はてなキーワード: 査読とは
もちろんそれもあるけど、質じゃなくて規範の問題なんだよね。マトモな研究や翻訳は原典に基づいて行うべきだ、という規範。
ありていに言えば、「なーんだ、重訳なんだ」「えっ、重訳なの……?」と、重訳である時点で評価が二段階三段階は落ちるわけ。
なんだろうな、理系分野や経済学でいう査読の重みに近いかな。「重訳だけど正確な訳だし……」っていうのは、「査読されてないけど面白い論文だし……」って言われてるみたいな感じ。「まずは直訳」「直訳が困難な事情がある場合には重訳でも許容」なのよ。
だから、「ピケティの本を英語から重訳する」というのは、人文系目線では、「『エコノメトリカ』に載るレベルの論文を査読なし雑誌に載せる」みたいなもんで、ショボい研究ならそれでいいのかもしんないけど、ピケティでやっちゃダメだろ! って話になるのね。
ただそのへんの価値観が分野によって違うのはまあそうなんで、「いや別に査読されてないけど面白い論文だからいいじゃん……」と人文系の学者が思う程度には、「いや別に重訳だけど中身が合ってりゃいいじゃん……」と経済学の学者が思うのも正当だと思うよ。増田が説明してるのはあくまで「人文系での価値観」であって、それに他者が従うべき理由はないし。
引用元:How long do mRNA and spike proteins last in the body? | Nebraska Medicine Omaha, NE
https://www.nebraskamed.com/COVID/where-mrna-vaccines-and-spike-proteins-go
一部の人々は、スパイクタンパク質またはmRNAワクチンの他の部分が体内、特に卵巣または脳に蓄積することに懸念を表明しています。ここでは、データを分解して、mRNA ワクチン (およびスパイクタンパク質) が体内を移動する場所を示します。mRNAやタンパク質が臓器に蓄積するという証拠はありません。
なぜ彼らはスパイクタンパク質を使用するのですか?
COVID-19 ワクチンの場合、これまでに承認されたワクチンはすべてスパイクタンパク質を使用していました。スパイクタンパク質はコロナウイルスの外側にあり、SARS-CoV-2 (コロナウイルス) がヒト細胞に侵入する方法です。ウイルスの外側に位置するため、免疫システムがウイルスを簡単に認識できます。
スパイクタンパク質は、SARS-CoV-2 に固有のものです。体が作る他のタンパク質とは似ていません。したがって、スパイクタンパク質に対して作成された抗体は体に害を及ぼすことはなく、コロナウイルスのみを標的とします。
mRNAが体内で持続する期間
ファイザーとモデルナのワクチンは、mRNA (メッセンジャー RNA) を筋肉細胞に導入することで機能します。細胞はスパイクタンパク質のコピーを作成し、mRNA は急速に (数日以内に) 分解されます。細胞は、mRNA を小さな無害な断片に分解します。mRNA は非常に壊れやすいです。これが、mRNA ワクチンを非常に低温で慎重に保存しなければならない理由の 1 つです。
スパイクタンパク質は体内でどのくらい持続しますか?
米国感染症学会 (IDSA) は、COVID-19 ワクチンによって生成されたスパイクタンパク質は、体内で作られる他のタンパク質と同様に、最大数週間持続する(https://www.idsociety.org/covid-19-real-time-learning-network/vaccines/vaccines-information--faq/)と推定しています。免疫システムは、スパイクタンパク質があなたの一部ではないことを認識するため、スパイクタンパク質を迅速に識別し、攻撃して破壊します。 この「敵を学習する」プロセスは、免疫システムが本物のコロナウイルスを倒す方法を理解する方法です。目にしたものを覚えており、将来コロナウイルスにさらされたときに、効果的な免疫反応を急速に開始することができます。
Novavax ワクチンは、現在使用されている他の多くのワクチンと同様の免疫応答を生成するために、実際のタンパク質を体内に導入します。
ワクチンはどこへ行く?
これは、筋肉内ワクチン( COVID -19ワクチンの3つすべて)がマカク(サルの一種)のどこに移動するかを示す査読済み(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211124720302928)の研究です。
ワクチンは、主に注射部位(腕の筋肉)と局所リンパ節の近くに残ります。
これは理にかなっています。リンパ節は白血球と抗体を産生して、私たちを病気から守ります。リンパ系の重要な部分であるリンパ節は、体液を浄化し、老廃物を取り除きます。リンパ節は体のゴミ除去サービスとして機能するため、リンパ節でスパイクタンパク質の断片を見つけることは完全に正常です。つまり、ワクチンはその役割を果たし(抗体の生成を引き起こすスパイクタンパク質を作りました)、体から除去されます。
別の査読済み研究(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5475249/)では、mRNA ワクチンがマウスのどこに行ったかを正確にテストしました。mRNAワクチンのほとんどは、注射部位の筋肉、つまり注射を受ける場所にとどまりました。表 1 を見てください。大量の mRNA ワクチンが局所リンパ節に見られ、注射の約 8 時間後にピークに達しました。はるかに少量の mRNA ワクチンが遠くのリンパ節に行きました。
COVID-19 ワクチンはあなたの DNA を変えることができますか?
いいえ、COVID-19 ワクチンはあなたの DNA を変えることはできません。
DNAは細胞の核に保存されています。mRNA ワクチンは、核の外側 (細胞質と呼ばれる空間) で機能し、核との相互作用は観察されていません。指示に従った後すぐに、細胞は分解し、mRNA を取り除きます。
まぁワイは打たんけどな😒
雑誌の投稿欄だったり、査読後の論文といった、一度人の判断が入っているといったことや、
ポスターの掲載といったような特定の場所にいる人しか見れないといったことを、
ネットで最初にアナロジーとして設計できたら、変わっていたのだろうか。
誰でも情報発信できるようになった、民主化だと持て囃されたが、
個人でインプットできる量なんてたかが知れていて、日々のアウトプットなんて不可能だ。
ヤフーのコメント欄、はてブのコメント欄、ニュースについてあれこれ言っているYou Tubeなど、ほぼ意味がない。
炎上案件についても、実際の関係者間で話し合わないと何も変わらないのに、ネットで外野が盛り上がる。
ネットなら多くの人が知恵や意見を出し合い問題が解決されるかもしれない、そんなのに夢見ていて時期もあっただろう。
だが多くの無関係な人が集まっても、3,4秒で見て思いついたことしか集まらず、知識を持った人には届かない、
煽りか炎上でなければ広まらず、それで解決する問題は偏っている。
個人としては直接お金がかからない、コスパが良いようだが、衰退する社会だと長期的にコスパは悪い気がしてならない。
政府批判にしても、見てるかどうかわからないような、はてなで「だから俺はああ言ったんだ」とか言っても全く意味がない。他のサービスもそうだ。
去年、「日本語の原郷」についての論文(Robbeets et al. 2021)が話題になった。増田は専門外の素人ながら疑問を持ったのでツッコミを入れたんだけど(anond:20211121124146)、今年の6月に入って専門家集団から「あの論文は取り下げろ」という反論論文が出ていた(Tian et al. 2022)。といっても、プレプリントサーバのbioRxivに置いてあるだけで、学術誌に掲載されたわけではないんだけど、まあいずれどこかには載るよね多分。
そういうわけで、反論論文の内容を(素人なりに)紹介していくよ!
ふええ……知らない人ばっかりだよぉ……
22人の共同著者による論文だけど、その多くは中国人研究者。ほかは数人のヨーロッパ人。中国人研究者については全然わからない。漢字で書かれれば一人か二人は名前を聞いたことがある人がいるかもしれないけど、ラテン文字で書かれているので誰が誰やらさっぱりなんだよな……
ヨーロッパ人研究者のうち、ラッセル・グレイ氏は聞いたことがある。20年くらい前に『ネイチャー』に印欧語族の起源に関するレター載せてた人だ(Gray and Atkinson 2003)。ホセ・アロンソ・デ・ラ・フエンテ氏は以前ロベーツ氏の著書に辛辣な書評書いてた人で、去年の増田でも引用した。
そしてトマ・ペラール氏は、日本では有名な研究者だ。彼は宮古島の北4キロに浮かぶ人口数十人の離島大神島の方言について博士論文を書き、それが「母音あるいは声帯を震わせて出される音を含まない単語がある」という世界でも珍しい特徴を持った言語であることを明らかにした(Pellard 2009: 80–85;ペラール 2011: 28–29)。ペラール氏は母語のフランス語だけでなく英語や日本語でも論文や共著を発表していて(最近だとペラール 2021とか)、琉球諸語の言語復興についても発言しているので(ペラール 2013; 2015)、琉球諸語に関心を持って調べたことがあれば一度は名前を聞いたことがあるはずの人物だろう。
要するにこの反論論文には、そのへんの日本人よりはるかに日本語に詳しい研究者が参加しているってこと。
反論論文は、ロベーツ論文で挙げられている同根語(cognate words)が少なすぎると指摘する。
同根語というのは、「起源を同じくする単語」のことだ。ある言語から分かれた娘言語たちは、いずれも共通した同根語を(二次的に失ったのでなければ)持っているはずだ、というのが比較言語学の基本的な考え方だ(生物学でいう原始形質/祖先形質にあたる……と思う。多分)。もちろん、偶然の一致とか、言語の場合は借用語とかがあるので、言語学的な検討を行って「これは祖語から受け継がれた同根語である」というのを確定させて、それをもとに言語の系統関係を判断していく。
たとえば印欧語族だと、次のような対応関係が見いだせる(例はウィキペディアの「印欧語彙」のページから持ってきた)(*がはてな記法の一部と認識されちゃうっぽいので*で代用)。
- | 印欧祖語 | 英語 | ラテン語 | サンスクリット語 | トハラ語 |
父 | *pH₂tér- | father | pater | pitṛ́ | pācar |
2 | *dwóH₁ | two | duo | dvā́ | wu |
足 | *ped- | foot | pēs | pā́d- | pe |
馬 | *ék̂wos | 古英語eoh | equus | áśva- | yuk |
複数の語派(語族の下位区分)にわたって対応する語彙が存在することがわかると思う。これらの同根語が存在することで、「英語とサンスクリット語は親戚なんだなぁ」というのがわかるわけだ(お墓に卒塔婆って置いてあるじゃん。あれに書いてあるのがサンスクリット語)(足で操作する機構を「ペダル」といったり歩行者デッキを「ペデストリアンデッキ」といったりするのは、英語のfootに対応するラテン語pēsからの派生語なんだよね)(「父権主義」が「パターナリズム」になるのも、英語fatherに対応するラテン語がpaterだから。これがポルトガル語でpadreになり、そこから日本語に入って「ばてれん」になるわけですよ)。
ついでに日琉語族の表も示しておく(Vovin 2017)。基礎語彙において規則的に音韻が対応しているのは、これらの一致が偶然ではなく日本語と沖縄語が親戚であることの動かぬ証拠だ。
- | 標準語 | 沖縄語(首里) |
これ | kore | kuri |
鳥 | tori | tui |
米 | kome | kumi |
場所 | tokoro | tukuru |
しかしロベーツ論文は、ひとつ以上の語族でみられる同根語が317、2つ以上の語族でみられる同根語がわずか50、そして5つの語族で共有されている同根語はたったの2つに過ぎないという(Tian et al. 2022: 2)。思い出してほしいんだけど、ロベーツ論文はテュルク・モンゴル・ツングース・朝鮮・日琉の計5語族が同一の起源を持つと主張しているのね。なのに5語族で共有されてる同根語はたったの2ってどういうこと? って話になるでしょ。全然「トランスユーラシア語族」の証拠になってないじゃん。
っていうか、その50個の同根語リストの中には、ロベーツ氏自身が「これは借用語だよ☆」って書いてる単語が入ってるんだってさ。借用語は除くというのが比較言語学の基本なのに(借用語だと気づかずにリストアップしたならまだしも)借用語だとわかった上でリストアップするのヤバくない? そんなこと言ったら日本語が英語の親戚になっちゃうよ? 大丈夫?
反論論文の著者たちはこれに激おこぷんぷん丸になっていて、ロベーツ論文の「著者たちは彼ら自身の歴史的言語比較の原則を無視し、証拠を彼らの必要にあわせて歪曲している」(Tian et al. 2022: 3)とまで断言している。そりゃ、借用語混じりのたった数十の同根語で「トランスユーラシア語族は、ありまぁす!」って言われたらそう言いたくもなるわな。
遺伝学的にも、ロベーツらの論文は「不当な仮定(unjustified assumption)と、移民についてのありえそうな他の仮説を排除した選択的モデリング」に基づいているとバッサリ。考古学的証拠も「弱い」と切り捨てている。このへんは遺伝学や考古学に詳しいはてなーに解説をお願いしたいところ。
ロベーツ論文の結果を再現しようという我々の試みは[言語・遺伝・考古の]3つすべての面で重要な不一致をみた。さらにいえば、ロベーツ論文はこれら3分野の研究成果を統合するために「三角測量」を用いたと主張するが、その「三角測量」とやらの手法を定義も記述もしていない。したがって、彼らの手法に従って3つの分野に関する訂正を組み合わせることも不可能だ。つまるところ、我々が行った3つのデータセットすべての再検討は、ロベーツ論文の主張を完全に崩壊させた。トランスユーラシア仮説は未実証である。私たちはこの論文を取り下げるよう謹んで勧告する(Tian et al. 2022: 7)。
要するにアルタイ語族2.0は失敗したってことっすね。ロベーツ氏は「民族主義的な議題を持つ人々にとっては、自分の言語と文化の起源が国境の向こうにあるということは不快な真実だが、すべての言語と文化、人間は混じりあっている」って言ってたらしいけど、まずはご自分の仮説がボロボロだという不快な真実に向き合ってほしい。
こんなガバガバ論文を載っけちゃった『Nature』については、まあ……仕方ないところもあるのかな? ちょっとでも言語の系統とかに関心を持っている人なら「これアルタイ語族2.0じゃん」と気づける内容だけど、理系の雑誌の編集者にその目利きを求めるのも酷かな……査読者選ぼうにも誰がこの分野の権威かすらわからんだろうからな……ただし『トランスユーラシア語族ガイドブック』なんてものをホイホイ出版したオックスフォード大学出版会テメーはダメだ。お前んとこは人文系の研究書いっぱい出してるんだからアルタイ語族2.0くらい見抜けるだろうが!
なお、ペラール氏のツイッター(@ThomasPellard)を見たら「そもそも論証の基盤になってる語彙の出典が書いてないやんけ。これスタロスチンが作ったデータベースからのコピペじゃね? っていうかいくつかの言語が対応表に載ってないから同根語を検討できないんだけど?」という趣旨のツッコミをしていた(https://twitter.com/ThomasPellard/status/1536288665936306176)。あっ……(察し)
そろそろ凱旋門賞ですが、タイトルホルダーくん楽しみですね。天皇賞(春)と宝塚記念の圧勝劇(+お姉ちゃん)ですっかりファンになりました。ロンシャンでも逃げ切ってほしいですね。ただ背負ってる期待が大きすぎるドウデュースくんにも勝ってほしい……武豊を凱旋門賞に勝たせるために生まれてきた馬になったら胸熱すぎるでしょ……
あと先日のセントウルステークスは感動で泣きそうになりました。桜花賞のころから推してたので……(ソングラインちゃんも安田記念戴冠おめでとう。BCマイル頑張れ!)。スプリンターズステークスで今度こそ待望のG1制覇を成し遂げてほしいですね……
ユキノビジンは! 引けませんでした!(すり抜けで夏服メジロドーベルとサクラチヨノオーが来たのでまあ良し)
これ見落としてましたわ。教えてくれて感謝。こちらの方がわかりやすいのでみんなペラール氏の解説動画を見てクレメンス。
博士号って持ってないからわからないんですけど食べられるんですか? ご飯粒よりおいしいんですか?
ここでもいくつか紹介されているようにトマ・ペラール氏は日本語でもいろいろ書いているしTwitterやAcademia.eduなどでも積極的に情報や研究を公開していて我々素人にとってはとてもありがたいです
ペラール、ヴォヴィン、ローレンスの3氏は色々academia.eduに上げてくれてて助かりますよね。ところで素人とはいったい……うごごご。
有り難い要約だけど、最後の「アルタイ語族2.0」だから胡散臭い、という部分はやや迂闊かと。当該論文はそうでなさそう、というだけで真に画期的な論文によりアルタイ語族が復権することは可能性としてはあるよね
もちろんそれはそうです。ちゃんとした比較言語学的な手法で「アルタイ語族」の存在が実証できるのならそれは歓迎すべきことで、その可能性は残されています。ただ、これまで数百年にわたって研究が続けられてきて熱心な擁護者も大勢いるのにまだ確固たる同系の証拠が出てきてない、というのは相当に重い事実ですよね……。ロベーツ氏は「民族主義的な議題を持つ人々」のことを揶揄してますけど、日琉語族の分類というのはまさにその「自分たちの言語はどこから来たのか」というルーツ探しの情熱に取り憑かれた人たちがいっぱい研究して、それでもなお結論が出ていないテーマなわけで(cf. 日本語の起源 - Wikipedia)。
増田はドシロートなんでなーんも独自の見解は持ってないですが、古代ロマン的な観点からはanond:20211121124146でも言及した大陸倭語仮説が面白そう(「大陸倭語」の存在はまだ定説にはなってないことに注意)。島嶼倭語(仮に「大陸倭語」の存在が実証されない場合は日琉語)のUrheimatは五十嵐氏の指摘に沿えば近畿地方のあたり(多分四国ではない)。日琉語族が列島と半島にまたがって分布していて、そのうち大陸倭語が南進してきた朝鮮語族に同化されたと考えると古代の日本と朝鮮半島との関わりに色々納得がいく(繰り返すように素人が古代ロマンといくつかの論文に基づいて妄想したものです)。では仮に対馬海峡をまたいだ日琉語族の存在が実証されたとして、そのUrheimatは……どこでしょうね? なんもわからん。
あ、トラバでやたらゲノム研究のURL貼ってる人は、(もし同一人物なら)去年の議論で血統と言語系統を混同したり(anond:20211121201022)、論文や増田の内容を理解できてなかったりする(anond:20211121224311)ような人なので、マトモに相手する価値はないっすよ。一応ご忠告。
そもそもお前が定式化してるから有名になるんだだの論文形式じゃないとだめだだの言ったからつい話を合わせてしまったがそういうことじゃないのよ。こっちも乗せられて自分の記事がアカデミックだの恥ずかしいことを主張するところだったけど。
そもそも増田で「アカデミック」な記事を書いた世界線ではお前には文句を言われなくても別の誰かたちにこっぴどく叩かれてただろうな。気取るなとかってさ。
叩かれて検索上位に食い込んだ記事なんて内容がアカデミックに妥当だろうがそれは読まなきゃ分からないことなわけでまともに読まれはしないだろうな。
査読論文自体ごまんとあるわけなのに(考えれば当然だろ?)そのなかで理論が有名になったものはごく一部なのだから、ちゃんと論文になってれば注目されるというわけでもなかろう。
ある理論や発想が有名になったり世間様の口端に上るかどうかは、論文かどうかが問題なのではなく、まず内容が良いことが第一なのであって、それをどれが内容に合った媒体に投稿されているか、そして結局一番大きいのは運だと思うよ。
どういう内容ならどこで発信した方がいいという知識を一通り知っておくべきなんだよ。お前にそれを教える知識がないならもう用は無いってこと。
んで適切なとこに投稿してもバズったりテレビでいまホットな理論として紹介されたりするかどうかは結局運。
俺もいいことは書いたのだが、運が無いから伸びないだけ。だってそうじゃないなら、完全に俺が悪いってことじゃん。誰だってそうは思いたくないし、実際そうじゃないと思うよ。
コージ苑とか言う漫画で「物理学者としてならノーベル賞を取っていた。でも死ぬまで八百屋だ。」というシーンがあるが、八百屋であるという境遇(という名の親ガチャ)もやっぱり運の一つで、運が無かったから平凡な八百屋の店主としてしか生きられないという解釈になるようなシーンだ。
才能があれば、いいこと言えれば絶対に日の目を見るなんてことのほうが現実に反しているに決まっているわけで、運が無くてくすぶってる人がたくさんいるわけよ。
上から目線、偉そう、お前のいる図書館には行きたくない、いきりオタクなど散々な言われようだった増田だよ!
せっかくなので司書資格の現状とその問題点について思うところをを書いてみるね。
いきりオタクがむきになってんじゃねーよwwwっていうのは百も承知なのでコメントあればそれ以外でどうぞ 。
#はてなだから文章も変だし引用記述もちゃんとしてないし引用の引用もしてるし数値は古いし用語の統制もしていないよ
#脚注のはてな記法使えなくてめちゃんこ不便だし、URL件数規制あったのでごそっと削った
今回の件について、自分の主張は
”非正規雇用(非正規職員)の待遇改善には同意するが、司書の専門性と非正規職員の待遇問題は切り分けて論じられるべき”
というもの。
以下、図書館職員の現状および司書資格の問題点について述べます。
平成27年度の社会教育調査より、全国の公共図書館の専任職員数(館長除く)10,305名のうち、司書有資格者は5,410名(52.5%)。
これに対し、非常勤職員(館長除く)19,177名のうち司書有資格者は9,593名(50.0%)である(指定管理者の職員数も別途あるが、指定管理者内での正規雇用も含まれるため割愛)。
正規職員および非正規職員(非常勤職員)それぞれの有資格者の割合はほぼ同じだ。
この数値から算出すると、単純計算だが、全国の図書館職員における非正規職員率は62.6%となった。
平成24年の保育士調査では保育士の非正規割合の平均は全体で45.6%、公営では53.5%となっている。
( ttps://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/s.1_3.pdf 保育士等に関する関係資料 他)
保育士よりは図書館職員の非正規職員率は高いが、司書には保育士のような必置規制がないなどの違いもある。
管理する対象など、図書館という公共サービスの性質を考えると図書館職員が特別に高いというようには思えない。
有資格者の非正規職員の賃金(時給)を比較すると、保育士は980円、幼稚園教諭は1,046円、福祉施設介護員は1,043円、ホームヘルパーは1,339円である。
署名運動を提議した彼女の時給は最低賃金+40円らしいので、全国平均で算出すると1,001円。
図書館職員がとりわけ低いというよりかは、有資格者であっても非正規職員の賃金は全体的に低いというのが現状である。
一方、専門能力を有する職員がその専門性を発揮して働くために、非正規職員の必要性が肯定される側面もある。
事例のひとつとして、自館では非正規職員は職責のない単純業務、正規職員はそれ以外と分けている。
自館の非正規職員には権限がないのでシステムの管理的な業務はできず、単純業務として配架や資料の整理、簡単な文献複写、来館者対応データ登録などを行っている。
図書館に限らず、あらゆる職務において非正規職員は必要とされる。
問題なのは、正規雇用の収入を必要としているのに非正規雇用で働かざるをえない人なのだろう。
なお、実態として、図書館員は、非専門業務に従事する職員であっても有資格者が多く雇用されている。
その原因としては、司書資格の取得者数が多いこと、司書資格の有無により司書の専門性が担保されていないことが考えられる。
その一因は、需要と供給、つまり司書資格の取得者数と図書館職員の求人数が乖離しており、市場の需要よりも多くの人が司書資格を取得していることにある。
司書資格の取得者数の正確な数字は不明だが、令和4年度の司書養成科目開講大学は193大学、司書講習は5大学で減少傾向にあるという。
平成18年頃の数値では、年間、司書課程の履修により約1万人、司書講習で約1,500人が司書資格を取得したとされている。
司書有資格者の専任職員(公共図書館)が全国で約5,000人しかいないのに、毎年その倍の人数の学生が司書資格を新たに取得していることになる。
そもそも論で司書資格を取得したからといって図書館職員になれるわけがないのだ。
(図書館職員の資格取得及び研修に関する調査研究報告書 第2章 公立図書館及び司書・図書館職員を取り巻く現状の把握 )
司書資格を取得する人数を減らせばいいのではないか、という指摘はもっともだが、それを阻む背景の一つに、国家資格を取得できることで学生を集めたい大学の経営的なニーズと、研究者の雇用の場を保持したいアカデミア側のニーズが合致していることがある。
司書資格の取得者数を減らすことは両者にとってデメリットしかなく、だからなのか薬剤師資格のように取得者数を規制しようとする動きはない。
ちなみに、 司書課程の教員の論文生産性を調べた研究では査読論文を年に0.07本執筆すれば大学教員になれる(日本の図書館情報学分野の教員の経歴と論文生産性 )そうで、他分野から見たら羨ましい限りである。
さらに、司書資格の取得者数と求人数の大きなギャップについて、「司書資格取得のために大学において履修すべき図書館に関する科目の在り方について(報告)」では以下のように述べられている。
一方で、図書館への就職は非常に厳しい状況が続いているが、司書資格取得者の就業の場としては、公立図書館以外にも、各種の図書館や行政機関、企業、民間団体等の資料関係業務や調査・情報提供業務などが考えられることから、これ らに関する情報の提供も望まれる。
司書資格取得者が図書館を利用する場合には良き利用者となることが期待され、また、図書館のボランティアや図書館活動の支援者となることも考えられる…
司書資格取得時に得る図書館情報学の知識は、図書館職員として働く以外にも、行政機関や企業等一般においても活用できる能力であることから、資格を取得しても図書館職員として就職できないことは司書資格の取得を阻害するものとは考えられていないのだろう。
司書資格は授業のみで取得でき、かつ取得者数も多いため、資格のみで図書館員の専門性を証明することは難しい。
近年、その成果が表れており、日本図書館協会による認定司書や日本医学図書館協会によるヘルスサイエンス情報専門員などの上級資格が創設されている。
図書館員の性質を鑑み、一定の経験年数や研修、論文執筆などの成果を元に審査を行い交付されるため、高度な専門性を有することを証明できる。
図書館員としてステップアップしたい人は、ぜひ挑戦してほしい。
もし例のあの人が専門性の高い司書であれば、具体的な職務の明示なく「図書館司書は時給2,000円貰って当然!!」なんて言葉は出てこないと思う。
非正規雇用の低待遇を肯定するわけではない。日々を暮らしていくために、待遇改善を主張することは普通のことだ。
しかし、そこに、司書だから、図書館員だからと付け加え、専門的職務や非専門的職務の検討もされないまま
「この事態を放置するのは知への怠慢」(http://twitter.com/sasakitoshinao/status/1563664160612909057?s=20&t=rdNKzrqSG7r6B7hqm9yqkQ)などの現状批判を始めると、本来検証されるべき司書の専門性がないがしろにされ、単純労働の非正規職員すら排斥する行為に繋がり、結果的に図書館への悪影響となりかねない。