はてなキーワード: 紹興酒とは
我が家でもかれこれ4年くらいAnovaを回しているので、あまり言及されていない料理を書く。
・調理後はなるべく表面を焼いて滅菌する。ただし、中まで火を入れないように強火/短時間
・醤油とオリーブオイル、黒コショウでキノコ(マイタケ、シイタケ、マッシュルーム、、、というか何でもOK)を刻んだのをマリネして
すんばらしいキノコの香りにもかかわらず、キノコのサクサクとした触感が残ってる。
そのまま食べてもいいし、ステーキソースのベースにしてもいい。
大量に作って常備菜。
塩&オリーブオイルで85℃/15分。
煮崩れしないところでとどまるとろとろの触感。
これも肉料理の添え物に。
この温度帯はアクチン/ミオシンではなく、コラーゲンの変性を狙う。
五香粉、八角、ネギ油を使って甘めのソースを作っておいて(各自レシピ検索のこと)、
豚バラ肉の75℃/2h。
豚バラ肉の75℃/8h。
終わった後は表面を強火でこんがり焼くこと。
脂がトロトロになってて素晴らしい。
肉汁が結構出るので、肉を焼いたフライパンに混ぜ、玉ねぎを炒めるとうまい。(マッシュルーム、シメジもうまい)
増田カレー(anond:20160616171204)のアレンジ。
ベースは増田カレーだが、ブライニング済み骨付き鳥モモ肉の75℃/2hをかけて、
あと、カシューナッツ&牛乳をフードプロセッサーにかけたペーストを加えると
大きな塊肉を焼くのはBBQの醍醐味だが、中まで火が通るのが時間がかかってしまうことがネック。
そこで、前日に低温調理で中まであらかじめ中まで火を通しておけばよい。
ジップロックをクーラーバックにそのまま入れて当日は表面殺菌&メイラード反応を起こすだけでOK。
ウスターソース、ケチャップ、ニンニクのすりおろし、玉ねぎのすりおろし、パイナップルのすりおろし、はちみつ、バルサミコ酢、カイエンペッパー、黒コショウ、ナツメグ。
加熱&分解効果で肉が高速でほぐれていくため、ある程度赤身がつよい肉がおすすめ。
脂が差し込んだ肉だと崩壊するので、そのままプルドポークにして食べてもOK
追記:BBQソースを使って炭火BBQやるときはメイラード反応だけではなくて、糖分も多いのでカラメル反応も狙う。
ソースを塗って焼き固めて塗って焼き固めて・・・を繰り返すと焼き固まったBBQソースの層が肉の周りにできてうまい(低温調理はあんまり関係ない)
この温度帯は魚介系。ただし、調理には十分気を付け、調理後に表面加熱を必ずすること。
追記:この温度帯では非常にハイリスクなので絶対に生食用以外は使わないこと。
ブライニング後オリーブオイルに入れて40℃/1h。その後強火で一気に一瞬で表面を焼く。
焦がしバター&黒コショウで食べるとうまい。マスタードでもOK。
追記:オイルにディルを一緒に入れると香り高く、生臭さが消えるのでおすすめ。タイムでもまぁあり。
ソースはタプナードソースでもOK。作るのがめんどい場合は成城石井とかKALDIとかにあるはず。
あと、正確にはコンフィじゃなくてミキュイになるのかな?(ブコメ言及ありがとうございます。)
素材はわりと何でもおいしくて、タコやサーモンもめっちゃうまい。
ホームパーティに持ち込むときは、処理済みのジップロックをもっていって最後の火入れだけキッチンを借りてます。現地の調理時間5分。
殻剥いてワタとってブライニング後、花椒をいっぱい挽いた紹興酒に入れて40℃/1h。
加熱中にニンニクのみじん切り、醤油、豆板醤、砂糖を炒めてソースを作っておき、
オリーブオイルでクミンシードをテンパリングして、みじん切り玉ねぎを炒め、
白ワインを煮詰めたあと、と白ワインビネガーをひと回しする感じ(エビ自体に軽く塩味ついているからソースに塩はいらない)。
我が家では一番出現率が高いです。
表面を焼く。
錦糸町の魚寅で手に入れた新鮮なクジラ肉で作ったときは感動だった。
みんな大好きオライリーの料理本がめっちゃ参考になったのでお勧め
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873117874/
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873118628/
・火だと難しい触感を簡単に引き出すことができる(できないとは言っていないが難しい)。60℃帯ではプルプル、75℃帯ではトロトロ、がキーワード。
温度、時間(あと、容器)の変数を固定すれば比較的調理結果にブレが少ないこと。(火入れは難しいよ。。。
・調理進行中に手が空けられること。仕事していても寝ていても外出していてもほかの料理を作っていても調理が進むのはとっても便利。電力なので、立ち会わないことで火事になるリスクも少ないしね。。。
・何度か作って分かったのは、低温調理は味付けの操作ではなくテクスチャーの操作がメインだなということ。
なので、ワンランク美味しいものを作るには意外と下ごしらえとか、ソースづくりが重要だったりする。
結局手間がかかるやん、っていうのもその通りではあるんだけど、火入れの工程を関数化(?)できるのは大きい。
色々作るとソースと具材も変数化されてくるのでバリエーションが増えて楽しくなってくる。
なので、普段は塩コショウハーブだけで十分うまいスペアリブとか、書いてないけどローストポーク、ステーキ、エビ/サーモンのミキュイ、カレーだね。
難しいこと考えないで適当に塊肉とソースを買ってきてANOVAぶち込んで焼いてソースを絡めて食うだけでも美味いと思うよ。
残ったオイルとかソース、肉汁は再利用できる。(加熱すること)
ミキュイのオイルなんかはアーリオオーリオにしてパスタにしてもいいし、肉系だと肉汁&焼き目を入れたフライパンでガーリックライス作っても美味しい。
変わり物だったら、ステーキ作った肉汁を出汁の代わりに炊き込みご飯作って、ステーキのせて食ったら最高に美味かった。(焼肉ジャンボのステーキ炊き込みご飯のインスパイア)
梅酒や杏(あんず)酒のような甘い果実酒が好きだ。でも本物の果実酒とは違う気がする。市販されているそれらの酒は、ほとんどが梅や杏をホワイトリカー(廃糖蜜を主原料とした焼酎)に漬けて製造したものだろう。果実の甘味や香りはするけれど、アルコールの味や香りはホワイトリカー由来の物だ。それが果実酒として本物ではないと感じさせる。
しかし、ワインは赤でも白でも安物でも本物の果実酒だと感じる。それはアルコールがブドウ由来だからだ。もしもブドウをホワイトリカーに漬け込んで酒を造ったとしたら、それはワインともブドウ酒とも違うまがい物の酒となるだろう。しかし、漬け込む果実がブドウでなければ果実酒と認められるのだ。これはおかしいのではないか。
酒の歴史は人類の発祥よりも古い。エチルアルコールはブドウ糖の発酵で生成されるので、理論的には果物が腐らず発酵するだけで酒ができるのだ。よって文明や知性が酒造に必要とは必ずしも言えない。日本には猿酒という伝承があり、猿が木の洞(うろ)に果実を貯めて造った酒のことを言う。サルナシはその伝承から名付けられている。海外では伝承ではなく実際に動物が酒に酔う姿が観測されている。それも霊長類に限ったことではない。アフリカゾウがヤシ酒を飲んだり、ヘラジカが発酵したリンゴで酔ったりするそうだ。アフリカ大陸にはマルーラという糖度の高い果物があり、様々な野生動物がマルーラで酔っ払っている姿をYouTubeなどの動画サイトで見ることができる。
野生動物が様々な果実酒で飲酒を堪能しているのに比べて、私の果実酒文化はなんと貧しいことだろうか。ホワイトリカーで作ったまがい物の果実酒で我慢しているなんて。思うに、人類は文明の発祥とともに多様な果実酒文化を失ったのではなかろうか。
農耕と牧畜の発展により世界四大文明が生まれて、食糧供給をコントロールする社会が生まれるとともに穀物由来の酒も発明された。その最初が黄河文明の黄酒である。コメやキビを原料とした酒で、紹興酒は代表的な黄酒である。黄酒でも日本酒でもビールでも、ブドウ糖の無い穀物をわざわざ糖化させてまでしてアルコール醸造してきたのはその方がメリットがあるからだろう。果物ではなく穀物で酒を造る利点として、生産量・生産効率・保存性・主食への転用がざっと考えられる。
さらに果実酒の衰退を加速化させたものとして蒸留の発明が考えられる。蒸留技術はアリストテレスが師プラトンから受け継いだ四元素説の応用から生まれた。ちなみに蒸留に熱力学の理解は不要であり、四元素説の言葉を用いて以下のようにカッコよく説明することができる。
蒸留とは水(アクア)の形相(エイドス)【冷・湿】となって水中に溶解している酒精(スピリタス)を、火(イグニス)の力で空気(エア)の形相(エイドス)【熱・湿】へ転換させて高純度の酒精(スピリタス)を抽出することである
閑話休題。蒸留技術がシルクロードを通じて伝搬したことで、果実を発酵させなくても蒸留酒に漬け込むだけで果実酒を造れるようになった。日本も例外でない。倭寇の時代に焼酎が伝えられ、梅酒は江戸時代に誕生したと言われている。梅の焼酎漬けではなく、梅そのものを発酵させて醸造した事実はないかを調べてみたが、残念ながらわからなかった。そもそも、梅はブドウに比べて糖度がずっと低いので、アルコール発酵させるのは困難だろう。
日本にワイン以外の本物の果実酒はなかったのだろうか。そもそも、国産ワインが登場したのは明治時代と歴史が浅く、それ以前にワインが作られなかったのも不思議だ。ブドウは古事記で登場する程に歴史のある果物であり、黄泉平坂でイザナギが黄泉醜女に投げつけたという伝説がある。他に古事記で登場する果物に、柿・桃がある。どちらも糖度の高い果物でアルコール発酵可能なはずだが、柿酒や桃酒などというものは見聞きしたことはない。そもそも、歴史上存在したかどうかもわからなかった。焼酎漬けではない柿酒や桃酒などという代物があればぜひ飲んでみたいものだ。
コロナ騒動がはじまってからというもの、ブクマカがそれぞれ何かに怒りまくっていて、見てるだけでもストレスが溜まるので、自粛要請が起きただけでなんでもない、特に怒らない、震え上がらない、泣き叫びもしない日常について書こうと思う。
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週末の外出自粛要請が都知事から出たのを受け、昨夜からスーパーでパニック買いの行列とのこと。
毎週身体を動かしてるけど、多分ジムはダメなスポットなので家にいるしかない。
食べるものがなかったら切ないので、昼休みに職場の近くのコンビニに行く。
玉ねぎと鯖の水煮缶、ツナ缶、サラダチキンがあったので、一応買う。
PayPayの残高があったので、Yahooショッピングを物色したところ、米があったので買う。
さらについでに洋服のサブスクリプションサービスにレンタル枠があったので、極彩色のスウェットをレンタル。
仕事帰りにスーパーに寄ると米や乾麺、肉類、卵、硬い根菜がない。
空の棚はなかなか壮観。
でも牡蠣や生鮮野菜、練り物、厚揚げ、きのこ、ブルーベリー、大根、紫キャベツ、梅干しはある。
牡蠣はオイル漬けに、トマトやズッキーニはラタトゥイユに、菜の花はおひたし、練り物ときのことブルーベリーは冷凍に。大根は中華風の醤油漬けに、紫キャベツは甘酢漬けに。
引きこもるしかない週末でも作りおき料理で乗り切ると腹を決めてしまえば楽しい。
帰宅後、牡蠣はオイル漬けを仕込み、菜の花のおひたしとラタトゥイユを作る。
0時を回ってしまった。
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小さな子供がいるクッキングパパの同僚と料理の話で雑談。だいたい失敗談など。料理は失敗して上手くなる。
週末はその料理をしつつ作り置きを消化していくことになりそうだけど、ネットでプチ断食が健康にいいと聞いたので、せっかくだから今日昼から明日昼まで断食してみることにする。
断食前の昼食のお弁当は25日に作ったタイカレーの最後のストックとサラダ。
赤い。辛い。うまい。KALDIはアジア料理好きの自分にとっては食卓のナイスサポーター。
自宅にも大型モニターはあるけど、椅子と机が貧弱。椅子なんか折りたたみのデッキチェアだもん。
せめてお尻が痛くならないクッションもあったほうがいいかも。
大根の醤油漬けを作るため、5cm×1cm×1cmの短冊切りをして、ざるに並べて首が真上に向く扇風機に乗せて夜通し乾燥させる。
紫キャベツを千切りして、ローリエをとタイムを入れた甘酢につける。
紫キャベツの甘酢漬けは別にめちゃくちゃ美味いというものではないけど、汁ごと目の覚めるような赤紫になるから好き。
その作業をしていると、最近仲良くなった人からLINEで新宿御苑の入園規制と週末の雪のニュースを聞きびっくり。
日曜は天も「外に出るな」と言っているかのよう。
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起床。プチ断食をはじめてからもう20時間経っているけど、案外辛くない。
昨日の夜に乾燥させた大根を瓶につめて、上から醤油と紹興酒を花山椒の漬け液を流し込む。
食べごろは3日後から。一昨日仕込んだ牡蠣のオイル漬けは5日後からなので、来週の半ばからはこれらが食卓に登場する。
それにしても午前中に指定しておいた宅配が12時回っても来ない。
やってきたのは12:30。「宅配多いですか?」と聞くと「多いですね・・・」でしょうねぇ。
さっきまで別に辛くなかったのに、お米を炊き始めたり、乾燥味噌汁を用意しているとめちゃくちゃ唾液が出てくる。
菜の花のおひたしとサヤエンドウの胡麻和え、梅干し、海苔、食べるラー油とKALDIで買ったエビの辛い中華ソース的なものをトッピングする。
24時間ぶりなのでめちゃめちゃ美味い。そしてエビ中華ソースがめちゃめちゃ辛い。
Youtubeを見ていたが、断食のあとの食事のためか眠たくなってウトウト。
目が覚めてちょっと甘いものが食べたくなったのでスーパーに行くと、品薄は嘘のように解消。
でもなぜかスナック菓子の棚だけ空。ポテチやかっぱえびせんがない。消費者の振る舞いが謎。
最近み始めた鬼滅の刃を見ながら食べたけど、流血が多い。おかゆ食べながら見るもんじゃないな。
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あまり高いのは無理だけど、どうやら¥9,000くらいでまあまあな椅子が買えそう。
クッションが¥2,000なんで、それなら椅子を買ったほうよさそう。
結局、情報だけ手に入れて手ぶらだが、ベローチェのサンドが結構好きなので、帰りにテイクアウトしに寄る。
いつもはお年寄りの集会場になっているベローチェも、雪と外出自粛要請で閑散。
「さすがにちょっと閑散としてますね」「・・・そうですねえ、雪もありますし(苦笑)」
帰り道、コーヒーを飲みながら、雪景色にそぐわない満開の桜をパシャリ。
サクッとした食感のベローチェのサンドをかじって、筋トレ。筋トレ後はプロテイン。ココア味でまあまあ美味しい。
しばらくして、だいたい在宅に移れる見通しが立った。これで安心。
晩ご飯は炙ったサラダチキンにラタトゥイユをぶっかけて、付け合わせは醤油漬けで余った大根を使ったツナと大根のシーザーソースサラダに紫キャベツの甘酢漬け。
ご飯を食べ終わったらLINEの人に桜の写真を送る。花見も雪と外出自粛で持ち越しだね。
ついでに撮った東京2020の横断幕も送信。こちらも残念、また来年。
お風呂に入って一息、しないといけないことはもう大体済んだな。
来週はどうなるのかな、まあいろいろ起きるかもしれないけど、なんとかしていこう。
やっぱりそれに使う各種調味料をすべて完璧に揃えるのがなかなか難しいとかお金がかかるとか
手抜きかそうでないかという以前にその家その人の経済状況とか時間のなさとか
手抜きじゃない?って口に出す前にいったん頭の中で鑑みられるべきなんじゃねえのかな、という気はする
オイスターソースに甜麺醤豆鼓醤豆板醤、五香粉丸のままの八角や花椒白胡椒ラードごま油紹興酒帆立だし鶏だし、
その他中華を作るのにあればおいしい調味料もろもろこれだけ揃えて量や質を管理するのもなかなか大変だと思う
料理をうまく作りたくても自信のない人もいるだろうし、そういう人が合わせ調味料に頼るのってすごく合理的だと思う
(手抜き、じゃなくて合理的とか言えば全然印象が違うと思うから人とすりあわせしようと思えばそういう言葉を使うのがいいかも)
そういった人にいやでもやってるこちらから見れば手抜きだよね、って判断したり言うこと自体にはあんまり意味がないよね
悪いとは思わないけど、と前置きしたところでそれはどうしても単なるマウンティングにしかならないのではないかなと思う
それぞれでいいじゃんそれぞれでと思う そしてその「それぞれだな~」を自分にも他人にも適用すればいいんじゃないかな
おいしいものを食べたいと思えば自分で思うように作ればよくて、
もしも一緒に食べる人と齟齬が生まれたときには相手に押しつけあうんじゃなくて
お互いになるほどそういうやり方もあるのか!ってなればいいね
お酒の種類によって弱い・強いがある人は多いと思う。
自分もビールやワインや紹興酒は大丈夫でも、日本酒には弱かったりする。
少しでもピッチが早いと頭がグルグルしてきて、最後は横にならないと厳しい状態になってしまう。
なのでおせち料理みたいに、日本酒がベストな組み合わせの場合は、文字通り舐めて口を湿らせるように飲んでいる。
こいつはビールでもバドワイザーのような非常に軽い口当たりだが、でも決して弱い酒ではない。
そしてビールは個人的に喉で味わう人間なので、口当たりの軽さも合わさって、勢い飲む量も多くなる。
そこに来て、中には日本酒でおなじみの米がたっぷり入っているわけで…結果、翌日昼まで残るレベルの、かなり酷い悪酔いが待っていると。
朝、いつものように電車に乗って会社に向かっていたんだが、4駅目を過ぎたあたりで、急に激しい便意に襲われた。
何が悪かったのか。昨日の中華居酒屋でしこたま飲んだ紹興酒が悪かったのか、帰ってから食べた押し寿司が古かったのか、わからないが、便意とも、腹痛ともつかないものに意識全体が奪われて、寒気がするくらいだった。
これくらいはマイペンライ、会社のウォシュレット付きトイレでいつものように快便すればすべて丸く収まる、と思っていたのもつかの間、やはりこのまま我慢するにはあまりにも強い、これは便意なのだと確信した。いますぐ出したい、出さなければ腹が壊れる、というか、もう勝手に限界のところまで下がってきている、何かが、という状態だった。
次の駅でホームをダッシュしてトイレに駆け込むしかない、というようにエマージェンシープランを変更して、降りる決意を固めたのはいい。
だが、ドアの傍に立っている大学生らしい男の背負っているホモランドセルで、入り口全体がふさがれている。
電車が止まったのはいい。降りようとして自分が動き始めたのはいい。だが、やっぱりホモランドセルが邪魔になっているせいで、降りる人の流れに加わって自分も降りることはできなかった。
再び動き始めた電車の中で、義憤ども諦めともつかない気持ちを味わっているうちに、尻のあたりがなにか生暖かくなってくるのが感じられた。
暖かさは意外に気持ちよかったが、そうも言ってられない状況になった。自分でもそれとわかるほど臭いがする。でも動くことはできない。
腿と膝のあいだを通って、生暖かい液体が降りてくるのを感じる。
次の駅で電車が止まったところで、すいません、すいませんと繰り返して、ホモランドセルを手でのけながら、やっとの思いでおりて、駅のトイレに駆け込んでパンツを下すと、液体に混じって実が出ていた。
パンツだけを捨てて、水でズボンをゆすいで、反対方向に向かう電車に乗って、着替えに戻ったのだが、電車の中で臭いが漏れていないかどうか、気になって仕方がなかった。
金曜夕方の17時。弊社にプレミアムフライデーは残念ながら存在しないが、今日は定時ちょうど、18時には帰れそう。
残業せずに帰れそうなめどが立ったところで、LINEで彼に連絡を入れる。
「今日は18時過ぎには会社を出れると思うので、いっしょに夕飯でもいかがでしょう」
あまり前から予定を決めていても忙しい彼には負担になるので、誘うのはいつも前日か当日くらいだ。
「ぼくもそんなに遅くならずに出られそうです。何を食べたい気分ですか?」
良かった。前回会えたのは2週間前くらい。
相手の仕事のピークや、私は私でこまごまとした用事が入っていて、なかなかちょうどいいタイミングがなかった。
「前回は中華だったので、イタリアンでどうでしょう? 渋谷に気になってるピッツェリアがあります」
と返信をし、店を決めながら残りの仕事を片付けつつ、今度は夫にLINEを送る。
「ごめん! 今週終わらせるタスクが全然終わってなくて、かなり遅くなりそう。ギリギリに言うので申し訳ないけど、外で食べてきてくれない?」
結婚してからも共働き体制を続けて3年が経つ。家事は分担しているものの、夕飯の担当は一応自分になっている。
彼のほうが残業することが多いのと、私のほうが一人暮らし経験があって料理のスキルもあるので、とくに不満はない。
それに、なんだかんだ、あっちもあっちで仕事の付き合いが多い職業なので、二人でいっしょに夕飯を食べるのは1週間のうち2〜3回だ。
私が友達と飲みに行くというときも、彼はこころよくOKしてくれる。今日も問題なく、「わかった、おつかれ」とスヌーピーのスタンプとともに返信がきた。
そうこうしているうちに残りタスクは終わり、定時とともに私はタイムカードを切る。
急ぎ足で駅に向かいながらLINEを確認すると「ピザ、たまにはいいですね。では後ほど」と返信が来ていた。
こういう関係になって1年は経つけれど、彼のLINEでの丁寧語はまったく崩れない。スタンプも送ってない。
すでに5年の付き合いになるという彼女相手にもそうなのかは、知らない。たぶん違うでしょう。
まあ、どっちでもいいんだけれど。私も夫とやりとりするためのスヌーピーしか持っていない。
目当てにしていたピッツェリアは、プレミアムフライデー効果もあってか満席。
念のため会社を出た時点で電話をしておけばよかったけれど、し忘れたものは仕方がない。
隣にあった小汚い中国粥の店に飛び込む。またも中華になってしまったのが痛手だが、普通に美味しい。
彼も気に入っていた。ここ、夫も気に入るんじゃないかな。店名をメモっておく。
青島ビール1本と紹興酒をグラスで飲んで、ほろ酔いになったところで、駒沢大学にある彼の家へ。
彼女は地方に出張中で急に来る心配もないということなので、泊まってもいいかな……と期待したけれど、
今日は夫に「仕事が終わらなくて」と言ったので、さすがにオールは微妙だろう。
最初から「失恋したばかりの友人を慰める飲み会だから、かなり遅くなるかも」くらい言っておけばよかった。
Netflixで「英国王のスピーチ」を流しながら、なんとなくくっついたりキスしたりいちゃいちゃして、映画が終わるあたりで今日は終了。
彼に見送られ、夫に「終電では帰れそう」と伝えて、家を出る。次に会う約束はしない。だって、別に付き合ってないから。
夫から「ごめん、俺のほうが遅いわ。朝帰りになるかも」と返信。
なんだ、だったらやっぱり泊まればよかった。でも今から引き返すのはウザいよね、と思い、しかたなく電車に乗る。
夫も本当は、誰かとどこかのホテルにでもいるのかもしれない。
そっちのほうが「良かった良かった、お互いセックスは外注しようね」とあらためて確認しあえるかもしれないし、
そうなったらなったで、ムカつくのかもしれない。もしかしたら逆に燃え上がってセックスレスの解消になるだろうか?
うーん、今日考えるのはやめよう。
毎日電車で隣り合わせた適当な男とヤるとか、風俗でこっそりバイトするとかのほうが、本当に刺激を求めるならよほどお手軽だ。
でも、性欲とコミュニケーション欲がほどよくまぎれたことで、私の心は適度に凪いでいる。
万が一、彼がLINEで愛の言葉でもささやいてきたら、プッシュ通知を見た時点で即ブロックするつもりだ。
そういう覚悟のない人たちが、「ゲス不倫」と騒がれているのだ。
そうだ。帰ったら、まだ見れてない「カルテット」の録画を消化しよう。一人きりで。