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はてなキーワード: 政治的配慮とは

2024-06-06

少子化社会では褒め称えられるべきなのに軽視されている存在

 出産、というライフイベント経験してきた。

 それはありふれたイベントであるはずだった。子ども連れはその辺を普通に歩いている。知り合う人々には必ず親が居る。子育てについては日々たくさんの議論が交わされている。妊婦さんがこの世に命を送り出すこと、それは特別でも何でもない日常出来事だ。そう思っていた。

 とんでもなかった。

 出産はとても崇高なイベントであった。

 何が私の考えをかえたのか。

 痛みである。とんでもない痛みに襲われたせいだ。

 陣痛というものを知らなかったわけではない。痛いんだろうな、ときちんとビビっていた。下調べもイメージトレーニングもして、痛みに耐える覚悟はしていた。だけど私は陣痛理解しているわけではなかったのだ。うっかり知っているつもりになっていた。

 経産婦の皆さんは言う。「そりゃ痛いよ、でもみんな何とかなっているから」、「もう覚えていないなぁ、だからふたりめも産めちゃう」と。つまり、耐えられない痛みではないのだ。私は自分鼓舞した。

 そしてむかえた出産当日、私は吠えた。冷静な頭のまま、しかし狂ったように叫び声を上げていた。もう狂ってしまたかった。意識がとんでしまったら楽だったのに。

 大声を出して何になる、と自分ドン引きながら、それでもただひたすら叫ぶしかなかったあの時間。耐えられない痛みではない? 嫌だもう耐えたくない! 痛い痛い痛い逃げたい! どんなに吠えても誰も助けてはくれなかった。

 実際、私は耐えて産んだわけだ。それでも「耐えられない痛みではない」とは絶対表現しない。痛いものおかしいよ。人間なのに、動物だった。

 世の母親達は本当にしれっとこの痛みを経験しているのか。信じられない。実は痛みを減らす裏技でもあるのではないか

 この陣痛というものを、当たり前のように受け入れているなんて今は一体何時代なの? そうか、令和は別に新しくないのだな。未来から覗いてみれば、私達はきっと古代に生きている。長い人間歴史最先端なんかではないのだ、令和は。そこそこ古い時代に居るんだ。

 その証拠に、分娩方法が昔とそうかわらないだろう。傘の形態と同じである。高度な医療が発展しているはずなのに、出産は辛いままなのだ出生率が減るのも当たり前である

 せめて妊婦を、経産婦を労おう。ジェンダー論や政治的配慮なんか置いておいて、とにかく陣痛に立ち向かう度胸に対して、みんなで拍手を送ろうよ。

 意地悪なおばちゃんも、炎上ちゃうギャルママも、あの痛みを経験したのだと思うと頭が下がる。

 出産経験して、私は母に心から感謝することができた。訳あってほぼ絶縁している実家に、子どもを産んだことを伝えた。久し振りの連絡であった。たどたどしいやり取りを交わし、でんわを切った。ショートメールに彼らの孫の写真を送った。

 私の新生児時代写真が返ってきた。

 私を産み落とすために、あの痛みに耐えてくれたのだ、と心が震えた。

「痛いのに産んでくれてありがとう

こちらこそ、お母さんにしてくれてありがとう

 そのセリフは、出産後に私が子どもにかけたそれと同じであった。

 しまった、出産は素晴らしいという締めになってしまいそうだ。やりがい搾取は良くない。痛かったよ。あの痛みを当たり前に妊婦さんに押しつけてはいけない、そうだろう、と問題提起をしておく。

2023-08-01

映画バービー公式アカウント炎上ポリティカル・コレクトネス

私は今漫画業界の末席にいて、且つ今の日本漫画業界のあり方は好きなほうです。

から外圧に感じる外国から意見というのは煩わしく感じているし過ぎた意見文化衝突で

宗教戦争でもあるなとさえ思ってる、そういう立場です。

から私の意見は著しく公平性を欠いています

それにあまりちゃん知識もないのでいろいろ間違ってたら申し訳ないです。

今回はそんな自分のしごとである漫画ポリコレについての話というか、愚痴です。


上記の通りそういう立場ではありますが私はポリティカル・コレクトネスの考えは支持する立場でいます

からポリティカルコレクトネスを腐しすぎるオタクは私も大嫌いです

今は変革の過渡期であり厳しいのも当然でそれでも私達の次世代の子どもたちが差別偏見に苦しまないために

自分愛してたものをあえて手放す時期なのかもなとも考え直したりもしました。

だけど今その考えがかなり揺らいでいます

海外国内の、アメリカなどに精通している方から日本漫画海外に比べて

ポリティカル・コレクトネス意識エンパワメントエクイティも欠いてるというのは本当散々言われ続けたことです。

(これに関しては半分その通りでなぜなら日本漫画消費者第一主義からです。

読者の読みたいものを描くのが仕事です。千差万別有り人権無視したようなポルノから

フェミニズムエンパワメントなどを主題とした漫画もあり一括りで言えない部分があります

そしてどれだけ過激に思える漫画でも配慮というのは確実にされていますしチェックは入ります

その作品がどれだけポリコレ配慮するか、エンパワメントを含むかなどは作者個人思想によると

いったところが大きくほとんどの編集部作家思想尊重してくれます。)

それだけ海外から日本漫画は遅れていて海外常識思想アップデートしなければ

取り残されて業界は死んでいくし次世代の子どもたちに禍根も残していくのではとおもうところもありました。

でも結果がこれで、結局海外標榜する政治的配慮日本は入ってないんだなとわかりました。



本来ならこれを打ち壊すための考えがポリティカル・コレクトネスなんだけど

これのために愛してる物を手放そうとしてたのにこんなんじゃまるで

搾取されてるのに気づかずに権力者に阿ってるみたいで馬鹿みたいだなと思ったし

結局これはただのムーブメントしかなくてこれに乗って次世代の子達は本当に幸せになれるのかなって

疑問を抱くようになってしまった



ミームつくったり乗っかってはしゃいでるのはアメリカ人全体じゃなくて馬鹿ポリコレ無頓着人種差別人間かもしれないけど

多様性エンパワメントフェミニズム、それにトキシック・マスキュリニティから解放の点で

褒めそやれてた映画広報人間はそれに見合うきっとそれなりの大学をでた教養ある人間なんじゃないんですか?

そんなひとって国の代表的存在だと思うけどそんな人があの意識なら海外にとって

虐殺行為って多様性否定よりずっと罪が軽いんだなと思ったしそんな国から発祥した考えに私は説得力も感じられなくなりました。

爆弾の下には惨たらしく亡くなる方がいるって戦争たくさんしてる国だったら容易に

想像つくと思ってたからこんな軽いジョークとして扱われて、

向こうの言う正義って本質からっぽなんだなってガッカリしてもいいじゃんという気持ちです


バービーが無邪気にはしゃいだピンクキノコ雲の下には無差別殺害された

凄惨子供達の死体が何万体とあるはずなのに。

日本の子どもたちの命はバービーにとって羽より軽いんだなあと思いました。


それでもポリティカル・コレクトネスについてはこれから必要だと思っています

必要以上に腐す人間は嫌いです。

そしてオタク共は皆人権意識が低くてポリコレが嫌いって思ってる他人を見下す意識高い人間も嫌い

でもそれ以上に馬鹿馬鹿しい~~って気持ちになってしまってる

ポリコレにというより今まで日本漫画をくさしてきた人の浅さにも

その考えに結果的に阿ろうとした馬鹿で浅い自分に対してもです

2022-05-13

與謝野 馨(よさの かおる、1938年昭和13年8月22日 - 2017年平成29年5月21日[1][2])は、日本の元政治家。勲等は旭日大綬章。通常は新字体与謝野表記

趣味

趣味ゴルフパソコン自作囲碁写真撮影天体観測釣りなど多岐にわたる。

囲碁

囲碁の腕前はアマ七段で、政界最強とも評されている。2007年10月に実力者の小沢一郎勝負したが敗北した。小沢アマ六段なので「政治的配慮ではないか」との憶測も流れたが、与謝野本人は「本当に負けた」と認めている[45]。最近インターネット囲碁対局サイトも利用し、ハンドルネームは「かおる」を使用しているため対戦相手から女性と誤解されることが多いらしく、麻生太郎ネタにされている[46]。

パソコン

Linuxオープンソースの動向など情報技術に造詣が深い、と称している。1999年から2013年時点で自作パソコンを合計20台以上組んでおり[47][48][49][50][51]、うち一台はMicrosoft Windows 2000Microsoft Windows XPTurbolinuxなどのOSを使い分けている。パソコン自作技術について「部品梱包から解かれて机の上においてあると、1時間くらいで組み立てられちゃって、OSインストールまで2時間くらいでできてしまう」[38] と語っている。秋葉原部品を買うのが趣味だったというが、通っていたのがオウム真理教関係PC店マハーポーシャだったと後で気付いた[52]。ビックカメラTWO TOP、USERS SIDE、T-ZONEなどの各店舗もよく利用している[38]。老眼の影響もありモニターキーボードについては、人間の眼と指とが生身で接する重要ヒューマンマシンインタフェースという持論からIPS液晶キーボードについては国産メーカーのもの評価している。

与謝野情報技術に詳しいと聞いたニワンゴは、2008年自由民主党総裁選挙に際し議員会館で「ニコニコ生放送」へ出演を打診した[53][54]。与謝野本人は不在だったが与謝野秘書が応対し、後日、出演依頼を断っている[53][54]。

写真

写真の腕は玄人域に達し、与謝野に撮ってもらった写真選挙ポスターに使っている議員もいる[55]。

2021-12-24

anond:20211224174112

女性は総じて知能が低いんですよ。

そこは政治的配慮必要かと。

2021-04-01

AKIRAとか知るかよ、バー

サブカル的な何かを出されればパプロフの犬のごとく絶賛しちゃうオタク根性、ここに極まれり。

AKIRAとか中年コンテンツなんて知るかよ。

id:maicouからないって言ってる人、わからなくていいの。それが未来から。リオだってそうだったじゃん。

id:shiju_kago すごいな、クリエイターとしての器が違いすぎる。『わかっている海外層』を狙い撃ちにするとしたらこれ以上ないチョイス。これが政治的配慮によってボツ案か……

id:kohgethuAKIRA」のバイク。それ一番やっちゃダメなヤツだったのでは。もっともお偉いさんたちに「その意味」はわからないだろうけどね。



きんも~~~。「分かってる俺らかっけー」、はいそーですか。

中年ノスタルジックオナニーに付き合わされる他の世代気持ちにもなれよ。

世界の祭典で分かるやつだけ分かればいいプランなんて、二流がやることだ。

2021-03-21

anond:20210321003026

韓国批判は、彼の仕事場にしているクライアント心証が悪いから避けている感じはする。

他人政治的配慮批判するくせに、自分もめちゃめちゃやっている。

2020-12-12

ユーザーからみたゲーム評価

どうせ突っ込まれると思うから先に書く

あくまで俺がゲーム評価する時に考慮する基準なので全ユーザーの総意ではない

評価点は比重が異なったとしても、大体の人が一緒だと思うので

そこは省略して評価に値しない部分だけ書く

納期

資金

・開発規模

・社内の労働環境

開発者達の素行

政治的配慮

ユーザーというか俺がゲーム評価する時に絶対基準として含めないのが、この6つだ


納期資金については、知りようがないし納期があるからクソゲーでも許してくださいとか言われても知らん

俺はクソゲーにほいほい金出せるほど石油王じゃないか面白いゲームしか金を出したくない

次に開発規模。大企業だと当然ながらかなりの人数が関わるが、インディーだと最低1人~とかなり幅広い

だが開発が1人だからクソゲーでも許せるというのか。昨今のレビューでは少ない開発で頑張ったから良作!とかいレビューがあるが

こいつらは一体どこ目線ゲームを語ってるのか謎。そんなに小規模開発が好きならフリーゲームや、オリジナルゲームのみを扱った同人イベントゲームを漁ってればいい

お前らが大好きなサクナヒメの開発「えーでるわいす」もコミケ同人ゲー(非R-18)を特集した動画を作ってくれてるぞ

俺はほいほい金を出せるほど石油王じゃないので漁るのはやめた。時間無限ではない

次に労働環境素行。これについてはそれこそ興味がない

どんな問題人物だろうと俺に不利益があるわけでもないので優れた手腕でゲーム提供してくれるなら構わない

本気でダメ環境なら皆逃げ出すし、そうなったところで次のゲームを探すだけだ

最後政治的配慮最近だとポリコレ話題に上がる

これも興味がないので勝手にやれとしか思わない。あいつが黒人化したとか、あいつが中国人化したって言われても

キャラクターがウリのゲームじゃないなら別にどうでもいい。ていうかここで騒ぐような層はゲームをダシに政治ごっこがしたいだけだろ

政治ごっこがしたいならネット弁慶してないで勉強して這い上がって地方選挙にでも出馬しとけ。少なくともゲームを楽しんでる俺の周りに顔を出すな

2018-12-31

anond:20181231104838

はい権威主義者。

そもそもLGBTの発生について完全に解明されてない以上、そういうのは政治的配慮しか無い。だから変態が付け上がる。

解明されてない以上は同じく解明されてないPZNと同じ。

2016-12-04

死の収容所へ 1

ヨーロッパユダヤ人絶滅の準備

 ドイツ軍ソ連侵攻は「特別行動隊」(Einsatzgruppen :アインザッツ・グルッペン)によるすさまじい組的殺作戦をともなっていた。侵攻から数週間を経ずしてナチスは他のヨーロッパ地域に住むユダヤ人絶滅作戦の準備に着手した。1941年7月31日、ゲーリング( Herman Göhring 空軍相、元帥)はラインハルトハイドリヒ(Reinhard Heydrich SS上級部隊隊長、SS大佐)に次のような命令を伝えている。

「次を命ずる‐貴官は、ヨーロッパドイツ支配圏におけるユダヤ人問題の『最終的解決』に関する組織、実務、そして財務上の必要なあらゆる準備にかかり、… さらに、ユダヤ人問題の『最終的解決遂行にかかわる準備組織、実務、そして財務上執るべき手段計画の全容を、本官に対し速やかに提出せよ」

 この任務遂行の準備を調整するためハイドリヒは1942年1月20日、ヴァンゼー(ベルリン郊外)に会議召集した。会議にはドイツ帝国閣僚の面々、ヨーロッパ占領地域各国のドイツ総督、そして、ゲシュタポ本部ドイツ移民ユダヤ人局長・アドルフ・アイヒマンを含むSSの上級将校たちが出席した。

ヴァンゼー会議」の決定はやがて、政治および軍事面において、全世界に重大な展開を引き起こすことになる。

 1941年12月11日日本軍による真珠湾攻撃を受けてドイツアメリカ合衆国に対し宣戦を布告した。戦争はすでに人類を連合国側と枢軸国側に隔て、全世界を巻き込む総力戦様相を帯び始めていた。この新しい局面は、ドイツ戦争遂行上の衝害から解き放った。ドイツにはもはや政治的配慮や「ユダヤ人の大量殺戮がもう始まっているのではないか」という世界世論に気がねをする必要が全くなくなったのだ。

 ヴァンゼー会議の進行は詳細にわたって記録され、議事録ニュルンベルク国際軍事法廷証拠として提出されている。それによれば、ハイドリヒはまずヨーロッパにおけるユダヤ人問題の最終的解決について自分ゲーリングから全権を委譲されていることを告げて会議を始めた。会議の中でハイドリヒは次のように述べている。

総統意向により、ドイツ移民は目下ユダヤ人をことごとく東方追放し、その跡地に対して行われることになった…

ヨーロッパにおけるユダヤ人問題の最終的解決の中では、各国に散在する約1100万人のユダヤ人が考慮されなければならない。次のとおり…」

 ここでハイドリヒはヨーロッパ33の国と地域ユダヤ人口をリストに揚げている。リストにはドイツ占領国や同盟国とは別にイギリスソ連ヨーロッパ地域、また中立国ポルトガルスペインスウェーデンスイスアイルランドトルコといった、ドイツ占領する予定だった国も含まれていた。

 ユダヤ人大量虐殺の実際の準備はハイドリヒによる組織の準備と同時に進められた。1941年夏、ハインリヒ・ヒムラーアウシュヴィッツ強制収容所所長ルドルフ・ヘスを呼んだ。ヘスは戦後証言で「ヒトラーユダヤ人問題の最終的解決の実行を決断したことを、このときヒムラーから知らされた」と明らかにし、さらに次のように述べている−「事実東部で行われているようなやり方(ソ連地域でのユダヤ人殺害特別行動隊による狩り込みと射殺)では与えられた任務対応できなかった。絶滅という任務のためには、特にアウシュヴィッツ収容所対応させる必要があった」。

 この会談の直後、アイヒマンアウシュヴィッツを視察している。二人は、ソ連で行われている射殺は大量の人間を短時間のうちに皆殺しにするには不向きであり、大量殺戮はガスを使う他はないとの結論に達した。

 ガスを使った殺害ナチドイツにとって初めての経験ではなかった。すでに「安楽死計画」において、ガスが使用されている。この計画1939年9月から1941年8月末まで実施され、7万から9万人にのぼる精神病者と重度の障害者がガス殺された。わずかにユダヤ人も含まれていたが、このとき犠牲になったのはほとんどがドイツ人だった。ナチスはこの「安楽死計画」を、「役立たずの穀つぶし」—ナチは彼らをそう決めつけた—を国家から駆逐し、アーリア人種の優性を高めるための手段だと考えていた。ヒトラーはこの計画にあたり「T-4」という秘密組織を発足させている。「T-4」は総統直属の正式組織として医師を擁する医療関係の諸機関大学研究所病院等)を支配した。不治の病に苦しみ死を待つばかりとなった病人たちの命運が、かれら医師たちの手に委ねられた。

 かくして犠牲者たちはそれぞれの医療機関に用意された気密構造の部屋へ案内され、ガスによって窒息したのだ。死体特殊な焼却炉で燃やされた。このガスを使った安楽死はすぐに外部に露見し、ただちにこの殺害行為をやめさせるための抗議行動が‐特に犠牲者の遺族と教会から‐起こった。ヒトラーは譲歩し、1941年8月末、これら医療をかたる殺人を当面中止するよう命じた。

 しかしこの安楽死計画の中で蓄えられた経験は、「最終的解決」の準備をしていたSS当局に役立つことになったのである

絶滅作戦

 絶滅作戦としての最初のガス実験は1941年9月アウシュヴィッツで行われた。ソ連軍戦争捕虜たちが実験台に選ばれた。彼らは密封された地下室に閉じ込められ、チクロンBによってガス殺された。非常な短時間捕虜たちは窒息死した。以後続けられた一連の実験で、ナチスはガスという新しい殺害方法を開発するめどを立てるに至った。同じ頃「特別行動隊」も、ハイドリヒ指揮下のSS技術局の援助を受けて同様の方法を開発している。ここでは「ガス室」の代わりに「ガス・トラック」が用いられた。この車の外見は救急車冷蔵車に偽せてあったが貨物室は気密構造となっており、マフラーから貨物室まで 延ばされた特殊パイプ排気ガス中の一酸化炭素を密閉された貨物室に直接流し込むようになっていた。犠牲者たちが貨物室に入れられるとドアが閉まり、鍵が下ろされ、そしてエンジンがかけられた。

 「ドライブ」は、全員が死亡するまでに30分も要しなかった。所定の場所に着くとドアが開けられ、死体は運び出されて埋められた。この「ガス・トラック」は、大型のものでは150人を、小型のものはその半数を収容した。ソ連ドイツ占領地域では1941年12月だけで、数千にのぼるユダヤ人が「ガス・トラック」で絶滅させられている。

 1941年12月8日。占領ポーランドのロッヅ管区ヘルムノ村(ポーランド名ウッヂ市ヘウムノ)近郊で最初絶滅収容所が稼働を始めた。殺害には「ガス・トラック」が用いられた。犠牲者たちは主に列車で運ばれ、収容所の近くで降ろされた。そこは一部を公園に囲まれ崩れかかった古い宮殿の中央広場で、人びとは垣根に囲まれ区域に通されると「労働に就く前にこれから車に乗ってシャワーを浴びに行く」と告げられ、次のように言い渡された。「衣服を脱いてこの車に乗るように」

 「ドライブ」が始まった。車が4キロメートルほど走ったころには、排気ガスによって全員が毒殺されていた。「終点」は森の中の柵で囲まれ場所で、そこにはこの仕事のために特別に殺されずにいるユダヤ囚人の一団が待機していた。彼らが死体を車から降ろし、そして埋めた(後には死体は焼却処理されるようになっている)。ヘウムノではこうした「ガス・トラック」が3台稼働し、当局員として150人ほどの警察官とSS隊員を擁して1943年4月に一旦閉鎖されるまで稼働し続けた(その後1944年から3ヵ月あまり再稼働)。ここではロッヅ管区他から連行されたユダヤ人と少数のロマ・シンティヨーロッパ語名ジプシー)の集団、合わせて30万人近くが殺害されている。

 1941年11月ポーランド総督管区内でユダヤ人絶滅作戦の準備が始動した。ヴァンゼー会議ハイドリヒの挙げたポーランド在住ユダヤ人口は228万4千人であるハイドリヒは1942年5月にチェコレジスタンス暗殺されたがそれ以後この暴挙は彼のファーストネームに因み、ドイツ政府より「ラインハルト作戦」のコードネームを与えられた。作戦指揮官には後のルブリン管区SS司令官警察長官、オディロ・グロボチュニクが任命された。グロボチュニクは3つの絶滅収容所計画を実行に移した。1942年3月中旬、まずベルゼック(ポーランド名ベウゼッツ)収容所、次いで同年5月ソビボル(同ソビブル)収容所が、そして7月末には第3の収容所、トレブリンカが大量虐殺を開始した。ドイツ東方植民地に設置されたこれら3つの収容所はいずれもガス室を備えていた。ここでは一酸化炭素ガスが使用され、ガスは屋外に設置されたガソリンまたはディーゼルエンジンからパイプで引き込まれた。それぞれの収容所には2、30名のSS隊員と、90から120名のウクライナ人(もとソ連軍捕虜で、ナチス・ドイツに協力を申し出た者)が 当局員として駐在した。SS隊員のほとんどは「安楽死計画」の要員から抜擢された者たちで占められ、後者ウクライナ部隊はルブリン近郊のトラヴニキにあったSS錬兵場で編成・訓練を受けたので、付近住民からは「トラヴニキ・マン」と呼ばれていた。

 ヘウムノ、ベウゼッツ、ソビボルそしてトレブリンカの各絶滅収容所は、文字に違わぬ殺人工場だった。連行された人々は、そのままガス室直行させられたのだ。何百人かのユダヤ囚人処刑を免れていたが、これは当局員と囚人たちの身の回りの世話のためであり、こういったグループはすべて数週間あるいは数ヵ月ほどで殺され、随時交代させられていた。

 ルブリン近郊のマイダネク収容所ユダヤ人、非ユダヤ人双方を収監する完全な構造を備えた強制収容所で、この地区にある他の収容所は全てマイダネクの補助収容所として機能していた。おびただしい数のユダヤ人がここで殺され、あるいは移送中に通過し、あるいは囚人として収監された。この中にはポーランド軍属のユダヤ人戦争捕虜も含まれている。マイダネクを生き残った者は数えるほどしかいい。

 強制収容所および絶滅収容所のうち最大の規模を持つアウシュヴィッツ収容所は、第三帝国ポーランド南部シレジア地方建設された。1940年、早くもアウシュヴィッツ村(ポーランドオシフィエンチム町)に近い旧ポーランド陸軍兵舎敷地強制収容所が設置されている。これは元々ポーランド軍将校政治犯収容するためのものだったが、I.G.ファルベン社などドイツ軍工業囚人労働力を提供するため、収容所近辺に多数の労働収容所が補助収容所として置かれるようになった。1941年にはビルケナウ村(ポーランド名ブジェジンカ)に最大の規模を持つ絶滅収容所アウシュヴィッツⅡ(ビルケナウ)収容所建設が開始された。ビルケナウはアウシュヴィッツ基幹収容所アウシュヴィッツⅠ)から西へ約3キロメートルの地点にあり、1942年5月に稼働を始めている。チクロンBを使用するビルケナウの4つのガス室は一度に1万2千人を殺害する能力を備えており、死体ガス室に隣接し連動する焼却炉(ナチはクレマトリウム火葬場と呼んだ)で 焼却された。焼却炉は24時間あたり8000人分の死体処理が可能だったが、1日で殺害される人数はこれを上回っており、残りの死体ガス室近くの森の中で野積みで焼かれた。アウシュヴィッツでのガス殺は1944年末まで続けられた。2つの収容所は約2500名のSS隊員を擁して1945年1月まで稼働し、その間に130万から150万のユダヤ人を含む、180万から200万人が殺害された。

 アウシュヴィッツビルケナウ収容所絶滅収容所と同時に強制収容所としても機能していた。殺されるために収容所に到着した人々は「選別」を受けるよう命じられることがあった。若く屈強な男たちは絶滅の集団からはずされ強制労働に就かされるか、他の収容所移送された。他に子ども双生児脊髄障害を持つ遺伝病患者などが選別の対象となった。彼らはドイツ人医師たちの医学実験用に選ばれていたのだ。医学博士ヨーゼフ・メンゲレは、医師団の中でもとりわけ悪名高い。

 生き残った囚人たちも「選別」を免れたわけではなかった。1日に何度も行われる点呼で衰弱したり病気にかかった者、または労働に適さない者が見つけ出され、彼らはガス室に送られた。

 厳格をきわめる制度の下に束の間の余命時間が貸与され、囚人たちはそれを生きていた。飢餓さらす、むち打ちなど懲罰の苦痛を与える−この種の非道所業はすべて囚人たちの心身を消耗させ死に至らせることが目的であり、SS隊員でもなければ思いつかないようなものばかりだった。 恐怖は、囚人たちの日常だった。囚人バラックから毎日、何十体もの死体が運び出されていた。 アウシュヴィッツビルケナウ−ここで心身を全うし得た者は、ごくわずかにすぎない。

2015-08-12

http://anond.hatelabo.jp/20150811103647

アメリカアメリカ事情があって、政治的配慮のもとセーラームーン天王はるかの設定がいじられたりしてるんで

今この瞬間のアメリカ政治判断が正しいって確証はない

日本日本独自に「この倫理が正しい」って判断つけた方がいいんじゃない

2015-01-27

2015年1月(24日)〜3月に本当にオススメされるべき映画ベスト10

Neverの「2015年1月〜3月おすすめの最新映画」まとめが雑すぎて死んだので。

http://matome.naver.jp/odai/2142203207103384901

公開予定情報ソース

http://movie.walkerplus.com/list/2015/

・24日からなのは、上映終了などを加味して。「未体験ゾーン」なんたらとか限定上映系は除きます。あと国内もよくわかんないので取り上げません。

・2月〜3月は重要な月でして、2014年度のアカデミー賞候補・受賞作が日本で公開されるマンスなんですよ(リキ入った作品は賞レースでの宣伝効果を見越して、公開がこの時期まで延期される。マジクソ)。

リドリー・スコットの『エクソダス』なんて本国で「スットコなクソだス」呼ばわりされてるもんを一位に祭りあげてる場合じゃねえんだもっと真剣にやれ増田はNEVERと違ってポイント?とか入ってこないんだ!!!!!!!!!!!!!!!

・当然ながらほとんどの作品をまだ観てないので一行コメントをうかつに信じるな!!!


1位『アメリカン・スナイパー』(2月21日公開、クリント・イーストウッド監督

アカデミー賞作品賞候補。本国では名匠クリント・イーストウッド最大のヒット作になってしまった戦争ドラマアフガン戦争で百六十人をスナイプした実在の"英雄"、その実像葛藤に迫る!

2位『ブルーリベンジ』(2月14日公開、ジェレミー・ソルニエ監督

ホームレスが両親を殺した男の釈放を知り、復讐を決意! という筋だけでスリラーとしては充分すぎるほどに観に行く価値バリバリ

3位『フォックス・キャッチャー』(2月14日公開、ベネット・ミラー監督

・『マネーボール』のミラー監督の最新実録スポーツドラマ男性ストリップ映画マジック・マイク』のチャニング・テイタムと『ハルク』のマーク・ラファロが自慢の肉体美をみせつけつつ、因循でサイコパスっぽい金持ちのどら息子から徹底的にイジメられる話になるはず!

4位『KANO 1931海の向こうの甲子園』(1月24日公開、ウェイ・ダーション監督

・いわゆる霧社事件を扱った意欲作『セディック・バレ』で日本でも名を上げたウェイ・ダーション監督が手がけた台湾製野球ドラマ。日本統治下の1931年、「弱小」と言われた台湾人先住民日本人の混成チームが甲子園戦前占領下の韓国や台湾の高校も参加していた)で奇跡の快進撃をとげた実話に基づく。

5位『プリディスティネーション』(2月28日マイケル・スピエリッグ 、 ピーター・スピエリッグ監督

ぶっちゃけ五分前に知った作品だが、あのハインライン原作なら面白く無い訳がない! えーと、ほら、『スターシップ・トルゥーパーズ』とか。実際、海外では「ふつうのSFよりは断然おもしろい」という評価らしい。褒めてるのか、SF映画全体を貶しているのかよくわからないけどSFファンならマストだ。

6位『おみおくりの作法』(1月24日公開、ウベルト・パゾリーニ監督

市役所に務める孤独主人公が、孤独死した人々を見送る救いようのない話をユーモアとやさしさでハートフルに描いているらしい。

7位『イミテーション・ゲーム/エニグマ天才数学者』(3月13日公開、モーティン・ティルダム監督

アカデミー作品賞候補。今をときめくイケメン(ということになっている)俳優ベネディクト・カンバーバッチベストアクト! 天才コミュ障◯◯◯◯(ネタバレにつき)数学者アラン・チューリングを演じるぞ!

8位『博士と彼女のセオリー』(3月13日公開、ジェームズ・マーシュ監督

アカデミー作品賞候補。こちらは今年の賞レースカンバーバッチを一歩リードしている若手俳優、エディ・レドメイン天才◯◯◯(特にネタバレでもないが政治的配慮につき)物理学者スティーヴン・ホーキングを演じるぞ! いやがらせのように『イミテーション・ゲーム』と同日公開だ!

9位『ネイバーズ』(1月24日公開、ニコラス・ストーラー監督

・『The interview』ですっかり日本でもおなじみになったようななってないようなセス・ローゲンの主演コメディアメリカ特有大学文化である友愛会フラタニティ)と、彼らの乱痴気騒ぎに悩まされる一般市民との壮絶なバトルを描くらしい。

10位『マッドナース』(2月28日公開、ダグラス・アーニオコスキー監督

・前情報の貧しさでは群を抜いているが日本版予告編ではこう言っている――「彼女が白衣を脱ぐとき悪夢のお医者さんごっこがはじまる!」 主人公エロ看護婦連続殺人鬼! 何も考えるな! 受け入れろ!

11位『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(2月28日公開、ジョン・ファヴロー監督

・『アイアンマンシリーズ監督大手プロダクション連中の勝手要求ですり減ってやってらんねーと、心機一転自分で主演して低予算で作り上げたお仕事映画社畜マスト

12位『さらば、愛の言葉よ』(1月31日公開、ジャン=リュック・ゴダール監督

映画化界のレジェンドによる3D挑戦が話題になった恋愛長編あなたサブカルマッチョなら当然抑えておくべきだ。犬がかわいいらしい。

13位『ビッグ・アイズ』(1月24日公開、ティム・バートン監督

・観た。『ビッグ・フィッシュ』以降のバートンだと『フランケンウィニー』の次に面白いイカれた嘘つきが楽しそうに輝いている映画を観たければマスト

14位『きっと、星のせいじゃない』(2月20日公開、ジョシュブーン監督

難病で死にかけた女の子男子と出会って恋愛する映画だ! 待ってくれ! 違うんだ、これはそんじょそこらのお涙頂戴恋愛映画とは一線を画した作品だという噂なんだ! 信じてくれ!

15位『イントゥ・ザ・ウッズ』(3月14日公開、ロブ・マーシャル監督

ラプンツェルシンデレラ赤ずきんちゃん等のおとぎばなしの「その後」を描いたミュージカル。現地での評価は高い。ジョニー・デップが狼男役らしいけど、狼男、原作ラストで死んでなかったか???

16位『はじまりのうた』(2月7日公開、ジョン・カーニー監督

・頭の悪い邦題だが、音楽映画の名作『ONCE ダブリンの街角』のジョン・カーニー最新作で、もちろん音楽×恋愛。超低予算だった『ONCE』に比べ、出演陣もキーラ・ナイトレイマーク・ラファロアダム・ラヴィーンマルーン5の)とウルトラグレードアップ

17位『神々のたそがれ』(3月21日公開、アレクセイ・ゲルマン監督

・観た。地球人が異星で神様にまつりあげられるSF映画といえば愉快で楽しそうに思えるかもしれないけれど実際はタルくて長いぞ!!!! でもなんだかよくわからないけどすごい。 

18位『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』(2月13日公開、グザビエ・ピカルド 、 ハンナ・ヘミラ監督

・正直、いまんところ評価微妙なのが不安だけれど、気にするな。正真正フィンランド製ムーミン劇場で観られるんだ。フローレンがクソビッチ化して浮気するらしい。

19位『妻への家路』(3月6日公開、チャン・イーモウ監督

世界的な巨匠の最新作だ! 巨匠だぞ!

20位『愛して飲んで歌って』(2月14日公開、アラン・レネ監督

世界的な巨匠の遺作だ! だからといって面白いとはかぎらないぞ!

番外『ニンジャアベンジャーズ』(3月28日公開、アイザック・フロレンティーン監督

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