「身分」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 身分とは

2021-07-20

はてなはなぜ障碍者LGBT・年齢差別禁止と明記しないのか

はてなコミュニティガイドライン

https://policies.hatena.ne.jp/community-guideline

差別的コンテンツ

はてなでは、人種民族信条性別社会的身分居住場所身体的特徴、病歴、教育財産及び収入等を根拠にする差別的表現行為禁止しています。当然のことながら上記属性に基づく継続的罵倒表現個人攻撃暴力危害を及ぼすことを示唆したり、広く排除をよびかけるヘイト行為は固くお断りします

Yahoo!ニュース コメントポリシー

https://news.yahoo.co.jp/info/comment-policy

過度な批判誹謗(ひぼう)中傷不快な内容

特定地域や家柄、障がい者性別職業LGBTなどへの差別的な内容を含む投稿

特定民族や国に対する差別ヘイトスピーチにあたる投稿

被害者被害者親族加害者加害者親族および関係者などに対する心ない投稿不謹慎投稿

暴言脅迫差別的言動に対するTwitterポリシー

https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/hateful-conduct-policy

ヘイト行為: 人種民族出身地社会的地位、性的指向性別、性同一性信仰している宗教、年齢、障碍、深刻な疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃行為脅迫行為助長する投稿を禁じます。また、このような属性理由とした他者への攻撃扇動することを主な目的として、アカウントを利用することも禁じます

攻撃的な行為

https://help.twitter.com/ja/rules-and-policies/abusive-behavior

人種民族国籍性的指向性別、性同一性信仰している宗教、年齢、身体障碍、または深刻な疾患を理由として他者を標的とする行為は、Twitter暴言脅迫差別的言動に対するTwitterポリシー違反している可能性があります

YouTubeポリシー ヘイトスピーチに関するポリシー

https://support.google.com/youtube/answer/2801939

YouTubeヘイトスピーチを容認しません。次のいずれかの特性に基づいて個人集団に対する暴力差別助長するコンテンツは削除されます

年齢

カースト

障がい

民族

同一性や性表現

国籍

人種

在留資格

宗教

性別 / ジェンダー

性的指向

深刻な暴力出来事被害者とその親族

従軍経験

ところで、「YouTube許可されていないヘイトスピーチの例」(その他の例)に該当するような書き込みはてなTwitterでよく見かけます

2021-07-19

増田アンチフェミ馬鹿にしたらフェミニスト認定されたので身分信条を明かさないまま発言すると無い文脈を読まれ存在しない急所を殴られるリスクもあるんだな…と学んだ

anond:20210719191159

はぁぁぁぁぁ?って感しかない。

ついったらんどの一生使われ身分根性にはつくづく嫌になる時があったが、今度は一生いじめられっ子根性の奴だらけなのがよーくわかった。

anond:20210719191159

はぁぁぁぁぁ?って感しかない。

ついったらんどの一生使われ身分根性にはつくづく嫌になる時があったが、今度は一生いじめられっ子根性の奴だらけなのがよーくわかった。

圧倒的、無能

びっくりする漫画みたんだけど。

広告で、戦争に負けた王女身分を隠して皇宮のメイドとして働いてるんだとか。それを帝国は探していると。

(みんな皇女の顔覚えてないんか!)

皇宮って皇帝のえ。わかんないの?がばがはセキュリティ、まあ、どうせ俺様系の皇帝(実は病んでる)と恋愛が始まるだけだろうけど。ちょっとこうさ、がんばってほしい

2021-07-17

anond:20210717193503

選手は金儲けしたいIOC支持率目当ての日本政府に利用されている奴隷身分グラディエーターから

安全が全く確保されていない中、コロナに罹ったら自己責任で、辞退すると言ったら「国民希望が、期待が、血税が」と脅される立場

まぁ栄光なんていうものに目が眩んで自ら奴隷になった奴らの心配なんてする必要いか

自分馬鹿にした奴なんて特定してアレしたい気持ちくらいあるだろう

みんなそんな気持ち大なり小なりあるよね

ネットで煽られた、見下された、コンプレックス刺激された、ムカつかせられたってとき

「こいつ特定したらそいつの頭野球ボール代わりにバットノックするのになぁ」「低能先生スタイル対話してやるのになあ」って気持ちぐらい芽生えるよね?あ、芽生えない?またまた

でもさ、その気持ちを表明するとさ、犯罪予告って通報されるんだよね

お気持ち表明は批判されど違法じゃないけど、害意や怒りをお気持ち表明したら急に違法になるんだよ

怒りや殺意を口にせず飲み込むと腹の中で腐っていってフラストレーションが溜まって更にきつい

でも口にしたら犯罪者国営ヤクザ通報されオリの中行きか大金支払うか

から口に出来なくて溜め込む悪循環


どうも日本って、害意や殺意表明に厳しい

中世は侍という身分は常に人殺し用の刃物を持ち歩けて、無礼働いたやつをストレス発散に斬り殺せる法律だってあったのに

今や「殺すぞ」って言うとすぐ通報されて御用だ、意思表示が出来ねえよ

見下してくるやつへ「ぶっ殺すぞ」、バカにしてくるやつへ「ぶっ殺すぞ」、言いたいのに言ったら違法、変なの

anond:20210708205945

最近テック系の生態系を知らずに、ほとばしる若さ嫉妬して学生をぶちのめし申し訳なかったと思うようにはヒートダウンしてきた「年収270万円だった医大生」です。こんばんは!

激おこしたのは、申し訳ない。

すごく反省している。ただ、優雅自分学生時代に学んだ知識をもって、社会人にその勢いを保持したままで定年まで行ける可能性は高くないと私は思うのだ。おそらくは名門大で、勢いのある会社なら引く手あまたそうな貴方自分にとっては眩しかったのだ。

フロントエンド給料が安いという思い込みをしてました。

本当に認識不足だった。もともと Android/iPhonejQueryJSON操作をしていて、PHP/Rails/Springバックエンド界隈から MySQL/PostgreSQLを触り、人員不足AWS をも触って QA および SRE をしていたエンジニアだったのだけど、ブロントエンドが DB に遠いという理由で簿給だと思っていたのは、各派遣会社給料をみる分だと間違いだと理解した。知識アップデートされてないのはオレ自身だったようだ。申し訳ない。

Firebase や mBaaS は不味くない?

根拠は、NoSQLスキーマしなのは途中までは良いけど、後で負債になる感じがするので。あと、Firebase は Google が中途でやめるとなったときが怖いぞ。JS なら express というフレームワークあるし、Kotlinサーバーがあるから古典的サーバークライエントモデルで良いのじゃないかな?Next なら SSR あるし。

サイバーエージェントにくくった理由

自分のような新卒採用を逃した身分では、サイバーエージェントのような B to C 領域トップティアにある会社に紹介してもらえるというのは「蜘蛛の糸」のような貴重なチャンスに思えたのだよ。そりゃ、ある程度は経験積めばスカウトが来るかもしれないけどさ、自分は年食っていたから「サイバーエージェントで働けるという可能性」に全力をかけたよ。その結果が、場末の未認可SES って、しか反社だったなんて、すごくショックだったよ。クソな「自称数学者人工知能論を聞いて土日が終わり、平日はブラック客先常駐」な日々はうんざりだ。

2021-07-16

木屋町にあるキャバクラ黒服仕事をしていた その3

 この体験を経て、私はある理解を得た。「正しい戦略は、その時々の環境文脈空気によって異なる」ということだ。世の中にはいろんなルール常識、慣習があるけれども、それらをストレート適用すべき場合もあるし、必要ならばかなぐり捨てないといけないこともある。

 アブラハム・マズロー欲求の五段階ピラミッドの人)の『完全なる経営』にこんなことが書いてある。

‟彼らの心理学によると、最善の思考や最善の問題解決ができるかどうかは、問題を含んだ状況を、期待や予想、憶測などを交えることなく、この上なく客観的な態度――先入観や恐怖、願望、個人的な利害などを交えない、神のような態度――で見ることができるかどうかにかかっている。…(中略)…解決すべき問題とは目の前に存在する問題であって、経験によって頭の中に蓄えられた問題ではない。頭の中に蓄えられた問題は、昨日の問題であって今日問題ではなく、また、両者は必ずしも一致するものではない‟ p.129-130

さら範囲を広げれば、家庭生活、すなわち妻や夫や友人たちとの関係についても、この方法を当てはめることができる。各状況における最善の管理方法とは、各状況において最もよく機能する管理方法のことだ。どの方法が最善であるかを見きわめるためには、予断や宗教的な期待を排した、完全な客観性が求められる。現実的な知覚は現実的に行動するための必要条件であり、現実的な行動は望ましい結果を生むための必要条件なのだ。‟ p.132

 マズローは、物事ありのままに見つめて、現実的に考え、行動することが成功への鍵だと言っている――と私は解釈した。

 イケメン先輩は結局、条件付きの免職処分になった。黒服が嬢と付き合った場合の店への罰金50万円と、Tちゃん彼氏への慰謝料として50万円、計100万円を返済したら辞めるという処分だ。店長は、翌日のミーティングの席において、みんなの前でイケメン公言した。「約束を破ったら組に売る」と。店に対する裏切り行為は許さないという態度を明白にしたのだった。

 これと、上の引用文がどう関係あるのかというと……この後すぐ、私と同学年のアルバイトの子が、S店の備品を盗んでいたのが判明した(立命館大学に通っていたので、以下リッツとする)。定期的に、ヘネシーなどの高級酒(そのうち廃棄される飲みかけ。キッチンに置いてある)や、午後の紅茶炭酸水チーズその他をくすねていたらしい。その犯行を見つけたのは、皮肉にもイケメン先輩だった。

 そのリッツは、イケメン先輩の時と同じく、閉店後に一番奥の席につかされた。最初の数分は、あの時と一緒だった。坦々とした、もの静かな事情聴取だ。その近くにM主任が座っていたのも同じだ。

 違ったのは、私も主任と一緒に丸椅子腰かけいたことだ。リッツ普段の行動に関する参考意見を述べることになっていた。

 別にリッツは、良くも悪くもない、普通の奴だった。口数は少なかったけど、まあ真面目かなという印象だった。サボっている様子はないし、店の女の子に声をかけるなどの御法度もないし、当日遅刻や欠勤もなかった。

 でも、人間とはそういうものなのだ。裏で何をしているかからない。人間言葉ではなく行動で判断すべきという金言があるが、それでも不十分だ。どんな人間にも裏がある。

 10ちょっとが経過した。私の供述も上の通り述べていた。その間、盗んだ物の確認と弁償代の話をしていたように思う。お店で無くなったとわかっているもの時価8万円相当(私の個人的計算では3万円~4万円相当)とされて、ほかにも盗まれた物があると仮定して、倍額の16万円を1か月以内に弁償すれば警察被害届は出さないという内容で決着した。

 最後店長は言った。「リッツ君。今日最後の勤務日だ。もう来なくていい。けど、ほかのお店に情報共有とかしないから、働きたかったら別のキャバで働いてもいいよ。今回は残念だったけど、また成長したあなたの姿を見たい。それで、いつかまたお客さんとしてうちに来てくれたら嬉しい」という言葉でお開きになった。

 当時の私は、「おかしいのではないか!?」と思った。当時のS店の黒服に課せられる罰金額は、記憶の限りでは以下のとおりだ。

・当日遅刻 5,000円

・当日欠勤 10,000円

窃盗その他の犯罪 250,000円+被害

・嬢と交際した場合 500,000円

・店の売上に影響するトラブルを起こした場合 時価(これが上記慰謝料

 リッツ規定どおりの罰金を科されなかった。被害額のみだ。しかし、イケメン先輩は規定どおりの罰金のうえボコボコにされている。

 当時の私は腑に落ちなかった。後に推測したことだが、店長には以下のような思考順序があったのではないか

リッツを殴って、25万円+16万円を請求したうえで脅す(イケメンと同じ対応

リッツ立命館大学学生課もしくは先輩もしくは親に相談する

相談先が交渉の窓口になる

罰金は減殺される可能性が高い。警察通報されたら逮捕リスクあり。

 上記①~④が成り立つならば、リッツに対して甘い対応をするのが正しい。そう読んだのではないか

 店長は、自他の権益に対してストレートな人だった。取れるモノはきっちり取っていく。悪く言えばがめつくて、善く言えば組織のことを考えている。

 今回の件だと、警察被害届を出してもS店には一銭も入らないし、リッツ問題行動を起こしたことをほかの店に情報共有するメリットはないし、彼がほかの店で問題を起こしても当店には関係がないし、リッツが負い目を感じていれば社会人になってからS店でお金を使うかもしれない。

 ※社会人になった今では、このような考え方は極めて短期的かつ自己本位的なものだと感じる。木屋町風俗営業を行うすべての店の利益を考えれば、リッツ警察に突き出すべきだったし、他店にも情報を共有すべきだった。こうした当たり前のことができないほどに、風俗業界というのは生存が厳しい世界なのだ

 憶測だが、店長には過去に痛い経験があったのかもしれない。16万円でも十分に得をしているからそれで済ませる。そういうことだ。

 一方で、イケメン先輩は、いわゆる「身分がない」タイプ社会人だった。だからルールに則った対応を採る(暴力のうえ正規罰金を課す)のが正しかった。

 私は今、地元広島地方公務員をしている。この仕事は、公平とか中立とか平等が叫ばれる業界ではあるが、確かに市民企業を公平に扱わないことが正しいケースがあるのだ。例えば、地元を盛り上げる活動をする部署が大きいイベントを開催する折には、成功キーパーソン及びその所属団体に対して相応の便宜を図る。近年の例だと、「全国菓子大博覧会」や「広島てっぱんグランプリ」といったものだ。

 上記の「成功キーパーソン及びその所属団体」について、関係者を良好な立地に出店させたり、相応の額の契約を用意したり、行政組織要職に就けたりする(教育委員など)。

 一般市民企業不公平に扱いたいからやっているのではない。公平に扱うのが長期的には一番正しい戦略なのはわかっている。これは、組織目的を達成するために必要不可欠な過程であると上の人間下の人間も判断たからそうなっている。

 反対に、戸籍課や税務課や医療課などの住民対応を行う部署においては、「融通が利かない」などのクレームをどれだけ食らっても、ひらすらに法律や要領に従って仕事をやり続けるのが正しい戦略ということになる。特定の人をひいきしても自治体にとってのメリットは薄いし、逆に訴訟リスクがあるからだ。

 キャバクラでの仕事は正直キツかった。嫌なお客さんには絡まれるし、たまに一気飲みを要求されるし、人が殴られるのを見ることがあるし、ホールに立ちっぱなしで足の裏が痛いし、キッチンものすごく忙しいうえに鼠とゴキブリだらけだ。

 でも、勉強になった。夜の歓楽街での仕事が、今の地方公務員としての自分の糧になっている。あの時、求人情報誌を開いてよかったと今では思える。



大学回生

 この春から時給は1,800円になった。昇給の際、店長からは、「お前以上の時間給をもらっている大学生は木屋町にも祇園にもいない。お前を評価している。就職活動中もシフトに入ってくれ」と言われた。※多分これが目的で時給を上げたのだと思う。これまでと違い、昨年比で増えた仕事もないからだ。

 この辺りからシフトに入ることが少なくなった。これまでは、週に4日、たまに5日という具合だった。でも、公務員試験勉強もしないといけないので週に3日の勤務になっていた。

 時間はあっという間に過ぎていって、夏が終わる頃に内定を得た私は、「自由だあああぁぁ!」とばかり、夜の街で遊びまわるようになった。

 私には小さい名誉があった。木屋町先斗町のいろんなバーに行ったが、S店で黒服をしています、付け回しの仕事を任されていますと言うと、大抵の店員さんや夜の街の常連の顔つきが変わるのだ。「こいつはやばい奴だ」という顔をする人もいれば、軽蔑した視線を向ける人もいれば、逆にすり寄ってくる人もいた。

 バーにはよく行ったが、キャバクラにはほとんど行かなかった。S店で働いているとわかったら追い出されるリスクがあったからだ。それに、私はKFJ京都風俗情掲示板)のお水板において、当時木屋町で№1とされていたS店で何年も働いている。お客さんに「おごってやるから来いよ」と誘われて他店に行ったことはあるが、なかなか満足がいかなかった。S店の子接客されたことはないが、それでもわかる。歴然とした『差』があった。

 今思えば、承認欲求というやつが足りていなかったのだろう。シロクマさんの本で言うと、「認められたい」というやつだ。当時は、自分をスゴい奴なんだと思いたかった。実際はぜんぜんそうではなかったし、逆に、本当にスゴい奴ほど自分を大きく見せたがらない。

 そういう人は飽きているのだ。ちやほやされることに。褒められることに。子どもの頃から自分パフォーマンスの高さを周りに認められるのが当たり前だった。だから調子に乗ったり、偉ぶったりしない。それだけのことだ。

 11月になった頃だった。M主任退職することになった。時期は来年の3月。田舎に帰るらしい。

 トラブルを起こしたわけではない。円満退職だ。夜の業界で7年も働けば、体はボロボロになる。普通は3年もてばいい方だが、M主任はそこまで働いて、十分すぎるほどの結果を出していた。私は「今までありがとうございました」と、お店の終わりに2人だけになったところで伝えた。

 この時のM主任言葉脳裏に刻んであるし、忘れた時のために日記にも取っている。重ねて言うが、この記事でところどころの描写がやたらと詳細なのは大学生当時の日記ベースにしていることによる。

 以下、M主任言葉になる。

「おう。〇〇ちゃん、お前もな、元気でな。ええけ?(※方言が入っている。いいか?の意味)〇〇ちゃん仕事ができる奴になれよ。仕事ができんかったらな、人間は終わりやぞ。どこに行っても生きてかれんようになる。仕事だけはな、ちゃんとやって一流になれよ。お前もこの店で何人も見てきたんやないけ、どうしようもない根性なしの連中を。ええけ? お前は悪い奴じゃない。でもな、どっか気が抜けて、間抜けなところがある。そこが好きなんやけどな。とにかく、仕事ができるって言われるようになれ。俺からお前に言えるんはそれだけや」

 呑みに行きましょう、と誘うつもりだった。でも、誘えなかった。私の中で、M主任はそれだけ偉大な存在だった。神だった。神を呑みに誘うことはできないのだ。

 その翌日。営業時間中の夜10時くらいだったか店長ともう1人、灰色スーツを来た人が紙袋を携えてS店にやってきた。「ちょっと時間あるか」と、上の階にある事務所に連れて行かれ、その人から名刺を渡された。

 このS店の母体である芸能事務所の人だった。取締役ナントカ部長だった。ソファに座らされてからの話の内容は端的で、「私を社員として採用したい」という話だった。

 部長の話には説得力があった。説得力要諦とは、ロジックにあるのではない。本人が持つ、その考えや判断への自信や信仰、そして意見を伝える際の胆力や粘りの強さが、本人の口を通して迫力となり、相手に伝わることで説得力生まれる。

公務員はこれから厳しい時代になる。お金問題ではない。本質的意味で割に合わなくなる。

あなた就職する自治体初任給は16万円だ。うちは基本給だけで26万円出す。

・S店での働き次第では本社に来てもらう

日本芸能界を盛り上げる一員になってほしい。それだけの才がある。

・お客さんも仲間もあなたを支持している

 今思えば典型的リップトークだ。なぜかといえば、上の内容の半分以上は私をほかの人に置き換えても、ちょっと修正するだけで通用するからだ。

 でも、当時の私は大学生だった。この時すっかり、S店で働こうか、それとも地元公務員になろうか迷い始めていた。もし、これが公務員試験を志す前であれば、この会社で働いていたかもしれない。

 特に最後にやつ。あれにはやられた。部長ソファの脇に置いていた紙袋から手紙を取り出した。十枚ほどの。小封筒に入った、そのひとつひとつを私の前にゆっくり差し出すと、それが――すべて嬢から手紙であることがわかった。

「〇〇君。試しにひとつ開けてみて」

 ある嬢からの簡潔なメッセージが入っていた。「これからも〇〇さんと働きたい」「〇〇さんに店長になってほしい」「卒業してもいなくならないで」。こんな言葉が認められていた。

「もうわかるね。〇〇君はみんなに慕われている。社会あなたを認めている。こんな大学生、ほかにいないよ」

 部長はA4サイズの用紙をボールペンとともに手渡してきた。

 『雇用契約書』とあった。裏面には雇用条件的なものが書いてある。これを片手に取って私は、ボールペンを握りしめた。

 右上に日付を書いて、ずっと下の方にある住所欄に個人情報を書き始めようとする。ボールペンをあてどなく前後に振って、書くのを静止しようとする脳と、書くのをやめたがらない右手が小さいラリーを繰り返していた。

 私は思い切って、ボールペンを紙面に押し付けた。そして、インクが紙に付いた途端――心臓から流れ出た血が、冷たい何かとともに押し戻されて、再び心臓へと逆流するのを感じた。私の指先は動くのをやめた。

 その場で立ち上がって私は、「残りを読んでから決めます」と告げて、手紙を抱きかかえてS店に帰ろうとしていた。事務所の扉を開けて出る時、舌打ちのような音が響いた。

 手紙ほとんどはテンプレートだった。ひな形がきっとあって、嬢はそれらを真似ている。そういう罠だった。手紙はぜんぶで11枚あって、その中でテンプレでないのは3通だった。そのうちひとつを挙げると、ヘタクソな文章で、私のこれまで4年間の行動や仕草がつらつらと書いてあった。

 私に対するポジティブ言葉も、ネガティブ言葉もあったけど、この3通の手紙には共通していることがあった。「地元に帰っても頑張って」。そんな内容だったかな……? 初めに読んだ1通はTちゃんからだった。

 彼女ハーフで、日本語がそこまで上手くはないのだが、それでも一生懸命な筆跡だった。何度かミスって修正液で消した跡があった。Tちゃんらしくて、不器用だけど愛が籠った手紙だった。

 一昨日それを読み返した時、ふいに涙が零れた。

 あの部長姑息な手を見抜いてから一週間後、私は2月末でS店を辞める旨を店長に告げた。残念そうにしていたけど、これは当然の結果なのだ

 私は地元公務員として働く道を選んだし、芸能事務所だって私が本当に欲しかったわけではなく、おそらくはM主任の代わりとしてだった。もし本気ならば、大学4年生の春までには声をかけている。

 最後の勤務日は静かだった。普通職場だと、辞める人には花束贈呈とかがあるんだろうけど、S店にそういった慣習はない。ただ普通に、最後の客が帰って、照明の光度を上げて、ホールキッチンを片付け始めて、嬢がみんな帰って……。

 最後に、このS店に初めて来た時に見た、この分厚い扉を閉める際に、「お疲れ様です」と小さく呟いた。私は、夜が明けてほんのりと水色の空が見える河原町通りへと歩みを進めていった。

(次が最後です)

 https://anond.hatelabo.jp/20210716220545

2021-07-15

anond:20210714185723

観点全然違うんじゃよ

彼女らに取って「女性性的眼差しに晒されることは女性蔑視であり、差別である」と言うのがドクトリンなんだ

からセックスワークなんて性的眼差しに晒されることを良しとする女性存在自体裏切りものであり、セックスワーカーは望まずその身分に貶められた存在でなければならないんだよ

2021-07-14

anond:20210714171719

スポーツ選手なんてネトウヨだろ?

高齢者病人の命よりも自分らの立身出世のほうが大切だと顔出しで堂々と言い切るような奴がスポーツ選手の全員なんだから

ネトウヨじゃないというのは身分査証だな

anond:20210714024912

党の身分は維持しつつ違う意見を主張したい

こういうのをダメだというのは排他主義の亜種ですよ

集団の内的一体性が最重要自白するなんて、まさに自由の敵でしかない

anond:20210713223723

路線の主張をするとして、その見解合致する既存の別の党で活動するか、新党を立ち上げるのは個人自由なのに、

党の身分は維持しつつ違う意見を主張したいという理屈は、サッカーチーム予算野球練習をやるようなもの

アカではないが、R党の命の選別発言前後でそういう都合のいいご主張があって、それを見ても擁護する匿名がわらわら沸いてて、結局党員身分を維持しつつ他社は切り捨てる特権階級気取りかよと冷めた人が多いと思った

2021-07-13

尤もらしいこと言ってるけど

不審者現行犯逮捕するにあたりまず新聞記者でないことを確かめなければならない」

って表現したら世の中の同調を得られるか?

「やっぱ ブン屋は ズレてるな」

って反応が大勢であろう


当該記者現行犯逮捕前の誰何に対して身分を答えなかったか新聞労連の主張を持ってしても論外だけどね

anond:20210713115406

奴隷を所有できる身分じゃない癖に偉そうなことを言うな

ちゃん奴隷を所有してからそういうことを言え

2021-07-12

anond:20210712153835

そもそも予約がまだできない自治体民としては、キャンセル待ちができる身分と言うだけで羨ましいとしか……

2021-07-10

anond:20210710205656

出身地とか身分はともかくオタクってなんでわざわざ差別されにいくんだろうね

カオナシとか電子障がい者手帳とか揶揄されてたら自らはともかく周りはそういうやつらだと思ったらすぐ離れるけど

anond:20210710111327

はいはい、「みんなが羨む身分だけど当の本人である俺はちっとも幸せじゃない増田」ですね

2021-07-09

anond:20210709103333

28点の解説

センパイ

この一語によって話者受け手には上下関係があることが分かる

メジャーな以下2つを想定する

学校の先輩後輩

会社の先輩後輩

話者は男女どちらでも構わないだろう

こんなに

まり見せてるわけだ

直接、もしくはLINEなどだろう

いっぱい

いっぱいと比較するぐらいだから

普段から入れているのだろう

入っちゃいました!

入ったというのは

どこにだろうか

考えられるのは3つ

まんこ

アナル

尿道

へそ、耳、鼻、眼球なども考えられなくはないがマニアックすぎるだろう

口は喋れなくなるから除外

また、!ビックリマークによって勢を出している

ボールを取ってきた犬がウキウキで戻ってきて褒めてもらいたい感じだ

まり話者受け手には信頼関係がある

以上のことが読み取れる

マイナスポイント

恥じらいがない

このセリフ話者受け手がこういう行為をやり慣れていることを示している

日常的というのはよくない

エロス日常と非日常ギャップがいいのだ

恥じらいのないエロスは減点である

何が入っているのかを示すヒントがない

想像余地を残すため全てをセリフ表現する必要はないが

ヒントがないのは痛い

棒状のものかもしれないし

ボールのものかもしれない

またまたスライム的ななにかかもしれないし

触手かもしれない

とにかく想像ができるだけの材料が欲しかった

場所と時刻の情報がない

場所や時刻というのは重要

かに見られる危険があるのかどうか

身分が危うくなる危険があるかどうか

話者と受けてのバックグラウンド想像する材料としては非常に大きい

この情報が入ることによって世界が大きく広がるのだ

想像力こそがエロスの源泉なのである

ここが不足しているか想像の翼が広げられないのだ

よって大幅減点

2021-07-08

anond:20210708124847

日焼けできるのはゆったりバカンスに行けたり日光浴に行けたりする身分人間だというのが欧米価値観なので

真っ白な人間よりも多少日焼けしてる方がイケてる富裕層に見られやすいのであえて焼いてる

医大取材の本紙記者逮捕 社内調査報告

07/07 07:00

 北海道新聞社は、旭川医科大の校舎に許可なく立ち入ったとして、旭川支社報道部記者建造物侵入の疑いで逮捕された事件で、この記者現場取材していた報道部の3人の記者担当の部次長から事実関係について聞き取り調査しました。確認した内容を読者の皆さまに説明します。

事実経過

 旭医大は6月22日午後3時から吉田晃敏学長の解任問題議論する学長選考会議を校内で開きました。

 節目の会議だったため、北海道新聞の4人を含む報道各社の記者が、会議を終えた選考委員取材するため大学敷地内で待機していました。

 午後3時50分ごろ、旭医大報道各社にファクスで、会議終了後の午後6時に同大中央玄関前で記者団の取材に応じることを通知。文書には新型コロナウイルス感染防止のため、構内への立ち入りを禁止していることも記載していました。

 大学から通知を受け取った報道部では、現場取材責任者キャップ)ら3人の記者に通知をメールしましたが、現場入社1年目の記者もいることを把握しておらず、この記者には送りませんでした。

 午後4時ごろ、キャップはこの記者に対し、校舎内に入って出席者が通る可能性のある2階付近廊下で待つよう指示しました。

 キャップは、通知の後段にあった「入構禁止」の要請を見逃しており、「これまでも入構禁止になっていたが、慣例的に自由に立ち入って取材していたため、入らせた」としています

 記者は午後4時25分ごろ、会議が行われている可能性がある4階に向かうよう指示されました。電話無料通信アプリのLINE(ライン)で複数のやりとりがあったため、キャップがこの指示を出したのか、別の記者なのか、はっきりしません。

 その後、記者会議が行われているとみられる部屋を見つけてドアの前に立ち、スマートフォンをドアの隙間に近づけて録音しました。

 数分後、会議から出てきた職員に見つかり、身分を聞かれましたが、あいまいな返答を繰り返しました。後ずさりするような行動をして職員に取り押さえられ(常人逮捕)、身柄を旭川東署に引き渡されました。記者北海道新聞名刺と腕章を示したのは警察官が駆けつけた後でした。

 記者は24日に釈放され、同署が在宅で捜査を続けています

情報共有、記者教育問題

 北海道新聞社は22日の旭医大取材で、情報共有や取材手法記者教育の点で、以下のような問題があったと考えます

 この日の会議に先立ち、18日に行われた学長選考会議の際、報道各社が旭医大取材対応に不信感を抱き、会場の4階に行って事務局トラブルになり、旭医大許可なく校舎内に立ち入らないよう報道陣に強く抗議していました。北海道新聞も22日とは別の記者が4階の現場にいましたが、18日のトラブル情報北海道新聞記者の間で十分に共有されず、逮捕された記者も知りませんでした。

 新人記者単独で校舎内に立ち入って取材させたことにも問題がありました。この記者が旭医大問題取材するのは22日が初めてで、取材経験の浅い記者に校舎内に入るよう指示した理由について、キャップは「経験を積ませたかった」としています

 的確な指示がなかったため、記者は一部の先輩記者から聞いた体験談をもとに、自分判断会議内容をスマートフォンで無断録音していました。北海道新聞取材ルールを記した「記者の指針」で、記者倫理上、無断録音は原則しないと定めていますが、指導が徹底されていませんでした。

 職員に見つかった際も、すぐに北海道新聞記者と名乗り、取材目的であると告げるべきでしたが、動揺していたこともあって、できませんでした。キャップや別の記者から、校舎内で身分を聞かれても、はぐらかすように言われていたことも影響しました。

 一連の経過をみると、取材方法指導するべき報道部の部次長や、報道部業務全体を統括する部長の関与が不十分だったと考えています

■早急に再発防止策 ひるまず取材継続 編集局長 小林

 私たち新聞社憲法保障された表現の自由を守り、国民の「知る権利」に奉仕することが責務です。国立大学法人である旭川医科大の学長の進退を巡る問題公益にかなう取材テーマであり、北海道新聞は全力で取材に当たってきました。

 全国的にも関心の高いテーマにもかかわらず、メディアの側からすれば旭医大取材対応は十分とは言い難いものがありました。そのため、会議の出席者に個別取材して事実関係を把握するなど、さまざまな取材手法を駆使してきました。こうした中で、取材中の記者が旭医大常人逮捕されるという事態が生じたことは遺憾と言わざるを得ません。

 ただ、記者逮捕された6月22日の取材の状況を検証する限り、反省すべき点もあり、取材部門を統括する責任者としてこの事態を招いたことを重く受け止めています記者教育組織運営のあり方などを早急に見直し、再発防止に努めます

 北海道新聞社は、一線の記者たちが安心して取材できる環境あらためてつくるとともに、今回の事件にひるむことなく、国民の「知る権利」のために尽くしてまいります

2021-07-07

北海道新聞社内調報告書全文

医大取材の本紙記者逮捕 社内調査報告

07/07 07:00

北海道新聞社は、旭川医科大の校舎に許可なく立ち入ったとして、旭川支社報道部記者建造物侵入の疑いで逮捕された事件で、この記者現場取材していた報道部の3人の記者担当の部次長から事実関係について聞き取り調査しました。確認した内容を読者の皆さまに説明します。

事実経過

医大は6月22日午後3時から吉田晃敏学長の解任問題議論する学長選考会議を校内で開きました。

節目の会議だったため、北海道新聞の4人を含む報道各社の記者が、会議を終えた選考委員取材するため大学敷地内で待機していました。

午後3時50分ごろ、旭医大報道各社にファクスで、会議終了後の午後6時に同大中央玄関前で記者団の取材に応じることを通知。文書には新型コロナウイルス感染防止のため、構内への立ち入りを禁止していることも記載していました。

大学から通知を受け取った報道部では、現場取材責任者キャップ)ら3人の記者に通知をメールしましたが、現場入社1年目の記者もいることを把握しておらず、この記者には送りませんでした。

午後4時ごろ、キャップはこの記者に対し、校舎内に入って出席者が通る可能性のある2階付近廊下で待つよう指示しました。

キャップは、通知の後段にあった「入構禁止」の要請を見逃しており、「これまでも入構禁止になっていたが、慣例的に自由に立ち入って取材していたため、入らせた」としています

記者は午後4時25分ごろ、会議が行われている可能性がある4階に向かうよう指示されました。電話無料通信アプリのLINE(ライン)で複数のやりとりがあったため、キャップがこの指示を出したのか、別の記者なのか、はっきりしません。

その後、記者会議が行われているとみられる部屋を見つけてドアの前に立ち、スマートフォンをドアの隙間に近づけて録音しました。

数分後、会議から出てきた職員に見つかり、身分を聞かれましたが、あいまいな返答を繰り返しました。後ずさりするような行動をして職員に取り押さえられ(常人逮捕)、身柄を旭川東署に引き渡されました。記者北海道新聞名刺と腕章を示したのは警察官が駆けつけた後でした。

記者は24日に釈放され、同署が在宅で捜査を続けています

情報共有、記者教育問題

北海道新聞社は22日の旭医大取材で、情報共有や取材手法記者教育の点で、以下のような問題があったと考えます

この日の会議に先立ち、18日に行われた学長選考会議の際、報道各社が旭医大取材対応に不信感を抱き、会場の4階に行って事務局トラブルになり、旭医大許可なく校舎内に立ち入らないよう報道陣に強く抗議していました。北海道新聞も22日とは別の記者が4階の現場にいましたが、18日のトラブル情報北海道新聞記者の間で十分に共有されず、逮捕された記者も知りませんでした。

新人記者単独で校舎内に立ち入って取材させたことにも問題がありました。この記者が旭医大問題取材するのは22日が初めてで、取材経験の浅い記者に校舎内に入るよう指示した理由について、キャップは「経験を積ませたかった」としています

的確な指示がなかったため、記者は一部の先輩記者から聞いた体験談をもとに、自分判断会議内容をスマートフォンで無断録音していました。北海道新聞取材ルールを記した「記者の指針」で、記者倫理上、無断録音は原則しないと定めていますが、指導が徹底されていませんでした。

職員に見つかった際も、すぐに北海道新聞記者と名乗り、取材目的であると告げるべきでしたが、動揺していたこともあって、できませんでした。キャップや別の記者から、校舎内で身分を聞かれても、はぐらかすように言われていたことも影響しました。

一連の経過をみると、取材方法指導するべき報道部の部次長や、報道部業務全体を統括する部長の関与が不十分だったと考えています

■早急に再発防止策 ひるまず取材継続 編集局長 小林

私たち新聞社憲法保障された表現の自由を守り、国民の「知る権利」に奉仕することが責務です。国立大学法人である旭川医科大の学長の進退を巡る問題公益にかなう取材テーマであり、北海道新聞は全力で取材に当たってきました。

全国的にも関心の高いテーマにもかかわらず、メディアの側からすれば旭医大取材対応は十分とは言い難いものがありました。そのため、会議の出席者に個別取材して事実関係を把握するなど、さまざまな取材手法を駆使してきました。こうした中で、取材中の記者が旭医大常人逮捕されるという事態が生じたことは遺憾と言わざるを得ません。

ただ、記者逮捕された6月22日の取材の状況を検証する限り、反省すべき点もあり、取材部門を統括する責任者としてこの事態を招いたことを重く受け止めています記者教育組織運営のあり方などを早急に見直し、再発防止に努めます

北海道新聞社は、一線の記者たちが安心して取材できる環境あらためてつくるとともに、今回の事件にひるむことなく、国民の「知る権利」のために尽くしてまいります

北海道新聞社内調報告書全文

医大取材の本紙記者逮捕 社内調査報告

07/07 07:00

北海道新聞社は、旭川医科大の校舎に許可なく立ち入ったとして、旭川支社報道部記者建造物侵入の疑いで逮捕された事件で、この記者現場取材していた報道部の3人の記者担当の部次長から事実関係について聞き取り調査しました。確認した内容を読者の皆さまに説明します。

事実経過

医大は6月22日午後3時から吉田晃敏学長の解任問題議論する学長選考会議を校内で開きました。

節目の会議だったため、北海道新聞の4人を含む報道各社の記者が、会議を終えた選考委員取材するため大学敷地内で待機していました。

午後3時50分ごろ、旭医大報道各社にファクスで、会議終了後の午後6時に同大中央玄関前で記者団の取材に応じることを通知。文書には新型コロナウイルス感染防止のため、構内への立ち入りを禁止していることも記載していました。

大学から通知を受け取った報道部では、現場取材責任者キャップ)ら3人の記者に通知をメールしましたが、現場入社1年目の記者もいることを把握しておらず、この記者には送りませんでした。

午後4時ごろ、キャップはこの記者に対し、校舎内に入って出席者が通る可能性のある2階付近廊下で待つよう指示しました。

キャップは、通知の後段にあった「入構禁止」の要請を見逃しており、「これまでも入構禁止になっていたが、慣例的に自由に立ち入って取材していたため、入らせた」としています

記者は午後4時25分ごろ、会議が行われている可能性がある4階に向かうよう指示されました。電話無料通信アプリのLINE(ライン)で複数のやりとりがあったため、キャップがこの指示を出したのか、別の記者なのか、はっきりしません。

その後、記者会議が行われているとみられる部屋を見つけてドアの前に立ち、スマートフォンをドアの隙間に近づけて録音しました。

数分後、会議から出てきた職員に見つかり、身分を聞かれましたが、あいまいな返答を繰り返しました。後ずさりするような行動をして職員に取り押さえられ(常人逮捕)、身柄を旭川東署に引き渡されました。記者北海道新聞名刺と腕章を示したのは警察官が駆けつけた後でした。

記者は24日に釈放され、同署が在宅で捜査を続けています

情報共有、記者教育問題

北海道新聞社は22日の旭医大取材で、情報共有や取材手法記者教育の点で、以下のような問題があったと考えます

この日の会議に先立ち、18日に行われた学長選考会議の際、報道各社が旭医大取材対応に不信感を抱き、会場の4階に行って事務局トラブルになり、旭医大許可なく校舎内に立ち入らないよう報道陣に強く抗議していました。北海道新聞も22日とは別の記者が4階の現場にいましたが、18日のトラブル情報北海道新聞記者の間で十分に共有されず、逮捕された記者も知りませんでした。

新人記者単独で校舎内に立ち入って取材させたことにも問題がありました。この記者が旭医大問題取材するのは22日が初めてで、取材経験の浅い記者に校舎内に入るよう指示した理由について、キャップは「経験を積ませたかった」としています

的確な指示がなかったため、記者は一部の先輩記者から聞いた体験談をもとに、自分判断会議内容をスマートフォンで無断録音していました。北海道新聞取材ルールを記した「記者の指針」で、記者倫理上、無断録音は原則しないと定めていますが、指導が徹底されていませんでした。

職員に見つかった際も、すぐに北海道新聞記者と名乗り、取材目的であると告げるべきでしたが、動揺していたこともあって、できませんでした。キャップや別の記者から、校舎内で身分を聞かれても、はぐらかすように言われていたことも影響しました。

一連の経過をみると、取材方法指導するべき報道部の部次長や、報道部業務全体を統括する部長の関与が不十分だったと考えています

■早急に再発防止策 ひるまず取材継続 編集局長 小林

私たち新聞社憲法保障された表現の自由を守り、国民の「知る権利」に奉仕することが責務です。国立大学法人である旭川医科大の学長の進退を巡る問題公益にかなう取材テーマであり、北海道新聞は全力で取材に当たってきました。

全国的にも関心の高いテーマにもかかわらず、メディアの側からすれば旭医大取材対応は十分とは言い難いものがありました。そのため、会議の出席者に個別取材して事実関係を把握するなど、さまざまな取材手法を駆使してきました。こうした中で、取材中の記者が旭医大常人逮捕されるという事態が生じたことは遺憾と言わざるを得ません。

ただ、記者逮捕された6月22日の取材の状況を検証する限り、反省すべき点もあり、取材部門を統括する責任者としてこの事態を招いたことを重く受け止めています記者教育組織運営のあり方などを早急に見直し、再発防止に努めます

北海道新聞社は、一線の記者たちが安心して取材できる環境あらためてつくるとともに、今回の事件にひるむことなく、国民の「知る権利」のために尽くしてまいります

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