2021-03-17

今年「も」新人研修は工夫なしで

大手SIerには、社員教育のための研修会社があって、外部の受講者も多数受け入れてるんだけど、毎年新人研修もたくさんあるのね。

顧客企業別に顧客先で行うこともあるし、逆に研修会社教室複数企業から新入社員を集めて開催することも。もちろん、去年はオンライン「でも」開催してたよ。今年も、オンライン「の場合も」あるよ。

でも、あえて教室でやるクラスもあって、しかもそこにまぁまぁ申し込みがあるのね。もちろん新入社員が選べるわけはないから、入社企業の人事が決めてるのよね。本当にかわいそうだな、と。

長くて3か月、たいして広くない教室で、100人以上の、若くて行動力のある新入社員が集まって (※)、あいさつとか (顧客先だと) 社訓唱和とか、ビジネスマナー (笑)名刺交換や商談ロールプレイとか、声を出してね。講師も、地声で語り掛けるのが良い講師だ、みたいな謎の地声信仰があるから、声を張るし。どこの研修会社教室も、オフィスビルのそれなりに高い階だから、窓もないし、空調はビル内の空気をかき回すだけ (空気清浄機はあるけど...ね)。ちなみに去年、まだ危機感が薄かった地方では、講師だけオンライン、受講者は会社に集まってZoom画面をスクリーン投影して受講、朝は社訓唱和とラジオ体操、とかあったよ。

そして新入社員研修から毎日パソコンや机や備品の清掃は新入社員任せになるわけね。合宿ではないけども、毎日東名阪の中心地に、各地から若者が集まったら (※)、そら...ね。

若者批判してるんじゃないよ。集めるほうが頭おかしいんだから

新入社員どうし、新入社員と先輩が対面して関係を深めること自体否定しないよ。でも、それは研修以外の場で、企業責任でやったらいいじゃん、という。

もちろん、オンライン研修もあるよ。でも、まる1年経ってるのに何の工夫もないんだ。

教材は相変わらずA4縦の紙フォーマットを崩さないので、PDF提供しても、毎ページ毎ページ、上から下にスクロールしなきゃいけないし、そもそも講師スクリーン投影して「プレゼン芸」するためのものから、小さなノートPC、ましてやスマホの画面じゃ見えないんだよね。

そして、今までなら教室PCセットアップしてたソフトウェア類も、オンラインだと手順書を渡して、新入社員セットアップさせるのね。それができるなら、研修を受ける必要がないじゃない。手順書を読んで、MySQLPCインストールできる人なら、自力SQL勉強できるでしょ。そして、実際には大半がうまくできないけど、オンラインから大したサポートもできなくて、結局、何度も再インストールさせたり、挙句の果てには、「講師グループメンバー操作を画面共有で見ていてください」と。世の中、Google ColabとかPaizaとか、MoodleでもCodeRunnerとか、ブラウザで各種ソフトウェアの実行ができる環境が山ほどあるじゃない。なんで今年もローカルPCセットアップさせるのよ。

研修自体は、ZoomやWebExを使って行うんだけど、ここにも工夫がないのね。「集合研修をただオンライン化しただけ」なのね。9時17時、講師が画面共有したスライドを表示しながらずーっと語って、時々指示に従ってPC操作して、研修全体のカリキュラムがあるから時間が足りなくても、もっと考えたくても、「はい、じゃあここまででーす」と打ち切られて。講義も、マイクの使い方を知らない講師が、鼻息や口クチャクチャを挟みながら、たまに手でゴソゴソ触りながらで、ボリュームがでかすぎて割れてる人と小さすぎて聞こえない人がメイン・サポートで同席したりして、みんながYouTubeで見るような動画、あるいはラジオとはかけ離れた音質で語るのよ。そして、講師が補足などを画面にマウスで下手くそな字で書くのね。それをメモしなさい、とか。せめて2、3000円のペンタブを使いなよ。いや、どうせいつも語ってることなんだから、あらかじめ教材に書いときなよ。講師って、「ちなみに」「実は」とか補足したがるけど、あれ毎回やってるからね。(それが「講師価値」なんだって)

それに、新入社員のみんなは、自宅やら寮やらで受講してるんだけど、講師はなぜか都心教室に集められて、メイン1人、サポート2、3人が同じ部屋で配信しなきゃいけないのね。なぜ。別に教室が10Gbpsとか、そんなんでもないよ。何なら、戸建てのフレッツより遅いよ。顧客先での新人研修でも、新入社員はいないのに、顧客先の会議室に行って、そこからモバイルWiFi配信するんだよ。Zoomから顧客イントラとか無関係だよ。「講師が集まることで、密なコミュニケーションをとり、受講者を的確にサポートできるからだってさ。いや、研修用のZoom以外に、SlackでもDiscordでも用意しておけばよくない?

そんな「オンライン研修」のやり方が、今年も変わらないんだよね。研修会社からの指示も、「小さな画面で受講する人もいます (でも教材はA4縦です)」「長時間の受講は疲れます (でも9時17時、カメラオンで受講を義務付けます。受講態度も点数化します)」なんて、改善する気がなくてさ。そもそも、そういう「お気持ち」への言及だけで、より高品質研修 (ライブ配信) のためには、回線が何Mbps必要か、WireSharkで測りました、とか、モバイルWiFi研修実施した時の1日の帯域変化を調べました、とか、マイクミニプラグとUSB接続ヘッドセットと据え置き、単一指向性と無指向性で音質がこう違います、とか、カメラ画素数と光の当たり具合で、講師がこう見えます、とか (そもそも別に講師の顔なんて必須じゃないと思うけど)、Zoomのここをこう設定すると、画質、音質、ユーザビリティが向上します、とか、何も「1年間コロナ禍で研修ビジネスやって得られたノウハウ」をご教示いただけないんだよね。講師の側も、そういう知識スキルがない「退役エンジニア」「文系・未経験研修会社入社した講師」がほとんどだからさ、今年もたくさんの講師スマホイヤホンマイク講義するみたいだよ。

まとめると、「大して顔も声も良くない、配信環境も良くない、(研修から) 面白くもないオッサン・オバサンの、CM音楽ゲストもない糞音質の語りを、9時17時聞き続けなきゃいけない新人研修」って辛すぎませんか、と。まる1年前ならまだわかるよ。ノウハウがない中、急遽オンラインしました、と。でも、1年経ったじゃない。

いろんな大学調査でも、「ライブよりオンデマンドが良い」という結果が出ているように、ちゃん勉強たかったら、自分のペースでやりたいわけね。応用的なディスカッションの場は別途日時を決めて設けるとして。もちろん、企業研修になると勤怠管理の側面があるから、「僕は夜型なので、真夜中に受けます」とか「土日にまとめて視聴します」とか言われると困るんだけど、それでも、カリキュラムの都合でわからなくても先に進まれるよりは、ちゃんとわかるまで学んだほうが、よっぽど顧客企業が求める「新入社員の成長」につながると思うんだよね。サポートだけ、時間を決めて講師が常駐すればいいだけで。そもそもライブ教室ぶん講師を確保するよりは、コンテンツ収録に1人確保して、あとはサポート要員として複数教室をまたいで確保したほうが、コストパフォーマンスもよっぽどいいと思うけどね。

実際、そういう研修会社新人研修を受けたもうすぐ2年目のビジネスパーソン () が、増田にもいると思うから意見を伺いたいよ。

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