰り返していた。繰り返しながら、頭に刻みこんでいた。懸命にその名を繰り返していた。
アナニマスダイアリーにつくと、店長の記事が迎えたお祭りが行われていた。彼は立ち止まった。その隠し切れない顕示欲が美しいと思った。浮かれ騒ぐブクマカたちに見惚れた。そのとたん、空腹を感じた。
からだを起こし、id を言おうとした。それはすぐ間近、肛門の縁まで出かかっていた。近づいてきたかとおもうと、肛門から逃れ去っていった。だが、それを妻に告げる段になると、その id は完全に奥へ引っ込んだ。
彼は息も絶え絶えに妻に自分のアカウントにログインするよう言った。
「あいつの id をわたしの本アカウントに書いた。それを使うのだ」
彼はしずかに首を振った。
「もういい。人を呪う人生にも飽きた。信じてもいないイデオロギーを信じているふりをし、嫌いでもない id を罵倒するのはもう疲れた。かつて、わたしにも名前があった。本アカがあった。それをおまえのブクマとともに永遠にしてくれ」
そして、増田は床に崩れ落ち、息絶えた。
増田の命が尽きると同時に、深夜の最初のアラームが鳴り、にわかに風が起こってブラウザが勝手に立ち上がり、地獄のテリアが戸口に表れた。
テリアはしっぽをふりながら進み出た。彼は Nettouochi の手を舐めようとした。彼女は手を引っ込め、こう言った。
「なぜわたしの手をお舐めになろうとするのですか」
「わたしの id をおぼえているか、 Nettouochi よ」
「では申せ。わたしの id はなんという?」
Nettouochi は笑みを浮かべて亡き夫のアカウントではてなにログインした。
「kanose、加野瀬末友。地獄の kanose 。それがあなたのお名前です」
すると、テリアは叫び声をあげた。あたりが暗くなった。メイン、サブ両方のPCの電源が落ちた。今、ガリガリと悲鳴をあげてフリーズしかけているわたしのこのPCのように。
そして、闇夜に犬の遠吠えだけが響いた。
Nettouochi が勇気をもってふたたび自分のアカウントでログインすると、テリアはすでに姿を消していた。
Nettouochi は冷たくなった増田に寄り添い、その唇に最期のくちづけをしようとした。
アナニマスダイアリーはいまでもそうであるように、あまりに暗かったので、Nettouochi はブクマを集めて users 表示を紅くし、男の顔のそばにその 10 users を置いてから、おおいかぶせるようにして、静かに横たわっている男にそっとブクマをつけた。
そこまで精神を追い込まれるほどに子供が欲しいというのはどういう気持ちなのか想像がつかない
奥さんもそんな感じでは?そこまで強烈な思いというのどういう感じなのか?なんでそこまで強烈なのか?
例えば俺が「アップルウォッチが欲しい!もう何が何でも絶対欲しい!でも手に入らないから血反吐を吐く思いで諦めるよ。俺の視界にリンゴを置くな。押さえ込んでいる思いが爆発してグチャグチャになりそうだ!」とか言ったとしても、よくわからないじゃん?そこまで言うくらいなら自分もちょっと買ってみたいかも?くらいしか思わないじゃん?
はてなに日記を書くこと自体が久しぶり過ぎてアレで、変なことしてたらご容赦。
結婚前にいろいろと話し合って、一度別れかけた。原因は私は子供が欲しい、相手は子供が欲しくないという点。
毎日深夜3時くらいまで話すのが当たり前だったのに、その喧嘩のあとは3日以上口をきかなかったことをよく覚えている。
子供が欲しいという気持ちと、彼女と暮らしていくことを天秤に―そんなこと天秤にかけたくなかったが―かけて、
悩んだ。
身体にとっても、キャリアにとっても、女性が出産育児を行うことで受けるダメージは男性より大きい・多いというのは
理解していたから、子供よりも彼女と一緒に歩んでいくことの方を選択した。
情けない話だけど、結婚後3年くらいまでは諦めきれない気持ちもあった。
結婚後からゴムは使っていないのだが、膣内射精はしていないし、してみたい・子供が欲しいと頭の中でどれほど思っても
勝手に中だしして結果妊娠しましたというのは卑怯でもあり、納得した自分を裏切る事でもあり、何より伴侶を裏切る事であると
思っていた。
結婚から5年後、妻の姉(以下義姉)に子供ができた。35歳以上なので高齢出産である。
赤子はかわいく、すくすくと育っていった。義姉にあったり義実家にいけばそこに赤子がいて、私にとっても妻にとっても
1年目の育児は夜泣きや慣れない身体の変化でキツいというのは、義姉の体験を聴かされてわかったのだろう、
「私にはとてもむりだ、こんなに大変なら子供なんていらない」
と言っていたのが、いつの間にか
などと言うようになってきた。最初は流していたが、ふとした折にこんなことを聞かされ続けるのはとても苦痛だということに
気が付いた。俺があきらめて蓋をした「子供が欲しい」という気持ちがこじ開けられそうになるのを必死に抑えているのと同時に
じゃあ子供を作ろうつくろうという前向きな気持ちと、両方の全く正反対の気持ちがぐちゃぐちゃと織り交ざるのは耐えられない。
義理の実家は古い家であるため、そろそろ子供はまだなのかと私に遠回しに言ってくる。
冗談じゃない、俺は欲し「かった」んだ。「まだ」じゃねえ、もうお互い35を超えた大人同士がナマでやっただけで着床なんかするか阿呆、
と叫びたい気持ちを押さえながら「やー、種が悪いんだか畑が悪いんだか、なんなんでしょーねー」と愛想笑いをする生活にもう疲れた。
とてもめでたい。我が家の総領息子の誕生だ。奥さん良く頑張った。弟グッジョブ。
我が両親からもあんたたち子供はまだなのと今のところは言われてはいないが…言われるのは確実だろう。
どうしろってんだ俺に。妻は時折やっぱり子供いらないと言ってみたり子供が欲しいような言動を言ってみたり決定的なことは
何も言わない。
どうしろってんだ…
※ 20150617 1718
大事なところが間違ってたので修正。俺だの私だのと一人称がぶれてて申し訳ないけど敢えて修正しません。
※ 20150617 1730
コメント(というか、トラックバック)にコメントってできないのかな。
> なんか最近子供欲しそうにみえるけどそうなの?って聞いてみたら
コメントありがとう。聞いてものらくらなんだけど、それを許してうやむやにしてるのは私の方か。
ちょっと話してみる。
子供が欲しいという根源的理由はわからない。もしかしたら単に中だしという未知の体験をしたいだけかもしれないし
他の人の赤ん坊を見てかわいいというのもあるかもしれないし、自分が育て上げてみたいというのもあるかもしれない。
もともと子供は好きで、中高時代は子供向けのボランティアとかやってたような人でした、私。
> 「アップルウォッチが欲しい!もう何が何でも絶対欲しい!でも手に入らないから血反吐を吐く思いで諦めるよ。
たとえばアップルウォッチでたとえれば、最初のロットにプレミアがついてものすごい価値になったとしますよね。
あの時買えたのに買えなかった…ちきしょう… みたいな感じですかね。
ちょっと違うかな。
アップルウォッチは(ハードやOSの変遷はあるにせよ)いつでも買えて変わらないモノですが、私も妻も35歳以上となり、
生殖能力も、元気な子供が生まれてくる確率も子育てをする体力もがっくり落ちています。いつでも作れるものではないです。
どうせつくるんだったらなんで若くて元気でリスクのないうちに作ればよかったじゃないか。同僚や幼馴染や後輩や
弟妹たちの子供がみんな可愛くて、明るい家庭を築いていてうらやましいなあ、でも俺はそういう生活はもう作れないんだなあ
と言う暗い感情も一緒にたまっていたのかもしれませんね。圧がかかって爆発寸前、と言うところかもしれません。
※ 201506191129
読んでくれた方、トラックバックコメントくれた方、どうもありがとう。
嫁ときっちり話をしてみました。おそらくもう誰も読んでないと思うけれど報告しておきます。
・ 結婚後(正しくは結婚の数か月前からなんだけど)特に避妊らしきことをしていないことについて
変な話、これでできたらできたであきらめるっていう気持ちだった、膣内に出さなきゃ大丈夫とは思っていないし、
自分でもいっそ出来ちゃえば踏ん切りがつくのかなと思っていたとのことです。
私としては「え、そんな感じでできちゃっていいのかよ…」というのが正直な気持ちで、そのことも伝えたところ、
作るか!っていうほど積極的な気分ではないからなんかこう…(原文ママ)とのこと。
・ 嫁は子供が欲しいのか
わからない、とのことでした。誰かがコメントしてくれていたように、周りの子供や家庭をみて私もそういうのいいなあと
思うようになってきたんだけど、じゃあ、本当に子どもが欲しいのかと考えるとデメリット等々考えると欲しくない…ような
それでも欲しいような。正直、わからない、と。
欲しい3割欲しくない7割というのが正直なところです。昔は欲しい10割だったのだけど。欲しい気持ちに蓋をして、それを
押さえつけるためにいろいろな知恵を付けてしまったので、もう今更…、本当に「今更」いいかなあという気がしています。
私が父親になる・なれる機会はもう得られない気がするし、それならそれでともう何回も何十回も何百回もあきらめたので
・ 今後どうするか
ここは…二人で黙ってしまって、結局結論は出ず。子供が欲しい、産んでくれる人産ませてくれる人と再婚するという年でも
ないし、そんな情熱を持つほどではないという宙ぶらりんな状態は結局変わりませんでした。今すぐ決めなければいけないくらい
(肉体的)時間に余裕はないけれど、急いでも後悔するだろうから今年中に結論だそうということで決着しました。
・ 話し合ってみて
どんなことでもよく話す夫婦なんだけれど、この点についてだけは明確に話してきませんでした。
嫁がのらくら逃げる的なことを書きましたが、嫁からしてみれば増田も同じように見えていたということについては率直に
謝りました。
まだまだ夫婦として未熟なのかもしれませんね。今回、いろいろばーっと書いてみて、コメント等に背中を押されて
話をしてみてよかったです。ありがとう。
※201702111200
40になりました。子供を作るにはもう適さない(この基準は私の中でだけだけど)年齢に達してしまったので、
もうあきらめざるを得ないし、誕生日にその話もしました。結局私は、子供を作れなかったんだなあ…となにか
種として男として終わってしまった気がする反面、もうこの話で悩むこともないし、むしろ老後の生活設計を
しっかり考えにゃならんという前向きな気持ちにもなっている気がします。
どうしたらよかったのか。いまとなってはよくわかりません。
自分でもどうしてそういう気持ちになったのかはわかりませんし、あえて分析はしませんが、精子の検査を
受けようかなと思っています。そもそも種に問題があったのなら、最初から煩悶すべき問題ではなかったという
だけの話ですし。いっそ問題があってほしい。もともとそういう能力が付与されていなかったのなら、こちらが
悪いと大手を振れる。
とはいえ、生殖能力に問題が無いと判断されてしまったらもうなんかいろいろ終わる気もしている。
よって、検査予約の電話を入れたもののドタキャンしてしまって、ふと思い出してこれを書いている。
どうしたらよかったのだろうか。どうすべきなのだろうか。
あぶく銭がはいった。
しかも俺は前回の旅行はウソ結婚式でスルーしたため、月給くらいの額がぽーんと入ってきたのだ。
金があったら行きたいトコ、したい事、食いたい物、けっこうあった。
風俗経験すらなかったし、ここ数年二次元でしか抜いていない俺。
数多の風俗失敗談を見て尻込みしていたが、どうやら風俗エステはこっちが何もしなくても勝手に事を進めてくれるらしい。
いつも行くゲーセンでDIVAやったあと、コンビニで酒買ってひっかけてから店にでんわ。
すでにサイトをチェックしつくし、時間も把握。何ら問題ない状態でトライだ。
男性店員が出たので、待ち時間を聞くとすぐに大丈夫とのこと。やったぜ。
いそいそと待ち合わせ場所に赴く。
あー、ここか。
風俗の待ち合わせスポットという場所はわかりやすいもんなんだな。
普通のサラリーマンや家族が行き交う交差点の端々に、やけに綺麗な服と派手な化粧をした女が俯いてスマホをいじっている光景を目にする。
意識してみるとあっちにもこっちにも。
なんだか、妖怪が見えるウォッチ的なのを手に入れた気分。異界の住人が、人知れず闊歩しているんだな。
ボケーッとそんな事を考えながら待っていると、妖怪ではなく普通に可愛くてぽっちゃり目の一重の女の子がこっちに来た。
サイトで見るよりなんかメンヘラというか影のある表情をしている。
あ、ども…みたいなドモッた会釈をしたら、そそくさとホテルへ案内されることに。
当たり前のように腕組みをして密着してくる女の子にさっそくビビル。
女慣れしてない人でもこれは緊張するでしょ・・・
だって周りの目が。 心なしか冷たく・・・知り合いなんていないだろうけど。ううん早く次の角を曲がりたい。
手慣れた動きで部屋を確保するセラピストさん。一ミリも楽しそうではない。まあ仕事だし…
世間話でもするんだろうけど、緊張した俺はなにも会話をふれず。
エレベーターの移動中も黙ったままでとても居心地が悪かった。
殺風景な部屋に入ると、これも慣れたような感じで女の子がお店に電話。
お金をせっせとお支払いすることに。
なるほど先払い。当たり前かぁ。
仕切りなおしとばかりに、シャワーを浴びましょうとセラピストさんが服を脱がせようとしてくる。
ムレたマタの匂いが・・・とか考えてたらスルスルと子供のように服は脱げていく。
ああ^~
後編またあとでかきます。続きは今度。
いちおう、お店はココでした
ホワイトカラーの仕事柄か、社会人数年目までは、会話や議論がまったく成り立たない、
という人にはあまり出会ったことがなかった。その1点のみで自分のキャリアパスに自信を
持っていたが、今考えればラッキーだったと思う。
年次があがり様々な人と接するようになって見えてきたが、リーダーを負かされていても
認識力や理解力が異常に低かったり、幼稚な性格のまま大人になった人が1顧客のメイン担当
だったりということがざらだった。だから世の中はストレスフルだったわけだ。
はっきり言って「頭の弱い人」に仕切られるのなんてたまったもんじゃない。
世の中そういう人たちにイライラすることは日常茶飯事だ。そんな時、つい耐え切れ
なくなって私がやってしまうのが「煽り」。普段から、やまもといちろう氏をTwitterで
ウォッチしている自分としては、その鮮やかな煽りを見るにつけ「いつかやってみたい」
「相手を混乱させてみたい」と思ってやまない。そんな気持ちをぶつける相手として
そんな "頭の弱い人" は格好の相手となる。
"頭の弱い人" は物事をちゃんと認識することが苦手なので、ちょっとした勘違いに
軽くふれてあげるだけであっという間に怒り心頭。やまもといちろう氏の口調を真似すれば
とはいえ、"頭の悪い人" は煽られている状態も認識できないらしく、意味不明のロジックで
反論してくる。理解できない絡み方をされると超面倒くさいし、周りから心配されるのも嫌になる。
煽ったはいいが、煽られた奴の後始末なんて反吐が出る。「ちゃんと文章読めやクソ」なんて
思っても後の祭り。イライラは結局自分に戻ってきてしまうのだ。
そんな訳で "頭の悪い人" は調子に乗らせず、かといって怒らせもせず、クールに最低限の
自分の情報は一切明かすことなく、他人の不幸を楽しみたいという人に自慢できない趣味。
なにがいーたいかっつーと私怨大杉。ネトゲの私怨とか、他人が公開した反社会的行動とかどーでもいいわ。
SNSとか出てくる前のウォッチャーって、もっとひっそりとしててあんま拡散とかってしてなかったと思うんだ。
それ見てるほうも嘲笑半分、なにやってんだろー自分の自虐半分的な。
今みたいにリアルにかかわるのって少なかった印象。
自分が見たいのはあれなんよ。痛いやつが醸すあの独特の文章、またそれに群がる取り巻きの擁護の嵐、
それにより僕はここにいてもいいんだ!的に勘違いしてしまった対象者が繰り返す自己憐憫にあふれる行動の数々。
一般人がまずやらないであろう行動を起こし、それに対する反発をうけても自分は正しいと信じて貫き通す続ける対象者。
そーゆーのがみたいんよ。
なんか総ウォッチャー時代みたいな感じでみんなが個人情報公開するようになって、ウォッチ対象が増えるのはいんだけど、
その割には昔みたいにすっごい濃いのって見なくなった気がする。
でも正直、古式は少し引いた。
ヤリスギ的な。
Apple Watchを使っている奴が馬鹿なのではなくて、Apple Watchを使っているユーザーの中にいるとある馬鹿に煽られたので書く。
俺は機械式時計を昔から使っているが、その馬鹿が「腕時計なんて携帯があればいらないだろ」と一方的に突っかかってきていて鬱陶しかった。
携帯を見れば問題ないと思っている人にとって腕時計は必要ないものだ。そしてそういう人はたくさんいるだろうし、彼がそう思うのは全く否定しない。
そいつが馬鹿なのは、その主張にもかかわらずApple Watchを買い、お世辞にも使いやすいとはいえないインターフェースで、メールとかの通知を必死に読もうとしていることだ。
諦めて携帯出せよw
その馬鹿のことはともかく、Apple Watchのおかげで機械式腕時計も注目度が上がってきて嬉しい限りだ。
せっかくここまで読んでくれた人に、俺の「主観的な」機械式腕時計の良い所と悪い所を挙げてみたいと思う。
機械式腕時計は電池がいらない。充電もいらない。ゼンマイを巻けばすぐに時計が動き出す。これが一番大きなポイントだ。
久々にクオーツ時計を使おうとしたときに、電池がなくて使えなかった経験をした人は多いのではないだろうか。
USB充電式の時計だと、充電忘れなんて日常茶飯事だ。携帯ですらたまに忘れるのに、さらに充電が必要なアイテムを増やすのは辛い。残り容量を気にして生活するのも辛い。
機械式だと、リューズと呼ばれる横のゼンマイをチャチャっと巻くだけですぐに動き出す。
自動巻きの機械式腕時計ならば、腕につけているだけで自動的にゼンマイを巻いてくれるので、腕に着けている限り巻き直す必要もない。
すぐに動き出さないという難点はあるが、ソーラー時計も似たような特性があるので、毎日ゼンマイを巻くのが面倒な人は、自動巻きかソーラー式が良いだろう。
自分はメインでは手巻きの機械式時計を使っていて、それをつけている時は夜寝る前に巻いてから寝ている。USBよりはよほど楽だし、一日の最後に時計を巻くのは楽しい。
機械式時計は時間が狂う。超精密な時計であっても、月に15秒くらいは狂う。
クォーツ時計もその程度は狂うのだが、携帯電話や電波時計などはいつも正確な時間を指すので、それらに比べると明らかに時間が狂う。
機械式時計には「トゥールビヨン」と呼ばれる、重力の影響を可能な限りキャンセルして時間を狂わせなくしようとする機構もあるが、それでも機械式である以上狂う。
なので機械式時計を使う以上、時刻を合わせる必要がある。自分の時計は1ヶ月で1分ほど狂うので、1ヶ月に1回くらい合わせているが、この頻度をどう判断するかは人それぞれだ。
特に、ラッシュアワーとかの乗り換えで秒単位を認識しながら行動している人にとっては、電波時計やスマートウォッチ(Google WearやApple Watch)を使ったほうがいいだろう。
機械式時計にSiriはついていないが、それでも日頃必要になる機能は大体ついている。
一番よくあるのがデイト、すなわち今日が何日かを表示する機能だ。外回りとかで入館証明を書かされたりするとき、デイトがあると便利である。
高価なのになると永久カレンダーと言って、30日31日の判定はおろか閏年までしっかり対応してくれる。安いやつは月初に自分で合わせることになる。
次に、好きな人が多いクロノグラフ。乱暴に言うとストップウォッチ内蔵腕時計だ。これは機能よりも見た目の格好良さで好まれることが多い。
ワールドタイマーは、海外とのやりとりの多い人には便利だろう。時差のある国の時間も同時にわかる機構だ。2国だけの場合もあれば、複数の国の時間が一気にわかることもある。
自分は仕事で日本以外に海外二拠点とやりとりが必要なことがあり、その時にはワールドタイマーの腕時計を着けているが、大変重宝している。多分スマートウォッチより見やすいと思う。
ミニッツ・リピーターという、時代遅れの機能も人気だ。光が一切ない夜に時間を知りたくなったことを想定して、今が何時何分か音で知らせる機構である。
今のご時世、電気のつかない暗闇なんてものはそう滅多にないので実用性はほとんどないが、ゼンマイ式なのに音を出せるその複雑な機構のファンは大変多い。
これらの機能はみな電池式の時計でも可能なものばかりだが、機械式のメリットを享受したままこれらの機能が使えるのが嬉しい。
機械式時計ならでは機能もある。ドレスウォッチは薄型がフォーマルだが、機械式だと電池の厚さ以上に薄いフォーマルな時計もある。(充電型だともっと薄いものもあるにはあるが)
スケルトンの時計も電池だと格好わるいだろう。ミステリークロックの腕時計版、ミステリーウォッチなんてものは、スマートウォッチでは到底実現出来ないだろう。
こういった機能はもう自己満足の世界かもしれないが、電気を使わずカラクリだけでこういった機能が実現出来るのに魅力を感じる人は多い。
実際の所、今まで挙げてきた色々な機能は、ソーラー式の電波時計を買えば大体まかなえる。
ソーラー式の電波時計は、充電の必要もなく、常に正しい時刻を刻んでくれる。そして機械式時計に比べればまだ安い値段で買える、大変良い選択肢である。自分も1本持っている。
それに比べて、機械式時計は高い。ちょっとしたものでもノートパソコンくらいするし、50万円くらいの時計もたくさんある。数百万から1000万円超えも高級時計のラインナップに普通に並ぶ。
機械式時計は大体3年に1回オーバーホールに出す必要があり、そこで費用がさらに発生することもある。色々と高くつくのだ。
一方、機械式時計の価格の大きなメリットの一つとして、価値が落ちないというものがある。ノートパソコンは10年も経ったら間違いなくゴミだが、高級な機械式時計は50年くらいは余裕で動作する。
結婚生活でずっと身につけて欲しいという思いから結納返しの定番商品であるし、親から子供に自分の使っていた時計をプレゼントするのも機械式時計ならよくある話だ。
生活を一緒に歩む、気持ちを込めた道具としての腕時計、という側面は、機械式時計ならではのものだと思っている。
これを読んで、機械式時計もちょっといいな、と思う人が出てくれたら嬉しい。ソーラー電波がいいなと思ってくれても嬉しい。やっぱりApple Watchいいじゃん、でも結構嬉しい。