はてなキーワード: スイッチバックとは
どうしても心苦しく逃げ出したくなったので、仕事を休んで旅をした。
その顛末を話したい。
大学時代、親(同じく学校教員だ)に強く勧められなんとなく教職課程の受講を始めた。
なんとなく高校教員になろうと思っていたが、何の因果か教育実習は中学校に配属された。
実習中は忙しかったものの、生徒が人懐っこくこちらに近づいてくれたことが非常にうれしく、授業以外でも彼らとの交流(体育祭の練習に一緒に参加するなど)に楽しさを覚えた。
これって本当に教員の仕事か?と思えるような事務作業がやたらと多かった。
また、「校務分掌」という名目でやたらと多くの業務が割り振られた。日本は年寄りは何でもありの価値観が蔓延しており、年齢の低い私には特に業務が集中した。
これらの業務は事務職員の仕事ではないらしい。事務補佐員は人数が少なく短時間しかいない。また、個人情報を含むものの取り扱いができないため依頼できることがほとんどない。
やっと作業が終わり(もちろん時間外)ヘトヘトになったところで始めるほかなかった。
建前では休憩時間はあるらしいが、その時間も業務が振ってきて休むこともできず。
おまけに最近はアクティブラーニングやICTの重要性が叫ばれており、授業の事前及び当日の準備はそれどころではない大変さがあった。
それでも、教育実習の時と変わらず、コミュ障の私に偏見を持たず純粋な心で関わって、笑顔を見せてくれる生徒たち(教室に来れない生徒にも)に元気づけられていた。
体育祭は大嫌いで、私は自チームを応援する気は起きなかった(自チームカラーの服を着ている先生が目立ったが、私はどのチームにも関係ない色のものを着ていた)が、練習は一緒に楽しんだ。
生徒に交じって競技を楽しむのもまた一興。一緒に生徒の中に混ざるだけで生徒は喜んでくれた。
授業はただ真面目にやるのではなく、時にネタを入れると生徒が反応してくれてうれしかった。
アイマス(担当アイドルの話とか)をはじめとしたソシャゲネタ、鉄道ネタ、自虐ネタ、淫夢ネタにちょっと不謹慎なネタなどを入れるだけで笑いが取れた。
定期テストも、かなり完璧主義的に作ったにもかかわらず、その結果を見て教えたことをしっかり身に付けてくれたこともうれしかった。
しかし、どうしても大変なことは大変で、それが私を疲弊させた。
例えば、生徒の失くしもの(学校からの貸与品)の捜索を命令され、どうしても見つからず教頭に報告すると「知るか、自分で何とかしろ」の一点張りで取り付く島もない。
なければ学校に余りはありますか、それとも購入は可能ですか、と聞くと「お前さぁ、それ教育者としてやることか!?」と怒鳴られた。
また、目標申告書(全国でやっている)で下っ端は記入不要の項目も「制度上は記入義務はないがみんなやっている」と強制された。
(余談だが、記入例に不登校生徒減少の話があったが、なぜ不登校は生徒自身の選択なのにそれを無視して無理やり連れだす必要があるのか、それが原因で自殺されたら本末転倒ではと思った)
まあいいやこんなこともあると思いつつ耐えていたが、こんな出来事があり、ついに限界が来た。
生徒が下校した後、いつも通り雑用に追われていたが、なぜか隣の校舎の窓に火が見えた。
他の先生方に相談したところ、無関係な私が急行するよう言われた。するとなぜか鍵が閉まっていた。
鍵を開けると、面識のない生徒数人がおり、その隣には火柱が上がっていた。
どうやら裏側から侵入して火遊びをしていたらしいが、すぐに水をかけ消火した。
事情を聴くと「これは作業だ」「面倒だから仕方ない」「効率的だからやっている」と。
今後こういったことはやめるよう言えば「燃料は自腹だ。100円の自腹がもったいない」と反論。さすがにこちらもキレて「命と100円どちらが大事なんだ」と言って無理やりやめさせた。
重大事案なので当該生徒が在籍する学年に報告すると、ある先生は「あー…最悪のメンバーがそろってる」と。
管理職に報告するとこちらの責任のあることではないのにやはり怒鳴られた。「どうするか自分で考えろ」「早くしろ」とわけのわからないことを言われ。
教頭から「怒るのはあなたを信頼して成長してほしいからだ」と言われたが、(わざわざ応募して選考を突破した)管理職と下っ端は意欲が違うし、成長したくないので信頼せず放置してくれと思う。
校長は「生徒の失敗を大目に見たらどうか」と状況を理解せず、面倒をこちらに丸投げする発言。
なぜ私だけこんな目に遭わなければいけないんだと思った。
気づくと、どうすればこんなことから解放されるだろうと思い色々検索していた。
隣の先生にこれを見られ、「行動に出る前に管理職に相談した方がいい」「教頭は口調がきついから真に受けないほうがいい」「私も色々失敗した」などといろいろ慰めの言葉をくれた。
私と同時に着任した先生などにも相談に乗ってくれた。「あなたは完璧を目指そうとしてたんだ。60点でいいのでは」とも言ってくれた。
また、該当生徒の指導はその生徒が在籍する学年に依頼できることになり、非常に助かった。
何もかもやる気を失った。大好きな曲を聴いても拒否反応がすごかった。
テレビをつけると、時代劇の切腹シーンが出てきてますます気分が沈んだ。
通勤途中に外国人観光客を見ると、なぜ日本人だけ労働に苦しまなければいけないのかと思った。私も自由気ままに旅行したいのに。
(日本は労働法規に甘く、バカンスもなく権利行使がしにくい、下手すると同じ立場の労働者が権利行使を妨げてくるのはなぜだろうか。一説には資源の少なさと正社員制度が原因だというが…)
その後の数日、外出したいとも思わなかった。
そういえば、今までも出勤できていたものの、疲れというかなんとなく休み明け出勤したくない気分になることがしばしばあった気がする。
しかし今回はその気持ちが特に強かった。そんななか、ベッドの上のぬいぐるみが私に話しかけてきた。
渋谷凛「もう休めば。疲れてるでしょ」
島村卯月「早く休まないと…大変です!」
本田未央「よく頑張ったねプロデューサー。思い切って休んじゃお!」
あれ、苦しいときは休めばいいんじゃね?なんでこんな簡単なこと思いつかなかったんだろう。
今まではこんなこと考えつかなかったが、思いついた途端肩の荷が一気に下りた気がして、気がすごく楽になった。
そういえば、小学校の頃の私は皆勤至上主義で、ひどい風邪でも登校していた。
高校でそのおかしさに気づき少しでも体調が悪ければ欠席するようになったのだが、なんでこの解決法を忘れてしまったんだろう。
だが、この計画は勤務校はもちろん、何かの機会で口外するリスクのある同僚には当然言えない。
一見仲間にも見える両親にも口外してはならない。
母親は祖父(母方の曾祖父)が職を失いつまらなそうにしていたのを見て、仕事があることが素晴らしい、働かせていただいていると思うようになったそう。
つまり、「クビになりそう」→「ならないようにどんなことでもする」という感覚の持ち主だ。
父親は偉そうに上司にも独りよがりなイデオロギービジネスマンとしての心構えを力説していたらしい(それで啖呵を切って職を転々としていたらしいが)。
「自分の思い通りにならない、またはその仕事の責任を120%果たせないなら辞めるべき」と思っているらしい。
その日は特別な準備を要する授業や前述の生徒の指導も予定されており、休んだら迷惑かと思ったが、どうでもよくなっていた。
となると、どのような手段で休もうか。
休むのは電話すればいいのは知っているが、真っ暗な家で引きこもっても体調回復は絶望的だろうと思った。
じゃあ逃避行してしまおう。せっかくだし最近行っていない江ノ島に行こう。
ふと気になった。この休みはどういった扱いになるのだろうか。休暇の一覧表をみると、「病気休暇」があった。
利用条件は「ケガや病気で勤務できないとき」とのことだが、「病気」の詳しい定義がない。
ということは、「精神的に辛く体調がすぐれない」(これが悪化したものが「うつ病」「適応障害」などの精神疾患)も問題ないはずだ。
日数でいろいろ条件も変わるらしいが、今回の場合はまずは電話一本で、正式な手続きは出勤できてからで問題ないらしい。
ところで、病気休暇を取得している期間は病気の療養に専念しなければならない。
逃避行で精神の不調が回復するのならそれも療養であるから問題なく、むしろ進んで行わなければならない。
病気休暇が使えないなら年次有給休暇の利用、それもダメなら(給与が減るが)欠勤扱いでもよい。いずれも無断欠勤よりずっとマシだ。
今日は出勤しなくていいんだ。そういうつもりで髭剃りと歯磨き、自宅の風呂掃除とトイレ掃除を念入りに。
教員の労働環境のブラックさが世に知られ叩かれ出したことから、働き方改革の一環で電話は始業時間までつながらない。
始業後に連絡すると迷惑だろうから、自分が所属する学年団への連絡手段(こちらは連絡時間の制限は特にない)があったので、先にそちらに体調不良の旨連絡した。
学年団の先生方(原因となった出来事を直接は知らない人含め)は「ゆっくり休め」と言ってくれた。
「次の日も厳しいかもしれない」と続けて言えば、「好きなことをしてしっかりとリフレッシュしなさい」とも。事情を知っているのかな?
元気のない声で、やる気を出そうにも空回りしている雰囲気を出した。
何の問題もなく休暇が取れた。休暇届提出は次回の出勤日でいいらしい(説明もその時するから急ぐなとのこと)。
混雑したバスが来るいつもと変わりないバス停。そこに私はとてもラフな出で立ちでいた。
家を出発する際は、勤務するときと同等の服装だったが、バス停近くの隠れられる場所で着替えた。
・本田未央ちゃんのフルグラフィックTシャツ(二次元コスパ)を着てアロハシャツを羽織り
・本田未央ちゃんの腕時計(キャラアニ。スーパーグルーピーズじゃないよ)を左腕に
・本田未央ちゃん、渋谷凛ちゃん、島村卯月ちゃんのぬいぐるみをカバンにしまい
・八宮めぐるちゃんやライブ(空は澄み、今を越えて。他)記念のキーホルダーをカバンに付けた。
どうだ、カッコイイだろ。
普段の通勤と時間があまり変わらないので混雑がストレスになるのは変わらない。
まあすぐに解放されるしいいか、と思っているうちに新宿駅に着いた。
ATMでお金を引き出し、藤沢までの切符とロマンスカーの指定券を購入(本当は特急券不要の快速急行でもよいのだが、せっかくなので…)。
江ノ島方面のロマンスカーは夕方までないとのことなので、相模大野で普通電車に乗り換えることにした。
横断歩道で信号待ちをしていると、知らない人からサイエントロジーとかいう宗教団体のチラシをもらった。すぐ捨てた。
コンビニで酒(ほろよい桃味)とつまみを買ってから(車内は)滅多に人が来ないところなんで、そこでしこたま酒を飲んでから(デレステを)やり始めたんや。
飽きたので、Amazonで大崎甜花ちゃんのフルグラフィックTシャツをポチっと購入。送料込みで7,321円也。
小田急線を乗り通すのは15年ぶりだ。複々線区間が代々木上原~向ヶ丘遊園まで伸び、列車種別構成の大きな変更があり、準急が緩行線を走行するようになったらしい。
藤沢に着いた。片瀬江ノ島まで行っても江ノ電を使ってもよかったが、せっかくなので大船まで戻る。
乗り換え専用改札があった。こういう改札は利用区間が制限されないICカードでしか通行できないものだが、聞いてみるとICカードとここまでの切符の組でも通れるという。
ここまでの切符を入れ、すばやくICカードをタッチすれば通行できた。ちなみに、新幹線乗り換え口でも似たようなことができるらしい(クレジットカードやEX-ICは不要)。
ここからは神奈川のジェットコースターとも評される、湘南モノレールに乗車。
強烈な地響きとともに列車が入線。駅壊れるぞ。
大船を出たばかりなのに猛スピード。おい、右に葬儀場があるぞ。車両は棺桶じゃないぞ。
思ったほど揺れなかったが、心配なのは走行高度が低すぎる点だ。大型路線バスとかぶつかるのでは。
湘南深沢から先はさらに本気を出した。70-80 km/hは出したか。これに匹敵するのは東京モノレールの一部区間(昭和島付近)だけだ。
15分程度で終点の湘南江の島に到着。テラスでアイドルたちと記念撮影。
そのまま南に歩き、湘南海岸公園に。やることがないので近くの岩場で昼寝。
雲が動き日差しがまぶしいので、目隠しをした。時に涼しく時に熱くなるがこれが気持ちいい。
1時間ほど寝たら、桟橋の方を覗いてから15年ぶりに新江ノ島水族館へ。
岩場を歩いたり、飛び込み泳ぐペンギンさんが人間の言葉を話せたら何を言うのか、不謹慎なセリフを考えると非常に面白い。
最後に物販店でくじ引き。2等が当たり、店員さんがハンドベルを鳴らした。後ろから拍手。恥ずかしいだろ。
江ノ島にも行った。
恋人同士が鳴らす鐘らしきものの前で、本田未央ちゃんと一緒に記念撮影。
気づかず徒歩で戻ったのだが、どうやら船で江ノ島大橋のところまで帰れたらしい。
時間が足りず、江ノ島シーキャンドルやそのまわりの施設群、しらす丼は手付かずだった。また今度行った時味わおう。
江ノ電は意外にもVISAのタッチ決済による運賃収受を行っているらしい(決済端末は改札内なので、一部改札は不正通行検知装置を切っている)。
日本の改札は専用の券を駅などで購入し、機械に通す方式を取っており、欧州で一般的なQRコード付きの切符を任意の場所で印刷して通行するようにするのは難しいとのこと。
そこでVISAのタッチ決済による運賃収受が導入されたが、おそらく江ノ電は日本で2-3番目あたりには早く導入したかと思う。
本田未央「今日は楽しかったね!ねぇねぇ、明日も一緒にどっか行こうよぉ!」
勤務校と学年団に連絡した。2回目なので良心の呵責は全くない。
電話は教頭ではなく事務職員が取るため、こちらの事情は知らない。「はい分かりました」で終わり。
そこで、今日はアロハシャツの下には乙倉悠貴ちゃんのTシャツを。
いつものバス停に行く途中、ネームホルダーが落ちていた。手に取って見ると近くの幼稚園のものだと分かった。
グーグルマップでその幼稚園の電話番号を調べ電話をかけると、「どこに落ちていたのですか」と聞かれた。近いので「そちらに持っていきます」と伝えすぐに向かった。
その幼稚園に着くと、ちょうど登園時間とかぶっており保護者が子供を預けに来ていた。
乙倉悠貴ちゃんのTシャツ丸出しの男はロリコン扱い間違いなしなので、アロハシャツのボタンを閉めて事務室へ。
対応した職員さんは、電話に出た人とは別のようだが、「これ落ちてました」と言えば「ありがとうございます」で終わり。さっさと退散。
暑いので路地裏に入って下着を脱ぐ。肌の上に直接乙倉悠貴ちゃんがくっついてきて興奮する。
昨日歩きすぎたのか、右足小指に水ぶくれが。
昨日よりかは早いが、それでもまた出発が遅れてしまった。
今日もバスと電車を乗り継いで新宿へ。今日は小田原方面に向かうのでロマンスカーも多く走っている。
なんと小田急の自動券売機はクレジットカードに対応していた。箱根湯本までの切符と特急券を買うと、なぜか乗車券は小田原→箱根湯本のものしか出てこなかった。
小田急の改札は切符を2枚重ねで投入できるが3枚重ねはできず、しかたなく新宿→小田原の切符と特急券を投入。箱根湯本到着後有人改札で事情を話すことにした。
今日もセブンイレブンに行き酒とつまみを買い乗車。今日は酒2本(ほろよい桃味とぶどう味)。
電子レンジによる加熱が必要だが温め忘れてしまったものがあった。まぁ生で食べて腹を壊せば休みを伸ばせて都合がいい。
車内でつまみを全部食べ終わってから Permalink | 記事への反応(12) | 13:12
https://anond.hatelabo.jp/20220302171659
パイプはスロープと違って国毎の強化も効果があるが、10年に1人の逸材がいるかどうかの方が大きい。そういった意味だと、男子は平野歩夢、女子はクロエキムがそれである。
オリンピックだけ見ると平野歩夢の圧勝だが、W杯や持ち技でいうと2位以下とそこまで大差がない。もちろんトリプルコークはあるが、歩夢くんの弱点は今回のオリンピックでもそうだが5ヒット中3ヒットがフロントサイド回転だということ。パイプの回転方向は
と4方向あるのだが、歩夢くんのの場合
とバランスが悪い。そして最近のFISはスイッチバックサイドに対するか点が大きく、スイッチバックを打てるライバルのスコッティや戸塚くん、平野流佳の加点が大きかった。よってオリンピック前は「歩夢くんが勝つにはトリプルを決める以外ない。いくら歩夢でもスイッチバックには勝てない」と言われていた。それを決めるのがすごいのだが。
さて、4年後なのだが
がカギとなってくる。いったん大きな目標をクリアし、スイッチバックに興味のなさそうな歩夢くんはハーフパイプでももうやることがない。となると、スケートボードの成功体験(自身が楽しめ、冬の競技にいい影響があった、という意味で)をもう一度体験しに1,2年ハーフパイプから離れる可能性もある。また、今回半年程度でトリプルコークをマスターして本番でミスなく着った、というのも自信になるだろう。
一方ライバル勢だが、ルーティーンを繋げれば歩夢くんの金メダルを超える点数を出せる。特に日本の2人はスイッチバック+トリプルコークを併せ持つのでポテンシャルは高い。しかしながら、今回のオリンピックでは本番で決めきれず精度の課題を露呈。ここらへん、生まれついての横乗りライダーともいえる歩夢くんとの差がついた形だが、4年後は雪辱を期して精度を高めてくれば面白い。スコッティはこれ以上どういうルーティーンを構成するのか?本人の発言としては4年後の出場に意欲がありそうだが、トリプルを練習している風には見えず、プランが見えない。
アップカマーだが、パイプの世界ではスロープスタイル、ビッグエアよりもスノーボード力/スノーボード経験値が重視されるため、今無名のライダーが4年後に伸びている可能性は低い。ポテンシャルがあるのは、今回も出場したオーストラリアのグゼリ君だが、スロープスタイルの大会にも出場しており、厳しいパイプの世界に骨をうずめるかは疑問。
4年後の予想だが、なんだかんだで歩夢くんが競技に復帰して連覇する気がする。技数が増えなくても、本番での圧倒的な強さ・安定感がある。
絶対王者クロエキム。男子の歩夢くん以上に2位以下に差をつけており、おそらく今回のルーティーンで4年後も金を取ってしまうだろう。しかも今21歳。今後10年はクロエキムの時代が続くと言っていい。唯一の弱点は、本人がスノーボードに飽きてやめてしまうのではないか、ということで、個人的にはあれほどのスノーボード力を持っているのだから、力を行使してバックカントリーの大会にも参加してほしいと思っている。
2位以下の予想になるのだが、日本勢や中国勢もやっとこさ1080をルーティーンに入れられるようになってきた。クロエキムは4年前に1080を2種類ルーティンに入れているが…。唯一の望みは日本勢・中国勢とも今の主線クラスが20歳前後で若く、伸びしろがあるという事。センスか練習によって化けることができれば、クロエキムを冷やかせるくらいのランはできるかもしれない。
「342. 代替モデルに切り替わると、推定される効率は、排気質量流量とSCR温度に応じた係数で低下する。 この効率補正は「乗法」である。 つまり、他の制約に基づく推定SCR効率が最初に80%で計算され、ソフトウェアの固定データ構造で60%の係数が定義されている場合、代替モデルの効率は80%の60%= 48%などと計算される。これを以下の表※に示す。したがって、ほとんどの動作条件下では期待される効率は60%を超えない。 その結果、他のすべての条件が完璧であっても、SCRシステムは、NOx排出量の60%以上を除去しようとすることはほぼない。 この表は、代替モデルが別の要因によってアクティブ化されたときにもシステムによって使用される。」
※排気ガス質量流量とSCR温度との各マトリックスで、適用される効率のテーブル。111頁参照。同頁には、ソフトウェア更新によって改訂されたテーブルも載っている。
「343.上記は、代替モデルがアクティブ化された後、ECUは、極端な場合を除き、NOxの量の60%を超えて中和できるようなAdBlueを決して供給しないことを意味している。」
347. 2番目の違法SCR操作ツールは、NOx質量流量に関連している。 過剰なNOxマスフローは、ある時点で、NOxを完全に還元する触媒の能力を妨げることとなる。 エンジンによって生成されるNOxは、車両の速度、加速やエンジンでのEGRの使用などの他の運転要因に大きく依存する。
348. 以下の図に示すように、この違法操作ツールは、NOx質量流量が15mg / s(図において緑色で強調表示されている)を超えると代替モデルに切り替わる。 緑の線が示すように、これは、伝統的な運転スタイルで、時速約80 kmの速度で発生する可能性がある。 ここでも、非常に重いヒステリシスが適用されているため、負荷モデルへの切り替えは、6.5 mg / s(赤い線)の下限を下回った場合にのみ可能である。 グラフからわかるように、これは一般的な運転シナリオでは非常に困難である。
349. いちど代替モデルがアクティブになると、ターゲット効率はNOx質量流量/ SCR温度テーブルに比例して減少ずる。 エンジンによる過剰なNOx生成は、SCRシステムのターゲット効率をさらに低下させ、NOx排出量をさらに増加させることとなろう。
350. この違法操作機器についても、緑色と赤色でマークされた上限と下限は、すでに上記で説明したSCRエージングファクターに依存する。 上限が最初に25 mg / sに設定され、下限が約16.5 mg / sに設定されていた場合、SCRエージングファクターのアクティブ化後、これらの値は上限が15 mg / s、下限が6.5 mg / sにタンブルする。 繰り返しになるが、この違法操作機器は下のグラフに示すように、エージングファクター99%という車両の寿命の非常に早い段階でもうアクティブになっている。この手法のため、NEDC検査の時点では、この不正改ざん機器は、オリジナルの高いしきい値でのみアクティブになるため、輸入検査で検出されない可能性がある。」
352. 3番目のSCR操作機器は、周囲の気温を参照する指。 原則として、周囲温度や吸気温度は、SCRの動作に大きな影響を与えないはずである。これは、物理的に必要ないためである。 にもかかわらず、本テスト車両においては、代替モデルに切り替えるための基準としてこれを使用する。 この操作ツールは、吸気温度が12°Cを下回ると代替モデルに切り替わる。 ヒステリシスが使用されているため、負荷モデルへの切り替えは、温度が再び15°C(ヒステリシス)を超えたときにのみ行われる。
353. 給気温度または他の基準のいずれかを使用して代替モデルに切り替えると、効率が低下する。 テスト車両で実行されたソフトウェアアップデートの結果、このスイッチメカニズムは、またしても完全に削除された。」
354. 本調査で発見された4番目の違法SCR操作ツールは、車両を再起動することでアクティベートされる。
355. 上記のように、他のさまざまな違法SCR操作機器でヒステリシスを頻繁に使用していることで、代替モデルがアクティブになると、ECUによってアンモニア負荷モデルに切り戻すのは非常に困難となる。
356. ただし、車両が頻繁に停止および再始動するシナリオ(たとえば、タクシーの運転手など)では、エンジンが停止するとこの機能が「リセット」されるため、ヒステリシスは有効にならない。
357. どうやら、プログラマーはこの状況を考慮に入れたようで、というのも、この状況はNEDC検査では発生しないからである。 再起動時にシステムがアンモニア負荷モデルに戻らないようにするために、最初の20秒間SCR温度を監視する追加の不正操作ツールが存在する。 SCR温度が50°Cを超える場合、代替モデルは開始後最初の240秒間(4分)適用される。 実際には、これは、車が停止して再起動した場合、最初の4分間はECUが代替モデルになることを意味している。
358. 明らかに、この違法操作ツールには正当な理由がない。他のほとんどの違法操作ツールと同様で、ソフトウェア更新の結果、完全に削除された。」
359. 本調査で明らかになった5番目の違法SCR操作ツールは、SCR温度に関連している。 つまり、この違法操作機器は、SCR触媒コンバーターの温度が300ºCを超えると作動する。これは通常の運転条件下で約120 km / hで発生するが、以下のグラフに示すように、現在の速度制限が時速130kmであることからして、高速道路では普通に超える閾値である。 違法操作機器はそれで代替モードに切り替わり、SCR効率は60%~80%に制限される。 ヒステリシスを使用するため、この不正操作機器は低速でのみスイッチバックされる。 この違法操作ツールは、ソフトウェア更新後も動作し続けたが、負荷モデルではSCR効率がわずかに高くなった。
360. オリジナルのファームウェアでは、他の違法操作機器(特にNOx質量流量または排気質量流量)は、ほとんどの場合、SCR温度よりはるかに早くアクティブになることに注意すべきである。
361. 違法なSCR温度操作計器は、上記のSCRのエージング比率にも依存する。 この違法操作機器では、下降ジャンプは99%ではなく80%に設定されている。これは、触媒の寿命の早い段階で変わることを意味します。 測定時の走行距離が70,000 kmの本テスト車両では、そのときのSCRエージング率は69%であり、システムはすでにアクティブ化されたエージングモードでのみテストできた。
362. ソフトウェアの更新後、この不正操作ツールは維持されたが、SCRブレーキ効率は70〜90%に向上した。これは、この不正操作ツールが物理上要求されている可能性があるとはいえ、やはり、しきい値が低くセットされすぎていたことを示している。」
「III.D.4.f)SCR操作ツール6:AdBlueの平均消費量
363. 他の違法SCR操作機器に加えて、6番目の違法SCR操作機器が本テスト車両に存在しており、SCRシステムがEuro 6基準を満たすために必要なよりも少ないAdBlueを消費する原因になっている。
364. この操作ツールは、AdBlueの平均消費量を追跡しており、AdBlueの平均消費量が820 ml / 1000 kmを超えると、代替モデルへの切り替えを行う。 これは、更新後の本テスト車両が消費する量の約半分であり、最適なNOx除去を確実にするための実際のAdBlue投与要件をかなり下回っている。」
「369. この場合も、本テスト車両のソフトウェアアップデートの結果、メカニズムが完全に削除され、違法性が証明された。 繰り返しになるが、この違法操作機器に考慮され得る正当性はない。」
370. 違法なSCR操作機器が多数あることに加えて、この車両にはEGRシステム関連の違法操作機器も2つ含まれている。 1つ目は、「サーマルウィンドウ」または温度ウィンドウで、ドライブサイクル中に観測されるエンジンの最高温度とエンジン始動温度に応じて、EGR比を低下させる。 EGR機能が開始温度を考慮することは有用であろうが、エンジンがすでに暖機されている場合には当てはまらない。
371. ただし、このサーマルウィンドウは、エンジンが18°C〜35°Cで始動し、エンジン温度が86°Cを超えない場合にのみ完全なEGR動作が可能になるように設計されている。 これらの条件は、NEDCテスト、特にエンジン出力が低くて済むECE-15コンポーネントの繰り返しにて生ずると予想される。 とはいえ、これらの条件は実際の運転条件と一致していない。
372. このテスト中に観察された相対EGRの減少を、以下の表に示す。 NEDCテストで予想される使用条件は、赤でマークされている。 概要でわかるように、この温度ウィンドウのEGR削減の度合いは、NEDCで予想される条件では0.0%に設定されているが、通常の運転条件のほとんどで100%に設定されている。
373. 繰り返しになるが、この違法操作機器に正当な理由は考えられない。調査の結果、これらの違法操作機器の影響は、ソフトウェアの更新後にテスト車両で完全に無効化された。 基になるアルゴリズムは保持されているが、結果の概要のすべての値は更新後にゼロに設定されていた。」
「III.D.4.h)2番目のEGR操作機器:「エンジンホット&アイドル」
374. 最後に、エンジンが80/90°Cを超えて暖まった後に、アイドルが続くとEGRの動作を減らす違法EGR操作機器がある。 この状況は、都市環境でルートを続行する前に、高速道路などの中速から高速で運転しているときによく発生する。
375. ソフトウェアの更新前は、以下の表に示すように、ソフトウェアはこれらの条件下でEGRの使用量を80〜100%削減するようにプログラムされていた。 この概要は、エンジンの温度と速度に応じたEGRの相対的な減少を示している。 緑のゾーンは、EGRの汚染を防ぐためにおそらく実装された、温度に依存した減少を示している。 一方、赤い領域は、エンジンが動作温度に達してからアイドリングするときに、EGRの動作を減らすように設計された違法操作機器を示している。
376. 繰り返しになるが、この違法操作機器にはいかなる正当性もない。
377.ソフトウェア更新後も、このアルゴリズムは保持されているが、その帰結はまたしても大幅に変更された。 動作範囲が拡張され、低温(<35°C)でのEGRの動作制限が減らされた。 同様の改善が高温側でも行われた。 次の表に示すように、アイドル時にエンジンのEGRを低下させる値が削除された。 緑でマークされたセルは、改善のポイントを示している。 「使用後の定常」でEGRの使用を減らす値は完全に削除された。 温度スケールも積極的に調整されている。」
「パートIII.Dで、当財団は、ダイムラーが使用した違法操作機器の運用にかかる委託研究について説明する。 ••••••(以下:••••••)が実施したこの調査では、これまで他の利益団体や当局が使用していない根本的に異なる方法論を採用した。端的にいえば、当財団が購入したEuro 6 Test Vehicleでテスト走行を行い、エンジンと排気ガス管理を制御するECU(Electronical Control Unit)から走行中の情報を読み取ったのである。これにより当財団は、試験車両の違法操作機器の根本的なメカニズムと機能を初めて洞察する者となった。本調査により当財団が同定できる限り、少なくとも8つの違法(SCRおよびEGR)操作機器が配備された、驚異的に複雑で洗練された排出詐欺が明らかになった。これらの違法操作機器はそれぞれ、実際の運転条件でシステム全体の効率を大幅に低下させる。ダイムラーのトリックの結果として、これらの違法操作機器はNEDCテストサイクル外でのみ動作する。」
「III.B.1. 序文
255. このセクションでは、当財団は、排出規制および適用される判例法に基づいて、違法操作機器の特性について説明する。 前述のとおり、当財団はとりわけ、2020年4月30日の欧州司法裁判所 Eleanor Sharpston 法務官の意見※に特に注意を払っている。(図14を参照)。」
※「2020年4月30日の欧州司法裁判所 Eleanor Sharpston 法務官の意見」はこちら。↓
"Court of Justice of the European Union PRESS RELEASE No 52/20
Luxembourg, 30 April 2020
Advocate General’s Opinion in Case C-693/18CLCV and Others (defeat device on a diesel engine)
According to Advocate General Sharpston, a device that adjusts upwards the operation of the emission control system of diesel engine vehicles during the approval testing of those vehicles is a ‘defeat device’prohibited by EU law
The objective of slowing down the aging or the clogging-up of the enginedoes not justify the use of such a device"
https://curia.europa.eu/jcms/upload/docs/application/pdf/2020-04/cp200052en.pdf
III.D.1. イントロダクション、研究の関連性、および主要な調査結果
295. このセクションでは、当財団の研究結果について論ずる。 この研究は、その方法論によって、上で説明した研究※とは区別される。 前述のように、この研究は、入力値(周囲温度や車速など)と出力値(PEMSで測定された排出量)を測定するのみならず、ECU自体の内部機能を測定することを目的とする。 テスト中にECUから直接情報を読み取ることにより、ECUの設計と操作を再構築可能である。」
※直前のIII.C で、第三者が公表した調査結果を挙げている。
「296.このアプローチは、概ねメーカーのソースコードがなければ違法操作機器の動作を検出および分析することは不可能であると考えられていることから、これまでどの型式承認当局・関連団体にも採用されていない。間違いなく可能であるとはいえ、費用と時間がかかり、専門知識を用いねばならない。この理由もあって、当財団はこれまでのところ、この研究を単一のテスト車両(本テスト車両)に限定している。本テスト車両は、第306項でさらに指定されているユーロ6対応型メルセデスE350である。モダンなユーロ6車両を選択する理由は、この車両タイプに、EGR(排気ガス再循環)とSCR(選択的触媒反応)の組み合わせからなる高度で複雑な排出制御システムが装備されているためである。このような複合システムでは、SCRシステムが処理の大半を引き継ぐため、EGRシステムはNOx排気負荷を減らすために「ハード」に動作しなくてもよくなる。 Euro 6モデルのECUソフトウェアはEuro 5ソフトウェアの拡張バージョンであるため、以前のバージョンの多くの機能がまだソフトウェアに存在している。調査が示すように、本テスト車両のECUには、機能しているEGR操作機器も多数含まれている。この点で、本研究結果は、EGR装置のみが装備されていた古いメルセデスベンツモデルにも関連している。
297. 要するに、この調査により、SCRとEGRの違法操作機器の範囲が特定された。これらはそれぞれ、特定の条件下でシステムの全体的な効率を大幅に低下させ、これによりSCR触媒コンバーターはほとんどの条件で動作容量のうち最大で60%に制限されることとなる。」
「300. 本調査の結果、違法なSCRおよびEGR操作機器は、NEDC検査下の状況では動作せず、通常の使用状況でのみ動作するようにプログラムされていることが判明した。 違法操作機器は、条件がNEDC検査条件から少しでも逸脱している場合にアクティブになることがわかっている。 さらに、SCR関連のいくつかの違法操作機器には、車両が数か月間使用された後にのみ違法操作機器を操作するように設定されたタイマー機能があり、NEDC検査を確実に通るようになっている。」
「302. 本調査はまた、これらの違法操作ツールのほとんどがソフトウェアの更新後にテスト車両から削除されたことを示している。これは、エンジンの損傷を防止したり、車両の安全な動作を確保したりするために違法操作ツールが必要ないことを意味している。このソフトウェアの更新によって、テスト車両のすべての違法操作機器が実際に削除されたかどうかは明らかではない。……」
III.D.2.a)はじめに
305. 本調査で使用されるメソドロジーは、データ収集、ソフトウェア分析、およびテスト車両から生れたテスト結果の解釈とを、組み合わせることである。306. 前述のように、本テスト車両は、メルセデスベンツ E 350 BlueTEC 4 MATIC Tであり、OM 642型 190 Kw、2987 ccm、6気筒エンジンを搭載している。本テスト車両の検査文書のコピーを別紙57に提示した。……
307. ECUの情報チャネルは複雑で量が多いため(ECUは内部で10,000を超える信号を処理)、イテラティブなプロセスを用いた。 最初のフェーズでは、通常使用中に車両のECUのプロファイルを作成するために、広範なデータ収集が行われた。 排出制御に関連するソフトウェアとデータは、ソフトウェア分析を使用して特定した。 その後、データ収集プロセスをさらに洗練し、より詳細なデータを得た。」
308. 調査中のデータ収集は、OBD-2ポートを使用して実行した。……」
「310.前述のように、ECUソフトウェアのソースコードや完全なドキュメントについては、ダイムラーがその情報を慎重に管理しているために、本調査者はこれらを得ていない。 ただし、ドキュメントやソースコードが利用できないソフトウェアの分析については多くの研究があり、そのような分析はIT業界で定期的に行われている。研究者は、「逆アセンブル」(ソフトウェアが人間が読める形式に変換される)やソフトウェアシミュレーションなどのいわゆるリバースエンジニアリング手法を使用している。 これらの手法により、ソースコードが利用できない文書化されていないソフトウェアの分析が可能になり、本テスト車両のECUソフトウェアの分析にも使用されている。」
315. 本SCRシステムでは、主な制御変数の1つはAdBlueまたはDEF(ディーゼル排気流体)の投与量である。本テスト車両のECU、Bosch EDC17CP57 は、システムに投与されたAdBlueの量を計算する。 SCR触媒コンバーター内で、AdBlueはアンモニアに変換され、次にアンモニアがNOxと酸素と反応して窒素と水に変換される。
316.有効性の尺度は、「SCR除去効率」または「変換効率」である。 SCRの潜在的な効率は、以下を含む多くの物理的条件によって制限される場合がある。
317. 以上のリストは完全なものではないが、適切に機能しているSCRシステムが物理的な制限を受けていることを示している。 これらの制限に対処するために、本ECUソフトウェアには、2つの異なる動作モードが含まれている。
318.最初のモードは、以下「アンモニア負荷モデル」と呼ぶもので、SCRシステムが完全に機能するモードである。 このモードは公的にアクセス可能なメディアでは説明されておらず、この用語自体は文献で使用されている標準ではないことに注意されたい。
319. 2番目のモードは「代替モデル」である。 これは、不正な操作ツールによってアクティブ化されるモードである。 代替モデルがいずれかの操作ツールによってアクティブ化されると、通常SCRは最大60%となる。 特にいくつかの違法操作ツールが同時にアクティブ化されている場合は、効率が大幅に低下する可能性もある。……」
330. 本調査による観察結果の要点は、代替モデルでは、実際の運転条件のほとんどで、SCRシステムのターゲット効率が比較的低い値に保たれるが、これは物理的な制限に基づいていない要因やポリシーの選択によって生じているため、 違法だということである。 言い換えると、SCR触媒でのNOxの還元に直接影響を与えることがない入力に応じて、効率目標が意図的に低い値に低減される。 したがって、これらの要素とポリシーの選択、およびそれらが有効にするメカニズムは、違法な操作手段と見なすことができる。
331. これらの違法なSCR関連の操作ツールは、以下の機能を共有する:
(i)それらは、温度、排気ガスの質量流量といった、極端な条件下で一般的に制御する必要がある物理的特性に応答する。
(ii)ただしそれらは、通常の「実際の」運転条件では、システマティックにアクティべートされる。
(iii)それらは、たとえば、正当化されないヒステリシスを使用することにより、アクティベート後に、ある効果が出るように設計されている。
簡単に言えば、ヒステリシスという用語は、新しい状態への切り替えを引き起こす値と元の状態への戻りを引き起こす値との間に特定の「範囲」がある状態を表す。一般的な例は、特定の温度で加熱がオンになるサーモスタットで、温度が初期値よりも数度低い場合にのみオフになることで、システムのオンとオフが連続して行われないようになっている。今回のケースでいうと、ヒステリシスは、元の状態(この場合は「アンモニア負荷モデル」)に切り替えるしきい値が「代替モデル」が動き出す状態に切り替えるレベルよりもかなり低い(または高い)場合に発生する; そして
(iv)それらはSCRシステムの目標効率を大幅に低下させ、AdBlueの投与を大幅に削減する。これにより、NOx排出量が大幅かつ大幅に増加する。
332. 本調査の結果、8個以上の違法操作機器が発見されたが、そのうち6個はSCRシステム(およびAdBlueの投与量)に関連している。……」
「III.D.4.a)SCR操作ツール1:排気ガスの質量流量
335. 最初の違法SCR操作機器は、SCR触媒コンバーターを通過する排気ガスの体積(排気ガスの質量流量)を参照する。
336. 上述したように、排気ガスの質量流量がSCR触媒の処理能力よりも大きい場合、排気ガスはSCR触媒から逃げることができ、NOxチャージを減らす機会が与えられないこととなる。 これに対処しないと、SCR効率の過大評価につながり、AdBlueのオーバードーズにつながる可能性がある。 このことで、SCR触媒がアンモニアでオーバーフィルされ、アンモニアのスリップが発生する可能性がある。 したがって、質量流量を監視し、過剰なマスフローが通知されたときにSCRのターゲット効率の推定値を下げることは、原則として、有効なストラテジーになる可能性がある。
337. ただし、テスト車両では、フィルタ後の排気ガスの質量流量の制限は、時速170 kgに設定されており、これは、実際の運転状況では約100 km / hに相当する。 このしきい値は、技術的な観点から見て、言い訳けができないほど低くなっている。 このしきい値を超えるとすぐに、ECUは代替モデルに切り替える。 さらに、(-80 kg / hの)強いヒステリシスが適用されるため、負荷モデルに切り替える場合、質量流量は90 kg / h未満でなければならない。 60 km / h程度の低速でも、このしきい値は日常的に超過している。 さらに、エンジンが一定している場合、短時間では負荷モデルに戻らない。
338. この制限は、正確には、SCRシステムの「エージングファクター」によって決まることに注意せよ。この機能に関連して、ECUはSCR触媒コンバーターがその耐用期間中にさらされた温度を記録し、これに基づいて経年変化の影響をモデル化する。ただし、以下のグラフに示すように、この違法操作機器のエージングファクターは、完全な100%(完全に新しい状態)が1%~99%(すなわち実質的に新しい)まで減少するとすぐにアクティブになるように設定されている。すでにその時点で、上限は時速200 kgから時速170 kg へ削減され、下限(ヒステリシス)は時速120 kg / hから時速80 kg / hに削減されている。 NEDC検査は完全に新しい車両で行われるため、輸入検査でこの違法操作デバイスを検出できないと推定できるのである。これに対し、本テスト車両はこれらの観測の時点で70,000マイル走行しており、ソフトウェアは69%のSCRエージングファクターを示していた。」
思えば私の高校生のときにエヴァンゲリオンが始まった。その頃すでに森博嗣は世に出ていて、それでもなんとなくタイトルを見たか見ないかというくらいでした。その頃私は宮部みゆきと北村薫の子供だった。
いわゆる世紀末を越えて、その名を冠したアニメの影響やフォロワが周りに現れ続けていた頃私は緩やかに行き詰っていた。
学問の壁というべきか、私は師匠に恵まれなかったといえば傲慢になりますが、少なくともベストフィットの環境ではなく、それを乗り越える精神もなく、茫漠とした、とらえどころのない人生を送っていたと思う。これは本当に傲慢とも思われかねないし、上から見下すわけではないのだけれど、世の中を見るとその茫漠とした人生をずっと過ごしている人がいることを感じ、かわいそうではなくつらいだろうなと思う。世にいる、自分の存在を確立しようとして、営業成績よりもずっとあいまいな評価基準の世界に身を置いてそれでもがんばっている人たちよ、幸せであれと思う。
世紀末からゼロ年代にかけそして今このゼロ年代が終わろうとしている、言い換えると完全にゼロ年代しているこのとき、森博嗣が終わるというのだ。カクレカラクリなどと言う爆笑コメディ(あるいは世界初2時間忍耐ドラマ)をもスイッチバックとしてスカイ・クロラが押井守の手によって現れようとしていて、しかもそれはすでに完成している。
今私は森博嗣の理解者でもなく信徒でもなく、ただ個別に1対1で感じ取るだけの独立した存在になっている。
だからその映画や、これからこれまでの著作について私のみがわかっていると言うのは精確ではない。
正確に言えば、「私の森博嗣理解は、私にだけ最高の価値がある」ということになる。
だからこのまま消えていっても私には十分な読むだけの文章が、森博嗣の書いた文章が残った。それでいいはずだった。
だがそれでも現れては消える、この寂漠とした空気はなんだろうか。