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2023-09-08

出産した人とそのパートナーに聞きたい

出産って、内臓と骨の位置はずれるわ大量に出血するわ肉は裂けるわが起きるイベントじゃないか

予期せぬ妊娠ではなく「そろそろ子どもが欲しい」と思って妊娠出産した場合なんだけど、出産がそういうイベントであることそのものをどう捉えていた?

特に出産までまだ遠い段階で。

人体が損傷することって現代価値観ではかなり重いもののはずなんだよな。

子どもを得うるという条件の前で、出産までまだ遠い時に、「人体が損傷する」という事実のものの重みが脳内でどのように処理されたかを聞いてみたい。

「当然」とか「仕方なく」とか「医学管理下から」「ある程度回復する人が大多数だから」「そもそも具体的に想像できなかった」とか色々だと思うんだが、良ければもう少し踏み込んで聞いてみたい。

このレベルの肉体の損傷は人生において織り込み済みの人が多いんだろうか。このレベルの肉体の損傷を他の人が受けることも織り込み済みなんだろうか。

自分が昔から持病がある人間からだと思うんだが、不思議に感じた。

2023-09-06

anond:20230905190857

2023-09-05

医師自殺報道に対し、当事者として思う事

最近医師自殺ニュースで度々見る。

私は大学病院医局に属す外科専攻医だ。

専攻医とは、専門医取得前、初期研修医修了後から医師5年目までを指す。

今回過労死報道された彼らと立場を近くする当事者として、今臨床現場に何が起きているか記載したい。

そもそも働き方改革」で医師がほぼ度外視の扱いを受けているように、長年医者の働き方は異常な上にそれを黙認する空気がある。

私は入局1年目のとき、月の半分が当直だった。

当直とは夜勤とは異なり、朝から働いた後に、夜間の緊急対応も請け負う。2時間以上連続で寝られる事は少ない。もちろん、当直の次の日はまた日中の勤務に追われる訳だ。

その上通業務は朝7時から夜は22時までにも及ぶ。つまり殆ど太陽を拝むことはない。

しかも、日中は息つく間もない程忙しい。

入局してから昼ごはんを食べた事など、初期研修医接待以外では数回しかない。

当直でなくとも、異常。

これで給料年収1億なら歯も食い縛れるだろうか。実際は無給医だった。つまり大学病院から給料ゼロ。本当に零。(後に問題視され、県の最低賃金が出るようになる。人の命を預かるのに、最低賃金

病院から労働者としてみなされていないので健康保険にも入ってもらえない。国民保険に入り年金自分で払うため、マイナス出費。

生活ができないので、休日や平日の夜間は外勤(いわゆるバイト)にいかなくてはならない。身体を休めたりリフレッシュに使うはずの時間が、生活費のための出稼ぎに消える。

これで素敵な先輩後輩同僚に囲まれていればまだ幸せだろうか。

医局の中はこういった働き方で人格破壊された上司しか残っていない。(それともあの性格は元々なのだろうか)

少しのミス出身地性別出身大学に関する罵詈雑言が飛び交う。

女性なら、妊娠出産の期間に関して医局制限をかけてくる。

人のために生きたいと志高く医師になったのに、大学病院へ進めばこのような待遇が待ち受けている。

学生時代一生懸命勉強してやっと医師になれたのにこんな所で辞めたら親に合わせる顔がないという葛藤

同期達は同じ状況でもどんどん優秀になるのに、自分だけ取り残されていく葛藤

患者さんや医学に一つも関係のない事象で追い込まれていく自分との葛藤

様々な葛藤が正常な感覚を狂わせる。

「逃げればいい」と人は簡単に言うけれど、どっぷりと医局の中にいると視野は狭まり、まるで医局を辞めることが殺人匹敵する大罪のように錯覚する。

忙しい日々の中、どこかへ相談しようにも一般的相談窓口は仕事が終わると閉まっている。

大学ハラスメント相談窓口も9時5時だ。

どこへ逃げれば良いのか。

逃げようとした先輩同期達は、重罪者のように祭り上げられ2度と大学病院や外の関連病院に顔を出すことはない。

働き方改革果たして私たちを守ってくれるのだろうか。

大学病院であれば、たくさんの症例経験でき、早く一人前の医者になれると思ったのに。ただそれだけを想ってここまで来たのに、どうしてこんな思いをしなければならないのだろうか。

これを書いている私自身も、精神的な危機を感じている。だが、精神科に行く時間がない。

私の自殺ニュースになるのも明日かも知れない。いや、もしかして、私の大学病院なら揉み消しかねない。

医者聖人でも鉄人でもない。ただの労働者だ。労働者としての権利が欲しい。

適切な休息と、勉強時間が欲しい。

どうか、今回の報道SNSの力で大きな問題にしていただきたい。

医者労働環境崩壊して、最終的に困るのは患者さんなのだから

追記 2023年9月6日

同じような労働環境話題になって、私の現状を世に伝えるには今しかないと意を決して当直の合間に書いたのですが、ここまで心無いコメントが付くと思ってませんでした。

匿名だと人は邪悪になるのかな。

「私の努力が足りない」と言われているようで、根性論を掲げてなかなか現場改善されない理由の一端を垣間見た気がして、もう人間にも人生にも絶望しました。

ありがとうさようなら

anond:20230906154107

学者世界って大体ちゃんとした人ほどマスコミとか出ない・関わりたくない傾向が強いからね、仕方ない

社会学に限らないよ、医学系とかだってそういう傾向ある

anond:20230906093127

簡単に話すとバカはおそらく短絡的に理解して誤解するからね。既に分かってる人相手しか簡単説明できる気はしない。変な誤解をばら撒かれても迷惑

法律自体難解な分野だから


誰でも医師にはなれるし医学生と同じ勉強をすれば誰でも医学理解できる、と思ってたけど、元の素質の影響はデカくて、そうではないっぽい

anond:20230906092436

これを、宗教理由子供教育機会を奪っていいと理解するなら、知的問題があるから法律話題には突っ込まない方いいよ

法学部って医学部と並ぶ難関学部だし、司法資格って医師免許と並ぶ難関資格から

並み程度の知能がない人には、理解すること自体ハードルが高すぎて無理だと思う

誰でも医師にはなれるし医学生と同じ勉強をすれば誰でも医学理解できる、と思ってたけど、元の素質の影響はデカくて、そうではないっぽい

2023-09-05

医師自殺報道に対し、当事者として思う事

最近医師自殺ニュースで度々見る。

私は大学病院医局に属す外科専攻医だ。

専攻医とは、専門医取得前、初期研修医修了後から医師5年目までを指す。

今回過労死報道された彼らと立場を近くする当事者として、今臨床現場に何が起きているか記載したい。

そもそも働き方改革」で医師がほぼ度外視の扱いを受けているように、長年医者の働き方は異常な上にそれを黙認する空気がある。

私は入局1年目のとき、月の半分が当直だった。

当直とは夜勤とは異なり、朝から働いた後に、夜間の緊急対応も請け負う。2時間以上連続で寝られる事は少ない。もちろん、当直の次の日はまた日中の勤務に追われる訳だ。

その上通業務は朝7時から夜は22時までにも及ぶ。つまり殆ど太陽を拝むことはない。

しかも、日中は息つく間もない程忙しい。

入局してから昼ごはんを食べた事など、初期研修医接待以外では数回しかない。

当直でなくとも、異常。

これで給料年収1億なら歯も食い縛れるだろうか。実際は無給医だった。つまり大学病院から給料ゼロ。本当に零。(後に問題視され、県の最低賃金が出るようになる。人の命を預かるのに、最低賃金

病院から労働者としてみなされていないので健康保険にも入ってもらえない。国民保険に入り年金自分で払うため、マイナス出費。

生活ができないので、休日や平日の夜間は外勤(いわゆるバイト)にいかなくてはならない。身体を休めたりリフレッシュに使うはずの時間が、生活費のための出稼ぎに消える。

これで素敵な先輩後輩同僚に囲まれていればまだ幸せだろうか。

医局の中はこういった働き方で人格破壊された上司しか残っていない。(それともあの性格は元々なのだろうか)

少しのミス出身地性別出身大学に関する罵詈雑言が飛び交う。

女性なら、妊娠出産の期間に関して医局制限をかけてくる。

人のために生きたいと志高く医師になったのに、大学病院へ進めばこのような待遇が待ち受けている。

学生時代一生懸命勉強してやっと医師になれたのにこんな所で辞めたら親に合わせる顔がないという葛藤

同期達は同じ状況でもどんどん優秀になるのに、自分だけ取り残されていく葛藤

患者さんや医学に一つも関係のない事象で追い込まれていく自分との葛藤

様々な葛藤が正常な感覚を狂わせる。

「逃げればいい」と人は簡単に言うけれど、どっぷりと医局の中にいると視野は狭まり、まるで医局を辞めることが殺人匹敵する大罪のように錯覚する。

忙しい日々の中、どこかへ相談しようにも一般的相談窓口は仕事が終わると閉まっている。

大学ハラスメント相談窓口も9時5時だ。

どこへ逃げれば良いのか。

逃げようとした先輩同期達は、重罪者のように祭り上げられ2度と大学病院や外の関連病院に顔を出すことはない。

働き方改革果たして私たちを守ってくれるのだろうか。

大学病院であれば、たくさんの症例経験でき、早く一人前の医者になれると思ったのに。ただそれだけを想ってここまで来たのに、どうしてこんな思いをしなければならないのだろうか。

これを書いている私自身も、精神的な危機を感じている。だが、精神科に行く時間がない。

私の自殺ニュースになるのも明日かも知れない。いや、もしかして、私の大学病院なら揉み消しかねない。

医者聖人でも鉄人でもない。ただの労働者だ。労働者としての権利が欲しい。

適切な休息と、勉強時間が欲しい。

どうか、今回の報道SNSの力で大きな問題にしていただきたい。

医者労働環境崩壊して、最終的に困るのは患者さんなのだから

追記 2023年9月6日

同じような労働環境話題になって、私の現状を世に伝えるには今しかないと意を決して当直の合間に書いたのですが、ここまで心無いコメントが付くと思ってませんでした。

匿名だと人は邪悪になるのかな。

「私の努力が足りない」と言われているようで、根性論を掲げてなかなか現場改善されない理由の一端を垣間見た気がして、もう人間にも人生にも絶望しました。

ありがとうさようなら

新型コロナ治療で目が青色に変わる事例が報告されている

医学というのは常に予想外の結果を産む。

https://gigazine.net/news/20230905-eye-color-turn-blue-covid-19-favipiravir/

「いろいろな人がいるって当たり前じゃん」の時期に突入したっぽい

多様性を受け入れることは素晴らしいことだ!みたいな見せかけの価値観嫌悪感を感じ始めている

え、今更?他者尊重するって何か特別なことですか?という気持ちが強くなってきている

人間精神が一意に定まらないのは当然だと思うし

その精神から生み出される行動が多様化するのは明白なこと なんじゃないの

生き物の可能性を全般的に舐めてないですか?生き物はこんなもんだって、こうすればああなるだって たか医学ちょっと発展したくらいで完全に分かった気になってないですか?

なんでそんな傲慢に考えられるんですか?

医学だけじゃない データ世界も憎らしい

確率モデル統計データ?そんなんで人間を測ろうとするからそうなるんだろ というか、測るのが当たり前の世界からそうなっている

データサイエンス学問としては素晴らしいと思うよ おおいに役に立つ分野があると思うよ

しかしだからって人間が、その型にスッポリはまるなんて思ってはならない 8割強一致している?だから何?残りの2割は切り捨てんのかよ そんな幼稚な考え方してっから今更多様性を崇めることになるんだ

 

ああ、いかんな

2023-09-04

anond:20230904212035

31歳で今年14回目の千葉大学医学部医学科受けるよ。諦めないで頑張ろうぜ。

二年前に面接からどうしても医療に携わりたいならコメディカル看護師選択肢に入れるように言われたけど、なりたいのは医師からめげずに頑張るわ。

anond:20230904203553

倫理を問われるのは

物理学者化学者生物学者工学者・医学

これぐらいですね

こいつらは資本主義の手先だからしょうがない

他は免除

2023-09-02

ペドフィリアなんか別になりたくてなったわけじゃない

まあTwitterもといXの一部でトレンド入りしてるあの辺の話

を、広義の当事者思考整理してる文章




俺は厳密に言えばペドフィリアではない それ専門ではないというか

自認としてはリョナラー 猟奇趣味

暴力やら殺人やら拷問やらに対して性的に興奮する

ペド以上に容認されない性癖だという自覚はある

俺の場合二次元しか興奮できない 実写も無理 ドラマがぎりぎりのボーダー

から主にイラストやら小説やらを漁るんだけど、

九割くらいは女性キャラクターのものだし13歳以下の少女を扱った作品もまあ多い

(この割合はその他R-18作品の傾向でもあるが一旦置いておく)

要するに俺は

「13歳以下の少女拷問されたりレイプされたり殺されたりしてるフィクション作品

性的に興奮する人間

(逆に「一般的な」AVとかではほぼ反応できない)

かつ、今まで現実人間に(性癖理由として)危害を加えた経験は一度もない

特殊性癖だが社会的には「普通の人」をやっている

ここまで前提




そういう一般的でない性癖のことが理解できなくて怖いと思っている人間からしたら、

「気色悪い」「治療しろ」「死んでくれ」と思うのは自然というか、そりゃそうだろうなと思う

嫌うなとは言わん それは無理 思う分には全然いい

ただ、「ペドフィリア」とかって単語で雑に括って(不特定多数に見える形で)非難されると、

社会的には犯罪を起こさず普通に生きている一般人である(と思っている)俺のことも

一緒くたに非難されている感じがして、嫌だなぁと思う

細部を知りもしないのに雑な糾弾をしないでほしい

正直、ここ最近トレンド周りは若干しんどい(見なきゃいいのはそうだが)

結局は「社会の敵」を殴って、任意プラス感情を得たいだけだよなぁと思っている

このプラス感情他者非難することの楽しさとか自分が正しいと信じられる安心感とかその辺

子供を守りたいっていう感情は本物なんだろうと思う

でも、別にネットペドフィリア非難したところで現実犯罪が減るわけじゃない

犯罪をしないペドフィリア非難される間でもなく、その衝動を実現すれば悪だなんてことは理解してる

どれだけ非難されてようがやる奴はやるんじゃないか

それよりは、過剰な非難の結果「社会の敵だってんなら本当にそうなってやるよ」的な行動起こしてしまう奴が出てくる可能性の方がまだ高い気がする

(そういうキレ方をするのはマジで最悪だがという前提で)




これ、本当に理解し難い部分だとは思うんだけど、

特殊性癖ってアイデンティティなんだよ マジで 何言ってるかわからんだろうけど

自分の「感性」を否定するのって相当きつい

社会的に良くないって分かってようがなんだろうが「そう」なっちまったもんをどうしろと、

っていうのが当事者的な感覚(の一例)

「そうなってしまった自分」を否定できないのは性癖に限らずあるあるだと思う

趣味嗜好ってそう簡単に変わらんのよ

治療」というか刺激のコントロールは出来なくもないんだろうが、

正直そのコストが凄まじいからやりたくないってのが本音

というか、それが容易なら「性的指向/性的嗜好」って概念事態存在しないと思える

その性癖を持ってる自分が心底嫌いならコストメリットが上回るからやった方が良いと思うが

「結局自分が楽したいだけじゃん」なのはその通り、

ただし「ペドフィリアではない、他の『普通の人』と同じように」楽したいだけ

んなもん知るか最善を尽くせって連中は、身の回りに酒飲みも喫煙者も全くいないんだろうな?と思ってしま

飲酒運転副流煙も明らか害悪じゃん、でも自分楽しいからやってるんでしょ

一線は越えない? ちゃんと弁えてる?

ペドフィリアの大多数だってそうだろうよ



性癖がどれだけトンチキでも害悪でも気色悪くても、

犯罪犯さず普通に生きてる範囲においては「普通の人」だよ

その「普通の人」の生活に「性欲を満たしたいので、性的に興奮できる材料を探す」っていう

普通の」行動が含まれるのも容認してくれませんかね

選んでこうなったわけでもないのになんでそこの自由を極端に縛られねばならんのだ

当然ながら現実の加害や犯罪は全部最悪だし、自分が興奮したいからってそんな真似するやつは最低だけどさ




なんだろうな、別に性欲が絶対ってことじゃないんだ、

僕のためのオカズがなくなるのはヤダから性癖認めてほしいですぅ的な話ではない

社会にかけてる迷惑とかが「ペドフィリアでない人間と同じ程度」なのに

必要に、必要以上に糾弾されてるのが嫌なんだよ




フィクションだろうが「そういう」作品存在する時点で害悪、それはそう

ノンフィクションのは全部正当に裁かれるべきだが)

でもそれ以外の「無害ではないが特定の人にとっては有益」みたいなもの容認されてるじゃないですか、

そういう状況で俺の好きなものけが不当に非難されたり禁止されたりするのが気に食わん

そういう作品を叩くのと同火力でAVとかアイドルとか子供エッセイとかを叩けよ、

現実世界への影響で言えばそっちの方が上なんじゃないの

で、これをやり始めると世に出られる創作物なんぞ皆無に近くなると思う

から俺は全部容認してほしいと思っている 成年向けゾーニング必須だとして




そもそも、性欲に関連するもの見に行くなっていうのはかなり無理がある

本当に娯楽全般禁止する勢いで尽力しないと無理

一般的な」「普通の」漫画やらゲームやらはもちろん、

医学論文で抜いてる己を鑑みるマジで無理だと思う 無理なの




長くなってしまった 自分の中では納得できたのでこの辺にしておく

要するに「感情的な嫌悪感を由来に、非合理的非難が向けられているカテゴリ」に

自分が含まれてるような気がするから不快だったって話だな

非難してる人は「普通に生きてるペドフィリア」とかのことはあんまり考えてないのかもしれないけど、

そのラベルの中に人間が入ってるってのは認識してもらえた方が嬉しい気がする

そんな感じ

何だろう、既存学問とか医学医者敵対視している人は陰謀論にハマりやすいんだろうか。

それとも陰謀論にハマった結果、既存学問医学否定して、結果として医者敵対視するんだろうか。

卵が先か、鶏が先か。

anond:20230830203626

JTC時代に、新入社員として、Bさんのような社員サポートにつけられたことがある。

「A山学院大学英文学を専攻していました」

自己紹介したBさんはホラン千秋に似た、いかにも海外営業といった容姿独身女性であった。

しかし、Bさんに質問をしても

「私も異動してきたばかりで何も分からないの」

と困ったように微笑むばかりであった。

事実彼女自身仕事についても何も知らなかった。

どんなにつまらない社内向けの書類でも、OSアップデートでも、Bさんは胸にメモを押し頂くようにして、別の社員に教えを請いにいった。

わたし能力は人並み以下だが、危機察知能力の高さには自信がある。

初日、Bさんから一日半かかると聞いたパソコンセットアップが1時間弱で完了した時、

(この人の言うことは本当に信用できるのか?)

という疑問が生まれた。

Bさんと担当するプロジェクトについては、Bさんから

「開催はだいぶ先だから今することはないの。

何もすることがないのはつらいかもしれないけど、緩急のある仕事から仕方ないわ」

もっともらしい話を聞いていた。

しかし、念のため、わたし自身の予習を兼ねて過去メールを読み返すことにした。

すると、Bさんが回答する必要があるメールが何通も月単位放置されていることに気付いた。

JTC風にいうと、「ボールはこっちにある」というやつである

プロジェクトはとっくに動き出していたのだが、Bさんが返信を怠ったせいで数か月ストップしてしまっていた。

相手方から数度にわたって催促のメールが届いているメールさえあった。

なぜ返信しないのか聞くと

「私に返信を求めているとは思わなかったわ。解釈の違いね

と会話を打ち切られてしまった。

わたしは数日目にして、まずい状況に身を置いていることに気付いた。

そこでチームに「状況の」やばさをアピールしつつ、彼女の顔を立てながら、プロジェクトの遅れを取り戻そうと必死になった。

Bさんはとくに焦るでもなく、

増田さんは配属されて一か月なのに、もう何年も働いているみたいね

とまんざらでもなさそうだった。

わたしはBさんに仕事を教わっているという体であったので、成果物はすべて彼女個人フォルダに保存することになっていた。

自動で保存される更新履歴を見るかぎり、彼女はもう自身フォルダを開いていなかった。

おもな作業者わたしを筆頭としたBさん「以外」の社員であり、作業の進捗を管理し、遅れや不足に気付くのもわたしたちだった。

Bさんは仕事優先順位をつけることができないという点で、会社員として絶望的だった。

期日等は考えずに自分がこなせる単純な仕事だけ片付け、それ以外は放置して忘れてしまう癖があった。

わたし彼女タスクに気付くと、その背景と彼女がとるべきアクション説明して、例えばメールならわたしが背後で文章を読み上げてタイプしてもらった。

わたし時間がとれなくなると、メールの本文を代筆して送り、名前だけBさんのものに変えてもらった。

簡単タスクを与えずに放っておくと、気まぐれに取引先のメール

「〇日ですね。承知いたしました」

などと返信してしまうことがあった。

それに気づくたびに

「Bの部下の増田です。その日程は別件の立ち合いのため厳しいです。

×日、または△日でいかがでしょうか」

などと真逆の内容の訂正メールを送ることになった。

取引先の担当者たちは察しがよく、Bさんのメールに返信することをやめ、わたしと直接やりとりするようになった。

Bさんは「契約書」や「議事録」といった基本的ビジネス用語、また「アダプタ」や「URL」といったPC関連の固有名詞をまったく知らなかった。

クラウド」や「AI」といった近年の技術をすべて「システム」と呼び、

学校で習わなかった」

と不満そうにしていた。

「やりたいか説明して」

マニュアル作成して」

と言うのでその通りにすると感謝されるが、知識ノウハウよりも、自身の向学心を表現することに満足してしまうようで、マニュアルは一度も開かれないままだった。

実際、目の前にあることに対する好奇心は強いかただったと思う。

会議などに出席する機会があると

「聞いてるとなかなか面白いわ。オススメよ」

などとうれしそうにしていた。

なお、わたしはその時、彼女の代わりに翌日提出予定の議事録報告書を起草していた。

ある昼下がり、顧客との打ち合わせに向かう前に急ぎの仕事を片付けていると、彼女が言いにくそうに話しかけてきた。

「あのね、増田さん、気付いてるかもしれないけど、わたし、実は…」

(またわたしの知らない熟成案件が?まさかから会う会社関連のなのか?)

青ざめるわたしをよそに彼女はこう打ち明けた。

わたし、実はキティちゃんが好きなの!このポーチキティちゃんだし、定期入れもキティちゃんなの!」

(え?今、その話するの?私、あと15分で打ち合わせに入るんだけど?というか、Bさんもですよね?)

彼女は放心状態わたしに対して、キティちゃんとの出会いからご当地キティちゃんを追いかけて京都沖縄を旅したことについて語ってくれた。

彼女お気に入り旅行先は南国で、「何もしないでぼうっとするのが好き」とのことであった。

ある日、彼女口内炎になった。

わたしは何の医学知識もないのに、彼女口内炎の経過を毎日30分近く聞かされることになった。

口内炎が完治する頃には、チームの全員が彼女口内炎について直接聞いて知っていた。

数分後に経営会議を控えた幹部を呼び止めてブリーフィングすることすらあった。 

季節は真夏となり、わたし名実ともにBさんの業務を代行していた。

その頃にはBさんは社内外で完全に孤立しており、話の長いBさんに話しかける人はいなくなっていた。

Bさんは自身の行いを省みることなく、

「みんなオトコだから若い女性が好きなのね。だからわたしに冷たいんだ」

「この会社は古いから、新しい仕事のやり方が受け入れられないんだ」

といったとんちんかん愚痴を言っていた。

彼女とて社内外の担当者が彼女スルーしていることに気付いていたはずで、無理やりでも責任転嫁することで自分プライドを守っていたのだと思う。

同時期に私は驚くような事実を知った。

口癖のように「わたしも配属されたばかり」と言っていたBさんは、実は私に1年前に異動してきていた。

しかも、だいぶ若々しく見えるが、新卒入社して勤続30年近い管理世代社員だったのである

このあたりでわたしの中の何かが決壊してしまった。

当時、わたしがBさんに感じていたのは、自分理解できない存在に対する本能的な恐怖であった。

私が英日ネイティブだという話をすると

「私も英語は得意なの。英語力をキープする方法はある?」

時期的に就職活動が難しかったという話をすると、

「私の年も氷河期で一番入りたい企業に入れなかった友人がいたわ」

共通点アピールしてきた。

わたしがBさんの英語能力を目にする機会はなかったし、彼女の同期(管理職)によれば彼女バブル世代である

彼女はそういった意味のない嘘をつく癖があった。)

しかし、わたしたちの間に横たわっていたのは、世代学力の差といったレベルでは片付けられない、まったくの断絶であった。

彼女瀟洒スーツを着て滑らかな日本語を話す、かぎりなく会社員に近く、(わたしの考える)会社員ではないものだった。

わたしは早朝のランニングをやめて、仕事の整理をする時間を作った。

毎朝「今日自分がすること」と「今日Bさんにさせること」の二つのリストを作って、スマホスキャンし、会社メールアドレスに送信した。

わたしの体は謎の存在対峙することに疲れ果てていた。

とにかく甘いものが食べたかった。

趣味を楽しむ心の余裕はなくなっていた。

書店に行って本を選ぼうとしたが、何を選んだらよいのか分からなかった。

口座には毎月自動的に振り込まれ給料が貯まっていた。

学生時代図書館で借りるしかなかった学芸文庫だって買えるのに、何を手にとってもときめかなかった。

本を選ぶことができず、例のメモ用のフリクションペンを買った時、自分が変質してしまったように感じた。

会社の最寄り駅に近づくと、吐き気めまいに悩まされるようになった。

自分が同期の中でも期待されていないから、Bさんのお守りを押し付けられたのかもしれない」

という疑念を振り払うことができなかった。

わたし同級生から海外労働事情について聞いていたので、日本終身雇用制について好意的にとらえていた。

しかし、何かの予算で1000万円という金額を見た時に、Bさんが

「1000万円なんて私ももらったことないのに」

と不満げに漏らしたことがあった。

それを聞いた瞬間、数々の疑問が湧いてきた。

年功序列とはいえど、新卒一括採用という一発勝負で、何もできない社員に1000万円が現実的に思える額の給与を与えるのはどうなの?

子供のような年の社員にお世話係をさせてまで引き止める必要があるの?

それ宝くじとどう違うの?わたしオポチュニティはどうなるの?

仕事が極端にできない社員には引導を渡して、パソコン契約もない、指示が一行で完結するような仕事に就かせた方が本人も周囲も楽なんじゃないの?

とくに出来がいいわけでもないのに、そんなことを考えてしま自分嫌悪した。

結局、わたしは冬頃には会社に対する信頼を失っており、1年を待たずに外資系企業転職した。

会社の育成計画的にはわたしも失敗作なので、その点に関して言い訳をする気はない。

しかし、Bさんは給与について文句を言いつつも、おそらく転職機会がないという消極的理由から、今も会社に居残っている。

災厄のような社員解雇できず、中途半端な高給を与えて飼い殺すシステムは疑問だし、そのつけを他の人に払わせるのはもっと疑問。

2023-09-01

anond:20230901145123

数学医学も本に書いてあったしその通りだった以外の話はないけど

本屋の「がん」の棚を燃やせ

身内が癌にかかり今後の治療生活についていろいろと情報を集める必要があり、まずは本屋だろうということで本屋の「健康」とか「癌」の棚に向った。

普段読まないジャンルから初めて見たけど、健康とか癌関係の棚があれほどまで完全に魔窟だったとは。

癌が消えた!とか癌の真実!みたいなあからさまに怪しい本がぎっしり詰め込まれていて、一応端から端までタイトルを読んでみたけどまともそうな本はゼロ

マジでゼロだった。

なんかこれって著者出版社はもちろんだけど、並べてる本屋もかなり害悪というか反社会的だよな。

こういうのも表現の自由なんだろうけどさ。

医薬品広告とか規制がかなり厳しいのに、書籍はこんなにガバガバでいいもんなのか?

俺は別にマイタケを食わせて癌を消すとかそういうアクロバットなことをしたいわけじゃなくてもっとこう、癌の基本的知識とか標準的治療の手順とか種類とかそういうのが知りたいわけ。

でもマジで一冊もそういう本がない。

だって「癌」の棚だよ!?癌について知りたかったらそりゃ癌の棚にいくでしょ!?

癌について知りたいのに訳わかんねぇおまじないみたいな本しかない。

文化が終わってる田舎本屋からなのか?

いや似非医学の本があることくらいわかってたけど、まさか100%とは思わないじゃん。

世の中ってもうちょっとちゃんとしてると思ってたのに…「ぐにゃぁ…」となりながら店内を呆然と歩きまわった。

そしたら資格とかの棚のあたりに看護師向けの教本がまとまってるコーナーがあった。

そのコーナーに「癌看護関係の教本があり、読んでみると滅茶苦茶分かりやすい。

知りたかたことが全部載ってる。

特に今回俺は身内が癌になってるから看護する側として知りたいことがしっかりまとまってるのは最適。

あんまり難しい「化学療法の薬の種類がどうこう」みたいな奴は多分今読んでもわからんだろうから基本的な内容が広く浅くまとまってる奴を買った。

あと意外とよかったのが癌患者から質問にどう答えたらいいか?みたいな本。

これまんまFAQとして使えて、こっちが聞きたいことに先回りして答えてくれてる。

偶然この棚を見付けられたからよかったけど、マジで危なかった。

とりあえずまとめ

・癌についてなるべく正確っぽい本が欲しかったら看護師の教本の棚に行くと良い。

・「健康・癌」の棚は燃やせ。

2023-08-31

anond:20230831121542

アブラムシみたいに、代々女の子けがまれるようにできれば結婚できるし、問題解決するのにな。

医学的には産み分け技術はできそうなのに。

2023-08-30

anond:20230830011851

事実に基づかないから言われてんだろ

医師医学見地から慎重に提言するなら許されてんだよ

お前医師なのか?

2023-08-29

anond:20230829150735

身体的にリスクがあるのは医学的にも認められているのでロリコンは死になさい。

anond:20230828235828

食いつくし系って

結局のところ情報ソース所謂2ch系SNSになる

当然に目を疑うようなすんごい内容ばっかりで

そんな人間マジで居たとして

そう、居たと仮定して、だ

良く結婚する気になったなと思うようなクズに仕上がってる

けれども、ソレと結婚しちゃった自分という存在もあるから

どうしても、外ではそうじゃないとか、ある時急に、みたいな【設定】になる

めちゃめちゃ不自然存在

実家や、勤め先、飲み会とかでは普通

付き合って結婚するまでも普通

で、子供が産まれて突然豹変したりする

結構な数の投稿があって

今が旬だから過去記事含めてまとめサイトで上位に来てる

これだけの事例があって、ネットだけに投稿され、医学的な取り扱いが全くないとか

アリエナイと思わんか?

ネットでこんだけ目につくって事は

DVと一緒で、暗数はかなりの数になるはずで

当然に医者だって相談されてるはずだ

それが医療関係者は全く無反応で

ゴシップネット記事に出てくるぐらい

これを嘘松と言わずして

何が嘘松だって感じ

2023-08-28

anond:20230828105544

科学なんてやったらこうなったという経験則の寄せ集めに過ぎんからな。真理でも何でもない。特に医学生物学材料宇宙なんて適当よ。

2023-08-27

『花ちゃんみそ汁』を美談にしてはいけない

『花ちゃんみそ汁』というノンフィクション及びそれを題材としたドラマ映画美談として消費されている現状を、またしても目にすることになった。

これは本当に由々しき事態だと思う


『花ちゃんみそ汁』の問題点


本来保護者として家庭の事を担うべき父親義務放棄し、僅か5歳の娘に味噌汁を作らせる

これは娘が望んでやっている事だからいいとかい問題ではない

まだ僅か5歳の、小学生にすら達しない娘の意思表示に、果たしてどれだけの確実性があるのか

本来であれば父親は娘が如何に味噌汁を作ると言おうが止めるべきだった

母親味噌汁レシピを伝えるのであれば本来夫にであるべきだろうに、

何故かそれせずに娘に伝える意味不明さ。

夫を一人前の大人として認めていなかったとしか思えない(しかも恐ろしい事に、この夫婦は何と夫の方が11歳も年上!)

時代的に仕方のないかのように擁護する人も多いが、娘の誕生2003年母親が亡くなったのは2008年

男女平等が叫ばれるようになって久しい、とっくに21世紀出来事である

成長した当人味噌汁を作らされた過去肯定しているとしてもそれによって過去出来事正当化される訳がない

加えてさらなる問題はこの話が美談として流布される事によって、同様に家事押し付けられる幼い女の子が増えてもおかしくないという事。

女の子は幼い頃から家事要員としての意識を植え付けられて育つ。そこに当人自発的意思がどれだけあるのかなど分かりようもない。

少なくとも書籍化して全国に発信するからには個々の家庭の問題では済まされない


代替医療の賛美

こちらについては詳しい医学知識がないのでさて置くものの、

この母親結婚後に乳癌の診断を受け、手術は成功したものの再発のリスクから反対する医師に逆らって妊娠出産し、

出産後に乳癌が再発するも検査治療拒否して玄米食による代替医療固執した結果命を落としたという。

この一点だけを考えても到底美化していいような話ではないと思う。

anond:20230827085026

からやが医者でなくて医学論文だけ読んでる人ってつまりどういう人?

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