はてなキーワード: 国防軍とは
若い世代の方にとって、今回の参院選ではどういうことが話題になったでしょうか。「ブラック企業」と名指しで批判されることも多い、ワタミの渡邊美樹候補を自民党が擁立したことでしょうか(ここではワタミが実際に「ブラック企業」であるかどうかは問いません)。
「ブラック企業」と呼ばれる企業は、労働基準法の抜け道をつかい、若い労働者を長時間働かせます。もちろん、低賃金で、です。そのような扱いを受けた労働者のなかには、体調を崩し、「うつ病」に近い状態になり働けなくなってしまう人もいれば、自殺をしてしまう人もいます。「ブラック企業」は、どうしてそんなひどいことをするのでしょうか。
「ブラック企業」の経営者は、国内や国際の市場における競争に勝つためには、経営努力が必要であるといいます。つまり、売上を増やし、売上をつくりだすために必要なコストを最大限に下げるのです。際限なくコストを下げようとするとき、まっさきに削られるコストは人件費、つまり労働者の賃金です。
そんなひどい低賃金で長時間労働をさせられるのなら、退職すればいいじゃないか、もっといい会社に転職すればいいじゃないか、そうすれば「ブラック企業」などなくなってしまう、と考える方もいるかもしれません。
しかし、現代の就職難の状況では、生活していくためのお金を稼ぐために、厳しい労働環境の職場を選択しなければならない人々がたくさんいます。誰かが退職しても、いくらでも新しい労働者が「ブラック企業」に供給されるからこそ、「ブラック企業」のようなやり方を続けていくことができるのです。「ブラック企業」は、「お前がやめても代わりはいくらでもいるぞ」と労働者を恫喝します。だから、労働者は労働環境を改善するような声を挙げることが非常に難しくなってしまいます。
つまり、「ブラック企業」で働く労働者には、企業の言いなりになって奴隷のように働くか、退職して厳しい求職活動を行っていくかの2択がつきつけられるのです。背に腹は代えられません。いくら低賃金でも、お金がなければ日々を生きていくことはできません。その結果、労働者は自分の自由を犠牲にしてでも、ブラックな労働環境で働きつづけることを余儀なくされます。
さて、一部から「ブラック」と呼ばれる渡邊美樹候補は、こんなことを言っています。つぎの演説をみてください。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/90354
この演説のなかで彼はこう言っています。
「日本のこの国を立て直すとしたらですよ。確かに社会保障費、そう動かせないお金もあります。しかし半分にしたらですよ。この国、立ち直るんですよ!」
国には、たしかに「経営」としての側面があります。その点では、国の運営にかかるコストを少なくすることが大事でしょう。
ワタミの渡邊美樹候補は、会社の経営を合理化するように、社会保障費を縮小し、国の経営を合理化したい、と言っているのです。
「社会保障費」は、働けなくなった人、病気をした人、高齢者などの生活を支えるための重要な費用です。すこし前に、生活保護の不正受給が問題になりましたが、実際のところ、生活保護の不正受給というのは、全体のわずか1.8%にすぎません(2010年のデータ)。もちろん不正受給は許されるものではありませんが、専門家は、生活保護に関してはむしろ、本当に生活保護を必要な人に支給できていないことが問題だと指摘しています。つまり、実際には生活保護が必要なのに、生活保護が支給されていないケースが非常に多いのです。
このように考えると、渡邊美樹候補の主張に疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
だから、ワタミの渡邊美樹候補を批判しつつ、彼を擁立した自民党を支持するという意見を聞くことがあります。
国の経営を合理化し、国際競争に勝つために労働基準法そっちのけで労働者を使い捨てるいわゆる「ブラック企業」の精神は、現在景気を回復させはじめた経済政策(アベノミクス)を武器に、さまざまな労働改革を行い、社会保障を引き下げ、生活することすら困難な日本に住むマイノリティを排除しようとする自民党の精神と同じであるように私には思えます。
いわゆる「残業代ゼロ法案」であるホワイトカラーエグゼンプションを推進したり、企業が労働者を解雇しやすくする解雇規制緩和を推し進めようとしているのは、自民党です。安倍首相は、アベノミクスによって60万人の雇用をつくりだしたと主張しています。しかし、実際に増えたのは非正規雇用が116万人であり、正社員は47万人減少しているのです。国の経営合理化によって、今後も不安定な非正規雇用を強いられる傾向は、今後どんどん高まっていくのではないでしょうか。
そのほかにも、自民党は憲法を改正し、立憲主義の原則を取り壊し、これまで保障されてきた基本的人権を縮減し、自衛隊を「国防軍」として位置づけることによって、日本が軍事力を明確にもつことができるようにしようとしており、その点でも多方面から批判されています。
しかし、それでもなお、自民党の経済政策に期待する声があります。
そういう人は、おそらく次のように考えているのではないでしょうか?
―― 「国際競争のなかで日本が負けてしまったら、大変だ。うちの会社がつぶれると、自分も食えなくなる。だから、自民党の多少の欠点には目をつぶって、日本をうまく経営してもらいたい。それが結局のところ、自分の利益にもつながるのだ」、と。
しかし、この考えは、「うちの会社はブラックだけど、自分がサビ残してでも何とかしないと、自分の職がなくなるから困る。食えないのは困るから、ここで働くしかない」という、「ブラック企業」で働くことを余儀なくされている労働者の考えとまったく同じです。
「ブラック企業」やそれに近い労働環境で働く人たちは、自分のことを「社畜」などと呼んで、ブラックな労働環境をネタ化して、無害化することがあります。ならば、「ブラック企業」と類似した考えによって行われる経済・福祉政策を肯定する人たちは、自分のことを「国畜」と呼ぶのでしょうか。
「社畜」「国畜」などとネタ化すると、本質が見えなくなります。それは、たんに「奴隷」なのです。賃金がなければ、お金がなければ生きていけないから、基本的人権は制限されてもしょうがないし、社会保障はどれだけ削られてもしょうがない、という考えは、お金という鎖につながれた奴隷以外のなにものでもありません。
無理やりの原発再稼働、ブラック企業の正当化、国防軍が必要だという声。これらに共通するのは、恫喝でものごとを動かそうとすることです。権力者はつねに次のように言います。「原発を動かさないと経済がダメになるぞ! 労働基準法など守っていては国際競争に負けてしまうぞ! 中国韓国に侵略されるぞ! 」、と。
このように、危機に乗じて威圧的な論理をつかい、政治を動かそうとすることを、ナオミ・クラインは「ショック・ドクトリン」と呼んで批判しました。
もっと簡単にいえば、それは「(現在の危機に対して)いつやるの? いまでしょ! いまやらなければ、さもないとひどいことになるぞ!」という論理です。
こういう論法は非常に威勢のいいものです。たしかに、いますぐ何かをやって、変えてくれそうな気がします。しかし、その一方で、「いま」の危機がどういうものであるのか、という点は覆い隠されてしまいます。たとえ国際競争に負けるからといって、過労死者をだすような労働環境が正当化されるでしょうか。たとえ経済がダメになるからといって、活断層の上にある原発を動かしていいものでしょうか。
その意味で、例の「いつやるの? いまでしょ!」の人は時代の申し子というか、およそ考えうる最高の(最悪の)タイミングで出てきたわけです。
少しうがった見方をすると、ワタミの渡邊美樹候補というのは、今回の参議院選挙における自民党支持のための逆説的装置なのではないでしょうか。
つまり、こういうことです。――世の中では、自民党の勢力が強いらしい。かといってその流れに単に乗るだけでは自分は「自由」ではない。しかし、ワタミの渡邊美樹候補を批判することができる私は「自由」であり、自分で「主体的に」政治についての情報を得ている。だから私は政治を「知っている」。 このように考えることができるというわけです。
要するに、「ブラック企業」といわれるワタミの情報をインターネット等から得て、それを批判することによって溜飲を下げ、安心して「自由な主体」として自民党を支持できるというわけです――「私は自民党にどっぷり浸かっているわけではない、批判もしている。それゆえ私が自民党を支持することは自由の証である」、と 。
この参議院選挙のあと、自民党は憲法改正にむけて大きく舵を取ります。彼らの改正案は、どういうものでしょうか。
その一番の特徴は、基本的人権を守ろうとする姿勢が大きく後退していることです。たとえば、自民党の改憲案では、表現や集会や言論の自由は、たしかに保障されています。しかし、この自由は「公益及び公の秩序を害することを目的」とする場合には、保障されません。この規定によって、たとえば今の政府についての批判を行うことが「公益及び公の秩序を害する」と権力者が判断すれば、そのような批判は制限されてしまいます。政府を批判することすらできなくなってしまう可能性があるのです。
もちろん、批判する必要のないほど完璧な政府であればいいでしょう。しかし、日本に生きる全員にとって「完璧な政府」などというものが、はたしてありうるでしょうか。
それでも、景気の回復だけを理由に、自民党を支持することができるでしょうか?
ある男が暴漢に拳銃をつきつけられ、「自由か死か!」と問われます。ふつう、死にたくはないですから、「自由」を選びます。しかし、「自由か死か!」という二択を迫られたときに「自由」を選んでしまうことは、その選択を暴漢から強制されることにほかなりません。ならば、その男は、自分が自由であることを示すためには、「死」を選び、自由を放棄するしかありません。こういう逆説がいま、現実に起こっているのです。
経済政策を武器に、私たちの自由を奪うような憲法改正を行うとする自民党を支持することは、自分が自由をもっていることを示すために、表現の自由も思想・信条の自由も、さらには基本的人権すら売り渡すことに他ならないのです。
実際に、いままさに私たちの「表現の自由」が制限されはじめつつあります。興味のある方は、次の記事をしっかりと読んでおきましょう。
http://kiikochan.blog136.fc2.com/?no=3113
世界の歴史の至るところで、私たちは私たちの「自由」を獲得するために、数多くの努力を行ってきました。その結果が、現行の憲法の「思想及び良心の自由(第19条)、表現の自由(第21条)、学問の自由(第23条)」です。こういった自由は、おそらく、あっさりと奪われてしまいます。そして、こういった自由をふたたび取り戻そうとするときには、数多くの血が流れることは間違いありません。そのことは、歴史が証明しています。
すでに長くなってしまいました。
ここまで読んできてくれた方のなかには、「いや、そうは言っても外交問題などは、自民党以外にはまかせておけない」と言う方がいるかもしれません。
ところで、今の若い世代の方のインターネット上の発言をみていると、少なからぬ方が、いわゆる「2chまとめサイト」(「痛いニュース」「保守速報」「アルファルファモザイク」など)のURLをSNSに貼り付け、それを情報源として政治について語っていることがよくあります。中国や韓国、北朝鮮といった東アジアの外交問題に関しては、とくにその傾向が強いように感じます。
しかし、そのような「2chまとめサイト」を情報源として利用することは、とても恥ずかしいことだと私は思います。
なぜなら、いわゆる「2chまとめサイト」は、その名の通り「2chで話題になったことをまとめた」ものではないからです。
この点について興味のある方は、次のURLを参照してください。
http://anond.hatelabo.jp/20130705113110
若い世代の多くの方が、「2chまとめサイト」をTVや週刊誌などのマスコミから伝えられる情報とはちがった「自分で手に入れた真実の情報」として受け取っています。しかし、「2chまとめサイト」は、その話題を提供するプロセスから、その記事作成に至るまで、実はごく少数の人物によって管理されているのです。
多くの「2chまとめサイト」は、嫌韓や民族差別ネタを娯楽のようにパッケージ化して私たちに提供しています。本当に愚かなことですが、「差別」はもっとも簡単に娯楽になるのです。差別を娯楽として提供することが一番PVを稼げるから、結果として思想的な偏向を生み出しているわけですね。
しかし、その娯楽を享受し、そのURLを嬉々として貼り、情報/娯楽として消費する行為は、まるで、いとも簡単に餌につられ、その餌に群がる昆虫のようではないでしょうか?
少し、個人的な話をさせてください。
私はたぶん2chとの出会いは早かったほう(たしか2000年)だと思います。
2chを最初に見たとき、歯に衣着せぬ酷い書き込みの嵐に、「あ、これが筒井康隆が言っていた「ブラックユーモアは厳しい自己認識の手段である」ということなんだな」と思いました。そのことをよく覚えています。
作家・筒井康隆の作品には、さまざまな差別ネタや障害ネタが登場します。そのため、筒井は「2ch以前から一人で2chみたいなことをやっていた人」のように言われることがあります。
しかし、彼の作中での差別や障害ネタは「差別を見て笑って/楽しんでしまう私のおぞましさ」を発見するための装置なのである、と筒井は語っている。私たちは、いくら「差別はいけない」と思っていても、実際に差別を目にしてしまったときに、笑ってしまう、その差別を楽しんでしまうことがあります。そういう「私」のおぞましさを発見させてくれるのが、「厳しい自己認識の手段としてのブラックユーモア」だということです。
文学的価値としてはパロディよりもブラックユーモアのほうが高いとされている。なにしろ ブラックユーモアは16世紀のイギリスで発生してこのかた5世紀というスウィフト以来の伝 統を持っていて、それはすなわち死体をもてあそび、宗教を冒涜し、病人をいたぶり、糞尿を 好み、身障者を笑いものにし、極端な人種差別をするというものであることはご存知のとおり である。それはまさに人間が、人間であることによって否応なしにもたされた醜さをすべて暴 き立てられ、鏡のごとく自分の醜さに対面させられ、叫ぼうがわめこうがどうしようが、それ を自らの笑いによって証明させられて認識せざるを得ないという、いわば厳しい自己認識手段 なのである。この伝統を守り、20世紀の日本などという建前社会において消滅させたりして はならないと孤軍奮闘してきたつもりであったが、今や世の底流はほうっておいてもブラック ユーモアを指向しはじめた。「偉い人」だの「尊敬すべき人」だのといった言葉が出てきた限 りは、以後そういうことを言い出した人自身が自分の醜悪さの中にまみれてもらわねばならな い。どうやらまた何かしら倫理を作ろうとする連中がちらほらしはじめている。人間が人間の 倫理など作れるほどの偉いものなのかどうか、自分の魂の地獄へサイコダイバーとなっており ていってもらい、じっくり見てもらおうではないか。もちろんおれも一緒だ。安吾先生ではな いが、堕ちるところまで堕ちた人でないと倫理の何たるかすらわからない。
(『笑犬樓よりの眺望』http://sound.jp/kita-g/black.htm より引用)
初期の2chには、おそらく「厳しい自己認識の手段」としてのブラックユーモアがあったように思います。しかし、現代の「2chまとめサイト」は、その差別やブラックユーモアを単に娯楽として消費されるようにパッケージ化しています。
こういったサイトの「情報」をもとに、政治の話をするのは、もうやめにしませんか?
最後に、映画監督の想田和弘さんと、哲学者の木田元さんが今回の参院選について語った言葉を引用しておきます。
「僕は別に自民党に恨みがあるわけじゃないんだけどいまだに原発進めたり海外に売ったりTPPを公約違反を犯してだまし討ちで進めたりトンデモ改憲案を出したり軍法会議を検討したり生活保護切り崩したりワタミの会長公認したりとあまりに最近ブラック過ぎて絶対投票するのはやめて欲しいと言いたい。 」
「時代には勢いがあります。今ならば、ちょっと右寄りの方がかっこいいとか、そろそろ憲法改正が必要だとか、昔日の日本の威光を取り戻そうとか、そういう動きですね。それらに安易に同調したり、勝ち馬に乗ろうとしたりすると、とんでもないことが待っているかもしれない。… 戦前、日本の孤立を決定づけた国際連盟からの脱退に国民は拍手喝采しました。その愚を繰り返さないように立ち止まって考え、『勢い』をチェックして、場合によっては抑えることが必要でしょうね。賢さと言い換えてもいい」
いろいろ騒がれてるけど一番悪質なのがこのブログでしょうか
velvetmorning blog: 自民党の石破幹事長が、「戦争に行かない人は、死刑にする」と発言(東京新聞)
http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2013/07/16/6904448
タイトルからしてさも東京新聞が件のタイトルで記事を書いたかのようにミスリードしてますね。
東京新聞:平和憲法に真っ向背反 石破幹事長の「軍法会議設置」発言:特報(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013071602000128.html
velvetmorning blog、タイトルから内容も前提無視/拡大解釈が続く記事なのですが
知人などがこれを元に番組での発言を確認もせずに騒いでいる事に苛立ちを覚えたので
動画の開始から05:10くらいまでの要点となる部分を仕事サボって書き起こしてみました。
長い説明なので、石破茂本人の見解を述べているのか、権力を行使する側の発言を例えているのか
また「死刑にされる」とされている(死刑にすると言っているのは件のブログ主や反射的に騒いでいる人)
自衛隊員や国民の発言を例えているのか、発言主があいまいな部分については少し補足してみました。
自分は脱原発は強く勧めるべきだと考えているけど、未だにどの党に投票するか迷っていて
自民党信者でも石破信者でもないが、安倍首相が自身の見解に合わない主張をする人や
原発推進やTPPの方針に反対する人を「左翼」と決め付けて攻撃している様を見て
また一方この件について「言った」と決め付けて思考停止している人も
本質的には安倍首相のそれとなんら変わらないと思って軽蔑しています。
「戦争が起こってしまった場合、誰がその責任を持ち、判断し、問題を解決できるのか」
「それを明確にする為の法改正」についてであって
問うべきはその事の是非についてであり、「言った言わない」ではない。
なし崩し的に原発推進やTPPが推し進められ自民党に対して苛立つ気持ちは自分にもありますが
こんな言葉尻をとった記事に踊らされていないで、まず自分で想像力を働かせて
考えて判断してほしいと思います。自民党を攻めるポイントはここじゃないはず。
前置きが長くなりましたが動画と書き起こしです。
できればPART1から全部見て判断してみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=m2BXY8684cg
「石破幹事長 憲法改正について語る PART3 」書き起こし 05:10まで
[石破]
(自衛隊について)国の独立を守る組織が、国家の基本法に書いていないというのはどういうことなのですか、ということがまずございます。
で、そして書いていないから、九条は決して自衛の為の組織を保有する事を禁じたものではない、なぞという裏読みをしてですね、ずっと答弁をしてきているわけですよ。
強く解釈をやっているわけですよ。じゃあこのそ(ちょい噛み)、なんで、国の独立を守る組織が憲法に書いてありませんか、そしてその組織は誰が指揮するのですか、
というようなその議論に対して、あるいは自衛権の行使についてもっとも国家の基本的な物事の定めが憲法のどこを探してもないと言うのは一体どういうことなのですか、
で、「いいでしょ今あるんだから、合憲なんだし(自衛隊について言及しているものと思われる)」と言う方がおられるけれど、それって国家のあり方としてどうなんですかね。
[コメンテーター?]
具体的に軍になった場合ですね、この組織の編成とか運用とか装備ですね、それは具体的にどう変わっていくのかとお考えですかね
[石破]
それは軍になったかならないかで変わるものではございません。それはそういうものではない。
ですから今の自衛隊法にも、「自衛隊は国の独立と平和を守る」という風にきちんと定められておりますので、
憲法で義務となったからといって自衛隊の装備が変わるものではありませんが、ありませんが、あのー憲法のほかの条項にですね、
あのー軍事裁判所的なものを創設するという規定がございます。自衛隊が軍でない何よりの証拠は、軍法裁判所がない事であるという説があって、うーん、それはですね、
今の自衛隊員の方々が、「私はそんな命令はききたくないのであります」、「私は今日を限りに自衛隊を辞めるのであります」、いわれたら
「あーそうですか」(権力を持つ側がそれなら上等だ、覚悟しておけという意味?)という話になるのですよ。
「私はそのような命令にはとてもではないが従えないのであります」と言ったらめいっぱいいって懲役7年、なんですね。
(現行法での規律違反に対する処罰に言及しているものと思われる)
で、あのー、これは気をつけて物を言わなきゃいけないのだけど、人間ってやっぱりこう死にたくないし、怪我もしたくないし、
「これは国家の独立を守るためだ!そうせよ!」と言われた時に、いや行くと死ぬかもしれないし、行きたくないなと思う人は、いないという保障はどこにもない。
だからその時に「それに従え」、それに従わなければその国における最高刑である、死刑がある国は死刑、無期懲役なら無期懲役、懲役300年なら300年、
そんな目にあうぐらいだったらば出動命令に従おうっていう。「お前は人を信じないのか」(愛国心や犠牲心に対して言及していると思われる)って言われるけど、
やっぱり人間性の本質ってのから目を背けちゃいけないと思うんですね。
今の自衛官たちは、"服務の宣誓というものをして、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって職務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえる"っていう
誓いをして自衛官になってるわけですよ。でも、彼らのその誓いだけが縁(よすが - 頼るとするところ)なんですよ。ね。
本当にそれでいいですか?っていうのは問わねばならない。で、軍事法廷というのは何なのかというと、全て軍の規律を維持するためのものです。
[アナウンサー]
あのここにですねー、この憲法改正するのに国防軍に審判所を置くとこうなってます。
[石破]
はい。
[アナウンサー]
この審判所というのはそれに当たるという事ですね?
[石破]
はい。
[アナウンサー]
これはただその公開の法廷じゃないんですね?
[石破]
公開の法廷ではございません。
[アナウンサー]
ないですよね。
[石破]
はい。
[アナウンサー]
そうするとそれは秘密裏に行われていくって事ですよね?
[石破]
それは最終的には、不服があれば、上告することは可能だ、ということは理論的にはありうるわけです。
[アナウンサー]
あー上訴書いてあるわけですね。
[石破]
はい。
[アナウンサー]
書いてあるの。
[石破]
はい。そこはですね、そういうそのなんでもそこでやってしまうということはいたしません。それは基本的人権に抵触するものですから。
そういう事はいたしません。しかしながら、その審判所の目的はただひとつ、軍の規律を維持するという事なのであって、
そのこと(基本的人権を犯すこと)に広げることはしてはなりません。もうひとつは確かに上訴は認めてますが、そのことを審判するのに何年も何年も何年もかけてたら、
規律の維持はきわめて難しいので、そこの調整は図らなければなりません。そして当然我々が検証しなければいけないのは、
帝国憲法下の軍事法廷はどうであったのか、ということの検証はきちんとしなければならない、という事だと(聞き取れず)
[アナウンサー]
なるほど。あのー
2013.4.21「週刊BS-TBS報道部」自民党石破幹事長憲法9条改正を語る
https://www.youtube.com/watch?v=RGOuH9g4GXA
…他の条項にですね、軍事裁判所的なものを創設する、という規定がございます。自衛隊が軍でない何よりの証拠は、軍法裁判所がないことであるという説があって。
それはですね、今の自衛隊員の方々が「わたしはそんな命令は聞きたくないのであります、わたくしは今日限りで自衛隊をやめるのであります」と言われたら、「ああそうですか」という話になるわけです、「わたしはとてもではないがそのような命令には従えないのであります」といったら、めいっぱいで懲役7年なんですね。
で、これは気をつけてモノを言わなければいけないんですけど、人間ってやっぱり死にたくないし、ケガもしたくない、「これは国家の独立のためだ、出動せよ!」って言われたとき、「いや、行くと死ぬかもしれないし、行きたくないな……」と思う人は、いないという保証はどこにもない。だから、そのときにそれに従えと。
それに従わなければ、この国における最高刑がある。死刑があれば死刑。無期懲役ならば無期懲役。懲役300年なら300年。そんな目にあうくらいだったらば、命令に従うっていう。おまえは人を信じないのかって言われるけど、やっぱ人間性の本質から目を背けちゃいけないと思うんですね。いまの自衛官たちは、服務の宣誓というのをして、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います」(自衛隊法第53条)を誓いをして、自衛官になっているわけですよ。
でも、彼らの誓いだけが縁(よすが)なんですよ。
ほんとうにそれでいいですかっていうのは問わねばならない。軍需法廷というのは何なのかというと、すべて、軍の規律を維持するためのものです。
―国防軍に審判所を置くとありますね。これは公開の法廷じゃありませんね?
公開の法廷じゃありません。
―そうすると、それは秘密裏に行なわれていくってことですね?
それは最終的には、不服があれば、上告することも可能だ、ということも理論的にはあります。
―上訴権も書いてありますね。
そう。ですからそこはですね、なんでもそこで秘密でやってしまうということはいたしません。それは基本的人権に触れることですから。そういうことはいたしません。しかしながら、その審判所の目的はただひとつ、軍の規律を維持するということなのであって、そのことに広げることはしてはいけません。もう1つは、たしかに上訴は認めていますが、そのことを審判する何年も何年も何年もかかるとか、規律の維持はきわめて難しいので、そこの調節ははからなければなりません。
そして当然われわれが検証しなければいけないのは、帝国憲法下の軍事法廷はどうであったのかという検証はきちんとしなければならないということです。…
そのようにお考えの方、多いのではないかと思っておりますが、どうなのでしょう?
私は次のように考えています。
(yahooの政党の相性診断を参考にしています。)
○憲法
Q1:憲法96条を改正し憲法改正の発議要件を衆参両院の「3分の2以上」から「2分の1以上」に緩和すべきだ
A1:そうは思わない。「憲法改正は絶対にやだ」というわけではないが、国民に問うほどの大事なことなら、議員の3分の2以上くらいは同意させる努力をしてほしい。
A2:9条の改正は必要。ただ、「国防軍」との名称は疑問。多くの国にとって軍は国防のためにあるのだから、わざわざ「国防」と謳う必要性は感じない。また、「国防軍」にすると湾岸戦争やイラク戦争のような海外の有事への参加に無駄な議論を呼びそうになる。
○経済
Q3:積極的な金融緩和を進めるべきだ
A3:正直なところ、よくわかりません。直感的には進めるべきと考えておりますが、弊害についてあまりよく勉強していないため、それが正しいかどうかはわかりません。
Q4:積極的に公共事業を進めるべきだ
A4:はい。どちらかというと景気対策というより、老朽化したインフラの整備を念頭に置いています。新規事業の必要性はあまり感じていませんが、既存の高速道路やそれに付随するトンネル・橋梁は老朽化が進み、非常に危険だと思う。予算が許す限りそれらの整備を積極的に行うべきと思う。特に地方が管理しているものについても、任せきりにしていると事故が起きるため、国が支援すべきと思う。
○TPP
Q5:日本のTPP(環太平洋経済連携協定)参加は必要だ
A5:はい。自由貿易の促進は外国との交流の促進にもつながるのでは、と考えるため。ブロック経済の行き過ぎが大規模な戦争を引き起こしたことから。ただ、特許・知財関連についてはアメリカのカモになりかねないので、慎重な議論をしてもらいたい。
Q6:農業分野の聖域を堅持できない場合でも、TPP(環太平洋経済連携協定)に参加すべきだ
A6:はい。日本は農業分野を過剰に保護しすぎ。また、その制度により利権が生じている。オレンジ等の自由化に見るように、日本にも必ず恩恵があるのだから、農業分野に聖域を設ける必要は感じない。
○原発
A7:はい。透明性のある第三者機関により安全性が確認された原発から順次再稼働すべき。震災以降、火力発電用の燃料として年間+3兆円以上かかっており、日本の富の流出は防ぐべきであり、何よりも安価で安定な電力を供給することが産業を維持・発展させるのに重要だから。人命と経済を比較するのは私としてはナンセンス。
A8:はい。A7と矛盾しそうであるが、現状は原発が高効率で安定だから、原発の再稼働は必要と思う。ただ、核燃料廃棄物の処理は相変わらず解決できておらず、地震の多い土地柄、いつまでも依存し続けるわけにはいかない。次の大地震がいつになるかわからないが、少なくともあと40年以内には国内の原発はゼロにし、代替の発電所を建設すべきと思う。(トリウム原発は例外的にOKかも??)
○税
A9:はい。ただ、もう少し景気がよくなってからがいいです。国民の所得が増えていない以上、増税は景気の上向きを減速させるだけ。
○くらし
Q10:雇用の流動化を進めるべきだ
A10:はい。戦後直後は国民全体が国を良くしようする高いモチベーションがあり、どんなに苦しくても働き続ければ楽になるという制度(≒年功序列)はそのモチベーションを維持させるのに必要だったと考える。しかし、現状は別に国民は国をよくしたいと思って働いているわけではないし、歳を取ってモチベーションが下がっているのに高給取り、ということを許す現制度には疑問。ただ、失業しても再チャレンジが容易にできる仕組みづくりも併せて準備する必要があると考える(大学新卒至上主義はおかしい)。
Q11:国民の負担を増やしても低所得者のセーフティーネットを充実すべきだ
A11:いいえ。これは、生活保護の増額や各種手当の拡充を指すものと思われるが、その必要はない。その代わり、最低賃金の増額をして、働く方が生活保護より手取りが少ないという状況を改善すべき。
長くなってしまいましたが、yahooの相性診断をした結果、私との相性が一番合う政治家は「釈量子」でした(泣)。政党では「みんなの党」(微妙)
この結果は全く参考にせず、おそらく当日は「共産」にしようかと。
組織の力&ミーハーな方々が自公与党に投票するのは明らかで、圧勝するのは間違いないでしょう。私も安倍首相は比較的好きな政治家です。
ただ、こうなると、組織に属さない私の投票行動は、だれを野党にするかとなります。
そうなったとき、国会の答弁の前にまともに下調べをして、国民のためになる議論ができるのは「共産」くらいかと。
民主はクイズだけだし、維新は中山さんくらいしかまともに議論できなさそう。
本当は共産の原発アレルギーには辟易しており、経済政策も絵に描いた餅状態だから入れたくないけど、まあ絶対与党になることはないし、今回はいいかな。
それにしても、なぜこうも適当な政党がないのだろう。私の考えは日本でも異端なのだろうか。もし、同調してくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひご意見ください。(もちろん、同調されない方の意見もお聞きしたいです)
http://anond.hatelabo.jp/20130629202850
歳は29です。
児ポや表現規制、憲法改正、ブラック企業、あたりが最も関心ある。たぶん自民か白票。
白票を入れに行く理由は、受付でバーコードを読み取られることによって20代~30代の投票率の統計に寄与するためです。そういう統計を政治家は見てるっていうので。まあ海の水をバケツですくうようなモンですが・・。
テクノロジーとかクリエイティブとかの作品を見てるのが楽しみなのに、どーしてもそれらを規制したい老害がしつこくてもう絶望して疲弊しまくってます。自民が参議院も第一党になって児ポが参院も通っておしまいでしょ?この国のクリエイティブは。みんなの党も山田さんがなんか頑張って戦ってるけど民主と選挙協力とか謎の自爆をしたからもうないし・・。憲法改正は二言目には「国民投票があるだろ」って言うひとがいるけど、いまのぶっこわれてる投票率とか年齢層とかで国民投票がちゃんと機能するとは思えないです。検閲と、特別高等警察の国になるんでしょう。すでになってますが。
自民はワタミの擁立を取り下げないのかな。公示がもうすぐだからそこで正式決定ですね。それ次第っていうのもある。労働者をこれからも奴隷かつ使い捨てにしていくみたいですが、短時間労働、定時労働も含めていろんな働き方も検討してる、っていうので、まあトータルで見て自分のトクになるんかな?どんな制度になるんかなっていう期待もある。
自民維新のレッドパージというか、キムチパージについては支持します。ようやく日本が日本になる動きが出たのか、という希望は持てる。教育やマスコミがようやく日本をとれもろせるのかな。それに関連して国防軍にするとか防衛力強化も支持。でも、前述のとおり、そのための代償があまりにも大きいな・・・。なんだかな。
ぶっこわれてる選挙システムをなんとかする、っていう憲法改正はないのかなって思うけども、そのキムチパージに成功してメディア粛清をして国営放送でも設立すれば自然と右側になる(というか左すぎたのが真ん中になる?)から今後の集票を有利に進められる、と自民は考えているのかな?
9条に自衛権について明記するのには賛成だけど、「国防軍」てのはやりすぎだと思うし、
基本的人権に制限を加えて欲しいなんて、誰がそんなことを思うんだろ。
これがそのまま案として上がってきて「さあこれに賛成か反対か、国民の皆さん決めて下さい」ったって
賛成票入れられる訳ないっしょ。
全体をいきなり見せられたって、論点がぼやけるだけだし
だったら、1条づつ議論して、すこしづつ議論して変えていくようなしくみのほうが、安心できる。
自民党の9条がもうちょっとマイルドになったものには賛成票入れられるけど、
基本的人権には反対票を入れられる。
それなら96条に「総議員の過半数よる賛成」が入っても、まだ納得出来るかな。
もはや理想論だけではやっていけないことを民主党政権が身を持って示してくれたじゃないか。
鳩山由紀夫の「東アジア共同体」構想も中国に譲歩したものだったが、結果として中国は領海侵犯を拡大させた。
これは明らかに侵略行為であり、対話を以って平和的解決が望めないことを如実に示したものではないか?
先の朝鮮戦争やベトナム戦争で欧米が譲歩した部分に国際法を無視して勝手に侵略して統治したのはどこの大国か。
左巻きの理屈も一理はある。
けれど危機感が既に大きくなっている今となっては対話による平和維持活動は困難であるし、国防軍を創設すること自体揺るがないものになってきているのではないか。
304 ソーゾー君 [] 2013/04/04(木) 18:51:25 ID:xtLmPkE2 Be:
小泉・安倍やらかした平壌会議の後に帰ってきた拉致被害者家族居るよな?
アイツ等の主張は事実なんだな?
1,拉致された経緯
↑アイツ等は1と2を語ってたよな?自民党=行政府=司法=マスコミも認めてたよな?
北朝鮮は公式に否定しているよな?
懐疑先生・・語ってもらおうか?
あの帰ってきた拉致被害者家族はどうやってどんなルートで拉致されたんだ?
お前等は何一つ根拠を出してねーんだよ?
北朝鮮は経済制裁されてるけど何をしたんだ?原発を稼働させたからか?
原発再稼働を推奨している。
お前アホだろ?何言ってんだお前は?
国防の為に軍備を増強して問題あるの?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/10043/1357424442/l50
また、いまの改憲派の少なからぬ人たちが歴史修正主義的な価値観を持っているように見えることも怖い。石破さんあたりはさすがに慎重だが、脳天気に戦前日本を持ち上げる人たちを見ると改憲にはどうしてもイエスと言いにくくなる。内外の多くの人たちを苦しめ、泥沼に入り込んでしまったことに対する真摯な反省もないまま、国防軍への改組というのは怖すぎる。しかも、そうした反省なき改憲では、欧米諸国の理解も得にくいし、中国国内でも対日強硬派がさらに発言力を増すことになってしまう。
俺もたぶん、「変な風に変えるぐらいなら現行のままで良いと思ってくるぐらいの緩い護憲派」なのだが、上のような文章には、非常に疑問を覚える。
俺は「緩い護憲派」であるとともに、戦前日本を肯定する立場だが、その肯定ってのは「結果内外の人を苦しめてしまった」にせよ、当時、そこにいた人は、それなりにベストを尽くしたんだろうな、という意味でだ。非常に少人数での陰謀的な行為や犯罪行為などはとがめられるべきだが、それ以外のところ――戦争や大きな事変などは、後から振り返って良くない点があったにせよ、現場の人間にとってはやむにやまれぬ判断だったであろうと思う。その種の判断の当時の当事者であればともかく、その子孫にたいして「反省」を求めたところで、どうなるモノでもないというのが立場だ。
それは日本人として日本の過去を開き直るというわけではなく、世界中の国々の過去にたいして同じ立場を取ると言うことだ。
こういうのもとしあきからしたら歴史修正主義と言われてしまうのではないかと恐れるが、なんだか歴史修正主義って言葉がサヨクの言葉狩りの鎌みたいになっていて気持ち悪い。
必ずしもガチガチの護憲派ではないが、変な風に変えるぐらいなら現行のままで良いと思ってくるぐらいの緩い「護憲派」からの返事。改憲といってもいろいろ論点があるが、とりあえず9条に関心がありそうなので、そこにポイントを絞る。
憲法というのは、一種の努力目標なんだと思っている。憲法には様々な人権に関する規定があるが、それらが今の日本で守られているかと言えばそんなことはない。たとえば、第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあるが、健康で文化的な生活を送れていない人などいくらでもいる。だからと言って、現状に合わせて健康で文化的な生活を送らなくても良いように憲法を改めようということにはならないよね。
9条も同じ。世界の現状を見れば、戦力を持たないわけにはいかない。誠に残念なことに中国や北朝鮮との緊張関係もあるし、それ以外の国々でも少数民族に対する弾圧等を止めさせるために戦力での威嚇が必要なこともある。なので、いますぐに戦力を放棄するわけにはいかない。
しかし、他方において、戦力の行使には制約があったほうが良いとも考える。近現代において戦争はたいてい「自衛」や「自国民保護」のために遂行されてきた。ナチスドイツだって「ドイツ民族の生存」のために周辺諸国をどんどん侵略していったし、「自分たちは平和を望んでいる、戦争を望んでいるのは他国だ」と主張していた。「自衛のためなら武力行使も許される」という発想だけでは、実質的には戦争抑止にならない。
こうした意味で、9条の重しはそれなりに有用なのではないかと思う。9条があることで戦力の行使は最後の最後まで避けるべきことなのだという価値観が強化されてきたのではないだろうか。戦力の行使にはそれぐらいの慎重さが欲しい。先の大戦にしても、好戦的なマスメディアや世論に軍部が煽られた部分がかなりあると聞く。9条そのものが戦争抑止に役立つとは思わないが、戦後の日本で「戦争は良くない」という価値観が培われたのは良いことだと思う。
また、いまの改憲派の少なからぬ人たちが歴史修正主義的な価値観を持っているように見えることも怖い。石破さんあたりはさすがに慎重だが、脳天気に戦前日本を持ち上げる人たちを見ると改憲にはどうしてもイエスと言いにくくなる。内外の多くの人たちを苦しめ、泥沼に入り込んでしまったことに対する真摯な反省もないまま、国防軍への改組というのは怖すぎる。しかも、そうした反省なき改憲では、欧米諸国の理解も得にくいし、中国国内でも対日強硬派がさらに発言力を増すことになってしまう。
むろん、9条があることで、自衛隊をアンビバレントな地位に置いてしまうことは問題だとは思う。「憲法では許されていない組織」といったスティグマが自衛隊員に貼られることは良くない。しかし、先の震災での活躍もあり、自衛隊に対する国民の信頼は高く(http://www.crs.or.jp/data/pdf/trust12.pdf)、もはやそうしたスティグマを心配するような状況でもないだろう。その一方で、自衛隊内部にも歴史修正主義的な思想が浸透しているということもあり、そこには不安を感じる。自衛隊の元トップがコミンテルン陰謀論を論じているのとか見ると冗談としか思えない。
というわけで、ゆるい「護憲派」からすれば、(1)努力目標として9条を維持することは支持したい。永久に実現しない目標かもしれないが、戦力に依存しない国際秩序を目指すことは自体は悪くないと思う。(2)それでも、どうしても9条の改正が必要ならば、歴史修正主義は全面的に放棄して欲しい。
という感じ。以上。
左翼は「国防軍保持を主張する者」や「憲法九条改正を主張する者」をネトウヨ認定する。そして「ネトウヨは信用出来ない」「都合の良い嘘を平気でする」と喚き散らす。しかし、それが慰安婦や南京事件を否定してるという事に気づいてないらしい。
なぜなら、そのような人間をネトウヨ認定すると、次の法則が成り立つからだ。
・国防軍保持や憲法九条改正派がネトウヨなら、憲法九条に類する法を持っておらず、国防軍を堂々と持っている韓国や中国は、ネトウヨに支配されたネトウヨ国家と定義づけられる。
・左翼の言葉を信じれば、ネトウヨなど信用出来ないはず。すなわち、ネトウヨに支配された韓国や中国は信用に値しないのである。
・故に、彼らが常々主張している慰安婦や南京事件も信用に値しない。
このような論法が成り立つのである。強引だって? 少なくとも、安倍や石破をヒトラー扱いするような左翼よりは、まだマシと思うけどね。ま、どちらがより論理的かどうかは、中道派が判断してくれるだろう。
自民の改憲案に対して、諸外国や日本の左翼が、「人権の制限」や「表現の自由の制限」の要因に成りうる条項があると憂慮するのは、まだ分かるんだよ。
だが、軍事関係で憂慮する理由が全く分からない。日本の周辺諸国は全てが軍を持っているし、日本の右傾化を批判する諸外国メディアの母国も、ほぼ全てが軍を持ち、中には核を持ち、徴兵制を持っている国もある。それで、どの面を下げて日本を批判できるのか?
「徴兵制は人権侵害」とか言ってるリベラルもいるけど、そういうリベラルや人権派が、韓国の徴兵制に対して反対運動を繰り広げてる姿を見たことがないんだよな。あんだけ慰安婦だの何だので、事あるごとに韓国に言及してるってのに。てっきり、日本の左翼は「徴兵制は人権侵害ではない」という立場なのかと今まで半ば本気で思ってたんだが。
「日本が軍を持つと、周辺諸国は反発する」という言い分なら、確かに理屈は合っている。リベラルや護憲派は、そこまで分かっていながら、どうして行動しないのか?
日本が右傾化してるのは、軍隊を持っている中国や韓国の軍に反発しているのである。中国軍や韓国軍に恐れを抱き、反発しているからこそ日本の改憲派が躍進しているのである。つまり、日本の護憲派が本気で日本の右傾化を止めたいのなら、中国や韓国、北朝鮮に「軍を捨てろ」と要求するのが正しい道である。実現は難しいかもしれないが、日本の国防軍保持に反対し、アメリカ軍の日本撤退を要求するくらいなんだから、その延長線上として「軍の解体」を各国政府に要求するのは、むしろ当たり前な要求の筈である。
長いので主なところを抜粋。きっちり読みたければリンク先を見てくれ。WSJに出てたアメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長、マイケル・オースリンのオピニオン記事。
安倍氏が首相に就任してもいないうちから、批評家らは日本の政治が右傾化する危険性を警告している。彼らは間違っている。民主党が政権就任中にいかに保守化していたか、一方で自民党がいかに国内問題に関して左傾化していたかを彼らは理解していない。安倍氏は国内では困難な任務に直面しているが、アジアを危機に陥らせるようなナショナリズムの復活を象徴する存在では決してない。
安倍氏はしばしばナショナリストと中傷されるが、前回の首相就任時には中国との関係を改善している。確かに今年、日本の軍事費増額を要求してはいるが、このことは実質的にさほど大きな意味はない。日本の防衛費が過去10年、段階的に縮小しているのに対して、中国の防衛費は2桁増となっている。
また、自衛隊の名称を国防軍に変えるという安倍氏の計画もナショナリズムとは無関係だ。そのアイデアを大げさに批判しているのは、いかなる種類の信頼性ある日本の防衛能力にもアレルギー反応を示す人たちだけだ。
さらに重要なのは、民主党が近年いかにタカ派に転じていたかを批評家らが認識していないことだ。野田現首相は最新鋭ステルス戦闘機F35や垂直離着陸輸送機2機の購入を決断したほか、数十年にわたって維持されてきた、武器の輸出を原則として禁じる「武器輸出3原則」も緩和している。野田氏よりもリベラルな菅氏でさえも、中国の軍備増強によってもたらされる日本の領域への脅威を強調し、従来の受動的防衛姿勢に代わる「動的防衛力」構想の導入を要求する新たな防衛大綱の公表を10年に承認している。
安倍氏が危機的状態に陥るかどうかは、投資やイノベーション(技術革新)を促す明確な成長戦略を打ち出せるかどうかにかかっている。この点も民主党と共通しており、民主党にはそれができなかった。日本の有権者が最も懸念している問題は経済であり、それ故、民主党にしびれを切らして取りあえず自民党にチャンスを与えようとしたようにみえる。他国は日本の有権者の判断を尊重すべきであり、日本の次期リーダーを恐れるべきではない。
【オピニオン】安倍次期首相は危険なナショナリストにあらず - WSJ.com
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324222904578186740674409674.html
だってお。
・自分たちの理想の政治が実現しないのは、日本が右傾化してるから。
→ 中国の領海・領空侵犯の行為に、左派政党が、どうやって国を守るのかという具体論を何も示さない事は棚に上げる。
あくまで、日本が軍事力というものを捨てた場合の話です。今のままなら、無いでしょうね。ただし、あくまで今のままであり、中国も軍事力を強化してる以上、いつかは追い抜かれ、侵略対象となる日が来ます。その時が20年以内ではない、という保証はありません。もちろん、その時には共産党政権が崩壊して、日中が友好関係になってる可能性もありますが、可能性を言うなら侵略される可能性もあります。
そもそも、戦争とは相手が侵略可能と考えて、冷静に引き起こされるものばかりではありません。半世紀以上も前ですが、最大の貿易相手国にして、国力が大きく違うと認識してる相手に対して、奇襲攻撃を仕掛けた歴史を持つ我が国が、それを忘れてはなりません。
http://www.mod.go.jp/e/index.html
http://www.mod.go.jp/e/jdf/index.html
また、国防軍という名称に反対するのは、個人の勝手ですが、自衛隊の英語ページを見てみれば分かるように、既に「自衛隊」という名称、国外向けには「Japan Defense Focus」つまり「日本国防軍」なんですよね。以前にはあった「Self」の文字すら抜けているのです。まあサイト上を色々と見回すと、「Self-Defense Force」となっている箇所も残ってるのですが。
なので、名称を国防軍とするのは、あくまで国内向けです。外国にとって、日本の軍隊が国防軍という名称になるよりは、憲法や法律を改正したり、軍事費を倍に引き上げた方が、はるかにインパクトがあるかと思います。そもそも「防衛庁」が「防衛省」になった時すら、他国の反発は殆ど無かったわけで。もちろん、政治に携わる人には、「国防軍」になるという意味が理解されるでしょうが、一般国民にとって、名称の変更は、あまり意味が無いと思います。まあ、現地人に聞かないと、分からない話ではあると思いますが。
また、国防軍に反対する人々は、多くの場合「他国が反発するから」というのを理由にしてますが、必ずしも、日本の軍拡は他国の反発だけを招くわけではありません。以下、過去に日本に侵略を食らったフィリピンの外相は、日本の国防軍化に賛成のようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121210-00000016-reut-cn
「周辺諸国との外交で脅威とみなされる確率を可能な限り減らしたい。」と言っても、そもそも「日本が軍を持つと、他国の反発だけしか招かない」という考え自体、既に誤っているのです。自衛隊を国防軍とすることが、外交上、歓迎する国も存在するのです。そのことをお忘れなきよう。
どこまで言葉にしていいのかわからないけど、日本にはJAXAがあるんだぜ?
そして、日本は ドイツと同盟を組んで戦争をした過去が100年以内にあるんだぜ?
でだ、他国から軍隊とみなされているのに何の不満があるんだろう
そして、日本が侵略可能な国であると『本当に』みなしている国って有るんだろうか? すくなくとも直近20年ぐらいで。
あと個人的には、軍拡そのもの軍事費の上積みたとえば目標2%化なんかには反対じゃないよ。ただ、国防軍には反対。
この意味がわかってもらえるか?実質上の軍拡をしながらも、周辺諸国との外交で脅威とみなされる確率を可能な限り減らしたい。
国防上の問題があるのであれば、軍備強化をすればいいのであって、それは可能。 ただ、それは外交上 軍隊名乗ってやることじゃない。
国防軍のない国に行ってほしいですね。