「あのころ」を含む日記 RSS

はてなキーワード: あのころとは

2021-07-13

[]2021年7月12日月曜日増田

時間記事文字数文字数平均文字数中央値
009914694148.434
018010097126.247
02668824133.759
03403325905808.7870
0416143889.926.5
05132928225.256
06184420245.652.5
07396708172.042
0878770098.752.5
09929675105.237
10108898983.246
1112615314121.536.5
121621095767.626
13144825757.330
141571530297.544
1516429298178.644.5
161351172786.947
1712518995152.053
181611340883.330
191451217884.036
2013119328147.554
2112325655208.634
221401361097.239.5
2312418475149.055
1日2849613882215.551

本日の急増単語 ()内の数字単語が含まれ記事

メモリリーク(4), 内孫(4), ピクロス(4), 山口二郎(3), フと(3), ロードス(3), publickey(3), 乱痴気騒ぎ(3), withnews(3), vaporwave(3), 自公政権(4), ⭕(13), 激怒(12), ひろゆき(19), 注射(11), 醤油(15), ワニ(9), 立憲民主党(11), 政権交代(7), 東京五輪(8), パック(13), 観客(12), 寿司(20), ロジック(9), 育ち(19), 皿(10), チケット(9), 会わ(7), 飲食店(18), 接種(19), 選挙(19), 袋(12), 伸び(14), ホモ(12), 打っ(14), 自転車(13), 悪さ(10), 五輪(15)

頻出トラックバック先 ()内の数字は被トラックバック件数

■どうにもならない今日だけど /20210712033224(373), ■彼女がパック寿司のフタを醤油皿にしてたが育ちの悪さはフとした瞬間に出るよな /20210712124840(37), ■物の名前が途中で変わることってあったの? /20210711135946(27), ■注射が痛いかワクチン打ちたくない /20210711034748(20), ■あのころの私へ。「バストトップの痒み」 /20210711231323(19), ■エセ腐男子腐女子と仲良くなろうとしてやりがちな失敗。 /20210712153105(13), ■汽車にのりたい /20210711214401(11), ■死んでいく文化商品かき氷を見習えよ /20210711174901(11), ■ /20210712204137(11), ■教え魔おじさんに会わない /20210712171113(11), ■アダルトグッズを買ったことがあるやつらへ /20210711161100(10), ■Twitter政治豚がすごくウザい件 /20210712200950(10), ■最近見てるVtuberの同時接続者数が /20210712161803(9), ■昔の友達ニュース激怒マンになって悲しい私 /20210711021233(9), ■バッハ会長は、何故五輪が無観客なのか理解できない /20210712133247(9), ■初めて18禁BLPCゲームした時のこと /20210712052805(7), ■ツイッターシャザムババア死ねよ /20210711223409(7), ■反出生主義者って何で生まれてくる子の幸福度勝手に決めてるの? /20210712095322(7), ■ブロッコリーが苦手(閲覧注意かも) /20210712163214(6), ■ /20210712020207(6), ■ /20210711154000(6), ■「ひろゆき相手ならネットリンチしてもいい」みたいな空気 /20210712205305(6)

2021-07-12

anond:20210712142218

文盲ここに極まり

不要差別語を出して人を罵るべきではない。

文章の要旨は、「バストトップの痒みは皮膚科に行って問題なしと言われるが婦人科に行けば治してもらえる」だ。

だけどこれを「あのころの私へ」のタイトルで書いているのは一見わかりにくい。本当の目的は冒頭の「誰かの助けになればと思って書く」だ。タイトル自分に向けているように書くのは… 不要な反発をあらかじめ避けるためのエクスキューズだと思う。性関連の話を匿名で書くと妙な連中を集めてしまやすい。だからこその工夫なんだけど、これが理解できるようになるには、マイノリティ立場で親切のために文章を書き、反発を受ける経験必要だ。シンプルに読解力があればわかる訳ではないと思う。

2021-07-11

あのころの私へ。「バストトップの痒み」

今、テレビを観てたら、

たまたまバストトップの痒みに」と言う軟膏のCMが流れて、

「ああ。」と思い出し、

誰かの助けになればと思って書く。

20代の頃、バストトップの痒みが発生した。

乳輪の周りがかゆいである

寝てる間に掻き毟ってしまい血が出たり。

ブラに黄色い汁が付いたりした。眠れないくらい痒かった。

怖くて病院に行くことにした。

しかし、

上京したばかりの健康優良児だったので、

かかりつけの医者はないし、

誰に相談していいかもわからないし、

恥ずかしいし、

性病なのかと悩んだし、

当時はインターネットはあったものの、

ネットで調べれば解決策がある」という事もなかった。

皮膚科に行った。

小さい皮膚科は、受付の時に症状を聞かれるので、

待合室の皆に聞こえてしまうのが更に恥ずかしくて、

「乳が膿むんです。」とボソボソ答えた。

若かったので、乳を出すのが恥ずかしかった。

皮膚科先生は、

「よくありますよ。」

下着でこすれてしまうんでしょう。」と言った。

「そうか。よくある事なのか。」と、貰った軟膏を塗って、

ガーゼを貼り、内服薬を飲んで、やり過ごした。

でも完治しないので、また、別の皮膚科に行った。

小さい皮膚科から、大きい病院皮膚科までいくつの皮膚科に行っただろう。

そして、同じ事を言われる。

「よくありますよ。」

下着でこすれてしまうんでしょう。」と。

元々、肌が弱いので、「そんなもんか」と思い、

軟膏を塗ればかゆみはそこそこ治まって、

気付けば十数年軟膏と付き合った。

ある時、ひどい腹痛で内科に行き、

婦人科に行くよう言われて、

結局その腹痛はなんでもなくて、

ただ婦人科先生になんとなく乳の痒みについて話した。

気付くと、泣きながら話してた。「もう十数年続いてる」と。

「それはよくある事じゃないよ!」と言われ、

血液検査をしてくれて、

薬を処方してもらった。

その薬を数ヶ月飲んだら、

痒みが発生することはなくなった。


テレビCMのかゆみに効く軟膏もいいと思うけど、

もっと早く婦人科に行っていれば。」と、

思い出してしまったので。

皮膚痒い=皮膚科って言う

安直バカ自分を責めながら。

時間、金、恋愛

いろいろ棒に振ったなぁーっと。

婦人科相談しとけば違う人生だったかも。

2021-06-26

祭りの日に兄弟ボコられる

酔った勢いでフルチンになってボコられ大恥をかいた話を前に書いたけど、似たようなことを地元祭りの日にもあった。間違いなく俺の人生の「痛い記憶ベスト5」には入るな。

たぶん二十歳になったばかりのころで、トイレでの集団いじめきっかけで中退した二年後だからふつう地元工場過酷な勤務を続けていたころだ。

ほとんど親しく話せる年配者や年少者がいないにもかかわらず、祭りだけは強制参加だった(そんな了解がむかしからあった)。

でも最後まで誰とも親しくせずにフンドシですごすのはさすがに酷なんだ。

なんというか虚しさが先行する。どこにいても居場所がない。居場所がないのは慣れてて、いつものことなんだけど。祭りはなにしろいから。

それに非力だから地味に重い神輿がきつい。肩もいかれる。ほかの兄弟休日からいいけど、俺にはよくじつ肉体労働があるんよ。睡眠不足にもなるし!きつい

孤独時間をまぎらわすため、俺は二十歳になって覚えたばかりの酒ばかりをハイペースで飲んでいたな。

主としてキリンビールだったけど。

酔いが回るのが超絶早かったな。

俺は悪いところだけは親父と似ていて、飲んでいるうちに何もかもにムカついて喧嘩腰になるなんだな。喧嘩が弱いくせに喧嘩をふっかけ逆にボコられるケースはこれまでに何度もあった。

祭りの後半、十一時過ぎ、神輿をかつぐ連中もだらけてきたあたりの時間だったけど、当時19歳頃の弟や当時22歳頃の兄貴が女をつれてことあるごとにイチャイチャしていた。

俺はそのころようやく出会い系で知り合った女に金だけ絞られ罵られ捨てられたばかりだったんだよ。職場でもろくなことないし。

からむしょうにムカムカしてきたのを覚えている。それに基本的に男ばかりの祭り空間に女がチャラチャラ入り込んでいることにも不満だった。あの和気藹々のムードをぶちこわしてやろうと思った。

失うものが何もない底辺一匹狼ならではの発想の発想

(俺をゲジゲジのように毛嫌いする妹によれば)これぞ人間のクズ

(俺が話しかけても全て無視する弟によれば)キング・オブ・腐れチンポ

酔いの勢いも借りて、兄貴カップルと弟カップルが仲良くしている場に乱入し大声で怒鳴ってやった。この場をなんだと思ってるんだ、いますぐ女は帰れ、みたいなことを口汚く叫んだ気がする。

想像通り、すぐに返り討ちにあったんだな。ミゾオチ兄貴の一発をくらい死ぬほどの痛みにもがいたね。一瞬目の前が真っ暗になるあれ。

兄貴もかなり飲んでいたのでメチャクチャ手荒くて、腹蹴り股間蹴りを何回も何回も繰り返してきて、地面に倒れこんだよね。その時点でK・Oだった。K・Oしてる俺の足をつかんで兄貴はかなり派手に引きずりやがった(その地面がコンクリートから背中残酷なくらいに剥けて、その日のシャワーはもう地獄悲鳴あげた)。

しかその引きずられた直後のタイミングでめちゃくちゃ吐いたと思う。腹ボコボコにされてタマ蹴りもモロで食らってたから。それにやたら息苦しかった。

祭り自体メチャクチャかましいのでこういうリンチはたいして目立たなかった。だからだんだんエスカレートしたんだと思う。

それに俺が盛大にボコられるのを祭り参加者は毎回見てる(一番無意味ボコってくるのは親父なんだけど)。

兄貴は一度怒ると誰にも止められないんだよ。特に俺への怒りはすさまじいものがあったな。

地面に崩れ落ちていた俺からフンドシを力ずくで外して、グロッキーになったフルチンの俺を羽交い絞めにして、弟やその不良系の同級生どもに「おいお前ら、やりたいだけやれ」とか面白そうに叫んで、俺はかなり長いあいだ弟達のサンドバッグ状態だった。

羽交い絞めのフルチン男を五、六人の男が交代で殴るなんてありか?

尋常ではない痛みと恥ずかしさのせいで意識も遠ざかっていたな。だからかいことは覚えていないなー。

だって殴る奴ら全員本気だし普段からガチの格闘系の喧嘩やってる連中だったから。顔は腫れあがって怪物みたいにパンパン、腹もボコボコ、足の関節も集中して蹴られたのでおかしかくなった。野球の軟式ボールを本気で投げたのも当てられるし、弟の得意技タマ蹴りは見事に直撃して気絶しかけるし(だってルチンですから)、石や空き缶の的にもなるし、ちん毛ファイヤーはされるし(軽い火傷もした)、プロレス関節技実験にもされるし、顔も踏みつけられまくるし、殺虫剤はかけられるし、唾や痰は吐かれるし、もう酔いに任せた集団リンチ

ところで俺、そこまで悪いことした?←素朴

ただ、兄貴と弟の女なんかももかなり酒が入っているので、楽しそうにキャッキャッキャッキャッ騒いでいたのは記憶してる。何人かは携帯カメラとかも向けてたし。

もっとやれ、ぶちのめせ、キンタマ蹴り上げろ、その不潔な腐れチンポ攻撃しろキモイだけの嫉妬野郎は退治しろ、なんてことを女どももガキどもも叫んでいた。集団リンチは怖いことを知ったな。

死ねばいいのに。いや誰か止めろよ(真剣

しょうじき殴られてるのは俺じゃなかったら絶対に誰かが止めてるはずだけどね。やっぱりボコられるのは俺で決まりという空気。それを身に染みて感じた。ふだんから嫌われてて暗くて生意気友達ナッシングからしかもとびきりの不細工。周囲の評判もめちゃくちゃ悪い。

そういや弟はボクシング大好き人間でいつもシャドーボクシングみたいなことやってたので、いつも兄弟喧嘩があるとこんな展開になってたな(兄弟喧嘩といってもけっきょく俺が一方的ボコられるだけだが)。

ボコボコにされて痛くて気持ち悪くて立ち上がれないでいた俺はさいごに飲みかけのビールを頭から盛大にかけられて、いつの間にか集まってきた人垣の帰れコール、笑われながらチンポをかくして着替え場所のある公民館に命からがら帰りましたとさ(というのもフンドシは捨てられて見当たらなかったから)。

その日は帰って若槻千夏ちゃん写真集でマスかいて寝ようとしたが、腹部と背中中央部が痛すぎて全然寝られなかった(調子にのったガキが軟式ボールをがちで当てやがったから。しかも皮がめくれてた)。というか腹を殴られ過ぎて気持ち悪く何度も吐き戻した。そもそも殺してやりたいくらい兄と弟にムカつていた。というかあの場にいた奴ら全員をめちゃくちゃ呪っていたね。その後数か月は歩くたびに足に膝に激痛を感じて仕事にも支障出たよ。医者にみてもらったのは当然だが。あのころメンタルはがちでやばかった。

まれから身も心もいつも安定してボロボロだけど、その頃はいつも以上にボロボロだったな

翌朝親父がその件を聞いて、俺はまた猛烈なビンタと腹蹴り(これはたいていセットだった)を食らい、兄貴と弟に対して土下座させられる羽目になった(親父はとにかく謝罪感情土下座表現させたがった。ほとんど俺だけになんだけど。俺が土下座ナンパになんの抵抗もないのはその経験のおかげなのかな。ある意味親父のおかげなのか?)。

おしまい。なんのタメにもならないクズエピソード、読んでくれてくれてありがと。

俺みたいになるなよ、みんな。

2021-06-24

好きだった女が妊娠していた

あのころは気がありそうな素振り見せてたのに

ぴえ〜ん

2021-06-01

anond:20210526030528

周囲はワースブレイドみんなコンスタントに盛り上がってたけどな

アニメ事情だけでいえば、

ダンバイン前後第一アニメブームの頃で、その後はOVAに行っちゃうからOVAの諸々の話をしないのはおかし

というかレイアースなんかOVA伏線があったのをゲーム会社の金でTVアニメに引っ張ってきた例なのでOVA無視してレイアースからとか言うな

んでレイアースワタルとかはゲームファンタジー世界がある程度まで受け入れられた以降の世代じゃろ

それまではファンタジー世界説明するまでが一苦労なのでそもそもファンタジー」が希少、

逆に言えばゲームファンタジー以降は普通に何でもかんでもファンタジーだし、ロボットもヒットも不発も含めてけっこうある

あとロボアニメじゃないファンタジー設定にも、ロボっぽいゴーレムやロボっぽいドラゴン普通にいるので、

ロボットアニメという設定にしなくてもロボ欲は充足されてたよね

ナイツマは「日本ロボットアニメが好きなやつが転生して日本ロボットアニメ的なメカを作る」話で

あのころロボットアニメ再現したいレトロ路線」をテーマ押し出してるだけで、

ナイツマみたいに大声で「これはファンタジー世界日本ロボットアニメノスタルジーをやる話です!」と叫ぶようなのは過去にもないぞ

2021-05-27

足のデカい女が奇跡ショートブーツ出会う話

高校生の頃の話。私は自分の足が嫌いだった。25.5cm。可愛い靴なんて入りやしない。Lサイズは大体24.5まで、たまに25。

そんなあるとき、どうしてもかわいい靴が履きたくて、都心にある大きいサイズの店を探し出した。数日後、たまたま母と都心に出かけたとき、そのお店のことを思い出し、「ちょっと覗いてみたい」と頼んでいってみた。たどり着いたのは、一階も二階も両方靴屋さんになっているビル。一階は、いかにも高級店という感じのキラキラ空間デパートなどでよくある、見本を一足ずつしか店頭に並べていないお店だ。綺麗に身なりを整えた、若い女店員が一人。二階はというと、お目当ての大きいサイズ。一階とは打って変わって、飾り気のない蛍光灯、壁の棚にぎっしり詰められた靴たち。あれは並べるというより詰めていたという方が近い。なよなよした中年男性店員さんが隅っこにぽつんといた。

たくさん靴は並んでいたけど、私の憧れていたような可愛い靴はなかった。雑然とした店内も相まって「足のデカい女は可愛い靴なんて無理なんだ」と落胆し、帰ろうとしたその時。

「よろしければ、足、測っていきませんか」

隅っこでコケが生えるんじゃないかというくらい静かにしていた店員さんが声をかけてきた。足がデカいという現実数字で突き付けてこようという作戦か。断ろうとしたが、「無料ですので」という言葉に気をよくした母がすっかり乗り気になってしまい、私は足を測ることになった。そうして連れてこられたのは、一階のキラキラ空間。なんと、まさかの同じお店だったのだ。あれよあれよという間に、大きい体重計のようなものに載せられた。乗るだけで、足の大きさ、幅、重心など、ありとあらゆることが分かるらしい。すごいものがあるんだね、世の中には。

 そうして告げられた私の足は、24.5cm。んん? 1cm足りなくね?

「足のサイズを間違ってらっしゃる方は意外と多いんですよ」

 一階に降りてからやけに元気になった店員さんにそういわれて、私は何年も間違ったサイズの靴を履いていたことを知る。測ったら、次は靴選び。何がほしいか聞かれ、お店に行ったのが冬だったこともあり、私は「ショートブーツがほしい」と答えた。ややあってお店の奥から女性店員さんが箱を持ってきてくれた。中に入っていたのは、足首のあたりにファーのついた、グレーのショートブーツ

 測定結果に基づいて選んでもらったので当然と言えば当然なのだが、驚くほどフィットした。ヒールだって3cmくらいのものがついているのに、その辺のスニーカーより歩きやすい。もちろんお買い上げ。14000円。高校生からすれば目の玉が飛び出るほど高額だったしそんな手持ちもなかったが、同行していた母に支払ってもらい事なきを得た。

 あれから何年も経ち、奇跡ショートブートはついに合わなくなった。外反母趾にもなり、あのころとは足の形が全く変わってしまった。今は誰に履かれることもなく、靴箱で眠っている。緊急事態宣言が明けたら、またあのお店に行ってみよう。

 パンプスが痛い、靴擦れするという方は、ぜひ一度足を測ってみて下さい。お値段は張るけど。

2021-05-23

彼とペンわたし

ひとりごと。ただ書き残したくて。

高校国語教師で、とても熱のこもった授業をしてくださる方がいた。

言ってしまえば、好き嫌いが分かれてしまタイプの強烈な先生だった。

わたし理系であったが和歌が好きだったので、彼がさらさらと話す古典エピソードを聞き逃すまいと、一生懸命だった。大ベテランの彼についていけば国語大丈夫、と太鼓判を押してくれる先生が周囲にたくさんいて、ノート片手に先生の元へといつも通っていた。

国立受験して、結果待ちの間の卒業式卒アル先生メッセージを書いてもらいに行った。そこに書いてもらった一言は以前先生がおっしゃっていた言葉でとても大きなインパクトがあるもので。「この一言で十分だろう?」と笑いながら。本当にそれで十分だった。彼らしかった。


3月末、晴れて桜が咲き、合格の報告をした。本当に喜んでくれた。

昼ごはん食べに行こう、と誘われたものの、外せない用事があって固辞した。

「何かあげたいけど、何もないなあ…」と悩みながら渡してくれたのはなにかの会合でもらった記念品ちょっといいボールペンだった。ちょっといいものからすぐ使うのはもったいない、としまいこんだ。


また遊びに来ますね、とにこやかに約束して別れた。

次に行くときにはなにか古典勉強や好んで読んでいた作家さんの話をしようと意気込んでいた。(実際に彼が好きだった筆者の本をたくさん読んで話すために蓄えていた)

しかし、これが最後だった。4ヶ月後、突然病気で亡くなった。まさか彼が突然亡くなってしまうとは思わなくて、なんとか予定を変更すれば行けた、彼とのご飯に行けなかったことを悔やんでいる。

もっと彼の頭の中を覗いてみたかったし、古典生き字引のような存在の彼にもっとエピソードを聞きたかった。その気持ちが止まらなくて、もらったボールペンは眠ったままだった。永遠に開けられないかと思っていた。


しかし、個人的に気落ちする出来事があって気分を変えたくて、でも落ち着きをくれるものが良かったのでいただいたボールペンを使い始めた。

それは落ち着きのある書き心地と発色で。マーカーでなぞっても滲まなくて。

もともとこのペンの所有者だった、達筆で自分の信念を絶対に曲げない彼がちらついてしまって。思わず涙がとまらなくなってしまった。

先生、お元気ですか。そちらでも古典の授業をキレキレにされてますか、わたしのんびり大学生をしていますあなた古典のことで聞きたいことがたくさんあるのに高校に行っても会えないのが本当に苦しいです。寂しいです。わたしがいつかあなたの元に行くとき、沢山の古典質問を抱えていくので待っていてくださいね、そのときにお答えしてくれるのを楽しみにしています


もらったボールペンは替えのインクちゃんとあるらしい、よかった。ずっと使える。わたしはこのペンを使うたび、彼のことを思い出すだろう、切なくなる時もあるかもしれないし、もっと頑張れるかもしれない。これからどう感じるようになるかはわからないけど、本当にこのペンの書き心地が良すぎて手放せないことは事実

彼がくれたボールペンあのころのがむしゃらに頑張るわたしとそれに付き合ってくれた優しい彼も思い出させてくれて、一生の宝物になる、そう確信した。

いまは元気をもらえたから苦しい世界でも頑張ろうと思う。

2021-05-21

工場パンをこねる作業で高い給料がもらえて家族を養えてたのが高度経済成長

氷河期の親世代がこの認識で、あのころ面倒くさかった

2021-05-12

おおおおおおおおおおおおおしっこおおおおおお

おしっこ

 泡ぶくぶくで

  僕怖い

おしっこの泡が素晴らしいことになっております

30秒経って消えなきゃヤバいよという教えをどこかで聞いたので、待ってみました。

30秒待ってみても消えません。1分経っても泡が残っちゃってますわよ!!

洋式で溜まった水に向けてほれほれほれほれ~どうだどうだって発射しているから悪いのだろうか・・・

ああそういえば、男子トイレの小便用トイレにいつだか行った日のこと、

用を足した男の人が使っていたトイレが、とんでもなく泡ぶくだったなあ。あのころはすげえとしか思ってなかったけど。

まさか自分の身にも起きているかもだなんて。俺は洋式便所だけど、小便用トイレだったらあそこまでなってしまうのだろうか。

人体って凄いけど、考えれば考えるほど怖いもんだよね。

2021-05-08

ホームセンターいったらめちゃくちゃマスクアルコール除菌剤が山積みになってて手洗い洗剤とかも山積みなのよ

去年の今頃とかもまだ全然マスクは品薄でどこでも買えなかったけどあのころ高くても買わせろ!みたいな気持ち申し訳なくてさ

こんなに山積みなのに全然みんな立ち止まりもしないのがホント申し訳ない

ちょうどいい量の生産とかできんもんかね

2021-04-28

中学の頃

先輩に絵をあげたことがあったけど絵がうまい同級生に比べて反応が露骨に悪かったことを時々思い出してしま

まああの頃の絵をもらって喜ぶのは無理だろうな〜って思うけど露骨に態度に出すのもどうかと思ってしまう複雑な心

まだ自分の絵が周りに比べて上手だと思いこんでいて

ペンタブを買えばもっとうまくなると思いこんでたあのころのおもいで

なお今はもう絵は描いてないです

2021-04-27

小柳ルミ子大澄賢也結婚した時って、すごいおばさんと結婚したみたいに思ってたけど今考えるとたった36なんだな。今の深田恭子より若い綾瀬はるかと同い年。

あのころの36ってものすごいババア扱いされてたよな

2021-04-25

しか女ばいと聞くたびに

かわいいふりしてあの子わりとやるもんだねと言われ続けたあのころ

の子が急に何故か奇麗になったのはあなたとこんなふうに

ここのメロディーが頭を流れていく

2021-04-24

anond:20210423094416

あれは緊急事態宣言機能させるための布石だったんだと思ってるけど...

あのころ日本は正直危機意識ほとんどなかったよね。

マスコミだってアクリル板もなく、マスクもせず、みんな密集して報道するのが当たり前だった。

安倍総理学級閉鎖策は権力乱用をいとわない首相によるひどい政策という扱いだっただろ?でも、欧米でも普通に実施してるよな。

このウィルスのやばさを理解し、外出を控えていたのは中国人との交流がある人たちだけだった。

あの頃、正直、コロナ自体対岸の火事という認識だった。

志村さんという有名人の死はそれを自分たち問題認識させるものだったと思ってる。

あれを見て震え上がった同年代高齢者はそれなりにいるんじゃないか

まだまだ若いと思っていても、コロナにかかったら死ぬってみんな理解した。

その2週間後、緊急事態宣言が出されたとき学級閉鎖したときのような批判が起きず、粛々と受け入れたのは志村さんの死があったからだと思う。

2021-04-19

クソみたいないじめを繰り返していたクズがなんか格闘家になってた

中学校で俺をクソみたいにいじめてたクズ格闘家になってた。で、コロナ生活が苦しくなったのかYoutube始めてた。コロナ禍でそのまま干上がれば面白かったのにな、残念だ。

しかもその界隈では結構有名な選手らしい。とはいえ、その界隈自体がどのくらい知名度があるのかわからないので、世間一般知名度はどのくらいなのかわからないけど。

いやぁ、マジで地獄の3年間でしたよ。あれは凄かった。

社会の関心を集めているあのいじめ殺人事件は「これはトラウマ穿り返される奴だ」と思って詳細は見てないのだが、まさか目を逸らした先で最悪のものを目にするとは思わなかった。

動画、やたら楽しそうだったな。楽しそうでよろしゅうございますね。

どうやらコロナ禍で格闘技とかその辺の生活が苦しくなったみたいで、いろんな選手がやってるみたいだ。どの選手も内容がほとんど同じだが。コラボ、予想、ルーティントレーニングコラボ、予想…顔が変わるだけでたいして変化がない。

まぁ、俺を恐喝すれば金を得られたあのころと違って本当に厳しいんでしょうね。金返せよ。

なんかファンからもらったプレゼントを自慢げに見せてましたね。俺の時計返せよ。

服にもこだわりがあるようで、なんか独自ブランド作ってましたね。俺の服あんなに破いたのにな。

再生数が欲しいなら「私の過去告白します」みたいな動画作ればいいんじゃないでしょうか。

ちょうどいじめ殺人世間が湧いている今、再生回数めちゃくちゃ延びると思うよ。協力してやるから取材しに来いよ。傷跡まだ消えてないからさぁ。

結構再生回数献上してしまったけど、お前の人生面白いな。俺の人生崩壊させたお前が、なんか「苦しみを乗り越えてきた漢」みたいな扱いでリングやらケージに上がってんじゃん。

いい仲間に巡り合えてよかったですね。俺をいじめ殺す寸前まで言ったあのあと、いろいろな経験がお前を成長させてくれたんですね。クソすぎるだろうお前。過去の亡霊は常にお前を見ているぞ。

まぁしかし、結局のところ、いじめってのは対等な関係ではないのが問題だな。

あの格闘技のように、リングケージで「対等に」「ルールを守って」「危険になったらちゃんストップがかかる」「失神すれば許してもらえる」お優しくて甘い世界じゃないわけでさ。

俺は人を殴らない、お前は平気で殴れる。俺は社会ルールを守る、お前は守らない。失神しても水かけて起こして蹴り続ける、みたいな不平等関係なのが問題なんだよな。

ウシジマとかい漫画にあったあれだよ。「金属バットで人の頭をフルスイングで殴れる人間が強い」ってやつ。俺はそんなことしないので、それができるお前の方が強いわけだ。

ところでウシジマはもう読んでないけど、ちゃんとウシジマ死んだ?あんなクソを生かしたまま終わるってありえないけど、作者はどう畳んだんだろうな?それともまだ続いてるのか?まぁいいや。

いじめってのは、「一方的他者攻撃できる」状態なんだよ。いじめをやるクズチート状態だし、いじめられる側は縛りプレイなわけだ。

縛りプレイ中のプレイヤーとチートプレイヤーが対戦してるのがいじめなんだよ。

でまぁ、残念ながらお前は俺の時と違って「対等に一対一でやり合えてレフェリーもいる優しい優しい優しい優しい優しい世界」でお給料もらってるんで、お前も負けるときがあるよな。仕方ない。お前チート使わしてもらえないもんな。メリケンサックとかグローブに仕込んでみるのはどうだ?俺に使ったやつ、まだもってないか?やれよ。勝ちたいならそのくらいやるよな?

つーか負けるにしても失神くらいしろよ。判定負けとか甘いこと許してんじゃねーよ。鼻が折れるまで、腕が折れるまで、金を失うまで、友人を失うまで、人間尊厳を失うまで戦えよ。金玉ひとつくらい潰れても戦って見せろ。「一個くらいいいだろ」お前が言った言葉だぞ。実践しろ格闘家なんだろ?戦いを生業にしてるんだろ?負けたらすべてを失え。無様な姿の撮影会開かせろよ。試合に負けて鼻が折れて泡吹いて下半身裸の状態撮影会しろ。それがあるんならお前の試合見に行くわ。

しかちゃん体重も同じくらいの相手を選んでもらってなぁ。うらやましいなおい。優しい世界だなぁ。すぐ病院にもいけてなぁ。スポンサーまでついちゃうんだもんな。俺、お前に金とられてたから実質お前の最初スポンサーってことになるな。俺のことも動画宣伝してみてくれよ。あるいは、お前のパンツ印刷されてるスポンサー様全員今すぐ殴りに行ってこい。「金サンキュー」とヘラヘラ笑いながらスポンサー様に膝蹴りしろ。今すぐやれ。

それとお前もヘビー級と戦えよ。何が「階級が違うと全然違う」だクソ馬鹿が。今からヘビー級チャンピオンに殴り殺されて来いよお前。お前の体重ヘビー級チャンピオン体重差は、俺とお前の体重差とあんま変わらんだろ。今すぐ男を見せて来い。無様な姿を見せて撮影会しろ

まぁ、判定負けとかクソ過ぎて嫌になるけど、お前の負け試合はほんの少し俺の心を救ってくれたわ。お前が負けた相手Youtubeやってたんで一通り見たけど、お前結構酷い評価受けてて笑ってしまったわ。

とはいえ、お前が負けたあの選手過去に何やってるか分かったもんじゃないしな。俺みたいな人間を生贄にのし上がったクズかもわからん安易に持ち上げないことにしておく。

でもまぁ、爽快だわ。ありがとう選手。できれば失神KOとか下半身裸一本泡吹き一本とかまでやってくれたらよかったけどな。

いじめってのは上で書いたようなチートプレイ快感に似た部分があるんで基本的になくならないし、「できるとわかったらデメリットメリットを超えない限りやり続ける」のが人間なので、今までもこれからいじめで亡くなる人は絶えないだろう。学校だけではなく、これは職場でも同じだ。

ただ解せないのは、ゲーム格闘技などの優しい世界ではチートプレイヤーがBANされるのに、リアルでは被害者がBANされるところだな。

いじめというのは「実に人間らしい病理」なわけで、本来はいじめクソ野郎のほうを隔離して治療しなければならないだろう。

いじめを受けた方のメンタルケア本来必要ないはずだ。

問題が早期に発見され、クソ野郎が速やかに隔離治療される流れが確立されれば、被害者は「災難だったな」で終わる話だ。被害ちゃんお金に換算して弁償してもらえば、ムカつくが人生崩壊するような被害は負わない。

文春の記事は(辛くて)読めてないが、TLなどから漏れ聞こえる内容によれば、長期的な拷問を受け続けていたということだ。悼ましいことだ。

日本入管公務員拷問行為職務としてやっている恐ろしい国なので改善は期待できないが、それでも「拷問絶対にこれを禁ずる」国であるのは間違いないだろう。

拷問というのは長期間にわたって身体を拘束され、苦痛を味わわせる行為のことだろう。

長期的に加害者から離れられず被害を受け続けるいじめというのは、単なる傷害罪を超えた拷問に近い性質があるではないか

学校はいじめ対策をいろいろ考えるよりも、まず「被害者加害者を即離す」ことを徹底してはどうだろうか。

絶対に禁ずる」という強い文言憲法に明記されている精神を示してほしい。

被害者に逃げ道を用意してあげるのはダメだ。

加害者が即隔離されるのが最良なんだ。

被害者に逃げ道を示してあげるのは優しさなんかじゃない。「お前はいじめられた」というスティグマを刻むだけだ。

そんなことよりも、すぐに、すぐに、すぐに、すぐに、加害者つまみ出してくれ。

一発殴られたくらいなら、嫌な記憶として忘れることもできる。

から、一発殴られたくらいの苦痛のうちに、加害者を、隔離してくれ。

頼む。

あと俺をいじめたクソ格闘家よ。

お前は負けろ。

2021-04-11

anond:20210409103655

今は正直、江戸時代とそう変わらないよねとは思ってる。

江戸時代、男あまりがすごかったらしい。

そのすごさに対応するため春画なり遊郭なりがあったわけ。

お世継ぎがいないとお家断絶になるなど制度必要な人たちや裕福な人たちが妾などを囲っていたそんな時代

今はそれなりの稼ぎがないと男は結婚できない...つまり貧乏長屋に詰めている男たち状態

そして、女は学費などのために春を売ったりパパ活をしたりする...これは緩い意味での遊郭なり妾なりだろうな。

これが唯一解決されていた時代高度経済成長時代

あのころ、男はがむしゃらに働き、女は家を守るのが当たり前だった。

女が働きに出るのはよほど世帯収入問題があるときだけだった。

リンクされていたトリレンマ記事を見る限り、そういうシステムになっていることで、全員結婚するという安定した時代が築けていた。

...女性社会進出と声高に叫ばれる今、確かに女性仕事を選べるようになった...いや、仕事をするのが当たり前になった。

ただ、多くは口に糊するために否応がなしに働かざるを得ない。

果たして人々の幸せさはあの頃よりも今の方が増えたと言えるのだろうか。

2021-03-19

宮沢賢治

二、活版所

 ジョバンニが学校の門を出るとき、同じ組の七八人は家へ帰らずカムパネルラをまん中にして校庭の隅すみの桜さくらの木のところに集まっていました。それはこんやの星祭に青いあかりをこしらえて川へ流す烏瓜からすうりを取りに行く相談しかったのです。

 けれどもジョバンニは手を大きく振ふってどしどし学校の門を出て来ました。すると町の家々ではこんやの銀河祭りにいちいの葉の玉をつるしたりひのきの枝えだにあかりをつけたりいろいろ仕度したくをしているのでした。

 家へは帰らずジョバンニが町を三つ曲ってある大きな活版処にはいってすぐ入口計算台に居ただぶだぶの白いシャツを着た人におじぎをしてジョバンニは靴くつをぬいで上りますと、突つき当りの大きな扉とをあけました。中にはまだ昼なのに電燈がついてたくさんの輪転器がばたりばたりとまわり、きれで頭をしばったりラムシェードをかけたりした人たちが、何か歌うように読んだり数えたりしながらたくさん働いて居おりました。

 ジョバンニはすぐ入口から三番目の高い卓子テーブルに座すわった人の所へ行っておじぎをしました。その人はしばらく棚たなをさがしてから

「これだけ拾って行けるかね。」と云いながら、一枚の紙切れを渡わたしました。ジョバンニはその人の卓子の足もとからつのさな平たい函はこをとりだして向うの電燈のたくさんついた、たてかけてある壁かべの隅の所へしゃがみ込こむと小さなピンセットでまるで粟粒あわつぶぐらいの活字を次から次と拾いはじめました。青い胸あてをした人がジョバンニのうしろを通りながら、

「よう、虫めがね君お早う。」と云いますと、近くの四五人の人たちが声もたてずこっちも向かずに冷くわらいました。

 ジョバンニは何べんも眼を拭ぬぐいながら活字だんだんひろいました。

 六時がうってしばらくたったころ、ジョバンニは拾った活字をいっぱいに入れた平たい箱はこをもういちど手にもった紙きれと引き合せてから、さっきの卓子の人へ持って来ました。その人は黙だまってそれを受け取って微かすかにうなずきました。

 ジョバンニはおじぎをすると扉をあけてさっきの計算台のところに来ました。するとさっきの白服を着た人がやっぱりだまって小さな銀貨を一つジョバンニに渡しました。ジョバンニは俄にわかに顔いろがよくなって威勢いせいよくおじぎをすると台の下に置いた鞄かばんをもっておもてへ飛びだしました。それから元気よく口笛くちぶえを吹ふきながらパン屋へ寄ってパンの塊かたまりを一つと角砂糖を一袋ふくろ買いますと一目散いちもくさんに走りだしました。

三、家

 ジョバンニが勢いきおいよく帰って来たのは、ある裏町の小さな家でした。その三つならんだ入口の一番左側に空箱に紫むらさきいろのケールやアスパラガスが植えてあって小さなつの窓には日覆ひおおいが下りたままになっていました。

「お母っかさん。いま帰ったよ。工合ぐあい悪くなかったの。」ジョバンニは靴をぬぎながら云いました。

「ああ、ジョバンニ、お仕事がひどかったろう。今日は涼すずしくてね。わたしはずうっと工合がいいよ。」

 ジョバンニは玄関げんかんを上って行きますとジョバンニのお母さんがすぐ入口の室へやに白い巾きれを被かぶって寝やすんでいたのでした。ジョバンニは窓をあけました。

「お母さん。今日は角砂糖を買ってきたよ。牛乳に入れてあげようと思って。」

「ああ、お前さきにおあがり。あたしはまだほしくないんだから。」

「お母さん。姉さんはいつ帰ったの。」

「ああ三時ころ帰ったよ。みんなそこらをしてくれてね。」

「お母さんの牛乳は来ていないんだろうか。」

「来なかったろうかねえ。」

「ぼく行ってとって来よう。」

「あああたしはゆっくりでいいんだからお前さきにおあがり、姉さんがね、トマトで何かこしらえてそこへ置いて行ったよ。」

「ではぼくたべよう。」

 ジョバンニは窓のところからトマトの皿さらをとってパンといっしょにしばらくむしゃむしゃたべました。

「ねえお母さん。ぼくお父さんはきっと間もなく帰ってくると思うよ。」

「あああたしもそう思う。けれどもおまえはどうしてそう思うの。」

だって今朝の新聞に今年は北の方の漁は大へんよかったと書いてあったよ。」

「ああだけどねえ、お父さんは漁へ出ていないかもしれない。」

「きっと出ているよ。お父さんが監獄かんごくへ入るようなそんな悪いことをした筈はずがないんだ。この前お父さんが持ってきて学校へ寄贈きぞうした巨おおきな蟹かにの甲こうらだのとなかいの角だの今だってみんな標本室にあるんだ。六年生なんか授業のとき先生がかわるがわる教室へ持って行くよ。一昨年修学旅行で〔以下数文字分空白〕

「お父さんはこの次はおまえにラッコ上着をもってくるといったねえ。」

「みんながぼくにあうとそれを云うよ。ひやかすように云うんだ。」

「おまえに悪口を云うの。」

「うん、けれどもカムパネルラなんか決して云わない。カムパネルラはみんながそんなことを云うときは気の毒そうにしているよ。」

「あの人はうちのお父さんとはちょうどおまえたちのように小さいときからのお友達だったそうだよ。」

「ああだからお父さんはぼくをつれてカムパネルラのうちへもつれて行ったよ。あのころはよかったなあ。ぼくは学校から帰る途中とちゅうたびたびカムパネルラのうちに寄った。カムパネルラのうちにはアルコールラムプで走る汽車があったんだ。レールを七つ組み合せると円くなってそれに電柱信号もついていて信号標のあかり汽車が通るときだけ青くなるようになっていたんだ。いつかアルコールがなくなったとき石油をつかったら、罐かまがすっかり煤すすけたよ。」

「そうかねえ。」

「いまも毎朝新聞をまわしに行くよ。けれどもいつでも家中まだしぃんとしているからな。」

「早いからねえ。」

「ザウエルという犬がいるよ。しっぽがまるで箒ほうきのようだ。ぼくが行くと鼻を鳴らしてついてくるよ。ずうっと町の角までついてくる。もっとついてくることもあるよ。今夜はみんなで烏瓜からすうりのあかりを川へながしに行くんだって。きっと犬もついて行くよ。」

「そうだ。今晩は銀河のお祭だねえ。」

「うん。ぼく牛乳をとりながら見てくるよ。」

「ああ行っておいで。川へははいらないでね。」

「ああぼく岸から見るだけなんだ。一時間で行ってくるよ。」

もっと遊んでおいで。カムパネルラさんと一緒いっしょなら心配はないから。」

「ああきっと一緒だよ。お母さん、窓をしめて置こうか。」

「ああ、どうか。もう涼しいからね」

 ジョバンニは立って窓をしめお皿やパンの袋を片附かたづけると勢よく靴をはい

「では一時間半で帰ってくるよ。」と云いながら暗い戸口を出ました。

2021-03-11

あのころ上級国民疎開していて

東京には奉公へ出てきていた地方次男三男坊ばかりだった

から空襲は語り継がれない

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん