はてなキーワード: カンパニー松尾とは
■「童貞。をプロデュース」ついに最終ロケ。
ハマジムに集合し、カンパニー松尾さんの現場を取材。童貞Kが。どうなったのかは一週間後(!)の上映を待つべし。
とりあえず計15時間分の素材とモザイクの箇所の多さを思うと愕然とする。
C松尾さん、浜田社長、Fカップ女優さん、本当にありがとうございました。これでKも男への一歩を歩めた…と思います。
クランクアップ直後の晴れ晴れとした表情。何が起こったのかはまだ秘密だけど、役柄としては彼が孫悟空で、僕が三蔵法師。C松尾さんがお釈迦様。そんな感じ。
■「童貞」の編集作業。うーん。このペースのままだと絶対に30分は超えてしまう。
構成をもう一度考え直さないとまずいかも。けどねぇ、ハッキリ言ってねぇ、面白いよ。真剣な人間って凄いねぇ、笑えるねぇ、本人がマジなだけに。
負ける気がしないね、誰にも(断言)。
■加賀を呼び出して「童貞」最終確認。これで上映して良いか、を。いかんせん「松江さんを訴えたとしても、民事でなら勝てる」なんて言われたらね。
けど「カミュ」を見た後だと、先日まで本気で憎んでいたこの男がかわいく見えた。彼の方がよっぽど自分自身と向き合ってるわ。かなり歪んでるけど。
■昨夜のイベントでの「童貞。をプロデュース」の印象的な感想を思い出す。
山下君は「加賀君がバッティングセンターで打つシーンって『GONIN 監督:石井隆』の佐藤浩市みたい(追いつめられた人間はバットを振りたくなるのだ)」と言い、
柳下毅一郎さんは「童貞をレイプしといて、なぜか感謝されてる」と言い、童貞Kは「哲明、殺す」と言っていた。人それぞれの感想は面白い。
M井物産「俺もその辺の男には負けないけどエムスリーには歯が立たないかな。」
これは、銀座コリドーのとある飲食店で目の当たりにした知的でくだらない会話である。
脂の乗った丸の内系OLを前にして、清水健太郎風のM井物産社員がこんな話をしていた。
丸の内系OL「エムスリーってあの医療系の?ソニーの子会社だったとこだよね。」
M井物産「エムスリーの1人目は、松山英樹。世界ランク2位だぞ。勝てる気がしない。」
丸の内系OL「ああ、そのMね(笑)野村がスポンサーについたよね。」
M井物産「2人目は、ミルコクロコップ。ユーゴスラビア紛争を生き抜くために格闘技をはじめて警官になった男。立ち技では絶対敵わない。」
M井物産「3人目は、カンパニー松尾。寝技では絶対敵わない。知ってるカンパニー松尾?」
つづく
4/8、テアトル新宿にて『劇場版テレクラキャノンボール2013』を鑑賞した。
女性一人でR18作品を映画館で鑑賞することに少々抵抗はあれど、観客同士の一体感が味わえるからおすすめとのレビューを信じ、劇場まで足を運んでみることに。
サブカル界隈で評価が高いから期待していたけど、私は面白いと思えなかった。
美女2人とのセックスが賞品として用意されてはいるものの、それはほとんどレース参加者の原動力になっていない。それなのにただひたすら優勝を狙いにいく姿勢は素晴らしいと思った。
一人当たり数分程度の短い時間の中で、それぞれの女性の魅力がセックス前・中・後の言動からきちんと伝わってくる。この辺に関しては10時間版も観てみたいな~と思わなくもなかったり。
こういう場面で男性客が爆笑していたけど、容姿の美しくない女性は嘲笑の対象でしかないということを再認識して、胸をえぐられた。
劇場って他の観客と同じ感情を抱けたら一体感を味わえるけど、逆の感情を抱いちゃうとめちゃめちゃ居心地悪い。
他のシーンでは爆笑していた女性がこういったシーンでは全く笑っていなかったので、彼女がこの映画をどう評価するか聞いてみたい。
この2人に対するカンパニー松尾の言動が、職場の若い未婚男女を本人たちの意思を無視してくっつけようとするめんどくさい中年社員みたいで引いた。
さらにあそこまで監督が二人に対して働きかけちゃうと、この作品のキャッチコピー『ヤルかヤラナイかの人生なら、俺はヤル人生を選ぶ』にみられる「個人が決断する勇気」から遠ざかってしまうように感じる。
2014年2月15日(土)から2月20日(木)までの6日間劇場版 テレクラキャノンボール2013 | オーディトリウム渋谷を観に行って来ました。
大評判の作品で6日中4日間は満員札止め、補助席出したり通路にクッション置いてお客さん座らせたりしても入りきれなくて、劇場まで足を運んでも入れずに帰される人も居たとの事。そんな中、毎日通うなんて迷惑だ!まだ観てない人に席を譲ってやれ!というご意見もありましょうが、…観たかったんですよ!どうしても!ってか私が居ない所でみんなでこんな楽しいモノ観てるなんて耐えられない!来月またやるしDVDも20日くらいから店頭に並んでいるからとりあえず観たいってだけの人はDVD買おう!私は悪くない!逆にDVDの売上に貢献する行為だ!私を褒めろ!と開き直って通いました。
作品自体について書きたい事が山ほどあるんですが、何書いてもネタバレになる内容だし、もうとりあえず凄すぎてちゃんとその凄さを伝えられる文章を書ける自信が全く無いので今回は『映画館で劇場版テレクラキャノンボール2013を6日連続で観てきたのでその6日間の日記的な事』を書いておきます。
初日。2月15日。2週連続の大雪が降った日。実はこの前週の最初の大雪の日に『劇場版テレクラキャノンボール2013』公開記念2週連続カンパニー松尾オールナイト特集』の第1回があったのですが、大雪で電車が止まりまくって居た為かお客さん21人しか居なかったのですよ。私は自宅から一番近い地下鉄の駅まで4~50分かけて徒歩で辿り着き普段なら絶対使わないようなルートで無理矢理渋谷まで行ったんですが、他の20人のお客さんはどうやって劇場まで辿り着いたのだろうかと思うような日でした。
そんな感じだったので一体この『劇場版テレクラキャノンボール2013』がどれだけ広くの人に知られているのか、お客さんが入るのかってのが初日に劇場行くまで全く予測出来なかったのですが、開場前のロビーはお客さんでいっぱい!勿論客席もバッチリ埋まっていておりました。ちなみに整理番号は開演の1時間前位に引き換えて47番でした。
そんな中上映開始。満員のお客さんが笑い、驚愕し、劇中自然に何度も拍手が起こって。「客席が沸く」というのはこういう事か!というのを経験しまくりました。上映中は私自身も沸きまくってるのでわーわーって感じだったんですけど、終わって一人になって思い返してみると映画館でこんな事が起こりうるもんなんだなぁと不思議な気持ちに。
2日目。日曜日の夜のレイトショー、しかも上映後のトークまで見たら23時半を越えるという事でお客さんの入りはどんな感じだろう?と思っていたのですが、初日よりはちょっと少ないものの、思ってた以上に沢山のお客さんが詰め掛けておりました。整理番号は開演1時間前位に引き換えて39番。上映中、初日と同様に沸く客席、そして沸く自分。前の日に観たばっかなのに同じところで声が出る。
3日目。月曜日。ここから平日だからお客さんの数も落ち着くかな?と思ってたのですが、実際は正反対でこの日から連日満員札止め。週末に観た人からの評判を聞きつけたお客さんが押し寄せます。整理番号は開演45分前に引き換えて59番。
この日くらいから作品を観ている時の心境に変化が。最初観た時は「うおーすげーやべー!でも端折られてるシーンいっぱいある!DVD版どうなるんだろう?楽しみ!」という感じだったのですが…
松尾監督のAV作品の劇場版は何作品か存在しております。んで、とりあえず私が観た分に関しては全部AVの劣化版みたいな感じなんすよ。特に一番気に入ってないのが『監督失格×ポレポレ東中野企画【性と死と旅】第一夜【センチメンタルジャーニー】』というオールナイトの企画で1度だけ上映された『劇場版 私を女優にして下さいAGAIN11』。オリジナルのDVD版は簡単に言うと「物凄く実用性のあるアダルトビデオなのに監督の実の父親の介護から息を引き取る所までをしっかり描いている」という奇跡の作品なんです。いやマジで。ホントこんな事言われても意味わかんないと思うけどDVD観たらその通りだから。とりあえず観てみて下さい。
それに対して劇場版は映画館で上映する事を意識してかエロシーンを大幅に削っちゃってるんすよ。なので「物凄く実用性のあるアダルトビデオである」という一番重要な部分が薄れちゃってるのです。もうナンカそれじゃ台無しじゃないっすか。実の父親を看取る所を描いたドキュメント作品としてはちゃんと出来てるんですがそれだけだと普通だもん。奇跡が起こってたのにその奇跡の部分を切って捨ててる。勿体無いどころの騒ぎじゃない。
その事を踏まえまして、劇場版テレクラキャノンボール2013を思い返してみると…明らかに超沢山の事を切り捨てまくってる!省略し倒してる!なので、劇場版テレクラキャノンボール2013は実は劇場版私を女優にして下さいAGAIN11的な状態である可能性が高い。その事に気づいて以降、DVDの10時間版を観るのが怖くなってきました。だって10時間版がすっごく良くて、私達がわーわー言いながら観てる劇場版が10時間版の重要な部分を切り捨てたモノだったらナンカ悲しいじゃないっすか。こんなに楽しい時間を劇場に来たみんなで過ごしてるのにそれが嘘になっちゃうみたいで。
4日目。火曜日。整理番号は開演3時間前に引き換えて36番。この日はキャノンボールを観る前に1つ上の階のユーロスペースへ。実は私の友達の女子大生ちゃんがキャノンボールの上映期間とほぼ同じ時期に行われていた『第3回死刑映画週間国家は人を殺す』という企画の運営に携わっていたのでまずはそちらにお邪魔して『さらばわが友 実録大物死刑囚たち』という映画と安部譲二氏のトークを観る。死刑廃止運動をしている国際的な人権擁護団体主催のイベントという事でちょっと身構えて行ったのですが、さらばわが友は東映の実録モノ映画だったから全く難しい内容でもなく面白かったし、安部氏のトークも笑いどころも入れつつ、会場が円山町だったので安部氏が所属していた安藤組(本拠地が円山町にあった)の話、暴力団員時代に「こいつは死刑にするしかない」と思わせるような野獣のような極悪人を何人も見たという話、しかし国家という権力が人を使って人を殺すという構造は戦争と同じなので許してはいけないという話、死刑制度のないブラジルで裁判を受けた事があるという話からブラジルでは懲役2週間という判決が出ると刑務所の中で無期懲役刑の受刑者達からリンチを受けて殺されるという話、などバラエティに富んだ内容。
安部氏のトークが終わったのが8時40分を少し過ぎた頃。そこから階段を下りてオーディトリウムに。すぐに開場時間となり入場して前から2列目のど真ん中に着席。開演を待っていると、どっからどう見ても小西康陽にしか見えない男性がやって来て、私の前の席を確保し、マフラーやコートを脱いで着席しました。ぱっと見た時から小西康陽だ!と思ったし、マフラーやコートを脱いでる間ずっと観察してても小西康陽じゃない要素がなかったし、恐らく間違いなく小西康陽なんだけど、何故わざわざ「どっからどう見ても小西康陽にしか見えない男性」と書いたかというと、まず、小西康陽がテレクラキャノンボール観に来るか?というのがあるし、もし仮に観に来たとしてもわざわざ最前列ど真ん中に座るか?というのがあります。けどDJやってはるの何回か見た事あるし間違いなく本人だとは思う。おまけに帰宅してから小西さんのブログ見たら「2013年は533本の映画を劇場で観た。」と書いてあったんで本人確定でいいと思う。年間500本以上劇場で映画観る人だったら確実にキャノンボールも観に来るだろうし。だとしたら8時40分から50分の間の10分間に安部譲二と小西康陽に遭遇した事になりますな。正反対の人生を歩んでる有名人の組み合わせ。小西さんって暴力の世界と一番遠い所で生きてきた感じするもん。
5日目。水曜日。レディースデー。オーディトリウムのツイッターアカウントが現時点での残りの席数を呟いたりして煽るので17時に会社を飛び出してそのまま直行。17:55頃に整理番号引き換えて108番でした。18時から補助席案内になって18時40分には完売していたとの事。
レディースデーだけあって女性客の比率は多め。でも、上映中のお客さんリアクションにそこまで差はなかったように感じました。日によって声が上がる所や拍手の起こるタイミングがバラバラだったのでその「日ごとの差」の範囲内だったように思います。
6日目。木曜日。とりあえずの千秋楽。火曜や水曜とほぼ同じ時刻、開演3時間前の18時頃に整理番号に引き換えて107番。昨日と1番違い!レディースデー並み!さすが最終日!
この日もキャノンボールを観る前に死刑映画週間が行われているユーロスペースへ。上映されていたのは韓国映画の『執行者』。死刑を執行する刑務官のお話で「公務員が仕事として(死刑判決を受けた犯罪者とはいえ)人を殺さなければいけない」という事に対する問題提起的内容の映画でした。もうね、これがね、面白い映画である事は確かなのですが、韓国映画らしい剥き出し感とエピソード詰め込み感が半端無くて観終わるとグッタリしちゃいました。だって死刑執行シーンで刑が執行されて首吊り状態になってるのに死刑囚が死んでないってんで刑務官が死刑囚に抱きついて体重かけて殺してたりすんだもん!絶対実際そんな事やんねーだろ!こんなヘビーな映画観た後にキャノンボール観るのはかなんなぁ、と思ってたのですが、この日の上映後のトークが松江哲明監督で、作品を俯瞰した目線での話をしてくださったので気持ちが切り替えられました。あと、そのトークの前にこのイベントの運営をしている女子大生ちゃんが松江監督に渡すお水用意するの忘れた!と慌ててたので下のオーディトリウムの受付で売ってるお水を買いに行くというお使いをしたのも気持ちのリセットになりましたね。びっくりして慌てたのと走って階段を上り下りして身体動かしたのが良かった。身体動かすの大事!そしてオーディトリウム受付でお水売ってるの咄嗟に思い出せた私エライ。6日間通ってた事で人のお役に立てた。という事でこのトークの間に松江監督が飲まれていたお水は私が直前に買ってきたモノです。あと、この日松江監督と一緒に舞台に立ってトークをしていた女の子が私の友達の女子大生ちゃんです。松江監督の大ファンなので偉い人を説得してこのイベントに松江監督を呼んだのも彼女。という全くキャノンボールと関係ないお話でした。
20時40分頃にユーロスペースを出て下に降り、開場の整理番号呼び出しのタイミングでオーディトリウムに入場。満員の客席を見渡してみると、初日と最終日では結構客層が違うように感じました。なんかね、一般の人に届いてる感じがした。初日の客層が特別変だったとか変わってるって感じでもなかったし、何がどう違うかって説明しろって言われると難しいんですけど、雰囲気というか空気というか醸し出しているモノが違うというか。どっちが良いとか悪いって話ではなく種類が違っているという感じ。
そんな種類の違うお客さんでも上映中はちゃんと笑いが起こり、声が上がり、拍手も出て。やっぱりね!良いモンは誰が観ても良いんですよ!客層とか関係ない!劇場版テレクラキャノンボール2013は誰が観ても最高の作品なのです!
という訳で6日間の上映期間が終わりました。私が常日頃から最高だと思っていた人達が最高である事が証明された日々。この6日間、私はとても幸せでした。雪で大変だった初日から沢山のお客さんが来て、週明けで客足が落ち着くかと思ったら逆で評判を聞いた人が劇場に押し寄せ満員札止めになって、その次の日に小西康陽が観に来てたという物凄く解りやすいブレイクの過程が観察出来たのも嬉しい。3月にも上映される事が決まっているので今回来れなかった方は是非お越し下さい。
そしてこの6日間が幸せだったからこそ、DVDの10時間版を観るのが怖い。実は、昨日ムーランで買ってきて手元にあるんすよ。でもまだ観てない。観るの怖い。ってか観るのを先延ばしにする為にこの文章を書いてました。でも観ない訳にはいかないし、今日のうちに観ないと明日から仕事だし。今から観るしかないんだけどホント怖い。劇場版より全然良くてこの6日間の幸せな気持ちが色褪せちゃったりしたら悲しい。でも観るよ!…この文章アップしてしばらくツイッターとかしてからね(まだ先延ばしにしようとしている)。
先日、渋谷アップリンクでAVメーカー・HMJMの10周年イベントがあったんですよ。んで、その 1日目に友人を誘ったら来てくれました。
普段はAVをほとんど見ないOLさんなのですが、イベントを楽しんでくれたようで、次に会う時にお勧めのAV持って行くよ!という話に。そこで、どんな作品を持って行けばいいかなぁと色々考えた結果を書き残しておきます。
正直この作品だけ見せれば話が終わってしまう気がしないでもない。それくらい完璧。
AVというのはただセックスしている映像が収録されているだけのものではないよ、というのがよく解るだけでなく、誰が見ても面白い!ここでぐだぐだ説明しなくても見てもらえさえすれば解るハズ。
…なんですが、薦める相手が女性だと、実は結構ハズす事があるんすよ。まぁ女性の容姿を笑うような場面もあるし、そもそも女性をあんまり人として扱ってないし。
でも!そういう表現が出来るのがAVの素晴らしい所なんですよ。こんなんテレビじゃ絶対出来ない。ってか女性の目に触れる所では出来ない。女性が入るのに多大な勇気が居る(けど男連れで行ったらそれはそれでサムい)お店に入って、もしくは住所と名前と一緒に「こいつはAVとか買っちゃう女だぜ」って情報を通販サイトに開示して、お金を払わないと入手出来ないという鉄壁のセキュリティがフェミニストから表現の自由を守っております。
そうやって女性の目に触れない所でやってるのをわざわざ見せなくてもいいんじゃないかという意見もあるでしょうが!見せたいんですよ!ってかこの作品を楽しめるようになって欲しいんです!何故かと言うと2月に劇場版 テレクラキャノンボール2013 | オーディトリウム渋谷 が公開されるからです!これに一緒に行ってもらいたい。そして楽しんでもらいたい。その為には?というのがこの記事のテーマです。
キャノンボール2009の賞品のまり子さんとは?という事でこちらのコンプリート版を。顔出しNGの伝説の素人女優まり子さんの出演作全て合計10時間分の映像がDVD2枚組に纏められております。
こちらのDVDのアウトロ部分でも語られていますが、AV業界の中心がレンタルからセルに移行し、男優は映さず喋らせず抜き差し映像中心の「お客様向けの作品」が持て囃されるようになり、松尾監督が撮りたい作品とはズレが生じていました。その状況に反発を感じて「そんなに抜き差しが見たいならとことん見せてやろう」とやけっぱちで製作された作品が『僕の彼女を紹介します』。一時期DVDがリリース出来ない状況まで追い込まれていたHMJMはこの作品のヒットで復活しました。
やけっぱちで製作されただけあって、松尾監督のキャリアの中でも毛色が違う作品になっており、ホントに抜き差し中心。監督は勿論、まり子さんさえも殆どエロい事以外はしていないような形で登場しています(アウトロでも「喋らせると普通にいい子なのでわざと会話は入れず肉体だけを誇張し」とテロップで説明されていました)。
そんな『僕の彼女を紹介します』なのですが、このコンプリート版のDISC2にはまり子さんとの会話や別れのシーンが入っていて(と言ってもキャノンボール2009からの抜粋なのですが)、最後には彼女へのメッセージが。
…この部分がねぇ。評価が分かれる所なんですよ。男性目線だとセンチメンタルなちょっとイイ話風の終わり方なんですが、女性側から見るとね、「何勝手な事ぬかしてんねん」というか「うわーもう何やねんこの男、腹立つわぁ」というか。なんかセンチメンタルな気分になってるのに腹立つwこれは女性同士で見ると見終わった後の感想戦は松尾監督は最低だと言う話を延々する事になりますよ。途中で奥さんからのメールがちらっと見れる部分もあるんすよ。これがねぇもうどうなんすかね。あんなメールをやりとりしてるのにまり子さんとこんな撮影をしている訳ですよ。もう奥さん側としても最悪ですよ。…という感じで、この作品もキャノンボール同様、何の予備知識もないまま後半部分を女性に見せるとアンチカンパニー松尾になってしまいかねないんです。でもねー!でもねー!見て欲しい。見て楽しんで欲しい。
という訳で、最終目標はこの2本を楽しく見て貰えるようになる事です。その為にはどういう作品をお勧めすればよいか、考えまくって以下の作品を見てもらう事にしました。
カンパニー松尾監督がどういう作風の人かという事を解って貰う為に2010年に撮影された3作品を。先ほど『僕の彼女を紹介します』を紹介しましたが、あれはあくまでもイレギュラーな作品で、実は松尾監督という方は自分の人生で起こった事をガンガン作品の中に入れてくる監督なんですよ、というのがよく解ります。
キャリア25年のベテラン監督さんなので色々な作品で様々な事を語ってらっしゃるのでどういう形で紹介しようかなぁと悩んだのですが、長い期間で考えるより、大事件が立て続けに起こった2010年という年に注目した方が解りやすいかなぁという事でこういう形にしてみましたよ。松尾監督の2010年は大変な年でした。
この作品では松尾監督がヘルニアで倒れて、AV監督としてやっていけないんじゃないか?という状態になってしまった時期の事が描かれています。冒頭からそのヘルニアになった時の話と、病院からヨボヨボ歩きで出てくる衝撃映像が。これ、何の予備知識もない人がAVだ!わーい!って見始めて最初あんなんやったら度肝抜かれると思います…
ちなみに、この作品で腰を痛めた状態で撮影された2人はこの後に恥ずかしいカラダ 純情BODY あずさ | SHOP | HMJM | 面白いAVはここにある | ハマジムと恥ずかしいカラダ すっぴん エミリ | SHOP | HMJM | 面白いAVはここにある | ハマジムで再撮影されてらっしゃいます。
こちらの作品では2つ目のチャプターで、松尾監督のお父様が癌に倒れ、自宅でご家族に介護されている様子から最後までが描かれています。AVなのに。
家族の介護や死が描かれてるってだけでも凄いのに、AVとしても良いんですよ。エロシーンの出来がちゃんとしてる。HMJM10周年イベで司会の雨宮まみさんが最初に出てくる駒込の女性が良いという話をされてましたが、ホントに良い。AV見たいなーと思って見始めた人はこの最初の駒込の女性のチャプターで用を済まして満足しちゃうと思う。でもこの駒込の女性とのハメ撮り、冷静に見たら女性が最後までブラジャー外してないんすよ。普通に考えるとあり得ないっすよね。でもすんごいエロい。ブラジャー外しておっぱい撮るの忘れちゃうくらい濃厚なファック。チャプターの最後にテロップが出るのですが、この撮影の3日後に松尾監督はヘルニアで倒れます。
元々松尾監督のAVに出たくてAV女優になったサブカル系女優のましろ杏ちゃん(その辺の経緯は恥ずかしいカラダ DOCUMENT ましろ杏 | SHOP | HMJM | 面白いAVはここにある | ハマジムをチェック!)との2作品目。沢山出ている『恥ずかしいカラダ』シリーズからこの作品を選んだのは、実はこの作品が2010年の松尾監督のお誕生日に撮影されていたからです。あと、南の島への旅行&松尾監督がお気に入りの女優さんにやらせるというカレー作りのシーンも出てくるので。それからましろ杏ちゃん自体がナカナカ面白い女優さんなので大好きだったってのもあります(現在は引退済み)。
あと、終盤の杏ちゃんをホテルに置いて、松尾監督が一人でテントに戻り、誕生日の夜から朝を過ごす場面からアウトロの部分が松尾節全開で最高です。前日に杏ちゃんが作ったあんまり美味しくなさそうだったカレーがめちゃめちゃ美味しそうに見えますよ。
こちらは先ほどの「2010年のカンパニー松尾」関連作品でもありますね。
松尾監督が人気AV女優・JULIAを撮影するという事になっていたのですが、撮影の前日にヘルニアで倒れてしまった為、急遽当時新入社員だった梁井監督を総監督に立て、HMJMの社員が一丸となって製作されたという珍しい経緯の作品です。こちらの作品もオープニングでヨボヨボ歩きの松尾監督という衝撃映像が使われてますね。
この作品、完全に「JULIA」ではなく「前日に松尾監督が倒れててんやわんやで撮影しているHMJM社員一同」の方が主題になっております。監督さん達の普段見れない所が見れて面白い反面、あんまりJULIAを魅力的に写してないんすよ。最後の方にあんな雑談のシーンを入れたりしている所を考えると、梁井監督はわざとそういう風に撮って編集してらっしゃるんでしょうね。
HMJMの社員監督4人が総出演している唯一の作品(一応JULIAの冒頭と最後にも松尾監督はちょろっと出てこられますが)。HMJM専属女優をストリートから見つけるべく名古屋でナンパをするという内容。冒頭の池袋の人のパートは見ないで名古屋へ行く場面から見て下さい。
ソフトオンデマンドで鍛えられたナンパ術で梁井監督が活躍する作品なのですが、HMJM10周年イベントでKENSAKU監督が自分のコーナーで自分が監督した作品を挙げずに何故かこちらの作品を挙げてらっしゃいました。でも、この作品の中に出てくるKENSAKU監督、結構ヤな感じなんですけどそれはいいんすかねwちなみにこちらの作品ではKENSAKU監督のハメ撮りという珍しいシーンも見れます。そのハメ撮りシーンではKENSAKU監督がちんこを出した瞬間の女性のリアクションに注目。「うわー待ってヤバイですね…むっちゃビックリした」と顔を伏せてから「綺麗ですね。うわー」「凄い綺麗。おちんちんが」「ピカピカじゃないですか。綺麗。すごい」「(今まで見たおちんちんは)こんな綺麗なの無いですよ」と綺麗を連発。…綺麗?おちんちんが?一体どんなおちんちんなのでしょうか。超気になります。
以上2本は梁井一監督の作品です。
HMJM作品ではないですが今年の話題作。覚醒剤を使用していて逮捕され、2年間刑務所暮らしを経て復活した倖田梨紗さんを3人の監督が撮影。松尾監督の他に、キャノン2013にも出場する嵐山みちる監督も参加してます。2年間入っていた福島刑務所の近くまでハメ撮り旅行に行く松尾監督、以前付き合っていたAV男優とのカラミのシーンを用意する嵐山監督。文字にするとすげぇ酷い事してる感じだけど実際作品見たらそういう意味でのショッキングさはないですよ!
私、以前、ブログでHMJM作品をちょこちょこ紹介するっていうのやってたんですよ。そこで松尾監督の作品だけでなく梁井監督やKENSAKU監督の作品についても書いてたんですが、実は、今田監督の作品については殆ど書いてないのです。勿論ちゃんとDVD買ってるし、見てるし、書こうとしてはいたんですよ。でもナンカねぇ、発表出来る様なブログが書けないんす。いや、発表してる分も大した事書いてないんすけどそれとは比べ物にならないくらい全然ちゃんと書けない。気持ちの高まりをそのまま書くとなんのこっちゃ解らんくなるし、冷静に書こうとしても書けないしでもうぎゃーってなって…ってのを繰り返しておりました。
それくらい高まりまくる作品を創られる今田監督なんですが、イベント等で出くわすと気さくに挨拶して下さるのです。でもね、そんなんね、憧れの人にね、喋りかけられてまともに喋れるような人間がはてな匿名ダイアリーでこんな文章書いてる訳ないじゃないっすか(泣 もう毎回挙動不審でアワアワ言うてますわ。こないだもね、プラスワンの会計に並んでる時に話しかけて頂いたんですよ、で、「18日のイベ行きます」って話したのです。んで、その次に渋谷のイベの帰りにも話しかけて頂いたのです。んで、その時にも緊張して訳解んなくなってて「18日のイベ行きます」って話してしまったんですよ…もうその帰り道はずっと死にたい死にたいって思ってました。いや、他にいっぱい話したい事あったんすよ。その渋谷のイベの中で今度春原未来ちゃんを撮るって話してはったから「日本ハメ撮り大賞の未来ちゃんとのシーンがすげぇ良かったのでめちゃくちゃ楽しみです!」とか言っときたかったのに!もう!あの時の自分を殺したい!
でもこれは私が特別挙動不審って事じゃないと思うのです。今田監督の作品を見た女性のうち、何割かは絶対私と同じ様な状態になるハズ!そう確信しております。という事で友人を挙動不審人物にすべくお勧めするのはこちら!
ナンカ今まで挙げたのが数年前の作品が多いので最近のを1本。このシリーズでお馴染みの男優さんを使った目隠しプレイのシーンもハメ撮りもすげぇエロいので色々書いてみたんですがかなりキモい感じになってしまったので省略!どうエロくて良かったかは買って見て確かめろ!私が色々書いてるの読むよりその方が話が早い!
メインのエロシーン以外もとても良くて、インタビューで語られる10代後半から20代前半まで付き合ったDV彼氏との話は部外者から見ればナンデそんな状態になっちゃうんだろう?と思っちゃうんですが当事者はそうでもないんやろうなぁというのが解って興味深かった。そしてその彼氏と別れた後に仲良くなった男性との思い出の地を訪れるのですが、思い出の地なのに当時心理状態が酷すぎて記憶が曖昧だというのが結構衝撃でした。付き合う男を間違うとそこまでボロボロになるものなのですね。。。
んで、私がこの作品で一番気に入ってるのはその思い出の地、海に行くシーン。時間にすれば凄く短いのですが、風の音が思いっきり入っていて会話があんまり聞き取れない感じの所があるんですけど、それがね!良いんですよ!頭の中の思い出を反芻してるみたいで。まぁ私の中には全く無い種類の思い出なんですけど。
今田監督の作品でちょいちょいこういう海に行って風の音が思いっきり入ってて会話が聞き取り辛いシーンがあるのですが、これはやっぱ意図的にやってらっしゃるのでしょうか。私ホントにこのシチュエーション無茶苦茶好きなんですが、誰に説明しても全く理解も共感もして貰えないので辛い。多分その話をしてると興奮しすぎて何言ってるか訳解んなくなってるからだと思うんだけど、この「美しい人が自分に語りかけてくれてるけど話が全く聞き取れない」というテーゼってあるじゃないっすか!アレですよ!まさにアレ!と書いてみたけどもしかしてもう既に何を伝えたいのかよく解んなくなってますか?…この辺で止めときます。
テレクラキャノンボール2013の予習も兼ねてボールガールの1人でもある新山かえでちゃんの作品を。この作品もインタビューシーンが凄くて、思わず今田監督が絶句してインタビューが止まってしまうような告白を冒頭でしちゃってます。んで、その後も海へ連れて行ったら「本物の海を見るのは生まれて初めて」(ちなみにこの海のシーンでも思いっきり風の音が入って何を言ってるのか聞き取り辛いという私の大好きな状態になっております)、車に乗ると「デートした事無い。めっちゃドキドキする」、手を繋ぐと「外で手を繋いで歩くのは初めて」、花火をしようとすると「花火をやるのは初めて」と、とても喜んでくれます。お父さんが居なかったりだとか山奥で育ってたりだとか歳の離れたお兄さんしか居なかったりだとかの色々な要因が重なって普通の女の子が経験するような事をしないまま大人になってしまったかえでちゃん。そんな彼女が愛おしくて愛おしくて。何故こんな良いお嬢さんが。今まで彼女の周りに居た男は全員今すぐ死ぬべきです。テレビの前で「俺が幸せにしてやる!」ってなりますよ。まぁ私はおばはんなのでどうやっても彼女を幸せにする事は出来ないんですが。
あと、先日のイベントにゲストでかえでちゃんが来て「今田監督の作品で教えて貰った事がある」という話をしていてそれを聞いた今田監督は「何だっけ?解んない」みたいな感じだったのですが、恐らく始まって40分位の車内での会話で「君の事を今日は恋人だと思うよ」って言ってた事がそれなのかなぁと勝手に思っております。
余談ですが、かえでちゃんについては松尾監督も恥ずかしいカラダ 奇跡のボイン かえで | SHOP | HMJM | 面白いAVはここにある | ハマジムという作品を撮っていて、こちらは松尾監督がバイクで転んで骨折し2012年に行われるはずだったキャノンボールが延期になったという話が冒頭に紹介されています。そして、この撮影が骨折で1ヶ月ほどお休みしていた後の復帰第1作という事で、監督はコルセットみたいなの着けてるわ足に大きいカサブタは出来てるわハメ撮りの途中でかえでちゃんにカメラを何回も取って貰うわとなかなかレアな感じになっているので興味がある方はチェックしてみて下さい。見所は監督がそんな状態なのに濡れまくっているかえでちゃん。…やっぱイイコだ!
ん?あれ?もしかしたらもう10本紹介しちゃった?ヤバイ。だーっと書いてたらすっげぇ中途半端な所で10本挙げてもうた。そして今まで挙げたので削れる作品がない。KENSAKU監督について書きたい事いっぱいあったのに(AV監督なのに素人童貞という事もあって初期の作品は女性に対する憎悪に近い感情が感じられて…みたいな話から)1本も挙げられてないじゃないっすか。あと各監督を知ろうコーナーで梁井監督の作品2本挙げてるけどこういう作風がメインの監督さんじゃないんすよ。うんでもまぁあんまり長くなるのもアレだし、こんな所でイイかなぁ。
という訳で冒頭に紹介した2本を楽しんで貰えるようになるようにと8本挙げたのですが、この8本を薦めた訳はとりあえず監督さんを知って貰おうと。そして好きになって貰おうと。そうすればキャノンもまり子も女性目線でない感じで見れるんじゃないかと。
あと、今田監督の2作品については、今田監督の事を好きになる以外にも女優さんを好きになっちゃう感じを味わって貰おうと思ってセレクトしました(松尾監督の作品でも女優さんを好きになっちゃうような物は多いのですが松尾監督の作品ばっか紹介するのもナンだし、女優さんに対する気持ちの踏み込み方に関しては今田監督の方がえげつないというか毎回ちょっと大丈夫か?って思うくらい踏み込んでらっしゃるのでその辺りを見て貰いたくて)。
監督を知って好きになって監督側の視点から、女優さんを好きになる感じを味わって貰って男性目線で。とりあえず女性としての視点でない所で見て欲しいんですよ。
私はAVとアイドルが大好きなのですが、この2つに共通するのは、ファンはあくまでも受け手・見る側でしかないので、実は男だろうが女だろうが関係無いって事なんです。高齢のキモヲタだろうとアイドル候補生の美少女だろうとOLさんだろうとテレビの前では完全に平等。ただただ見る事しか出来ない。そして見る時の気持ちも完全に自由。高齢のキモヲタがアイドルや女優さんに感情移入して「監督素敵!」と思いながら見るも良いし、女の子が女優さんを愛おしいと思っても良い。女性が完全におっさんの気持ちになって「げへへ」と楽しめる。これこそ女性解放だと思います。男だからとか女だからとかそういうのから一切解き放たれて一人の人間として。女性として見る楽しみと男性の気持ちになって見る楽しみと。完全に女性への訴求を排除した男性向けに作られたメディアだからこそ、そうやって見られるようになれば楽しさが2倍になるんじゃないかなぁと思っておりますよ。
HMJM ハマジム 10th Anniversary Nights - イベント | UPLINK
イベントの内容はタイトルにある通り、HMJMの10年を振り返るという事で各監督の代表作を紹介していくというモノだったのですが、これがあまりAVを見ない人やHMJMを知らない人に魅力を伝えるにはとても良い内容だったので書き残しておきます。
この日の司会はエッセイ集「女子をこじらせて」などで有名なライターの雨宮まみさんとHMJMの社員監督兼広報のKENSAKU監督。雨宮さんは胸元が開いたちょっとセクシー目なドレスで登場。やっぱ美人だなー。そしてKENSAKU監督はシルバーに光り輝く、一体どういった場面で着る事を想定してデザインされたのだろうかと思うようなド派手なスーツで登場。思わず笑ってしまう。ちなみにこのスーツはホスト向けのお店で購入されたそうです。ホストってこんなスーツ着てんのか。ってかKENSAKU監督は何故この場で着る衣装をホスト向けのお店に買いに行ったのだろう…普段絶対ホスト向けの服なんて着てないハズなのに。
司会のお二人の挨拶が終わり、まず上映されたのはHMJMの歴史を紹介する映像。こちらは最初CSで放送されただけでDVD化はされなかった(けど現在ソクミルで配信されているので見れます)カンパニー松尾スペシャル ハ●撮りの夜明け ~AV会社設立への道 1 【アダルト動画 ソクミル】という作品を元に、KENSAKU監督がこの日の為に編集した映像との事。
HMJMの成り立ち(浜田社長や松尾監督がお金を出し合って会社設立)から紙ジャケDVDを7枚発売(この作品群はオリジナル7と呼ばれていました)→全く売れずにDVDリリースが出来なくなる→アダルトサイト・ポルノグラフを始めたらそれが当たり、お金が貯まったので再びDVDを発売出来る様に→今田監督、KENSAKU監督、梁井監督がHMJMに参加する所までが解りやすく紹介されていました。
あと、アキヒト監督についてもこちらの映像の中で紹介されていました。会社設立してしばらくして参加→コスプレ番長としてポルノグラフで活躍(本格的な神主の衣装でハメ撮りしている作品が紹介され、この衣装が女優さんの衣装より高かった事がバレて「どっちが主役だ」と会社の人に怒られて泣いたエピソードが印象深いw)→メインで取引をしていた問屋さんが倒産し、監督業を休業して営業職に…という事で、現在はHMJMで営業のお仕事をされてらっしゃいます。AV屋さんでたまにやってるHMJM主催のAV女優さんのイベントなどでお仕事されている姿を見る事が出来たりしますよー。
VTRが終わった後に梁井監督、松尾監督、今田監督が登場。先ほどのHMJMの歴史のVTRを振り返ってのトークコーナー。
初っ端から「こいつは根っからのオタクで…」というようなKENSAKU監督イジリwKENSAKU監督はアイドルオタで千葉県柏市のアイドルを応援していたそうです。誰やろう。千葉でアイドルいうたらC-ZONEくらいしか思いつかない。
一通りKENSAKU監督イジリが終わった所でHMJMという会社について。小さい会社なので色々大変みたいです。景気が悪くなると会議が開かれ、「みんなで会社を潰さないように頑張ろう!」みたいな事をやっている様子はSODクリエイトという大きな会社から移籍して来られた梁井監督には奇異に映るようです。
そのまま各監督の作品紹介コーナーに突入。このコーナーはHMJMのサイトでも公開されている予告編の映像を流しながら喋っていくという形式でしたのでリンクも貼っていきます。
今田監督のAV初監督作品。予告編を見終わって感想を聞かれて「…胸がいっぱいになりました」と答えておられ、また、初めて会う人などにお勧めの作品を聞かれたら今でもこの作品を挙げる位にお気に入りの作品だそうです。今田監督とのハメ撮り以外にも松尾監督がハメ撮りしているパートやKENSAKU監督が飲尿しているパート(嬉しそうにゴックゴクおしっこを飲んでる姿がスクリーンで大写しになっている横でド派手なスーツを着て司会者然としているKENSAKU監督を見るのはナンダカ不思議な気分でした)もあり、当時のHMJMオールスター総出演的な作品でもあります。
この作品の続編的な位置づけで恋愛という作品を撮ったがお蔵入りになったという例の謹慎期間に触れるような話もちょっとしてはりました。
松尾監督と同じ会社で同じカメラを使って同じようなハメ撮り作品を撮っているとビデオザワールドなどで(ここで思いっきり雑誌名を挙げておられたのがちょっと面白かった)カンパニー松尾のニセモノだ、みたいな事を書かれたりの意地悪をされたので松尾監督と違う事をしたいという事でロリ作品を撮ったりしてスタイルを模索していたという話から2つめの作品へ。
元々年上の女性が好きだという所から人妻、熟女を撮り出して、その中の代表作。雨宮さんも「この作品は傑作と言われている作品ですよね」とおっしゃってました。
このゆうあさんとは最初、光夜蝶で今日、あなたの妻が浮気します。日帰り温泉旅行 25歳〜あさみの場合 - アダルトDVD通販 - DMM.R18という作品を撮って知り合い、その作品が大ヒット。今度はHMJMで撮ろうという事で出来た作品。
光夜蝶からは今田監督だけじゃなくて松尾監督も結構作品をリリースしてはるんですが、HMJMで何本か撮ったお気に入りらしい女優さんを撮ってらっしゃったりするのでちょくちょく買ってます。余裕のある方はチェックしておきましょう。
「今田さんは女優さんと恋に落ちるギリギリの所まで行きますよね」というKENSAKU監督のフリから、「浜田社長から女の子を一番綺麗に撮る方法を知ってるか?それは女の子を好きになる事だという事を最初に教えられた」という話。そこから少し浜田社長について。浜田社長はHMJMのお父さんで松尾監督はお母さんみたいな位置づけだそうです。
設定や役柄を与えられてそれを演じる事が多い熟女女優さんの素顔を撮ろうというシリーズ・美熟女ドキュメントの1作目。風間さんもこちらの作品がお気に入りで、一時期毎晩この予告編を見ながら寝ていたそうです。
ちなみに、この作品、確か例の謹慎明けの1作品目ですよね。やっぱ謹慎前と後で何となく作品の作り方というか雰囲気が変わったので今の今田監督の代表作という位置づけでしょうか。
初監督作、他社から出した大ヒット作に関連する中期の名作、そして現在の今田監督の作品の流れの元になる復帰1作目、というタートル今田というAV監督はこういう人ですよ、というのがよく解るラインナップでした。
梁井監督がニューハーフが好きだという話をしていたらじゃあ撮ってみろと松尾監督に言われて撮った作品。いきなりこの作品から?!とちょっとびっくり。ニューハーフと女装子とノンケと…と出演者が全員男性という異色作。梁井監督がソッチ方面もイケるクチなので女装娘順子とお散歩に行ったらエスカレートして、というエピソードなどを披露されてました。
イベントでは触れられてませんでしたが、この作品中にKENSAKU監督のインタビュー(というか撮影中の雑談を勝手に撮ってたような映像)があって、そこで語られている「男性にお金を払ってフェラしてもらった話」がナカナカ酷いのでKENSAKU監督が気になっている人は是非この作品もチェックしてみて下さい。
先ほどのリオンでも順子として活躍していた男優の保坂順さんが活躍している作品という事で紹介。砧公園で撮影していたら趣味でノゾキをしていた人達と遭遇。その人達は数百メートル先から軍隊で使うような物凄い装備でノゾいていたらしいのですが、その事に何も装備をしていない素の状態で気付いた保坂さんが一番凄いというお話。
梁井監督のHMJM一作目。今までSODに居た頃はこういう作品を撮る環境に無かったそうです。先ほどの今田監督のコーナーでも語られていたように梁井監督も松尾監督という存在がいる会社でハメ撮りを撮るということは…という話をしていた所で松尾監督から「もうこの時点(HMJMに入ったばっかり)で、梁井の場合は女優さんとの立ち位置が横に立っている。ヤイヤイ言う人が居るけれども最初からみんな全然違う」というお話。今田監督も「俺が一番見たいと思ってるのは若いヤツが若いヤツを撮ってる青春ビデオ。そういう意味ではこの作品は梁井の作品の中では1番好き」とコメントされてました。
ジュンはHMJMに入って最初の作品、リオンもMIKIもそれから1年以内位の期間にリリースされてたはずなので、2~3年前の作品から全部選んではるのが少し気になりました。この頃の作品と最近の梁井監督の作品とは傾向というか撮り方というか、何というか根底に流れているモノが微妙に違うなぁと個人的には感じていたんですが、監督ご本人が気に入ってる、もしくは代表作として紹介するとなるとやっぱ初期の作品になっちゃうんですかね。
続いて松尾監督の作品。松尾監督は「今まで沢山の作品を撮ったので今回紹介する3本はシリーズで纏めてみました」という事で、海外までロケに行った作品を紹介されてました。
こちらの作品は最初配信で発表されていてDVD化する予定はなく、その時のタイトルは「ヨーロッパ不倫特急」だったそうです。主演の女優さんが以前フィンランドに留学していて、そこに忘れ物をしていると言う話を聞いて「じゃあ撮影でフィンランドまで行って、その忘れ物を取りに行こう」という話から出来た作品。
今田監督の「松尾さんはちょっとイタイ女性が好き」というコメントが印象的。
松尾監督の代表作として挙げられてるのをたまに見かける作品ですね。この作品で初めてインドに行き、女優さんにヨガを教えてもらってから痩せて今の体型になったそうです。
この女優さんは本格的なヨガの人で、行く前から色々不安な事があったそうですが、その不安は的中、初日にケンカをしてしまい、そのままずーっとブルーな気持ちのままで撮影したとの事。「そのせいでハメ撮りが異様にあっさりしていて見やすい」という今田監督の意見に笑いが起こる。
松尾監督は今でも毎朝会社でヨガマットを敷いてヨガをやってらっしゃるそうです。
会社のお金を使ってお気に入りの女優さんを地球の裏側まで連れて行き、大好きなウォン・カーウァイの映画っぽい音楽もわざわざ作って、挙句の果てには監督がタンゴを踊るシーンまであるという松尾監督が好き放題やらかしている作品。今まで自分の作品のタイトルに「愛」という言葉を使った事はなかったそうですが、今回初めて使ったとの事。
「今まで自分が撮ってきたビデオで女優さんを好きになるという形のモノも色々あったが、だんだん歳も取ってきてそういう事が毎回毎回出来なくなってきた。でもその中で、真奈美さんだけは、愛してるって程の大げさな事ではないけど、それ位まで真奈美さん個人に対する感情があって…」というような話を語る松尾監督。
この作品を見たKENSAKU監督の感想は「正直、ちょっと気持ちが悪いな、って…」というコメント。KENSAKU監督酷いwでも松尾監督は「気持ち悪がられてもいいやって思いながら編集してました」と返してらっしゃいました。
世界弾丸ハメドラーはウォン・カーウァイの映画に出てきた世界中の色々な国を回っているというお話から、「会社のお金を使ってやるから楽しいし、思い切った事が出来る。失敗して売り上げが悪くても給料が減る訳ではない。これがサラリーマンの特権だ」という話。
KENSAKU監督は1作品だけの紹介。しかも、この作品はKENSAKU監督の作品ではなく梁井監督の作品なんですよ。広報兼監督って言っても毎月のように作品をリリースしてらっしゃるので数はあるし、成宮ルリの3部作のような最近のヒット作もあるのに何故自分の作品ではなく梁井監督の作品を?確かにこの作品はHMJMの4監督が揃って出演している唯一の作品だし、KENSAKU監督のハメ撮りというとても珍しいシーンが入っているので紹介したいという気持ちも解るのですが。
ってかもしかしてKENSAKU監督もキャノンボールに出場したかったというメッセージなのかな(キャノンボール2013ではスタッフとしてメインカメラを担当されてます)。こんな感じで一緒にやれてたんで僕も出来ますよ、という地味なアピール?謎は深まります。
KENSAKU監督のコーナーはさらっと流す感じですぐ終わり、休憩に。休憩が終わり、出演者が舞台に揃った所でこの日の司会の雨宮さんのお勧め作品紹介コーナーへ。最初のVTRなどで一通りの作品が紹介されたけどまだ出てきていない作品中心に紹介されてました。
雨宮さんも「松尾さんの歴史から外せない作品。」という風に紹介されてましたが、これホント凄いんですよ。AVなのに松尾監督のお父様が病に倒れ、自宅で介護して、最期を看取るまでが描かれているというとんでもない作品です。
その上、そんなシリアスな事が描かれているのにエロい部分はむちゃくちゃエロいってのがすさまじい。雨宮さんも最初に出てくるやせぎす子さんが公園で露出プレイをしているパートが良いとおっしゃってました。
予告編が終わるか終わらないかの所で今田監督が「親が死のうが3.11が起ころうが、松尾さんはAVを撮っている、という所が良かったのかな?」とおっしゃってましたが、この作品は仙台に縁のある愛咲れいらさんが震災から数ヶ月しか経っていない仙台を訪れるという内容。思い出の土地が大変な事になっているのを見てパニック状態になっているれいらさんをホテルに連れ込んでバンバンやっちゃったりしてます。
松尾監督は「地震のシーンを入れてしまったので解りづらくなってしまったが、本当は彼女の今までの人生で起こった個人の心の災い的なモノを撮りたかった」と仰られてましたが、作品の中に出てくる被災地の風景が結構ショッキングだったのでそういう部分はあんまり印象に残ってないです…すいません。
「最後は最近の軽めの作品を」という事で今年発売になったこちらの作品。雨宮さん曰く「HMJMと愉快な仲間達的なメンバーのアットホームな作品。出ている女優さんも凄く良いので見ごたえがある」との事でしたが、松尾監督は「個人的にはちょっとどうかなぁと思っているのですが、25周年の企画と言う事でやってみました」なんて事を仰ってました。
「この作品では春原(未来)さんに会えたのが一番デカい」とも仰ってたのですが、ホント春原さん凄かった。相手がワルツを踊れば私もワルツを踊りジルバを踊れば私もジルバを踊る、的な感じで各監督さんに合わせて色々な表情を見せておられました。あと、このイベントでは触れられてなかったんですけど、原千草さんも凄かったんですよ。part.2の一番最初のちびっこ男優・中山さんとの対戦はいいレスラーはホウキを相手にしてもプロレスができる、という言葉を実践されてるような状態でした。
雨宮さんのコーナーが終わった所で梁井監督と今田監督は一旦舞台を降り、ゲストのバクシーシ山下監督と平野勝之監督が登場。
子供の時にいとこが自殺して、その遺体の第一発見者になったというショッキングな話を語っている場面から始まり、どう見てもホラーにしか見えない予告編。平野監督曰く「ホラーを作ろうと思ってホントにホラーになった」。
この作品が発売された後、HMJMに脳外科医の方からこの作品に描かれている事は本当なのかという問い合わせがあったそうです。多重人格の人の症状が収められた映像というのが大変珍しく、この作品が本当の事なら貴重な資料であるとの事。山下監督は「詐病ですよ」みたいな反応でした。
他のメーカーの撮影で出会った吉岡さんという女優さんが近親相姦をした事があるという話をしていて、これは面白いから記録しておきたい、という事でHMJMに企画を持ち込んだ作品。
女優さんとの打ち合わせの時にも「面白いから記録したい」と言ってしまって怒らせてしまい、打ち合わせの後、所属事務所からHMJM宛に「企画はOKだがあの平野って男を外して欲しい」という連絡があり、ナント平野監督が監督を外されて代わりに山下監督が撮影したそうです。
実はこの作品の前に最初に会った撮影の際、平野監督のボロボロのアパートで撮影し、その時に家にあったお餅をストーブで焼いて食べさせたりしていたのでその時点から嫌われていたとの事でした。
山下監督が一人暮らしの女性の部屋を訪れ、ハメ撮りをしていくという作品。「AVで話聞いても嘘ばっか言うじゃん、でも実際部屋は嘘つかないから」という事で撮られたそうです。
その流れで山下監督は『お泊りルポ「ひとり暮らし」の女たち』という本も出版されている、という話から、山下監督が書かれた『私も女優にしてください』という本が素晴らしいという話を平野監督が熱く語っておられました。
ゲストのお二人が舞台を降りられた後、テレクラキャノンボール2013コーナー。今回の作品のボールガールの新山かえでさんが登場。今回ボールガールになるまで色々な話がある、という話から、実は2012年にキャノンボールを撮影する予定だったのが松尾監督がバイクで事故ってお流れになった話が描かれている恥ずかしいカラダ 奇跡のボイン かえで | SHOP | HMJM | 面白いAVはここにある | ハマジムを紹介。から生着替えコーナー。着ていた服を脱ぎ、テレクラキャノンボールのボールガール衣装に。
そしてここでテレクラキャノンボール2013の予告編が初めて公開!うぉー超カッコいい!面白そう!けど出てくるの男ばっかりw
予告編の上映が終わった後、新山さんがキャノンボールに賭ける意気込みを語っておられて嬉しくなりました。
続いて松尾監督のコメント。今回のキャノンボールが最後だという思いで作った、そのせいで色々詰め込み過ぎて、人間模様などが壮大になってしまい大変だというお話など。
最後に今日の出演者が壇上に上がり、客席から浜田社長が呼び出され、挨拶。「今は少し苦しい時期ではありますが、10年後、20年後にこういう場を設けられる会社に必ずします。どうか皆さんその時までHMJMのファンでいて下さい、裏切らないような作品を作ってみせます」という心強いコメント。一番最後にお客さんを含めた全員で一本締めで終わりました。
この前の日のイベントにも行ってました→
HMJM 10th Anniversary Nights Vol.1 カンパニー松尾非AV上映会 『男達の挽歌~豊田道倫と大橋仁と安達かおる』というイベントに行って来ました。
HMJM ハマジム 10th Anniversary Nights - イベント | UPLINK
この日上映されたのは
『大橋仁 そこにすわろうとおもう メイキング 』(2013年/24分)
『ドキュメント 安達かおる~ジーザス栗と栗鼠スーパースター琥珀うたの舞台裏から』(2013年/60分)
という松尾監督が友人や師匠など近い存在の男性を撮った非AV作品3本。3本目の安達監督のドキュメントがAVの撮影現場を舞台にしている為、18禁イベントだったのですが、女性客も結構いらっしゃってました。
最初に松尾監督が登場。軽くこの日の進行を説明(豊田さんのが終わったら休憩を挟みますよ、みたいな感じ)してから上映開始。
『豊田道倫 映像集3』はそのタイトル通り、豊田道倫氏の色々なライブ映像を1つに纏めた作品。1と2はDVDとしてリリースされているのですが、3は映画館やイベントでの上映のみでソフト化されていません。
この作品が一番最初に公開されたのは2010年10月30日の豊田道倫新宿4DAYS最終日で、その時は『豊田道倫 映像集 Ⅲ 新宿Poo上映版 』というタイトルでした。
その後、2011年2月26日に池袋ロサという映画館で行われたMOOSIC LABというイベントの3日目(#3:豊田道倫映像集/実験の夜、発見のロサ。)に『豊田道倫 映像集3-MOOSIC LAB Version-』が、そして2011年のゴールデンウィークに広島と大阪で『豊田道倫 映像集3 地方上映版』、2012年の7月3日に神戸の元町映画館、8月13日に渋谷アップリンクで『豊田道倫 映像集3 無題(new version 84分)』が上映されました。
新宿Poo版、ロサ版、地方上映版、そして2012年の無題と一応同じ作品という事になっておりますが、編集が物凄く変わっていて、「え?あの日のライブは丸々カット?」「前見た時のラストシーンの後に見た事ないシーンがめっちゃ追加されてる!」という感じなので上映される度に見に行ってます。Poo、ロサ、大阪で3日連続、去年のアップリンクに続き今回で見るの7回目。多分全部のバージョンコンプしてるはず。
この日上映されたのは去年神戸と渋谷で上映されたのと同じ『豊田道倫 映像集3 無題』。…のはずなんだけど、最後のクレジットに2013って出てたんだよなぁ。それが気になってる。もしかしたらちょっと編集し直してたのかもしれない。けど前に見てから1年以上経ってる&ちょっとずつ違うのを何回も見てるので、正直どこが違うのか、もしくは全然変わってなかったのか解んなかったっす。。。(全部の版を見に行ってる意味が無いw)
最後のトークコーナーでもちょっと触れられてたのですが、今までは豊田さんが出演するイベントでかかる事が多かったので豊田さんのファンの方が見に来られてたのですが、今回は豊田さんも出ないし、この作品ではない作品目当てのお客さんも結構居たので今までの上映とはお客さんの受け止め方がちょっと違った感じ。最前列のど真ん中に座ってたグループが途中で席を立って戻って来なかったり携帯を弄っていたりと完全に飽きていた様子。確かに豊田さんのような音楽は刺さらない人には全く刺さらないからなぁ。実はこの日、私は友人と一緒に見に行ってたのですが、そういやその友人は豊田さんみたいな音楽全然興味なさそうだというのに途中で気付いてヒヤヒヤしてたのですが、後で聞いたらまぁ何となく楽しめた、みたいな事を言ってくれてたのでホッとしました。
休憩を挟んで2本目の『大橋仁 そこにすわろうとおもう メイキング 』。今回のイベントはこの作品目当ての女性客の方が多かったようですね。自分の全財産をはたき、男女300人による大乱交を作り上げ、その様子を撮影した写真家・大橋仁氏の3冊目の写真集『そこにすわろうとおもう』の撮影現場のメイキング映像。この乱交シーンを作り上げる為にHMJMが協力していたという事で松尾監督がメイキングを撮影されたようです。
この映像は2013年4月14日に原宿VACANTで行われたこの写真集のトークショーと、9月10日に渋谷WWWで行われた大橋仁写真集『そこにすわろうとおもう』刊行記念 大橋仁×七尾旅人 ~百人組手番外編・写音真楽~というイベントで上映されました。私はVACANTで見たのですが大入り満員、WWWの方も満員で見れなかった人もいたとの事(というか今回一緒に行った友人が当日券に希望を託して会場まで行ったのですが入れずに帰った中の1人でした)。
大乱交シーンの撮影の様子を中心に構成されていて、東京郊外の駅前に沢山の男女が集合し、バスに乗せられスタジオ入り→休憩無しの過酷な撮影に挑む様子が映像に収められておりました。途中で体調を崩してリタイアする女性の様子が映し出された後にしかし男性陣でリタイアする者はいなかった、という様な説明テロップが出たりしててちょっと面白かったw
写真家として活躍して得た数千万円の貯金をはたいて写真集を作る大橋氏の撮影中の気迫はカメラを通してもしっかり伝わってきました。終演後、ロビーにこの写真集が置いてあったので急ぎ足でざーっと見たのですが、頭の中にあるイメージというか妄想を数千万円のお金をかけて作品に「せざるを得ない」という彼の業のような物を感じました。23000円という価格も納得の出来。でも買って家に置いてちょくちょく見たりするにはパワーが強すぎるというか。ナンカ色々な物が吸い取られそうな。とか書くと買わない言い訳みたいっすね。そうじゃなくてホントそれくらいの力がある写真集だと思います。ちなみに、写真集の中身についてちょっと書きますと、乱交シーン以外のページもいっぱいあって、そこに大橋氏がたまたま発見してしまった首吊り自殺の遺体の写真なんかもあったりします。
そのまま続けて3本目の『ドキュメント 安達かおる~ジーザス栗と栗鼠スーパースター琥珀うたの舞台裏から』が上映されました。
こちらの作品は松尾監督の古巣、V&Rプランニングの看板シリーズ・ジーザス栗と栗鼠スーパースターが10数年ぶりに復活するという事で、その撮影の様子をドキュメント作品にした物。ジーザス栗と栗鼠スーパースター琥珀うたのDVDに本編とセットで収録されて販売されております。
今回はメイキングのみの上映だったのですが、こうやってメイキングだけ見ると本編見てなかったら意味解らんシーンあるなぁと(最後の方の終わり方とか)一緒に行った友人の反応が気になってたのですが、後で聞いたらその辺は特に気にならなかったようで良かったです。
大掛かりなAVの撮影現場の様子自体が物珍しくて面白いってのもありますが、安達監督も面白いですね。この日上映された3作品の中ではこの作品のみ普通にDVDで買えるので興味を持たれた方は買ってみて下さい。HMJMファンの方向けミニ情報としては、ジャケのうたちゃんの後ろに立ってる男性陣に梁井監督とKENSAKU監督が混じってらっしゃいますよー。メイキングの中でもちょこちょこ映りこんでらっしゃるので探してみましょう。
上映後、トークコーナー。実は予定としてはこのトークコーナーに琥珀うたちゃんが登場するというお話もあったようですが、前のお仕事が長引いてしまって間に合わなくて出演出来なかったとの事。代わりにバクシーシ山下監督とカンパニー松尾監督のお二人によるトーク。山下監督はジー栗にメインカメラとして参加してらっしゃったのでその時のお話など。時間が遅くなってしまっているという事もあって10分ちょっとくらいの短い時間でした。
ジー栗はDVD持ってるし、大橋さんのも4月に見たし、豊田さんのに関しては7回目だし、という事で腰をすえて細かい所を見ていく感じで見たのですが、楽しかったです。特に豊田さんの映像集はアップリンクの前の方の席で見るのがちょうどエエ感じですわ。今後もちょくちょく上映して欲しいです。あと、大橋さんのはそれ目当てで来てたお客さんも多かったのでまた何かの機会に上映されたらいいのになぁ。願わくばもうちょっと長い時間のバージョンで。
この次の日のイベントにも行きました→
HMJM 10th Anniversary Nights Vol.2『ハマジムだよ!全員集合 ~主要監督と共に振り返るハマジムの10年』というイベントに行って来ました。
http://anond.hatelabo.jp/20081228014905 の続きです。
<インタビュー>
シェーンヘル(以下シ):どうしてカンパニー松尾と称するようになったのですか?
松尾(以下松):中学時代にさかのぼるんですが、自分の「会社」を始めたんです。社員はぼくひとり、ジュースや手作り弁当をクラスメイトや友人に売ってました。毎朝、20個の弁当をかかえて登校したものです。で、みんなが僕をカンパニーと呼ぶようになったと。これがぼくのペンネームになり、映像のキャリアを通して使ってます。
シ:まず最初に、ハメ撮りの歴史について少々語ってもらえますか?
松:ハメ撮りスタイルの作品は、80年代初期からありました。ハメ撮りということば自体が使われるようになったのは、88年か89年だと思います。昔はAVの小さな一角を占めるだけでしたが、それから大きくなりました。
松:はい、そうです。働きだしたのが1988年、22才の時です。
シ:そのとき、V&Rプランニングはすでに大きな会社だったのですか?
松:いや、とても小さかったです。ぼくは4人目の社員で、会社自体もまだ2年目でした。
松:はい、そうです。
シ:V&Rは最初からドキュメンタリースタイルのAVに力をいれていたのですか?
松:はい。安達はテレビ出身で海外映像の輸入エージェントとして働いていました。モンティ・パイソンとかそうですね。でも彼はおもに死体ものとかのキワモノにもっぱら興味があったようです。それが彼の嗜好だったんですね。
彼は撮影については知りませんでした。自分で会社を始めて、自分でこうあるべきだと思うやり方で彼はドキュメンタリーを作ったのです。会社自体はキワモノですが、安達は非常に真剣な作品を作ろうとしました。
シ:V&Rの意味は?
松:ビジュアルアンドリテイルです。バイオレンスアンドレイプじゃないですよ、皆さんの思うところとは違って(笑)。
シ:V&Rでは最初は助手、そして1989年に自分の作品を制作し始めます。最初の作品はどんなでした?すでにハメ撮りでしたか?
松:いえ、ハメ撮りは1991年からです。その前はドラマ仕立てでした。
シ:後期の林由美香があなたをハメ撮りに導いたという記事を読んだのですが…
松:いや、直接ではないです。林由美香とは1989年からやってました。正直にいうと、ぼくは彼女が好きだったのです。一緒にパリ・ロンドンに旅行して、ビデオを撮ったこともあります。僕の作品である、「硬式ペナス(1990年)」は彼女への愛を宣言したものです。その作品で、彼女はスターになりました(原注:林はその後すぐに松尾と別れ、他の出演作品の監督と関係を深めることになる)。彼女との作品では、自分で男優はしませんでした。でもそれは非常に不自然に思えました。彼女のおかげで、ハメ撮りが一番自然な撮影方法だと感じられるようになったのです。つまり、そのやり方だといい作品をじかに作れるし、ハメ撮りだと女の子に近づく、彼女自身がオープンになれる、本当の気持ちを見せられるといったことや僕自身の女の子に対する気持ちを表現できるのがあります。僕にとって重要なのは、女の子と緊密な関係をきずく、女の子が好ましく思えるってことです。でなきゃ、いい作品は作れません。
松:ええ。彼女は素人としてこの仕事を始めました。彼女のデビュー作はぼくが撮りました。1991年のことで、ハメ撮りが僕の撮り方の主流になってました。「私を女優にして下さい」ですね。次のシリーズものが「熟れたボイン」です。ぼくの作品で素人から有名女優になった最初の女の子です(原注:松尾自身もこの共同作業により今日知られるようになった有名監督になった)。
シ:V&Rで活躍する一方、マンガ「職業・AV監督」の原作も手がけられています。
松:はい、これ実話です。井浦秀夫が絵をかいてます。1997年から98年の作品で、全5巻で秋田書店から出ています。ぼくの仕事、ぼくの作品に関わる女の子たち、V&Rの人々、安達かおる…まあそのころのこと、すべてですね。
松:中堅どころといった感じです。AV市場では大きな会社はいっぱいあります。でもV&Rはその中には入らないですね。大会社のビデオはあんまり興味ないです。その点、小さいところの方がいい作品をだすかな。V&Rは間違いなく、変態を極めた会社のひとつです。
シ:V&Rが制作した「ジャンク」シリーズにも関わってますよね?こうしたデス・ドキュメンタリーは南米で撮影されたものですか?
(原注:「ジャンク」の原題は「faces of death」。もともとコナン・ド・シレールが1979年から90年にかけて制作した4本のアメリカ作品。V&Rが引き継ぎ、ジャンクのタイトルでデス・ドキュメンタリーを制作し続けた。同様のケースはドイツでも見られる)
(訳注: http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/worst/mondo/junk.html が興味深い)"
松:1989年頃のものですね。V&RはAVだけでなく、デスビデオを海外で撮影してました。カメラマンのイシカワ・タケシが両性具有者にただならぬ関心を抱いていたのです。そのためにブラジルのタブロイド新聞と連絡をとっていて、ブラジルに詳しくなりました。向こうが言うには「デスビデオを撮るならブラジルにこなきゃ」と。で、安達、イシカワ、そしてぼくがブラジルに行って、2週間ほど彼らと行動を共にしました。
新聞のカメラマンは、警察無線を傍受していて、事件が起こるや、すぐに現場に直行しました。ブラジルの警察は動きが遅く、たいていカメラマンが先に到着しました。日本だと死の現場はいつも警察が人目につかないよう隠しますが、ブラジルだとそんなことはないです。ぜんぶオープンですね。
松:両方です。何もかも。殺人はとても多かったです。撮影には何の支障もきたしませんでした。愉快なもんじゃないけど、ぼくができるのはそれしかなかったし、使命感みたいなものも…たぶん、ふつうはそういうのって撮れないと思うんですよ。たまたま機会にめぐまれて、現場に行ったと。でもぼくはだんぜん、AVがいいです。デスビデオとセックスビデオには共通点があります。どちらもひどく当たり前のことで人間の根源にかかわるのに誰もが隠そうとする。ぼくらは封を開けて、それが見えるようにしてるんです。
シ:ジャンクはシリーズものです。どのエピソードを担当しましたか?
松:6番です。
シ:どこで撮影しましたか?
松:リオデジャネイロです。リオはぼくの好きな街ですけど、別に死体を撮ったからってわけじゃないです。リオは美しいところで、ほんとうに輝かしいものから暗い側面まで、すべてがあります。丘の上のキリスト像からファベーラと呼ばれるスラム、美しい町並み、そして白い砂浜まで。美しい娘からギャング、ホームレス、麻薬の売人、そして殺人犯。すべてがそこにあって、生きている、街に存在するのです。パワフルな場所です。美しく、そして同時に恐ろしくもあります。一回しか行きませんでしたが、今でも魅力的です。
シ:リオでハメ撮りは?
松:いや、まったく。アメリカやヨーロッパでは何本か撮りましたが、ほんとうにしたいようにはできませんでした。もちろん、言葉が大きな理由です。ハメ撮りの現場に通訳は連れて行けませんから(笑)。でも言葉の違いより文化の違いの方が大きかったと思います。ハメ撮りでは、女の子の内側に行ってみたいのです。何を考え、どう生活し、夢、そして現実はどうなのかと。生命の中に隠されている汚れた、感情的なものを取り出したい。外国でできるのはセックスを撮ることだけ。それじゃ十分じゃないし、ぼくは満足できない。セックスシーンを撮るだけなら、俳優を呼んで女の子とやらせればいい。ぼくなんてお呼びじゃないです。ハメ撮りだったら、なぜ彼女はこれしてあれするのか、動機、考え、そうしたことを詳しく理解できます。ぼくは女の子の個性を描写したい。欧米の娘とだと、ちょっと無理です。セックスが好きかもしれない、オープンかもしれない、でも日本の娘たちとのようには近づけない。ほんとうの性格がわからない。つまり、ぼくは彼女たちとビデオを撮れない、ってことです。
シ:他のアジア諸国だと?
松:アメリカやヨーロッパはポルノに関して長い歴史があります。スクリーンにセックスが映しだされることについてオープンです。でもアジアはかなり遅れています。厳しい規範があり、ポルノ産業において多くを語ることが難しいです。日本はずっと先を行ってますね。
シ:V&Rにはいつまでいましたか?
松:2004年までです。それからハマジム、現在の会社を仲間と始めました。
松:浜田写真事務所、略してハマジムです。みんなそう言うし、領収書も短い名前の方が便利です。今ではもっと短くなって、「HMJM」です。もともとカメラマンの浜田さんが由来です。彼はぼくらのなかで最年長、みんな尊敬しています。彼がボスです。
シ:現在、何人が働いていますか?
松:7人です。
松:たとえば、「広瀬舞、海老原しのぶ」(2004年)、あ、ふたりの女優の名前から題名つけたんですけど(訳注:ハメドリズム01?)、200万円前後ですね、DVDジャケ込みで。「アテネマラトン」(2004年)はオリンピックのときにギリシャで撮影しました。300万円ほどでした。基本的には一本、200から300万円です。
シ:「オークション01」「オークション02」(2004年)のような純ハメ撮り作品だと、旅費がばかにならないと思いますが?全国を旅して撮りましたね。
松:実際、そっちの方が安いんです。スタジオ撮影は高い。スタジオ代だけでも100万かかります。それだけあれば、ほんといろんなところに行けますからね。
シ:基本的に、彼女たちの住んでいる町、実際の生活環境で会ってますね?
松:ええ、基本的にそうしたくて。
シ:あなたは常に、親密で個人的な彼女たちの肖像を切り取っています。彼女たちの本当のやり方をつかんでます。ビデオの中で彼女たちは、ビデオ出演の動機も含めて大いに語っています。ところで、彼女たちが作品に出演する動機、これはどうお考えですか?
松:女の子それぞれというのはもちろんですが、お金が主な理由だと思います。でもハメ撮り一編に登場しても大した金にはなりません。一回会うのが5万円、つまり彼女たちがぼくに電話するのは他の理由があるにちがいない。好奇心だったり、非日常に惹かれたり、もしくは日常のストレスから抜け出したかったのかも。そして単純にセックスに興味があったというのもあります。でもほとんどの場合、彼女たちはほんとうにくつろいで、作品に出ることを楽しんでいます。ところで、あなたはドイツ人だとおっしゃられましたよね。笑い話なんですけど、実際にAVをドイツで撮ろうとしたことがあったんです。2年前に女の子ひとり連れてベルリンに行きました。ぼくのプランは、アウトバーンを時速300キロで飛ばしながら女の子にしゃぶらせるというものでした。日本は速度制限が厳しいというのもあってこの計画には非常に興奮しました。これは全男子の夢だぞ、車をかっ飛ばしながらセックスをするなんて。女の子はいるし、おしゃぶりしてくれると。ポルシェを借りてアウトバーンに出ました。最初の誤算は300キロ出なかったことです。260キロくらいまででした。で、女の子が車酔いしちゃったんです。なんにもできませんでした。ドライブだけで終わりました。
シ:でも撮ったんですよね?
松:ええ、全部収めました。衛星放送向けAVの一編になりました。
シ:これからの予定は?
松:ぼくはAVが好きで、今やっていることをこれからも続けたい。テレビや映画には興味がないし、AVを作りたい。大会社に所属したくもないし、ハマジムを大会社にする気もない。ビジネスのことは考えたくない。ただ自分の好きなことをやっていたいです。
www.midnighteye.comより、雨宮まみの「弟よ!」経由。
長いので二つに分けました。
日本のアダルトビデオ、略してAVと言われているがそれは驚くべき多様性の世界でもある。もし欲情を喚起するためにセックスを描写し、売り物にするのがポルノグラフィの定義なら、どこからどう見てもそれはポルノなのだ。AVは安価で日本中至るところで目にすることができる。この国のどんなビデオショップに行ってもこのジャンルの商品はたいてい、大きな棚を占めている。
しかし、日本の映画表現が欧米で多くの信者を生み出す一方、アダルトビデオはほとんど顧みられていない。日本の得意とする怪獣もの、アニメをはじめとする全ジャンルに関する日本映画のフェスティバルはヨーロッパ・北米で花盛りだが、AVはどこにある?もちろん、日本のポルノは性器を直接描写できないという問題を抱えている。それらは処理画像の向こうにあり、欧米の視聴者にとってはいささか奇異に映るものだ。にもかかわらず、AVは魅力的な分野である。
まずは、ピンク映画。これは1960年代初頭から制作されている。小林悟の「肉体の市場」がおおまかにいってこの分野のさきがけといえよう。性への大いなる情熱、そして時には理由なき暴力や変わった性的ファンタジーまで描写する一方、ヌードシーンは一部に限られ、疑似性交が主を占める。
そして裏映画(訳注:日本語ではブルーフィルムがより的確な表現だと思います)、こちらはさらに映画史の初期にまでさかのぼることができる。こちらは本番ありの無修正、たいてい8分から10分の短い映画だ。白黒映画時代に欧米に存在したブルー・ムービーは時には手の込んだプロットを開陳していたが、日本のはたいてい伝統的な畳の部屋で性交にいそしむ男女を描写するにとどまっている。裏映画が上映されるのは、だいたい温泉街であった。男の客にとっての温泉街でのくつろぎは、しばしば買春と結びついており、そうした街の赤線地帯では法律で固く禁じられている裏映画ショーを楽しむことができた。今日では裏映画は裏ビデオに取って代わられ、そうした未修整のポルノビデオはビデオショップで信用のある客にのみこっそり売られている。
ビデオデッキの普及に伴い、アダルトビデオは1980年代初頭に成長をとげる。家庭で映画を見る習慣が広まり、そしてもちろんビデオデッキが接続されたテレビでセックスを鑑賞することを人々は望んだ。初期AVは、東映や新東宝といった大手ピンク映画会社により支配された。撮影済みの映画をビデオ化し、自宅向け市場へと流したのだが、短いバージョンであることもしばしばだった。市場の急速な拡大につれ、それらの映画会社はビデオ専用の映像を制作するようになった。これらの映像は直接ビデオで撮影されているにもかかわらず、ピンク映画の伝統を踏襲し、ピンク映画のルール・制限に固執した。
ピンク映画会社の制作するAVは、高額な費用をもって制作され、ほとんどの場合有名女優を主役にすえていた。しかし新世代の野心あるポルノ映像作家はビデオという形態は安価であり、あらゆる種類の新しい可能性を提供してくれることに気づき始めた。つまり機材取り回しの容易さ、無限ともいえる長さの尺をとてつもなく低コストで撮影できるということである。
これらの新しい可能性を最大限に生かした最初の監督が、かつてピンク映画の監督だった代々木忠である。「ドキュメント・ザ・オナニー」シリーズ(80年代初め)にて今日のAVにて見ることのできる根源的要素を彼は取り入れた。本番の導入、そして素人俳優の採用によって秘められた日本のセックス事情をドキュメンタリースタイルで描写したのだ。
「ドキュメント・ザ・オナニー」は驚くべきヒットを記録し、映像に関心のなかった投資家連中という新しいグループの注目を引くことになった。裏本・ビニ本業者はAV制作会社を設立し、金鉱とも思えるそのビジネスに飛び込んでいった。
少額の予算でピンク映画会社に勝つために、本番は彼らの切り札となった。こうした決断は大島渚の刺激であるともいえよう。著名な日本人監督である大島がフランス資本で撮影したアートシアター系映画である「愛のコリーダ」(1976年)は、命がけの悲しい情熱を最大限に表現するために実際のセックスをいくつものシーンにおさめた。一方で、非合法である裏映画からの強い影響も見てとれる。裏モノである「洗濯屋ケンちゃん」が一躍注目を浴びることになった。いつ、誰が作ったのかは現在に至るまでまったく不明である。しかし多くのフィルムが出回り、それらはビデオにコピーされた。主要雑誌はこの映像について書き立て、大きな話題となった。裏映画の直コピーの常として、「洗濯屋ケンちゃん」はもちろん非合法なものであったが、新しい本物のセックスという報道記事によって、どんなにお金をかけても得ることのできない宣伝性を得ることになった。
もちろん、新しいAVにおけるセックスは本物であったが、いぜん審査されていた。セックスシーンでは役者の全身はおろか、クローズアップも映し出されていた。しかし、性器とヘアーはAV業界でいうところの「モザイク」と呼ばれる電子的処理画像に隠されていた。処理画像がある限り、スクリーン上のすべてが許された。精液が処理画像から飛び出して、非処理画面に映る女優にかかってもおとがめなしである。ピンク映画では役者のモチモノは家具や植木鉢をレンズとの間に置くことによって隠されていたが、いまや自由な撮影が可能となった。編集の段階でモザイクをかけ、ぼかすだけでいいのである。
そうした映像処理は、海外映画の審査に起源を発している。ヌードシーンはこれまでカットされることはなかったが、俳優の性器は黒塗り、もしくは白のぼかしで隠されていた。この和らげられた映像が、ある程度本来のイメージを知る、手がかりになったのである。
こうした規格を確固たるものにし、政府の取り締まり・警察の逮捕といった危険からAV産業を守るため、AV会社により自主審査団体が設立された。映倫(ピンク映画を制作する業界により審査委員会が運営されている)をモデルとしたビデ倫が設立された。業界トップは、AV監督がアナーキーな連中の集まりであることを正確に把握しており、最初から強い手段をとることにした。ルールを守らせるための必要な権威づけのために、ビデ倫は審査委員会に警察官僚や役人の天下りを呼び寄せたのだ。
現在ではAV業界は一大産業を形成している。しかしその内訳はさまざまである。ピンク映画会社が今もなお重要な役割を果たす一方、無数の小さな会社があり、世には知られぬ顧客の嗜好を満たすべく特異化をはかっている。とはいっても、AVには二大分野が存在する。つまり、「単体」と「企画」である。単体ものはふつう、大きな会社が扱うが、大予算とひとりのスター女優に焦点を合わせるところに特徴がある。美しい女の子を起用し、なるだけソフトに、かわいく作られる。一方企画ものでは4、5人の女優が一本のビデオに出演する。彼女たちはかわいくもなく、見た目がイマイチであるのは決して珍しいことではないが、カメラの前での行為は大胆不敵である。企画ものはセックスについて変わった側面を取り上げることが多く、小さな会社が制作している。企画ものの方が予算が安く済むからだ。単体女優はスターであり、一本につき100から200万の金を手にする。企画女優はというと、10万から20万といったところだ。にもかかわらず、ふたつのやり方は相互補完的だ。多くの男性視聴者は女の子にふたつのことを望む、つまり可愛らしさと変態さだ。
日本では魅力的な若手女優が必要とされており、単体の女の子はスターでありアイドルでもある。企画の女の子はというと、タレント的であり、それはアマチュアを意味する。こうしたタレント募集のやり方はまさしく日本的だ。モデル事務所やタレント事務所は多くのスカウトマンをかかえている。スカウトマンは若い男連中であり、ファッションに敏感な若い子でにぎわう東京の一角に、前途有望な娘を見つけるべく徘徊している。彼らは若い女性に声をかけ、音楽・ファッション業界の仕事をもちかける。実際、ファッションモデルやテレビのエキストラになる場合もある。レコード会社が特定の容姿を歌唱力より優先させたい場合には歌手になることも。一部の女の子たちは、スカウトマンから声をかけられ、そうした仕事に着くことを夢見ながらおしゃれして渋谷・原宿の通りを歩く。しかし多くの場合、モデル事務所はAVの仕事をもちかけ、そして多くの女の子が「いいですよ」と答える。街角からリクルートされたタレントたちの登場するAVの信じられない本数が示すように。彼女たちはたいてい手っ取り早く金を稼ぐためにAVに出演する。もしくは冒険や遊び心、モデルキャリアへの道を見いだしているのかもしれない。
企画もののスタイルやジャンルを一覧にするにはいささか数が多すぎる。しかしその中で最も重要であり、かつ一般的なものをあげるとしたら、ピンク映画の時代から続く、ずばりそのものの異性間セックスが最初に来るであろう。教師・女生徒・看護婦といったちょっとした嗜好を交えたり、レイプ(AVでは一大分野だ)・緊縛などの暴力の一形態を伴うこともある。しかしAVはビデオならではの特異なジャンルも拡大しつつある。ブッカケ(集団男性が女性の体に射精する、顔がより好まれる)や密着ドキュメンタリーの特殊なケースであるハメ撮りなどである。
ドキュメンタリー的手法は日本のAVの多くに見られる。しかしハメ撮りほどドキュメンタリー的なものはないであろう。手短にいうと、ハメ撮りはポルノ的日記の一種である。それは男性(たいていカメラマンや監督である)の主導のもと、タレントや女優をフィルムに収める作業である。カメラ片手にしゃぶってもらったり、テーブルに置かれたカメラで性交を記録したり、時には行為中にずばりそのものにカメラを向ける。こうしたやり方がたぶん、映像にじかの力を与えているのだろう。キャストなし、クルーなし。ただふたりがやって、その男がまさしくそこでセックスをしている、非常に個人的な視点を視聴者はまっすぐに見せられる(原注:残念ながら、筆者は女性による女性の視点からのハメ撮りにお目にかかったことがない)。
しかし、ハメ撮りの売り物はセックスだけではない。セックスと同じくらいの興奮を呼び覚ますのが、ふつうの、一般的な女の子がどうやって「演じる」かという点だ。彼女たちは朝、地下鉄であなたの隣りに座っていたかもしれない、夜にはビールを運ぶウエイトレスだったかもしれない…夢みたまえ。ハメ撮りが売るもの、それは夢であり、日本の男たちが望むけど実現不可能な、あるいは現実には十分に得られないような性的出会いがあるかもしれない、という夢だ。でもそのイメージはリアルである。それこそ手に取れるくらいリアルだ。
<カンパニー松尾: ハメ撮りの達人>
今日のようなハメ撮りを作ったのが、カンパニー松尾だ。ハメ撮りという生まれたてのジャンルを親密な映像体験に仕立て上げた。彼の代表作である「オークション01」「オークション02」は2004年に制作された。これらの作品(デジタル撮影され、DVDにて販売されている)は松尾が出会ったさまざまな女性との個人的な出会いを多く収録している。
たいてい松尾はレディースコミックに広告を掲載し、彼と会う勇気を持ち合わせた女性を募集する。作品の各章は彼女たちが実際に電話をかけるところから始まる。松尾は彼自身が電話を取り、待ち合わせ場所を決めるシーンをカメラに収める。次に私たちが見るのは、松尾が彼女のいるところに向かって移動するところだ。松尾はおおいに旅を楽しんでいるように見え、それを日記スタイルで撮る。いろんな駅のシーン、車窓からの眺め、日本の日常光景は常に導入部分となり、彼の行き先を示す。最終的に彼は女性が指定する場所で面会する。その場所は彼女の住む町だったり、リゾートだったりする。女性はときに彼をからかう。居場所を推測させたり、行き先の張り紙を残すこともある。しかしたいていの場合、駅などの待ち合わせ場所に彼女たちは素直に現れる。松尾は非常におだやかに話す、好ましい感じのする男だ。こうした資質がものごとをうまく進める理由であるに違いない。しかし最初から明らかなのは、彼女たちはお金を受け取っていて、なにやらセックスのようなものがこのふたりの参加者のあいだで始まることだ。
まず第一に、松尾は女性のことを知りたがる。彼らはしゃべり、冗談をとばし、お互いが容易になじめるみちすじを探す。そしてすべてはカメラに記録される。今回の出会いに至った動機、いつもの生活、そして夢。ついに彼らはホテルや彼女の自宅へと向かう。
この段階において、視聴者はすでに彼女について十分知っている。とても親しく感じられる。ある娘たちは積極的にセックスに至ろうとするし、渋々な娘もいる。なんであれ、松尾は撮影する。彼女が「だめ」と言う時でさえ、松尾はありのままにカメラにおさめる。驚くべきことは、女性たちは作品の中では自らについてとてもあけすけで、その多くがセックスの段になっても決してシャイではないことだ。日本の女の子が実際にどうやって考え、何を求めているか知りたければ、多くの洞察がここから得られよう。
松尾は1965年、日本の中央に位置する愛知県に生まれた。高校時代から、松尾はテレビ業界を希望していた。専門学校を卒業すると、松尾は音楽番組制作会社に入った。この仕事には彼は大いに失望させられた。音楽のことを考え、バンドの内面を映像化するかわりに単調な台本を追う日々だった。ひょっとしたら意外でないかもしれないが、会社はほどなく倒産した。失業した松尾は飲み屋で昔からの友人に会う。友人はAVの世界への参加をもちかけた…ここからは彼自身の言葉で語ってもらうとしよう。
2006年の2月に私は東京のファッショナブルなエリアである原宿にある、新しく広々とした松尾のオフィスで彼に会った。ちなみに原宿は日本の若者文化の先端を行くホットスポットとして知られている。