はてなキーワード: 追体験とは
大学生時代に「涼宮ハルヒの憂鬱」ブームを経験した三十代。当時はひねくれた人間だったので、ハルヒが流行っている真っただ中に、原作ではなくその元ネタとなった「ハイペリオン」に手を伸ばした。当時の自分はきらきらとした学生生活にあこがれていたくせに、そういう青春をテーマにしたラノベを避けていた。みんなと同じものを読むのが嫌だったのと、そういうきらきらしたものを読むと、自分の灰色の生活と引き比べてしまうからだ。そういうわけで、「涼宮ハルヒの憂鬱」の知識は、書店で一気読みした第一巻と、ウィキペディアの情報、断片的に見たアニメの数エピソードに頼っている。おそらく粗があるので、話半分に聞いてもらいたい。
「ハイペリオン」とはダン・シモンズが1989年に発表したSF小説である。邦訳は1994年に出版された。ヒューゴー賞・ローカス賞・星雲賞を受賞している超大作で、登場人物である長門有希が読んでいる。
ジャンルは一応スペースオペラなのだが、あえて言うならばSF全ジャンルと英米文学のごった煮である。というのも、七人の登場人物がそれぞれの身の上を語るのだが、それぞれがホラーだったりサイバーパンクだったり時間SFだったりで、しかもそれぞれの出来がいい。
続編として「ハイペリオンの没落」「エンディミオン」「エンディミオンの覚醒」がある。作者の思想がややうるさいところもあるが、絵になる場面が多くて楽しい。また、人類の各文化の多様性を高らかに褒めたたたえているのが、やや西洋・アメリカ中心主義ではあるが、気持ちがいい。
長門は「情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」であり、言い換えるならば「宇宙人が作った人間の形をした存在」ということになる。「情報統合思念体」には「主流派」「急進派」「穏健派」「革新派」「折衷派」といった派閥が存在し、それぞれの思惑ごとに動いている。
一方、「ハイペリオン」には、英国の詩人ジョン・キーツの人格を再現したサイブリッド(人造人間みたいなもの)が登場する。これは、人類に様々な助言をするAI群「テクノコア」によって、ある目的のために作られたものである。彼は長門ほど万能ではないが、この背後にいるテクノコアには「穏健派」「急進派」「究極派」が存在していることが共通している。ちなみに、それぞれの立場としては、当面は人類とは共存する、さっさと人類を滅ぼして自分たちが覇権を握る、人類も自分たちも滅んでもかまわないので究極の知性を創造する、である。このAIたちはとっくの昔に人類を超えており、人類を裏切ろうとしている。というか、作中ではすでにある方法で人類をひどく搾取しているのだが、これは読んでみてのお楽しみだ。
設定の上ではよく似ているけれども決定的に異なるところがたくさんあり、よくできたオマージュだと思う。
結論から述べると登場する。そもそも、舞台となるハイペリオンという惑星には「時間の墓標」なるものがあり、そこの封印が開くと未来から様々な事物や情報が送られてくる。同時に「シュライク」という殺戮マシーンが封じられているが、シュライクは時折人間の願いを叶える、とされているのだ。七人の登場人物がハイペリオンまで巡礼に向かうのもそれが理由だ。
ここで未来と述べたのだが、実は未来は確定していない。「テクノコア」が作り出す究極知性が宇宙を支配するか、人類の集合意識が生んだ究極知性が覇権を握るか、この二つの間で揺れ動いている。ここでいう究極知性とは神と言い換えてもいい。つまり、遠い未来で行われる人類とテクノコアの戦いが、現代にも影響を及ぼしているのだ。なんといったって彼らは神なのだから、なんでもありなのである。
この状態は、まさに朝比奈みくる(大)の周囲の事情とよく似ている。現代に干渉し、自分たちの望む形の未来を確定させようと活動している点が近い。
「涼宮ハルヒの憂鬱」の全てを読破したわけではない自分が、本文から有効な証拠をあげることはできない。というか、いくつかのブログでそれを示唆する記述が十分に述べられており、自分が付け加えることは何もない。
よって本記事では、「ハイペリオン」で行われたテクニックを間接的な証拠として用いたい。以下、「ハイペリオン」のネタバレに触れる。読みたくない方は引用部分を読み飛ばしてください。
「ハイペリオン」の七人の登場人物は、旅の無聊を慰めるため、それぞれの出自を語る。一人はフィドマーン・カッサードという兵士である。仮想訓練の度に謎の美女モニータと遭遇し、そこでむさぼるように体を重ねるが、彼女とは仮想空間とでしか会うことができなかった。やがてアウスター(人類連邦に所属しない宇宙の蛮族)の襲撃を受けるが、そこで彼女と再会し、殺されかける。カッサードは彼女との再会を目指している。
もう一人の人物はソル・ワイントラウブという学者である。彼は娘である赤ん坊を抱えて巡礼に来た。彼の願いは、娘であるレイチェルの病を治すことである。レイチェルはかつて学者としてハイペリオンを訪れた際、シュライクによって年齢を逆行する呪いをかけられてしまった。父と同じ聡明な学者であったレイチェルは日に日に幼くなり、とうとう赤ん坊にまで戻ってしまった。レイチェルが「誕生」の日付を迎えるまで、あと数日しかない。
さて、結論を簡潔に述べよう。レイチェルの病は癒される。そして彼女は未来世界へと連れていかれ、そこで再び大人へと成長する。やがてレイチェルはモニータと名乗り、カッサードと出会うのである。
つまり、「涼宮ハルヒの憂鬱」のオマージュ元である「ハイペリオン」では、意外な二人の人物が同一人物であった、そしてその片方は未来人であった、というギミックが存在するのである。
もちろん、年齢遡行までオマージュしているのかどうかはわからない。記憶に蓋をしているだけかもしれない。ただ、妖艶な美女と無邪気な赤ん坊が同一人物であった、という驚きを、朝比奈みくる(大)とキョンの妹が同一人物であった、というかたちで本歌取りしている可能性は、検討される余地はある。
どうなのだろう。キョンの妹は小五だが低学年にしか見えないという記述もあるので、実は成長がストップし、年齢が逆転し始めているのかもしれない……。
鶴屋さんは「宇宙人と未来人だったら、どっちがいい? そろそろ決めといたほうがいいかもにょろよっ!」と発言したそうだが、これは今後の展開を予測する大きな鍵となる可能性がある。というのも、「涼宮ハルヒの憂鬱」が「ハイペリオン」をどこまでなぞるかははっきりしないが、もしも設定を強く意識しているのなら、「ハイペリオン」で「テクノコア」が人類を裏切ったように、「情報統合思念体」が最後には人類に敵対する可能性があるからだ。そして、みくるは人類と「情報統合思念体」との争いの中で、少しでも人類に有利な未来へと導こうとしているのではないか。となると、長門とみくるの決別は避けらないことになる。みくるが長門を幾分苦手としている描写を考えると、興味深い。
少しだけ触れておく。「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」のなかには、超能力は出てこない。出てくるのは「エディミオンの覚醒」以降であり、主人公たちがある能力に目覚めることで、クライマックスに人類の命運を大きく変えるのだが、これも読んでみてのお楽しみだ。
「ハイペリオン」であらゆる願いを叶えるとされるのは殺戮者シュライクである。実に気まぐれな神なのだ。そういうと、ハルヒが悪役シュライクだということになってしまうのだが、自分は違うと思う。明るい青春ラノベにこの設定は似合わない。願いが叶う、ということだけを拝借したのだろう。とはいえ、物語全体を通しての謎の一つ、ということは決定している。
それと、実はシュライクの正体は作中でも若干ぼやかされている。テクノコアが作った殺戮マシーンを人類側がのっとったことが示唆されているが、時間を行き来できるのだから時系列がはっきりせず、筆者の記憶も確かではない。
「エンディミオン」「エンディミオンの覚醒」の語り手はいたって普通の青年ロールであり、彼は破天荒な少女アイネイアーの守護者に任命される。とはいえ、物語の大半は奔放な彼女の振り回されながら進む。それこそ「涼宮ハルヒの憂鬱」の本編のように。
しかし、ロールとアイネイアーは最後にはひどくつらく悲しい別れ方をしなければならない。この設定が本編のキョンとハルヒの関係に輸入されていないことを願う。
それと、ジョン・キーツ(ジョン・スミスではないが)のサイブリッドは二つ存在し、片方が殺される運命にある、とだけ述べておこう。
彼は「ハイペリオン」四部作ののちに「イリアム」「オリュンポス」を発表している。トロイア戦争の世界、遠未来の没落した人類、機械知性たちの話が入り組んでいて、文学とSFのマッシュアップ具合が楽しいのだが、残念ながら「ハイペリオン」四部作で述べた人類の多様性を寿ぐ姿勢から後退し、明確なイスラム嫌悪が出ているのはいただけない。さらに、邦訳されていない最近のシリーズは、ヒラリー・クリントンが大統領になったパラレルワールドで、国民皆保険で怠け者になったアメリカ人が薬物におぼれているというすごく政治的に偏向した作品なので、翻訳されないんじゃないかな……。
【追記】最新作ではないのだが、2011年の「Flashback」という作品。シリーズではなかった。失礼。
【もう一つ追記】その薬物は、いつでも自分の人生の最高の瞬間を追体験できるというしろものだ。そして、世界のほとんどがイスラム過激派に支配されている。経済は日本に牛耳られ、南西部の州はメキシコのギャングに支配され、作中では地球温暖化が否定されている。アメリカの保守的な世界観を煮詰めたような感がある。
ヒラリー・クリントンについての記述は記憶違いかもしれない。ただ、イスラム嫌悪が強いのは間違いない。
https://sosbrigade.miraheze.org/wiki/ハイペリオン
おそらく、ハルヒ全盛期の頃に、こうした議論は出尽くしていると思う。だが、検索をしても類似した意見が見つからなかったため、ここに記録した。
それから、ろくに原作を読んでいないのに、そして記憶もいい加減なのに、好き勝手言ってどうもすみませんでした。
多数のコメント、感謝しております。また、「全部読んでいないのに書くなんてずうずうしい」との指摘、まったくもってその通りです。ファンの気持ちを逆なでするような行い、お詫び申し上げます。また、立ち読みも迷惑でしたね。未成年の頃とはいえ、今にして思えば赤面ものです。
自分としては、「ハイペリオン」を読んだ人間からは、「涼宮ハルヒの憂鬱」の設定はこう見える、と伝えたかったのです。笑ってやってください。また、類似した意見がネットになかったので、記録しておこうという思いもありました。
ただ、ブクマカにもあるように、ジオシティーズやインフォシーク、ヤフーブログなどの一斉削除が原因の可能性のほうが強いですね。はからずもアーカイブの問題にも思いをはせることになりました。
それでは、失礼します。
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
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00 | 74 | 10087 | 136.3 | 34.5 |
01 | 83 | 7108 | 85.6 | 50 |
02 | 49 | 4783 | 97.6 | 55 |
03 | 20 | 1638 | 81.9 | 29 |
04 | 16 | 1212 | 75.8 | 38 |
05 | 44 | 3178 | 72.2 | 46 |
06 | 49 | 3879 | 79.2 | 39 |
07 | 65 | 6737 | 103.6 | 55 |
08 | 87 | 7189 | 82.6 | 41 |
09 | 101 | 12570 | 124.5 | 58 |
10 | 125 | 12534 | 100.3 | 48 |
11 | 151 | 15194 | 100.6 | 54 |
12 | 187 | 15081 | 80.6 | 45 |
13 | 168 | 13696 | 81.5 | 35.5 |
14 | 147 | 11257 | 76.6 | 38 |
15 | 155 | 12516 | 80.7 | 50 |
16 | 146 | 12134 | 83.1 | 31 |
17 | 151 | 16110 | 106.7 | 58 |
18 | 191 | 22444 | 117.5 | 55 |
19 | 128 | 15075 | 117.8 | 56 |
20 | 139 | 16183 | 116.4 | 58 |
21 | 183 | 15712 | 85.9 | 46 |
22 | 128 | 14406 | 112.5 | 44 |
23 | 116 | 12189 | 105.1 | 47 |
1日 | 2703 | 262912 | 97.3 | 46 |
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どこぞの16GBのCFに計測器が対応してなくて1GBのCFで解決したという話をみてあるあると思ってた、技術系増田の私が追体験をした話。
趣味の面でカメラを嗜んでるが、先日お爺さまを亡くされた知人が大量の(殆どがフィルム)カメラとレンズを抱えて来訪。
その中にNikon D100。箱もないし説明書もないが。
状態も悪くなく、電池を充電したらシャッターが下りるのまでは確認できた。しかし、記録がメディアがないのでamazonで32GBのCFを買ってみたそうだが、エラー表示。
ネット見たら4GBも最大限には使えないという情報を得たため、2GBのCFを今更買ったら記録もできたという話。
とりあえず、その方は在りし日のお爺さまを忍んで使ってみるらしいが。
私は山手線に乗って、疲れきった体を椅子に預けて携帯を眺めていた。
新宿駅にたどり着いた電車から大勢の人が降り、その後マレー系のお母さんがベビーカーに子供を乗せて乗車した。
なぜマレー系かわかるかって?あの顔つきと肌色でヒジャブをまとっていたからに決まっている。2年間、シンガポールのころごまんと見ていた人の姿だ。忘れることもあるまい。
とにかく、彼女は子供と一緒に電車に乗り、旦那さんと思われる人が外からスーツケースを手渡し、中に入れ始める。
スーツケースが一つ入ったところで、ドアが閉まる。
母は大慌てでとっさに腕をドアに差し出したが、間一髪で逃し、ドアは冷たく閉じられてしまった。
ホームで見かねた誰かの所業だろう。非常停止ボタンが押された。
母はとても困った顔をしていたので、電車の中にいた私は拙い英語で、とにかく通じればいいなというレベルで彼女へ声をかけた。
「Send the message to him that you can ride next train what should come in 3 mins so far.」
(3分後に次の電車が来るから、旦那さんにそこに乗るようにメッセージしてね。)
「You'd better to ask staffs to help you in next time。They can help you.」
彼女の表情が和らぎ始めた。英語わからなくても、私の意図は少しは伝わったのかなと思った矢先だった。
私も彼女も初めて出くわす場面だが、手慣れているだろう。ドアを外からこじ開けようと力む姿が見えた。
スーツケースを入れてもらうのかな。
とにかくうるさいブザー音を消してくれとばかり、心の中で思っていた私が次に観た光景は、そんなことどうでもいいと思わせるようなものだった。
駅スタッフは、ドアをこじ開けては電車に乗り込み、ありったけのしかめっ面で、母とベビーカーを引きずり下ろした。当然スーツケースは眼中にない。
それもそうかも。何せ車いすのスペースに突っ込んだわけだし、その荷物が隣に立っていた人のものかもしれない。母の携行品はベビーカーしかないと思われても仕方はない。
それでも、荷物はただそこに置かれてあっただけ。
荷物は無事に外に母と一緒に追い出され、ドアは閉まり、駅スタッフは「一つの仕事をやっつけたぞこの野郎」と言わんばかりに、安全確認終了を知らせるランプを高く振りかざす。
これは、一日利用者数世界一を記録している駅で起こった、外国人観光客が起こした小さなトラブルだった。
仮にも世界一の駅スタッフが、観光客をマニュアル通りに、いつも通りに追い出すのか。
彼女がその時感じたであろう感情がどうだったか、想像すらつかない。
旅行って、旅っていつもそうだ。
どこかしらで必ずトラブルは起こる。
喧嘩だってするかもしれないし、財布だって落とすかもしれない。
はたまた決まったはずの宿が決まってないかもしれない。
今まで述べたトラブルと比べたら、電車一本逃して一行とはぐれるなんて、些細なものに過ぎないだろう。
その記憶が後で振り返ったとき楽しいハプニングとして残るか、散々な目に会ったという苦い思い出として残るかは、その場そこにいた人達がどう接したかにかかっている。
彼女(とその家族)は須らく、その類の数知れないトラブルのうちの一つを、須らく経験してしまった。
少なくともこの国の誇る鉄道の、いちばん誇らしい駅のスタッフは、間違いなく彼女に後者の印象を植え付けたのであろう。
なんてことを思う間にふと考えた。
仮にもオリンピック公式輸送スポンサー企業のスタッフがこんな対応でいいのか?
もしかしたら、彼女が私のアドバイス通りに、あらかじめ対応ができたら、駅スタッフだって乗車案内できたはずだ。
彼女は頼るすべを知らなかっただけ。
できるはずのことができないのは、観光客に対するおもてなしが全くできていないという証拠であろう。
いくら上っ面だけ広告宣伝に金を落としたところで、こういう実務的対応一つままできず、塩対応してしまっては元も子もないだろう。
あーそっかそういう風に思った?
俺は増田に、そういうデリカシーない人に困ってる人の気持ちを追体験してほしかったんだけどな…
まあ俺の技術不足なんだろうねごめんごめん。
人格攻撃じゃなくて、多分デリカシーのない人間に対する問題を理解してない増田は、きっとデリカシーのない人間の方の立場なんだろうなってことは明確じゃん?
でも増田は悪気はないわけ。みんなそうなわけ。みんな善意からやってるからタチが悪いわけ。
めんどくせえんだけど、それをゴタゴタして解決することが必ずしも正義ではない場面っていうのはあるわけよ。
そんで、だからそうなる前にデリカシー気をつけようぜっていうのがポリコレにもつながってくわけでな…
っていうの、伝わらないかなー…無理か。
しかし、ゲームには本や映画には無い「自分で選択する」という要素があります。
これはあなたではないあなたが人生を歩む決断を追体験できます。
もし興味があれば、Detroit Become Humanやウィッチャー3などをプレイしてみてください。
前者は近未来の世界でアンドロイドの主人公が人権を求めるゲーム、後者は魔物狩りとして生きている主人公が善人か悪人か分からない人達の依頼を受けながら失踪した娘を探すゲームとなっています。
何が正解か分からない中、あなたは選択を迫られます。それは本や映画には無い体験としてあなたを悩ませ、没頭することになると思います。
※現地組やニコニコ有料会員じゃないと観れない後半部分のネタバレがちょっぴりあります。
舞台上演開始前のナレーションにて「当時の子供たちが学校から帰ってきてから楽しみに見ていたであろうこの作品も、放送を終えて30年間省みられることはなかった……ネットでネタにされるまでは」(要約)
と身も蓋もない紹介をされる屈指の怪作アニメ『チャージマン研!』
そしてそれを舞台化してしまった、いま話題の大問題作舞台『LIVEミュージカル演劇チャージマン研』
この演劇には「当時のちびっこ達の想いを現代人に追体験させてやろう」という狙いがあるんじゃないかな?と思い筆を取りました。
●わずか2時間の上演時間の中で「いままでは前座、これからが本編開始だ!」という歌や口上が手を変え品を3回も繰り返される。
●物語の最後、泉家はこれから始まるアニメにどんな超展開が待っているのかと期待に胸を膨らませてテレビを囲んでいる。
我々がチャー研を知ったときにはこの番組はとっくの昔に最終回を迎えていた。しかし泉家が見ているアニメは現在進行形で放映されている。
キャロンの「みんなで同じものを見ながら感想を言い合うのって楽しいわ」という台詞からも、泉家の見ているアニメがこの演劇そのもののメタファーになっている事がわかる。
●現地組はDVD会場予約申込書を見て欲しい。「チャージマン研!本編DVD VOL1」と書いてあるのがわかるだろう?
星くんという大人気キャラを出し惜しんでいるあたり、きっと近いうちに次回作をやってくれるに違いないんDA☆ ネネ、いいだろう?
学校から帰ってきてテレビの前で新たな物語を楽しんでいた当時の子供達のような気持ちでチャー研を観れる日がくるなんて、すごい時代……ステキダワー!!
随分前の話だが、私はFate/GrandOrderら通称FGOにはまっていた。推しのサーヴァントに聖杯をあげて喜び、スキル上げにうんうん唸り、イベントが始まれば喜んで走り、高難易度クエストをなんとかクリアして、少なくない額の課金をする、典型的なFGOファンだった。
私が型月の世界に足を踏み入れたのはFate/EXTRAからで、ギルガメッシュに興味を持つ→CCCだと自分のサーヴァントに出来るらしい!すごいやりたい→でもCCCはEXTRAの続編だからそれをやらないと話がわからないらしい→なるほどじゃあどっちも買ってみるかの順で見事に沼に落ちることになる。魅力的なキャラクターや軽快な台詞回しにたちまち夢中になり、私はFateにどっぷりはまっていった。
そんな中サービスを開始したFGO。私がFate作品を追体験していく中で出来た推しが複数出演していたこともあり、かなり初期からプレイしていた。元々ガチャゲーはそんなに好きではなかったけれども、イベントや新章をクリアするたびに推しが増えていくのでガチャガチャ回していた。
時々感じる公式との解釈違いや、えっこのキャラこんなに貶しちゃうの?さすがに酷くない?という疑問や、この設定明らかに過去作品と矛盾してるよね?な困惑を飲み込みつつ、私なりのペースで楽しんでいた。
個人的に一番「ん???」と思ったのはかの有名なCCCコラボイベントだったが、まあこんなことは別にいいんだよ。私がFGOを嫌いになった理由と今まで上記に書いてきたことは一切関係ないし。
私がFGOを嫌いになったのは、とある作品のパロディをしたからである。仮に名前をAとする。
私はAが死ぬほど好きだ。作品が終了してもう何年も経つけれど、人生で一番好きな作品だと数十年後も言いきれる自信がある。ストーリーもキャラクターも演出も何もかも大好きだ。人生で一番時間をつぎ込んだのも、お金をつぎ込んだのも間違いなくAなのだ。
FGOのあるイベントで、明らかにAをパロったキャラクターが登場した。宝具演出もストーリーの扱いも、Aを知っていればいやこれでしょと断言出来るくらいのパロディ具合だった。別にここまではいい。ちょっとモヤッとしたけど、まあ型月ってもともとパロディとか多いし.......楽しいならまあ.......みたいな感じで飲み込んでイベントをプレイした。
「AとかFGOから知ったわ」みたいな人がSNS上に湧き出す。まあこれはいいよ。作品の間口が広がるのはすごく大事なことだし、もう終了してけっこう経つ作品だから新しく知る機会もそんなにない。これでAを知った人が、少しでも本編を見てくれたりしたら嬉しいなと思ったわけだ。
個人的な問題その1:AをFGOから知った人の中には、「FGOがAを有名にしてやったから感謝すべき」「FGOの方がAより面白いw」みたいな態度の人が一部いた。は~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~????????????????????なーーーにいってだこいつ????????そんなん万が一思ってたとしても心の中にとどめておけや!!!!!!!!!!なんで言っちゃうんだよAのファンもFGOでパロディあったの!?調べてみようかな~ってやってるかもしれないじゃん。は~~~~~~~。
個人的な問題その2:FGOageAsageみたいなコラボ二次創作を見てしまった。これがかなり痛かった。いやこんなことしてたのは本当に一部なんだけど、一部だからといってカチンとしないかと言われたらそんなことなくないですか???????????すげえムカつきました
個人的な問題その3:ネットで話題になっているAのネタ的部分をちょっと調べただけでFGOとコラボさせましたみたいなネタがTLにあがるようになった。いやこの人絶対ここのシーンを知らないじゃん.......。
個人的な問題その4:FGOとAのコラ画像やらネタ画像がバズったりするようになる。この辺になると該当キャラを見るのも嫌だったのでこれは地獄だった。しかもコラに使われるAのキャラがだいたいめちゃくちゃ好きだったのでなんとも言えない感情を抱えながら過ごすようになる。
個人的な問題その5:AもFGOも好きな人たちがこれを機に「FGO好きな人は絶対Aも好き」「話の流れが似ている」と宣伝し始めたこと。これがいっっっっっちばん嫌でした!!!!!!!!!いや似とらんわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!しかも一番声高々に言ってたのが私の最推しの界隈って言うね 地獄 個人的には主人公が世界を救うってところは同じだと思うけどそんなのかなりの作品と一致するわけじゃん なんなのファンからしたら世界を救う系作品はみんなFGOなんか??????????これは言いすぎたな ごめんね
ここからはもしAのキャラがFGOに出たらどんなクラスでどんなステータスで~みたいな大喜利が始まったり色々うっわ.......って思うことがあったんですけど些事なのでどうでもいいや。とりあえず私は公式のパロディから始まった謎のファンの展開でFGOが嫌いになってしまいました。アカウント消してからけっこう経つけど後悔してない クソの吐き溜めでごめんな