はてなキーワード: 善良な市民とは
巨乳で綺麗な女性が重そうなスーツケースを持って駅の階段を上がろうとしています
普通の市民「手伝ってあげたいけど下心丸出しだと思われて断られると恥ずかしいので何もしません」
これは備忘録みたいなものなので無駄に長いし、文章もろくに推敲してないです。個人ブログでやれって話なんだけど、そういえばお盆も来月に近付いたな……と思ったら、公開される形式にしてみようかなとか気まぐれを起こしました。
今日仕事で役所に行ったんだけど、上司が知り合いに挨拶するとかいうから、行政資料センターみたいなところで時間を潰して待つことにした。
資格試験の願書とか、コロナ関係の補助金の申請書とか並んでるとこの奥に、背の高い本棚がズラーッと並んでて、所狭しとファイルやら冊子やらが詰め込んである。工事単価表とか、議会の議事録とか、「へ~」って思うけど別に手に取りたいとは思えないものが沢山あって、これを管理する仕事ってつまらなさそうだなとかちょっと失礼なこと考えたりしてた。
防災関係の棚のところに行って、ふと、そういえばうちのアパートって災害時どんな感じになるのかなと気になり避難マップを探した。最近雨凄いし、こわいなって。で、その書棚をふらふら探してたら、大きめのファイルがいくつも並んだ段の端っこに、古ぼけた薄い冊子を見つけた。ファイルが割と新品っぽかったから、余計にそのボロさが際立って見えた。それが、玄倉川水難事故の記録資料だった。
昨年、台風19号だったか、あるいは全然違う日の豪雨だったかで、やっぱり神奈川の西の方のどこかの川で事故があったと思う。そのときツイッターのTLが一斉にこの事故のことを呟いてたから、一度wikiで事故の記事を読んでみたことがある。読んでるうちに、こどもの頃テレビのワイドショーでそういうニュースを見たことがあるような……と淡い記憶も蘇ってきたし、流れでnaverまとめとか読んで(9月にサ終するそうで、残念だ)、「うわ~」って野次馬してた。だから馴染みがあるといったら変だけど、身近というか、ちょっと知識がある?みたいな変な自負みたいのがあって、興味本位で手に取った。
あんなセンセーショナルな事故の記録を、こんなとこにぽんと置いてあるんだ、という意外性みたいのもあったな。テレビで人間が濁流に飲み込まれる様子が生放送されるなんて、いまでは報道倫理的に考えられない事態だと思う。役所みたいなおカタい組織って、そういう刺激の強すぎるものは人目に晒したがらないというか、それこそ情報公開請求?とかしないと出してくれないのかなって勝手に思ってたんだよね。それが閲覧スペースに普通に置いてあったのが意外だった。
冊子には、事故現場がどんな地域だとか、上流にあったダムの概要だとかwikiにも掲載されてるような内容が、役所らしい淡々としたかたちで記録されてた。そういうのが続いて、ある頁からは、事故発生から遺体収容までの数日間役所のどの部署が何時何分何をしていて、どことどんな連携をした、みたいなことがズラズラズラーッと書き連ねてある。
これが、すごい細かい。警察と消防とダム管理者と危機対策本部と河川課?と~って、ほんとに登場人物ならぬ登場組織が山ほどある。その分単位の行動記録の随所随所に、更に細かい文字記録がある。元々防災部的なとこには実働機関がなかったから地域にある出張所が活躍したとか、ダムの放流を止める止めないの決断にはどんな意思決定があったのか、とか。
本当にモノを知らなくて恥ずかしいけど、さら~っとwiki流し読みしたときは、「人が取り残されてるのにどうしてダムの水放流しちゃったんだろ」とか「危ないんだったら警察沢山向かわせて実力行使で避難させればよかったのに」とか思ってたんだよね。でも、「放流を停止してダムが決壊した場合は川下にある小田原市全域に人的被害が見込まれた」「河川の私的利用を制限する根拠法令がなかった」みたいに全部全部理由があって、なんていうかそのことに凄くハッとした。
自分みたいな素人が考えることを、縦割り行政と揶揄されるほどまで業務を細分化してる役所の役人が考えないわけないんだよな。ダムを止めてやれないか、って検討するだろうし、危ないから避難させられないだろうか、って考えたんだと思う。当時現場に詰めてた人達はみんな、いま自分が安易に考えたようなことは当然検討した上で、「他の何万人もの市民を危険にさらすから駄目だ」「根拠法令のない私権制限は出来ない」って結論付けたんだろうな。
なんていうか、ほんとにこまごまと書いてあるんだよね。すごく淡々としてるんだよ。役所の文書だから事実の羅列ばっかりなんだけど、気付いたら熱心に読み込んでしまった。温度のない明朝体の退屈な文字列だと思ってたんだけど、読んでるうちに、自分たちがDQNって言ってた犠牲者たちのことを、この関係者たちは必死で助けようとしたんだな、ってことがわかってきた。
ワイドショーでは「地元の人が何回も注意した」とか、「お盆の悲劇!」みたいな視聴者の情緒を煽るというか、沢山の人が亡くなったことをネタにしてるような報道ばかりで(その犠牲者たちの言動がゴシップ的に取り上げられやすい属性だったのは、そうかもしれないが)、自分も昨年SNSで見た「DQNの川流れ」という揶揄を苦笑しつつも受け入れてしまっていた。いま考えてもあの犠牲者たちの行動が善良な市民のものだったとは思わないけど、でもそういう愚かなレジャー客のことも、これだけ沢山の人が助けようとしてくれたんだなと謎の感慨みたいなものが湧いた。
なるほど、これは玄倉川水難事故で犠牲者を出してしまった悔しさ(?)をバネに、次回以降の災害時対応に活かすための引継ぎ資料的なものなのかな~と思いながら、ぱらぱら捲っていった。
その最後に、当時レスキューに参加した消防関係者の寄稿みたいなものがあった。実際、テレビの中で土砂降りの中ロープを引いて河岸に待機していた、消防署の職員たちの手記だった。
目の前で四人が流された直後に、救命出来なかったという絶望に包まれたまま別の事故現場へ移動したことを書く方もいたし、世間から「なぜ助けられなかったのか」とバッシングを受けたことについて所感を綴った方もいた。実際にその瞬間、荒れ狂う河川敷で業務に従事していた救助隊員たちの声というのは、非常に生々しく、重たかった。かれらが一様に、助けられなかったことを心底残念がっているというのが、伝わってきた。
一歳の子どもの遺体だけが何日も見つからず、ひたすら川を捜索していた隊員の方が、「初日にオムツが二つ水面に浮いていたのを思い出して」、向かった場所の川底から、水の冷たさを訴えるような真っ白い肌をした赤ん坊の遺体が引き上げられたとき、咄嗟に川に飛び込んで泳いで行き、毛布で赤ん坊を抱き上げに行った、という記述を読んだとき、気が付いたら泣いてしまっていた。
玄倉川水難事故、本当に愚かな事故だなという所感はいまでも変わらない。あの悲劇を避けるための分岐点は幾らでもあったのに、その場にいた大人たちはまったくその選択をしようとしなかった。犠牲者たちが悪いのだから死んで当然、というネットの意見も、割と共感する。傲慢な”DQN”のために、一億円以上の公費が投入されているし、その現場に駆け付けた関係者たちは、やはり苦い記憶としてこの事故を一生忘れられないのだと思う。まったくもって酷い事故だ。
だけど、そういうやばいやつらのことも、必死に助けようとした人たちがいて、同じようなことが起こったときちゃんと助けられるように備えないとと準備している組織がいるんだなと思ったら、日本ってまだまだ捨てたもんじゃないかなという気がした。
実際災害が起きたら、また「どうして助けられなかったんだ」って思うようなことって起こるだろうし、こんな記事書いてても自分や自分の家族が被害を受けたら「どうして助けてくれなかったんだ」って言っちゃうと思うけど。でも、ああいう事件事故の最前線にいる人たちが、皆が皆怠慢で、冷淡で、他人に無関心ってことは絶対にないなと思った。それって、すごく幸福なことだと思う。
来月はお盆があり、連休がある。コロナで外出自粛だけど、GoToもあるから、割とレジャーを検討してる人も多いんじゃないだろうか。自分は感染症について何の知見もないから「出掛けちゃいけないと思う」とか言えないけど、この記事を読んだ人がいたら、「事故に気を付けよう」「天気予報とか災害情報とかチェックしよう」みたいに思ってくれたらいいな、と思った。
例えば、アニメの製作に携わる人たち、Vtuberの運営に携わる人たち、飲食店を切り盛りする人たち、会社を経営する人たち、議員として働く人たち、そういった組織の中で何かのミッションに向かって動いている人たちについて、どうせそんな奴らは銭ゲバで愚昧な腐れ野郎どもばかりだ、と思うのが善性と知性の欠落である。一方で、そういった人たちを、多少の不祥事ニュースを見たとしても、やはり全体としては理想に燃えるアツい人たちであるはずだし基本的には尊敬しなければならない、と考えるのが善性と知性のある者の思考だ。
元増田は前者であり、オタクと呼ばれるコンテンツを楽しむ善良な市民の多くは後者である。前者に欠落したものを後者が持っているから、やっかみを言っているのではないか?というのが論旨だ。
男女比99:1の電車に乗ってるとかなら分かるけど、普通の電車ってそれなりに女性もいないか?
まあ通勤時に男が多いのは事実だろうけど「多い」ってだけで100%ではない 女もいる
で、痴漢を「見て見ぬふり」するのは男だけですか そこには女もいるんじゃねえのか
男は腕力が強いから性犯罪と対峙する義務があるとか言うんですかね 腕力の強さと恐怖の有無は別の話じゃねえのかよ 「女は母乳が出るから育児を担う義務がある」みたいな雑さなんじゃないのか、それは
だいいち混んでる電車で他人なんか見るかよ ただでさえ苦痛極まりない満員電車でそれ以上の面倒を抱えるのは誰だって御免だろ そこに男女の別があるか?
ただ乗り合わせてるだけの人に憎しみを向けるのはどう考えてもお門違いなんだよな 女が痴漢の現場を見て覚える恐怖と男が痴漢の現場を見て覚える恐怖に違いはねえよ どっちも犯罪の場を目にした善良な市民やろがい
性犯罪者を憎んで男を憎まず!!
10年前に投票できるようになってから選挙権を行使しなかったことはないが、毎回投票日の朝に候補者一覧をみて誰に入れるか決めてる。
選挙活動中の発言は耳触りがいいだけで信用できないし、掲げている公約とか所属の党とか応援してる政治家とか、出身や履歴とかしかみてない。
当日の朝に、出身校をみるに弱者への共感が弱そうだとか、福祉によりすぎてて現実的でないとか、ただの街の狂人枠だとかを感じ取って決めてる。
人が誰に多く入れそうだというのも考えるけど、深く考えすぎてもわからないから、基本的にはその場の直感だけが頼りだ。
どの候補もダメそうなのでバランスをとるために対抗馬っぽい人を選ぶこともあるし、
どの候補もダメそうなので比較的マシそうなメインストリームの人に入れることもある。
そんな感じだから、投票した人が誰だったか、夜の20時にNHKが自民党大勝利! のクソデカテロップを表示したらもうどうでもよくなるし、
夜に用事があったときは結果すら見ないでそのまま日常に戻る場合もある。
政治的信念がないまま選挙に行ってるので、単に若年層の投票率を上げる統計の一項目に貢献するだけの行為になっていることは否めない。
政見放送が話題になって知った口ではあるけれども、あれを見たときにこの人は現代アートであるなあと思った。
政治を舞台に芸術活動(?)をするというと、おそらく多くの善良な市民が眉をしかめるだろうが、
自分は芸術という行為が市民という概念よりも先行する場合がありうると思っている、
というか先行できないとすれば芸術というものを想定する必要がないと思う人間であるので、
政治の世界を舞台に芸術活動すること・できることは知的にも社会的にも人間的にも重要な行いのひとつであると思う。
また、後藤輝樹のあれが芸術であるとするのをよく思わない芸術畑の人もいると思うが、それに関しては反論しないけれども、しかし芸術だと感じたのだからしかたない。
マック赤坂とかN国党とかを芸術とは感じなかったが、後藤輝樹には感じたんだからしかたない。
後藤輝樹の活動にたいしてどのように支持することがベストなのかを考えた。
彼が芸術活動を行う場は政見放送であり、それをするのに必要な活動費は供託金なのだから、
供託金が返還されるよう応援の一票を注ぐことが、最良の活動サポートの仕方となるだろう。
果たして前回の後藤輝樹はそこまでの得票を得ずに終わっていたのだが、投票先を覚えている唯一の候補者となった。
今回も、他候補者がどれもパッとせず、後藤輝樹の活動の精彩さが失われておらず、絶対に当選はしないという前提が揺るがなさそうな空気であれば、
バカな行為なんて最初から最後まで叩くに決まってるじゃない。共犯なんかにされたらたまったもんじゃないし、
短絡的過ぎてこの状況で外出しまくる人並に身近に居て欲しくないもの。
ただ、それを無視して勝手に君たちが利益をもたらしてくれるなら、それはいただいていくってだけだよ。
「ああ、あのバカのおかげで結果的に儲けた、ラッキー、それはそれとして邪魔だから消えてくれ。」
こういうことかな。善良な市民ってそういうもんだよ。
君は見たところ正義感拗らせちゃった若い子のように見えて、それならtwitterで暴れてる人よりはまともかもしれないし、
それだと大して本人の利益にもならないのに人生棒に振る可能性があるバカを止めないのは大人としてさすがにちょっとなぁ、と思ったから一応懸念は示しただけだよ。
拝啓。コロナ禍により家ごもりの毎日を過ごしている候、増田ならびに紳士淑女の諸君に夜のおかずとしてノクターンノベルズのおすすめ十篇を紹介したいと思う。あまり小説を読み慣れていない諸君を想定して、完結済みかつ出来るだけ短めの小説を選んでみた。各種ランキングには入ってこないような作品もあるので、嗜好が似ている人は参考にしてほしい(あとオススメ教えてほしい)。
言うまでも無いがノクターンノベルズとは男性向け18禁版小説家になろうである。女性向けのムーンライトノベルズは今回紹介しない。
紹介する作品は、「兄に惚れる妹などこの世に存在しないしオレも別に妹を愛しちゃいない 」、「茜色の世界に思いを馳せる」、「召喚術のいけない使い方 」、「注文の多い魔王城攻略され記 」、「ある日突然男友達が美少女になっているなんてよくある話で 」、「雪待茶屋 」、「恋愛金融 」、「魔界行きの鈍行列車の旅 」、「ウチのお嬢様の話を聞いてくれ 」、「彼女の妹しちゃだめですか? 」。
まずは自分の中で最高で満点で珠玉であり毎週続編待機中の短編シリーズをご紹介。(初っ端から完結済みという言葉を疑われるチョイスだが、独立した三篇で緩いシリーズを成しているのでセーフ)。内容としてはタイトルのままである。つまり兄(ツンデレ)は妹を愛していないし妹(ツンデレ)も兄に惚れていない。ただお互いにどうしようもなく求め合っているだけである。シチュは三篇とも同じ。いろんな場所(主にベッド)で互いに貶し合い煽り合いながらイチャイチャするだけ。お互いに年季の入ったツンデレ(ツン9:デレ1)なので基本的に交わす言葉は甘いものを含まずトゲトゲ一辺倒である。その分、一瞬だが素直になる二人が本当ほんとうに…
どれも短編なのでとりあえずツンデレケンカップルのイチャラブにみえないイチャラブが好きな人は騙されたと思って読んでみてくれ。特に好きで無い人も騙されて読んでくれ。そして一緒にエピソードゼロと続編を待とう。私は一年以上待ってる。
連続して兄妹ものを紹介。これは上の作品と異なり、中学生から高校生にかけて兄妹二人の距離が変化する過程を丁寧に描写した長編になる。うん…長編でごめん。でも百話とかざらにある中だと短めだから。一般(一般的とは…)にこういった作品は初めから互いに(もしくは片方が)思いを向けているものが多いのだが、この作品はまず肉親の肉体への嫌悪から始まるところが白眉。二次性徴を迎えた妹の肉体に嫌悪を感じる兄という視点から物語が始まることで、魅力的な肉体を目の前にした肉欲と本能的な近親嫌悪に挟まれるエロスという序盤の展開に重みがあり、行為への助走として実にマーベラス。しかも両思いになる過程が嫉妬心であるという妙。と書いたものの、露悪的な作品ではなく中盤以降はラブラブなのでご安心を。(最後の方は悲恋感あるけど一応多分ハッピーエンド)。
男と女が家族になるのではなく、家族が男と女になる。それが近親ものの醍醐味であると思う。
次はこの長編をご紹介。これは言い訳できないほんとうに長編。すまぬ。現代の日本から異世界に転生した主人公が身につけた召喚術で片思いをしていた同級生を拉致して性的にいぢめちゃう物語…なんだけどいじめちゃうのはごく序盤だけ。主人公ヴィロ(前世名は長峰)は魔法使いとして元同級生に対して強く出ているけど、なんだかんだ本性は善良な市民なので、異世界の幼馴染テフィーが出てきたあたりからは完全に女性陣の尻にひかれる。この作品をおすすめする理由は二つ。一つは料理の描写や召喚の手順などが丁寧で生活感に溢れる描写をされており、きっちりと日常パートに厚みを持たせる筆力があること。そしてもう一つが先述したサブヒロインのテフィーが純情可憐一途でしかも「ですわ」口調でうぶのお嬢様という自分のツボを完全に射抜くキャラクターをしていること。つまり、専門の小間使いがいたせいで自分で服を脱げず、人さらいから身請けされ隷属する立場なのに幼馴染特有の空気感でどっちが主人なのかわからない間柄の存在で、それでいてヴィロに長年に渡る秘めたる片思いをしているというキャラクターにピンときたら読んで。恋心がバレるシーンが最高にいいんだよ…
あと作中に出てくる異世界の風俗描写が結構好き。特にテフィーがフィンガーボウルを用いて手づかみで食事するところがお気に入り。これはなろう全年齢版の「召喚術の美味しい使い方(ttps://ncode.syosetu.com/n5951bl/)」での話だが、カトラリーが導入されるけどうまく箸が使えないテフィーがヴィロに焼き魚をあーんして食べさせてもらうシーンもよき。
一言で言うならば魔王が勇者に完敗する話である。よくある魔王と勇者をエコシステムとして用いる世界の話(最近では魔王が魔王らしく無いのがむしろ主流な気がするが)。本作ではいつものごとく復活した魔王(復活した時点で世界の法により負けが確定している)が、毎度毎度のやられ役に飽き飽きして、鬱憤ばらしとして今世の女性のみで構成された勇者パーティーへの嫌がらせのためだけに魔王城をセクハラ城に改造する。まあそれはそれはイヤーなセクハラを仕掛ける魔王さまなのであるが、勇者パーティーはそれらをものともせず正面から突破してくる。流石は勇者の名を冠する者たちである。だがそんな中、唯一、皆の希望の星には汚れて欲しく無いと、魔王のセクハラから仲間たちに守られていた勇者。その心に意図せず触れてしまう魔王。運命で縛られた魔王と勇者。覗き込んだ彼女の深く黒いひとみに彼は何を見いだすのか。
あまりにも綺麗なほんとうにきれいな敗北を見せる魔王に、願わくは永い幸せが訪れんことを。一応書いておくけど、エロ薄めっぽく紹介しているがエロいところはしっかりエロいのでご安心を。ちなみに同作者のイン・女神クロニクル(超長い)もストーリーがしっかりしており面白い。
ここらで TS(MtF)ものを一つ。誰よりも気が置けない親友が異性になってしまったらどうしますか。デート体験? いつも通り格ゲーで煽り合う? いやいや、男と女が一緒にいるなら合体一択、という頭の悪い内容である。TS ものには心まで女性化するものとそうでは無いもの(≒精神的 BL)があるのだが、本作はどっちとも取れる展開であるためその筋の方々にも認めていただけるでしょう。性愛が親友の間柄を上書きすると考える人は前者、恋愛感情より親愛の感情の方が燃える方は後者を想定して読めばよろしいかと。
恋愛感情無いけど自然体でいられる関係っていいよね… あと男同士のノリのままアホな会話して、そのノリのままなし崩し的に合体して、なんか気まずくて照れる、って展開とってもいいよね…
再び短編をご紹介。この作品は、正月の頭だけ神社で商いをする謎のお店「雪待茶屋」を訪れた男が茶屋の姉妹とワンワン(ネタバレ)する話である。かわいい姉妹が切り盛りするこのお店は、SNS に写真を投稿するとエラーになる、店員が客の病気を予知する、客の持っていた油揚げやいなりが気がついたら消えてしまう、など不思議な噂がある。腹に一物秘めた男は超高級品の限定いなり寿司をエサに二人に勝負を持ちかけ… 以下の展開は予想できるでしょう。
短編だがエロ以外の起承転結がしっかりしているので、おかずにはストーリー必要派にもおすすめである。
豊富なエロシーンが欲しいんだと言う人は、同作者のミックスベリーシリーズを読むべし。「花束」、「徒花」、「花園」合わせて二百話以上あるのでお気に入りのシチュが見つかるでしょう。
こちらの長編を一言で表すと、エロくてストーリーがしっかりしていてしかも青春もの。個人的に濡れ場を置き換えたら青年向け漫画の題材にしてもいいような気がするほど。−−代金が払えなくて困っているクラスメイトの女子に二百円を貸してあげたらお礼をするというので、「若い男に貸しを作って利息が金で済むと思ったかい?」と冗談を言った。そうしたらクラスメイトの処女を散らしていた。それに加えてそのクラスメイトと「カシ」と「カリ」を契約とする肉体関係を結ぶことになった−− エロ小説とはいえ、普通の女子の行動としておかしいと思う人はいると思うが、あなたは正しい。読み進めればすぐに分かることだが実際に彼女の常識は少し歪んでいるのだ。この作品はそんな彼女「陽奈」を、要領の良い普通の男「森岡」が結んだ契約を通して少しずつ健全な道へ、健全な関係へ導いていく青春ものである。
一言だけ付け加えると、森岡は聖人でもなんでもなく、陽奈の安全日を彼女より把握するほど並々ならぬ中出しへの情熱も持っている年頃の男である。
今回紹介するなかでは一番ラノベっぽい作品。家のトイレに行ったら魔界に召喚された主人公。召喚者である女の子(魔王の後継者。とても可愛らしい)に勝手に伴侶に指名され、魔王修行である魔界世直しに鈍行列車で出発するのであった。キーワードは旅、そしてイチャイチャである。そう、この作品はほぼ冒頭から純情爆裂の両思い全開イチャラブストーリーなのである! いやぁイチャラブはいい。読むだけで健康になる。もう二人が可愛いくていじらしくてたまらないの。主人公のすばるは思いやりのあるいい子だし、ヒロインのユーリは「〜のだ」口調ですばる大好きなやっぱりいい子だし、ラブ(LOVE)しかない。はやく結婚しろだし実際結婚する。
初々しくも求め合うイチャラブを欲している人におすすめ。
悪役令嬢ものが最近流行っているようなので、男性向けの短編シリーズをご紹介。乙女ゲー転生のフォーマットに則り、「転生したら乙女ゲーの主人公!? 王子や騎士団長の息子だけでも大変なのにさらに隠しキャラである王子の許婚(悪役令嬢)の執事まで私を? キャァ(はーと)」 …というのが「ゲーム」での主人公ポジに転生したマリア嬢の思考。この話の主人公は彼女をいじめる悪役令嬢(イザベラお嬢様)の執事であるクロウくんである。出自が平民にもかかわらず王子を侍らすマリア嬢をいじめるお嬢様だが、主人公補整+ゲーム知識で毎回しっぺ返しをうけ、婚約者でもある王子本人にも遠ざけられる。そんな彼女のストレスの吐け口とされ酷い目に遭わされ続けるクロウ。あるとき堪忍袋の尾が切れてしまいついにお嬢様に復讐を企て、睡眠薬を飲ませたお嬢様を一方的に嬲る。だが、そのことがきっかけで自身の秘めたる恋心に気がついてしまう。叶わぬ恋心だったが… というようお話。
ネタバレするけど、ちょっとご都合主義の面もあるがハッピーエンド。
実は作者が短編を基に長編として連載しているので、ビビッと来た人は連載版も追いかけよう。
あらすじを引用「彼女持ちの癖にその妹と隠れて情事に耽る二人のお話」。うん…ほとんどこの通り。ただ、彼女視点だと NTR なのだが、もうちょっと事態は複雑で、中盤から上記に加えて主人公は現彼女との浮気関係を重ねるようになる。意味わからないと思う。図示するとこう 彼女の妹 --(浮気)-- 主人公 --(妹の「彼氏」と浮気)-- 彼女。つまり主人公が彼氏兼妹の彼氏(ただし互いに別人設定)という役割を持つのである。メビウスの輪で織られた三角関係か? とりあえず主人公は最後までクズ。なんでいけないことに興奮してしまうのだろうか、ふう。
浮気しかしていない彼女の妹の純情さに対して、浮気したうえ彼氏も裏切る彼女がまじで淫蕩過ぎる。
終わりに。官能小説はえっちな漫画やえっち絵、音声作品と比べて感覚器官を直接刺激しない分、それらと比べて見劣りを感じるかもしれない。しかしながら想像により興奮する、つまりシチュエーションや会話といった記号を直接インプットする分、好みの作品が見つかりやすくまた飽きにくい気がしている。さらに創作のコストが少ないため多種多様な表現が存在することも前者を助けるし、個人的には文字だけであるがゆえに他のものより生理的な拒絶範囲が小さい気がしている。
おまけにもう一篇
入れようかと迷ったのだけど個人的な思い入れもあるこの短編も紹介。自慰後なぜか幽体離脱してしまい大学生の兄貴の体を乗っ取ってしまった妹。せっかくだしと抜け殻状態の自分の体で遊んでいると兄貴の兄の部分が反応してしまったので、自分で自分を慰めるのはノーカンと欲望に流されるまま自分を抱く話。男と女の快感を同時に受ける妹ちゃんの描写のエロいことよ。女性一人称のものってなぜこんなにも淫靡なのか。この作品は欲望に暴走していく描写も実にエロいのであるが、個人的にはまったくエロ描写の無い最後の段落が、行為そのものより遥かにエロいと思う。この後めちゃくちゃセ構文に繋がる完璧なセリフの一つである。
実はこの作品を初読したのはノクターンではなく、何年も昔に個人ページの相互リンクからたどり着いた今は無き作者のホームページだった。なのでノクターンでこの作品を発見して驚いたとともに懐かしさを感じたものだった。他にも同作者の長編「prismatic inane」も多少、人を選ぶがおすすめ。主人公の少女が自傷行為のように自分の体を売るという実に痛い物語なのだが、大きな腕に抱きしめられるエンディングが待っているので気力がある人はぜひ読んでくれ。そして読後感を噛み締めてくれ。
マクドナルドのネオンは、どこかこちらを笑っているように見える。ローソンにはそのような嫌味さがない。でもセブンとファミマからは悪意を感じる。小売も外食産業もガソリンスタンドも、みんな寄ってたかってあざ笑う。誰にそんな権利があるのだろうか。
そもそもの始まりは、こちらが後ろを向いている間に信号の赤と青とが同時に発光していることに気がついてからだ。たまたま偶然知り得た世界の秘密を、隠し通したまま人生を終えるほど自分は善良な市民じゃない。だからこそ自分だけに見えたのかも知れない。
近くの交番を四周すると、青龍、朱雀、玄武、白虎...東西南北の四神たちが終電の時間をモールス信号で脳に届けてきた。3Gはもうすぐ停波するが、これら四神はあわせて20G以上あるからしばらくその心配もない。
タバコの自販機の中には人が入っていると、中の人に聞いたことがある。信号待ちをしている時に小声でそっと教えてくれた。残念ながら自分は喫煙者じゃないので、それ以来中の人と言葉を交わすこともなかった。
何度も同じ夢を見ても、本来あるべきだった現実に戻れた試しはない。毎回違い時代、違う場所で目を覚ます。夢の中だけが自分の知る知っていたあるべき世界だ。