はてなキーワード: 有機ELとは
https://www.youtube.com/watch?v=Sz-ZCB7ioEY&t
動画内容をまとめると
・逃走中で賞金150万円を獲得(これは詳しくない)
・「一人一個まで」の購入制限のあるNintendo Switch有機ELモデルを、スタッフやUUUM社員に頼み40台購入
そもそも、ツイッターのプレゼント企画自体に議論の余地がある。
欲しいものがあればお金を出して買うのが当然で、無料で欲しがる無気力な人間を助長する、乞食の可視化をするといった醜悪さがあり、
さらに応募者に対し成りすましや詐欺アカウントが攻撃しやすい状態も作る。
しかも応募者は当然botだらけで、抽選ツールで弾こうとしても巧妙なbotは弾けないし、人間にしても別に欲しくないけど無料だからなんとなく応募する人が大半。
まあそれでも例えばヒカキンが前回配ったiphone100台なんかは別に品薄ではないのでまだよかった。
iphoneが欲しい人は普通に買えばいいし、それとは別にヒカキンが無料で配っていても勝手にすればいい。
しかし今回の有機EL版Switchはamazonでも売り切れになっていたりと、まあまあの品薄商品であり、
実際店頭で販売制限されているものをヒカキンはわざわざ人を動員して大量購入したというのだ。
これは転売屋と何が違うのか?
転売屋の言い分に「本当に欲しい人に届ける」というものがある。
ペットの療法食やガンプラといった商品は転売屋が買い占めなければほぼ誰でも手に入る状態だったので、これは転売屋に擁護の余地は無い。
しかし例えばPS5なんかは転売屋がいようがいまいが買えないので、転売屋のおかげで「定価以上出せば確実に買える」という状態となった。
なのでまあ転売屋の言い分は一応成立する。
しかし今回のヒカキンのSwitchは、いくらお金を出しても買えない。
乞食やbotの抽選を潜り抜け、数万分の一という幸運に恵まれた人間だけが手に入れることができる。
言ってしまえば転売屋よりヒカキンの方が本当に欲しい人から商品を遠ざけているのだ。
というわけでヒカキンの行為は批判されても仕方ないのだが、何故かネットではヒカキンを転売屋ではないと紛糾する人が見受けられる。
あきらかに転売屋の問題の本質を理解できていない発言だが、そもそもヒカキンはこのプレゼント企画で明らかにフォロワー数や名声といった利益を得ている。
ヒカキンは聖人ではない。どこにでもいる普通の人間で、たまたま聖人のふりをすることにメリットがあるから聖人を演じているだけだ。
最近の少年/少女少年漫画の話題にあやかって。少年少女というか、男性・女性漫画家の話だが。
https://somethingorange.biz/archives/8717
このブログを見て、そういや清水玲子読みたいんだったと思い出し「秘密」を購入した。
で、読んでいて感じたのが標題の件である。あ、秘密はとても面白かったです。全巻一気に買いました。ご紹介ありがとうございます。
本題。
ジャンル問わず少なからず漫画を読んできたが、男性漫画家の描く子供、ないし子供絡みの物語は大なり小なり希望を感じさせる。子供絡みだけは「守られている」。悲惨な事件でも子供だけは無事であったり、痛ましい結果に終わっても最後は多少の救いが残されている。ことが多い。気がする。統計取ったわけじゃないけど。どことなく前向きに終わるというかね。
一方で女性漫画家の場合は、希望も描かれるし絶望も描かれる。そしてその強度、コントラストがとにかく強い。子供への愛情を表現するコマは、まるで神の子を授かったかのような神々しい光を放つ(清水玲子を含む一部の漫画家の場合、同時に酷く生々しい印象も受けるのが凄い)。対して、子供を喪失した際の憎悪や悲しみは、コントラストに強いとされる有機ELテレビ(最近買った)でも表現できない黒だ。前なんか一切向かない。後ろも向かない。どこにも向かわない陰だけが描写される。
男性漫画家は子供に対して希望・絶望の軸で展開するのに対し、女性漫画家の場合は愛・憎で展開する、というのが自分としてはしっくりする理解かも知れない。
私も最近子を持ったが、妻と私では大分、我が子への愛の形が異なる気がする。もちろんそこに優劣はないけれど、こういう差異を感じさせてくれる表現に出会えるのが、少女漫画・少年漫画というジャンル分けのメリットなのかもね、と感じた次第です。
え、なになになに?なんなの?改まって。電話で呼ばれたからお前んち来たけどさ。とりあえず部屋に入れって?なんなのよ、もう。とりあえず入るわ。
えっ!?何?なんでこんなに人がたくさんいるの?え?誕生日おめでとう!?うわっクラッカーの音すごい。てかすごい飾り付けじゃん。マジすごい。いや確かに俺今日誕生日だけどさ、いや、え、なんなの、サプライズ?いやーびっくりした。マジで。
え、なにこの箱?プレゼント!?いやー悪いってこんなの。俺なんにもやってないし。まあとりあえず開けてみろって?じゃあ開けるよ?…え、これ、Nintendo Switchじゃん!有機ELの最新型!これ高いよ!?みんなで出しあって買った?てなんで俺がこれ欲しがってるの知ってたんだよ?すごいな。いやーマジで嬉しいけど、もらっちゃっていいのか。
って電気消えたぞ?停電か?あ、なんか光ってる。えっこれ、ケーキ!?なんか俺の顔のデザインになってない?特注?いや、まじで泣くから。ハッピーバースデー歌うのやめてくれ。マジでやばい。
とりえあえずロウソクの火消せって?じゃあ、消すよ?フーッ。『増田くん、誕生日おめでとう!!』いや、まじで泣くから。拍手やめてくれ。この歳で人前で泣くの恥ずかしいよ。涙で前が見えない。ありがとう、みんな。ありがとう…
今日帰ったらこんなことが待っているに違いない。ただ念のため、一人用のケーキも買って帰るわ。
【追記】
お祝いありがとう😭
帰ってきたら増田やブコメのみんながサプライズで祝ってくれてて、嬉しかったよ。
ケーキも美味しいわ。みんなにも幸あれ。
まさか。
出水のディスプレイ産業は、隣町のチッソのつくる液晶を基軸にしたのと、NEC の持つテクノロジー(液晶・有機EL・プラズマディスプレー)と、たまたま出水で作ってたというだけだと思うよ。今となっては言えるけど、出水では大型フラットテレビを作れないよ。昔ばなしだけど、ガラスメーカーのコーニングを誘致したり、高速道路とかのロジスティクスを追求したシャープの亀岡工場の話を聞いたら、出水の規模じゃ勝てないと思ったもん。高速道路と湾港がないから、材料も持ち込めないし、製品も消費地に送るのがコスト以上に物流と人が不足しているしね。だから、超高速反応する業務用の液晶モニターとか、スマホ向けのパネルを除いて、出水ではもともと無理だったと思うし、ちゃっちゃと業務転換していくべきだっただろうが、当時の NEC はエルピーダやルネサスでグダグダしていたし、パイオニアも主力は日本の工場である必要があるものは少なくて、リーマンショックもあって、どうあがいても転用できなかったと思うよ。
そもそも、シリコンアイランド(昔の九州の愛称)は、冬に停止しない熊本空港と鹿児島空港と宮崎空港いう物流基地があるから可能だったのよ。たとえば、電子部品は飛行機でペイするからね。それが液晶テレビなんていう、飛行機に載せるコストが払えないものなんて、八代より南部は絶対に台湾と韓国に勝てるわけがない。信じられないかもしれないが、九州南部のインフラは国際的に時代遅れなんだよ。国際物流コンテナを搭載できる高速道路や湾岸インフラ、鉄道が無いだろ?
あと、九州南部が競争力を失ったのは、技術革新で北陸や東北の工場の可用性が上がったのもあると思う。新幹線や高速道路が格段に性能アップしてしまって、工場の稼働率が問題になるなんて、昨今は聞かないだろ。昔の東北人哀歌とかにあった、父ちゃんが冬場に出稼ぎ労働者として出ていくみたいな話は聞かないで、スタッドレスタイヤで工場に勤めている現状を考慮すれば、もはや東北は九州よりも競争力がある。それに、北部九州のヤクザどもがおとなしくなれば、北九州が工業の街として復興していくと思うし、そうなったら南九州に工場を作る理由が無い。
https://anond.hatelabo.jp/20211026193844
で、「iPhoneがなぜ日本人に受け入れられたか」を書いた増田です。ブクマが1600もついていてびっくりしました。いままでどんな気合い入れてブログを書いてもブクマ100もいったことがないのに、勢いに任せて書いた増田が1600とは…こういうのみんな知らなかったんですかね。
いろいろ言及してくれた人がいるんで、答えられる限り答えていきたいと思います。
まあ、隠す必要ないよね。そうです。ハイ。名古屋の工業系の大学を出て入りました。あの頃の三洋はすごかったんだ。二次電池、太陽電池、デジカメ、無線通信など、地味に覇権取ってた技術分野がいくつもあった。新潟で半導体も作っていたし、有機ELだって開発してたんだ。パナからは下に見られていたけど、社風はちょっと緩くて、でも活気があっていい会社だった。守口に本社ビルが建ったときは誇らしかったんだ。なんでこの大企業がこうも容易く瓦解して消滅してしまったのか、今となってもよくわからない。新幹線の窓から見えるソーラーアークに「SANYO」とあったのが、「Panasonic」に変わっているのを見たときの衝撃は、今も忘れることができない。
あ、これはまあ、そうですね。事実上の消滅、といったらいいかな…
>日本メーカーのAndroid端末開発の悲喜こもごもを教えて
俺は携帯絡みの仕事で最初にやったのがPHSのCS(基地局)だったんだ。今や三洋が基地局を作っていたなんて知る人も少ないんじゃないか。DDIPocket(その後WILLCOM、そしてSoftbank…)でその仕事していて、CDMAを手伝ったあと、KCP+というクソみたいなプラットフォームでみんなが死んでいるのを横目で見つつ、横須賀で次世代通信の基礎研究みたいなことをやっていた。なので端末の開発はあんまりやってないんだ。でも、三洋の携帯は良かったんだよ。そりゃパナやNECに比べたらブランドや知名度で劣ったけど、中身は全然負けてないつもりだった。ワンセグをつけたのも有機ELディスプレイを付けたのも三洋が最初だし、何より俺らはあのアメリカでしこたま売ってた。
だがいつの間にか三洋の携帯事業はだんだん先行きが怪しくなっていて、ノキアと合併するという話をずっと聞いてたんだけど、なんかしらんけど結局京セラに売られることになった。京セラは厳しいけど温情あるところだったらしく、残ってパナに身売りされた部門よりかはずっと良かったんじゃないかな。俺は京セラには行かず別の会社に移籍してLTEとかしてたんだけど、そこでiPhoneの発売でいろんなもんがすっちゃかめっちゃかになるのをやや離れた場所から見ることになった。その後は凋落する日本の携帯業界とともに生きてきますた。
>iPhoneが出たときにガラケーにかなわないと思ったのはお前の見る目がないからだ
(笑)まあ、そうだよね。それは本当にそうだと思う。ただ、当時出たばかりのiPhoneは、ちょっと重たいサイトを見るとすぐにブラウザが落ちたし、孫さんはこれで仕事が捗るぞみたいなこと言ってたけど、こんな不安定なもの仕事に使えっかよと思ったのも確か。ガラケーのほうがずっと安定していたんだ。その後iPhoneが急激に改良されていったのはご承知の通り。当時はiPhoneの未来性を語るギークも多かったけど、女子高生がNECの二つ折りにじゃらじゃらとストラップをつけて、あらゆる機能を使いこなし超高速でケータイ打ちしてたような時代で、別にメニュー階層なんかもそう複雑でもなく、これがiPhoneより使いにくいなんて思わなかったんだ。先見の明がなかったことはそのとおりだと思う。
>Androidの出始め、海外メーカーのはそんなにダメ端末ではなかったよね
はい、これもそうですね。HTCやサムスンは当初からしっかり作り込んだいいのを出していた。日本メーカーが安定した端末を出せるようになったときには、すでにiPhoneの覇権が確定していたのは前に書いたとおり。ただ、ソニーだけは例外で最初からそこそこ安定したものを出していたし、途中まではグローバルマーケットでガチで戦っていた。とはいえ、確かソニー・エリクソン(後にソニーモバイル)って当時英国の会社だったような。
>iPhoneが普及したのは端末や操作性がAndroidに対して洗練されていたからで、キャリアの戦略や日本メーカーの不手際だけで語るのはおかしい
これも、そうだとは思う。ただ日本だけが突出してiPhoneのシェアが高い(2位以下に10ポイント以上の差をつけている)理由は、キャリアの戦略や日本メーカーの不手際が原因と言っても差し支えはないと思う。
でも、iPhoneが洗練されているってのはどうもやっぱり納得できないんだよな…確かにiPhone5くらいまではそうだったかも知れない。ただその後はUIなんかもひたすらAndroidで先行しているものを取り込んでいったでしょう。通知エリア、戻る機能、大画面化、アイコンのグループ化、ウィジット、カーソル移動…iPhoneがAndroidと比較してそんなに洗練されたものなら、どうしてAndroidのマネをする必要があったのか。また端末はどんどん重くメタボリックになっているし、ノッチはデカく指紋認証も不可で、充電端子の統一もできず未だにデジタルコンテンツのアプリ内購入もできない。それで最高のユーザー体験とか聞くと、寝言は寝てから言えよと思ったりするよな、正直。俺はよく画面分割してYoutubeを再生しながらLINEとかするけど、それすらまだiPhoneはできないんでしょ?
以前はAndroidが高機能高性能で推してiPhoneはユーザー体験がすごいんだと言われてきたけど、今はどちらかと言うとiPhoneのほうがAチップの高性能を売りにして、ユーザー体験は変な所にこだわっておおよそ実用的ではない。その点もAndroidが優れていると言い切っちゃうと荒れそうだからこのへんでやめとくけど、ぶっちゃけ大して変わらんと思うよ。
まああとは、AppleWatchやiPadやMacとの連携が優れてるみたいな話になるんだろうけど、そのへんは使ってないのでよくわからない。個人的な思いで言えば、個人情報から決済から操作性から何から何まで一社に依存するってのは怖くないんかなって思う。Appleは個人情報保護が優れてるって人もいるけど、実際のところは彼ら中国政府にベッタリで、その要請に従って中国企業に個人情報の管理とか任せたりしてるぞ。
俺が本当にこいつらすごいなと思ったのは、Appleではなくサムスンやファーウェイだった。サムスンはGSMとかから今のスマホの時代に至るまで、グローバルに君臨しつづけているほぼ唯一のメーカーだ。そりゃ過去には日本の技術を盗むとかもあったかも知れないが、日本を追い抜いたあともずっと成長を続けているし、しかも端末のコア部品の大半を内製できて、それらがみな競争力を保っている。こんなオバケみたいな連中は他にいない。
ファーウェイは基地局でとてつもない技術力と競争力を持っていたのもあるが、端末だって短期間にすごいのを出してきた。SoCも内製していたし(製造はtsmcだったけど)、その設計思想や性能はAppleに劣らないくらいだった。そして安かった。安く作れるってのはそれ自体がすごい技術力なんだ。実は俺はファーウェイが躍進して、高慢ちきなAppleを奈落に落とすことを密かに期待していたんだけど、そうはならなかったね。でも彼らはきっといつか這い上がると思う。それが日本にとっていいことかどうかわからんけど。
思うに、日本でiPhoneのシェアが高止まりなのは、中韓に対する根強い差別意識もあるような気がする。日本人はアメリカの作るものは大好きだが、中韓については未だに彼らの技術や製品を認めたくない思いがあるんじゃないかな。欧州なんか行くとサムスンやらXiaomiやらのスマホの機能やデザインを褒める声を聞くけど、日本でそういう人はあまり見ないよね。
>老害め
このコメントが結構あったね…iPhoneが出たときに俺は40歳前後。若くはないけど老害じゃないだろうとは思う。ただ今の若い人は、僕らみたいな年代の人間が日本の産業を焼け野原にしたと思っているのかも知れない。まあそれはそれで確かにそういう一面もある。でもまあ、なんというか、この20年、日本はやるべきことは必死にやってきたと思う。
いま話題の半導体だって、パナとルネサスは共同で微細化の研究に取り組んで世界の先端を行っていたし、富士通は最新の工場を三重に建ててファウンドリビジネスにも取り組もうとしていた。ASMLの独壇場であるEUVリソグラフィだって、実は日本が先行して産学共同で先駆的開発をしていた、なんてもう言っても誰も信じないんだろうな。プラズマや液晶だって有機ELだって、実際のところ日本企業は果敢に攻めていた。世界で求められるキーデバイスは何かはちゃんと把握していたし、それでなんとか世界の一角に残ろうと必死だった。後からならなんとでも言えるが、その時々での判断が遅かったとか合理性を欠いていたとは思えない。でも、なぜかその大半が裏目に出てしまった。技術はあった、人もいた、行動もした。でもダメだった。
太平洋戦争の歴史を読んだりするのが好きなんだけど、あれも途中からやることなす事の大半が裏目に出るようになるんだよね。インパール作戦や特攻のような不条理な作戦もあったけど、全部が全部そうでもなくて、その時はこういう道しかなかったのだろうと思えるものもたくさんある。でも、どうしてかその大半は裏目に出てしまう。そんなときは人生にもあるし、国にもあるんだろう。
俺は、あの三洋電機があっというまに崩壊していったのを見ているから、いま世界を席巻しているAppleやらサムスンやらtsmcだって、いつどうなるかわかったもんじゃないよなって思うよ。富士通やNECみたいに卓越した技術を持っていても、長い時間をかけて凋落していった企業だってある。逆に言えば、ほんの20年くらい前までAppleなんてニッチで時代遅れのPCメーカーだったんだ。日本だっていつまでもダメな国じゃない。社会が変わるときは一瞬で変わる。老害って言われるのは悲しいけど、でも君らと一緒にまた上がっていける日は来ると思うな。
追記:iPodのことを何度か書いている人がいるけど、俺の周囲の人たちでiPodを使っている人は殆どいなくて(ちなみに言うとWalkmanだっていなかった)、大体が中韓の作ったmp3プレーヤーを使っていた。格段に安かったし、iTuneとかいうできの悪いソフトを使わないでも、フォルダごと音楽ファイルを放り込めば再生してくれたからだ。俺も名前忘れたけど韓国メーカーのやつを使ってたと思う。これって自分の周囲があらかた理系でメーカーだったから、割と特殊なのかも知れない。ただ全く無関心なのではなく、飲食店で注文を取るお姉さんがiPod touchを端末に使っていたのを見て、ああイノベーションってこういう形も取るのかと感慨深く思ったのを覚えている。ちなみに当時auはガラケー向けに音楽配信サービスをしていて、もちろん三洋の端末も対応していたんだけど、実際それで音楽聞いてる人を見たことなかったな…(ぶっちゃけ、ビットレートが低く、音もそんなに良くなかった)
なので、iPodを使ってた人がiPhoneを受け入れたという説は、そうかも知れないけど自分にはわからん、となるのであった。ごめんね。否定しているわけじゃないんですわ。こうやって現場の人に周りが見えてなかったってのも、我々の敗因のひとつなんだろう。
10月1日に適当に書き散らした文章(anond:20211001193856)が2週間以上してからTwitterでリツイートされているのを発見。
はてブを見るとまさかの500越えでびっくり。ブコメを一通り読んだが、言いたいことをわかってくれてるなという人もいれば、全然話がかみ合わないなという人、こんな視点があったのかという人もいて面白かった。
そのうえで、もうちょっと追加で書きたい気分になったので電気自動車の普及プロセスを考えるうえでケーススタディになりそうなディスプレイ産業の話をもう少し書いてみる。
ブコメでも指摘があったが、iPhoneXの前にサムスンがGalaxyで有機EL採用していただろうという話。そのことは当然知っててiPhoneXで有機ELが普及したと書いたわけだけど、その理由はなぜか。
年間の携帯電話生産台数って、サムスン電子3億台 / Apple2億台くらいで生産量はサムスン電子の方が多いわけだけども、Appleの2億台はすべてがハイエンド端末なので影響が桁違いだという事。(廉価版のiPhoneSEも世界的にはハイエンドに分類される。) サムスンが有機ELを搭載していたハイエンドモデルのGalaxyは全生量の一部なので、年度によっても変わるが5000万台オーダーくらい。なのでデバイス調達に対するインパクトが全然違う。
iPhoneXで有機ELが採用されて、いずれは全モデルが有機ELになる将来が確定 = 少なくとも2億台分の有機EL需要が生まれることで、韓国LG電子や中国BOEといったディスプレイメーカーは有機ELへの積極投資を決めた。
こうしてディスプレイの供給が増えることでさらに有機EL搭載の携帯端末が増えるという新技術の普及サイクルに入ることになった。有機ELの普及タイミングを読めなかったジャパンディスプレイは建設を進めていた白山工場は稼働後1年で需要を失う羽目になり、会社自体が傾くことになる。Appleのディスプレイ採用は、業界の投資動向に与えたインパクトが段違いだったのだ。
もう一つ大きいのが、Appleの有機EL採用によって携帯機器の有機EL搭載の流れが『不可逆的になった』ということ。ブコメでも誰かが上げてくれていたが、従来はPS Vitaのように最初は有機EL搭載モデルだったのが途中で液晶に代わるというような逆の流れもあったわけだ。ところが、iPhoneX登場以降は有機EL搭載モデルの後継機種が液晶になるような逆転現象が無くなった。iPhoneXの登場は文字通り市場を変えたのだ。
もうちょっと追記したいと思う。2000年ごろからの日本主要メーカーの次世代ディスプレイ技術へ投資スタンスについてだ。この時代の日系メーカーのディスプレイ技術への投資を振り返ることは電気自動車への投資戦略を考えるうえで、非常にいいケーススタディになる。当時の各社の戦略とその後の流れはざっくり書くとこんな感じだ。
・シャープの場合:次世代ディスプレイ技術の本命を液晶とみて集中投資。2004年に亀山工場、2006年に亀山第二工場、2009年に堺工場と大型投資を慣行するも、液晶パネルの需要変動による赤字に耐えられず会社が経営危機に。台湾の鴻海精密工業傘下に入り、経営再建を進める。
・パナソニック(当時は松下電器)の場合:次世代ディスプレイの本命を大画面化に向くプラズマとみて集中投資。2000年代半ばまで投資戦略は成功していたが液晶の大型化が進むとプラズマのメリットが薄れ撤退。製造子会社は5000億という日本製造業史上最高記録の負債を抱えて倒産。液晶への投資も視野に入れて、日立・東芝と合同で設立した液晶製造会社のIPSアルファテクノロジを子会社化、自社でパネル製造進めるも利益を出せずこちらも撤退している。
・ソニーの場合:次世代のディスプレイ技術の本命は有機ELと考え、液晶はそこまで普及しないと判断。当面はCRTを延命して凌ぐも液晶テレビの市場立ち上がり時期を読めず、パネル調達に不安を抱えてサムスン電子と液晶合弁会社を設立。日系メーカーの商売敵に技術を依存し、資金を出す行為に当時は批判が集まった。
20年後の後知恵で見れば、2000年ごろの判断として一番正しい投資戦略をしていたのはシャープで、一番大規模に投資していたのはパナソニックで、一番時流が読めていなかったのはソニーで間違いない。
だけど2021年現在、一番テレビ事業で利益を上げているのは一番時流が読めていなかったソニーだ。世界シェアは今でも3位を維持している(1位、2位は韓国のサムスンとLG、パナ、シャープは10位前後)。新技術への投資は出遅れたのだが、裏を返せば大規模投資による消耗を避けられたしその後の販売戦略で巻き返せたという事でもある。
そんなわけで、電気自動車への投資を全力で進めよという話が異様に盛り上がってるけども、別業界から歴史的な経緯を通してみれば「そんなに単純な話じゃないよ」と思ってしまうのである。新技術への投資戦略って、本当に、本当に、難しいのだ。
電機業界で技術屋をしているんだけど、長期的に見て車の電動化が進むのは間違いないと思っている。
そのうえで気になるのは、技術の普及タイミングってそんなに正確に見切れるかなという事。
例えばうちの業界でいうと、有機ELの登場やフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行という技術の切り替わりを経験している。
ディスプレイ技術としての有機ELは20年以上前から有望視されていたが、小型ディスプレイとして普及したのは2017年にiPhoneXで大々的に採用されてからである。
製品自体は2000年くらいから世に出ていた(初期型のFOMAに有機ELディスプレイが積まれてたのを覚えているだろうか?)から、かれこれ15年以上たっている。
普及までに長い時間を要しているわけだが、その間研究開発で先行していた企業はどうなったか?
NECはサムスン電子に技術を売り払って撤退、東北パイオニアは資金が続かず、アクティブマトリクス型の開発から撤退しニッチなパッシブマトリクス型の製造にとどまり、世界で初めて有機ELテレビを製造したSONYですら投資余力がなく製造部門を分社化。末裔たるJOLEDは売り上げ100億程度と小規模で事業としての利益は上がっていない。
スマートフォンにしたってそう。みんなタッチパネルで操作できる情報端末の研究開発をしていた。
本家Appleは90年代からNewtonを作っていたし、Sharpはザウルス、SONYはClieといった端末で試行錯誤していた。
みんな将来の方向性は読めていた。だけど、一般人が容易に使えるようになるための要素技術がかけていたからブレイクしなかった。
例えば、狙ったところを操作できるような、タッチパネルの進化。昔のタッチパネルって強く押さないと反応せず、操作しにくくなかっただろうか?あれは抵抗膜方式といわれる方式が使われていたからだが、それが静電気で反応する静電容量式が普及することで一気に操作性が上がった。
後はCPUの処理性能。過去のLinux搭載の携帯端末なんかは処理速度が遅く、ストレスがすごくなかっただろうか?
だけどiPhoneは最初からぬるぬる動いていた。そのレベルでストレスなく動かせるにはCPUの性能が上がる2010年代を待たなければいけなかった。
というように、いくつかの要素技術がそろって初めて、スマートフォンは一般に普及した。
つまり、新しい技術が普及するにはその前提となる要素技術がそろわないといけない。
だけどそのタイミングを読むのは容易じゃない。というか不可能だと思っておいた方がいい。
だから必ずしも将来的にEV100%になるとわかっていても、今全力でそっちに突っ込むのが正解とは限らない。
個人的には後発から巻き返すだけのエンジニアリソースと資金力のあるトヨタが、ガソリンエンジンの延命や水素の開発も含めて全方位戦略を敷いているのはすごく理にかなってると思う。
そういうわけで、変化の大きい電機業界の立場から過去を振り返ってみると、EVを強く押す人は前のめりすぎるかなという印象をうけるのだが、どうだろうか?
今月は,ソニーグループと任天堂の決算の話を中心に進めたい。両社ともに共通しているのは,前年の強い需要の反動を受けたことだろう。とくにソニーグループは,PS5のコスト負担が重いこともあって,大幅な減益となった。
PS5は230万台の売上(着荷)台数と,前第4四半期の330万台から減少した。要因は(1)空輸から船便に切り替えた影響,(2)半導体不足による生産台数の減少によるものとしている。半導体は最先端のチップ不足が報道されがちであるが,パワー半導体なども,自動車生産の回復による需要増で不足感が強い。この四半期は生産に大きく影響が出た印象である。今期目標の1480万台以上は堅守とのことだが,第1四半期のビハインドを挽回できるかどうかはよく分からない。
下図は以前にも示したものだが,今回の決算で気になるところは,アクティブユーザー数だろう。ソニーグループは前年度よりも水準が高いことから,コロナ禍による巣ごもりの影響ではないかとしながらも,詳細は不明としており,第2四半期の動向を見守りたいとしていた。
ソニーグループのゲーム事業アクティブユーザーとフルゲーム販売本数
この現象は,個人的には不可解である。通常であれば,PS5を初期に買う人々はゲームをたくさん買う層であり,また喜んで遊ぶと想定されるからだ。特にPS5はこの期間に1000万台近い売上台数を実現している。そして以前,ジム・ライアン氏自身が示した通り,ゲームの購入はPS4よりPS5のほうが少ないという問題がある。
この問題を説明できる考えが必要だが,エース経済研究所では,空き容量が問題ではないかと仮説を立てており,要点は主に二つである。
(1)据え置きゲーム機は,高性能化を追求した結果,メディアは単なる起動ディスク化しインストール必須となっているため,空き容量の影響を受けるようになったこと
(2)ゲーム機全体が一般化し,よりライトユーザーが初期から手に入れるようになったことで,購入頻度が低い層が増えた
特に(1)は非常に深刻な問題と捉えていて,PS5/Xbox Series Xは,前世代機から互換性を持たせた結果,より高速な体験ができる現行機に過去のユーザー資産が持ち込まれ,ストレージ容量を圧迫している。ユーザーは,新規の大作ソフトで空き容量が圧迫されること,もしくは既存のタイトルをストレージから削減することをコスト(心理的抵抗:スペースコストと暫定的に命名)と認識していて,このコストを上回る価値が新規タイトルにないとゲーム購買を躊躇うようである。
この点はソニーグループとの議論では確認できなかったのだが,パソコン周辺機器メーカーがこの問題を認識していることを知った。
PS5には追加のSSD用スロットがあるが,現状ではこのスロットは解放されておらず,増設ができない。現在β版のファームウェアで解放の準備が進められているが,解放されると,大きな商機があるとパソコン周辺機器メーカーは思っているようだ。その要因は,PS5の空き容量が発売から1年足らずですでに大きくひっ迫していると見ているからとのことであった。
これらのことを考えるとF2Pの収益がPS5で拡大したのも頷ける。F2Pの課金はデータ容量と相関していないためだ。パッケージやダウンロードゲームは,買えばダウンロードされるために,必然的に空き容量をひっ迫するがアイテム課金はそうではない。
これがPS5でF2P課金が増えた要因ではないだろうか? そしてPSビジネスを揺るがしかねない問題だとエース経済研究所では考えている。PS5はストレージ容量が,ゲームの肥大化に見合っていないため,廉価で販売している状況に見合った販売結果が得られない可能性があるからだ。
この仮説が適切かどうかは,ファームウェアアップデート後のユーザーの動きで分かるだろう。
次に,任天堂の決算である。Switchの販売は,前年比で落ち込み,資本市場ではついにピークアウトしたと認識されているようである。任天堂のゲーム機は3年目がピークになることが多く,例外と言っていい10年間も販売されたゲームボーイはもう30年以上も前に発売されたアイテムなので,多くの人の記憶にはない状況にある。
5年目での販売台数減少は,PS5の最速1000万台実売リリースもあり,いよいよ下り坂に入ったと捉えられている。そしてエース経済研究所でも7~9月のセルスルー(実売)は厳しいと見ているので,ピークアウトしたという風に見えるのはやむを得ないところである。
ただ,任天堂やエース経済研究所ではそうは考えていない。OLEDモデルが出れば,需要は大きく伸びると見ている。人々はそもそも合理的には行動しておらず,視覚情報で購買行動を決めているなら,狭額縁化,有機EL採用によるディスプレイの色彩の良化を考えると,人気になると予想している。
セルスルーの鈍化で2550万台の着荷(販売)台数は達成できても需要が落ちてくるとの見方が多いようだが,エース経済研究所では,部品不足でこの台数以上の需要があると見ている。
PS5もSwitchもだが,先端の半導体というよりは,個別半導体やモジュール類の小型半導体の不足が深刻で,任天堂は部材調達の不安は完全に解消されていないとしていた。OLEDモデルは,仮に人気化すると年内の増産はかなり難しい印象である。
そのうえで,故岩田社長が任天堂のゲーム機は5年サイクルとコメントした結果,一般的に任天堂のゲーム機は短命とのイメージが強くなり過ぎているかもしれない。しかし,ゲームボーイはマイナーチャンジを実施しながら10年もの長い間ビジネスを続けたという事例もある。Switchも同様に,マイナーチェンジを続けながら,長期的にビジネスを続けられるとみているが,このような予想をしているのは,エース経済研究所ぐらいのようである。下図のように,SwitchはPS4を上回るペースで,勢いが落ちた感じは見られない。ペースが鈍化するのは,まだ先になると考えている。この点ついては,OLEDモデルの予約開始後にまた触れたい。
最後にスマートフォンゲーム市場について簡単に触れたい。スマートフォンゲーム関連の決算では,サイゲームスを擁するサイバーエージェントがウマ娘の効果で,非常に好調だった。ユーザーも魅力的なキャラクターが登場するたびに課金しているようなので,かなりガチャが引かれた現状でも,ある程度勢いは維持できている。問題は今後もキャラクターの追加を安定してできるかどうかであろう。スマートフォンの高性能・高精細化で,キャラクターの制作コストも上昇する一方である。ところが,キャラクターの追加ペースが収益を決めていることは,ほとんど認知されていない。このことに気づかない限り,緩やかな減少が続くというのがエース経済研究所の見方である。ただ,こういうとウマ娘で市場は好調ではないという向きもあろう。
そこで,だいたいの市場推移を捉えるために,エース経済研究所でウオッチしている6社のゲーム事業売上高を合計したグラフを久しぶりに掲示する。確かにウマ娘で反転したように見えるが,1800億円強の合計売上高のうち,ウマ娘の寄与はおよそ650億円程度と見ているので,既存のタイトルの市場はむしろ割を食ったように見える。
1タイトルで挽回できると見るか,不健全と見るかは意見が分かれるところだろうが,上記のコスト増加を考えると,一時的で不健全と見ている。何かしらの大作が必要な時期に来ていると思っていたが,ウマ娘のヒットで対応は先送りになるだろう。これがスマートフォンゲーム市場に悪い影響が出ないか,注視しているところである。