はてなキーワード: 男性専用とは
一般論として、「ビジネス用の格安〇〇」というものが少なからず実質的に男性専用になっているという事実は指摘されなきゃならないだろうなと思う。
ボロボロの格安ビジネスホテルに泊まると今でも男性用共同浴室しかなかったりするんだよね。まあ、流石に時勢的にも、男性用とあっても事前に断れば女性でも利用可能なところが多いけど。でもひと手間多いのは確実なデバフではある。
こういう事実は「普通のビジネスホテル」に泊まっていると気付かない。
上と下ばかりが注目されるけど、やっぱり格差是正のために注目すべきは中間層。
「バリバリ働くキャリアウーマン」でもないけど、「普通に苦労しながら普通に稼ぐ」程度の女性が働きやすい環境と言うのは、そういうところに要因があると思う。
私はフェミニストかどうかと問われればフェミニストなんだと思う。
女性をまんさん呼びする男の人に嫌悪感を覚えるし、女性が社会進出できるように仕事を頑張りつつ、社内で出産育児に理解を得れるよう意見を出すし。
しかし最近のSNS上でみるフェミニストに大きな違和感を感じている。
私の考えるフェミニストは男女の格差を無くしたり「女らしさ」とやらのために就業制限されることがないように活動したり、そういった性別のみの基準で格差が生まれないよう主張する人々だと考えている。
近年では献血の広告に胸の大きい女性キャラクターが使われたとかエロ本をコンビニに置くなとかいわゆる「性的搾取」の基準がおかしくなってしまっている「ツイフェミ」と呼ばれるジャンルが登場してしまった。
献血の広告に大きな胸のキャラが使われたことで、コンビニにエロ本があったことで一体何の男女格差が生まれているのだろうか?私には理解できない。そもそも男性が女性を(逆も然りだが)性的な目で見るのは至極自然なことで、そうやって子孫は繁栄しているのである。(今回はフェミニストについて話すので他LGBT関連の性については言及しない)
もちろん、性的に見たからという理由で無理やり行為に及んだり強要する行為は犯罪である。そのラインを理性をもって引くのが人間だ。
一方、もちろんフェミニストの方々の運動により恩恵を受けていることもある。
例えば、私からすれば電車の女性専用車は非常にありがたい。実際に被害にあったことがない人は想像できないだろうが都内の通勤ラッシュ時の痴漢の数は想像を絶する。盛ってるのでは思われるかもしれないが特に学生服を着ていた時は本当に毎週痴漢に遭遇していた。
友達と一緒に登校していようが関係なしだった。電車の中で露出狂にあったこともある。それくらい性犯罪者の数は異常だった。
痴漢される方に問題があるというような言い方をする男性もいるが、これは確実に否である。どう考えても犯罪者に非がある。これは法的に戦えばわかるが、明らかなことである。
しかし一方事実として、足を出していたり、学生服を着ていたり、そういった「見た目」によって痴漢遭遇確率が高くなってしまうというのは事実である。事実と善悪は別だ。
その対策として生まれたのが女性専用車であって、「痴漢に遭遇する」事実と「好きな格好をして出かける」という理想を掛け合わせた仕組みだ。これは女性がしっかり活動をして成し得た功績であり、非常に私も助けられた。
一方でこのような話をすると「男性も痴漢冤罪のリスクがある」という意見が挙がるがそれは別物である。
それは男性側が活動して男性専用車を作る等の取り組みをなすべきであって、女性へ不平等を訴えるのは些か疑問である。
男性も日々痴漢冤罪のリスクがあるから女性に痴漢遭遇のリスクを背負えということなのだろうか。そこは男性諸君に取り組んでいただきたい。
事実を逸脱した理想を振り翳したところで何の解決にもならないのである。
コンビニのエロ本を減らそうが献血の広告を変えようが性被害に遭わなくなるわけじゃない。
いくら会社に訴えようが、男より仕事を頑張ろうが妊娠、出産は女しかできない。
いくら筋トレしようがいくら護身術を極めようが男より力が強くはならない。
だから私は今日も女性専用車で会社に向かうし、昇進のために上司と自分のライフプランをしっかり話し合うし(妊娠、出産のプライベートの予定含め)護身用に武器を忍ばせて出かける。
4月からデザイン系の派遣社員をしているのだが、契約期間途中の今月末で退職することになった。
面接時に私から投げた質問で1点致命的に間違った情報を伝えられたまま契約してしまい、いざ業務が始まってみたらこれは私のライフスタイルでは続けられませんとなってしまったのだ。
何故間違った情報を伝えられたかと言うと、面接に立ち会った派遣元・派遣先双方ともに実際の現場の業務を殆ど把握できていない為だった。
向こうもそこは(物凄く軽薄な感じではあるけど)謝ってくれて、私はすぐに辞められるなら何でもいいですという感じでスルーした。
という訳で後任の人が見つかり、6月頭から引き継ぎが始まった。
デザイナー歴10年の私はこの仕事に就いてから2週間で1人で業務を行えるようになったので、まぁ同じくらいのスキルの人なら1ヶ月あれば確実に覚えられると思っていた。
後任の人は何故か、デザイン未経験・イラレフォトショの使い方知らない・仕事でパソコンを使ったこともないという三拍子が揃った人だった。
デザイナー歴10年の私でも1人で出来るようになるまで2週間もかかる仕事なのに、本当に何故この人が採用されたのか全く理解出来なかった。
が、冒頭で述べた通り派遣元・派遣先の面接担当者は共に現場の仕事をほぼ把握していないので、それが原因だろうとは容易に想像がついた。
引き継ぎ初日の時点で後任が1ヶ月以内にこの仕事を1人でこなせるようになるにはかなり厳しい戦いになると分かったし、派遣元の営業マンにはすぐにその旨は伝えておいたが、私に出来ることは後任に全力で仕事を教えることだけなので、そのようにした。
デザイン経験の無さやAdobeソフトの知識に関しては頑張って覚えてもらえば大体解決できるが、そもそもパソコン操作自体が初心者レベルだったのだ。
例えば、フォルダ内にあるファイルを別のフォルダに移動する方法が分からない。
フォルダを複数開いてドラッグ&ドロップとか、Ctrl+Xで切り取り→移動先へペーストとか色々方法はあると思うが、フォルダを複数開く方法や、切り取り・ペーストのショートカットキーを知らないのだ。
パソコン教室レベルの話から教えなければならないので、これは相当時間がかかるぞと思った。
それだけならまだいいのだが、後任は人間的にも不安な点が多かった。
仕事中の雑談で、しきりに「家で一人なのが寂しい」と話すのが気がかりだった。
それでいて後任は体調を崩しやすく、半月以内に発熱と胃腸炎を発症していた。
「彼氏も友達もいないし、体調悪い時に家で一人だと本当に辛いです……」と話す様子に、既婚者の私は何と声をかけたらいいか分からなかった。こちらまで辛くなってしまって胃が重くなった。
また、後任はブラックリストに載っているのでクレカを持っていなかった。
それも自分の浪費によるものではなく、前職の業務上の立て替えが嵩み、更に会社への精算申請も怠っていたため期限が過ぎて精算してもらえず、そのまま支払いが滞って信用情報を失ったという話だった。
「それ精算期限なんてただの社内ルールだから、立替金払って貰えなかったとか訴えたら勝てるんじゃないですか」と尋ねると、小さな声で「訴えるとか思い付かなかったです……」と言った。
後任は声が異常に小さかった。
何度も聞き返していたら、ある時「すみません、休みの日とか一日中誰とも喋らないので、声の音量分からなくて」と言っていた。
とにかく業務上の全てにおいて初心者だった後任は莫大な量のことを覚えなければならなかったが、どうしても数日前に教えたことを忘れてしまいがちだった。
ある時気付いたのだが、後任は私の指示の意味を考えず、ただ言われた操作をその都度再現しているだけだったのだ。
だから同じ操作を使って出来る別の作業に取り掛かる時に応用が利かず、点で覚えているので記憶も繋がらないので忘れやすいようだった。
とにかくメモを取るように伝えたのだが、体系的にまとめず聞いた事を聞いた順に雑多に記録していくので、後に参照した時どこに何が書いてあるか検索できないタイプのメモが作成されていた。
しかしそこまで指導をしている時間は無いので、心苦しいがもう細かいことには目を瞑ってカリキュラムを進めていくしか無かった。
後任の覚えの悪さや孤独の原因が分かった気がする出来事があった。
ある日の休憩中、弁当を食べながら不意に後任が「サウナ好きですか?」と尋ねた。
私は昨今の流行とは全く別ルートからサウナにハマった根深いサウナーなので、「恐らく後任さんの予想の10倍くらいはサウナ好きだと思います」と答えた。
それまで後任とあまり有意義な会話が出来ていなかったので、私はその質問が嬉しかった。
私は近場で女性に人気の施設や、マイナーだけど自分のお気に入りの施設の名前などを3、4個上げ連ねた。
後任は特にメモするでも検索するでもなく聞き流すと、「かるまる行ってみたいんですよねー」と言った。
「かるまるは男性専用施設ですよ……?」と言うと、「えっ! そうなんですか?」と驚いていた。
何で見て知ったのかは分からないが、男性専用施設だと知らなかったことに驚きつつも、「でも時々レディースデーイベントをやってるんですよ!次はいつかな……」と調べてみたら近日中に開催予定があったので、申し込み日程を教えた。
後任は下を向いて曖昧な笑みを浮かべるばかりで、特に本気で行こうとしている様子は見えなかった。
この時私は気が付いた。
後任は、あらゆることへの興味が薄いのだ。
興味を持つには持つが、とにかくそれが薄い。
これは私の予測の範囲を出ないが、仕事に対しても興味が薄いので自ら積極的に覚えていくことが無いから覚えが悪いし、他人に対しても興味が薄いので親しい人が周りにいないのではないだろうか。
ここまで書いていて私に対して「持てる者が持たざる者を見下している」という印象を与えてしまったかもしれない。
が、そうではなく、私は運良く配偶者と結婚して貰えただけで、一歩間違えたら後任の人とそう変わらぬ人生を送っていたかもしれないくらい共通点が多いのだ。
昔は友達も全然おらず、無計画に会社を辞めてフラフラし、親とも不仲なので誰にも頼れないままクレジットカードを生活費に使い込み、首が回らなくなってブラックリスト入りした人間なのだ。
そんな人間なので、後任を見ていて他人事とは思えず、心を痛めていた。
相当難しい話ではあるが、何とか1ヶ月で引き継ぎを終えて仕事を出来るようになってほしいと心から願っていた。
次の勤務日も休んだ。
LINEに既読が付かなくなった頃、派遣元の営業マンから「後任の人へ引き継ぎを継続するのが難しくなったので、このまま一人で月末まで業務を行ってください」と連絡が来た。
後任が飛んでしまった。
頼れる人もいない、信用情報も無い孤独な後任が飛んでしまった。
今後どうしていくのだろう。
後任は官公庁から来る文書の内容が読んでも全く理解できないと言っていた(私も全く同じ)ので、当然失業保険など知らないと思う。
デビットカードも知らなかったから(これは信用情報が無くても殆どのサービスでクレカ代わりに使える便利グッズであることをちゃんと教えたので大丈夫)。
後任は私が後任に対してこれだけ心配していることも知らないと思う。
かと言って、未読スルーをされているLINEに追加で何か声をかけるほど親しくもない。
だから私もこれ以上の連絡は取らないし、無事退職でき次第LINEはブロックすると思う。
私が今まであまり出会ってこなかっただけで、後任のような人は恐らく日本に沢山いるんだろう。
そういう誰にも頼れない人たちに優しい国であってほしいと願わずにはいられない。
でも、そうなる日は来るんだろうか。
かく言う私も規則正しく毎日同じ場所に行って同じ仕事をすることが耐え難いという性質のせいで、ひとつの定職を決められず毎年年収が200万行くか行かないかの底辺フリーランスだ。
本当に、私達を助けてほしい。
極論も何も小型のジムが男性専用・女性専用である最大の理由がそれだもの
小型ジムは男女共用にして両方の更衣室・シャワー室を用意するよりその空間もトレーニングエリアにして最大会員数増やした方が結果的に会員の数が増える
男女共用にしてトレーニングエリア狭くなったら同じ店舗面積でも抱えられる最大収容人数が減るんだぞ?
特に小型ジムは単機能マシンよりもフリーウェイトやスミスマシンみたいな多用途マシンを多く入れたいから、スペースの広さが最大収容人数に直結すんだよ
少ないお小遣いで何買って読もうかなってしばらく考えた。来月の二日に『その花の名を知らず』(長野まゆみ)が発売されるというので、もう何も買わずに来月末まで待って、またお給料が出たら我慢して貯めた千円に新たなお小遣いの千円をプラスして買おうかなと思ったけど、やっぱり後回しにすることにした。なお、『その花の名を知らず』は『左近の桜』シリーズの第四弾である。二年くらい連載されていたらしいので、1冊で二巻ぶんあるはず。
ついでだから、最近読んだ訳ではないが『左近の桜』を紹介しておこう。
左近桜蔵(さこん さくら)は、武蔵野のとある旅館の女将の息子である。彼の家の生業は、実は男性専用の連れ込み宿だ。
ある日の夕方、桜蔵は番頭の代わりに客を迎えに出て、間違えてこの世ならざる者を拾って来てしまった。その一件以来、桜蔵はしばしば謎の引寄せ体質により、亡霊を拾って来るようになる。そんな桜蔵のことを父の柾(まさき)はそれはお前が「女」だからだと言うのだが……。
舞台は現代の東京ながら、江戸情緒の僅かに残る世界観。主人公の桜蔵が己の変わった体質により事件に巻き込まれ、毎度「アッー!」なことになる、短編連作集。また、桜蔵の出生の秘密を解くミステリー要素ありいの、桜蔵と父柾とのBL要素ありいの、読み応えがあるシリーズ作品だ。
個人的に気になるのは柾×桜蔵あるいは柾←桜蔵のほんのりBLがこれからどうなっていくかだなぁ。柾に対する桜蔵の思いはうっすら恋情もありつつ父への慕情とか憧れ。作中時間が経つごとに着々と老いていく柾と成長していく桜蔵。いずれ桜蔵が父を超えていく父子相剋物語になるのか、それとも桜蔵が成熟した「女」となって柾に抱かれるかなんかするのかっていう。
柾と桜蔵の本当の父親がどういう関係だったのか、過去の話もいつか明かされるのか、たのしみ。
さて、結局『その花の名を知らず』を買うのを見送って買ったBL……というか、非BLはこれ↓
脚本家の蓮野は仕事が忙しくなり、ただでさえ苦手な家事が回らなくなってしまった。そこで、前からちょっと気になっていた後輩の日暮を呼び出し、家事手伝いのバイトを頼むことにした。
苦もなく家事をこなし、頼めば一緒にご飯も食べてくれる日暮に対し、蓮野は感謝以上のなんとも形容しがたい思いをつのらせていき、やがて日々を日暮のことばかり考えてしまうようになる。
前におすすめされてpixivで読めるぶんだけ読んだんだけど、一巻まとめて読んで、すごいなと思った。
何がすごいって、四コマ形式のコマ割で描かれていること。一ページ8コマの配分なんだけれども、ちゃんと四コマごとに軽くオチのようなものがついているというか、そこで一区切りがついているということ。四コマをはみ出して半端なコマ数で一旦途切れるということがない。そして、8コマぶんで一回り大きな一区切りだし、数ページで「1話」として綺麗に完結している。そして1冊の漫画として綺麗に終わっている。(全2巻らしいんだけどね。)
す、すごい……作者は四コマを描くために生まれた、四コマの神なのか? BLとしてどうこうという以前に漫画が上手すぎてこわい。絵も可愛いしなぁ……あぁ、すごい……。
作者自ら本作を「BL」と明言しており、編集部もBLとして売り出したようなのだが、本作は某BLレビューサイトには「非BL」作品に分類されている。何故なのかというと、単にBLレーベルの作品ではないからだと思う。だが、レビューを見てみると、本作が「非BL」に分類される理由はレーベルの問題以外にもあると思う読者もいるのがわかる。
実は商業BLにはけっこう厳しめのルールがあって、それを満たさないものをBLとは見なさないようなのだ。私の知っている限りでは、以下のルールがあるっぽい。
そんな感じなので、セックスどころかキスもハグもしない『日々、君』はBLではないと言われてしまう訳だ。けれども、恋愛になりそうでならない感じでもだもだしつつ、着実に互いの距離感を縮めていく描写は、恋愛ものの基本かつ根幹って感じがするよなぁ。
なお、上記で紹介した『左近の桜』もレーベルの問題で非BLなんだけど、亡霊達×桜蔵という、桜蔵総受けBL状態でありながら本命のカプと見なされる柾×桜蔵はずっとノータッチ状態なのがまた非BLとされる一要素かもしれない。
はぁ……、商業BL(とそのファン)って面倒臭いな。以下、BL雑記。
商業BLにはルールがあるが、個人で書いているぶんにはそこまで厳格にこれはBLだがあれはBLではないとかやらなくていいはずだ。
ところが、Web投稿サイトに投稿するとなれば話が微妙になってくる。中にはBLガチ勢字書きや商業で食っていきたいセミプロBL書きとかも混ざっている。読み手にしても、漠然とBLっていうのは男同士でヤってればいいんでしょと思ってるだけの人から、商業BL同等の物を読みたい人もいる。
私個人の感覚では、BLを書いて投稿サイトに投稿し、多くの人に読まれたいと思ったら、商業BLのルールに則った物を書くのが無難なのかなって感じる。人類の半分が女だからって登場人物の半数が女だったりとか、攻めが浮気しまくりとか、カプ離別バッドエンドとかは書かない方がいいんじゃないかと……。ただ無視されるだけならまだしも、「それはBLではないです」って苦情が来たらつらいし。
じゃあ、そんなBLルールは窮屈だからってBLタグを外して「ヒューマンドラマ」だの「サスペンス」「学園ドラマ」etcのタグだけ着けて投稿すれば、後から親切な読者に「BL」タグを追加されるとか、「腐媚びキメェ」と苦情が来るかもしれない……。なまじっか面白い物を書いてしまった場合、BLと明記しなければ人はそれを一般向けとして読む……ばかりか、何となく「男性向け」に近いものと読んでしまい、後から「なんだよ女向けじゃねえかよ」とか「もっと男が喜ぶようなこと書けよ」って苦情も来るかもしれない。
……とかいう話を、最近、とあるBL字書きコミュニティで話し合ったのだった。BLというジャンルがあるせいで、BLではない男×男の作品って行き場がなくない? と。
で、どうする? って話で。対話の相手は、そんなら仕方ないから腐女子から顰蹙買ってもいいからBLと言い張って書くよ、とのこと。一般向けと見られて、もっと人気を出すために男向けの表現……たとえば従順で可愛い巨乳の女を書くくらいなら、生意気で男の言うことをきかない女の登場する「BL」を書きたい、と。なるほど。
プロの世界なら、純文学とかエンタメ系という性別どっち向けとかないジャンルで書いていけるけど、Webの素人小説書きはどっち着かずではやっていけないんだよね……という話。
それとは別に、私が思うBLの不自由で厄介だと思う点は、BLは男同士の関係が恋愛に帰結するということ。虐待も執念も「愛ゆえ」ということになってしまうので、へたに男→男の性犯罪からの復讐譚みたいなものを書いてしまって、それをBLとしてWebに投稿しちゃったりすると、暴力描写が「癖」とみなされ一部の読者がたいそう喜ぶ……かもしれない。というのは、よろしくないよなぁと思う。たとえば殺意は殺意なのだが、BLマジックがかかると恋情や愛情になってしまう。という歪さかげんにむずむずする時がある。
まず、自分は「児相・弁護士会ルートでの一時保護専用施設や児童養護施設の受入対象ではなく(あるいは馴染めず)、DVシェルターに親と一緒に入所できる対象でもないが、家庭内で虐待を受け、孤立している子」については、性別を問わず広く受け皿が整備され、より多くの対象者が保護・救済されたらいいなと思っています。
その受け皿のひとつである子どもシェルターは、まいと@虐待どっとネットさんのおっしゃる通り、女性用子どもシェルターが主で(といっても絶対数自体が非常に少ないですが)、男性が入れる子どもシェルター(両性用・男性用)は非常に少ない状況だと思います。
一方で、そうした男性対象者の受け皿としては、歴史的には自立援助ホームが中心的な役割を果たしてきたと思います。主な対象者は20歳未満と子どもシェルターの中心的保護対象とほぼ同じで、都市部にも地方にも多数存在し(子どもシェルターの約10倍)、男性・女性の定員は全国で450人程度でほぼ同数です。http://zenjienkyou.jp/%E8%87%AA%E7%AB%8B%E6%8F%B4%E5%8A%A9%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E4%B8%80%E8%A6%A7/ (法的には、子どもシェルターも自立援助ホームの一種として公費支給されているそうです)
ご指摘の「カリヨン子どもセンター」では、「カリヨン子どもの家ボーイズ」と男性用自立援助ホームの「とびらの家」が併設されていますが、他の子どもシェルター運営団体では、シェルターは女性のみ受け入れつつ、自立援助ホームでは男性または両性をケアしているところもあります。例えば「ピピオ子どもセンター」は、子どもシェルターは女性用で、自立援助ホームは男性用です。「子どもシェルターモモ」は、子どもシェルターは女性用で、自立援助ホームは男性・女性それぞれの施設があります。
こうした性別によるケア体制の差は、ひとつには「女性より男性のほうが、20歳以下でもそこそこの収入を得て自立できる仕事があった」という歴史的事情もあるのかもしれません。男性は未成年でも「自分で働いて稼いで暮らしていく」というルートに早期から乗せやすいから、(入所中に一定の費用負担がある)自立援助ホームを中心に「孤立や虐待で家庭にいられなくなった子」を救済してきたように思います。一方で女性の場合は、この年齢で自立生活できるだけの収入のある仕事が相対的に少なく(あってもいわゆる夜職が中心)、最初から自費負担しながら自立援助ホームに入るというコースが取りにくいことから、先行する配偶者DVシェルターの枠組を一部援用する形で、自費負担のない「女性用子どもシェルター」という救済枠組が整備されていったように思います。カリヨン運営の方もこのような認識は持たれているようです。
社会福祉法人カリヨン子どもセンター事務局長の石井花梨氏は,「男の子の場合は,いわゆる『ガテン系』(肉体労働)の仕事があるので,特に若いうちは日給で働いても,割と安定的な収入を得られます。しかし女の子は,どうしても飲食系の仕事が多く,特に今はほんとうにアルバイトしかないので,よほど頑張らないと,アパートで独り暮らしするところまで,なかなかいけません。そこで頑張れなくなったときには,性産業に走ってしまう。そのことも含めて私たちは性被害だと思っています」
もうひとつ、これは個人的印象によるところが大ですけど、DV加害者である親側の「子に対する執着」の傾向には子の性別による違いがあり、親の家を出た18〜20歳の子は、男性の場合は親側には子を奪還しようとする意思がより弱く、女性の場合は親側の奪還意思がより強いため、現場では配偶者DVシェルターと同じように保護対象のセキュリティを重視し、運営場所を秘匿して運営される「女性用子どもシェルター」のニーズが強く認識され、提供されるようになったのではないかと思います。
最後に、物理的事情もあると思います。子どもシェルターも自立援助ホームも一軒家を借り上げて定員6人前後で運営するパターンが多いため、団体のキャパシティが小さければ男性は自立援助ホームでケアし、大きければ男性向けもシェルターと自立援助ホームを分けて、入所者のステージと課題の変化に対応したケアを提供しているように感じます。東京拠点でキャパシティも大きいカリヨンは、男性対象者の支援を2ステップに分け、緊急・短期支援段階は「ボーイズ」で、生活構築段階では「とびらの家」でと切り分けているように思いました。
(なお、まいとさんの場合、児相ルートの児童養護施設と自立援助ホームどちらにも入所を検討されたものの、精神的不調がある、精神科への受診歴があるという理由で入所できず、不幸にもこれらの受け皿の両方にアクセスできなかったとのことでした。https://readyfor.jp/projects/gyakutaiN_first これは確かに制度の欠陥であり、改善されるべきだと思います)
こういう事情もあって、「虐待に遭う男児・女児は同数なのだから、子どもシェルターも同数あるべきだ」という一部の論旨には、自分は首肯しかねます。一方で自分が「それと別に男性専用シェルターが必要かと言われると、自分はその当事者ニーズをあまり認知してない」と書いたのは、多くが女性スタッフで運営されている女性用子どもシェルターの対照物として「男性スタッフによって運営され、男性のみが入所することで『セキュアな空間』を提供できるシェルター」が当事者に求められている、という感覚があまりなかったからなのですが、ここについては、振り返ってみると、自分も勝手に「対照的存在としての」という(元の文脈にはない)読み込みをしており、反省しています。「児童福祉法の保護対象から外れた未成年のDV被害」という要素に対して、多くの自立援助ホームの枠組では最重視されていない種類のケアを男性向けにも提供できるなら、それが当事者にとって「よりよい」ことなのは間違いないです。そういう観点にもとづいて既存の男性用自立援助ホームの機能強化・支援強化を図ること、あるいは自立援助ホームとは別に男性が入所可能な子どもシェルターを作ることは、どちらも賛成します。
一方で、男性用子どもシェルターが希少なことで、あたかも家庭で虐待を受けている男性当事者を保護する仕組みが全く存在しないかのような印象を持たれている方々が批判者・擁護者の両方に見受けられるのは、それはそれで実態と乖離しているとも思います(nero氏のまとめだけを読んだら、そう思う方は多い気がしますが)。児相の一時保護所・子どもシェルター・自立援助ホーム・DVシェルターの随伴入所など、相互に補完しあう分散的な児童福祉セーフティネットが現にあることを前提に、どうやってこのセーフティネットを「より漏れや隙間がなく、きめ細やかな仕組み」に整えていけばいいか、という観点で話をしていくのが良いように思いました。
個人的に、その参考になるのが更正保護関連の仕組みだと思っています。保護司制度、更生保護施設、自立準備ホーム(自立援助ホームとは別)など法的根拠を持った救済基盤が整備されていて、就労支援事業者機構という組織を中心に官民連携も密になされており、企業会員の寄付や協力雇用主会員をベースにした生態系を作っています(地方の大手企業の役員などが機構メンバーになって、中小企業相手にこまめに案内・勧誘したりしています)。制度化によって硬直化してる面も感じなくはないですが、こういう、金の出処も確保した官民連携が更正保護以外の分野にも拡大されていったらいいなと思います。
ここまで書いて思ったんですが、もしかしたら、2022年4月からの成年年齢の引き下げによって、「制度の狭間」(民法上の親権下にあるが、児童福祉法の保護対象ではない)となる18〜20歳の救済を中心に構築されてきた子どもシェルターの性格は、今後は大きく変わって行くのかもしれないなと思いました。児童福祉法の定める保護年齢と成年年齢が一致したことで、結果的に制度の隙間が解消され、「個別入所者にコタン弁護士がついて、親権者との調整を図る」という子どもシェルター独特の法的支援要素が不要になるわけです。今後は子どもシェルターは自立援助ホームと再融合していくのかもしれませんし、よりDV被害のケアを焦点化した支援組織になっていくのかもしれません。そのあたりは両方を運営している団体の方々がどう考えているのか知りたいなと思いました。