「カドミウム」を含む日記 RSS

はてなキーワード: カドミウムとは

2024-08-02

SHEINは218.5倍だが北欧玩具発がん性物質は840倍だという話

3行で

検出された「発がん性物質」とされる「DEHP」はコーヒースマホ電波と同等の発がん性しかない。

国内流通しているデンマーク製玩具からは同様の「発がん性物質」が同じ基準で840倍検出されている。

SHEINが安全だと言いたいわけではない。

日本ニュース

「SHEIN」商品発がん性物質 新たに水着などから確認浮き輪から基準値の218.5倍

https://news.ntv.co.jp/category/international/c19af36e574d4be0a62f21d8ab8e7c52

韓国の元ニュース

記事本文にもある通り元は韓国当局が出したプレスであり、韓国国内ニュースこち

https://www.newspim.com/news/view/20240802000108

原文

먼저, '어린이용 튜브' 3종에서 프탈레이트계 가소제, 중금속, 물리적 요건(본체 두께 미달) 등에서 국내 기준치를 충족하지 못했다. 2개 제품에서는 프탈레이트계 가소제(DEHP)가 기준치 대비 각각 최대 290배, 219배 초과 검출되었으며, 1개 제품의 튜브 공기 주입구에서는 카드뮴이 기준치의 1.44배 초과 검출됐다. 물리적 시험에서는 3개 제품 모두 튜브 본체 두께가 국내 기준치(0.25mm 이상)보다 얇아 (두께 0.1~0.06mm) 미달인 것으로 나타났다.

訳文

まず、「子供チューブ」3製品でフタル酸系可塑剤、重金属物理要件(本体厚み不足)などで国内基準値を満たさなかった。2つの製品ではフタル酸系可塑剤(DEHP)が基準値の最大290倍、219倍を超えて検出され、1つの製品チューブ空気入口からカドミウム基準値の1.44倍を超えて検出された。物理試験では、3製品ともチューブ本体の厚さが国内基準値(0.25mm以上)よりも薄く(厚さ0.1~0.06mm)未達成であることが分かった。

まり検出された基準値の218.5倍の発がん性物質とは「DEHP」である

DEHPとはなにか

DEHPとはフタル酸系可塑剤の一種である

フタル酸系可塑剤とはプラスチックを柔らかくするもので、その特性から子供用の玩具などにもよく使われている (使われていた)。

DEHPの安全

少なくとも日本業界団体は「DEHPは安全だ」としている。

詳しくは以下を参照。

https://www.vec.gr.jp/anzen/anzen2_3.html

要約すると

DEHPの毒性は食塩砂糖よりも低い。

過去発がん性が疑われたこともあったが、げっ歯類特有効果霊長類に対しては安全であることが分かっている。

ただし予防的措置としてIARC(国際がん研究機関)の分類では「2B」となっている。

グループ2B」は「ヒトに対して発がん性のある可能性がある」という評価で、これはコーヒースマホ電波などと同等。

経産省有害評価についてはこちらを参照

https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/other/files/g20515b13j.pdf

DEHPに対する規制

げっ歯類に対して毒性があったこから各国で予防的に規制が行われている。

世界中概ね同様の規格値で「0.1wt%」。

ただし対象が異なり日本では「口や食品に触れるもの」のみ。

欧米韓国はより厳しく玩具育児用品、消費者製品となっている。

詳細はこち

https://www.vec.gr.jp/anzen/anzen2_4.html

SHEINと全く同じ製品日本通販でも売っているが問題ないのか

少なくともDEHPに関しては、子供服や浮き輪などでは問題ない。

理由上記の通り日本では規制対象ではないから。

以前も同様のニュースがあった気がする

今回と同様に日テレニュース配信した記事があった。

中国通販サイト「シーイン」商品から発がん性物質確認 韓国当局が調査

https://news.ntv.co.jp/category/international/b2520c412ef949658769e3c35ace2818

韓国ではこのような調査がよくあるのか

よくある。国内国外製品わず定期的に、大規模にも行っている。

2024年

韓国国内の大規模市場調査で1008個中42個、フタル酸エステルにおいては色鉛筆で347倍検出されたというニュース

news.kbs.co.kr/news/pc/view/view.do?ncd=7902237

URL数の投稿規制に引っかかったためドメイン以前を省略 (以下同)

2023年

韓国国内基準値の340倍のDEHPが検出されリコールされた鉛筆キャップ

www.safetykorea.go.kr/recall/ajax/recallBoard

2020年

韓国国内の大規模市場調査で40個、フタル酸エステルにおいてはゲーム玩具で130倍検出されたというニュース

www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148879477#policyNews

2017年

フタル酸エステルなどの基準値超過で45社47製品リコールしたというニュース

eiec.kdi.re.kr/policy/materialView.do?num=162667

日本では行っていないのか

韓国のような調査ほとんど行われていない。

近年のものでは厚労省研究事業として以下のものがある。

乳幼児期の玩具使用における健康被害防止に向けた有害化合物の曝露評価に関する研究

https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/149326

この研究では日本中国韓国タイフランスデンマークの新品と中古玩具、84製品調査対象となった。

新品の玩具において最もDEHPの含有割合が高かったのはデンマーク製の「ままごと玩具」で基準値の840倍、次点デンマーク製玩具で580倍であった。

北欧製品安全イメージがあったが違うのか

DEHPに関しては絶対問題がないというわけではないと思われる。

直近でも以下のようなリコール情報がある。

ノルウェーの布財布においてDEHPが基準値の126倍であったという2024年プレス

https://consumer.gwd.go.kr/board_safety/66208

日テレ以外にこのニュース報道したところはないのか

少なくとも国内新聞社通信社テレビ局ではない。

なぜ日テレけがわざわざ韓国内のこの特定プレス報道したのか

詳しくは不明だが 「SHEIN」の製品国内でも広く流通しているため、また「中国」「発がん性」というワードに強いニュースバリューを感じたのだと推察される。

2024年に今回を上回る347倍の検出があったのになぜ日テレ報道しなかったのか

詳しくは不明だが、347倍の商品韓国国内製品からだと推察される。

上記の通り日本国内でも流通していると思われる、または確実にしている製品複数過去摘発されているがSHEIN製品ほどのニュースバリューは感じなかったのだと推察される。

元のニュースでは最大290倍なのに、なぜ日テレニュースでは218.5倍なのか

ニュース記事タイトルは以下なので当然の疑問。

海外直輸入子供チューブ発がん性物質基準値の290倍検出

答えは290倍の値が検出された製品はAliExpressの商品から

AliExpressよりも広く認知されているSHEINの名前のみを出したかったのだと推察される。

なぜ日テレ発がん性物質有害物質の固有名詞を出さないのか

詳しくは不明

上記、DEHPの安全性を主張する「塩ビ工業環境協会」はテレビ局スポンサーである信越化学工業カネカが輪番で会長を務めている。

DEHPの固有名詞を出すと悪いイメージがつくからではないかとも推察されるがあくま想像の域をでない。

一度目の報道でも固有名詞は出していないためそういった報道方針なのだとも考えられる。

SHEINの製品安全なのか

不明

DEHPに関しては上記の通りだが他にも多くの問題があると思われる。

自身判断して下さい。

2024-02-15

味の素は(とっくに)化学調味料じゃないよ

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/news.yahoo.co.jp/articles/45027695e530e051763275a72d54d44c1509526a

昆布自然?)と味の素化学?)が対立概念である、という図式をスンナリ受け入れている人々が多いようだけれど、そういう人々はいまだに味の素石油化学合成食品だと考えているのだろうか。

 

味の素化学合成を中止して発酵製法に切り替えたのは1973年のことだ。

味の素グループの100年史 第7章 第2節

1973年5月14日にMSGの最終晶析、23日に最終分割を行い、試運転開始以来1010カ月にわたり続けてきた合成法によるMSG生産に終止符を打った。

(※MSG = グルタミン酸ナトリウム

 

60年代70年代日本では公害が大きな社会問題となっていて、石油化学工業全体に対する消費者からの風当たりは非常に強かった。四大公害病水俣病新潟水俣病イタイイタイ病四日市ぜんそく)を小学校で習った人も多いだろう。

味の素の基幹工場は、ほかならぬ四日市市にある。上の資料でも、石油化学製品を過剰に警戒する消費者忌避感に逆らえなかった苦衷が(かなりあけすけに)綴られている。

1960年代前半には高い評価を得ていた技術が、わず10年余りのうちに一転して受容されにくい技術になった。その背景には、化学に対する消費者の劇的な意識変化があった。化学合成技術最先端技術としてもてはやす時代から公害元凶として排撃する時代に変わったのであれば、食品化学合成で作るというコンセプトは受け入れられない。

 

化学調味料得体の知れない身体に悪いモノ」という風評マイナスイメージ70年代にはすでに一般的だったのだ。時代PCB水銀カドミウムが重大な食害事件を起こしている真っ最中である化合物食品食品添加物に対する不信感は、現代オーガニック信仰などとはまったく次元の違う切実さがあったはずだ。

味の素の失敗は、せっかく製法を切り替えたのに商品名を変えなかったこに尽きると思う。すでにブランド確立していて手放しがたかったのだろうが、味も成分も商品名も同じままだったら、誰も作り方が変わったなんて思わない。新・味の素とか味の素ネオとか、あるいは全然違う名前をつけた化学じゃない方の旨味調味料を売り出して、オリジナル味の素は静かにフェードアウトさせるべきだったろう。令和の今に至っても味の素を「化学調味料」「化調」と呼ぶ人がたくさんいることが失敗をよく物語っている。

味の素系のブクマコメントを見ていると「親が味の素を嫌いだったか自分にも使う習慣がない」という2世アンチ散見される。事実を知らないまま「味の素悪者」というイメージけがから子へ、子から孫へと語り継がれてしまった結果である

古いイメージアップデートできていないだけならまだいい。それは無知なだけだ。

美味しんぼ』には、露骨に旨味調味料貶めるエピソードがある。山岡たちは(現在味の素発酵食品だと知りながら)わざと「化学調味料」という言葉を使い、味の素化学合成していた時代のままの主張を展開する。まるで電気自動車排気ガスが汚いと言っているようなものだ。

 

味の素の味が嫌いなら使わなければいいし、昆布の味が好きならば昆布を使えばいいし、「身体に悪いって言ってる人がちょいちょいいるから」くらいのよくわからん理由で使わないのもその人の自由だと思う。

追記

私は基本的増田追記ってしないんだけど、スカタンブコメひとつだけ晒し上げときます

安全とわかっているのだけど、遠慮したいのだね。味の素を愛好していた歌手タレントの方が「がん」で亡くなった。生前に特製ソースと謳って、味の素を大量に投入していたのテレビで観ていた。

2023-08-30

anond:20230830070715

追記工場排水のところのブログ氏への批判ちょっと言葉が強すぎる気がする

調べてないけど、有機水銀カドミウムなんかだと薄めてもダメで、排出総量が重要になってくるんじゃないなかな?(調べてないけど)

工場排水であっても、希釈すればOK物質希釈してもNG物質があるので、一概にデマとは言えないと思うわけよ

トリチウム希釈すればOK側の物質であることは確かなんだけど)

2023-03-01

anond:20230301152113

今はまだ、大手食パンメーカーパスコとかが、慎重にエサを厳選して、

完全に管理された環境下でコオロギ培養飼育してるから

安全な「コオロギバウムクーヘン」なんかが販売されているけれど。

コオロギ食が一般化すると、絶対中国人なんかが野生のコオロギパウダー化して、

売り出すのが目に見てるよね。

新鮮・天然コオロギ100%配合 とか言われるとコロッと騙されちゃう

それで工業廃水に汚染された地域で獲れたコオロギを使ったコオロギパンなんかが

町のパン屋で売られて、それを食べた人が、コオロギイタイイタイ病になる。

カドミウムみたいな重金属コオロギは蓄積しやすいからね。

2022-08-03

クレヨンオーブンで溶かす

https://togetter.com/li/1925010

絵の具って重金属が多くて(白は鉛、赤は水銀黄色カドミウム、)ものすごく有害というイメージだったので、オーブンで加熱って聞いてヒエッってなったが

調べてみると普通の絵の具、とくに学校教材とかクレヨンとかは安全な合成顔料を使ってるから、たとえ丸ごと誤飲しても案外平気らしい

勉強になったわ

2022-07-05

anond:20220705111715

なら充電池レンタルすればいいじゃん、って発想になるのは当然で、中国はもうやってるらしい。

https://www.webcartop.jp/2021/01/644051/

したがって、充電の社会基盤の整備は、緊急対応の急速充電器を増やすのではなく、自宅はもちろん、会社事務所レストランスーパーマーケットコンビニエンスストアなど、生活上立ち寄る施設駐車場に200Vの普通電コセントを並べることなである。その意味でも、マンションなど集合住宅への200Vコンセント設置の実現が、求められるのだ。

 またEVに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、電気を使い切ってから満充電するより、まだ電力が残っているうちにこまめに充電を繰り返し、満充電にしないで利用するのが長持ちの秘訣である。この点は、携帯電話ノートPCの充電も同じだ。ニッケル水素や、ニッケルカドミウムなどで懸念されたメモリー効果がないのが、リチウムイオンバッテリーだ。

 急速充電しながらバッテリーを次々に交換する方法は、バッテリー劣化させやすい使い方でもある。つまりバッテリー交換は、あらゆる意味EV利用の最適解ではないのである

モノが増えるし発火しそうだしなあ。

土地が広い中国ならともかく、ゴミが増えそうで日本じゃ無理だな。

なによりサスティナブルじゃない。

やっぱ本命水素だろ。

2021-11-09

anond:20211109222031

それ以前の時代がもう思い出せないなぁ。リアルタイムで知ってる世代なんだけど、、、

ええと、ニッカド電池ニッケルカドミウム)とかでしたっけ?

2021-09-16

日本公害歴史

バズってる「日本薬害歴史」の公害バージョン作ってみたよ。

 薬害歴史はてブhttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/chou_kaorinn/status/1437974388062654468

足尾銅山鉱毒事件(1870年代)

政府古河鉱業「確かに鉱毒出したけど対策たからもうおしまい!」→谷中村農民「そうはいくか!ちゃん補償しろ!」→政府「お前らうるさいから消えろwww」→谷中村廃村村民強制退去

土呂砒素公害(1920年~)

宮崎県西臼杵郡高千穂町役人上級国民ヒ素粉塵災害なんて町の恥じゃ!隠蔽しろ!www」→50年後に住民西日本新聞被害告発してやっと被害が明るみに出る

イタイイタイ病(1955年~)

厚生省「過労か栄養失調じゃね?www」→「ごめん、鉱山から出たカドミウムが原因だった」

森永ヒ素ミルク中毒事件(1955年~)

厚生省「確かに森永ミルクが原因かもしれないが、明確な因果関係はないねwww」→森永(1970年)「ごめんなさい、やっぱりウチのせいでした」

水俣病(1956年~)

チッソ厚生省御用学者メチル水銀なんてない!そんなこと言い出す学者なんか日本に要らない!さっさと消えなwww」→「ごめんな、やっぱりチッソメチル水銀のせいだったわ」

四日市ぜんそく(1959年~)

三重県四日市市高度経済成長にはコンビナートがどうしても必要になるから我慢してくれwww喘息死ぬのは高齢者子供ほとんど死なないしwww」→「わりい、四日市乳児死亡率が全国1位、国内平均の2倍になってしまったwww」

カネミ油症事件(1968年~)

農水省「ダーク油(原因となった特殊な精製油)の提供なんか出来るかwwwおとといきやがれwww」→「ごめんな、あの時提供していれば・・・

2021-06-24

anond:20210624151218

米にもカドミウムが含まれていて毒性があるんだよなあ……

2020-06-21

もし自分の住んでいる場所イタイイタイ病発症地域だったらどうする

原因が鉱山から流れる未処理のカドミウムイオンだと分かった。

ただし裁判をやっていたら解決まで10年はかかるだろう。

そのような見通しが立った時、

あなたならその場所から脱出する?

それともそこに留まり続ける?


他の問題

あなたは35歳の医学部受験生

あなたが死亡する医学部入試では過去データから年齢差別が明らかに疑われるとき

過去データでは差別がない他の大学受験する?

それとも自分の行きたい大学受験する?


深刻な状況や差別に出くわし、自分にはすぐにはどうしようもできないとき

自分がすぐ取るべき行動は逃避か徹底闘争


どんなに悲惨でも現状はすぐには変わらないから、

すぐに脱出すべきだ。

その上で後悔しないように陰ながら支援すれば良いと思う。


でも、人によっては違うと思う人もいるらしい。



あなたはどう思いますか?

2020-03-04

anond:20200304120014

SARS-Cov-2 = メカゴジラ

COVID-19 = ショッキラ

って事か。

実際はメカゴジラの逆襲なのに、84ゴジラ言って新作っぽく騙すな!だとすごく分かる

メカゴジラ2ヤバいぞ、胸はV字で熱戦分散させるし、回転ミサイル中野爆発させるぞ!頭とってもレーザー撃てるし

それなのに空飛ぶ炊飯器カドミウム弾撃てば寝るし、三原山におびき寄せれば火口に落とせるみたいな楽観視させるとか最悪だな

2019-06-03

anond:20190531150056

東京に暮らす男子高校生・瀧は、ある朝、目を覚ますベーリング海の海底に住むゴジラになっており、逆にゴジラは瀧になっていた。2人とも「奇妙な夢」だと思いながら、知らない誰かの一日を過ごす。

翌朝、無事に元の身体に戻った2人は入れ替わったことをほとんど忘れていたが、その後も週に2、3回の頻度でたびたび「入れ替わり」が起きたことと周囲の反応から、それがただの夢ではなく実在の誰かと入れ替わっていることに気づく。性別も暮らす環境もまったく異なる瀧とゴジラの入れ替わりには困難もあったが、お互い不定期の入れ替わりを楽しみつつ次第に打ち解けていく。

しかし、その入れ替わりは突然途絶え、なんの音沙汰も無くなってしまったゴジラ心配した瀧は、記憶をもとに描き起こした海底のスケッチだけを頼りにベーリング海へ向かう。瀧の様子を不審に思い、心配していたバイト先の先輩・三枝未希もそれに同行する。しかし、ようやく辿り着いたベーリング海は、3年前にキングギドラが直撃したこと消滅しており、ゴジラやその家族、友人も含め住民500人以上が死亡していたことが判明する。

瀧は、以前ゴジラと入れ替わっている時に口噛みオキシジェンデストロイヤー奉納した記憶を思い出し、海底に眠るゴジラの骨へと一人で向かう。そしてそのゴジラの骨が実在していたことで「入れ替わり」が自分妄想ではなく、2人の入れ替わりには3年の時間のズレがあったことを確信する。瀧はもう一度入れ替わりが起きることを願いながら、3年前に奉納されたゴジラの口噛みオキシジェンデストロイヤーを飲む。

目覚めるとキングギドラ落下の日の朝のゴジラ身体に入っていた瀧は、ゴジラの友人であるラドンアンギラスの2人とともに、住民避難させるために原発を襲撃し町一帯を停電させ、G細胞を利用して娘を甦らせるという作戦を画策する。しかし、その計画の要であるゴジラの父(23世紀人)・ウィルソンを説得しようとするが、妄言だと一蹴される。

避難計画は順調に進まず、ゴジラ本人なら23世紀人を説得できると思った瀧は、ゴジラに会うためベーリング海へ潜る。その途中で、瀧は当時日本兵だった3年前、見知らぬゴジラザウルスに命を助けられたことを思い出す。そのゴジラザウルスは、瀧に会うためにはるばる東京へやって来た、ゴジラであった。ゴジラ自分に対する想いに初めて気づいた瀧は、涙を流しながらも、ベーリング海へ潜り続ける。

ベーリング海の海底に辿り着いた瀧は、ゴジラ名前叫びながら、三原山火口の外縁を走り回る。2人が生きている世界には3年の時間差があったため、時を超えて聞こえる声を頼りに互いの姿を探すも、声だけで姿は見えなかった。しかメルトダウンが訪れると互いの姿が見え、入れ替わりが元に戻り、初めて2人は時を超えて、直接会話することができた。

メルトダウンの終盤、瀧は互いの名前を忘れないようにするため、ゴジラの手のひらに自分名前を記す。しかゴジラが瀧の手のひらに文字を書き入れようとした瞬間、メルトダウンは終わってしまい、2人はそれぞれ元いた世界へ引き離されてしまう。

ゴジラは、瀧から住民を助ける計画を引き継ぎ下山する。アンギラス計画通りに町を停電させ、ラドン避難指示の放送を流すが、その電波ジャックスーパーXにバレて阻止され、避難は進まない。改めて23世紀人を説得するために町役場へ向かうゴジラだったが、途中の坂で転倒してしまい、心が折れそうになってしまう。いつの間にか瀧の名前を忘れてしまっていたゴジラは、名前を思い出すために、ふと手のひらを見る。だがそこにあったのは名前ではなく、瀧からカドミウム弾だった。それに励まされたゴジラは前を向いて、再び町役場へと走り出す。そしてその後、キングギドラベーリング海に落下する。

月日は流れ、瀧が「入れ替わり」という不思議出来事に遭ってから5年後、偶然にも住民避難訓練をしており、奇跡的に死者が一人も出なかったベーリング海へのキングギドラ衝突から、8年後へと舞台は移る。瀧は就活毎日ゴジラたちは東京暮らしていた。たまに町中でお互いの気配を感じることはあったが、もはや入れ替わりのことは忘れており、ただ「漠然と『誰か』を探している」という、切実な思いだけが残っていた。

さらに月日が流れたある春の日、たまたま並走する別々の電車の車窓からお互いを見つけた2人は、それぞれ次の駅で降り、お互いの下車駅に向かって走り出す。ようやく住宅地神社階段で再会したゴジラと瀧は、涙を流しながら互いの名前を尋ねた。

2019-05-26

アマプラゴジラ見てたんだけどさ

小学生の時にクラスメイトが歌っていた「水銀コバルトカドミウム~~」って曲の元ネタを十数年越しに知った

ヘドラかよ

そういやあいゴジラオタクだったなあ

お互い同窓会に行ったりフェイスブック本名登録するタイプじゃないからどうしてるか分からないけど

謎の感動

2018-11-10

anond:20181110215845

パクチーコリアンダー

デトックス効果あるらしいですね。水銀ヒ素、鉛、カドミウムなどの有害金属

とにかくハーブの中では最強とか某胃腸科のクリニックの御本にありましたよ。

2018-09-06

anond:20180906235716

太陽光パネルには、もうカドミウムは使われなくなったのかな?

なんか廃棄物の量がすごそうだ。

2018-01-12

[] 日本で見つかった「国宝級中国陶器」は本物か、偽物か?

原典:日本發現的「國寶級中國瓷器」是真是假? 日經中文網

日本で見つかった「国宝級中国陶器」は本物か、偽物か?

2017/06/26

日経中文網 特約コラムニスト 張石

2016年12月20日、日本のテレビ東京系のテレビ番組「開運!なんでも探偵団」で「衝撃的なニュース」が報じられた。番組始まって以来最大の発見として、世界で4個目となる中国宋時代の陶器「曜変天目茶碗」が発見されたというのだ。番組の中で、日本の著名な美術鑑定家の中島誠之助氏は、「12~13世紀中国南宋時代に福建省の建窯で焼かれた『曜変天目』に間違いない」と述べ、2500万円の価値があるとした。

曜変天目茶碗とは

曜変天目茶碗」は中国の宋時代に作られ、その窯は建窯と呼ばれた(歴史的には建陽窯とも呼ばれる)。現在の福建省南平市建陽区水吉鎮にある。この茶碗は釉薬が焼成の過程で流れ落ちて厚く溜まり、一部は凝集して滴を作る。この滴の周囲で特殊な窯変反応が起き、七色に輝く光彩を生じる。その輝きはまるで夢幻かあるいは変化する気象のようで、色鮮やかな霞をまとっており、神秘小宇宙に輝く星空のようだ。この種の茶碗が焼けるのは極めてまれな偶然によるもので、一説には窯変過程でこのような効果が生じるのは数百万個に一個ほどと言われる。現在世界に存在する完全な「曜変天目茶碗」はわずか3個で、東京静嘉堂文庫京都大徳寺龍光院大阪藤田美術館が所蔵し、すべて日本の「国宝」に指定されている。中国には現在「曜変天目茶碗」の陶片が1点あるのみだ。

天目茶碗は宋代に制作され、その生産は元時代の初期まで続いたが、以後は二度と作られていない。中国では明や清の時代に曜変の再現が試みられたが成功しなかった。日本では江戸時代から再現が試みられており、美濃や瀬戸で「白天目」などは生産されたものの、「曜変天目茶碗」の再現には至らなかった。1974年、日本の化学者安藤堅は48歳で、それまで定収入が得られていた仕事を辞め、高級住宅も売却して「曜変天目茶碗」を再現するための研究を始めた。彼は貧困の中で困難な研究を続け、ついに1977年に古代の「曜変天目茶碗」に似た最初の作品を焼くことに成功した。安藤に続いて、日本の陶芸家の林恭助、桶谷寧、長江惣吉や中国人間国宝国家級非物質文化遺産建窯代表伝承人)である孫建興らが曜変に似た作品を作っている。

曜変天目茶碗」の鑑定が日本で大論争に

番組の放送後、徳島県教育委員会はこの茶碗を県文化財に指定するための調査計画した。

しかしここで、日本の陶芸家や専門の研究者から曜変天目茶碗である」という番組の鑑定に対して疑問が投げかけられた。愛知県で古くからの窯が多い瀬戸市に住む陶芸家の長江惣吉氏は家業の陶工を継ぐ9代目で、父親の曜変天目研究を継承している。彼は父の業績を引き継ぎ、「曜変天目茶碗」の再現に一定の成功を収めた。1996年以来、中国を28回も訪れて建窯の研究を行っている。中国では中国科学院上海珪酸研究所と連携して陶磁器の国際研究会にも参加し、中国の陶磁専門家に友人も多い。中国古陶磁の再現についても意見交換を行っている。その長江氏が番組に異議を唱えたのだ。彼はインターネットで、福建省周辺で作られた「曜変天目茶碗」の複製品を購入し、これが番組の認定した「曜変天目」と出所が同じだと考えている。

「この茶碗には顔料(スピネル顔料)が使われています。この顔料ヨーロッパ18世紀に発明されたもので、曜変天目が作られた宋代(12~13世紀)には存在しません。ですから、こういった顔料が宋代の茶碗に使われることはありえません。この顔料の主な成分は、化学的に製造されたコバルトクロムセレンカドミウムです。これらの元素が多く含まれていれば、例の茶碗を分析すれば各々の顔料部分からこれらを検出できるはずです。これらの元素は完全に天然原料から作られた当時の建盞には全く含まれません。仮にこれらの元素が天然原料に不純物として含まれていたとしても、その量は 0.01% 程度にしかなりません」

「曜変の光彩はオパールのように、見る角度が変わると光彩も変化します。非常に美しく、人を魅了するものです」

「いわゆる「曜変」という言葉の意味は、輝きが変化するということです。(長江氏がネットで購入した茶碗を示しながら)しかしこの茶碗は、単に青・緑・赤の顔料が発色しているだけです。この種の茶碗の場合、釉薬の成分(リン酸)の関係で、顔料釉と白濁釉にわずかな光彩が出るのみです。曜変の明るい光彩とは比べ物になりません。私がネットで買った茶碗を番組の茶碗と比べると、赤色の内側部分がよりはっきりしていて白い部分はありませんが、これは顔料で描くとき方法の違いや白濁釉と顔料の濃淡の違いによるもので、実際のところはどちらも同じですよね?」

長江さんは後で筆者に述べた。

「あの茶碗は中国の福建ではどこでも見られる商品です。「曜変天目茶碗」に似ていると言う人もいるかもしれませんが、これは偽物として作られた物ではなくただの商品で、非常に安い値段で売られています。番組の中でテレビ東京はあの茶碗を宋代に作られた「曜変天目茶碗」だと説明しましたが、これは「鹿を指して馬だと言う」ようなものでしかありません。」

中国陶磁史と中国陶磁考古学の分野で世界的な影響を持つ権威である沖縄県立芸術大学教授森達也氏も、筆者の取材に対してこう述べた。

「少なくとも「曜変天目茶碗」ではありません。12~13世紀製造されたという可能性も非常に低いものです。」

筆者がその理由を尋ねると、森達也氏は以下のように述べた。

「1. 日本国内には3個の「曜変天目茶碗」があります。私は杭州で出土した「曜変天目茶碗」の破片も手に取って見たことがあります。「曜変天目茶碗」の外側にはテレビ東京の番組の茶碗のようなはっきりした模様はありません。

2. テレビ東京の番組の茶碗に見られる模様は雲のようですが、これは曜変天目の模様とは全く異なります。本物の「曜変天目茶碗」の模様は白くて丸い斑紋で、その周囲には虹のような色鮮やかな光芒が出ています。

3. テレビ東京の番組で鑑定された「曜変天目茶碗」には、茶碗の底に「供御」という二文字があります。確かに建窯の窯跡では「供御」と書かれた陶片が見つかっていますが、割れていない完全な陶磁器でこの二文字が刻まれたものは世界中で一つも見つかっていません。模倣品でこの二文字を刻んだものは数多く存在します。テレビ東京の茶碗は本物の「曜変天目茶碗」とは全く異なるものですが、最近中国流行している模倣品とは非常によく似ています。」

森達也教授さらに述べた。

テレビ番組としては劇場的な効果さえあればよく、科学的な研究は要らないのです。あの茶碗が日本の3点の国宝と同じであるなどというのはナンセンスな話ですが、陶磁器科学研究を行っている人々からすればこれは非常に残念なことです。」

この論争は中国にも広がっている。中華陶磁芸術設計大師の資格を持ち、国家級非物質文化遺産建窯代表伝承人(日本の人間国宝に相当する)でもある建窯陶磁研究所所長の孫建興氏は、「曜変天目茶碗」を再現し建窯を再び曜変の産地とする事業に40年にわたって取り組んでいる。彼はこれまでに黒釉の天目茶碗や黄(赤・青・金・銀)などの兎毫盞、異毫盞、虹彩(金縷、白点)、鷓鴣斑、鐵銹斑、毫変、国宝油滴、金(銀、虹彩)油滴、黄天目、蓼冷汁、灰被、玳瑁、柿紅、虹彩、金(銀)彩文字、木葉、窯変、曜変天目などの一連の作品を作ってきた。彼が長江惣吉氏に送ったメールで、彼は述べている。

「これは曜変の偽物で、現代に焼かれたものです」

筆者も電話で孫氏と長時間話をした。彼は筆者にこのように述べた。

テレビ東京で放送された茶碗はせいぜい数年前に作られたものです。」

新聞や雑誌で真贋論争が過熱した後、この「曜変天目茶碗」の所有者は茶碗を奈良大学文学部文化財学科教授の魚島純一氏に渡し、分析を依頼した。魚島教授は蛍光X線装置を用いて茶碗表面の色の部分を分析した。

魚島教授物質に含まれている元素を検出できる蛍光X線分析装置で、茶碗表面の各色にX線を照射して元素の種類と量を測定した。その結果、アルミニウムなど10種類の元素を検出したが、化学顔料に使われる元素については発色に影響しないほどわずかな量しか検出されなかった。

魚島教授は述べている。

「X線分析の結果、表面のどの色の部分かによらず、検出成分はほぼ同じであった。このことから、茶碗に使われている釉薬は1種類であると考えられ、この分析結果からは茶碗が偽物であることは断定できない。」(《德島新聞》,2017年2月28日

一方、長江氏は筆者に対して次のように述べた。

「魚島教授は、釉薬の発色に影響するだけの量が検出されなかったため、判断ができないと言っている。であれば、魚島氏は最低限どれだけの量が含まれていれば発色に影響するのかを具体的に言った上で、分析の結果その最低量を下回っていたことを示さなければならない。しかし、魚島教授データには下限値の数値も書かれていないし、彼が分析で得た数値も書かれていない。よって彼の判断には根拠がない。」

日本の複数メディア報道によれば、その後、茶碗の所有者から茶碗についての資料が提供されないため、徳島県文化財指定のための調査を中止した。

なぜ「曜変天目茶碗」の鑑定は論争を引き起こしたか

私自身、「開運!なんでも鑑定団」は好きな番組だ。自分も中国の古陶磁を蒐集しており、骨董の鑑定について10年近く独学で学んでいる。浅学ながら陶磁器の本や文章なども執筆してきた。私は中島誠之助さんの陶磁器鑑定、特に日本の陶磁器鑑定については相当の経験をお持ちで深い造詣を有していると思っている。

だが、中島さんと彼の鑑定についてはともかく一般論として、一人の鑑定士の鑑定範囲が日本だけでなく海外をもカバーして、なおかつ正確であることを求められるというのは、鑑定士にとっては間違いなく一種冒険と言ってよい。陶磁器は全世界に存在し、最古の陶器は数万年以上の歴史を持っている。一人の鑑定家が古今東西全てについて完全に判定できて一度も間違えないなどということが可能だろうか? 一度間違えればその後も間違いの危険は存在するのだ。

「荘子」で述べられているように、「吾が生や涯(かぎり)有り、而(しか)も知や涯無し。涯有るを以て涯無きに随(したが)うは、殆(あやう)きのみ」(我々の人生は有限である。しかし人間の知は無限だ。有言の身で無限のことを追い求めるのは危うい)なのだ

このことは、最も権威ある陶磁器研究者であっても忘れてしまうことがある。例えば、1959年国際的に知られた陶磁研究専門家で日本陶磁研究第一人者でもあり、当時日本の文部省の技官として文化財専門審査委員を務めた小山富士夫氏が、「永仁の壺」と呼ばれた陶器を日本の重要文化財に指定するよう強く推薦したことがあった。これを受けて同年6月27日文部省は「永仁の壺」を鎌倉時代古瀬作品であるとして重要文化財に指定した。

その後、日本の有名な陶芸家であった加藤唐九郎が海外に渡航した際に、唐九郎の息子である加藤嶺男が「いわゆる「永仁の壺」は自分が作った」と述べた。唐九郎の帰国後、彼はメディアが大騒動になっているのを目の当たりにした。1960年9月23日、唐九郎は「永仁の壺」は1937年に自分が作ったものであることを認めた。(真の作者が誰であったのかについては異なる見解がある。)「永仁の壺」が本物である証拠は、古瀬戸の「松留窯」で発見された陶片が「永仁の壺」の胎釉と一致するという点にあったが、実は「松留窯」自体加藤唐九郎による捏造で、陶片も彼が偽造したものだった。

このようにして、「永仁の壺」を含む重要文化財3点が指定取り消しとなり、小山富士夫は委員会を辞職した。ゆえに、賢明な鑑定家は誰であれ、古物の鑑定には、異議の申し立てが容易に行えるように、議論の余地を残しておかねばならないのだ。

私は中島氏の鑑定が間違っていたと言っているのではない。第一に、私はこの分野の専門家ではない。この件で私が真贋を判断するのは無意味だ。第二に、厳密にいえば、文物の鑑定とは考古学歴史学、美学、自然科学にわたる総合的な学問である全面的に、かつ正確に古代の文物の年代を特定・鑑定する厳密な科学方法は存在しない。言い換えれば、こういった議論で100%の是非を決める結論を得るのは難しい。

筆者は言いたい:このような重大な鑑定では、もっと広く意見を求めるべきだったのではないか?

確かにテレビ番組では、科学研究場合のように「この品物が疑わしい」と言うのは難しいことだ。しかし、結論を出すのが難しい文物、特に「鑑定団史上最大の発見」といった結論や、「現存4個目の中国宋代の陶器「曜変天目茶碗」」のような鑑定については、中国建窯の専門家と日本の権威ある専門家の意見を求めるべきではないだろうか。筆者はテレビ東京の番組担当者に、この論争についての意見を求めて何度も電話をかけ、メールを送った。しかしこの原稿を執筆している時点では、彼らからの返答はない。「週刊ポスト」の報道によれば、この件についてのテレビ東京見解は以下の通りだ。「鑑定は番組独自見解であり、お答えすることはございません」(《週刊ポスト》,2017年6月23日,146頁)

だが、もしもっと広く意見を集めることができたら、例えば中国で初めて建窯の陶磁器の再現に成功した前述の孫建興氏のような専門家の意見を求めてはどうだろうか? 彼の「曜変天目」に関する研究と実験は非常に深いものだ。彼は考古学、鑑定、科学実験の各方面に非常に造詣が深い。こういった人々の意見には重みがあると言えないだろうか。もしテレビ東京がこのような人々にもっと意見を求めるようにすれば、論争は減るのではないか?

もう一つの問題は、文物の鑑定に自然科学が介入するという話だ。実際、今のところ文物科学的に鑑定する完璧方法というのは存在しない。多くの人が挙げる放射性炭素年代測定法は、自然界に存在する炭素14という同位元素を使ってもともと生きていた動植物の年齢を決める放射年代測定法だ。動植物が生きている間は生物の新陳代謝によって生体内の炭素14の量は一定に保たれる。生物が死ぬと体内の炭素14は崩壊して減り続ける。だが磁器・陶器・青銅器などは無機物だ。しかも時代の古い文物場合炭素14年代測定では年代の上下の誤差が大きい。一方で、1000年から2000年前という比較的新しい歴史的文物場合基本的には炭素14鑑定は使えない。

また、熱ルミネセンス法と呼ばれる鑑定方法もある。陶磁器が焼かれるときに500℃以上に加熱されると、外部から吸収した輻射エネルギー放出される。その後、焼成から年月が経つと、年月の長さに応じた量の輻射エネルギーを再吸収していく。熱ルミネセンス法の原理は、古陶磁の内部に蓄えられているこの輻射エネルギーの量を計ることで年代を測定するものだ。誤差範囲一般的に±20%程度で、相対的には正確な方だ。

しかしこのような報道もある。

「数年前、北京の二つの有名な博物館がそれぞれ六朝時代の陶器を古物市場で20万元で購入したが、後にそれらがすべて贋作であることが判明した。これらの品は河南省の某博物館の下で作られたアンティーク工芸品であったが、なぜこれらが北京の潘家園旧貨市場に流れたのかは分かっていない。ある古物の専門家が古物市場を訪れ、そこで売られている品物を熱ルミネセンス法で調べると、約1600年前という測定結果が出た。そこで誰もがそこの品物を買った。買われたことが知られると、同じような品物が古物市場にどんどん出現した。そこで国家文物局がすぐに公安部通報した。公安部担当者は、「墓が荒らされて大量の遺物が盗まれる事件が発生している」と説明した。警察が現地に到着すると、地元の住民が自宅で贋作を作る作業をしているのを発見したという。彼らは六朝時代の墳墓から盗掘したレンガを削って粉にしていた。この粉を贋作に使えば、熱ルミネセンス法にかけても墳墓の中で長年溜め込んだ輻射を出すので贋作を判別できなくなる。また彼らは、こうして作った粉で六朝陶器を偽造するための特別な装置も使っていた。このようにして、熱ルミネセンス法での検査は失敗してしまうのだ。」 (《鑒定家VS造假者》,新華網,2005年03月15日

魚島教授が蛍光X線分析を用いた点に関して、森達也教授は私に述べた。

「彼は本物の曜変天目との比較を一切行わず、例の茶碗のみで分析を行いました。これでは意味がありません。」

筆者は魚島教授にも、蛍光X線検査について質問を行った。彼は言う。

「私はあくまでも顔料部分の元素を調べる目的でこの装置を用いました。私が調査結果を発表した際に、茶碗が偽物である考える人たちから非難を受けましたが、私は真贋鑑定をしたわけではありません。」

筆者:

―― それはつまりあなた検証結果は、この茶碗には18世紀以降の顔料は使われていない、ということですよね。

魚島教授

「それは新聞がいい加減に書いていることです。私は18世紀以降云々といったことは言っていません。私はただ、現代のものと考えられるような種類の顔料は検出されなかった、と言っているだけです。」

筆者:

―― 言い換えれば、18世紀以降に発明された化学顔料は使われていなかった、ということですよね?

魚島教授

「これらの顔料が使われているから茶碗は偽物なのだと主張する人々もいますが、私はただ、そのような顔料は検出されなかった、と言っているだけです。私は陶磁器鑑定の専門家ではありません。あの茶碗が偽物だと主張する人々は、化学顔料元素が茶碗に含まれているはずだ、と言っています。私は単に、その元素があの茶碗に本当にあるかないかだけを調べたのです。どの時代に作られたものか、という調査をしたのではありません。ただ、あなた方が言っているような元素はありませんでした、と言っただけです。」

筆者は質問した。

―― 例えば、もちろんこれは(例の茶碗のことではなく)仮定の話ですが、誰か現代の人間が、今回指摘されたような元素を含む現代の化学顔料ではなく、昔の顔料を使って茶碗を作ったとしたら、あなた検証方法では今回と同じような結果が出ますか?

魚島教授

「その可能性はあります。」

しかしながら、中国では古代の陶磁器を偽造または模造する際に化学釉薬を使うことは多くない。中国の多くの地方には陶磁器の偽造工房があり、こうした工房の多くには専門技術を持った人間がいるわけではない。地元の農民が、数千年間にわたって埋まっていた陶土を掘り出し、古代の方法で焼いているのだ。匿名で語ってくれた、中国で著名な建窯の研究家考古学者、鑑定家たちが筆者に述べたところでは、現在中国には建窯産品のコピー品工房が1600以上存在する。その多くは偽造品を作りたいわけではなく、単にアンティーク風の品や旅行土産製造するのが目的だ。もちろん中には偽造品の製造目的とする人々もいるが、偽造品の製造方法はどこにでもあるような手法だ。科学的な鑑定が困難になるように、古い器の底の部分だけを新しい器に接合したり、古い胎土に新しい釉薬を使ったり、古い胎土に古い釉薬を使ったり、その他いろいろな方法を使っている。

このことは、古物鑑定が文化や歴史年代、改竄や継承といった問題と関わっていることを示している。加えて社会的な影響や国際的な影響も大きい。今回の鑑定やテレビ東京の件は別にしても、日本の博物館や歴史研究部門では、中国文物を鑑定する際に同じような問題に直面しているはずだ。それゆえ、重大な結論に至るような場合には、我々は注意深くなる必要があり、広く意見を求めるべきなのだ

※ この記事は筆者の個人的視点を示したものです。

張石 略歴:

1985年中国東北師範大学外国語言文学系研究所卒業修士号を取得。1988年から1992年まで、中国社会科学院日本研究所助手研究員 Permalink | 記事への反応(0) | 00:35

2016-08-12

薬は注射より飲むのに限るぜ!ゴジラさん

http://anond.hatelabo.jp/20160731121447

ヤシオリ作戦が経口投与なのはゴジラVSビオランテで抗核バクテリア弾を撃った表題台詞の主、自衛隊の権藤吾郎一佐のオマージュだと思います

物質を無力化可能バクテリアを生身の人間が死を覚悟ゴジラの口に放つシーンは歴代でも屈指の名シーンです。

前作ゴジラ84'のスーパーXも核物質を抑えるカドミウム弾を照明弾の誘導からゴジラの口に撃ち込んでいますが、ゴジラを完全に止める事はできませんでした。

怪獣映画被害者役だった電車復讐である無人在来線爆弾と並び怪獣映画史における雪辱戦になっている構図です。

2015-10-09

http://anond.hatelabo.jp/20151008233651

画面が大きくなる→電力食う

速度が早くなる→電力食う

使うアプリが増える→電力食う

軽くする→電池小さくなる

という三重状態がいまのスマホの状況で、かろうじて、画面が大きくなる→電池スペースが増える→電池やす(重くなっても大きいという理由ごまかせる)というのが最近の流れだ。

抜本的な改善には電池を同じサイズと重量でパワーを2倍、3倍としていくしかないが、

・あたらしい物質発見しなくてはならない、

・そのあたらしい物質をつかった電池が、いまと同じぐらいの価格と量で生産できなければならない

・そのあたらしい物質は安定して長期に供給可能な材料で無くてはならない

安全でなくてはならない。

の点はクリアする必要がある。

ここ100年ぐらいで、世の中で量産し広く使われた充電式電池は大雑把に言って(派生の細かいのは除く)

Pb(鉛)バッテリー → ニッケル電池カドミウム水素吸蔵) → リチウムイオン電池

の3種類ぐらいで、未だにPbバッテリーは現役だ。体積あたりのエネルギーが増えるほど危険も増すからだ。ニッケル水素リチウムイオン電池だってけっこう爆発したり発火したりしている。いろいろな努力安全性を高めてはいるが、エネルギーが増えれば増えるほど危険なんだから

ということは、30年に一度ぐらいのペースということ。

加速度的に化学分野や計算機が発達していてもそんなもん。

リチウムイオン電池が普及し始めてまだ15年ぐらいだから、あと15年ぐらいはかかるんじゃないかなと思う。

まあ「発見」するタイプ技術からわからんけど。

2015-10-05

http://anond.hatelabo.jp/20151004225520

ほんとこれ。

放射線より、重金属汚染のほうが日本は深刻。普通に米つくっているのに、いざ出荷となるとカドミウム多くて出荷できないレベルのところが

ところどころにあって、土入れ替えたり、政府が買い取って糊の原料にしたりしている。ヒ素も米やヒジキに多い。

夏場に水を抜くと米の甘みは増すのだが重金属が蓄積するというトレードオフで、旨い米や安い米には注意が必要

http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/index.html

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