はてなキーワード: 名刺交換とは
企業の選定にあたっては、「入社後の新卒研修がオンラインであるか」も重要なファクターです。この4月からも、この期に及んでまだ、自社の研修施設やレンタル会議室に3か月、新卒数十人を集めて、長机に横並びで9時17時、座学を受けさせようとする会社があります。名の知れた大企業であってもです。むしろ、誰でも知っている企業のほうが、集合研修を嗜好する傾向にあるかもしれません。
人事や研修を担当する研修会社は「万全の感染対策を」と言いますが、長机はアクリル板で仕切られているわけでもなく、高層オフィスビルの一室ですから窓も開きません。空気清浄機が部屋にひとつふたつ設置してありますが、そもそもウイルスのサイズの粒子を捕獲した実績はない、とメーカーのページで明記されています。毎日検温を、と言いますが誰もチェックしていない検温機を素通りするだけです。そして、新人研修では密な空間での発話が多くあります。朝会での社訓の唱和 (パナソニックさんとか、公表してますし)、何十人に聞こえるように声を張る3分間スピーチ、何かあれば「疑問点を周りの人と共有しましょう」というディスカッション、とにかく飛沫を飛ばしたがります。
そして、みなさんの同期になる人たちが、必ずしも衛生意識があるとも限りません。トイレに行って手を洗わない、指先をぬらすだけ、教室入り口の消毒液も使わない。息が苦しいからとウレタンマスクをつける人、顎マスクのまま戻すことを忘れる人もいます。人事や研修講師だってそうかもしれません。集まれば、そういう人の数も増えます。
感染症が収まっていたとしても、そもそも「出社」の多くは不要であるとわかったわけですから、これからのビジネスはテレワーク、非対面が中心になります。それに適応できない企業が、「対面で同期の絆を」「教室にみんなが揃うと、人事やってよかったなぁと思うよ」などと、勝手な都合で不要なリスクを押し付けます。今求められるビジネスマナーは、お辞儀の角度や名刺交換のしかたよりも、Zoomでクリアな映像、音声をどう配信するか、オンラインで印象よく見えるにはどう映るかなのに、彼らは靴のつま先に泥がついているだの、書類のホッチキスの止め方だのを「指導」します。
結局のところ、それは人事の質が原因です。彼らは、そもそも本業で役に立たなくて人事に回された人たちです。幹部候補として実績を積むためのステップとして人事部長を経ることも多いので、上層部は優秀かもしれませんが。また、ベンチャーや成長企業では、そこで実績を作りたい、という思いで優れた中途入社の人材がいるかもしれませんが。しかし大企業では、モノを作る、サービスを作る、売る、そういった本業で活躍できない、でも簡単に辞めさせられない、そういう人たちが集う部署です。そして、彼らが評価される基準は「定着率」です。新卒が1年、3年辞めずに残っていれば、彼らの点数になります。だから、人を集めて、何となく友達付き合いさせて、辞めにくい雰囲気を作っているだけなのです。
みなさんを「Z世代」とか「〇〇ネイティブ」とか、レッテルでひとくくりにする気はありませんが、みなさんたちはそれぞれ、オンライン中心の世界での友達の作り方、というのを知っているはずです。それが前世代の人から見て濃いか薄いかは知りませんが、みなさんにとって「ちょうど良い」距離感の作り方を知っているはずです。それを理解できずに、とにかく集めてワイワイ喋らせれば友達になって、ひとりでは辞めにくくなるはずだ、と考える人事のもとで、みなさんは時代に適応したスキルを身に着け、成長ができるでしょうか。
IT企業だからきっと時代に合わせたスキルを身に着けられるはずだ、グローバルな大企業だからきっと世の中の変化に対応した環境があるはずだ、という幻想は、4月に入ってすぐの集合研修で打ち砕かれます。だからこそ、そこで貴重な「新卒カード」を失ってしまわないように、企業選定の段階で、「新卒研修すらオンライン化できないヤバい会社」を見極めることが重要です。
ネヨウヨじゃないってだけの意味でわざわざそれ用の呼称を用意する必要はない。
チョッと考えればすぐわかる。
私達は普段
キチガイじゃない人
外を出歩く時に包丁を振り回していない人
ないだろう!
同じことだ。
ネトウヨじゃないというだけで、どうしていちいちそれ用の呼び方を用意しなければならないのか?
ネトウヨじゃないという本来普通である状態にわざわざ特定の呼称をつけようという動きを受け入れることは、
ネトウヨであることが普通、という流れを作ろうとするネトウヨの企みに乗せられているだけだ。
だから、このような増田の呼びかけには一切応じる必要はないし、そもそもリベラルという呼称自体も不要!百害あって一利なしだ。
大手SIerには、社員教育のための研修会社があって、外部の受講者も多数受け入れてるんだけど、毎年新人研修もたくさんあるのね。
顧客企業別に、顧客先で行うこともあるし、逆に研修会社の教室に複数の企業から新入社員を集めて開催することも。もちろん、去年はオンライン「でも」開催してたよ。今年も、オンライン「の場合も」あるよ。
でも、あえて教室でやるクラスもあって、しかもそこにまぁまぁ申し込みがあるのね。もちろん新入社員が選べるわけはないから、入社企業の人事が決めてるのよね。本当にかわいそうだな、と。
長くて3か月、たいして広くない教室で、100人以上の、若くて行動力のある新入社員が集まって (※)、あいさつとか (顧客先だと) 社訓唱和とか、ビジネスマナー (笑) の名刺交換や商談ロールプレイとか、声を出してね。講師も、地声で語り掛けるのが良い講師だ、みたいな謎の地声信仰があるから、声を張るし。どこの研修会社の教室も、オフィスビルのそれなりに高い階だから、窓もないし、空調はビル内の空気をかき回すだけ (空気清浄機はあるけど...ね)。ちなみに去年、まだ危機感が薄かった地方では、講師だけオンライン、受講者は会社に集まってZoom画面をスクリーンに投影して受講、朝は社訓唱和とラジオ体操、とかあったよ。
そして新入社員研修だから、毎日のパソコンや机や備品の清掃は新入社員任せになるわけね。合宿ではないけども、毎日東名阪の中心地に、各地から若者が集まったら (※)、そら...ね。
※若者を批判してるんじゃないよ。集めるほうが頭おかしいんだから。
新入社員どうし、新入社員と先輩が対面して関係を深めること自体は否定しないよ。でも、それは研修以外の場で、企業の責任でやったらいいじゃん、という。
もちろん、オンライン研修もあるよ。でも、まる1年経ってるのに何の工夫もないんだ。
教材は相変わらずA4縦の紙フォーマットを崩さないので、PDFで提供しても、毎ページ毎ページ、上から下にスクロールしなきゃいけないし、そもそも講師がスクリーンに投影して「プレゼン芸」するためのものだから、小さなノートPC、ましてやスマホの画面じゃ見えないんだよね。
そして、今までなら教室のPCにセットアップしてたソフトウェア類も、オンラインだと手順書を渡して、新入社員にセットアップさせるのね。それができるなら、研修を受ける必要がないじゃない。手順書を読んで、MySQLをPCにインストールできる人なら、自力でSQL勉強できるでしょ。そして、実際には大半がうまくできないけど、オンラインだから大したサポートもできなくて、結局、何度も再インストールさせたり、挙句の果てには、「講師やグループメンバーの操作を画面共有で見ていてください」と。世の中、Google ColabとかPaizaとか、MoodleでもCodeRunnerとか、ブラウザで各種ソフトウェアの実行ができる環境が山ほどあるじゃない。なんで今年もローカルPCにセットアップさせるのよ。
研修自体は、ZoomやWebExを使って行うんだけど、ここにも工夫がないのね。「集合研修をただオンライン化しただけ」なのね。9時17時、講師が画面共有したスライドを表示しながらずーっと語って、時々指示に従ってPCを操作して、研修全体のカリキュラムがあるから、時間が足りなくても、もっと考えたくても、「はい、じゃあここまででーす」と打ち切られて。講義も、マイクの使い方を知らない講師が、鼻息や口クチャクチャを挟みながら、たまに手でゴソゴソ触りながらで、ボリュームがでかすぎて割れてる人と小さすぎて聞こえない人がメイン・サポートで同席したりして、みんながYouTubeで見るような動画、あるいはラジオとはかけ離れた音質で語るのよ。そして、講師が補足などを画面にマウスで下手くそな字で書くのね。それをメモしなさい、とか。せめて2、3000円のペンタブを使いなよ。いや、どうせいつも語ってることなんだから、あらかじめ教材に書いときなよ。講師って、「ちなみに」「実は」とか補足したがるけど、あれ毎回やってるからね。(それが「講師の価値」なんだって)
それに、新入社員のみんなは、自宅やら寮やらで受講してるんだけど、講師はなぜか都心の教室に集められて、メイン1人、サポート2、3人が同じ部屋で配信しなきゃいけないのね。なぜ。別に、教室が10Gbpsとか、そんなんでもないよ。何なら、戸建てのフレッツより遅いよ。顧客先での新人研修でも、新入社員はいないのに、顧客先の会議室に行って、そこからモバイルWiFiで配信するんだよ。Zoomだから、顧客のイントラとか無関係だよ。「講師が集まることで、密なコミュニケーションをとり、受講者を的確にサポートできるから」だってさ。いや、研修用のZoom以外に、SlackでもDiscordでも用意しておけばよくない?
そんな「オンライン研修」のやり方が、今年も変わらないんだよね。研修会社からの指示も、「小さな画面で受講する人もいます (でも教材はA4縦です)」「長時間の受講は疲れます (でも9時17時、カメラオンで受講を義務付けます。受講態度も点数化します)」なんて、改善する気がなくてさ。そもそも、そういう「お気持ち」への言及だけで、より高品質な研修 (ライブ配信) のためには、回線が何Mbps必要か、WireSharkで測りました、とか、モバイルWiFiで研修を実施した時の1日の帯域変化を調べました、とか、マイクはミニプラグとUSB接続、ヘッドセットと据え置き、単一指向性と無指向性で音質がこう違います、とか、カメラの画素数と光の当たり具合で、講師がこう見えます、とか (そもそも、別に講師の顔なんて必須じゃないと思うけど)、Zoomのここをこう設定すると、画質、音質、ユーザビリティが向上します、とか、何も「1年間コロナ禍で研修ビジネスやって得られたノウハウ」をご教示いただけないんだよね。講師の側も、そういう知識、スキルがない「退役エンジニア」「文系・未経験で研修会社に入社した講師」がほとんどだからさ、今年もたくさんの講師がスマホのイヤホンマイクで講義するみたいだよ。
まとめると、「大して顔も声も良くない、配信環境も良くない、(研修だから) 面白くもないオッサン・オバサンの、CMも音楽もゲストもない糞音質の語りを、9時17時聞き続けなきゃいけない新人研修」って辛すぎませんか、と。まる1年前ならまだわかるよ。ノウハウがない中、急遽オンライン化しました、と。でも、1年経ったじゃない。
いろんな大学の調査でも、「ライブよりオンデマンドが良い」という結果が出ているように、ちゃんと勉強したかったら、自分のペースでやりたいわけね。応用的なディスカッションの場は別途日時を決めて設けるとして。もちろん、企業研修になると勤怠管理の側面があるから、「僕は夜型なので、真夜中に受けます」とか「土日にまとめて視聴します」とか言われると困るんだけど、それでも、カリキュラムの都合でわからなくても先に進まれるよりは、ちゃんとわかるまで学んだほうが、よっぽど顧客企業が求める「新入社員の成長」につながると思うんだよね。サポートだけ、時間を決めて講師が常駐すればいいだけで。そもそも、ライブで教室ぶん講師を確保するよりは、コンテンツ収録に1人確保して、あとはサポート要員として複数教室をまたいで確保したほうが、コストパフォーマンスもよっぽどいいと思うけどね。
実際、そういう研修会社の新人研修を受けたもうすぐ2年目のビジネスパーソン () が、増田にもいると思うから、意見を伺いたいよ。
「あの、お話を聞かせて頂けませんか」と断られても無視されても声を掛け続ける彼女。
その場には彼女以外にも新聞社やらTV局やらの人たちが居て、皆情報を得ようと片っ端から声をかけていたのだが、スーツ姿の集団は誰一人立ち止まる様子もない。
自分も上司である調査役と共に浜松町の駅まで歩き、改札を抜けた所で「もう1社別のところに顔出して帰るから」と言われ上司と別れた。
とりあえず帰社して今日の報告書を作成しようと思ったのだが、先ほどの彼女のことが何故か気になって仕方がない。
少し時間が経っているしもう居なくなっているかもしれないな…と思いながら先ほどの場所に戻ると彼女はベンチに腰掛け空を見上げていた。
「少しだけならお話を聞かせてあげてもいいですよ」と声を掛けると、彼女は「いいんですか!?お願いします」と頭を下げてきた。
話の発端はそこから更に2年前の5月に遡る。自社取引先である某企業の決算がどうも怪しいらしいという新聞報道が出た。
(以下、企業名は初芝(仮名)と表記します。私が千葉ロッテファンなだけで、ネーミングに一切他意はありません)
当初はまぁちょっとした決算処理の誤りなのかと思っていたが、その後決算公表が2ヶ月程度遅延するという自体になり、そこそこに炎上した。
ただ大幅な下方修正に至ったもののとりあえずは鎮火した…と思われていた。
その後は選択と集中という名のもとに売却出来る事業を次から次へと手放し、事業体制の再構築に着手。
決算は事業会社としては過去最大となる数千億円単位の赤字を計上したが、ここから再生目指して再スタートをきる…はずであった。
取引先への年末の挨拶回りも終え、さあ仕事納めだなと思っていた12月末にとある経済新聞が恐ろしい爆弾をぶっこんできた。
そして報道の都度減損額は膨れ上がり、1000億超?⇒3000億超?⇒5000億超?⇒7000億超?と倍々ゲームの様相。
これまで初芝の管理は支店マターであったが、さすがにこれは面倒を見切れないということとなり本部の債権管理チームへ移管されることとなった。
絶賛大炎上中のプロジェクトに急遽担当として放り込まれることとなった私は「なぜ自分が火中のクリを…」と嘆きながら作業にとりかかった。
年明け以降私は初芝とのコンタクトをこまめに取ると共に、不定期に開催されるバンクミーティングにも担当として出席した。
ミーティング開催日ともなると、浜松町駅からスーツ姿の慇懃無礼な人たちがわらわらと本社ビル目指して歩みを進める。
私もその中に混ざりエントランスで受付を済ませると、一番端に臨時に用意されたミーティング参加者専用のエレベーターへと乗り込んだ。
さすが天下の初芝製エレベーターだけあってスピードが異常に速く、1階から会議室のある39階まで30秒ほどで到着。
参加者は約200名ほどで、株主総会ばりに最前列を主力3行(メガバンク2行+信託1行)の一同が固めている。
そして議事が進むとこれまた駄目な会社の株主総会ばりに初芝側に対する厳しい指摘が飛び交い続けた。
当初1時間の予定であったが、質疑応答が終わることなく続いたため2時間近くたってようやく会合は終了。
その間ひたすら報告書用の議事録を取り続けた私はくたくたになった状態でビルから出ると新聞記者と思しき人たち達が纏わりついてきた。
本社ビルの前で立ち話をするわけにもいかないので、近くの喫茶店に入り名刺交換をした。
「他社の人たちは大学の同級生が銀行に居るとかでそのツテで取材してるみたいなんですけど、私は地方の国立なのでそんなツテもなくて…」と頼み込まれては断ることも出来ず、私は本日のミーティングでのやりとりを一通り説明した。
「今後も引き続き情報交換お願いしますね」と言われ携帯番号とアドレスを交換した私は報告書作成のため自社へと戻った。
帰りの電車の中ではミーティングが終わったときの疲労感はどこかへ消え去ってしまい、何かデートを終えたあとのような気分になっていた。
その後も初芝の炎上は留まるところを知らず、東証の45日ルールを無視し二度に渡って決算短信の公表を延期した際のミーティングは地獄と化した。
「米子会社の減損はいくらなんですか」「2/14には公表します」
「2/14になりましたよ」「減損額は確定したけど監査法人がOKしないので決算短信は1ヶ月後になります」
「3/14になりましたよ」「決算に不正な圧力がかけられた可能性があるのでやっぱり公表出来ません」
などという茶番を繰り返した挙げ句のミーティングなので参加行のストレスゲージは完全に振り切れている状態。
特に初芝の場合は取引銀行が100行近くあり、直接やりとり出来る主力行とシンジケートローンのみの取引で初芝と直接コンタクト出来ない下位行との情報格差があまりに大きい点もストレスを増大させる理由となっていた。
「現時点では決算を公表出来ておりませんが、融資取引については引き続きの延長をお願いします」と頭を下げる初芝経営陣。
「あのさあ、こっちは今日このためだけに飛行機乗って九州から来たんだよ、何の説明にもなってないでしょうが!」
「何の判断材料も無しに延長しろって言われてもどう判断したらいいんですか、材料を下さいよ材料を!」
「銀行はどこも今月末が決算月なんですよ、御社の債務者区分どうしたらいいんですか、引当金をどうやって計算したらいいんですか。御社とちがってうちはちゃんと期限通りに決算しなきゃいけないんですよ!」
質疑応答開始から1時間経過したところで、初芝の司会担当が「1時間経過しましたので、時間の都合で質問を打ち切らせて頂きます」と言った瞬間、場は更に紛糾した。
「何考えてんだよ、ここお前の会社の会議室だろ、なんで時間の都合があるんだよ。この場以上に重要な会合あんの?」
「みんな期末で忙しい中わざわざ足運んでるんだ。ちゃんと全部質問に答えろ」「本気で銀行団の同意取り付ける気がある?失礼にもほどがあるわ!」
など怒号があちこちから飛び交い、質疑応答は時間無制限で行われることとなり、最後の質問が終わったときには開始から3時間ほどが経過していた。
ミーティング終了後、携帯を見ると彼女から「終わり次第連絡ください」とメールが来ていた。
私は彼女とお店に入り今日の出来事を面白おかしく伝えた。仕事的には一番辛かったが、個人的には一番楽しい時期でもあった。
その後初芝は保有する不動産と有価証券を全て銀行に担保として差入する一方で、保有するメモリ事業のファンドへの売却交渉を進めた。
米国子会社がチャプター11を申請したり、監査法人の意見不表明のままの決算を公表したりとなんやかんやありながらも、メモリ子会社の売却は完了し初芝はなんとか銀行借入を返済することが出来た。
当社も数十億円ほどあった初芝向け融資を無事に全額回収することができ、私もようやく重い荷を下ろすことが出来た。
いつもは取材だからといって彼女に奢ってもらっていたが、今回はお祝いもかねて私が彼女にディナーを奢ろう、そう思い彼女へメールを送った。
待ち合わせの時間に10分ほど遅れて彼女は喫茶店にやってきた。
「すいません、別の取材が入っちゃって。今日はまた何か新しいネタがあるんですか」
「いや、そういうのはないんだけど。うちの債権が無事回収出来たんでお祝いも兼ねてこの後夕飯でもどうかなと思って」
「あ、そうなんですか。でもごめんなさい、今日夜はまた別の件で打ち合わせがあるんで。本当にごめんなさい」
彼女は注文したカフェオレを飲み干すとこれまで本当にありがとうございましたと頭を下げ、そそくさと店を出て行ってしまった。
最初から自分の独り相撲だったわけか…。途方に暮れた私は駅までの道をとぼとぼと歩き浜松町で山手線に乗った。
電車の中で外を眺めながらこれまでの彼女との会話をずっと思い出していた。もう彼女とあんな風に楽しく話すことは二度とない。
「次は鶯谷~鶯谷~」 気が付くと電車は本来降りるべき駅をとっくに通り過ぎてしまっていた。私はあわてて電車を降りた。
どうせ帰宅したところで何もやる気にならない。仕方なく私は駅前に立ち並ぶラブホテルに入り、デリヘルで気晴らしをしていくことにした。
30分ほど待つと彼女ほどではないものの、若くてかわいい子がやってきたので少しだけ気が紛れた。
部屋の照明を暗くし、彼女の顔を脳裏に思い浮かべた状態で舐めてもらったこともあってあっという間に私は果ててしまった。
「ちょっと、イクならイクって言ってよ」と少し咽ながら怒る女の子。
私は笑いながらこう答えた。「出すよ出すよって言いながら一向に出さないお客さんよりはマシでしょう」
・エンジニアのスキルシートを名刺交換した協力会社に一斉メールでばらまくタイプの営業スタイル
(BP=ビジネスパートナー、他社のエンジニアを代理で営業すること
・文系、プログラム言語のことはなにも知らない、ふんいきでやっていた
・月に+5人になると会社からインセンティブ貰えるのと全体目標到達するとベースアップがあったので頑張っていた
例の事件は今まで発覚してなかっただけでGithubの使い方しらないSEが公開設定すら知らずにやらかしなんていくらでもあったと思う。
SESの営業マンがエンジニアの言語や環境を理解していることなんてほぼ稀(エンジニア上がり除く)なので「Githubってなんですかね」ってきいたところで「自分で勉強するんですか!すごいですね!頑張ってください!」しか言わないと思う。(もちろん会社から勉強会の時間や費用は出ない)
良い会社は帰社日という名目で勉強会を開催していると聞いたことがあるが、それはごく一部だと思う。大体は営業マンがやるべき常駐先の状況報告をエンジニアの予定を合わせて一回にまとめたいだけの会で、大体残業に追われているSESエンジニアにとっては「そんな時間あったら常駐先に戻って進捗進めたい」との愚痴が多かった。(そういう愚痴をBP営業している最中に聞くとさらっと引き抜きできたりした)
SES営業は商流が深くなると紹介料1~10万以上の差が出てくるらしい。
(元弊社は3~5万で平均的、だったらしい)
らしい、ばかりだがこの紹介料が一番ぼったくれるところなのでいかに大胆に「うちは全然抜いてないですよ~!」と大嘘をつくのことが大事だったので1万円しか紹介料もらっていないという会社は実在しないかもしれない。
これによってもちろんエンジニア本人の給与が変わってくるが、それは案件の難易度、残業時間、エンジニアの経験年数は一切関係ない。
商流浅いところを見つけられなかった営業マンの力不足または中小企業の限界(下請法的な意味で)である。
それでひ孫請けになってしまったもしくは案件で値段交渉を渋られた(高齢エンジニアだとそれだけで単価が削られることがある)場合でも営業マンは淡々とエンジニアに「今回の案件は給与(交通費コミ)25万になりましたー」など伝えなければならない。
優秀なエンジニアを育てる土壌があれば良いのだけれど、SES業界ではそうもいかないし、新しいスキルを伸ばすことをチャレンジさせてくれる案件なんてほとんどない。
安定した生活をするには全く向いていない業界だけどなぜSESに頼るのか、エンジニア本人に聞いてみたことがあるが「自分で転職活動をするのが面倒」「口下手な自覚があり面接で落ちてしまうのが不安だから」
など、自分を磨く時間や労力を割きたくない、ただ黙々と与えられたことをこなしたい真面目だけど不器用な人が多い印象だった。
そんな人を初対面でも何年も一緒に仕事をしていたかのようにスキルシートを盛って常駐先に顔合わせ同席するときの営業マンとしてのプレゼンはとても楽しかった。
ただ、エンジニアが提示した最低でも欲しい金額を割った安い案件を取ってきてしまったときはエンジニアを説得して案件に入れることもあった。
(案件が決まらない場合会社からもお給料が出ないので、月の途中からでも入れる案件の顔合わせにいつでも出れるよう自宅待機させないといけない)
自宅待機期間が1~3か月を超えると元弊社はエンジニアを退職させることになっていた。
無給なうえ顔合わせ(面接)までの交通費も自腹、いつでも連絡取れるよう副業(日払い労働など)も禁止なのに案件が決まらない場合はあっさり捨てるように退職させるのはエンジニアから見たら全く良くない会社だったと思う。どこもそうだったのかは分からない。自宅でプログラミング勉強するための研修コンテンツを使っている会社があると聞いたが、それが成約率に繋がるかは不明である。会社とエンジニアの信頼関係は築けそうだが…。
営業マンをやっていたとき、この自宅待機させることが本当につらく、自分が案件を決める力がないばかりにこの人を無職にさせてしまったという自責の念が強かった。エンジニアが露頭に迷う悪夢に何度もうなされた。
凄腕上司はエンジニア一人一人の人生なんて最後の最後まで何も考えてないように見えた。いかに「どう言って説得するか」「退職時に揉めない方法」だけを追求していた。その方が精神衛生上良いのかもしれない。SES営業マンにプライベートはない。平日は朝から晩までひっきりなしに知らない電話番号(SES業界で営業マンの電話番号は流出という概念がない)から電話があり、それをいつだって3コール以内に取らないといけない。
質問される内容は大体「(要約)高スキルで低単価のPHPエンジニアはいないか」「インフラエンジニアはいないか」「35歳までで」など存在しない優秀な人材をびっくりするくらい安値で買い叩く話ばかり。
それでもその中をかいくぐり交代要員で炎上プロジェクトだけど単価がいいとか高齢エンジニアでもスキルがあれば入れてくれるCOBOL案件などを日々成約させてきた。
自分が関わってきたエンジニアたちがGithubにコード流出させていないと信じたいと願っているが、そうでもないだろうなという暗雲がかかる未来を憂いてしまった。
今は転職して全く違う業界にいるので、月末の忙しい時期にセキュリティ対策などで電話対応やエンジニアへの周知メール、各所へ奔走しなくて済んで本当によかったと思う。
私は日本で100世帯以下、常用漢字ではあるけれど、知らない人は絶対読めない読み方の当て字タイプのレア苗字だ。
レア苗字もそれなりにとしを重ねると気にならなくなってくるが、結婚するときは「配偶者や子供にこの苗字の面倒くささを一生味合わせるのか」と悩んだ。私は長男で相手も長女だったので結婚後の苗字について話し合ったが、相手にそれほどこだわりがない上に、私が相手の名字に変えるとあるお笑い芸人と同姓同名になるという事情から特に議論にならずに私の苗字が採用されることになった。
レア苗字のメリットはほとんどない。子供の頃も別にかっこいいと言われたことはないし、大人になるとよく言われるけど嬉しくはない。ただメリットがあるとすると何かの物語の主人公かもしれない、何か特別な存在なのかもと思えることがあるかもしれない。もちろん真剣に考えるほどではないが「もしかしたら何者かになれるかも、だって苗字だって変わってるし」みたいなぐらいに少し勇気づけてくれるぐらいの効果は何回はあったと思う。でもまあそれぐらいのもので、数日に1度感じるストレスに比べたらやはりデメリットの方が大きいと感じる。
あと細かいことだけど私の苗字を間違えて読んでくる人は100%仕事ができない人という法則があってそれは便利に使っている。賢い人は読めないものを知っているし、そういう可能性があるということを常に意識して仕事ができている。