はてなキーワード: 2006年とは
以下のエントリにぶら下がったはてな民によるブコメを読んでいて、「ああやっぱりいつのもはてな民達だ…」などとぼんやり考えていたらふと、芥川龍之介の蜘蛛の糸を思い出した。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2023/07/post-509289.html
血の池地獄で他の罪人と共に浮き沈みを繰り返していたカンダタは、生前にたった一度、蜘蛛を殺さなかった。たったそれだけの「良いこと」をその血の池地獄の様子をたまたま眺めていた天上界のお釈迦様が思い出し、天界から蜘蛛の糸を垂らしてカンダタを地獄から救ってあげようとしたが、その蜘蛛の糸を上っていたカンダタは、自分の後から続々と上ってきた他の罪人に気づき、「こらっ!落ちてまうやろ!上ってくんな!」と叫んだら、その瞬間、糸はプチッと切れて血の池地獄に真っ逆さま、というあの話だ。
ていうか、田野氏の2年前のツイート炎上の時もそう思ってた。芥川龍之介が始めた書いた童話だそうだが、芥川が伝えたかったことは曖昧で何か教訓めいたものがあるのかないのかよくわからない、と聞いたことがある。ただしかし、私は単純に、「ナチスは良いこともしていたのでは?」なるよくある言い分は、この蜘蛛の糸にそっくりな気がずっとしていたものだ。
蜘蛛の糸を喩えとみなせば、そのような一般的な言い分を認める人たちは、2派に分かれる。一派は、「ナチスは実は良いこともしていたじゃないか」として、絶対悪の淵から救い出そうとする勢力だ。これがおそらくそのような主張をする人たちの大半であろうと思われる。だから、それらの一派は蜘蛛の糸を絶対に切ったりはしない。たとえばそれらの良いことの実例の一つや二つ否定されたからと言って、それらの人たちは次から次へと蜘蛛の糸を垂らしてナチスを救い上げようとするのである。
もう一派は、蜘蛛の糸の話そのもの、みたいなものだ。良いことをしていたかもしれないことは認めるが、ホロコーストなどの悪行のせいで絶対悪の淵からは救い出せぬ、とするのである。まるでその人達は、天上界のお釈迦さまそのもののようでもある。
id:NOV1975 対戦相手を全否定するのって中々の悪手で、観客にその否定の一部でも「いやそれは正しくね?」と思わせてしまえば全否定という主張の根幹が崩れる、という最大級の弱点を無視する人多すぎ問題。
このブコメなどはまさにお釈迦さま視点である。このブコメの裏を取れば、全否定しなくとも、ナチスは否定できると言っているようなものであり、どんなにナチスに良いことがあろうとも、ブチっと蜘蛛の糸を切って血の池地獄に落としてしまえさえすればいいだけじゃないか、となるのである。
話は少し変わるけど、私自身がしょっちゅうはてな民は、お釈迦様みたいなものかもしれん、と思ってたりする。とにかく「偉そう」な物言いを常にするからだ(笑)。いや、ネット民なんてはてなに限らず、ほとんどそんなもんなのだけれど、はてな民は若干だか平均して知性が高いように思わせる「何か」があるので、その分だけお釈迦様度は高いように思われるのだ。
さて、話を戻すと、一つ言いたいのは、これらブコメを書いたはてな民たちの何人が一体、『ナチスは「良いこと」もしたのか?』を読んだのか?って話だ。この本は共著であり、およそその半分を小野寺拓也氏が著述しているのである。小野寺氏はウルリッヒ・ヘルベルトの『第三帝国』の翻訳者でもある(それがどうしたとか言わないでね。知る人ぞ知る名著です)。流石に二人とも現役のドイツ現代史研究者であり、『「良いこと」もしたのか?』は、極めて実証的に著述されている。もちろん、現代の学術的見解にも精通しているお二人だ。その観点で、記述内容自体は必要十分には詳細であり且つ正確だと考えられる。ナチスの経済政策や、労働政策、環境政策や健康政策などなど、それらが具体的にどんなものであったかを知るための入門書として非常に良書であると思われる。実際、このようにナチスの具体的な政策について概括的に知ることのできる本はこれまであまりなかったからである。『ナチスの発明』?あんなもんただのクソ本だ。ハーケンクロイツをデカデカと表紙にするセンスがそもそも信じ難い。
したがって、まずはちゃんと読んでほしいと言いたいところではある(たかだか100ページ程度の本だ)のだが、実は、同著は別に全否定しているわけでもない。確かに、田野氏は「ひとっつも良いとこなんてないですよ」とツイートでしたからこそ炎上したのだけれど、同著の記述方法は、まずは一般に言われるような「良いこと」を具体的に一つずつ、項目としてあげて丁寧にそれを「良いこと」として詳述するところから始めている。つまり、そこだけ読んで、その後の説明さえ読まなければ、ナチスは良いことばかりしていたかのように読むことさえ可能な本なのである(笑)。その辺が、小野寺・田野氏両名の学者として誠実なところではないかとさえ言い得る。つまり最初からナチスの政策を腐しているわけではないのだ。
結果的には評価として、ナチスの政策は良いところなんて一つもなかったと、結果論として評せざるを得ないことは確かである。その象徴が、現在もバルト海沿岸に残されている『プローラの巨人』と呼ばれる、ナチスドイツの歓喜力公団(Kraft durch Freude)が建設していた巨大リゾート施設である。同著では詳しい記述はないが、同施設は労働者が無料で使用できるリゾート施設になるはずだった。が、戦争が始まると、建設は中途で中止されてしまい、使用されることはなかった。現在は歴史的建造物として、廃墟のまま放置されている(以下追記)。しかし、ナチは確かに労働者に喜びや活力を与えようと、余暇を十分楽しめるように政策を実行しようとしていた証拠ではあるのだ。詐欺集団が実際には存在しない投資物件への投資を求めるのとは訳が違う。ただしそれもこれも、戦争の波の前に全て頓挫してしまったので、「夢」としては良いことかもしれないが、「現実」には良いことがあったとは言えないことになる。しかしその全てを台無しにした戦争を始めたのもヒトラーなのである。
個人的には、お釈迦さま視点など要らないと思う。個々人が個々人自身によって、ナチスにも良いところがあったのでは?と思うのであるならば、批判的視点を忘れずに、それを可能な範囲で自ら学ぶべきだと思う。否定・肯定を抜きにして、『ナチスは「良いこと」もしたのか?』は、知性高いはてな民にとってすらも良書だと思うのだが。1000円未満で買えるんだぞ(笑)。
追記:プローラの巨人については私自身の記憶が曖昧且つ古かったようで、再利用化が進んでいるようだ。以下、英語版ウィキペディアから機械翻訳そのまま(修正なし)でコピペする。
売却と再開発
2004年、10年以上にわたって敷地全体の売却が試みられたが失敗に終わった後、建物の各ブロックは様々な用途のために個別に売却され始めた[1]。 2004年9月23日、ブロック6は入札者不明で62万5,000ユーロで落札された[1]。 2005年2月23日、旧ミュージアム・マイルのブロック3はInselbogen GmbHに売却され、同社は建物をホテルとして使用すると発表した。2006年10月、ブロック1とブロック2はProra Projektentwicklungs GmbHに売却された。しかし、ブロック1は2012年3月31日に競売にかけられ、ベルリンの投資家が275万ユーロで購入した。
2006年11月、連邦不動産庁がブロック5を購入した。連邦政府とメクレンブルク=フォアポンメルン州からの財政支援を受けて、この建物にユースホステルを設立する計画だった。複合施設の最北端に位置するこの建物は、5つの連続した部分に分割された。
2008年末、プロラが本来の目的を果たし、近代的な観光リゾートに生まれ変わる計画が承認された。同協議会は、3,000人が住めるだけの居住スペースとユースホステル、観光客向けのアメニティを建設する計画を打ち出した。地元議員のケルスティン・カスナー氏は、プロラの海岸を「カリブ海のビーチ」に例えた。しかし、この決定は、すでにこの地域には観光客が多すぎると感じていたビンツの地元住民や、プロラの歴史家であるハイケ・タゴルド氏からは懐疑的な意見もあり、また、町の過去の歴史から観光客には不適切な場所だとも言われた。とはいえ、2011年には、かねてから計画されていた96室402ベッドの大型ユースホステルがオープンし、ドイツ最大のユースホステルとして人気を博している。低予算志向の観光客に向けた施設の拡張の可能性も提案されている[8]。
2010年9月、ドイツとオーストリアの投資家グループにより、1号棟と2号棟を高齢者向け住宅として改修し、テニスコートとスイミングプール、小規模なショッピングセンターを備えた300ベッドのホテルを建設する計画が発表された。投資額は1億ユーロと見積もられている。
2013年、ドイツのメトロポール・マーケティング社がプロラを改装し、サマーハウスとして販売する権利を購入した[9]。その年までに、いわゆるコロッサスの改装済みアパートメントが1戸70万ユーロ(90万米ドル)で販売された[4]。2016年、ブロック1に新しいアパートの第一号がオープンした[10] ブロック2のホテル「プロラ・ソリテア」は2016年夏に合わせてオープンし、2017年半ばには同ブロックで再建されたアパートの一部が売りに出された。当時、建物のうち4棟は再開発の過程にあり、5棟目はユースホステルとして使用され、残りの3棟は廃墟のままであった[4][11][12]。
2017年11月の更新によれば、ブロック1のユニット(フラット)のほとんどは、ハンブルクやベルリンに住む人々のための夏の家として販売され、売却されていた[7]。多くの所有者は、Airbnb[13]やHomeAway[14]などのサイトに短期賃貸として掲載していた。
初めて読んだのはキノの旅で既に何巻か出版されてた頃だったかな
そこからフルメタとかイリヤとかウィザーズブレイン、Missing、リバーズ・エンド、悪魔のミカタ、アリソン、吸血鬼のおしごと、都市シリーズなんかを買い漁ってお金がなくなり
昼食代にも手を出して中古ショップで軽く立ち読みしつつ気になったシリーズを買って、新巻は中古ショップになかなか来ないからやっぱり新品で買うしかなくて
シャナとか出版され始めたらいよいよラノべにハマり、キーリ、バッカーノ!、終わりのクロニクル、ハルヒ、ドクロちゃん、半月、9S、禁書、ゼロ魔とか、あと1巻程度の短編も結構買ってたなあ。
よく考えると富士見ファンタジアに手を出したのは少なかったな、やっぱ表紙買いしてたんだろうな
その頃の富士見ファンタジア文庫の表紙ってデザイン(フォント?配置?)がダサくて「少し昔のレーベル」ってイメージが強かったんだよな
狼と香辛料の頃(2006年代?)になるとバイトも始めたから色々買えるようになったんだが何買ったのかあんまり覚えてない
割と有名で後にアニメ化するようなやつくらい(神メモとかとらドラとか俺妹とか境ホラとか)
濃密に「ラノべ」ってのにハマったのは結局数年もないんだよな
今はほぼラノべ買ってない
昔に好きだった作者やシリーズがでたら買うけど
アニメとかも昔は円盤買ってたけど今はアマプラでいいやってなってる
結局良い顧客じゃ無かったな
正直、「書店のラノべ棚に立ち止まって気に入った表紙を手に取り数ページ読んでレジに持ってく」って行動は今の年齢では難しくなった
そもそも表紙のクオリティが「軒並み上がった」一方で「どれも同じ」に見えるから、手に取ろうという欲求が湧いてこないんだよな
内容はわかるけど売りがよくわからん
たとえば「リビルドワールド」とか「淡海乃海」とか「最果てのパラディン」とか「星海シリーズ」とか
世の中にはまだアニメ化漫画化してないけど面白い作品いくらでもあるんだろうなあ
本を手に取るしかないのだろうけど、それがなあ
古いなあと思って俺も調べてみた。
コピペ改変バージョンが有ったのは幾つか知ってたけど、こんなに有ったとは知らなかった。
オリジナルは2006年らしいが、それすらコピペの疑義があるらしい。
ネット上で一番古いのはこれですかね。今とは文章が結構違(けっこうちが)ってますが、こちらの方がオリジナルのようです。当時の長野県知事が一橋卒の田中康夫だったことから生まれたもののようですが、一橋より東工大にした方がしっくりくるので、改変したものがコピペとして広まったんだと思います。田中さんが長野県知事に就任(しゅうにん)したのが2000年代なので非常(ひじょう)に説得力があります。ただこうした関連のコピペが2006年のものですが私(わたし)が最初に見たのは
2002~2004年ぐらいなのでやはり信州大と東工大(一橋)がオリジナルというのにはまだ若干(じゃっかん)の疑問(ぎもん)が残ります。
まだRSSリーダーを使っているのは少数派かもしれないが、これを辞める時は暫くは来ないと思う。
色々と情報を収集するタイプの人間なので、各サイトを回っているとキリがないから使いだしたのがきっかけで2006年からくらいかな。
スマートニュース系もあるけれど、トレンドの偏りと網羅性に乏しいと思い、そっちにシフトできなかった。
暫く前からFeedly使っているが、ざっと並んだ見出しをVimキーバインドで捌いて既読にしたらスッキリ。
(いつか恩返しに有料版使います)
朝と午後の隙間時間にこれやるだけで、必要な情報は逃していないという精神的な安定が得られる。
1日の見出しフィード数はだいたい500~600くらいで、営業日が240日として、500x240=120,000 というとんでもない情報量ということになる。
インプットだけ多すぎって思われるかもしれないが、慣れると特に何てこともない。
今後何でもAIに聞いとけっていうムーブが常套手段になると思うけど、聞くにあたっては自分の知っている色んなことを整理した上で尋ねた方が、まともな答えが得られるしその答えを検証できると思うんだな。
地道な蓄積があるから、まだまだ取り残されなくてすみそうだ。
新人ちゃん「え!増田さんって、ツイッターやってるんですか?リツイートって知ってるんですか?」
増田「当たり前だろう!むしろリツイートが出来る前から知ってるわ!」
増田「もちろんあるわ!リツイートは2010年に実装されたんだがそれまでは非公式リツイートと呼ばれていてわざわざ元の文章をコピペして冒頭にRTをつけて投稿してたんじゃ、だが元の文章を自動に改変できる上に改変したかどうかは元のツイートまで確認しに行かないといけなく手間でも合ったわけだな、それに配慮する形で公式リツイートというのが出来て今の文化になったわけだな。さらにRTをつけていたときに非公式リツイートなのか引用リツイートなのかがわからないという人が居て、引用リツイートの場合はQuoteでRTじゃなくてQTを頭につけて投稿しよう。というムーヴも一時期あったわけだな、日本だけのムーヴだったしそんなに広まらなかったけども一部のツイッタークライアントはわざわざその機能を実装したりもしてたな。まぁツイッターが始まったのは2006年なんだが、わしがツイッターアカウントを作ったのは2007年じゃ、ということは古参ということになるがなにか聞きたいことはあるかね?」
アニメ化された頃には作品に冷めてるということがよくあるんだけど、推しの子久々にアプリでまだ読んでなかったところ読んだら、インターネットで全てを分かった気になる人みたいで萎えた
一応自分の言ってることは実体験の裏付けがあるようにしてるんだけど、それがあるのか疑わしい推しの子
三田紀房作品にも、ひろゆきや落合陽一にも通じることなんだけど
「ざっくりとでいいからズバッと言って欲しい」
「分かった気にさせてくれるコンテンツが好き」
推しの子からそういうにおいがプンプンして全然好きになれない。今も昔も
僕の言ってることとか考えてることはそれはそれで偏ってるので、ご指摘やお叱りも受けるのですが…実体験かデータもしくはその両方がある上で言うようにしてるから、推しの子は「さもありなん。されど偏見多し」みたいに見えるのよ
嘘だったとしても本当だったとしても推しの子の、85から89話ぐらいは読むのしんどいわ。
何て言えばいいの?
作者の偏見か、もしくはブラック企業に勤めた人の愚痴か、インターネットでよく書いてあるマスコミの悪口?
そういうのをひたすら聞かされてる気分になって不快
単行本半分ぐらいの尺なのに
テレビが面白くなくなってるのは、コンプライアンスのせいだみたいなことを言ってる現場関係者って本当にいるのかね?
なんならコンプライアンスをテレビが守ってると本当に思ってんのかな?
推しの子がインターネットに書いてあるテレビへの偏見を集めて作ってるようにしか見えない。(90話感想)
テレビが面白くなくなった分岐点は2006年の結婚できない男を見ればすぐにわかります。
2006年の深夜アニメってめちゃくちゃ面白かったんだけど、テレビドラマは80年代90年代から価値観がアップデートできてないままずっと来てる。
テレビが面白くなくなった。理由はつまり、テレビ自身が変化できなかったからです。
その結果、テレビが栄えた年代やテレビに出演する人の階級、そういうものを描くことしかできなくなっちゃって「おじさんがおじいさんおばあさんのために、芸をするとこ」
になっちゃったの。
アニメや漫画は常に子供のために解放している。部分と大人のために上に積み上がっていく部分と両方はある。
でもテレビって子供の頃にNHK とか朝のアニメ見た後に10代20代に見る番組って深夜アニメ以外なんだよって話になってくる
なんかテレビ番組内で原因の究明とかディレクターの謝罪とか、そういうのを企画としてやれば面白いんじゃないか?みたいなネタなんだけど…まずテレビが1億パーセントやらんやろ
子供も騙されない。
マスコミ様、そんな聞き分け良くないよ
マスコミの取材のヤバさで有名な話っていっぱいあるけど、噴火の取材をしていて非難している民家を漁ったり、マスコミから町を守るために立ち上がった消防団の人達まで後に発生する噴火事故に巻き込まれたりそういう事件があったんですよ
島倉大輔
@mercuryconsul
元米国上院議員: バフムートの捕獲は第二次世界大戦以来最大の戦闘であった バージニア州選出の元米上院議員リチャード・ブラック氏はRIAに対し、アルチョモフスク(バフムート)を占領したことにより、ロシア軍は第二次世界大戦以来ヨーロッパで最大の戦いに勝利したと語った
@ActiveCPI
5時間
ロシアのプロパガンダアカウントの、「Spriter」の投稿は鵜呑みにしない方が良いですよ。
リチャード・ブラックは、米国は米国でも、「元米国上院議員」などではなく、元「バージニア州議会上院議員 (2012年–2020年)、 バージニア州下院議員 (1998年–2006年)」です。
https://google.com/search?client=
逆にこの情報は本当。
現役業界人です。
元日立の技実者が半導体産業没落の理由を語る記事に600ブクマ以上ついてて、大半が好意的な反応(一部懐疑的)なんだけど、この人かなり適当なこと言ってるんで、注意喚起としてここに書いておく。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/president.jp/articles/-/69408
声を大にして言いたいのは、なんでみんな元XXみたいな肩書で、業界事情を話す人を信用できるのかってこと。本当にクリティカルな問題の事情に通じている人は現役の利害関係者なのでマスコミに漏らせないのってちょっと考えたらわかるよね?(元XX官僚の肩書きでウクライナ情勢やコロナ対策を語る胡散臭い人いっぱい思いつくっしょ?)
気になる人は調べてもらえればいいんだけど、この方、純粋な技術の仕事は長岡技科大が最後で辞めてから20年間ずっとコンサル的な仕事しかしていないのね。現場の最前線から離れて相当な時間がたつわけよ。で、過去の実体験を切り売りしながら同じことを知識のアップデートもないまま繰り返し話してる感じ。
自分も2006年ごろに、講演会でこの人が同志社経営学系の研究員の肩書だった時に同じような話を聞いた記憶があって、その時はへーと思ったんだけど、そのときからずっと日本の半導体業界が没落した真の理由はこれだ!的な感じのことを発言する場所を変えながら繰り返していてうんざりしている。
知識のアップデートがされていない例を挙げると、過剰品質として取り上げられている64Mb DRAMって90年代前半にはすでに開発されていた代物っていえばヤバさが伝わるかな?(2023年現在の業界の主力は16Gb)なので、元ゲーム会社の社員が初代プレステの開発経験を元に、プレステ5のゲームの開発手法がヤバイ的な話をしているチグハグさなわけよ。
同じメモリの話で公開情報を元に事例を挙げると、3D NANDの話になるが、中国YMTCが業界トップクラスの232層積層品を開発して日米韓の大手メーカーにスペック的には追いついたんだけど、すでに出回っている構造解析レポート(無料で読めるオープンなものも多数あり)見る限り非常に高コストで、日本企業よりも高コスト設計をしている中国企業っていう業界外からイメージ出来る直感に反したことになってたりするわけで。
日本の電機業界が国際競争力を落とした理由は、過剰品質で値段が高すぎるからだ!とか単純じゃな理由ひとつで説明できる話じゃないんよ。ここ10年くらいで大手電機メーカーがいろんな事業を切り売りしたけど、外資に買収されたある事業が、同じエンジニア、同じ工場、同じ製造フローのまま売り上げを倍増させてる事例はいくらでもあるわけで、それらは単に過剰品質でコスト競争力がなかったからダメだったのかと言われると疑問符がつくのね。(具体的な事例は生々しすぎるので流石にここには書けないが。)
長々と書いてしまったけど、1番危惧してるのはビミョーな評論家に世間の空気が左右されて政治家が変な判断しちゃわないかってことなんよね。アイツら、今でこそ半導体不足のニュースに慌てて、補助金つけまくってるけど10年前には半導体は韓国から買えばいいって普通に言ってたのよ。世間の空気は変わりやすいんで、こういうふうに問題を単純化して騒ぎまくるだけの評論家にはマジうんざりしている。