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はてなキーワード: 自伝とは

2023-01-13

anond:20230113133753

自伝とか私小説で、若い頃はとにかく金がなかったを強調してるの読むと、

実際にどうやって生きてきたんだか謎だし本当にそんなに金なかったの?って思う

金なくても今の時代ほど困らないような社会だったのかな

2022-12-14

anond:20221214011604

既に削除されたけど、FANBOXの紹介文に「女性安心して楽しめるエンタメが作りたいです。商業誌を目指しています」と書いてあったので、明言はしてないけど自伝漫画のつもりだったのかなと感じる。

2022-11-15

anond:20221115101342

いいなあ。

セガール主演で馬渕元某国大使自伝映画をつくってほしい。

馬渕さんが外務省爆弾を仕掛けて大爆破してジエンド。

ラストシーンでムネヲとハイタッチ

2022-10-21

anond:20221020011014

はじめに

モチ

漫画感想

増田解釈ではこの漫画の要所は、【自己理解発達障害の把握)】と【自己理解により過去経験価値が出たこと】。

話の流れ上旦那さんは登場しなくちゃいけないけど、上記要所を考えると大して触れる必要のない存在

個人的面白かった点

こう書いてみると、そもそも定型発達向けの漫画ではなく発達障害向けの漫画に見える。

というか、この手のジャンルそもそも発達障害向け」なのでは?(あるいはゴリゴリ承認欲求

元増田への言及

構成と言うか表層面では確かに【辛いこともあったが乗り越えた克服者】的になっているかもしれないけど、

上述の通り主人公の「気づき」と「成長」が主題に見えるので、「男に支えられただけやん!」がまったくわからん

それと、自分発達障害は「付き合っていくもの」と考えているから、「克服」という言葉に強い違和感を抱く。

そもそもTwitterを中心に発達障害女性自伝漫画がちょくちょくバズってて

けどそれが否定的な読者からの「毎度同じこの変な展開」「彼くんキター」のような揶揄や反発的な反応も集めて作者らが傷つきを表明してて

この対立的なレスポンスは何からまれてんのかな、解決する方法あるかな

これは無理でしょ。

発達障害者クリエティティ創作意欲)や自己完結(自己満足)性の傾向の高さ、なんかをみんなが理解してくれるアンパンマンみたいな世界は来ないと思う。

更にそこに、人それぞれの大小ある承認欲求が加わってくるからカオス

そもそも発達障害」との一括りも本来誤っていて、定型発達と発達障害者の間はグラデーションですよ?

本質的には、「発達障害」とか関係なくコンテンツ価値観の多様性の急速な拡大に、人類は表面上でしか追いついてないだけ、とか言えちゃうかも。

ただ、「発達障害者は気分の浮き沈みが大きい傾向にある」というのは一般的に言われているので、問題顕在化しやすいのかもしれないし、その解決方法を考えようとしてくれる元増田には非常に好感が持てる。

さいごに

冒頭書いた通り眠い中の書きなぐりで整合性も何もないぐちゃぐちゃだと思う。

本当はきちんと整理・推敲して書きたかったけど、鉄を熱いうちに打ちたかった。

けど、数年後自分自身で読み返すのが楽しみでもある。

追記

改めて元増田よく読むと、↓を読み落としていたけど、

現実には漫画というコンテンツにまとめた時点ネット流通させた時点で

読む側の人の多くには「コンテンツ消費者」や「客」の型が出てくるので

作者が肯定的バズや理解やあわよくば商業成功なんかを収めたいなら

枠と中身が違うグロい仕上がりは直した方がいいし

受け取った反発については別に人生否定されてるのではなく

コンテンツの出来への反応と受け止めた方がダメージ減るし建設的になる。

この部分が最も共感できる。でも『コンテンツの出来への反応と受け止める』は土台無理だろうね。

客側の表現にも一定の水準が求められるし。

あと眠い

anond:20221020011014

はじめに

モチ

漫画感想

増田解釈ではこの漫画の要所は、【自己理解発達障害の把握)】と【自己理解により過去経験価値が出たこと】。

話の流れ上旦那さんは登場しなくちゃいけないけど、上記要所を考えると大して触れる必要のない存在

個人的面白かった点

こう書いてみると、そもそも定型発達向けの漫画ではなく発達障害向けの漫画に見える。

というか、この手のジャンルそもそも発達障害向け」なのでは?(あるいはゴリゴリ承認欲求

元増田への言及

構成と言うか表層面では確かに【辛いこともあったが乗り越えた克服者】的になっているかもしれないけど、

上述の通り主人公の「気づき」と「成長」が主題に見えるので、「男に支えられただけやん!」がまったくわからん

それと、自分発達障害は「付き合っていくもの」と考えているから、「克服」という言葉に強い違和感を抱く。

そもそもTwitterを中心に発達障害女性自伝漫画がちょくちょくバズってて

けどそれが否定的な読者からの「毎度同じこの変な展開」「彼くんキター」のような揶揄や反発的な反応も集めて作者らが傷つきを表明してて

この対立的なレスポンスは何からまれてんのかな、解決する方法あるかな

これは無理でしょ。

発達障害者クリエティティ創作意欲)や自己完結(自己満足)性の傾向の高さ、なんかをみんなが理解してくれるアンパンマンみたいな世界は来ないと思う。

更にそこに、人それぞれの大小ある承認欲求が加わってくるからカオス

そもそも発達障害」との一括りも本来誤っていて、定型発達と発達障害者の間はグラデーションですよ?

本質的には、「発達障害」とか関係なくコンテンツ価値観の多様性の急速な拡大に、人類は表面上でしか追いついてないだけ、とか言えちゃうかも。

ただ、「発達障害者は気分の浮き沈みが大きい傾向にある」というのは一般的に言われているので、問題顕在化しやすいのかもしれないし、その解決方法を考えようとしてくれる元増田には非常に好感が持てる。

さいごに

冒頭書いた通り眠い中の書きなぐりで整合性も何もないぐちゃぐちゃだと思う。

本当はきちんと整理・推敲して書きたかったけど、鉄を熱いうちに打ちたかった。

けど、数年後自分自身で読み返すのが楽しみでもある。

追記

改めて元増田よく読むと、↓を読み落としていたけど、

現実には漫画というコンテンツにまとめた時点ネット流通させた時点で

読む側の人の多くには「コンテンツ消費者」や「客」の型が出てくるので

作者が肯定的バズや理解やあわよくば商業成功なんかを収めたいなら

枠と中身が違うグロい仕上がりは直した方がいいし

受け取った反発については別に人生否定されてるのではなく

コンテンツの出来への反応と受け止めた方がダメージ減るし建設的になる。

この部分が最も共感できる。でも『コンテンツの出来への反応と受け止める』は土台無理だろうね。

客側の表現にも一定の水準が求められるし。

あと眠い

2022-10-20

anond:20221020011014

自伝漫画なんだから事実がそうなら仕方ないんじゃないの。

あと白馬王子様を待ってる他力本願な方々の夢の具現化という点で一定需要はあるんだろうし。

ニッチに向けたコンテンツにマスに向けるための正論かましても不毛でしょ。

発達障害女性の半生漫画がムカつかれる理由

漫画スタイルと内容のミスマッチ

描き方と内容がマッチしてないんよ。

   

具体例を出すと問題有りそうなので各自で調べてほしいが

漫画構成が「辛いこともあったが乗り越えた克服者」の体なんだよね。

でも内容見ると社会人として全然使い物にならず

彼くんが生えてきて結婚して子供産んで夫に支えてもらってるだけ。

  

まり王道漫画テンプレで描いてるのに

王道漫画必須の「主人公の奮起・成長・挑戦・勝利」がなんもないわけ。

から読者は違和感凄くて「あんたその面については男に支えられただけでは?」て言いたくなっちゃう。

 

これは弱者への意地悪の感情じゃなくて

漫画構成と内容がズレてる気持ち悪さへの瞬間的反応だと思う。

   

面白いネタはもってるのに  

自分社会的無能のまま伴侶が現れて助かっちゃったぜ」はそれはそれで面白い話で

ちゃんとそういう話の構成でそういう内容を描けば読み応えある筈だと思う。

 

なのになんか発達女性自分語り半生記って

「辛いこともあったけど私は元気です」みたいな王道構成でまとめるので

そうするとキキがあらゆる試練と成長を迂回してトンボ扶養されて安定してるだけなのが読者の心に圧倒的に引っかかって来て

「なによこれ」っていう反応になる。

 

発達障害女性人生が語るに値しないんじゃなくて  

語り方が明らかに間違ってるというか別ジャンルのとこに応募してるというか

「お前これ応募要項満たしてないだろ落選」みたいな感じになってる。

 

発達障害からなのか、アマチュアからなのか、女性からなのか、よくわからん

けどなんか発達が関わってる?ような気もする。

 

自分コンテンツがどういうジャンルで出していけば好感や理解を得て人気出るか、みたいなことが判断つかない。

結果、まるで不適切テンプレート使ってグロい仕上がりになって世間に 「なんじゃこれ」と言われる。

 

 

発達障害王道漫画主人公になれるのは相当な努力の人  

発達障害がかなりあるけど努力と十代から根性と工夫で克服してすこしずつ社会適応してきました!

いま25歳3社目だけど問題なくなり優秀社員として評価されてます!」

とかならその自分発達障害との向き合い方や所感をドヤ気味に語りまくってもいいんだよ。

そこが一番読み応えのあるところなんだから

 

若い頃はこの障害翻弄され絶望してたけど、今は自分のそういう要素をこんな風に眺めています」と

そういう克服者・成功者の語りをしてみてもよい。

構成と内容が噛み合ってるという意味で。

 

 

でも夫に支えられて専業主婦しながら子供産んだっ人なら

上の人と同じテンプレで「今は発達障害をこう思う」的な語りをするのはおかしいんだよ、

だって自分そこについて克服とかなんもしてないんだから(実人生の話じゃなく主人公ドラマとしておだし出来るコンテンツの話ね)。

 

 

邪道で切実なサバイバル漫画なら絶対面白いのに

しろそういう女の人生で一番面白いのは

「このままじゃ人生ヤベーと思って全力で婚活しました!」とか

社会じゃウザがられたヌケ感も婚活の場でこれこれこういうタイプの男には刺さりました!」とか

「上手く伴侶ゲットしたら苦手なとここんなにやってくれて物質的に精神的にこんな風に生活改善していきました!」とかでしょ。

 

こちゃんと語れたらめっちゃ面白いと思うんだよね。

へたな克服者漫画よりコンテンツポテンシャルあるでしょ。

 

でもなぜか彼くんルート発達障害女性ってその

「彼くんをゲットして結婚に持ち込むまで」の自分努力や行動とか

「彼くんがこんな風にケアしてくれて自分生活がこう向上していった」という変化の記録とか

そういう一番面白い部分をまるっと省略すんの。 

 

で、自分材料全くない「克服者が生涯を見つめ直す」のムーブを描くの。

するとお前はその描き方ではスコアが出てなくて語ることな人間だろ!っていうツッコミが渦巻く。

 

まとめ 

長くなったけど言いたいことわかるよね?

別にそれぞれがどういう生き方してても人生に貴賤とかランクとかつける気はない。

けどそれぞれの人生コンテンツとして見たとき「一番面白い部分はどこか」というのは別の話。

  

努力して社会人としての能力改善してきた発達障害なら

「その工夫の内容や周りの反応の変化や自分能力や気分の向上」の部分が楽しい

 

夫をゲットして生活改善した発達障害なら

「夫を捕まえるまでの手管と挑戦」「保護者を得たことでこんなに変わる生活!」の部分が楽しい

  

後者王道主人公テンプレ漫画を描くとうまく行かんっていうそれだけなのよ。

あんたの持ってるコンテンツ後者なのに何故前者のような漫画を描いちゃうんだと

そこなんだよ読者に腑に落ちなさや微妙イラつきを与えてるのは。

(多くの人はたぶんその違和感を俺みたいにくどくど理屈っぽく考えず瞬間的直感的に得ている)

    

  

発達障害から一人で生きていくのはヤバい!」って気付いて

障害を抑えながら猛烈に婚活してついに理解ある夫を掴み取る漫画、夫と理解しあってく漫画絶対人気出るし笑って泣けるぞ

そのコンテンツを持ってるのになんで安手の克服者漫画ばっかり描くのかなあってことよ

そういう自分の「世間に受けるとこ」や「受ける見せ方」がわかんないのが発達障害だと言われればそれ以上どうこうも言えなくなるが

 

 

iwashioyaji いや、そもそもムカつくのがよくわからない。他人の半生漫画は、スターウォーズ最新三部作とは違うわけで、その内容にムカつくだけ無駄な気がする。

2022/10/20 リンク

コンテンツにした時点で平等コンテンツとしての出来を問われるでしょう。

というか実際問われてるんですよ。

  

単にそこのクオリティの部分を問われてるのに

「私の(この可哀想な人の)人生否定するのか」みたいに受け止めると

ダメージ大きいし話がどんどんそれてっちゃうという話です。

 

もっと自分人生を豊かにする試みにリソースを使うべきでは?

良いこころがけなのはまちがいないですか

それ突き詰めるとまず我々ははてなのサービス時間使うのやめたほうがいいのでは?

(今回ムカついてた人達はてなではなくTwitterだけどね)

 

 

surume000 スカッジャパンとかと同じ構図だよね。自分は現状に耐えているだけでそれを改善しようとも努力していない。それなのにいつか誰かが助けてくれる、的な。シンデレラコンプレックスかいうやつ?

2022/10/20 リンク

そういう話と違うんですってばよ。

 

スカッジャパン出来てるならそれでいいんだけど

現状あの手の漫画スカッジャパンコンテンツにもなってないんですよ。

克服者風王道コンテンツの骨格なのに克服過程描写ゼロという味のおかしな謎コンテンツになっている。

 

bokmalbokmal オフィスYOUつげ義春が描いてるみたいなミスマッチ

そー!

そんな感じ。

 

または、ドラゴンボールの骨格なのにバトルの部分が全部飛ぶみたいな感じ。

「何読まされとんねんこれ」が読者の不満の無意識の部分ですよ。

貴方人生アカン」なんて余計なお世話の話とは別でしょこれ。

 

 

 

kamm 『でも内容見ると社会人として全然使い物にならず 彼くんが生えてきて結婚して子供産んで夫に支えてもらってるだけ。』うっせー。それだけでも十分偉いだろ

賛成しますよ。

人生に対して掛ける声の話ならそれでいいんだけど

今は漫画主人公としてその漫画必要な物が足りてるかという話だから

   

海街Diaryなら主役張るキャラ呪術廻戦の主人公にしたら「呪力もない猿が何をしに来た」って言われてみんなの戦い尻目に日本から避難する話になるし

でも呪術廻戦なので避難ディテールも心の動きも姉妹の会話も間のコマも描かれずいきなり避難先に飛ぶんです。

読者も「何読まされてるんだこれは」ってなって打ち切りでしょ。

   

    

たとえ話これで合ってますかね?

からなくなってきた。 

 

 

最後追記 

寝る前に思い付いて書いただけだったので

事情を知らない人のための前提説明とか伝える努力とか抜けてて申し訳なかったんだけど

  

そもそもTwitterを中心に発達障害女性自伝漫画がちょくちょくバズってて

けどそれが否定的な読者からの「毎度同じこの変な展開」「彼くんキター」のような揶揄や反発的な反応も集めて作者らが傷つきを表明してて

この対立的なレスポンスは何からまれてんのかな、解決する方法あるかな

みたいなこと考えた文章です。

増田がそのタイプ漫画にムカつきをもってるわけではないです。 

  

ichigocage 私がエッセイ漫画に求めるのは作者の視点から見た世界から、描かれないことは作者には取るに足らないことだと認識するだけで、ないからつまらないとは思わない

2022/10/20

この人の読み方は高度なので人類が全体的にこういうレベルになることは求められない。

みんながこの人ぐらい話の分かる人間ならコンテンツのシーンも社会全体も今とは違うものになっている。

 

現実には漫画というコンテンツにまとめた時点ネット流通させた時点で

読む側の人の多くには「コンテンツ消費者」や「客」の型が出てくるので

作者が肯定的バズや理解やあわよくば商業成功なんかを収めたいなら

枠と中身が違うグロい仕上がりは直した方がいいし

受け取った反発については別に人生否定されてるのではなく

コンテンツの出来への反応と受け止めた方がダメージ減るし建設的になる。

   

資料とかアートとして読むならばなおこの人が正しいし

提案のように直すと商品価値は上がるかわりアート性は損なわれる。

ただアートを楽しむ人なんて人類の3%も居ないでしょという気持ちがあり殆どの作者もアーティストになるよりウケたりモテたりするのがハッピーなのではと思ってこうなりました。

 

2022-10-19

魔力を有する性器、その他の話

女性が陰部を見せることで魔を祓う」という伝承に関する、本しゃぶり(honeshabri)さんのエントリ拝読したので、それに便乗して、思い出した雑多なことを書き残す。先に断っておくが、かなりくだらない話が多い。

中田雅喜(なかた・あき)という女性漫画家がいるのだが、彼女代表作の一つで、80年代に成年向け雑誌漫画ブリッコ』に発表した連載作品を一冊にまとめた『空は女の子でいっぱい』というタイトル単行本がある。作品のものの別名は『真・ダ○ボ』シリーズとも言う。伏せ字にしても意味が無いような気もするが、とりあえず○ィズニーが怖いので、形式的に伏せ字にしておく。

○ンボと言えば、耳が普通の象よりも大きくて、それで羽ばたいて飛行することが出来る、子象が主人公物語である

この『空は―』の主人公である少女も、身体の一部が通常の人間女性よりも大きく、それによって羽ばたいて空を飛ぶことが出来る。ただし『空は―』の主人公の巨大な身体パーツは、耳ではなく陰唇である

念のために再度言っておくが、作者の中田雅喜女性である

ある日突然、X-MENミュータントのように陰唇が○ンボ状態になってしまった主人公女性に悪さを働く暴漢を巨大な陰唇で退治したり、人類から差別迫害に立ち向かったり、同じダ○ボ族たちと巡り会ったり、ダ○ボ族と人類戦争が起きて巻き込まれたり和睦したりと、奮戦する主人公の姿と、普通少年との淡い恋の行方。これら全てを描き切った一大ファンタジックSFエロチックコメディ絵巻である。念のために言うが、嘘は言っていない。ろくでなし子以前に、ここまでポップに女性器を強調したキャラクター創造したクリエイター存在したことは、日本アート史上に記録しておいてよいであろう。

この最高に馬鹿げた漫画執筆した切っ掛けが果たしてどのようなものであったのか。それは、同じ作者によるエッセイ漫画『純情ももいろ日記』に経緯が描かれている。

この『ももいろ―』についても説明すると、現在でこそ、女性漫画家性愛などについて赤裸々に語るエッセイ漫画自伝漫画のような作品は、決して珍しくもないが、中田による『ももいろ―』は、そのようなジャンルの先駆的作品である日本漫画史上、もっと高い評価を受けて然るべき作品であると、個人的には考えている。

ももいろ―』の内容も少し紹介する。例えば、成年向け作品執筆に関して、誌面では最終的にボカシで消されるとはいえ、生原稿では性器を描かざるを得ない。他にモデルもいないし仕方が無いので、作者である中田雅喜は、自身彼氏性器の実物を見ながらスケッチしたという。そういったユーモラスなエピソードの数々が『ももいろ―』では、ポップで可愛らしい絵柄で描かれている。ちなみに、性器スケッチモデルにもなった彼氏は、後に中田雅喜結婚して夫婦になるのだが、漫画で描かれている外見的な特徴を見れば、彼氏の人の自画像そのままなので、誰なのかは一目瞭然である。よく本人がオーケーしたな……。器が大きすぎる……。ダ○ボだけに。

それで『ももいろ―』によれば、若き日の中田雅喜は、隙間風が吹く風呂無しアパート暮らしており、冬の寒さに難儀していたため、ガス湯沸かし器を購入する資金が欲しかった。ちょうどそんな時に、知り合いの編集者が成年向け雑誌仕事を持ってきた。その依頼を受けたことが切っ掛けで、中田は成年向け作品執筆するようになった。そうして傑作『真・ダ○ボ』シリーズが生まれた。なお、中田雅喜は、無事にガス湯沸かし器を手に入れたそうである

成年向け雑誌仕事中田雅喜のところに持ってきた、その編集者とは、何を隠そう「オーツカ某」である。この呼称を覚えている人がいたら、その人は若くない。これは、現在大塚英志である大塚英志といえば、千葉徳爾宮田登の教え子であり、その学問的な素養を活かして『北神伝綺』『木島日記』『黒鷺死体宅配便』など数々の傑作を生み出した人物でもある。当時オーツカ某だった大塚英志が、漫画『真・○ンボ』の内容にどれほど寄与していたのかは定かではないのだが、もしかしたら民俗学神話伝承などについて学んだ経験を活かして、アイデア中田雅喜提供したりしたのかもしれない。何か情報を知っている人は、教えて下さい。

かなり前置きが長くなったが、ようやく神話伝承話題に繋がった。中田雅喜の『真・ダ○ボ』では、物語の終盤において「牙が生えている性器を持つ、女性の姿をした怪物伝承」「自らの手で牙の生えた性器を広げる女性の姿を描いた石像」について言及される。そして「この恐ろしい怪物に関する人類伝承は、遠い未来に遭遇する運命にあるダ○ボという異種族に対する、未来記憶による恐怖の産物だった!」という話になる。分かる人には分かると思うが、これは勿論、アーサー C. クラークSF小説『幼年期の終わり』が元ネタパロディである

さて、牙の生えた性器を持つ女性神話伝承については、金関丈夫が「Vagina Dentata」と題した論文(岩波文庫木馬と石牛』に収録)で、台湾東南アジアなどに分布するもの特に詳しく紹介している。この神話は、日本列島にも存在する。

この神話群は、おおむね次のような内容である。「昔、とても魅力的な女性がいて、大勢の男たちから求婚された。しか結婚しても、初夜に夫が死んだり逃げ出したりして、夫婦生活は長続きしなかった。その原因を調べてみたところ、彼女性器に牙が生えていて、夫の性器を食い千切って死に至らしめることが判明した。その牙を抜いたり砕いたりすることで、彼女普通女性となり、新たに夫を迎えて幸せに暮らすことが出来るようになった(バリエーションとしては、単なる怪物として退治されて死んだといったもの存在するようである)」

この物語典型の一つが、江戸時代奉行根岸鎮衛(ねぎやすもり)の著した雑話集『耳嚢(みみぶくろ)』に収録されている「金精神(こんせいじん)の事」と題する一篇である。これは、津軽で「カナマラ大明神」と称して祀られていた、黒銅(黒鉄)で作られた男性器型の御神体について、その由来を聞き書きしたものである

この由来物語でも、やはり、牙が生えた女性器を持ち、それが夜の夫婦の営みの際に夫の性器を食い千切って死に至らしめるために、結婚しても夫婦生活が続かないという女性が登場する。その悩みを聞きつけた或る男が、この女性結婚を申し込んだ。そして迎えた初夜、新しい夫は、自らのものを初めて挿入する代わりに、まず黒銅で作った男性器を妻の性器に挿入した。すると牙の生えた女性器は、黒銅の男性器に噛み付いたために、牙が砕けて全て抜け落ちた。それ以後、女性普通女性となり、つつがなく夫婦生活を送った。その時に夫が用いた黒鉄作りの男性器が、後に神として祀られ、今のように崇敬されるようになったとの由。

古今東西神話呪術において、男女のいずれの性器も、生命力呪術的な力の源泉として神聖視される事例が数多い。その中で特に女性器は、妊娠出産による人間誕生という重要役割を担うことから生命象徴のものであった。しかし、それとは対照的に、Vagina Dentata神話で描かれている女性器は、牙を生やしていて、生命を生む存在ではなく、むしろ奪う存在である。これは、陰唇と口唇の形態的な類似と、性行為時に男性器を受け入れるという機能から男性器を喰らう女性器という発想に至ったと考えるのが自然なことであろう。けれども、それだけではないように思われる。

Vagina Dentata神話根底には「生命を生み出す魔力を持つ女性には、それと表裏一体のものとして、生命を奪う魔力もまた備わっているのが当然である」とする、呪術的な発想もあったのではないだろうか。ニギミタマ、アラミタマという言葉が示すように、聖なる力は、好ましい側面だけでなく、同時に好ましくない側面や荒ぶる側面を併せ持つとされることも多い。聖なる力が人間の役に立つ時には「カミの力」とされるし、人間に害を及ぼす時には「妖怪の力」とされる。こういった「カミと妖怪の間を振り子のように行き来し、変貌する超自然的な存在」という妖怪の有様は、京極夏彦作品に多大な影響を与えたことでも知られる妖怪学者小松和彦著作で、詳しく論じられている。女性器の神聖性に対して人類が抱いた、善悪判断を超越した畏怖の感情。それがVagina Dentata神話には残されているのであろう。

もう一つ。生命力の源泉という呪術役割を巡る主導権争い、すなわち、女性原理男性原理との間に生じた闘争対立記憶を、Vagina Dentata神話は今に残して伝えているのではないだろうか。『耳嚢』の金精神(こんせいじん)についての伝承は、生命を生むための呪術的な過程において、vaginaを重要視する女性原理から、phallusを重要視する男性原理が、地位や主導権を奪ったこと、男性原理の側から見た勝利記憶を留めているのではないか。牙を失い、呪われた存在ではなくなった女性器は、その代償として呪術的・超越的な力を失って馴致されたとも読める。

しかしまた、こうも考えられる。生命力の源泉としての呪術的な力は、女性原理場合女性器の妊娠出産の力として発揮されるが、男性原理場合男性器の種付けの力として発揮される。その一例として、田植え神事において、男性器を模した御神体田圃の泥土に突き刺し、稲の豊穣を祈願するという儀礼存在するという事例が挙げられる。金精神(こんせいじん)の由来物語も、新たな生命創造する過程である男女の営みの中において、生命の根源に係る呪術的な部分で、男性原理の種付けの役割にも"平等に"重きが置かれるようになったことを示しているとも考えられる。そう考えるならば、つまり精神(こんせいじん)の由来物語とは、男女双方の原理二人三脚でなければ、人間生命を生み出す呪術的な力を得ることは出来ない、女性原理だけ或いは男性原理だけでは決して呪術は成り立たないのだという「男女の共存和合を説く物語」だと解釈することも可能である対立征服物語として捉えるよりは、そのように考えた方が、建設的で平和的なのではないだろうか。

ところで、魔を祓うのとは少し違うが、男性器もまた、困難時に着衣を脱いで曝け出すことで窮地を脱するための呪術的な行為とするという事例がある。例えば、猟師が山で迷った時に、勃起した陰茎を山に向けて見せれば、山の神(女神)が喜び、その男性を助けて無事に下山させてくれるという伝承がある。

また一方で、女性器にも似たような発想の伝承がある。田植えをする時に女性和装下着を着けていないと、丸見えの女性器を田の神(男神)が見て喜び、田植え作業が早く進んで終わるように手伝ってくれるという伝承がある(そういったエロ話をしながら、田植え作業に勤しむ農村女性たちの活き活きとした姿を、宮本常一が記録に残している)。

このように性器を曝け出して超自然的な存在に祈願する人間の姿は、文明化した我々現代人の目から見れば、大らかではあるが、馬鹿馬鹿しく滑稽に映る。しかし、自らの肉体の恥ずかしくて重要な部分を曝け出すことができるというのは、相手が神(カミ)であろうと人間であろうと、それを捧げる対象に全幅の信頼や愛を抱いていなければ出来ないことであり、ある種の真摯さや敬虔さの証となる行為でもある。そう考えると、男女間の異性愛だけに限らず、全ての性愛行為根本において、信頼や愛が何よりも大切であるとされることの原点が、これらの呪術行為図像には秘められているとも言えるであろう。

そう考えれば、魔力を持つ性器を曝け出すという古来の伝承図像、それらの子孫として現れるポップカルチャー的な表現は、単にこれらを面白がるだけでも全く構わないとは思うが、改めて見つめ直してみれば、案外と我々現代人が真面目に学べる何かをも多く含むのかもしれない。

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過去駄文こちら。

anond:20220926034101

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2022-10-06

anond:20221006221440

アーロンリー・ラルストン(Aron Lee Ralston, 1975年10月27日 - )は、アメリカ登山家、および演説家。

2003年5月アメリカユタ州渓谷事故に遭い、岩に挟まれた右腕をナイフで切断することにより脱出したことで一躍有名になった。

この事故自伝として小説化され、2010年には『127時間』(原題:127 Hours)として映画化された。

実話の映画というのが凄いやつやね

2022-09-29

anond:20220929171527

若き日の尾田栄一郎武井宏之しんがぎんと同門として和月伸宏の下でデビューを目指すいとうみきおの半自伝漫画なんてのも世の中にはあるんだぞ

こんな美味しい舞台設定、面白くならないわけがないだろ

2022-09-18

anond:20220916214819

多分傾向が同じなので読んでるものをあげる

医療マンガフラジャイル

病理を扱っているので、医療系にありがちなショッキング描写は少ない。

割と守備範囲広くしてきたのでもっと病理を丁寧に描いて欲しいがやはり面白いとおもう。

ドラマ化したのいつだっけ

ハッカー投資家王様達のヴァイキング

天才ハッカー投資家が育てる話。絵に癖があるが説明口調なのと所々にネタがしこんであって面白いドラマ化するかなと思ったがそうでもなかった。Ingress描写がある。

アニメ化もした「かくしごと

割と有名な作品。筆者の自伝も合わせて読むといい。

ギャンブル系「嘘喰い

色んな賭け事をする漫画。ドティコーヒーフレッシュ潜水艦、エアポーカーはオススメ

似た漫画だと、エンバンメイズかな。

戦争モノ「軍靴のバルツァー

架空ヨーロッパ風の国舞台にした戦争系。キレイな絵な上に話が面白い主人公は巻き込まれ系の天才肌なので保護者目線でみれる。アニメ化希望

2022-09-11

内田春菊とか男とのあれこれ描いて出産育児描いて今ガンだのって描いて、自伝エッセイマンガってところなんだろうね

2022-08-22

343 番組の途中ですがアフィサイトへの転載禁止です (ワッチョイ 9fca-7VVb) 2022/08/22(月) 06:46:10.14 ID:2ZAq8bcx0

高橋なんとかっていう名前自称音楽研究家みたいなちょっとおかしな感じの人が

ゴーストライターが書いたってことでファン界隈には相手にされてない自伝本を

アーティスト本人が書いてるからここに書いてあることは事実!って言いながら

ツイッターでうざ絡みしてしまい盛大に自滅してたの見て

ロックおじさんって本当やばいなと思ったわ

最近共産党に恨みをもってるらしく、

参院選とき共産党女性候補者にストーカーみたいなうざがらみをして炎上してて

ロックおじさんはロック以外でもやばいおじさんだなと認識した

2022-08-20

[] 谷口ジロー「犬を飼う そして…猫を飼う」

淡々としてて特別事件も起きない自伝的なマンガ

14歳の犬がだんだんよわって最後みとるまでを書いた話と、

その後、ねこをひきとったら実は妊娠してて子猫もふえて3匹かうことになった話の2本

地味で決してエンタメてきな面白さはないんだけど、すごい画力描写力でなぜかぐいぐい引き込まれて読まさせられてしまう感じ

巻末に結構なページと文量を割いて、モデルになった犬とネコのことを書いたエッセイ?がのってた

犬の描写はかなり細かかかったけど、ねこのほうはそこまでじゃなかったところをみても、

犬のほうが思い入れ強かったんだなーと見て取れる

最後冥福祈るとかそんな漢字のこと自分かいてたけど、

もはや自分がそうなっちゃってますよーとおもってちょっと悲しくなった

2022-07-24

anond:20220724201458

投資なんて10件中1件成功すれば上出来だよ

柳井正の『一勝九敗』っていう自伝タイトルもまさしくそういう意味

2022-07-20

anond:20220720124155

教養考える力とセットや。ワイはカントラカン韓非子から老子和訳でいいか原典がいいぞ)、ファインマン自伝物理学も)やハイゼンベルグからラノベまで数万冊以上読んでるが、一冊あげろと言われたら(本当は一冊では足りないぞ)東大が昔教養学生向けに書いた「知の技法」が入り口としては使えるんちゃうかと思う。だまされたと思って買って読んでみ?あと大澤真幸の「社会学史」もコスパええかもしれん。ハラリやジャレドダイヤモンドみたいなのはやめとけ。MARCHレベルサラリーマンがありがたがるタイプの本や。あ、千葉雅也の「勉強哲学」は浅薄やし、入り口として変な癖つきそうだからやめとけ。堀江とか書いてる馬鹿もいるが、堀江(無教養の極みや)とか中田とかあんなので教養は身につかんぞ。

ついでに、本読まんやつは「○○入門」とか買いたがるがやめとけ。岩波文庫いいわけではないが、見る目ができるまでは岩波の青と緑と赤(帯の色)だけ買っておけばいい。そのうちわかってくる。

あと、資本論は読むと攻撃的になるから左翼ウィルスみたいなものがあるのかもしれんとか思ってるwマルクス思考実験として当時は面白かったやろが、貨幣の話も完全にフィクションやしもう読まんでええよ。

2022-06-30

anond:20220630082856

バカなお前に教えてやるんやけど

漫画に登場する人物っていうのはノンフィクション作品自伝以外は現実存在しないんやで。

2022-06-18

anond:20220617173254

わたしも同じ傾向を持ってる。

「過度に一般化された自伝記憶(Overgeneral autobiographical memory)」という名称がついてるらしい。

鬱病との関連性が強いのだとか。

わたし自身はそれを問題だとは感じていなかったのだけど、パートナー暮らしはじめてエピソード記憶の欠落を申し訳なく思うようになり、それで大量に写真を撮るようになった。

日付のあるイメージの繋がりがあれば、そこそこエピソードを思い出せる(あるいはその場で再構成してる?)ので。

案外普通の人たちも、定期的に思い出を人に話すことでエピソード編集したり定着させたりしてるのかもしれないと思ったりもする。

でふと思い出したんだけど、スナフキンか誰かの台詞で、「旅の思い出を人に話すと、人に話した記憶ばかりが残ってしまう(ので思い出話はしない)」みたいなのがあった気がする。

からなんだという話だけど。

2022-06-07

西原某についての増田を昨日ぐらいに読み、なんか走馬灯を見た

もものかんづめさるのこしかけたいのおかしら

この3部作やエッセイ漫画「ほのぼの劇場からさくらももこを追いかけてきた人は大体似たような気持ちになったんじゃないだろうか

そんなことない?

そしたらごめんね

とにかく、メルヘン翁で爆笑し、ぶさいくで憎たらしい猫の残した抜け毛で涙した

そんな私を置き去りに、お金持ちになったまるちゃん

海外で豪遊、宝石を語り、ビートたけしが自宅に現れ、みーやんと結婚ビートルズ離婚、よくわからん男と再婚、そして死んでしまった

その間にはまじが自伝を出したりしたけど、まあそれはいい、読んでない

もうね、読者とエッセイ内の自分との距離感?みたいな?バランス感覚?みたいなのがどんどん消えていってしまった

メロンくんに高価なミニバイクを買ってあげた話などいらぬ

スタッフの若人をカップルにしようと口を出しまくる話もいらぬ

計画計画して蕎麦を食べきれず残した話もいらぬ

会社で居眠りして原因を問いつめられ、マンガですと格好良く答えた挙げ句クビになるみたいな

共感郷愁ファンキー丸めましたみたいな

そういう作品が読みたかったんだよ わ た し は

みんなそうでしょ?

え?ちがう?ごめんなさいね

まぁちょっとよくわかんなくなってきたから終わるよ

別に死人にむち打つわけじゃない、好きだったのは本当なんだ

難しいね

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