はてなキーワード: まあみとは
拠り所というか、初期設定で境界性人格障害的な所があるんだと思う。まあみんな多かれ少なかれあるんだけども。
親がおこりんぼだったり、あんたのことを見捨てるぞ、という裏メッセージを持ちつつあなたのことを操作してきたため、あなたは人への不信感が拭えず、人の顔色を伺いいつもハラハラしながら生きなくちゃいけなくなってしまった。
根底にはいつなん時見捨てられるかもしれない、という反射的な恐怖が刷り込まれている。
ある種のトラウマ。
それが普通の人間関係で、フラッシュバックするから日がなザワザワしてしまうのである。
普通なわけではないけど、そうじゃない人は、元から鈍感でそういう操作でトラウマにならん人もいるし、そういう環境下で育ってない人もいる。ここらはもって生まれた性格も体質もあるので、全てが環境のせいではない。優しい子は妙に気を使ってしまい、というのもある。
まあ、そういうフラッシュバックがない人らは、別にちょっと裏切られることに対して恐怖があんまりないから、いちいちそれをコネコネ考えたりしないし、周りは自分を愛してるもんでしょ、というスタンスで生きている。
例えると、犬がいて、一回めっちゃ噛まれた記憶がある人は、犬がいるたびにフラッシュバックし恐怖が蘇り、犬に近づくことはないけど、飼ってた犬がなついて可愛かった記憶しかない人は噛まれたことを考えることはないし、犬がいたら駆け寄って戯れることしか頭に浮かばないということだ。
改めて「この親戚一同が嫌いだなあ」と思った。
「〇〇ちゃん」「〇〇ちゃん」とまあみんなフレンドリーにしてくれる。
しかし彼等と心の通じ合う気分を持ったことが一度もない。
些細なことで笑いあって少し心が通じる、その程度のこと、
そういうのすらあの親戚達に対しては一度もない。
彼等なりに気を使ってくれてるらしい配慮はこちらには全然響かない。
彼等親戚同士のコミュニケーションを見てもぶっきらぼうぶっきらぼう、
あれでどんな風に心が通じ合うのか想像もつかない。
笑いのネタや話題も「誰々が〇〇した」ばかりで抽象的な会話やジョークは皆無。
(たまにしかいかない私にはその”誰々”の解説をしてくれるが、興味ないし知ったこっちゃない。)
「血が繋がっててもここまで絆を感じないこともあるんだなあ」
と毎度感心する。
そしてとっても居心地が悪い。
旅行で泊まる民宿でもあの親戚一同と一緒にいるよりはよほど心が休まる。
評論家の町山智浩は自分の田舎の親戚一同が嫌な奴等だったからという理由で
あの映画のことも「現実はクソなのに美化している」みたいに言って叩いていたが、
私は自分の親戚一同が嫌いだからこそあの映画に夢を見て満足した。
年に1、2回集まるなら十分楽しい親戚一同で
すごい智慧と慈悲のある家長がそれをまとめ上げてるファンタジー。
そこに少し緊張しながらも迎え入れられて一員になるあの話は楽しかった。
レーズン牧野の不倫写真流出事件を見てて、心底「ざまあみろ」と思った。
レーズン牧野もチョンマゲパティシエも、地獄みたいな日比を味わえばいいよ。
そもそも不倫する奴らは、自らのパートナー、相手のパートナーの事なんて考えてない。
そんな奴らは滅んでほしいと願っている。
きたねえ乳首だけではなく、顔を出してもよかったのではないだろうか。
今は、人の噂もなんとやらの時代ではない。
だからこそ、罪を背負って生きていって貰いたい。
ほんと、このたびはチョンマゲパティシエの奥様はお気の毒だったと思う。
けっこう年上で拗らせ系の同僚がさ、俺の仕事スタイルを「労働集約型だ、非効率だ」ってdisるんだ。
一緒に仕事してて、ああ、俺のことそんな風に評価してたんだ、と思うとショックだった。
いや、俺らITドカタじゃん? ITなんて結局は人間の手でがんばるしかないじゃん?なんて思うんだよ。
ちなみに開発じゃなくてディレクター。
企画書く、要件定義もする、仕様も書く、調整する、社内政治もする、上司に媚だって売るし、仲間も助ける。
なんでもやるし、やってきた。
その結果、俺は出世した。信じてくれてる(と思いたい)部下もいる。助けてくれる仲間もいる。
反面、彼は無断欠勤を繰り返して信用を失った。彼はいま、心の病を患っている。
ずっと、ずっとモヤモヤしてたんだけど誰にも言えなかったんだ。
「才能」というのを「生まれながらにして持っている能力」と定義して話すけど
ほんとにその通りだと思う
優秀な親から優秀な頭脳、あるいは身体能力、容姿などを受け継ぎ成功した人はあたかも本人の能力で成功したように言われるけど
金持ちの親から金を引き継いで成功した人は、ずるい!所詮親のおかげだろ!みたいに扱われるのはなんか納得行かない
別に自分は金持ちの親のもとに生まれたわけでもないし成功したわけでもない(むしろ底辺より)けど、前者と後者にどんな差があるっていうんだろう
あとは逆に生まれながら高い能力をもっていたけれど家庭環境が悪く成功できなかった人はかわいそう
で
家柄はいいのに能力がなくて成功できなかった人は、当然、ざまあみろ
みたいな扱い
両者とも「才能がなかったんだから当然」ってことでいいんじゃないのか?
しいて言うなら親からの引き継ぎ要素として「金」ってのは他のものに比べて強すぎるからずるいってならわからなくもないけど、あくまでそれは同じベクトルで強すぎるからってだけであって
他の「才能」と別物みたいに扱うのはなんか違うんじゃないのか
一昨年のクリスマスイブにPerfumeのライブに行った。場所は東京ドームだった。
近所の親しくしているオジサンに、仕事で行けなくなったから良かったら代わりに行かないか、とチケットを譲ってもらった。急遽友達との約束を断り、オジサンのお友達らしき人とライブに行くことになった。
ライブに行くのは初めてだった。よってマナーやノウハウが分からなかった。
仲のいい友人に、アイドル好きでいつもライブや握手会に参加している子がいたので助言を貰った。
物販に並びたいのなら始発で行け。動きやすい服装で行け。サイリウムやウチワがある方が良い。サイリウムには各メンバーのイメージカラーがあるはず。降ってきた銀テープは持ち帰れ。
とのことだった。
自分はかしゆかが好きだったので、早速彼女のイメージカラーをネットで調べた。
予想をした。あ〜ちゃんがピンク色、のっちが水色、かしゆかはすみれ色あたりかな。でものっちがオレンジで、あ〜ちゃんが赤でもいいかな。もしかするとあ〜ちゃんが白、のっちがグレー、かしゆかは黒かもしれない。そんなことを考えた。
すると、Perfumeのライブではレーザーなどの効果が薄れるためサイリウムは持ってきてはいけない、と書かれていた。
なんだ、いらないのか。確かに言われてみると、Perfumeのライブにサイリウムを振っている人々のイメージは無い。たぶんウチワを持ってきている人もいないだろうと判断した。
色々と知識が不足していることを知ったので、YouTubeに上がっているPerfumeのコンサートの動画を見て予習をした。クリスマスがとても待ち遠しかった。
ライブ当日、始発で行く元気は無かったので、朝9時頃に家を出て後楽園に向かった。
友人のアドバイスが嘘だった。のではなく、単にファンの熱量の違いだろう。
「全部ください」一度は言ってみたかった言葉を、齢23にして実現してしまった。
「TシャツはMで。あとバッグは2つ、グミは3つ下さい」 と言って受け取った。1つ目のグミはすぐに食べた。ふつうの、ぶどう味のピュレグミだった。美味しかった。
10時開始の物販に、10時に来てしまって、開場まですることが無く、どうにかこうにか時間を潰した。
開場が近づくにつれ、物販にも人が並び始め、気づいた頃にはすごい行列になっていた。早く行っておいて良かったのかもしれない。
ドームに並ぶ列ができはじめたとき、真っ先に並んだ。自分は前から5番目くらいだったと思う。自分の後ろにぞろぞろと並ぶ人たちを見て、少し優越感を覚えた。
ドームに入って驚いた。初ドーム。初野球場。想像していたよりも中に入るまでの道が長いし、なんか坂道だし、入場だけで疲れた。そして広い。あちこちにスーツを着た学生アルバイトらしき人たちがたくさんいる。本当に、たくさん。10メートルに1人くらいの間隔でいる。今から凄いことが始まるんだ、と思った。
席はアリーナの中程。とてもいい場所だった。オジサンと、オジサンの大事なクリスマスイブに仕事を与えた人に心から感謝した。
ライブ開始までに、3度ほど会場モニターでチョコラBBのCMが流れた。その都度、会場が湧いた。ライブは始まっていないのに、Perfumeのコスプレをした人たちが立ち上がり、周囲を煽っていた。みんな、それに乗って、手を振っていた。まだ始まってもいないのにこんなに盛り上がっているなんて、始まったらどうなるんだろうか。膝と顎が震えた。ちょっと寒かった。
会場が暗くなると、みんなが立ち上がった。自分と、隣に来たオジサンの友人らしき人も立ち上がった。
ライブは、なんかもうよくわからないくらい楽しかった。楽しすぎて、ほとんど覚えていない。ごめんなさい。
とにかく、3人ともメチャクチャ可愛かったし、あ〜ちゃんはメチャクチャ面白かったし、演出もメチャクチャカッコ良かった。途中、クレーンのようなものに乗って、客席の上を3人が飛んでいた。かしゆかゴメン、スカートの中凝視しちゃった。ゴメン。
ちなみに、降ってきた銀テープと3人のコメント入り風船はきちんと確保できた。
ライブが終わっても尚、高揚していた。アドレナリン出まくり、であった。でもお腹が空いたので水道橋まで歩いて、ラーメンを食べに行った。
道中、イブなのでカップルがたくさんいた。自分はオジサンの友人らしき人とも別れ、大荷物を抱え、ひとりぼっちで歩いて、ひとりぼっちでラーメンをすすった。なんだか急に寂しくなった。
20そこそこの女が、ひとり、大荷物抱えて、クリスマスイブの夜に、ラーメンを食べている。しかし私は楽しかったのだ。それで良いのだ。
次の日、私は筋肉痛で動けなかった。飛び跳ね続けた脚、振り続けていた腕がピクピクとしていて、布団から出られなかった。
でも、Perfumeのほうがもっとずっと激しく踊っていた。彼女たちは今日もまた同じように踊るのか。信じられない。彼女たちは人間ではないのではないかとさえ思った。人間じゃないのなら、天使かも。
布団の中でPerfumeを想い、物販で買ったものを眺めてニヤついていたとき、携帯が鳴った。先月私を捨てた男から会おうよとメールが届いていた。死ねと呟き私は寝た。
夜、家のチャイムが鳴った。ドアスコープを覗くと先の男が立っていた。どうやら私を捨てたときに付き合っていた女に捨てられたらしい。ざまあみろ。
居留守を使い、ツイッターでPerfumeと検索をかけて、楽しげなツイートをお気に入りに入れる作業を続けた。チャイムの音がうるさかったが、時折、チャイムのリズムがそのときのBGMにしていたMagic Of Loveと重なる瞬間があった。悪くない。
もしライブに行っていなかったら、ドアを開けてそいつを受け入れていたかもしれないと思うと、たくさんの感謝の気持ちが湧いてきた。ありがとうPerfume。ありがとうオジサン。
先日、オジサンとオジサンの友人らしき人が結婚したらしく、報告を貰った。おめでとうございます、と喜んで見せたのだが、正直戸惑った。
オジサンの友人らしき人、女の人、だったのか。
オジサンの友人らしき男の人だと思っていた女性(よく見ると普通に女の人だった)からその時のことを感謝された。オジサンが連れてくる代理が男でもなく、年の近い女でもなく、倍近く離れた女だったから、この人なら私の気持ちを分かってくれている、安心できると思ったらしい。
その論理は私には全く分からなかったが、とにかくそうだったらしい。
あの時私がライブに行きますと返事をしなかったら2人の未来は変わっていたのかもしれないとのこと。
東京ドーム何個分って聞くといつも思い出すことがある。
俺は奈良の生まれなのだけど、この町っていうのが古墳とオークタウンくらいしかないまあ見事に何にもない町だった。俺はこの町のことが嫌いで中学出たらとにかく東京に行きたいって思ってた。近所に住んでた幼馴染の女の子といつも東京の話ばっかりしてた。いつか出ていこう。東京でなんかしよう。そんな話ばっかり。
うんまあみなさんご想像通り。俺は彼女のことが好きだった。彼女は学校でも人気者で、一方俺は地味でプライドばっかり高くて友達も少なくて、お互い学校ではそっけない感じだったけど、近所の公園では二人でずっと東京の話ばっかりしてた。
「東京ドーム何個分?」
彼女が言う。なんかでかいこと言うときには決まって東京ドームで数えてた。だいたい最後にはどインフレして東京ドーム1000個分のケーキ買おうぜ、とかそんな話になってた。俺たちにとって東京ドームが東京だった。
そんなしょうもない幼馴染な関係だったけど、夏祭りの夜に1回だけ告白したことがある。
「えー、そんだけ?すくないなぁ」
「いいんだよ最初はそれくらいで」
「最初って?」
若かったな。小学生だしな。しゃーないな。
それでもまあ告白後もあんまり関係は変わらず、突然その日がやってきた。
「こんど東京いくの」
ビックリした。先を越されたと思った。なんでもアイドルになるとかでマジかと思った。実際、TVで見たときは完全にアイドルしててあいつじゃないみたいだった。
彼女はあっというまにTVの中の人になってた。俺は中学生になった。TVで彼女を見るのはなんだかつらくて、ちょいちょいチャンネル変えてた。なんだこれ。
東京行くのいやになった。
その後も彼女は売れっ子になってTVで見ない日はなかった。彼女はアイドルというにはちょっと太ってきていて、でもそんなところも愛されていてファンの間じゃあ「彼女が宇宙にしめる体積が増えてうれしい」なんて言われてるって聞いた。ネットで。
もう完全に芸能人だった。彼女のことを好きな気持ちはやっぱりあって、でも芸能人と一般人とじゃどうにもならない。なんだこの気持ち。
前に進めない。そんな感じがした。この気持ちにケリをつけたいって思った。
それで俺は男友達をさそって東京ドームのコンサートに行くことにしたのだった。
スモーク。ライト。大音響。ステージ上には彼女を含めた数人のアイドルたち。踊る。歌う。米粒みたいに小さい。双眼鏡を通して彼女を見るとTVで見てるのと同じ距離を感じた。
彼女のために集まったファンだった。
ペンライトの数だけ彼女への愛で埋め尽くされているのだった。無数の光の点滅にめまいがした。
なんとなくわかった。
東京ドーム1個分の好きって気持ちはこれだけのものだったんだ。
TVの向こうにはきっとこの東京ドームの好きって気持ちの何百倍もの好きがある。
俺が告白した時に彼女の言った「すくないなぁ」がなんだかつらかった。
いや。もちろん彼女の「すくないなぁ」をそうとるべきじゃないってのはわかってる。
でも、俺は彼女の「すくないなぁ」をそういう意味で理解することでやっと前に進めるようになったのだった。
あれから何年もたった。
今も彼女は太っているのかな。彼女がすこし太って宇宙に、いや、東京ドームにしめる体積が増えているなら、ちょっとうれしいなと、そう思う。
シューカツものを書いてる大学ジャーナリスト()のI.R.の書くモノがつまらないのは、当事者意識がゼロだからだよね。
彼は自分でまともなシューカツをやってないし、成功もしていない。シューカツやシューカツ生に対する愛がない。
まともな企業に採用された経験もないから、採用側の視点もないし(だから楽な大学ジャーナリストを名乗る)、
三幸製菓が「日本一短いES」をやっても、それがいまのシューカツのアンチテーゼということを掘り下げないんだよね。
どっちかというと彼は、さまつなシューカツのマナーとか思い込みの方を取り上げるよね。
それは当事者意識がないから無責任に書いてるだけでもない気もする。
いやー、家族会議なんてしたら、両家の両親とも育休中の家族の食事くらいなんとかしようよ…って言うと思うよ。
要領が悪いのは確かなんでしょう。でもそれは仕方ない。
今までは食事はおざなりでもなんとかなってたけど、もう今までのやり方では立ち行かなくなってしまったのは確かなのでやり方を変えてくしか無いのでは。
今でもこんな惨状なのに、離乳食なんて始まったらどうなっちゃうの!?みたいな不安も喧嘩の原因なのでは。
冷蔵庫には一膳づつ小分けしたご飯常備する、生協とかの半調理品を冷凍庫にいっぱいストックする、料理が得意な旦那の休日に常備菜をつくってもらう(増田はそれを教えてもらう)、毎日みそ汁か野菜スープだけはあるようにして(スープは大量に作り置きする)離乳食にも取り分けられるようにする、非常食目的でも和光堂のベビーフードは買い込んどく、とかだけでも空腹感や余裕の無さはすこし楽になると思うけど、もうこれくらいやってたらごめんやで。
育児中はみんな冷蔵ご飯チンして納豆かけてかっ込んですませたり、アルデンテのスパゲティ食べようとしたら大泣きされてのびのびスパゲティ食べる羽目になったり、
まあみんなそんなんだし赤ちゃん優先にしなくてもいいやってだんだん手を抜けられるようになると思うので、どうかがんがって手抜きをしてください。
父に殴られた。癌で胃を摘出した父の拳は羽のように軽かった。
僕には勇気がない。正しいことを言う勇気が。怒鳴られたくない、叱られたくない、殴られたくない。怖い思いをしたくない。
理不尽に母を怒鳴り、殴る父を見て育った。鼻血を流す母を何度も見た。鼓膜を破られたこともあるそうだ。
父は酒を飲み、暴力や暴言が増える典型的なアルコール依存症だった。
そんな父は僕には驚くほど優しかった。海や公園に連れて行ってもらった行ったり、一緒にゲームをしたり、充実した日々を送っていた。
だが、父は僕のことを怒鳴ったり、殴ったことがないわけではなかった。それは母に対するそれと異なり、決して理不尽なことばかりではなかった。
僕は父の逆鱗に触れぬよう、ニコニコ、ニコニコと笑顔を作り、楽しい、楽しいと口走っていた。
小さな僕の瞳の奥にあったのは暴力に対する憎悪と恐怖、そして父からの溢れんばかりの僕への愛情との葛藤だった。
僕が立派な体格だと人に言われる頃になると、父と母の怒鳴り合いは日課と化していた。怒鳴り声が交差する食卓に並べられた食事の味は怒号に掻き消された。
その頃、僕は猫を拾ってきた。野良猫の赤ん坊で、死にかけていたところを保護したのだ。
猫が好きな母と僕は猫をひどく可愛がるようになった。父も、以前犬を飼っていたことがあり僕の願いでもあり承諾をしてくれた。
半年程が過ぎると、父は猫に対し度々暴力を振るうようになった。猫が気持ち悪い、部屋に入るなと怒鳴りつけるようになった。
僕は父を殺してやろうかと思った。ここまで、クズだとは思わなかった。心底見下した。
僕は猫を父の部屋やリビングに入らないようにしつけ、保護した。てか、保護するっていうなら他の人に預けりゃいいのに、って書いてて思った
このまま数年が過ぎるが、父の猫への暴力は無くなったが嫌悪感は消えることなく、怒鳴りつける習慣は変わらなかった。
そんな中、父が胃ガンになった。胃を全摘することとなった。転移はなかったが、食事は大きく制限されることとなった。
ざまあみろ。そうは思わなかった。ここまで酷い父なのに、何故だか、ざまあみろという思いが出ない。むしろ、生きていてよかったと思った。
父が僕にくれた愛情は本物なのだ。本当に可愛がってくれていた。憎いはずなのに、僕の心が邪魔をする。ざまあみろ。だなんて口が裂けても言えない。僕を愛してくれている人に、そんなことは言えない。生きていて良かった。だが憎い。なんなんだこれは
胃を全摘した後の父の態度は増して傲慢になった。自分は障害者なのだからいたわれ、気が使えないやつだと母に当たり散らすようになった。
食事を満足にとれなくなった父のアルコールの量は日に日に増えて行き、母に対する暴言もアルコールに比例して増えていった。
このまま数年が過ぎる。
ある日、僕は父が猫を殴りつけるところを目撃した。
幼少期の記憶が僕を引き止めるのを振り払ってやめろ、と言うと殴られた。蹴られた。父の拳にはもう力はなかった。殺してやろうかと思った。しかし、小さな頃から今まで、遊んでもらったり、話をすることも楽しくなかったわけではなかった。父が今まで僕にくれた愛情は本物だ。
殴り返せなかった。父からの愛情が、僕を蹴飛ばした際に裂けた父の足を心配させる。殴られ、蹴られたが父の傷を心配してしまった。なんてダメなやつなんだろう。大好きな猫を守るではなく、矛盾した行動をとる自分が自分で理解が出来なかった。
翌日僕は家を飛び出した。20歳を過ぎたいい大人が家出だ。父を許せないから、ではなく父が怖かったからだ。死ね、と言われたのはさすがに初めてだったからだ。
知り合いの家を転々とし、数週間が過ぎると父から電話があった。謝りたい。と泣きながらの電話だった。
僕は父を殴り飛ばす気で帰宅した。この数週間で気持ちの整理がついたのだ。父は間違っている。僕は正しい。何もいっても僕が正しい。
家のリビングがいた父は、涙を流して謝罪をしてきた。なんて虫のいいやつ、このままぶん殴
ることは出来なかった。父からの涙ながらの謝罪が、僕への愛情を思い出させる。父からの愛情、笑顔、それは本物だ。この人は僕を愛してくれていて、ほんの気の迷いなのだ。
僕は笑顔でさらっと父と和解してしまった。殴れない。こんなクズ。と思うはずなのに殴れない。どうしてだ
家出騒動の数ヶ月後、母がついに逃げた。父の暴力に耐えきれず逃げた。僕は心底父を軽蔑した。が、父からの愛情が邪魔をする
僕も母のようにまた家出し、孤独にさせるという復讐も出来たはずだ。しかし、父は父なのだ。愛情をくれたかけがえのない父を見捨てることは出来ない。
父は連日浴びるように酒を飲むようになった。母は一ヶ月が過ぎても連絡がつかなかった。
僕はこの問題に関して一切関与しなかった。家族のゴタゴタに巻き込まれるのはもうゴメンだと、体に染み付いてしまっているのだ。
そんな中、父が倒れた。医学に関する知識は乏しいので詳しいことは割愛するが、多量のアルコール摂取が影響して肝硬変を引き起こしてしまったらしい。
病院に運ばれた父は生死を彷徨った。手術室の前で医者から最善は尽くしますが、覚悟はしておいて下さい。と言われた。こんなセリフはドラマ以外で聞いたことがない。
このクズ、母に暴力を振るい、酒に溺れ死にかけるなど、自業自得じゃないか。と軽蔑するも、僕は父の容態を本気で心配していた。このまま死んでしまえ、なんて思えない。こんなクズ、死んで欲しくない。この気持ちは自分でも意味がわからない。なんだこれは
深夜と朝の境目頃になると、母の実家に一報が入ったのか、神妙な面持ちで母がやってきた。一ヶ月ぶりの対面だった。
母と僕は無言で手術室の前のソファで待っていた。
大手術だった。日が登り昼になるか、といった頃に医者が出てきた。
なんとか、容態は安定しています。このまま回復するでしょうとのことだった。
涙が止まらなかった。客観的に見ると僕は手術室に乗り込んでメスを奪い止めを刺しても良いぐらいなのだろう。
だが、涙が止まらなかった。生きていてよかった。母の神妙な面持ちは消えることがなかった。
その後、僕は久しぶりに声を交わした母から離婚を検討しているとの旨を聞いた。
しばらく考えた。こんなクズと一緒にいてやることはない。自由になって欲しかった。
答えがでた。僕は母に懇願した。
父を、見捨てないで欲しい。最後のチャンスを与えて欲しい。可哀想な人なんだ。ただ、弱い人なんだ
なんて俺は身勝手な人間なんだろう、母の人生をなんだと思っているんだ。
だが、父は父なのだ。こんな人間、クズだとも思うし、本気で底辺の人間だと思う、ただ、弱いんだ。弱い人なだけなのだ。
母は離婚を取りやめることにした。退院した父は胃に加え肝臓までもが機能しなくなってしまった。
父はそれ以来アルコールを摂取することは無くなった。母とは比較的良好な関係を築けているようだ。
父の傲慢な態度は完全になくなったわけではないが、暴力や暴言は完全に無くなった。
なんか書いてて美談チックになってて気持ちわりい。正直今でも僕は父を軽蔑している。だが、心から憎いわけではないこの複雑な感情はまだ続いている。
(追記、手術の内容について)
あまり医学に詳しく無いので間違っているかもしれないんだけど、肝臓の機能が悪くなったことが影響して静脈瘤というのが破裂して血が止まらなくなったのよ。
父は心臓も悪く血液の流れを良くする?薬を服用しててその副作用として血が全く止まらなくなるみたいで、その血を止めるための手術をしてたわけで肝硬変の治療のための手術じゃないっす。出血っていうと大したこと無さそうだけど比喩じゃなく体の血全部入れ替わったらしい。輸血パックの量見て引いたわ。説明すると見ての通りにくどすぎるんで適当に肝硬変とか書いちゃったゴメンネ
すごいわかる。
自分には夫が居て、夫を殺人犯の夫には決してしたくないので今は実行する気はないが
夫がもし何らかの事情で急逝でもしたら絶対にそいつを殺しに行く。
うわあああとはならない。どのように残虐に殺すかを考えるのはとても楽しい。私もそいつ自身から物理的にではないが精神的にとても残虐に傷つけられ、対人恐怖症に陥り社会生活全般に支障をきたしたのでこれは仕方がない。
ゆえにそいつはもし心当たりがあるなら私の夫の健康と幸せを全力で祈るべきだな、お前を殺したいほど憎んでる私の、その最愛の夫の幸せをだ、せいぜい祈れ、ざまあみろ、といつも思う。
その日の朝、A部はいつもと同じ時間に目を覚ました。最近は歳のせいか、ずいぶんと早い時間に起きるようになった。
国会が開会中のため、今日の定例閣議は9時からだ。それまでは特に予定は入っていない。朝食を取りながら、昨日見られなかった続きもののドラマを見ることにしよう。
ダイニングに降りると、A恵がすでに朝食の用意を済ませていた。平和な朝だ。週刊誌が文部科学大臣のスキャンダルを騒ぎ立てているようだが、あの内容であれば守りきれるだろう。このタイミングで閣僚をもう一人辞めさせるわけにはいかない。
A部がドラマを見るためにHDDレコーダーのリモコンを手にとったところで、電話が鳴った。どうやら秘書官からのようだ。こんな早い時間に連絡してくるというのは、何かあったのかもしれない。
「私だが」
「そ、総理、大変です!」
受話器越しにも、秘書官が動揺しているのが分かる。
「どうした?」
「S村大臣との連絡が取れません」
「なんだと!自宅に電話はしたのか」
「それが、夫人ともども連絡が取れないのです」
「まさか、あれしきの記事でバカなことをしたわけじゃないだろうな!」
安倍は録画したドラマを諦めて、すぐに官邸に向かうことにした。秘書官には早急に全閣僚を官邸に招集するよう命じた。
いつものリムジンで官邸に向かう途中、電話で官房長官のSを呼び出す。S村の件での対応を相談するためだ。万が一のさいのマスコミ対策などについて話し合う。憲法を改正するまでは、なんとしても私の内閣を終わらせるわけにはいかない。だが、とにかく情報が少なすぎる。
A部がふと窓の外に目をやると、いつもなら通勤途中のサラリーマンでごった返しているはずの道が妙に静かなことに気づく。東京の街はこんなにも人が少なかっただろうか…。
やがて、官房長官のS、財務大臣のA生、防衛大臣のE渡、国家公安委員長のY谷らが慌てて部屋に入ってきた。だが、文部科学大臣のS村は言うまでもなく、外務大臣や厚生労働大臣、国土交通大臣など10人近い閣僚が姿を見せない。
「どういうことだ!」
思わず、A部は立ち上がった。
「K田大臣のご自宅に連絡したところ、奥様が電話にお出になられて、今朝からご主人の行方が分からないそうなのです」
「テロか?」
「強引に連れ去られたといった様子はなく、ただこつ然といなくなったのだそうです」
A部は思わず腰を落とす。
「いったい、何が起きているんだ…」
***
ほとんどの職員が出庁してこないのだ。姿を見せたのは、清掃職員や食堂のおばちゃん、あとはごくわずかのノンキャリア組だけだ。なにせ人がいないのでパニックは起きない。だが、がらんとした庁舎のなかで、出る者のいない電話だけが狂ったように鳴り響いていた。
「いったい、何が起きているんだ…」
***
だが、「何が起きたのか」はすぐに判明した。文京区本郷、左京区吉田、青葉区片平、豊中、北区札幌、千種区東山、東区箱崎、国立、目黒区大岡山、港区三田、そして新宿区早稲田。
いつもなら若者たちの声が響いているはずのキャンパスが廃墟のように静まり返っていた。わずかな数の教職員だけが、人の姿を求めてキャンパスのなかをさまよっていた。
東大、京大、東北大、大阪大、北海道大、名古屋大、一橋大、東工大、慶応大、早稲田大という日本を代表する大学の現役学生およびそのOB/OG全員が突如として姿を消したのだ。
***
「これで日本に残されたエリート大学は上智大とICUだけだな」
「横国を忘れてやいませんかね」
「日・本・の・最・高・学・府 筑波大学ですが何が」
「駅弁の医学部のほうが慶応とか早稲田の文系の連中のほうが偏差値はずっと上だから、その連中が無事だってことは、偏差値が高いから消えたってわけでもなさそうだな」
***
A倍は残された閣僚でとりあえず対応を検討していた。だが、家族がいなくなってしまったという閣僚は早々に退散してしまい、残った閣僚も前代未聞の事態に誰もが言葉を失っている。
A倍はやはりそこが気になる。
「自衛隊は幹部クラスを除けば、大丈夫だと思います。幹部クラスには東大卒が結構いましたが、防大出身者で中核は固めていますので」
防衛大臣のE渡が答えた。
「中央官庁はほとんど消滅に近いようです。大手企業の本社も潰滅状態に近いところが多いようですし、地方自治体も上級職では相当の被害が出ているようです。鉄道や電力などのインフラは現場の判断でなんとか回しているようですが、この事態が長引けばやがて混乱が拡大していくでしょう」
「そうか、やはり日本は学歴エリートなどいなくても回るんだな」
A倍は少し笑みを浮かべた。何よりも嬉しいのは、この事態になってもマスコミの連中がほとんど動いていないことだ。特に高学歴者で占められた大手マスコミは消滅に近い状態になっている。朝○、朝○、朝○。あの偽善者どもが集団でいなくなってくれたのは日本の国益としか言いようがない。
「しかし、情報が流れないと、大きな混乱が生じることになりかねません」
官房長官のSが眉を寄せる。
A部は少し考えて秘書官に命じる。
「よし、私が直接に国民に話そう。テレビカメラさえあればいい。NHKに連絡してくれ。内容については任せる」
いつの間にか、A部は事態を楽しみ始めていた。盟友のS村がいなくなったのは確かに痛手だが、懐刀のSがいるし、なによりもこれで自分の学歴がバカにされることはなくなる。
名ばかり大臣のポストに押し込めたI破や、賢しらな外務大臣のK田が時折自分に向けてくる見下すような眼差し―――。思い返すだけでムカムカしてくるが、それからようやく解放される。もちろん、こんな思いは胸の深いところにしまっておかねばならない。だが、どこかでざまあみろと思う自分がいることも確かなのだ。
「5時から放送ができるようです。NHKでも会長を始めとして、幹部職がほとんど消失したようです」
A部は自分がゴリ押ししたNHK会長の顔を思い浮かべた。まあ、あんなのの代わりはいくらでもいる。
そういえば。
リムジンに乗り込みながらA部は思い出した。今朝見損ねたドラマ。あのドラマの主人公を演じていたのはたしかどこかの有名大学の出身だったような気がする。まあいい、ドラマよりももっと面白いことが、いまこの国には起きているのだ―――。
すぐにそうだそうだと、周りの同じく働き始めている奴らも同調した。
「そうだね、働いてる人たちは本当にすごいと思うよ。就活したくないな。」
隣の席の女子がそう答えたので、自分は返事をしないでその場は終わった。
その言葉が帰り道もずっと引っかかっていた。
言葉自体ではなく、あいつらに言われたということに引っかかっていた。
確かに大学生は気楽かもしれない。
(この文章を見ても分かると思うが、)自分は優秀な方とは言えない。
そこそこのレベルの高校へ行き、そこそこのレベルの大学へ行った。
その間、気楽でいいねと言った奴らは勉強もせずに放課後遊び歩いていた。
高校も馬鹿高と言われる所にしか入れず、高校でも勉強を疎かにし、そのまま就職した。
そしてクラス会での話を聞くところによると、今つらい思いをしているのだろう。
自業自得だ。
自分や他の生徒たちが勉強をしている間に全部放り投げて、気楽に遊びまわっていたくせに。
自分たちのことを気楽だね、とさもあいつらの方が苦労しているかのような言葉をよく投げられたもんだ。
中学時代、高校時代、教師や親は「今勉強しないと、将来もっと苦労する」と必ずどこかで言ってくれたはずだ。
それを無視したのはお前たちだ。
きっとあいつらは、なぜあいつらが苦労していかなくてはいけないのか、
自分たちが楽に見えるのかどうか気づかずに
世間に文句ばっかり言って、反省なんてせずに、他人を羨んで生きていくんだろう。
ざまあみろ。