はてなキーワード: 茶々とは
寒い寒いと言いながら、三時のおやつでも食べようかとリビングに降りてきた私に、キッチンから父がボソッと声をかけた。
「エアコンなら、母さんが業者呼んで清掃してからじゃなきゃ使わん言ってたから、つけたら怒られるぞ」
はぁ?という顔をしている私に、いらんといったのが聞こえなかったのか、みかんを手渡しながら父が言う。
「なんで寒くなる前にやっとかんかったんだって話よな。そんなこと言ったら、怒られるから絶対言わんけど」
からからと笑う父。手に持つマグカップには湯気の立つコーヒー。テーブルに目をやると、みかんの皮が散乱している。
ソファの背もたれにかかっていたひざ掛けを腰に巻いて、リビングのテーブルにつく。渡されたみかんを揉みながら、
頼むより先に父はグラインダーに豆を入れていた。ブィーンという無機質な音が部屋に響く。
「みさちゃん、昨日の夜酔っぱらって、そこまで聞けんかったけど。この後どうすんの。そこらへん、母さんとは話したんか?」
「うーん」
どうしたものかと私は少し考えた。昨夜、久々に帰省した私のために、自宅ではささやかな歓迎会が催された(とはいっても少し豪華な寿司の出前をとったくらいだが)。食事を終えて、家族三人テレビを見ながらダラダラとお酒を飲んでいたのだが、父は早々かつ静かにリビングのソファに沈んだ。腹に猫を乗せて、スマホのバイブほどの小さな音量でいびきをかきながら寝る父をそのままに、母とは今後の話をある程度した。正味二時間ほどかかったその話を、今父にするにはまだ話をまとめ切れていない。母からは同姓として理解は得られても、父にはこの冗長な割に何も決まっていない私の現状を伝えても、ただ心配を駆り立てるだけではと不安になったのだ。
「まぁ暫くは休むよ。貯金もあるし。今はまだ動けん気がするし、何より少し疲れたわ」
みかんの皮をむきながら、はぐらかすようにそう答えると、コーヒーを入れる父の手に視線を移した。暫く見ない間にまた年季が入ったなぁと、ふとそんなことを考えた。
ここ数年、私(輝く三十代独身)はアメリカ西海岸の小さな広告代理店で仕事をしていた。小資本の飲食店や小売店なんかがメイン顧客だったので、今回のコロナによる各種制限後はほどんと仕事がなく、一部制限解除後もほとんどの店はコマーシャルを打つ余力はなかった。片手間に作っていた無料情報誌なんかは、コロナ対策のコラム等を差し込みつつほそぼそと発行を続けていたけれど、いつしかそれも限界に。結果、私はあえなく「状況が良くなったらまた声をかけるから、必ず戻ってきて」とお決まりのコメントと共にレイオフの網にかかったのである。こんな状況ですら私を限界まで雇い続けてくれた会社には感謝しかないが。
解雇後「とりあえず一旦リセットだな」と考えた私は、実家に帰ることにした。異性関係は、現地で交際していた男性と二年ほど前に別れた後はパッタリだったし、行きつけのチャイニーズレストランもコロナで潰れたので、かの地に私を繋ぎ止めるものはもう何もなかった。大卒後から今までずっと海外でもがいてきたこともあり、このひっくり返った世界を口実に、このタイミングで実家でゴロゴロしてやろうと、そういうことである。しかし状況が状況なので、帰国を決断した後も、やれ渡航制限だ、やれチケットの予約だと色んなことがうまく繋がらず、なかなか出国することができなかった。ようやく帰国の日取りが決まったころ、
「帰るで」
ポッと送ったLINEに、
「車で迎え行く!楽しみ!おめかししてく!」
と還暦も半分過ぎた母はノリノリで返信したにも関わらず、当日派手に寝坊した。私が期待していた、到着ロビーでの感動の再会(BGM:青春の輝き/The carpenters)は叶わず。実に四年ぶりの帰国はなんとも味気のなく、一人公共交通機関でと相成ったのである。
「あれな、『コロナだし、やっぱ行かん方がいいと思って』って言い訳しとった」
私の分のコーヒーを手渡しながら、けらけらと父は笑った。
「ほんと昔から適当な人。あんなんと結婚した意味が分からん。初恋の人とか言わんでよ?」
私が次のみかんに手を伸ばしながら言うと、
「初恋かぁ……」
ギリギリ聞き取れるくらいの声でボソッと言った後、父は一人モジモジしながら下を向いた。思えば父と母がイギリスで出会ったという話は聞いたことがあるが、初恋話となると聞いたことがない。恐らくこの人の初恋は母とは別の人と思うが、どうせ時間もあるし、掘れば面白い話が聞けるかも知れないと思った私は、
「そしたら、父さんの初恋っていつよ?」
別に話したくなければいいですよ、ええ。と二個目のみかんの皮をむきながら、興味なさげに聞いてみた。暫く返答がないので視線を上げると、相変わらずモジモジしながら、父は照れくさそうに顔を上げた。
「お墓に持っていくほどのものでもないし、話してもいいか。母さんには内緒だぞ?」
言うと父はテーブルの上のみかんの皮をまとめてゴミ箱に入れると、ゆっくりと向かいの席に着いた。
(結局話したいんでしょうに……)
「みさちゃんも墓参りの時に行った叔父さんの家、まぁあれは父さんの実家でもあるわけだけど、裏手に階段あったやろ。急なやつ。あそこを登ると昔図書館があったんよ。市立だか県立だか忘れたけど、そこそこ立派なやつがね。父さんは大学の受験勉強を毎日そこでしてたんだ。家だと兄弟たちがうるさいから」
父の実家は西日本の某所。坂の多い海辺の町だった。遠方であることもあり、私は小学校高学年の時に祖父母の墓参りに行ったのが最後、以来そこには行っていない。
「そこの自習室がさ、海に向かって大きな窓があって。部屋にストーブがあったけど、やっぱり窓が大きかったせいかな。冬場はすごい寒かった。でもそのおかげで利用者が少なくてね。少し寒いくらいの方が頭も冴えるし、父さんはそこを好んで使ったんだ。あともう一つ、別の理由もあったんだけど」
父はそわそわと立ち上がると、コーヒーのおかわりだろうか、電気ケトルに水を入れて沸かし始めた。ケトルがお湯を沸かし始める音が、私の想像の中の自習室のストーブの音と重なる。父はそのままケトルのそばから離れず、窓の外に目をやりながら続けた。
「父さんともう一人、その自習室を使う女の子がいたんだ。とても綺麗な、束ねた長い髪が印象的な子だったよ」
突如文学的な表現をし始めた父をみて(これはキモイな……)と思った。初恋話を聞くのにある程度の覚悟はしていたものの、父の口から語られるそれは、なんとも中途半端な恋愛小説のようで、
(これは、脳内でキレイどころの女優さんでもキャスティングして、程よく補完しながらでないと聞くに堪えないな)
そんなことを考えながら、みかんを口に放り込んで聞いた。
「それが初恋の人?思ったよりチープな感じ」
「最後まで聞けよ。みさちゃんが聞いたんだし、父さんにとっては大切な青春の1ページだぞっ!」
父はムッとした表情で言った。
「隣の高校の女の子だったんだ。同じく受験生だった。頭のいい子でね。その部屋で一緒になった最初の数回は会話がなかったんだけど、ある時勇気を出して話かけたんだ。『どこの大学を目指してるんですか』ってね」
「ほうほう。で?」
「目指してる大学が一緒だったんだ。まぁ、彼女は余裕の合格圏内。父さんは相当な努力を要するくらいの差はあったけれどね。彼女は英語系の学部に進みたいと言っていた。将来は海外に行きたいと。当時ボーっと生きていた父さんと違って、明確な夢を持っていた彼女はとても輝いていてね。ほら、男って単純だから、一発で惚れちゃったんだ。同じ大学を目指す二人。一緒に勉強する自習室。これは、もう、そういうことだろうってね」
「馬鹿なのではなかろうか」
「いや、馬鹿でなくて!」
父は鼻息荒く私を遮り、
「たしかに最初は一方的なものだったさ。けれど、一緒に勉強……というかほぼ父さんが教わるだけだったけれど、毎日のように、約束して、同じ時間を過ごして、そういう感じになったんだ。『一緒に合格しようね』とか『一人暮らしする時は、近くに住もう』とか、これはっ!もうっ!そういうことでしょうがっ!」
若干の金八先生口調になりながらまくし立てた。
「彼女の教え方が本当にうまいもんだから、ギリギリの成績だった父さんも合格圏内に入るくらいになったんだ。夢の大学生活は目の前だった。ある雪の積もった日、勉強を教えてくれたお礼に、図書館の近くでラーメンを奢ったんだ。温かいものでも食べようってね。その帰り道、初めて手を繋いだんだ。女の子と手を繋いだのは、その時が初めてだ。さっき食べたラーメンが胃から飛び出そうだった。家まで送ると言ったんだけど、ここまででいいと。途中で分かれたんだ。次の日も、いつも通り会えると思った。でもなぁ……」
突然、演技派女優のようにうなだれる父。いや、でもこれは結構シリアスな展開なのでは。私は我慢できず、恐らく一番ビンビンに立っていたフラグを掴むと、
「……し……死んだとか?その才色兼備さんは……事故に遭ったとかで……」
ゴクリと唾を飲みながら聞いた。少しの間、静寂がリビングを包む。父は顔を上げると、
「あっ、忘れてた」
と言って、電気ケトルのスイッチを入れ直した。ズッコケる私を一瞥しながら続ける。
「いや、死んでない」
「おい」
「死んでないんだけど、消えた」
は?という私の顔に腕を組みながらうんうんと頷くと父。
「次の日から、もう試験も近いのにパッタリと来なくなった。いなくなって三日後くらいかな、その子の高校に行ったんだ。名前は知っていたけれど、家は知らなかったし、当時は携帯なんてないからな。それしか方法がなかった。今ほど個人情報にうるさくないからな、聞いたらサラッと教えてくれたよ」
ケトルからサーっとお湯の沸く音がする。部屋が寒いからか、注ぎ口から湯気が濃く立ち上る。
「夜逃げしたらしい。母親がいない家庭で、親父さんがあまり真面目な人じゃなかったようでな。突然いなくなったってことだった。仕事で失敗したんだか、博打なのか知らんが……。家の前にも行ったんだけどな。バラック小屋ってわかるかな?そこまで酷くはないけれども、それに近いような、貧相な家だった。当然、明かりもついてないし、扉を叩いても誰も出てこなかった。家の前には、彼女が図書館まで来るのに使っていた、見覚えのある自転車がそのまま置き去りにされてたよ」
そこまで言い切ると、父は黙りこくった。そのまま暫く何も言わず、再び沸騰したケトルのお湯でコーヒーを入れ始める。
私は恐る恐る聞いた。父はいつの間に私のコーヒーが空になっているのに気付いたのだろうか。二人分入れていたコーヒーの片方を私に差し出しながら、
「父さんは合格したよ?」
知ってるだろ?と言わんばかりのとぼけた顔で答えた。
「いや、父さんでなくて、才色兼備さんは?合格発表で奇跡の再会をしたとか」
興奮する私とは対照的に、父は再び、一人冷静にモノローグに入る。
「あの日、合格発表の日。始発で発表を見に行ったよ。大学は遠かったからな。張り出された番号より先にまず彼女を探した。どこにもいなかった。一通り探した後、掲示板を見た。自分の受験番号があった。でも全く喜ぶことができず、父さん、そこでずっと立ってた」
(ヤバイ、泣きそうだ)
目の前でセンチメンタルに語られるオジさんのモノローグに、不覚にも目頭が熱くなる。
「当然彼女の番号はおろか、受験したかどうかさえ知らないからね。その日は大学の門が閉まるまでそこにいたよ。掲示板は何日張り出されてたんだっけな、もう覚えてないけど、もしかしたら今日これなかっただけで、明日見に来るのかも知れない。そう思った父さんはなけなしの金をはたいて近くの民宿に泊まって、翌日も一日中待ってたんだ」
「……でも、来なかったんでしょ」
ティッシュで目頭を押さえながら私が聞く。指先についたみかんの酸が目に染みる。
「うん。来なかった。そして大学に入ってからも、彼女の姿を見ることはなかった」
自分の話なのに、ウルウルとなく娘にもらい泣きでもしたのだろうか。ズビッと鼻を一度ならすと、
「きっと、受験できなかったんだなぁ。だって受験してたら、彼女なら絶対受かってるもの。あんなに行きたがってた大学だったんだから」
父はしみじみそういうとコーヒーをスッとすすり、一つ残ったみかんを、テーブルの上のカゴから取り出した。
(なんて切ない話だ……)
還暦もとうに過ぎたオジサンのコイバナに、悔しいけれど胸を打たれた私は、鼻水をかみながら劇場を退席しようとした。脳内で有村架純あたりを勝手にキャスティングしていた才色兼備の不憫さも去ることながら、そこにいない初恋の人を必死に探す父の哀れさを思うと、今はすっかり禿げ上がった父にも、そこそこかっこいい俳優をキャスティングしてやらねば。そう思いながら、ソファで眠る猫を抱えて二階に上がろうとした。その時。
「でも、この話には続きがあってな」
ニヤニヤとしたり顔で笑いながら、父は私を引き止めるように言った。
「父さん結婚前にイギリスで単身赴任したことあるって言ったろ。そこで彼女と再会したんだ」
私は慌てて猫をソファに戻すと、前のめりになりながら席に戻った。と同時に私は焦った。父と母はイギリスで出会ったという話を思い出したからだ。そうすると、有村架純をキャスティングした才色兼備の役を再考しなければならない。あの母親は……明らかな才色不備だ。
「あ、母さんじゃないぞ」
私の焦りを察したのか、落ち着かせるように父は釘をさした。
「日本人の駐在員が集まるパブがあってな。仕事終わりにそこで飲んでいたら、隣に二人組の日本人女性が来たんだ。その片方が彼女だった。一目でわかったよ。向こうもそうだったと思う。『もしかして、○○さん?』って聞かれた時、夢でも見てるんじゃないかと思ったよ」
「うわぁ、本当にそんなことってあるんだ。もうそこから話が止まらなかったでしょ」
「いや、お互いとても驚きつつも、一言二言交わしてその日は別れたんだ。向こうは連れがいたしね。翌日は休みだったから、また明日改めて会いましょうと、向こうから番号を渡された。その番号を見て色々悟って、嬉しくなったね」
「なにを悟ったん?」
「電話番号だけで、ホテルの名前とか部屋番号とかは書いてなかった。つまり定住しているってこと。ちゃんと夢を叶えたんだと」
「なるほどねぇ」
そんなに長いこと話したつもりはなかったが、いつの間にか部屋は薄っすらと暗くなっていた。父がパチッと部屋の明かりをつけると、猫が呼応するように二階へ駆けていった。
「でもさ、そんな感動の再会したら、もうそれは運命の人じゃないの?どうしてその人と結婚しなかったのさ」
話が一周して戻ってきたが、単純にそう思ったので聞いてみた。そりゃあ、今の母と結婚したから私がいてとか、そういう御託はあれど、普通ならそこでくっつくだろうと、そう思ったからだ。
「あら、そういうパターン」
「あの後、働きながら勉強して、渡英して、仕事についたと言っていた。そこで出会った人と結婚したそうだ」
それを聞いて、世の中うまくはいかないのだなと思ったのはもちろんだけれど、ふとその時父は何を思ったのかが気になった。初恋の人との運命的な再会と同時に、自分の恋が終わった時、悲しかったのだろうか。悔しかったのだろうか。私だったらグシャグシャになってしまうかも知れない。しかし、そんな私の疑問は、次の父の言葉ですぐに解消した。
「心から嬉しかった。父さん、みっともないけど、そこで泣いちゃったんだよ」
照れくさそうに笑いながら父は続けた。
「良かった。良かったってね。ずっと心につっかえていたものが取れたような気がした。『ありがとう』っていう父さんに、あの人は『なんで?』とは聞き返さなかった。わかってくれたんだろうね。『こちらこそありがとう』と」
「どういうこと?」
今までの話の中で、父がその人に感謝することはあっても、父が感謝されるようなことがあっただろうか。
「『君が海外に行ったら、そこに僕も必ず行くから、その時はバッチリの英語で観光案内してほしい。約束しよう』父さん、そう言ったんだと。全く覚えてなかったけどね」
「そんな約束してたんだ」
「『私が海外に行くことに、きちんと意味を持たせてくれたのはあなただった。約束を守るために、頑張ったから今ここにいるの』と言われた。父さんも、彼女の役に立ててたんだ」
一昔前のトレンディ俳優のようにフッと小さく笑うと、そのまま父はトイレへと消えた。
(お前はすっかり忘れてたわけだけどな)
父の背中に心の中で柔らかく突っ込みながら、私もニッコリ笑った。
「ああ。会ってない。連絡先も特に交換しなかったんだ。まぁ色々あってね」
キメ顔で答える父に、久方ぶりに(気持ち悪い)という素直な感情が戻ってくる。
「ただいまぁ」
「あら。何仲良く話てるの珍しい」
リビングに入ってきた母は、そう言いながら、みっちり膨らんだエコバックをキッチンに置いた。それを見て、先ほどまでの話題のせいで居心地が悪いのか、父が二階へ避難しようとする。
「なになに?なんの話してたん?」
トイレに行こうとする有村架純とは程遠い母が、リビングの出口で父に聞く。
「いや?たわいもない話だよ」
父は道を譲りながら誤魔化した。訝しげな視線を投げながら、母がトイレに入ったのを見計らって、
「ちなみにな」
父は私の耳元に口を寄せると最後にコソッっと
「彼女と再会したとき、パブに彼女と一緒に来てたのが母さんだ」
そう付け足して、ニヤニヤしながら駆け足でリビングを後にした。
「えぇー!?なにそれぇ!」
「ねぇー!何の話なのー?」
あの人との馴れ初め話は、また後日みかんでコーヒーを飲みながらでも聞こうと思う。
ネットニュースでそれを知った
それからずっと「竹内結子」「首」「クローゼット」という単語が頭の中を踊ってる
第一子はまだまだ2歳だけど
ああ私も首を吊るだろうなって思った
ふとした瞬間に家の中を見渡している
家族で日曜を過ごして少し落ち着いた
すぐおかあさんといっしょにかえた
こどもが泣く
授乳する
ごはんを食べさせる
ベビーカーに乗りたくないと言う
ブロックと積み木の海
下の子が食べないように片付ける
いっしょに絵本を読む
おかずを食べたくないと言う
水の入ったコップをふきとばす
その途中途中に「竹内結子でさえ死んだ」が枕詞になって言葉が浮かんでは消えてく
竹内結子でさえ死んだ世の中なんだ、うまくいかないことだってあるさ
竹内結子でさえ死んだのになんで私はまだここにいるんだろう
竹内結子でさえ死んだんだから私がうまく生きれなくても仕方ない
竹内結子でさえ死んだけどとりあえずいきよう
当時この人達をこのまま推して良いのかと不安になるほど、運営はグダグダ。結局殴ってしまったメンバーはアルコール中毒や鬱だと診断され休暇。事件があったことも公表せず、加害者との前向きな示談で終わったらしい(泣き寝入りではなく、これからも活動してほしいから休んで元気になってとのことだそうだ)。
わりと名の知れたグループで、リークしてしまえばそれこそ炎上したのではないかと思えるほど結構な勢いでビンタしていた。運営のグダグダ加減、ファン同士のいざこざで疲れに疲れきっていた私はそれこそリークでもしようかと考えてしまっていた。あることないことかいてもらって、大打撃うけて、もうこいつらいったんやめた方がエエんちゃうかと。
リークする寸前で、メンバーの今後の生活とファンの生き甲斐をわたし個人の感情だけで失くそうとしている事実に気付き、やめた。
暴力ダメなもんはダメだけど本人達が前向きな示談で終わってるならいいじゃん。私に被害があったわけでもないしそこまで関係のない話。でもリークしそうになった。その人たちの人生を失くそうとしてたのだから間接的に殺人しようとしていたみたいなもんで。リークする前に気づけてよかった。
それと同じで、脚色されたストーリーに殉じるのが人気商売で金を稼ぐ道を選んだものの運命だろ。
せめて、リングを降りてマスクを脱ぐその日までは、ファンの作ったラノベより凄い現実の物語に付き合ってやるべき。
つうか今回の場合は単に外野の真面目くんが余計な茶々入れとるだけよな。
マジンガーZでみんなが楽しんでるときに「このパイロット席の配置では絶対ゲロりますよ」と抜かしたり「この大きさでこの重さでは中身はスカスカですね」とか言い出す奴らよね。
ちげーよパイロットは特殊な訓練を受けててロボットにはすごい金属使ってんだよ。
リアルではこうだったをファンタジーに持ち込むことがお約束破りだってわかっててやってるならいいけど、まあ今回はそうじゃないよね。
夢を、売ってるんだよね。
テレビに写ってる人は。
それをさ、いつになったら覚えてくれるの?
中学入って中二病発症した人は夢を壊す発言で俺違いわかるーしてたけど、それ見て周りすっごい白い目だったよね?
いい加減さ、君たちも大人になりなよ。
テレビや雑誌に書かれることが全て真実である必要はないんだよね。
ゲームで孔明がビーム撃ってても、それはゲームの孔明に対する味付けにしであって、本物の孔明を侮辱する意図はないわけ。
いい加減さ、分かって?
id:bearcubです。一介のブクマカにお返事ありがとうございます。
ブクマコメントでは文字数が足りないのでここに書かせていただきます。
私のコメント、怒りに任せて書いたひどいものでしたがあえて再掲します。
この自称「やさしい」学者の方も数百人の「米国在住の『黒人』」と個人的に交流を持ってみたらいいかもね。他人がまるで自分のゼミの学生のように格下だと思ってふるまう学者ってたまにいるよね。
先生は「交流を持っても意見は変わらないと思います」とのことですが、まったく同意です。
私は先生の書いた文章に対して、違う位置から違う方向へ反応してしまいました。
自分は十代の頃、米軍基地で『黒人』の友人と二人で歩いていた時に、複数の『白人』の同世代の少年達に囲まれて脅されたことがあります。
その時に(リンチされかねない状況だったので)恐怖感で彼らに反撃などできるわけもなく、なんとか大事に至らず背中から暴言を受けながらも脱出し、その後友人と一緒にずっと悔しい思いをしながら無言で歩きました。(しかもこの時友人が「これはもう(暴力で)やるしかない」と私にささやいたものの、当時日本の刑法の適用対象年齢に達したばかりの私は、「そ、それはだめだよぅ~~」と怖気づいてしまって逃げるしかなかったのです。)
今回のジョージ・フロイドさんの動画を見て、真っ先に思ったのは、かつての友人の事です。
友人は今頃どうしているだろうか。少なくともこの動画を見て怒るか、あるいは恐怖を感じているのではなかろうかと。
浅沼さんの記事に共感を感じたのも、「まあ、親しい人に『黒人』がいたら、こう考えるよね」というものでした。
一方、先生の記事の表現に反感を感じたのは、「ああ、なんであの怖い状況を、こういうある種反感を呼び起こす表現で議論するかな」というもどかしさでした。
私の反応は議論とか意見とかではなく、あくまでも個人的な体験に基づく感情的なものです。
そういう意味で、先生の学者としてのものの見方は、これまでの文書の蓄積で解釈・検証できるということや、学会での多数の議論に耐えられるということで成り立つものでしょうから、私やその他多くの方の個人的な体験に影響を受けるべきではないのだろうと思いますし、そうであるからこそ価値があるのだろうと思います。
ということで、要は私の反応は立場も方向性もすれ違ったものであり、意見や「論」を示唆するものでもないということです。
先生はいくつかの論点を提供した、自分は枝葉の表現に感情的にかみついたという状況です。
ここから以下は自分の(特にあまり多くの勉強・調査にも裏打ちされていない)意見です。なんなら「なんとなくそう感じている」レベルのものです。
『黒人』『白人』さらには『黄色人種』のような言葉で世界を切り取ること、その切り取り方(と、それで生み出される構造的差別や差別感情)を一層強めようとすることは自分も反対です。
しかし、これは差別に立ち向かう二つある方法のうちの一つだと思います。(これは自分があるマイノリティに属しているため日々痛感している個人的な考えです。)
一つは、先生のいうような「ものの見方を変える」。それにより根本的に構造的差別や差別感情を解消することになると思います。これは哲学的戦いだと思います。
もう一つは、まず差別によって生じている「実害をなくす」。それにより差別感情は残るものの、ひとまず当事者の安全は確保されます。これは法の整備や、嫌な言葉で言えばいわゆる「ポリコレ」での強制だと思います。
私は『黒人』ではありませんので、あくまで自分のマイノリティの属性の立場からの連想でしか考えることができませんが、BLM運動は後者の色合いが濃い状況で始まったと思います。(ここらへんは本当に素人考えなので、先生的にはツッコミどころもいろいろあろうかと思います。)
当事者としては両方が進んでほしいです、是が非でも。
しかし、ジョージフロイドさんの動画を見せられたりしたら、どうしても後者の「実害をなくす」を優先したくなると思います。
しかも感情的にもなると思うし、浅はかな論を展開してしまうかもしれません。だって明日この差別によって自分や友人が死ぬかもしれないんだから。
その時に学者の方々には浅はかな点はぜひ指摘してほしいし、暴走を止めてほしいし、前者の構造的差別や差別感情の解消への道を見つけてほしいと思っています。(学者の影響力は素晴らしいというのは4月にコロナ封じで西浦先生を見て改めて思いました。)
そういう意味で今回、先生にあの記事を公開してもらって本当に感謝しています。
『黒人』でも『白人』でもない多くの人にとってBLMをきっかけに考えるべきことの多い良記事だと思います。
特に今まで何の気なしに黒人/白人/黄色人種と世界を区分していた人に(枝葉の表現にとらわれず)ぜひ読んでほしいし、黒人というものがあるという前提で話しを進めがちなマスメディアにも目を通してもらって、できれば今後注意して用語を使ってもらいたいし、西洋中心主義とこれまたなぜか西洋で発展した脱・西洋中心主義から漏れて何かもどかしい感じがしている国に住んでいる自分にとっても良い論点を提示していただきました。(例えば、華人/マレー人を「人種」ととらえる社会があるというのは自分も知らない事実でした。知るべき事が多いことに驚くばかりです。)
今後もこのはてなから茶々を入れるとは思いますが、実は記事を期待しているはてなーも(私のように)多いと思います。暖かく見守っていただければ幸いです。
コメント後半の嫌味「格下だと思って振舞う」(←ひどいですね)これはすいません、冗談にステレオタイプてんこ盛りの中傷で返してしまいました。
彼氏は「夢絵」をたぶん知らない。
二次元キャラやアイドルなどと「自分」(見た人がそれぞれ自分になぞらえて妄想するためのモブキャラ)の交流やいちゃいちゃを描くものだ。「自分」は原作には登場しないオリジナルキャラクターで、極端に特徴が薄かったり、果ては目や口が省略されたのっぺらぼうだったりする。
私は、普段は夢絵や夢小説を好む「夢女子」ではない。ここから夢女子文化について大変失礼なことを書くので、気を悪くなさったら申し訳ない。
私が夢絵を見るとき、原作に出てこない顔のない「自分」をねじ込んだ作品に、正直異物感を覚えることがあった。キラキラに書き込まれた推しと、粗雑な「自分」の対比に、ある種の卑屈さを感じたのだ。
推しと付き合いたいと思うなら、いっそ清々しく「ぼくがかんがえたさいきょうのガンダム」を描いてほしいと私は思った。推しに釣り合うような美人とか、平凡だけどほっこりと可愛らしい彼女。推しがそのキャラクターを愛するまでのストーリーを図解されて、私は納得したかった。
ところで彼氏はいわば公式で私の彼氏だ。同じ世界線で生き、2年前から公式でつきあっている。
今年の1月から遠距離恋愛になったが、間の悪いことに、ちょうどコロナウイルスの流行が始まってしまった。月に一度会う予定が、今に至るまで3回しか会っていない。当然、今まで行っていたいちゃいちゃ活動も滞っている。
私は決して最初から夢絵を描こうとしたわけではない。ふと彼氏の似顔絵を描いてみたくなった。面白く書けたら彼氏に見せようと思い、好奇心で実行に移した。
彼氏の顔、見上げた時の顔、無精髭の顎のライン、ふざけてしゃくれる顔を描いた。気づいたら、膝を曲げて、上から覗き込むようにキスしてくれる彼氏の絵を描いていた。ここ2年、親の顔より見た顔だ。我ながらうまく特徴を捉えた夢絵が描けていた。
ペンが止まらない。なにしろ彼氏の顔を描くのが楽しい。個性的な顔立ちで、表情が豊かなかわいい人だ。目元の表現をあれこれ工夫していると、だんだん彼氏が目の前にいるような気持ちになり、ぽーっとしてくる。
彼氏の匂いとか、硬くて寝心地が悪い胸板が恋しい。彼氏の微妙に楽しくなっちゃってるちんちんの上に座りたい。(膝の上よりもちんちんの上の方が興奮するのだ)
前述の通り、私と彼氏は同じ世界の登場人物であり、公式でつきあっている。だから作中の人物同士の二次創作と言ってもいいのだが、夢絵と表現したのは、自分の顔を描かなかったからだ。彼氏の顔は覚えている限り詳細に描くが、例え自分の似顔絵であっても、彼氏の膝の上で抱きしめられている人の顔を描きたくない。激しい嫉妬である。
ベッドに腰掛けた彼氏のちんちんの上に座り、まっすぐな肩に顔を埋める絵を描き、私はついに夢絵を体得した。
夢絵は作品ではなく行為だ。描くこと自体が彼氏との交流であり、いちゃいちゃだった。完成も公開もしなくていい。二次創作を描くときに頭をよぎるいいねの数、気にもならない。これは召喚だ。私が夢絵を描くとき、彼氏は次元の向こうではなく、ライン電話越しでもなく、たしかにここに来る。夢絵に顔は要らない。そもそも私の顔はこんな位置にないからだ。私はここにいて、これを描いている間ずっと、彼氏に抱きしめられているのは私だ。
私の彼氏は聞き上手なので、私は日々の発見を彼氏に伝える。彼氏は私の話を興味深く聞き、きっと素敵な茶々を入れてくれるだろう。
友人たちがリングフィットアドベンチャーにドはまりし、美しくなっていくのを見聞きしていました。運動不足に自覚があり、みんながやっているのなら楽しいのだろうと感じていた私にはぴったりでした。
しかしNintendo Switchをそもそも持っていない私は、リングフィットアドベンチャーを始めることができません。
なので代わりにスクワットをすることにしました。これが今年の1月ごろの話です。
うたの☆プリンスさまっ♪という乙女ゲーのラジオがあり(HE★VENS Radio)、そこで登場人物の日向大和くんが「筋トレにはスクワットがいい」と言っていたのも後押しになりました。
もともと体を鍛えるのが得意だった友人に教えを請い、「足を肩幅にひらき、つま先は正面に向け、ひざがつま先より前にでないようにお尻を意識し、ふとももが床に平行になるようにしゃがむ」をやることにしました。今調べたら「パラレルスクワット」というそうです。
とりあえずやってみましたが、10回が限度でした。
でも日向大和くんが「エンジェル(ファンの総称)は10回くらいから始めるのがいい」と言っていた(詳細は忘れましたがそのようなニュアンスのことを言っていた)ので、10回でいいか、日向大和くんもそう言ってるし。とあっさりあきらめました。足もがくがくになりました。ところがはじめて2週間経ったくらいから「あと5回くらいいけるかも?」となり、今では20回になりました。
数か月たち、コロナもはやり始め在宅勤務が増え、すっかり運動不足になったので「トイレに行くたびにスクワット10回やる」(※気が向いたら)を入れてみました。
もともと事務職で大して動かない人間だったので、コロナ禍で運動量はむしろ増え、どんどん痩せました。
痩せると面白いので際限がなくなります。スクワットは気がつけば一日40回くらいやるようになっていました。連続で40回1セットではないですが、目をつむっていただきましょう。
私は上から痩せていきました。
まず顔が小さくなり、胸の周りや背中の肉がおちて、最後にもっとも痩せてほしかった下っ腹が痩せました。
脚はいつのまにか痩せていたのでいつ痩せたのかちょっとわかりませんが、スキニーパンツがスキニーではなくなったので気が付きました。
で、49キロから44キロまでのんびり数か月かけて痩せました。身長157cm前後の女性です。
良かったことは腹筋に力を入れるようになったせいか、おなかに刺激がいくようになったか運動不足が解消されたのかわかりませんが、便秘が治ったことです。
毎日、とはいきませんが以前は食後に妊婦だと疑われるほど胃下垂でおなかがでていました。1週間くらい大便がでないことがざらだったののです。今では1~2日に1回は出るし、カチコチになっていないので切れ痔もついでになおりました。これが一番うれしいです。
今ようやくニンテンドースイッチとリングフィットアドベンチャーが届いたのですが、結局リングフィットアドベンチャーをやっていません。そのうち…といいながら、あつ森にドはまりしてしまい、あつ森ばかりやっています。
とりあえず目標体重まで痩せたので、今はトイレに行くたびにスクワットは廃止し、一日20回やるだけにしています。
本当に大切なことなのでここだけでいいので読んでください。
続けるコツは、身近に「協力者」をつくり、「茶々を入れる奴は排除」することです。
私は実家暮らしなので、最も信頼できる姉妹に「今日スクワットやった?」と、尋ねてもらうようにしました。
逆に父は「痩せたところでモテないぞwwww」といった感じに、努力をからかってコミュニケーションをとれる(と思っている)タイプなので、父の前では絶対にスクワットをしないと心に決めました。これは大正解だったと思います。
とにかく否定するやつを排除することです。努力をからかうやつは視界に入れるな。耳を貸すな。スクワットをやったら「えらい」の3文字を返してくれるような人を味方につけろ。いなければ脳内の日向大和くん(CV木村良平)でもいい。あなたが「うっせーわ、今に見てろよ」と反抗心に燃えるタイプである場合は別ですが、そういった例外以外の人は邪魔者は排除しましょう。それが本当に、一番のコツです。