はてなキーワード: 平行線とは
結婚前に夫には言っていた。
子どもが嫌いでは決してないけれど、自分の子どもが欲しい、遺伝子を残したいとか全く思わないので、子どもを望むなら別の人と結婚してほしいと。
それでも夫は結婚したいと言ってくれたけど、心の中ではどうやら時間が経ったら私の考えが変わると期待していたらしい。
友人の子どもとか、姪っ子をあやす姿を見て、いつかは…って思っていたんだって。
でも、たぶん私の考えは変わらないと思う。だって「子どもが欲しい」とか、そもそも「結婚したい」いう人並みの感覚が抜け落ちているんだもん。
このままでは夫を不幸にしてしまうかもしれない、30代に突入したばかりの今ならなんとかなると思って昨日話し合ってみた。
「投票率が0になれば『日本の頭の悪い政治家なんて国民は誰も支持しないこと』の意思表明になるから」。
なんというか...彼は三十数年間生きていて、そんな現実的ではないことを本当に思っているのかと思うと気が遠くなってしまう。
以前からそういう発言をしていたので今更驚きはしなかったが、昨年度は「選挙行きたかった」と言っていたので、その考えがいよいよ変わったのかと内心かなり安堵していたのだった。
そのぶん、今朝久しぶりに彼の口からその言葉が出て足の力が抜けるほどガッカリした。
ちなみに昨年はなぜ「選挙行きたかった」のはなぜか理由を尋ねると「みんなどんな顔で投票しているのか見てみたいと思って」という答えだった。
彼のことが好きだ。出会った当初からずっと絶え間なく大好きなのだ。
しかし選挙に行かない一連の意見をきいていると、私にとっては理解できないトンデモ理論すぎて本当に心から残念な気持ちになる。
私の仕事やそれ以外の活動のことも理解がある上に応援してくれる。とてもいい奴なのだ。
そのぶん「選挙に行かない」&「その行動理由が(私にとっては)幼稚すぎること」のネガティヴギャップに目眩がする。
彼と私は夫婦だが、当然他人同士だ。またそれぞれの内面が手放しで素晴らしいところばかりでないことも分かった上で入籍した。
物事に対して思考や意見が違うことがあるのはあまりにも当たり前だが、それを踏まえた上でやはり選挙には行って欲しい。
能町みね子さんが記事内↓で書かれていたのと同じく、私も政治に絶望している。
https://politas.jp/features/15/article/657
だがそれでも2パーセントぐらいは、少しでも未来がマシになることに期待しているのだ。
そして今私の隣にいる人の選挙に対する考えをいつか変えることは、2パーセントよりも可能性があると思いたい。
そのために誰か知恵を貸してほいし。切実に。
補足。
なぜ私が選挙に行くのかということは、能町みね子さんの記事を見せて説明した。
彼はあらゆるSNSをやっていない。過去に私が「選挙に行って欲しい」とダイレクトに言っても行かなかった。
彼の考えが変わりそうな本などあれば教えていただきたいです。
宜しくお願いします。
もうすぐ30になるが、未だに親の怒りが怖い。だるいとかうざったいとも思うが、本質的には怖いんだと思う。元々干渉が多めの両親であったので小言を言われるのには慣れているが、何かの拍子で爆発したときの怒りが嫌だ。
毒親なのかもしれない。しかし一概にも「親が悪い」とも思えない自分がいる。自分に子供がいたら、親と似たような考え方をするかもしれない。だから子供は作らないと決めた。
毒親関係の記事によく「距離を置いたほうが良い」と書いてあるが、残念ながら離れても干渉はあまり減らなかった。親が顔を見せろと言うのを無視し続けるとそのうち電話口で怒鳴られる。
縁を切れたら楽かも、と思いつつもどうしても踏ん切りがつかない。それでも自分をここまで立派に育ててくれた親なのだ。縁を切ったらきっと後悔するだろう。
どうすればいいのかわからずにがんじがらめ。カウンセラーに話したところで解決にはならない。実家にいるときや電話口で親に小言を言われて「はい、はい」と言い続けて流すこともできるが、それだと言いなりになってしまうような気がするから、小言に対して反論をする。すると話が平行線のままになり言い争いに発展する。それが怖いから日々親の許容量を見定めつつ、計算をしながら言動の選択をしている。これは親と同じ空間にいてもいなくても一緒だ。
最近その計算が難しくなってきた。許容量計算の末に諦めてきたことを、最近は諦めきれなくなる。自分のやりたいことを優先したくなる。別に親に迷惑をかけているわけではないはず。そのあたりは迷惑を被る側の受け取り方次第なのでもしかしたら親は迷惑に思ってるかもしれないが、少なくとも自分はかけていないつもり。
どうしたものか…
ありがと、
元カノとかデート相手でこういう子いて、疲れた記憶あるなーと思いだしてた。
興味を持って聞き出そうとしても、相手は自分が我慢するのがいいことって考えだったりすると、平行線だし、毎回それをやるのしんどくなっちゃたんだよね。
途中から自分が興味を持たれてることの確認として、こちらがなにがいいか細かく聞くのを求めるようになってきたりしたし、当時今より自分が未熟で相手をちゃんと誘導したりコミュニケーションとれてなかった結果なんだと思うんだけど、まあしんどかった。
ちゃんと好きなことと嫌いなことが言える関係と、相手をちゃんとみて向き合って話すのが、長く続けるには必要だなっていい経験にもなったよ。
カタツムリに憧れている。カタツムリには性別がないからだ。正確には各個体がオスメス両方の機能を持っているとかで、とにかく体の作りに性差がないらしい。
人間はオスとメスに分かれている。そのせいでオスとメスは絶望的に分かり合えない。
例えば満員電車に乗るメスの多くが痴漢被害を経験しているが、ほとんどのオスは痴漢加害をしないため「痴漢怖い」「痴漢なんて滅多にいない。冤罪では」「安心して電車に乗りたい」「女性専用車は男を全員痴漢扱いしている。差別だ」と議論は平行線を辿る。
このように、生まれ持った性別で人類の半分と分かり合えないことが確定してしまう。分かり合う努力をするべきなのだろうが、どんなに努力しても埋まらない溝を見ては絶望している。
俺は他人と比べて収入は多い方だし家も裕福だったけど結婚には興味ないな
もちろん式も挙げたくない。だから、彼氏の気持ちがすごくよくわかる
男は「結婚式」が大嫌いなんだよ
あれの主役は嫁だし男は隣で置物のように座ってるだけ
結婚式の金額の問題じゃなく、そこに金をかけるなら家や旅行に使いたいっていう価値観の問題
「嫌々だけど仕方ない」だよ
結婚式を挙げたくないと、わざわざ口に出して言うってことは気持ちが固い
別れて結婚式を「挙げてもいい男」を見つけたほうが早いし、彼氏も結婚式を挙げないでいい女と結婚したほうがいい
この溝は深いけど、結婚のゴールが結婚式だという価値観を持ってるなら別れるのがお互いに幸せ
この元増田の言ってることには、ある程度納得できる部分もあったんだけど、根本的に矛盾してると感じられる部分もまた散見されたのである。
と言っている部分。
ここでは、「人間に議論を限定します」と端的に述べられているけれど、要は、「肉食動物の生態を論駁することは諦めざるを得ない」という事実が揺るぎないことが、この辺りの言説から読み取れちゃうのである。
ブコメにもあったけど、人間は現状自らの肉体と精神の健康を得るために肉を食べる必要があるのよ。
それは肉食動物の事情と寸分変わるところではないし、そこに健康が関わる限り「肉を食べる権利」が生起することは極めて避けがたい。
その権利を侵すことはできないし、それを侵そうとするのであれば、それは明確にある種の歪みを生んでしまうということに他ならない。つまり、他者に対して肉体と精神の健康を制限せよと言っているのに等しいわけだよね。
派生のレスの意見は違って、話せるヴィーガンもいるということが明らかになったツリーになってると思う。素晴らしい。
概ねの合意が得られた。
>他の種を搾取することによる一時的な幸福は正しくないし、必ず代わりが見つかると思ってる。
たぶんここがキモだよね。
代用肉が出てくれば食肉産業は縮小するであろう、健康はもっと手軽に維持できるであろう、代わりの幸福は見つかるであろう……といった楽観論が貴方の主張のすべてである、ように俺からは見える。それらの楽観は実現しないと俺は思う。代わりが見つかるとは思えない(ので、見つかってから言えや、がメインの主張になる)。
しかし俺もまた未来のことを知るものではないから、楽観論が実現しないと断言することはできない。この点で完全な平行線が発生しているよね。なるほどわかり合うことは不可能なんだな、という感じだ。
ただ、楽観論が見つかったとして、それにより動物の幸福が担保されたとしてもだ。その時は虫や植物を凄まじく効率的に消費してるだろう。ということは、どこかでは線引きは必要で、種差別の撲滅は無理だよ。人間が蚊や蟻を潰さない未来なんてこない。
だから権利を認める線を「人間かどうか」にするのは、やはり最も妥当としか思えないなあ。なにせ「人権」という概念が既にあるわけだしね。動物の人権ってもので幸福を担保して、共感からくる感情的苦しさを減じたい、という思いは理解しないでもないが……。
しかしこれもやはり、信仰とか信念による認識であって、説得とか妥協とかいう話ではないんだろうな。
逆に聞きたいがツリー全体の要約が「俺らの利益になる反差別なら聞いてやるが、それ以外の差別認定はレッテル貼りだから気にせず続ける」ということになってもいいの?
まぁ、意見を変えるつもりはなさそうだし、あとはどこまで言っても平行線だろう。
元増田です。
>それを「責めてる」と言うんだが。
私は単なる「指摘」と解します。ある社会構造の中である面で有利であることは、それ自体では罪ではないので。
いわゆるツイフェミには「男性であるだけで原罪!」みたいなことを言う人も多いですが、東大公式サイトに掲載された上野の祝辞の文字起こしの中には、そういった言葉ありません。
有利な立場を自覚してそれをより弱いものを引き上げるために活かしてほしいというのは、祝辞としてよくある範囲です。教員が新入生に対して、大学で身につけてほしいことを伝えているので。念のために申し添えると、恵まれた環境と能力を〜〜は女子学生にも向けられています。
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もしかして増田さんは「差別」を、「ある個人が別の個人または集団を、わざと悪く扱うこと」のような意味で使っていらっしゃるのでしょうか。だとすると、上野の「差別」は社会構造を指しており、私もそれに従っているので、話がかみ合わないのは当然です。用語の定義をすり合わせずに議論を進めて申し訳ありません。
社会構造としての「女性差別」については、程度や他の差別より優先して解消すべきかはともかく、あるのは確からしいと私は考えています。
上野の主張が全て正しいがどうかは、統計の恣意的で雑な扱いや論理の飛躍などが散々指摘されてきましたから、「証明されていない」のは増田さんのおっしゃる通りです。
だからと言って、上野に他のフェミニストの意見を変えさせる責任があるとは、やはり私は考えません。上野の主張全てが事実無根ではないし、上野はすでに他のフェミニストと論争してきた(そして完全には説得は出来なかった)し、上野の主張は「男社会は不当に独占してきた政治経済社会上の地位を女に返せ」がメインであって「男が他の男を責めて自浄作用を発揮しろ」ではないので。もし上野が他の仕事に支障を来させることなく表現規制を唱えるツイフェミに諌めるレスなどするならば、よりよいとは思います。
増田さんが上野を責めることを止めもしません。ここは平行線になりそうですね。
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毎日どうでもいい作業で疲れ切って勉強時間が取れなくなってしまった私は、最初に出会った頃のAさんの言葉を信じて、「私が本当にしたいことは、仕様書やテスト時のスクショをプリントアウトしたり、よくわからないテスターをやったりすることではない。このままでは、プログラマとしてのキャリアを積むための勉強時間を作ることもできないし、業務内でコードを書くこともないから業務時間を短くしてほしい」と言った。少なくとも、最初Aさんと会ったときは、「君には人工知能や人工生命を作り出したいという夢がある。俺はその夢を応援したい」という言ってくれていたから、そのために一番必要な勉強時間が確保できないことは致命的だという認識を持ってくれると期待していた。そして、その願いが聞き入れられなかったら、さっさと退社しようと思っていた。
結局、返ってきた返答は「給料が減るぞ」ということを3時間かけて全く同じ内容を延々と繰り返すだけだった。その間、何が問題で、どうすればWin-Winになれるのか、何が無駄で、何が必要なのかということを議論することはできず、「給料が減る」「こんなに恵まれてるのはうちだけだ」「うちはブラックじゃない」と言い続けて、最初は私の「夢」「キャリア」「技術的成長」ということを全面にプッシュしていたし、その点に合意があると思っていたのに、全く平行線で話し合いができない人はこういうところにいるんだろうなって思う。
その後は、PMの人に「俺が若い頃は始業時間の二時間前から出社して、部屋中のゴミ箱のゴミを回収したり、社員にお茶を汲んだりしていたものだ」みたいな小言を言われ始めて、いよいよ駄目な職場だというのがわかってきた。ただでさえ、偽装請負でタイムカードを切らせる上に、更に一人だけ出社時間を早めて清掃員や事務員がやるような仕事をプログラマ枠で就職した人間にやらせようとする。もう救われないよなと思った。
結局、その会社を辞めて別のホワイト企業に就職したら、非常に快適だった。前職では「ブラウザ」「Google Chrome」という言葉を知らないおじいちゃんがいて、IT系の企業なのに「IEどれ、IE」みたいな人がテスターチームにいたけど、新しい職場ではそういうこともなかった。転職した教訓としては「うちはブラックじゃない」という会社は大抵ブラックで、まともな会社はそんな中身のない発言をせずに、出社日1日目に「うちには、ハラスメント対策の部署があるから、何か不満があったら、そこに連絡して。そこは管轄が別系統だから上司が君の陳述を握りつぶしたりはしないよ」って社内のトラブルシューティングの連絡先を教えてくれる。
じゃあ、ここで一旦まとめようか。
⑪最初は「夢」「才能」「自頭」「キャリアアップ」みたいな言葉で明るい未来をイメージさせたり、自分のやりたいことに理解を示したりする。
⑫徐々にゴミみたいなルールやしがらみが明らかになっていき、それを指摘すると更に意義を感じられない業務をさせられた。
⑬「俺は人を見る目がある」「俺は合理的な判断のできる部下の話をちゃんと聞く人間だ」と、初っ端から言う人間は信頼できない。
⑭他にも職場環境がいいところから声が掛かってるときに、できもしない好条件を提示してきて、他の条件の会社の内定を辞退したあとに、条件を一気に下げる。
⑮何かあったら、「俺たちも大変なんだよ」と言って、問題を共有したり、認識したりするのを拒否する。
⑯ブラック企業でも一応は職歴になるから、転職するときはめっちゃ楽。さっさとクソみたいなブラック企業は辞めたほうがいい。
以上、酔った勢いで駄文を書き連ねてみた。特定されないように一部ぼかしたりしてるけど、まぁ、大筋としてはだいたいこんな感じだ。強いて、主語を大きくして日本社会に敷衍して語るなら
「金や労働というのは、社会的に役に立つから、文化的に価値があるから存在したり、供給があったりするのではなく、巨大資本に接続できるかどうかで決まる。関係者全員が糞だなって思ってても、それで大金が動いて、自分や自分の家族の財布に金が流れるなら茶番は続く。そんなことをしてるから、全員FAKE野郎のハイエナみたいな社会になるんだろ」
https://twitter.com/MAEZIMAS/status/1113114798672113665
一流の老害は「君たちこそが真のニュータイプだ」とか言って、若者を自分の既得権益確保のための鉄砲玉にする。
…いやマジ本当に、若い人気をつけてね。若者説教おじさんは、せいぜいまだ極限の不愉快ですむけど、若者応援おじさんに乗せられると最悪人生詰むので…
というツイートが流行っているので、私が遭遇した若者応援おじさんについて書こうと思う。
当時の私は親との折り合いがつかず、学力もそこそこあったし、勉強もしていたのにも関わらず大学に進学せずにフリーターをしていた。実家を出たかったし、大学にも進学したかったから金の工面が当面の目標だった。そんなときに出会ったのが若者応援おじさんのAさんである。Aさんはバブルの頃に就活をしていて、まだインターネットやパーソナル・コンピュータというのが流行る前から電子工作やプログラミングをやっていた人だった。実際、経歴を聞いてみると10回以上転職を繰り返しているものの、有名企業(今にして思えば、カビ臭いSIerだが)で部長をしていたことがあって、年収が1700万ぐらい稼いでいたこともある人だった。
最初に出会ったときは自分が如何にすごいかということを熱心に語っていた。80年台後半ぐらいのコンピュータ開発の大型プロジェクトに関わっていたとか、セキュリティの専門家とか、今までに触ったことのあるプログラミング言語が300個を超えるとか。でも、当時の技術的なトレンド(MongoDB、Ruby on Rails、AngularJSとか)についての知識が限りなく少なく、「フレームワークなんてその場で覚えればいい」みたいなタイプだった。中学生の頃にラジオ工作したとか、はんだごてで電子回路を設計したとか、そういう話は熱心にするのに、Bram Moolenaarの名前を知らなかったりした。要は、最近のプログラマがどういう関心やインセンティブでプログラミングやってるかを知らずに、過去の栄光を語ってるようなタイプだったと思う。
まぁ、それでも、その人のコネで中規模程度のSIerに入社して、そこそこいい感じの待遇だったように思う。当時の私の技術力は『わかりやすいJava入門』『たのしいRuby』を一通り終わらせて簡単な言語仕様を把握したぐらいでろくにコードも書いたことのないような人間だったから、定時で帰れて手取り二十万もらえるのは甘い汁を吸えたとは思うんだ。
でも入社を決めた一番の理由が、そのAさんが私の関心に理解があると思っていたからだ。というのも、当時の私は「人工知能や人工生命に興味があります。三年後に大学に入学するまでにプログラミングスキルを磨きつつ生活費と学費を稼ぎたい」ということを明言した上で、それを叶えてくれる会社を探していた。技術力はないものの、「自頭がいいから入社してからプログラミングを覚えればすぐに戦力になるよ」と複数の人間から言われていて、それぞれ就職先を紹介してもらえるような状況になっていた。今から思えば、そんなコードを書けない人間を自頭なんて胡散臭いもので褒めるような人間は信用してはいけないと思うし、口車に乗せられたと思うのだけど。そこは自分にも甘いところがあったように思う。あ、あと、補足しておくと、当時はDeep Learningなんていうのは全く人口に膾炙してなかった時期で、スチュアート・カウフマンや金子邦彦に憧れてたような、周回遅れの複雑系に魅せられた若者が私だった。
①親との折り合いが悪く、大学に進学したいが、金が足りない
②実家を出るために生活費を稼ぐ必要があったが、飲食のバイトとかではスキルが身につかない状態で、価値の高い若い時間を無駄にしてしまう
③そんなところに現れたのが過去の栄光を話す若者応援おじさんのA
④自分は殆どコードを書いたことのない業務未経験で、21世紀になっても複雑系の話に興味をそそられるような斜に構えたスノッブ
では、入社後の話をしよう。私が配属されたプロジェクトは80万行程度のJavaのコードで動いてるBtoB向けの製品を保守開発してるプロジェクトだった。やってることはGoogleやAmazonやMicrosoftみたいな大手ならやってるようなサービスの完全下位互換みたいなソフトウェアを、情弱だけど社員数は多いみたいな企業に売りつけるような仕事だ。国産とか、セキュリティとか、そういうよくわからない言葉を並べ立てて、海外のUIも洗練されていて、優秀なエンジニアが管理してるものをセキュリティ的に怪しいと不安を煽り立てて売りつけるようなやつだ。そんなクソみたいな製品でも年間5億円ぐらいの売上になるのだから、IT系って糞だなって思う。ネット上では優秀な人間ばかりがアウトプットしてるし、NDAの名の下に詐欺まがいのソフトウェア(今回の例なら無料でUIも洗練されていて、使いやすいサービス)が明るみにならないのだから、こんな国はさっさとスクラップ・アンド・ビルドすればいいのにって思うよ。IT化されてないのが時代錯誤で〜みたいな記事はネット上でもバズるけど、実際には10年前のスパゲッティコードを惰性と不安につけ込んで売りつけるようなSIerがたくさんある。そんで、そんな意味不明なソフトウェアを導入すれば、どこに何があるのか分からないUIの操作に大切な業務時間を奪われて、日本全体の生産性が落ちてしまう。ユーザーの時間と生産性を奪い、開発者にとっても技術的負債にしかならないようなソフトウェアを売りつけてる悪性腫瘍みたいなSIerはさっさと滅んでしまえばいいと思うよ。
まぁ、私が配属されたプロジェクトはそんな感じだ。まるで意義を感じないが金にはなってるプロジェクトに配属された。そのプロジェクトの根幹部分は一人のエンジニアが設計開発しており、そのエンジニアは既に退職して、どこに何が書いてあるのかわかってない人間が後任として保守を行っている。盲腸みたいに全く有難みのない機能を増やすことでより高く売りつけるようなプロジェクトだった。
そのプロジェクトの中にいる人について話そう。プロジェクトマネージャーは仕事漬けで毎月350時間ぐらい働いている60連勤とか当たり前で、常に酔っ払ったような、眠そうな目をしてる人だった。にも関わらず、同じプロジェクトの人間は仕事がなさすぎて業務時間中に関係ない談笑をしたりしていた。プログラマやテスターや文書作成をするスタッフが40人ぐらいいるところで、閑散期(機能追加のサーバーリリース前以外)は暇そうにしてる人が多かった。プロジェクトマネージャーを除いて。要は、PMは一生懸命働いているが、その一生懸命さは惰性で行われており、無能なのに業務時間が長いPMがいて、その人が全部仕事をやってしまう。他人に頼めない性格らしくて、存在意義が分からない業務を他人に頼んでは「なぜこんなこともできないんだ?」って怒鳴るのが生きがいみたいな人だった。頑張ってることがアイデンティティになってて、その頑張りに意味があるのか、必要なのかという吟味ができず、タスクを他人に振ることもできず、情報もそのPM一人だけが握っているから、周りの人も「私が仕事を請け負いましょうか」ということもできない。それで新入社員をイビるような存在意義のわからない仕事を振って、できなかったら人格否定をするような感じの。
私が受けた仕事ととしては、週に1回ベンダーのところに会議をしに行くんだけど、そのときの社内の資料を全部紙でプリントアウトして持っていくというのがあった。文書作成スタッフが製品の仕様をWordでまとめて、600ページぐらいのpdfにしたものが1500万円ぐらいで売れるらしく、その増えた言語仕様をプリントアウトしてベンダーのところまで持っていく。追加された仕様以外にも、今週やったテスト内容をExcelで纏めたものをプリントアウトしたりしていた。紙の量で言うと、一回の会議で2500枚ぐらいで、それをキャリーケースに詰めて客先であるベンダーまで持っていくらしい。聞いた話では、その2500枚の会議資料は殆ど読まれずに捨てられるのに、そのPMはベンダーにその慣習を廃止しようとは提案しない。ベンダーとの週一の会議の他にも、進捗報告を主とする社内会議があって、PM以外の人はあのプリントアウトする悪習は廃止すべきという話が上がっているのにPMが首を縦に振らないから一向に改善されない。まぁ、そのプリントアウトするのをやるのが私の仕事だったわけですよ。毎週4時間ぐらい掛けてWordやExcelの文書サイズとか調整してさ。元の文書のサイズや余白が狂ってるのに、客先に失礼だと言われて、手直しして、プリントアウされたコロコロコミック何冊分だよ? みたいな紙の束をホチキスで止めていくんだけど、ホチキスの止め方が汚いとやり直し。
じゃあ、なぜPMは頑なに意味のない業務をし続けて、それによって新入社員を使い潰そうとするのかと言えば、弊社の業績が悪くて倒産しそうだったときにそのベンダーが手を貸してくれたからそのときの恩義があるとかなんとか言っていた。だから、靴を舐めるようなことをするし、他人の生産性を奪うようなクソ製品を世の中に出して何も感じないらしい。読みもしない産業廃棄物を作り出して、それを無碍にされて喜んでいるような業務が、今の日本の何割を占めているのだろう? そのPMの口癖は「俺はプログラミングは全くわからないが、こんなプリントアウトの段取りもできないようなやつはプログラミングなんてできないと思うよ」だった。FizzBuzzどころか変数や関数すら知らないような人間にこんなことを言われるのは屈辱だったし、これが高卒未経験で就職することなのだろうと思った。
他にも、私が受け持った仕事に、製品が動くかどうかを確認するテスターという仕事があった。RSpecやSeleniumで自動化しようと言っても、そんな技術を持ってる人がいなかったから、一々自分でその製品を触って仕様通りになっているかを確認しないといけなかった。画面遷移が600ページのpdfになっているから、それを見ながら正しい画面遷移ができているかを確認する業務だったが、正直人間のやる仕事ではないと思う。画面遷移だから前のページから次のページに移行したときに前にどのページだったなんてスクショを撮ったぐらいじゃわからないのに、「このテストをExcelにした内容じゃ、本当にテストしたのかわからないだろう?」と言われた。言われたとおりにExcelファイルにスクショをひたすら貼り付けていたというのに。しかも、その他にも特定のファイルをアップロードするときにどの条件だとアップロードができないかを判別するテストをどうやって行うのか考えろというのがあった。今までにテスターをやっていた人に聞いても指針なんてないと言われ、「賢い人はそういうのを考えつくものだ。俺はパソコンに詳しくないが」とPMに言われ、嫌気が差した。
まぁ、ここまで書けば、如何にブラックと言うか、理不尽で不合理な職場かというのはわかったと思うけど、いい面もあったんだ。前にも書いたように、未経験の高卒が手取り20万貰えたのは嬉しかったし、研修のない会社だったから、最初の二ヶ月ぐらいは一人で勝手に勉強しててと言われたから、実働換算で時給3000~4000円ぐらい貰える計算だったのかな。一番瞬間時給が高かった日はメールの返答に20分ぐらい使ったときだったから、日給1万、実働換算の時給が30000円ぐらいになった。それぐらい放任されていた。
最初は社長が「君にはソースコードのUMLを書いてもらおう」とか言って、クラス図を書く練習をしていたんだけど、現場の人は「今更UMLなんて必要ない」「ソースコードを読めばわかる」と言って、全く必要とされていなかった。だから、業務とは関係ないTCP/IPやRubyやGitの勉強をしていた。家のことで勉強に対してモチベーションが落ちていた私は、金を貰えるという環境では目の前の勉強に集中できるようになって、元の勉強するための生活リズムっていうのか、そういうのを取り戻せた。それは当時の私にとっては有難かったと思う。
ここまでをまとめると
⑤無料で使えるサービスの下位互換といえるような、他人の生産性と金を無駄にするような製品を開発してるプロジェクトに配属された
⑥PMだけが忙しく働いて、周りの人の割り振りができていない。
⑧社会悪のようなソフトウェアを売りつけて金を稼いでいるプロジェクトだった。
⑨仕様書やテスト内容のプリントアウトという必要ない業務をしたり、指示内容と叱責内容が矛盾する理不尽を受けなければならなかった。
⑩しかし、勉強してるだけで月20万貰える環境は有難く、当時の私にとっては願ったり叶ったりだった。
では、次に私がその会社の入社から辞めるまでの経緯について書こう。最初のうちは、自分の勉強時間を取れていたし、振られる仕事も理不尽で意義を感じられないものであるものの、すぐに終わることが多かったから問題ないと感じた。それが徐々に仕事が増えていき、勉強時間が取れなくなっていった。
ここで若者応援おじさんAの登場である。Aさんは私と会ったときは有名企業に勤めていて、そこを辞めて私を紹介してくれた中小企業で働き始め、その数カ月後に私を紹介してくれた。元々、その会社の社長とは懇意にしていたから、一緒に働こうという話が何十年も前からあって、今回ちょうどタイミングが合ったから、その友人の会社の重役として就職したらしい。私が就職したのはその数カ月後だった。
Aさんは「何か問題があったら、部下や上司という立場を気にせずに忌憚なく言ってほしい」「俺は人を見る目はある方だ。君は一本芯の通ったところがあるから、周りに流されずに新しいことをできるだろう」「君には将来性がある」「俺は新しい会社でも権力を持ってるからへんなことを言ったり、したりしてる人がいたら遠慮なく言ってほしい」とかそういうのを入社する前に言っていて、まぁ、色々とおかしいところ、FAKE野郎みたいな発言が多かったけど、そこだけは信じてたんだよね。本当に騙すんだったら、そんなすぐに辞められるようなリスクを上げるような発言はしないだろうってさ。ちなみにFAKE野郎って感じたのは、一方的に自分の話だけをして、私が質問すると煙に巻いたり、私のことを買ってるという割には私の話をすぐに中断させて自分の話をし続けるとか。その人はFラン出身だったから、ちょっとインテリなことを言うと「君は変わってるね」って言ったり、きょとんとした顔で10秒ぐらい固まった後、すぐに自分の自慢話を再開したりと、決して自分の知らないことや分からないことを認めようとしなかった点だ。他にも、「私と働きたいと言ってくれていた会社はあったけど、そこは技術的に成長できそうだけど給料は月7万程度でバイトの身分だから、迷ってるんですよね。バイトだから自由時間は多く取れるんですけど」みたいな発言をしたら、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、私が感じていた不安を取り合ってはくれなかった。Aさんは「俺は社内で影響力を持っているから、君を正社員にすることもできる」みたいな話を延々としてたのに、いざ蓋を開けてみると、「君の面接での受け答えが駄目だから、契約社員として雇用することになった」「あれから上層部に渋られてしまって、請負契約にすることになった」と話が二転三転していった。だったら、他にも選択肢があったのに、他のところに就職したのにと思ったが、自分の能力や経歴で負い目を感じていたから強く言うことはできなかった。高卒で就活するというのはそういうことだ。他にも選択肢があるのにも関わらず、どうせ労働に関する知識がないと足元を見られて、条件を徐々に下げられ、他に選択肢をなくした後で、悪い条件で働かざるを得ない状況になっていた。結局、勤務時間がタイムカードで管理されてるのにフリーランスとして請負契約を結ぶという偽装請負で契約させられ、もっと技術力を磨ける選択肢は潰されてしまっていた。
私は会社の問題点を丁寧に分析してpdfにまとめてAさんに送ったんだ。それが間違いだった。如何に会社がそのベンダーに良くしてもらったか、大変なのをわかった上で俺たちが会社を立て直してきたかということばかりを話していた。百歩譲ってそこはいいとしても、ベンダーとは関係なく職場環境を良くするための話までいい加減に聞かされてうんざりしていた。
「Aという問題があります。その背景にはBがあります。そのためにはCという解決策があります」
という話をしたときに、「Bぐらいみんな当たり前にしている。君だけ特別扱いすることはできない」みたいな返し方をされて、問題が発生してる事自体はないものとされていった。結局、職場にはびこる不合理で理不尽な業務やルールは改善することはなく、私への人格攻撃で終わってしまった。
毎日どうでもいい作業で疲れ切って勉強時間が取れなくなってしまった私は、最初に出会った頃のAさんの言葉を信じて、「私が本当にしたいことは、仕様書やテスト時のスクショをプリントアウトしたり、よくわからないテスターをやったりすることではない。このままでは、プログラマとしてのキャリアを積むための勉強時間を作ることもできないし、業務内でコードを書くこともないから業務時間を短くしてほしい」と言った。少なくとも、最初Aさんと会ったときは、「君には人工知能や Permalink | 記事への反応(1) | 23:52