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2024-03-27

中学校教員だけど、仕事休んで旅をした

私は中学校教員だ。

どうしても心苦しく逃げ出したくなったので、仕事を休んで旅をした。

その顛末を話したい。

休むことにした経緯

大学時代、親(同じく学校教員だ)に強く勧められなんとなく教職課程の受講を始めた。

なんとなく高校教員になろうと思っていたが、何の因果教育実習中学校に配属された。

実習中は忙しかったものの、生徒が人懐っこくこちらに近づいてくれたことが非常にうれしく、授業以外でも彼らとの交流(体育祭練習に一緒に参加するなど)に楽しさを覚えた。

この感覚が忘れられず、私は中学校教員になった。


着任当初から雑用が大量に入り、忙殺される毎日だった。

これって本当に教員仕事か?と思えるような事務作業がやたらと多かった。

また、「校務分掌」という名目でやたらと多くの業務が割り振られた。日本年寄りは何でもありの価値観蔓延しており、年齢の低い私には特に業務が集中した。

これらの業務事務職員仕事ではないらしい。事務補佐員は人数が少なく短時間しかいない。また、個人情報を含むものの取り扱いができないため依頼できることがほとんどない。

授業準備をしたくても事務作業で全く手に付かず。

やっと作業が終わり(もちろん時間外)ヘトヘトになったところで始めるほかなかった。

建前では休憩時間はあるらしいが、その時間業務が振ってきて休むこともできず。

おまけに最近アクティブラーニングICT重要性が叫ばれており、授業の事前及び当日の準備はそれどころではない大変さがあった。


それでも、教育実習の時と変わらず、コミュ障の私に偏見を持たず純粋な心で関わって、笑顔を見せてくれる生徒たち(教室に来れない生徒にも)に元気づけられていた。

体育祭は大嫌いで、私は自チームを応援する気は起きなかった(自チームカラーの服を着ている先生が目立ったが、私はどのチームにも関係ない色のものを着ていた)が、練習は一緒に楽しんだ。

生徒に交じって競技を楽しむのもまた一興。一緒に生徒の中に混ざるだけで生徒は喜んでくれた。

授業はただ真面目にやるのではなく、時にネタを入れると生徒が反応してくれてうれしかった。

アイマス(担当アイドルの話とか)をはじめとしたソシャゲネタ鉄道ネタ自虐ネタ淫夢ネタちょっと不謹慎ネタなどを入れるだけで笑いが取れた。

定期テストも、かなり完璧主義的に作ったにもかかわらず、その結果を見て教えたことをしっかり身に付けてくれたこともうれしかった。

勤務時間外も、次はどんな授業をしようかと自然に考えていた。


しかし、どうしても大変なことは大変で、それが私を疲弊させた。

例えば、生徒の失くしもの(学校からの貸与品)の捜索を命令され、どうしても見つから教頭に報告すると「知るか、自分で何とかしろ」の一点張りで取り付く島もない。

なければ学校に余りはありますか、それとも購入は可能ですか、と聞くと「お前さぁ、それ教育者としてやることか!?」と怒鳴られた。

また、目標申告書(全国でやっている)で下っ端は記入不要の項目も「制度上は記入義務はないがみんなやっている」と強制された。

(余談だが、記入例に不登校生徒減少の話があったが、なぜ不登校は生徒自身選択なのにそれを無視して無理やり連れだす必要があるのか、それが原因で自殺されたら本末転倒ではと思った)


あいいやこんなこともあると思いつつ耐えていたが、こんな出来事があり、ついに限界が来た。

生徒が下校した後、いつも通り雑用に追われていたが、なぜか隣の校舎の窓に火が見えた。

他の先生方に相談したところ、無関係な私が急行するよう言われた。するとなぜか鍵が閉まっていた。

鍵を開けると、面識のない生徒数人がおり、その隣には火柱が上がっていた。

どうやら裏側から侵入して火遊びをしていたらしいが、すぐに水をかけ消火した。

事情聴くと「これは作業だ」「面倒だから仕方ない」「効率的からやっている」と。

今後こういったことはやめるよう言えば「燃料は自腹だ。100円の自腹がもったいない」と反論。さすがにこちらもキレて「命と100円どちらが大事なんだ」と言って無理やりやめさせた。

大事案なので当該生徒が在籍する学年に報告すると、ある先生は「あー…最悪のメンバーがそろってる」と。

管理職に報告するとこちらの責任のあることではないのにやはり怒鳴られた。「どうするか自分で考えろ」「早くしろ」とわけのわからないことを言われ。

その後校長教頭の2名から時間のお説教

教頭から「怒るのはあなたを信頼して成長してほしいからだ」と言われたが、(わざわざ応募して選考突破した)管理職と下っ端は意欲が違うし、成長したくないので信頼せず放置してくれと思う。

校長は「生徒の失敗を大目に見たらどうか」と状況を理解せず、面倒をこちらに丸投げする発言


なぜ私だけこんな目に遭わなければいけないんだと思った。

気づくと、どうすればこんなことから解放されるだろうと思い色々検索していた。

隣の先生にこれを見られ、「行動に出る前に管理職相談した方がいい」「教頭は口調がきついから真に受けないほうがいい」「私も色々失敗した」などといろいろ慰めの言葉をくれた。

私と同時に着任した先生などにも相談に乗ってくれた。「あなた完璧を目指そうとしてたんだ。60点でいいのでは」とも言ってくれた。

また、該当生徒の指導はその生徒が在籍する学年に依頼できることになり、非常に助かった。


何もかもやる気を失った。大好きな曲を聴いても拒否反応がすごかった。

テレビをつけると、時代劇切腹シーンが出てきてますます気分が沈んだ。

通勤途中に外国人観光客を見ると、なぜ日本人だけ労働に苦しまなければいけないのかと思った。私も自由気ままに旅行したいのに。

(日本労働法規に甘く、バカンスもなく権利行使がしにくい、下手すると同じ立場労働者が権利行使を妨げてくるのはなぜだろうか。一説には資源の少なさと正社員制度が原因だというが…)

その後の数日、外出したいとも思わなかった。


ふと思いついた逃避行

そういえば、今までも出勤できていたものの、疲れというかなんとなく休み明け出勤したくない気分になることがしばしばあった気がする。

しかし今回はその気持ち特に強かった。そんななか、ベッドの上のぬいぐるみが私に話しかけてきた。


渋谷凛「もう休めば。疲れてるでしょ」

島村卯月「早く休まないと…大変です!」

本田未央「よく頑張ったねプロデューサー。思い切って休んじゃお!」


あれ、苦しいときは休めばいいんじゃね?なんでこんな簡単なこと思いつかなかったんだろう。

今まではこんなこと考えつかなかったが、思いついた途端肩の荷が一気に下りた気がして、気がすごく楽になった。

そういえば、小学校の頃の私は皆勤至上主義で、ひどい風邪でも登校していた。

高校でそのおかしさに気づき少しでも体調が悪ければ欠席するようになったのだが、なんでこの解決法を忘れてしまったんだろう。


だが、この計画は勤務校はもちろん、何かの機会で口外するリスクのある同僚には当然言えない。

一見仲間にも見える両親にも口外してはならない。

なぜなら母親仕事を、父親世間体神聖視しているからだ。

母親祖父(母方の曾祖父)が職を失いつまらなそうにしていたのを見て、仕事があることが素晴らしい、働かせていただいていると思うようになったそう。

まり、「クビになりそう」→「ならないようにどんなことでもする」という感覚の持ち主だ。

父親偉そうに上司にも独りよがりイデオロギービジネスマンとしての心構えを力説していたらしい(それで啖呵を切って職を転々としていたらしいが)。

自分の思い通りにならない、またはその仕事責任を120%果たせないなら辞めるべき」と思っているらしい。


その日は特別な準備を要する授業や前述の生徒の指導も予定されており、休んだら迷惑かと思ったが、どうでもよくなっていた。

となると、どのような手段で休もうか。

休むのは電話すればいいのは知っているが、真っ暗な家で引きこもっても体調回復絶望的だろうと思った。

じゃあ逃避行してしまおう。せっかくだし最近行っていない江ノ島に行こう。


ふと気になった。この休みはどういった扱いになるのだろうか。休暇の一覧表をみると、「病気休暇」があった。

利用条件は「ケガや病気で勤務できないとき」とのことだが、「病気」の詳しい定義がない。

ということは、「精神的に辛く体調がすぐれない」(これが悪化したものが「うつ病」「適応障害」などの精神疾患)も問題ないはずだ。

日数でいろいろ条件も変わるらしいが、今回の場合はまずは電話一本で、正式手続きは出勤できてから問題ないらしい。

ところで、病気休暇を取得している期間は病気の療養に専念しなければならない。

逃避行精神の不調が回復するのならそれも療養であるから問題なく、むしろ進んで行わなければならない。

病気休暇が使えないなら年次有給休暇の利用、それもダメなら(給与が減るが)欠勤扱いでもよい。いずれも無断欠勤よりずっとマシだ。


1日目・江ノ島に行った

今日は出勤しなくていいんだ。そういうつもりで髭剃りと歯磨き、自宅の風呂掃除トイレ掃除を念入りに。

教員労働環境のブラックさが世に知られ叩かれ出したことから働き方改革の一環で電話は始業時間までつながらない。

始業後に連絡すると迷惑だろうから自分所属する学年団への連絡手段(こちらは連絡時間制限特にない)があったので、先にそちらに体調不良の旨連絡した。

学年団の先生方(原因となった出来事を直接は知らない人含め)は「ゆっくり休め」と言ってくれた。

「次の日も厳しいかもしれない」と続けて言えば、「好きなことをしてしっかりとリフレッシュしなさい」とも。事情を知っているのかな?

また、始業時間直後には勤務校に電話し同様のことを伝えた。

元気のない声で、やる気を出そうにも空回りしている雰囲気を出した。

何の問題もなく休暇が取れた。休暇届提出は次回の出勤日でいいらしい(説明もその時するから急ぐなとのこと)。


混雑したバスが来るいつもと変わりないバス停。そこに私はとてもラフな出で立ちでいた。

家を出発する際は、勤務するときと同等の服装だったが、バス停近くの隠れられる場所で着替えた。

どんなラフ恰好って?それは…

本田未央ちゃんフルグラフィックTシャツ(二次元コスパ)を着てアロハシャツ羽織

本田未央ちゃんスポーツタオル首にかけ

本田未央ちゃん腕時計(キャラアニスーパーグルーピーズじゃないよ)を左腕に

本田未央ちゃんリストバンドを右腕に

本田未央ちゃんハンカチポケット

本田未央ちゃん渋谷凛ちゃん島村卯月ちゃんぬいぐるみカバンしま

・八宮めぐるちゃんライブ(空は澄み、今を越えて。他)記念のキーホルダーカバンに付けた。

どうだ、カッコイイだろ。


普段通勤時間があまり変わらないので混雑がストレスになるのは変わらない。

まあすぐに解放されるしいいか、と思っているうちに新宿駅に着いた。

ATMお金を引き出し、藤沢までの切符ロマンスカー指定券を購入(本当は特急券不要快速急行でもよいのだが、せっかくなので…)。

江ノ島方面ロマンスカー夕方までないとのことなので、相模大野普通電車に乗り換えることにした。

指定列車まで時間があるので新宿駅周辺を散策

横断歩道信号待ちをしていると、知らない人からサイエントロジーかい宗教団体のチラシをもらった。すぐ捨てた。


コンビニで酒(ほろよい桃味)とつまみを買ってから(車内は)滅多に人が来ないところなんで、そこでしこたま酒を飲んでから(デレステを)やり始めたんや。

飽きたので、Amazon大崎甜花ちゃんフルグラフィックTシャツポチっと購入。送料込みで7,321円也。

小田急線を乗り通すのは15年ぶりだ。複々線区間代々木上原向ヶ丘遊園まで伸び、列車種別構成の大きな変更があり、準急緩行線走行するようになったらしい。


藤沢に着いた。片瀬江ノ島まで行っても江ノ電を使ってもよかったが、せっかくなので大船まで戻る。

乗り換え専用改札があった。こういう改札は利用区間制限されないICカードしか通行できないものだが、聞いてみるとICカードとここまでの切符の組でも通れるという。

ここまでの切符を入れ、すばやくICカードタッチすれば通行できた。ちなみに、新幹線乗り換え口でも似たようなことができるらしい(クレジットカードEX-IC不要)。

ここから神奈川ジェットコースターとも評される、湘南モノレールに乗車。

強烈な地響きとともに列車が入線。駅壊れるぞ。

大船を出たばかりなのに猛スピード。おい、右に葬儀場があるぞ。車両棺桶じゃないぞ。

思ったほど揺れなかったが、心配なのは走行高度が低すぎる点だ。大型路線バスかぶつかるのでは。

湘南深沢から先はさらに本気を出した。70-80 km/hは出したか。これに匹敵するのは東京モノレールの一部区間(昭和島付近)だけだ。

15分程度で終点湘南江の島に到着。テラスアイドルたちと記念撮影


そのまま南に歩き、湘南海岸公園に。やることがないので近くの岩場で昼寝。

雲が動き日差しがまぶしいので、目隠しをした。時に涼しく時に熱くなるがこれが気持ちいい。

1時間ほど寝たら、桟橋の方を覗いてから15年ぶりに新江ノ島水族館へ。

岩場を歩いたり、飛び込み泳ぐペンギンさんが人間言葉を話せたら何を言うのか、不謹慎セリフを考えると非常に面白い

最後物販店くじ引き。2等が当たり、店員さんがハンドベルを鳴らした。後ろから拍手。恥ずかしいだろ。

景品は大きなイルカぬいぐるみだった。


江ノ島にも行った。

時間が遅いので頂上を経由してその奥の海岸洞窟だけ見た。

恋人同士が鳴らす鐘らしきものの前で、本田未央ちゃんと一緒に記念撮影

気づかず徒歩で戻ったのだが、どうやら船で江ノ島大橋のところまで帰れたらしい。


時間が足りず、江ノ島シーキャンドルやそのまわりの施設群、しらす丼は手付かずだった。また今度行った時味わおう。


帰りは江ノ電鎌倉を経由。

江ノ電は意外にもVISAタッチ決済による運賃収受を行っているらしい(決済端末は改札内なので、一部改札は不正通行検知装置を切っている)。

日本の改札は専用の券を駅などで購入し、機械に通す方式を取っており、欧州一般的QRコード付きの切符任意場所印刷して通行するようにするのは難しいとのこと。

そこでVISAタッチ決済による運賃収受が導入されたが、おそらく江ノ電日本で2-3番目あたりには早く導入したかと思う。

そんななか、また担当アイドルが話しかけてきた。

島村卯月「本当に休めましたか?もう一日休んだ方が…」

渋谷凛「ねぇ、まだ疲れてるでしょ。明日も休めば」

本田未央今日は楽しかったね!ねぇねぇ、明日も一緒にどっか行こうよぉ!」

よし、明日箱根へ行こう。


2日目・箱根に行った

勤務校と学年団に連絡した。2回目なので良心の呵責は全くない。

電話教頭ではなく事務職員が取るため、こちらの事情は知らない。「はい分かりました」で終わり。


汗で汚れるのだから昨日と同じシャツは着れない。

そこで、今日アロハシャツの下には乙倉悠貴ちゃんTシャツを。


いつものバス停に行く途中、ネームホルダーが落ちていた。手に取って見ると近くの幼稚園のものだと分かった。

グーグルマップでその幼稚園電話番号を調べ電話をかけると、「どこに落ちていたのですか」と聞かれた。近いので「そちらに持っていきます」と伝えすぐに向かった。

その幼稚園に着くと、ちょうど登園時間かぶっており保護者子供を預けに来ていた。

乙倉悠貴ちゃんTシャツ丸出しの男はロリコン扱い間違いなしなので、アロハシャツボタンを閉めて事務室へ。

対応した職員さんは、電話に出た人とは別のようだが、「これ落ちてました」と言えば「ありがとうございます」で終わり。さっさと退散。


暑いので路地裏に入って下着を脱ぐ。肌の上に直接乙倉悠貴ちゃんがくっついてきて興奮する。

昨日歩きすぎたのか、右足小指に水ぶくれが。

昨日よりかは早いが、それでもまた出発が遅れてしまった。

今日バス電車を乗り継いで新宿へ。今日小田原方面に向かうのでロマンスカーも多く走っている。

なんと小田急自動券売機クレジットカード対応していた。箱根湯本までの切符特急券を買うと、なぜか乗車券小田原箱根湯本のものしか出てこなかった。

仕方ないので隣の券売機新宿小田原切符を購入。

小田急の改札は切符を2枚重ねで投入できるが3枚重ねはできず、しかたなく新宿小田原切符特急券を投入。箱根湯本到着後有人改札事情を話すことにした。

今日セブンイレブンに行き酒とつまみを買い乗車。今日は酒2本(ほろよい桃味とぶどう味)。

電子レンジによる加熱が必要だが温め忘れてしまったものがあった。まぁ生で食べて腹を壊せば休みを伸ばせて都合がいい。

車内でつまみを全部食べ終わってからPermalink | 記事への反応(12) | 13:12

 
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