はてなキーワード: 国際連合憲章とは
馬鹿じゃねえの?
「日本の産経新聞が違反してるのは加盟規約」である以上、内政不干渉の原則は働くんだよ
破ったのが気に食わないなら追い出せばいい
なんらかのペナルティーなりがあるなら法の範囲で好きにすればいい
ただそれを禁止する規約が正当かどうかまでは法的根拠に則った判断が必要であるし、「仮にも国連機関であるところ」が統計的、もしくは科学的根拠もなく「ステレオタイプの助長につながる」とまで抜かした
これは下手したら「国連が決めたルール」である「国際連合憲章第2条第7項」に違反しかねない言動なんだよ。
注:増田は政府・自民党関係者ではなく、また、海洋法については全くの素人なので、以下の解釈が政府・自民党の見解か、また、正しい法解釈か否かについて、全く自信がありません。
報道によれば、中国海警局の船が尖閣諸島への接近・上陸を試みた場合に、警察官職務執行法7条を根拠として、危害射撃が可能であるとの見解を示したとのこと。
外国軍艦・政府公船に対する武器使用が、国際海洋法条約29〜32条および95,96条に反するのでは無いか、との指摘があります。
前提として、すべての国の船舶は領海において無害通行権を有する(条約17条)、逆に言えば、外国領海における通行以外の行為および有害な通行は主権侵害となります。
すべての国の船舶は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、この条約に従うことを条件として、領海において無害通航権を有する。
(a)内水に入ることなく又は内水の外にある停泊地若しくは港湾施設に立ち寄ることなく領海を通過すること。
(b)内水に向かって若しくは内水から航行すること又は(a)の停泊地若しくは港湾施設に立ち寄ること。
2 通航は、継続的かつ迅速に行わなければならない。ただし、停船及び投びょうは、航行に通常付随するものである場合、不可抗力若しくは遭難により必要とされる場合又は危険若しくは遭難に陥った人、船舶若しくは航空機に援助を与えるために必要とされる場合に限り、通航に含まれる。
1 通航は、沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない限り、無害とされる。無害通航は、この条約及び国際法の他の規則に従って行わなければならない。
2 外国船舶の通航は、当該外国船舶が領海において次の活動のいずれかに従事する場合には、沿岸国の平和、秩序又は安全を害するものとされる。
(a)武力による威嚇又は武力の行使であって、沿岸国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対するもの又はその他の国際連合憲章に規定する国際法の諸原則に違反する方法によるもの
(c)沿岸国の防衛又は安全を害することとなるような情報の収集を目的とする行為
C 軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に適用される規則
この条約の適用上、「軍艦」とは、一の国の軍隊に属する船舶であって、当該国の国籍を有するそのような船舶であることを示す外部標識を掲げ、当該国の政府によって正式に任命されてその氏名が軍務に従事する者の適当な名簿又はこれに相当するものに記載されている士官の指揮の下にあり、かつ、正規の軍隊の規律に服する乗組員が配置されているものをいう。
軍艦が領海の通航に係る沿岸国の法令を遵守せず、かつ、その軍艦に対して行われた当該法令の遵守の要請を無視した場合には、当該沿岸国は、その軍艦に対し当該領海から直ちに退去することを要求することができる。
第三十一条 軍艦又は非商業的目的のために運航するその他の政府船舶がもたらした損害についての旗国の責任
旗国は、軍艦又は非商業的目的のために運航するその他の政府船舶が領海の通航に係る沿岸国の法令、この条約又は国際法の他の規則を遵守しなかった結果として沿岸国に与えたいかなる損失又は損害についても国際的責任を負う。
第三十二条 軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に与えられる免除
この節のA及び前二条の規定による例外を除くほか、この条約のいかなる規定も、軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に与えられる免除に影響を及ぼすものではない。
公海上の軍艦は、旗国以外のいずれの国の管轄権からも完全に免除される。
第九十六条 政府の非商業的役務にのみ使用される船舶に与えられる免除
国が所有し又は運航する船舶で政府の非商業的役務にのみ使用されるものは、公海において旗国以外のいずれの国の管轄権からも完全に免除される。
条約95、96条によって外国軍艦・公船に与えられる管轄免除はあくまで公海上についてなので、上陸を試みるがごとき領海内の行為については適用がありません。
また、19条2項によれば沿岸国は、無害でない通航を防止するため、自国の領海内において必要な措置をとることができる
(25条1項)。
というか、そもそも上陸を試みるのは通行
の定義(18条)に当てはまらず、もともと無害通行権の適用外のように見えます。
そうすると、尖閣諸島周辺の領海への侵入・上陸は、軍艦・公船といえども国際海洋法条約で保護されている場面では無いので、これに対して主権を行使することは、国際海洋法条約に抵触しないと言えるように思います。
第七条 警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条(正当防衛)若しくは同法第三十七条(緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
一 死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁こにあたる兇悪な罪を現に犯し、若しくは既に犯したと疑うに足りる充分な理由のある者がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。
二 逮捕状により逮捕する際又は勾引状若しくは勾留状を執行する際その本人がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。
警察官職務執行法7条は海上保安庁法20条1項で準用されているため、海上保安官及び海上保安官補も警職法7条に従って武器使用が可能です。
第二十条① 海上保安官及び海上保安官補の武器の使用については、警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)第七条の規定を準用する。
② 前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により武器を使用する場合のほか、第十七条第一項の規定に基づき船舶の進行の停止を繰り返し命じても乗組員等がこれに応ぜずなお海上保安官又は海上保安官補の職務の執行に対して抵抗し、又は逃亡しようとする場合において、海上保安庁長官が当該船舶の外観、航海の態様、乗組員等の異常な挙動その他周囲の事情及びこれらに関連する情報から合理的に判断して次の各号のすべてに該当する事態であると認めたときは、海上保安官又は海上保安官補は、当該船舶の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のあるときには、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。
一 当該船舶が、外国船舶(軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であつて非商業的目的のみに使用されるものを除く。)と思料される船舶であつて、かつ、海洋法に関する国際連合条約第十九条に定めるところによる無害通航でない航行を我が国の内水又は領海において現に行つていると認められること(当該航行に正当な理由がある場合を除く。)。
海上保安官が武器を使用する場合、通常は、個別法である海上保安庁法20条2項を使ってるのではないかと思います。
海上保安庁法20条2項は括弧書きで軍艦および政府公船を適用対象外としているので、同項では、(たとえ無害通行では無い場合であっても)外国の軍艦および政府公船に対して武器を使用することはできません。
もっとも、海上保安庁法20条2項はあくまで前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により武器を使用する場合のほか
について定めるものなので、同項があるからといって警職法7条による武器使用は制限されないといえます。
警職法7条によっても、危害射撃が可能となるのは、法定刑が長期3年以上の自由刑以上にあたる兇悪な罪
の現行犯等か、または身体拘束令状の執行に関するときだけです。法定刑長期3年以上の単なる「犯罪」ではなく兇悪な
と付いており、警察官等けん銃使用取扱規範では次のように例示されています。
警察官等けん銃使用及び取扱い規範(昭和三十七年国家公安委員会規則第七号)
第二条
2 警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号。以下「法」という。)第七条ただし書第一号に規定する「死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁こ、にあたる兇悪な罪」に当たる罪を例示すると、次のとおりである。
一 不特定若しくは多数の人の生命若しくは身体を害し、又は重要な施設若しくは設備を破壊するおそれがあり、社会に不安又は恐怖を生じさせる罪として次に掲げるもの
イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第七十七条(内乱)、第八十一条(外患誘致)、…(略)…の罪
チ イからトまでに掲げる罪のほか、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪で、不特定若しくは多数の人の生命若しくは身体を害し、又は重要な施設若しくは設備を破壊するおそれがあり、社会に不安又は恐怖を生じさせるもの
ロ イに掲げる罪のほか、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪で、人の生命又は身体に危害を与えるもの
三 前二号に掲げる罪のほか、人の生命又は身体に対して危害を及ぼすおそれがあり、かつ、凶器を携帯するなど著しく人を畏怖させるような方法によつて行われる罪として次に掲げるもの
ト イからヘまでに掲げる罪のほか、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪で、人の生命又は身体に対して危害を及ぼすおそれがあり、かつ、凶器を携帯するなど著しく人を畏怖させるような方法によつて行われるもの
さて、上記の例時列挙を前提とした場合、尖閣諸島に対する侵略行為は、どのような兇悪な罪
に該当することになるでしょうか。
外国からの侵略ということで真っ先に連想されるのは外患誘致罪です。
(外患誘致)
第81条 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。
(外患援助)
第82条 日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。
軍艦で上陸した時点で武力を行使
にあたると考えれば、その軍務に服し
ている者には外患援助罪(刑法82条)が成立するかもしれません。
ただし、外患援助罪は、警察官等けん銃使用取扱規範における兇悪な罪
の明示的な列挙からは除外されています。
とはいえ、同規範はあくまで例示列挙であり、同項3号トに人の生命又は身体に対して危害を及ぼすおそれがあり、かつ、凶器を携帯するなど著しく人を畏怖させるような方法によつて行われるもの
という一般規定があります。領域の侵略に際しては武器を携帯しているでしょうから、同号の要件は充足する場合が多いかと思います。
なお、出入国管理法による不法入国の罪の法定刑も長期3年以上なので、外患援助罪ではなくこちらを使う余地もあるかもしれません。ただし、不法入国の罪は一般論としては兇悪な罪
と言いにくい面があるので、外患援助罪の方が適切でないかと思います。
出入国管理及び難民認定法
第3条 ① 次の各号のいずれかに該当する外国人は、本邦に入つてはならない。
一 有効な旅券を所持しない者(有効な乗員手帳を所持する乗員を除く。)
二 入国審査官から上陸許可の証印若しくは第九条第四項の規定による記録又は上陸の許可(以下「上陸の許可等」という。)を受けないで本邦に上陸する目的を有する者(前号に掲げる者を除く。)
第70条 ① 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
http://b.hatena.ne.jp/search/text?q=%2Fcomment%2FCunliffe&safe=on&sort=recent&users=1
cloqたん他、色んな人が教えてくれるよおおお
maturi ほんとうのリフレをわかっていない
cider_kondo なぜそんなデマを書くのでしょうか。安保理決議2118(2013)http://www.unic.or.jp/files/s_res_21181.pdf に化学兵器の使用には『国際連合憲章第7章の下での措置を課すことを決定する』と明記されています。
ググレカス曰く「ほかにすることはないのですか」
http://www.geocities.jp/koreanlaws/kenpou.html
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/3277/2013kenpou.html
http://www.fitweb.or.jp/~nkgw/dgg/index.htm
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8186538
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19490404.T1J.html
他の同盟国はアメリカ本国への攻撃を自国の危険とみなす条項があるけど、日米安保にはそれがない。
第五条
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宜言{宜はママ}する。
前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事国が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。
第五条
締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなすことに同意する。したがつて、締約国は、そのような武力攻撃が行われたときは、各締約国が、国際連合憲章第五十一条の規定によつて認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む。)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する。
前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。
第六条
第五条の規定の適用上、一又は二以上の締約国に対する武力攻撃とは、次のものに対する武力攻撃を含むものとみなす。
(i)ヨーロッパ若しくは北アメリカにおけるいずれかの締約国の領域、フランス領アルジェリアの諸県、トルコの領土又は北回帰線以北の北大西洋地域におけるいずれかの締約国の管轄下にある島
(ii)いずれかの締約国の軍隊、船舶又は航空機で、前記の地域、いずれかの締約国の占領軍が条約の効力発生の日に駐とんしていたヨーロッパの他の地域、地中海若しくは北回帰線以北の北大西洋地域又はそれらの上空にあるもの
第四条
各締約国は、太平洋地域におけるいずれか一方の締約国に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。
第五条
第四条の規定の適用上、いずれか一方の締約国に対する武力攻撃は、いずれか一方の締約国の本国領域又は太平洋地域にある同国の管轄下にある島又は太平洋地域における同国の軍隊、公船若しくは航空機に対する武力攻撃を含むものとみなされる。
第四条
各締約国は、太平洋地域におけるいずれかの締約国に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときには、終止しなければならない。
第五条
第四条の規定の適用上、いずれかの締約国に対する武力攻撃は、いずれかの締約国の本国領域、又は太平洋にある同国の管轄下にある諸島又は太平洋における同国の軍隊、公船若しくは航空機に対する武力攻撃を含むものとみなされる。
各締約国は、現在それぞれの行政的管理の下にある領域又はいずれか一方の締約国が他方の締約国の行政的管理の下に適法に置かれることになつたものと今後認める領域における、いずれかの締約国に対する太平洋地域における武力攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
ここはそうじゃないとか、いろいろ教えていただけると嬉しいです。
2014年7月1日
閣議決定全文
わが国は、戦後一貫して日本国憲法の下で平和国家として歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持しつつ、国民の営々とした努力により経済大国として栄え、安定して豊かな国民生活を築いてきた。また、わが国は、平和国家としての立場から、国際連合憲章を順守しながら、国際社会や国連をはじめとする国際機関と連携し、それらの活動に積極的に寄与している。こうしたわが国の平和国家としての歩みは、国際社会において高い評価と尊敬を勝ち得てきており、これをより確固たるものにしなければならない。
一方、日本国憲法の施行から67年となる今日までの間に、わが国を取り巻く安全保障環境は根本的に変容するとともに、さらに変化し続け、わが国は複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に直面している。国連憲章が理想として掲げたいわゆる正規の「国連軍」は実現のめどが立っていないことに加え、冷戦終結後の四半世紀だけをとっても、グローバルなパワーバランスの変化、技術革新の急速な進展、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発および拡散、国際テロなどの脅威により、アジア太平洋地域において問題や緊張が生み出されるとともに、脅威が世界のどの地域において発生しても、わが国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る状況になっている。さらに、近年では、海洋、宇宙空間、サイバー空間に対する自由なアクセスおよびその活用を妨げるリスクが拡散し深刻化している。もはや、どの国も一国のみで平和を守ることはできず、国際社会もまた、わが国がその国力にふさわしい形で一層積極的な役割を果たすことを期待している。
政府の最も重要な責務は、わが国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の命を守ることである。わが国を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、政府としての責務を果たすためには、まず、十分な体制をもって力強い外交を推進することにより、安定しかつ見通しがつきやすい国際環境を創出し、脅威の出現を未然に防ぐとともに、国際法にのっとって行動し、法の支配を重視することにより、紛争の平和的な解決を図らなければならない。
さらに、わが国自身の防衛力を適切に整備、維持、運用し、同盟国である米国との相互協力を強化するとともに、域内外のパートナーとの信頼および協力関係を深めることが重要である。特に、わが国の安全およびアジア太平洋地域の平和と安定のために、日米安全保障体制の実効性を一層高め、日米同盟の抑止力を向上させることにより、武力紛争を未然に回避し、わが国に脅威が及ぶことを防止することが必要不可欠である。その上で、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くとともに、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の下、国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献するためには、切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備しなければならない。
5月15日に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」から報告書が提出され、同日に安倍晋三首相が記者会見で表明した基本的方向性に基づき、これまで与党において協議を重ね、政府としても検討を進めてきた。今般、与党協議の結果に基づき、政府として、以下の基本方針に従って、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な国内法制を速やかに整備することとする。
(1)わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを考慮すれば、純然たる平時でも有事でもない事態が生じやすく、これによりさらに重大な事態に至りかねないリスクを有している。こうした武力攻撃に至らない侵害に際し、警察機関と自衛隊を含む関係機関が基本的な役割分担を前提として、より緊密に協力し、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するための態勢を整備することが一層重要な課題となっている。
(2)具体的には、こうしたさまざまな不法行為に対処するため、警察や海上保安庁などの関係機関が、それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応するとの基本方針の下、おのおのの対応能力を向上させ、情報共有を含む連携を強化し、具体的な対応要領の検討や整備を行い、命令発出手続きを迅速化するとともに、各種の演習や訓練を充実させるなど、各般の分野における必要な取り組みを一層強化することとする。
(3)このうち、手続きの迅速化については、離島の周辺地域等において外部から武力攻撃に至らない侵害が発生し、近傍に警察力が存在しない場合や警察機関が直ちに対応できない場合(武装集団の所持する武器等のために対応できない場合を含む)の対応において、治安出動や海上における警備行動を発令するための関連規定の適用関係についてあらかじめ十分に検討し、関係機関において共通の認識を確立しておくとともに、手続きを経ている間に、不法行為による被害が拡大することがないよう、状況に応じた早期の下令や手続きの迅速化のための方策について具体的に検討することとする。
(4)さらに、わが国の防衛に資する活動に現に従事する米軍部隊に対して攻撃が発生し、それが状況によっては武力攻撃にまで拡大していくような事態においても、自衛隊と米軍が緊密に連携して切れ目のない対応をすることが、わが国の安全の確保にとっても重要である。自衛隊と米軍部隊が連携して行う平素からの各種活動に際して、米軍部隊に対して武力攻撃に至らない侵害が発生した場合を想定し、自衛隊法第95条による武器等防護のための「武器の使用」の考え方を参考にしつつ、自衛隊と連携してわが国の防衛に資する活動(共同訓練を含む)に現に従事している米軍部隊の武器等であれば、米国の要請または同意があることを前提に、当該武器等を防護するための自衛隊法第95条によるものと同様の極めて受動的かつ限定的な必要最小限の「武器の使用」を自衛隊が行うことができるよう、法整備をすることとする。
ア いわゆる後方支援と言われる支援活動それ自体は、「武力の行使」に当たらない活動である。例えば、国際の平和および安全が脅かされ、国際社会が国連安全保障理事会決議に基づいて一致団結して対応するようなときに、わが国が当該決議に基づき正当な「武力の行使」を行う他国軍隊に対してこうした支援活動を行うことが必要な場合がある。一方、憲法第9条との関係で、わが国による支援活動については、他国の「武力の行使と一体化」することにより、わが国自身が憲法の下で認められない「武力の行使」を行ったとの法的評価を受けることがないよう、これまでの法律においては、活動の地域を「後方地域」や、いわゆる「非戦闘地域」に限定するなどの法律上の枠組みを設定し、「武力の行使との一体化」の問題が生じないようにしてきた。
イ こうした法律上の枠組みの下でも、自衛隊は、各種の支援活動を着実に積み重ね、わが国に対する期待と信頼は高まっている。安全保障環境がさらに大きく変化する中で、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、国際社会の平和と安定のために、自衛隊が幅広い支援活動で十分に役割を果たすことができるようにすることが必要である。また、このような活動をこれまで以上に支障なくできるようにすることは、わが国の平和および安全の確保の観点からも極めて重要である。
ウ 政府としては、いわゆる「武力の行使との一体化」論それ自体は前提とした上で、その議論の積み重ねを踏まえつつ、これまでの自衛隊の活動の実経験、国連の集団安全保障措置の実態等を勘案して、従来の「後方地域」あるいはいわゆる「非戦闘地域」といった自衛隊が活動する範囲をおよそ一体化の問題が生じない地域に一律に区切る枠組みではなく、他国が「現に戦闘行為を行っている現場」ではない場所で実施する補給、輸送などのわが国の支援活動については、当該他国の「武力の行使と一体化」するものではないという認識を基本とした以下の考え方に立って、わが国の安全の確保や国際社会の平和と安定のために活動する他国軍隊に対して、必要な支援活動を実施できるようにするための法整備を進めることとする。
(ア)わが国の支援対象となる他国軍隊が「現に戦闘行為を行っている現場」では、支援活動は実施しない。
(イ)仮に、状況変化により、わが国が支援活動を実施している場所が「現に戦闘行為を行っている現場」となる場合には、直ちにそこで実施している支援活動を休止または中断する。
ア わが国は、これまで必要な法整備を行い、過去20年以上にわたり、国際的な平和協力活動を実施してきた。その中で、いわゆる「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行のための武器使用」については、これを「国家または国家に準ずる組織」に対して行った場合には、憲法第9条が禁ずる「武力の行使」に該当する恐れがあることから、国際的な平和協力活動に従事する自衛官の武器使用権限はいわゆる自己保存型と武器等防護に限定してきた。
イ わが国としては、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、国際社会の平和と安定のために一層取り組んでいく必要があり、そのために、国連平和維持活動(PKO)などの国際的な平和協力活動に十分かつ積極的に参加できることが重要である。また、自国領域内に所在する外国人の保護は、国際法上、当該領域国の義務であるが、多くの日本人が海外で活躍し、テロなどの緊急事態に巻き込まれる可能性がある中で、当該領域国の受け入れ同意がある場合には、武器使用を伴う在外邦人の救出についても対応できるようにする必要がある。
ウ 以上を踏まえ、わが国として、「国家または国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場しないことを確保した上で、PKOなどの「武力の行使」を伴わない国際的な平和協力活動におけるいわゆる「駆け付け警護」に伴う武器使用および「任務遂行のための武器使用」のほか、領域国の同意に基づく邦人救出などの「武力の行使」を伴わない警察的な活動ができるよう、以下の考え方を基本として、法整備を進めることとする。
(ア)PKO等については、PKO参加5原則の枠組みの下で、「当該活動が行われる地域の属する国の同意」および「紛争当事者の当該活動が行われることについての同意」が必要とされており、受け入れ同意をしている紛争当事者以外の「国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場することは基本的にないと考えられる。このことは、過去20年以上にわたるわが国のPKO等の経験からも裏付けられる。近年のPKOにおいて重要な任務と位置付けられている住民保護などの治安の維持を任務とする場合を含め、任務の遂行に際して、自己保存および武器等防護を超える武器使用が見込まれる場合には、特に、その活動の性格上、紛争当事者の受け入れ同意が安定的に維持されていることが必要である。
(イ)自衛隊の部隊が、領域国政府の同意に基づき、当該領域国における邦人救出などの「武力の行使」を伴わない警察的な活動を行う場合には、領域国政府の同意が及ぶ範囲、すなわち、その領域において権力が維持されている範囲で活動することは当然であり、これは、その範囲においては「国家に準ずる組織」は存在していないということを意味する。
(ウ)受け入れ同意が安定的に維持されているかや領域国政府の同意が及ぶ範囲等については、国家安全保障会議(NSC)における審議等に基づき、内閣として判断する。
(エ)なお、これらの活動における武器使用については、警察比例の原則に類似した厳格な比例原則が働くという内在的制約がある。
(1)わが国を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、これまでの憲法解釈のままでは必ずしも十分な対応ができない恐れがあることから、いかなる解釈が適切か検討してきた。その際、政府の憲法解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。したがって、従来の政府見解における憲法第9条の解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための論理的な帰結を導く必要がある。
(2)憲法第9条はその文言からすると、国際関係における「武力の行使」を一切禁じているように見えるが、憲法前文で確認している「国民の平和的生存権」や憲法第13条が「生命、自由および幸福追求に対する国民の権利」は国政の上で最大の尊重を必要とする旨定めている趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条が、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を取ることを禁じているとはとうてい解されない。一方、この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。これが、憲法第9条の下で例外的に許容される「武力の行使」について、従来から政府が一貫して表明してきた見解の根幹、いわば基本的な論理であり、1972年10月14日に参院決算委員会に対し政府から提出された資料「集団的自衛権と憲法との関係」に明確に示されているところである。
この基本的な論理は、憲法第9条の下では今後とも維持されなければならない。
(3)これまで政府は、この基本的な論理の下、「武力の行使」が許容されるのは、わが国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると考えてきた。しかし、冒頭で述べたように、パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器などの脅威等によりわが国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的、規模、態様等によっては、わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得る。
わが国としては、紛争が生じた場合にはこれを平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くすとともに、これまでの憲法解釈に基づいて整備されてきた既存の国内法令による対応や当該憲法解釈の枠内で可能な法整備などあらゆる必要な対応を取ることは当然であるが、それでもなおわが国の存立を全うし、国民を守るために万全を期す必要がある。
こうした問題意識の下に、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、わが国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った。
(4)わが国による「武力の行使」が国際法を順守して行われることは当然であるが、国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要がある。 Permalink | 記事への反応(1) | 22:48
つい先日クリミアが独立宣言を行い、さらにロシアが併合を決定しました。
ここはてなでも一連の流れを受けて様々な議論が巻き起こっていますが、本稿ではクリミアがウクライナから独立した件に絞って、国際法の観点から分析していきたいと思います。併合の是非については触れません。あくまでも、分離独立した件についてのみです。なお、筆者はこの分野に明るくないので、間違いがあれば遠慮なく指摘してください。
「旧ソ連時代以来ウクライナ共和国内の自治共和国として存在していたクリミアが2014年3月11日に行った独立宣言の是非について」
新たな国家が成立するためには、(i)領土(ii)住民(iii)実効的な政府(iv)外交能力の四つが必要であるとされています(この内(iv)は(iii)の一部として考えられることがよくあります)。とは言え、これらは絶対的なものではなく、第二次大戦後の非植民地化の過程において、実効的政府要件に関しては「自決権」の名の下で緩和されることがよくありました。「自決権」とは何かというのはまた難しい話なのですが、国際人権規約共通第一条は、すべての人民がその政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する権利と定義しています。これに関連して、1960年に「植民地独立付与宣言」が国連総会で採択されましたが、その中で、植民地は、植民地住民の意志によって独立することが可能であるとしており、植民地住民の自決権を否定する"国家"は、たとえ上記の四要件を充足していても、"国家"として認められないこともありうるのです。この文脈において自決権は、政治的独立・自治達成のための根拠としてとらえられているので「外的自決権」とも称されます。
外的があるなら内的もありそうな話なのですが、実際にあります。「内的自決権」とは、植民地住民ではなく、独立国家内部の人民の自決権です。ここで注意しておきたいのは、分離独立は、元の国家が存在しているという点において分裂と異なり、植民地支配からの脱却のための自決権行使ともまた違うということです。
さて、国連総会が1970年に採択した友好関係原則宣言の中の一部を、少々長いですが、見てみましょう。注目すべき箇所は3/4あたりからのくだりです。
国際連合憲章にうたわれた人民の同権及び自決の原則によって、すべての人民は、外部からの介入なしに、その政治的地位を自由に決定し、その経済的、社会的及び文化的発展を追求する権利を有する。いずれの国も憲章の規定に従ってこの権利を尊重する義務を負う。
いずれの国も、共同の行動及び個別の行動を通じて、憲章の規定に従って、人民の同権及び自決の原則の実現を促進し、また、
(b)当該人民の自由に表明した意思に妥当な考慮を払って、植民地主義を早急に終了させること、
を目的として、かつ、外国による征服、支配及び搾取への人民の服従は、この原則に違反し、また基本的人権を否認するものであり、したがって憲章に違反するものであることに留意して、この原則の実施に関して憲章により委託された責任を遂行することについての国際連合に援助を与える義務を負う。
いずれの国も、共同の行動及び個別の行動を通じて、憲章に従って人権及び基本的自由の普遍的尊重と遵守を促進する義務を負う。
主権独立国家の確立、独立国家との自由な連合若しくは統合、又は人民が自由に決定したその他の政治的地位の獲得は、当該人民による自決権の行使の諸形態を構成する。
いずれの国も、この原則の作成にあたって上に言及された人民から自決権並びに自由及び独立を奪ういかなる強制行動をも慎む義務を負う。かかる人民は、自決権行使の過程で、こうした強制行動に反対する行動をし、また抵抗をするにあたって、憲章の目的及び原則に従って援助を求めかつ受ける権利を有する。
植民地その他非自治地域は、憲章上、それを施政する国の領域とは別個のかつ異なった地位を有する。憲章に基づくこうした別個のかつ異なる地位は、植民地又は非自治地域の人民が、憲章とりわけその目的及び原則に従って自決権を行使するまで存続するものとする。
前記パラグラフのいかなる部分も、上に規定された人民の同権及び自決の原則に従って行動し、それゆえ人種、信条又は皮膚の色による差別なくその領域に属する人民全体を代表する政府を有する主権独立国家の領土保全又は政治的統一を、全部又は一部、分割又は毀損しうるいかなる行動をも承認し又は奨励するものと解釈してはならない。
いずれの国も、他のいかなる国又は領域の民族的統一及び領土保全の一部又は全部の分断を目的とするいかなる行為をも慎まなければならない。
この中でも、
前記パラグラフのいかなる部分も、上に規定された人民の同権及び自決の原則に従って行動し、それゆえ人種、信条又は皮膚の色による差別なくその領域に属する人民全体を代表する政府を有する主権独立国家の領土保全又は政治的統一を、全部又は一部、分割又は毀損しうるいかなる行動をも承認し又は奨励するものと解釈してはならない。
の部分は、実は独立国家による領土保全を、自決権主張に対して正当化するために書かれているところなのです。独立国家の人民にも外的自決権を認めようという考えもあることはあります。たとえばケベック分離事件において判示されたように、内的自決権を否定されている人民には、(i)当該実体が自決権行使主体である「人民」であり、(ii)「内的自決権」行使の否定が存在していれば、独立国家からの分離独立が正当化される可能性があります。しかしながら、この二要件の充足は難しい上に、上記の友好関係原則宣言の規定(実はほかに所属国家からの分離独立に関する権利に触れた文書はありません!)や国家実行(チベットやビアフラなど)を考慮したら、内的自決権は、実質的には、まだ国際法上の権利として明確に認められていないといえそうです。とは言え、禁止されている訳ではなく、事実として分離独立が発生する可能性は大いにあり、実際にバングラディシュや旧ソ連諸国などの例があります。
当然のことですが、独立国家から分離独立する際に制約は存在しています。
新国家が独立する際によく参照される国際法上の原則にウティ・ポシデティス・ユリス原則(principle de l'uti possidetis juris)があります。これはローマ法の法原則であるところの「汝の占有する状態で占有を続けよ」に由来するもので、国際法においては中南米諸国の独立において、植民地時代の行政区画の境界線を、独立後の国境とするために用いられました。一見すると明確に思える原則ですが、実際には形式上の行政区画とは異なる実効的支配が行われていることもあるので、なかなか厄介な問題もはらんでいます。とは言え、この点に関しては既にブルキナファソ・マリ国境紛争事件で、法的根拠が実効支配に優越するという形で決着が着きました。また、旧ユーゴスラヴィアを巡る問題では、この原則は独立国家にも適応されうるという見解が示され、さらに民族区分によって国境を画定することは許されないとの見解も出されました。ここに、一つの制約が出てくるわけです。
また、独立主権国家は自国の領域に関して領土保全原則によって守られています。この原則は、領土・領域の状態がそのまま維持されるというもので、植民地以外の国家の一部領域における独立は保障されないとされます。国際秩序の安定性の維持がここで出てくるわけです。
ただ、先述したケベック分離事件を踏まえたら、内的自決権の否定が存在していたら分離独立が正当化される可能性は存在しています。
ここまでつらつらと書いてきましたが、結局最後は政治の問題になります。分離独立が権利として認められていようが認められていまいが、国家承認によってすべての関係性が決定されてくるからです。分離独立が元となる国家の承認を得ていたのなら大きな問題になりませんが、そうでない場合は第三国による承認が政治問題に発展することは容易に想像がつくところと思われます。コソボがまさにそうでした。
国家承認には、第三国が承認して初めて国家として認められるとする創設的効果説と、国家の成立要件を充足さえすれば国家として認められるとする宣言的効果説の二種類の学説がありますが、現代においては後者が通説となっています。なので、たとえある国が新独立国を国家として認めていなくても、当該国家は国家として法的に存在していることに変わりはありません。あくまでも、国家実行としての国家承認は、既存の国家が新国家の成立を確認する一方的行為なのです。しかしながら、それでも国家実行上、国家承認は重要な役割を果たしていますし、国家としての要件を充足していないのに国家承認したら「尚早の承認」であるとして国際法違反になります。かつて日本も満州国を巡り、尚早の承認であるとみなされたことがあります。
やはり欧米の分が悪いかなと。というのも、ウクライナはクリミア自治共和国に対して内的自決権を否定するかのような行動をよく取ってきたからです。また、クリミア自治共和国という行政区画単位での独立を行いましたし、国家としての要件は十分に満たしているように見えます。なので、結局のところ国家承認が問題になってきます。よくコソボが引き合いに出されますが、あれは政治的理由によって国家承認がされる/されないの好例です。国連の暫定統治下にあったとはいえ、当時のコソボは国家の要件を充足していたと一般(欧米社会)には評価されています(したがって国家承認を行っても「尚早の承認」にはあたらないので国際法に則ってる)。今回のクリミアの分離独立もやはり同様の構図と言えるでしょう。理論的に考えたら今回のケースにおいてもクリミアの分離独立を認めるのはもっともな話ですが、国際社会がそれをどうとらえるかはご覧のとおりです。もっとも、ロシアが介入を行っているため、正当性の観点からまた別の問題が存在していることも事実です。また、その後の併合の動きを見ても、結果論ではありますが、果たして分離独立が正当なものだったかは疑問符がつくでしょう。が、あくまでも繰り返しになりますが、本稿は分離独立にのみ焦点をしぼっているので、これ以上は触れません。
植民地問題を語るときによく言われるのが「独立を唱える時点で、既に独立主張を唱える側に植民地意識がある」て理屈で、ポストコロニアル理論でよく言われている理屈の一つ。
正直な感想言わせてもらうと、既に日本は韓国を植民地と思っていない、なのに韓国は未だに日本から独立とか思ってるなんて可哀想、いい加減に意識的にも日本とは無関係の一つの独立国になってくれ、という感想。
が、この箇所が気になった。
君も気にならないで書いたのなら、君とその知人は韓国人か在日朝鮮人?
しかし韓国の場合は「宗主国(=日本)の消滅」という特殊な独立形態を辿ったため、
「独立時点で、宗主国と独立国を関係付ける条約類が一切不在」という特殊状態に陥った。
それゆえ、旧宗主国と独立国の関係を、後付けで現状追認する必要が出てきて、
現状追認的な条項が多い日韓基本条約で誤魔化すことになった。
1945年ポツダム宣言 第二次世界大戦での負けを日本が認める
1951年サンフランシスコ講和条約 韓国の独立と共に韓国の領土を明記し、日本が朝鮮を手放す
1965年日韓基本条約 戦後賠償や平和保証の取り決め、および独立の「再確認」
韓国の独立は1951年のサンフランシスコ講和条約によって認められて、
1965年の日韓基本条約は、あくまで再確認として記載してる。日韓基本条約前書きにも書いてある。
[文書名] 日韓基本条約(日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約)
[年月日] 1965年6月22日作成,1965年12月18日発効
[備考]
[全文]
両国民間の関係の歴史的背景と、善隣関係及び主権の相互尊重の原則に基づく両国間の関係の正常化に対する相互の希望とを考慮し、
両国の相互の福祉及び共通の利益の増進のため並びに国際の平和及び安全の維持のために、両国が国際連合憲章の原則に適合して緊密に協力することが重要であることを認め、
千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約の関係規定及び千九百四十八年十二月十二日に国際連合総会で採択された決議第百九十五号(III)を想起し、
この基本関係に関する条約を締結することに決定し、よつて、その全権委員として次のとおり任命した。
日本が消滅していたのなら、サンフランシスコ講和条約で「朝鮮を独立させる」との内容に米国と誰が締結したの?
そのサンフランシスコ講和条約を元にした、この日韓基本条約は、日本と何処の国が締結したの?
韓国ではサンフランシスコ講和条約は存在していないように語られているとの噂を聞いたことがある。
本当に、韓国では「サンフランシスコ講和条約の存在」は知らされていないの?内容も知らないの?
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/pdfs/g_sfjoyaku01.pdf
自分たちの独立根拠になる条約の存在を知らされていない、て・・・・。
本当に知らされていないのなら同情するよ。