2024-08-02

SHEINは218.5倍だが北欧玩具発がん性物質は840倍だという話

3行で

検出された「発がん性物質」とされる「DEHP」はコーヒースマホ電波と同等の発がん性しかない。

国内流通しているデンマーク製玩具からは同様の「発がん性物質」が同じ基準で840倍検出されている。

SHEINが安全だと言いたいわけではない。

日本ニュース

「SHEIN」商品発がん性物質 新たに水着などから確認浮き輪から基準値の218.5倍

https://news.ntv.co.jp/category/international/c19af36e574d4be0a62f21d8ab8e7c52

韓国の元ニュース

記事本文にもある通り元は韓国当局が出したプレスであり、韓国国内ニュースこち

https://www.newspim.com/news/view/20240802000108

原文

먼저, '어린이용 튜브' 3종에서 프탈레이트계 가소제, 중금속, 물리적 요건(본체 두께 미달) 등에서 국내 기준치를 충족하지 못했다. 2개 제품에서는 프탈레이트계 가소제(DEHP)가 기준치 대비 각각 최대 290배, 219배 초과 검출되었으며, 1개 제품의 튜브 공기 주입구에서는 카드뮴이 기준치의 1.44배 초과 검출됐다. 물리적 시험에서는 3개 제품 모두 튜브 본체 두께가 국내 기준치(0.25mm 이상)보다 얇아 (두께 0.1~0.06mm) 미달인 것으로 나타났다.

訳文

まず、「子供チューブ」3製品でフタル酸系可塑剤、重金属物理要件(本体厚み不足)などで国内基準値を満たさなかった。2つの製品ではフタル酸系可塑剤(DEHP)が基準値の最大290倍、219倍を超えて検出され、1つの製品チューブ空気入口からカドミウム基準値の1.44倍を超えて検出された。物理試験では、3製品ともチューブ本体の厚さが国内基準値(0.25mm以上)よりも薄く(厚さ0.1~0.06mm)未達成であることが分かった。

まり検出された基準値の218.5倍の発がん性物質とは「DEHP」である

DEHPとはなにか

DEHPとはフタル酸系可塑剤の一種である

フタル酸系可塑剤とはプラスチックを柔らかくするもので、その特性から子供用の玩具などにもよく使われている (使われていた)。

DEHPの安全

少なくとも日本業界団体は「DEHPは安全だ」としている。

詳しくは以下を参照。

https://www.vec.gr.jp/anzen/anzen2_3.html

要約すると

DEHPの毒性は食塩砂糖よりも低い。

過去発がん性が疑われたこともあったが、げっ歯類特有効果霊長類に対しては安全であることが分かっている。

ただし予防的措置としてIARC(国際がん研究機関)の分類では「2B」となっている。

グループ2B」は「ヒトに対して発がん性のある可能性がある」という評価で、これはコーヒースマホ電波などと同等。

経産省有害評価についてはこちらを参照

https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/other/files/g20515b13j.pdf

DEHPに対する規制

げっ歯類に対して毒性があったこから各国で予防的に規制が行われている。

世界中概ね同様の規格値で「0.1wt%」。

ただし対象が異なり日本では「口や食品に触れるもの」のみ。

欧米韓国はより厳しく玩具育児用品、消費者製品となっている。

詳細はこち

https://www.vec.gr.jp/anzen/anzen2_4.html

SHEINと全く同じ製品日本通販でも売っているが問題ないのか

少なくともDEHPに関しては、子供服や浮き輪などでは問題ない。

理由上記の通り日本では規制対象ではないから。

以前も同様のニュースがあった気がする

今回と同様に日テレニュース配信した記事があった。

中国通販サイト「シーイン」商品から発がん性物質確認 韓国当局が調査

https://news.ntv.co.jp/category/international/b2520c412ef949658769e3c35ace2818

韓国ではこのような調査がよくあるのか

よくある。国内国外製品わず定期的に、大規模にも行っている。

2024年

韓国国内の大規模市場調査で1008個中42個、フタル酸エステルにおいては色鉛筆で347倍検出されたというニュース

news.kbs.co.kr/news/pc/view/view.do?ncd=7902237

URL数の投稿規制に引っかかったためドメイン以前を省略 (以下同)

2023年

韓国国内基準値の340倍のDEHPが検出されリコールされた鉛筆キャップ

www.safetykorea.go.kr/recall/ajax/recallBoard

2020年

韓国国内の大規模市場調査で40個、フタル酸エステルにおいてはゲーム玩具で130倍検出されたというニュース

www.korea.kr/news/policyNewsView.do?newsId=148879477#policyNews

2017年

フタル酸エステルなどの基準値超過で45社47製品リコールしたというニュース

eiec.kdi.re.kr/policy/materialView.do?num=162667

日本では行っていないのか

韓国のような調査ほとんど行われていない。

近年のものでは厚労省研究事業として以下のものがある。

乳幼児期の玩具使用における健康被害防止に向けた有害化合物の曝露評価に関する研究

https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/149326

この研究では日本中国韓国タイフランスデンマークの新品と中古玩具、84製品調査対象となった。

新品の玩具において最もDEHPの含有割合が高かったのはデンマーク製の「ままごと玩具」で基準値の840倍、次点デンマーク製玩具で580倍であった。

北欧製品安全イメージがあったが違うのか

DEHPに関しては絶対問題がないというわけではないと思われる。

直近でも以下のようなリコール情報がある。

ノルウェーの布財布においてDEHPが基準値の126倍であったという2024年プレス

https://consumer.gwd.go.kr/board_safety/66208

日テレ以外にこのニュース報道したところはないのか

少なくとも国内新聞社通信社テレビ局ではない。

なぜ日テレけがわざわざ韓国内のこの特定プレス報道したのか

詳しくは不明だが 「SHEIN」の製品国内でも広く流通しているため、また「中国」「発がん性」というワードに強いニュースバリューを感じたのだと推察される。

2024年に今回を上回る347倍の検出があったのになぜ日テレ報道しなかったのか

詳しくは不明だが、347倍の商品韓国国内製品からだと推察される。

上記の通り日本国内でも流通していると思われる、または確実にしている製品複数過去摘発されているがSHEIN製品ほどのニュースバリューは感じなかったのだと推察される。

元のニュースでは最大290倍なのに、なぜ日テレニュースでは218.5倍なのか

ニュース記事タイトルは以下なので当然の疑問。

海外直輸入子供チューブ発がん性物質基準値の290倍検出

答えは290倍の値が検出された製品はAliExpressの商品から

AliExpressよりも広く認知されているSHEINの名前のみを出したかったのだと推察される。

なぜ日テレ発がん性物質有害物質の固有名詞を出さないのか

詳しくは不明

上記、DEHPの安全性を主張する「塩ビ工業環境協会」はテレビ局スポンサーである信越化学工業カネカが輪番で会長を務めている。

DEHPの固有名詞を出すと悪いイメージがつくからではないかとも推察されるがあくま想像の域をでない。

一度目の報道でも固有名詞は出していないためそういった報道方針なのだとも考えられる。

SHEINの製品安全なのか

不明

DEHPに関しては上記の通りだが他にも多くの問題があると思われる。

自身判断して下さい。

  • どこの国のメーカーかより、中国製造のものが危険ってオチだろ

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