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2014-01-15

電気自動車ハイブリッド車比較について

電気自動車という欺瞞http://anond.hatelabo.jp/20140114151838 で盛り上がったブクマとツリーに関してですが、

個人的には下記のページがかなり参考になると思います

http://hori.way-nifty.com/synthesist/2012/04/co2-e34e.html

電気自動車のほうが効率が段違いにいいと書かれたサイトとは違って、

上のページではCO2排出量換算で比較しています

CO2排出を抑えたいと思うなら、石炭火力の割合無視できない中国電力管内と沖縄ではハイブリッド車を、

そうでないなら電気自動車がよいということです。

そして暖房をたくさん使う地域ではもうちょっと電気自動車が不利になるし

冷房使うなら電気自動車が有利になります

2013-09-19

http://anond.hatelabo.jp/20130919170019

その体感が違うのが問題だ、という話。

俺は基本的に同じアクセルワークなら同じ反応が帰ってこなければ嫌だ、という風に思ってるんだよ。

坂道やらエアコンやら回転数やらでアクセルの反応が違うのは事前に分かる話だけれど、ハイブリッド車挙動に違いが出てからじゃないと違う動きをするということが分からない。

電池の充電具合までみんな把握して事前にアクセルの反応がわかるぜ、という話なら認める。

http://anond.hatelabo.jp/20130919140419

エアコンなんかは自分でオン・オフできるし、エンジンが温まってるかどうかについてはタコメーター見れば把握できる。でもハイブリッド車は静かでEVHVの切り替わったタイミングが分からない。ずっとディスプレイEVランプを見てるわけにもいかん。

車が思うように動かないことに慣れてどうする。怖いだけだろ。

ハイブリッド車について、あまり語られない話

車を買おうと思った。

買うなら最先端マシンハイブリッドがいいと思った。そしてコンパクトカーがいいので、自然選択肢アクアか新しく出るフィットHVに絞られた。

まず行ったトヨタディーラーで、アクア10分ほど試乗した。静かでいい乗り心地で、とても心を惹かれた。

アクアに色々つけて値引きがされて、30万以上の値引きが付き200万ポッキリという見積もりが出た。もうフィットHVを待たずに決めてもいいかと思ったが、少し慎重になりレンタカーアクアを借りて、一日中乗り回してみることにした。

最初は静かな乗り心地にとても満足していた。モーターだけのEV走行と、エンジンも回すHV走行と、切り替わっても全くわからないくらいに静かだ。しかし、しばらく幹線道路を巡航していて気づく。

気がつけば加速していく。アクセルはそのままなのに。

信号後の発進でスピードが出ない。さっきと同じだけ踏み込んだのに。

このチグハグ感はなんだ?

しばらく悩んだが、ディスプレイを見て気がついた。この違和感はあるランプのオンオフ関係していた。EV走行と、HV走行の差だ。

アクアのモーターには意外と力があり、50〜60km/hぐらいの速度を出してもまだEV走行を続けられる。さすがにその状態が長持ちはしないのでHV走行に切り替わるのだが、その時にパワーが出る分踏み込み量をEVモードの時から維持したままだと加速していってしまうのだ。

そして低速だから絶対にEVモードというわけでもない。EVモードHVモードは速度と充電量が関係しあって決まるらしい。つまり、充電量が少ないと発進したばかりの低速時からHVモードの時もある。これが発進時の加速感の違いになっている。

気に入らなかった。とても気に入らなかった。

だが、EV走行とHV走行でアクセルの反応が違うというのはよく考えて見れば当たり前の話だ。だって使ってる動力が違うのだから、同じ反応になるわけがない。それに、エンジンがとても静かだから切り替わったことにすぐに気づかず、それがまたアクセルの反応の違和感を加速している。そこがハイブリッド車独特の乗り味ということで気に入ってる人もいるのだろうが、俺はそうは思わなかった。俺はもっと素直な車がいい。

からハイブリッド車を買うことはすっぱり止めることにした。

これはアクアの特性ではなくハイブリッド車の特性だからフィットHVも同じだろう。そう思って新フィットの発売も待たずにとっとと他のガソリン車に決めてしまった。

しかし俺は不思議に思った。アクセルの反応が毎回違うというのはかなり致命的な欠点だと俺は感じたが、ハイブリッド車レビューなど見ているとその点に言及している人は見ない。みんな鈍感なのか、それとも俺が変なのか。そう思いながら2chの新フィットスレを興味から眺めていると、やっぱりいた。ハイブリッド車に俺と同じ違和感を感じている人がチラホラと。しかし、真に受けてはもらえず工作員扱いしかされていなかった。雑誌などでそうした話がないのは、ハイブリッド車ネガティブなことを書けないからか。

から俺はここで言おう。ハイブリッド車アクセルには癖がある。同じ反応が帰ってこない。つまり、思ったように車を動かせない。そしてそれは危険につながる。THS2もi-DCDも同じだ。

ハイブリッド車を買う前には、その車のEV走行とHV走行の差を十分に検討するべきである

2013-05-29

http://anond.hatelabo.jp/20130529180618

これはどういう意味

プリウスは高速みたいな止まる必要のない道でこそ、最大限の効率を達成するのであって

ハイブリッド車ストップ&ゴーの多い市街地でこそ、最大限の効率を達成するのであって

高速だと余り意味ないよね。止まらないなら重量の分SKYACTIVの方が有利かも。

2013-03-02

eneloopを残すつもりだったPanasonic独占禁止法と国際経済競争

http://anond.hatelabo.jp/20130301155027

このエントリーに触発されて書いてみる。

EVOLTAとeneloopの新型のデザイン変更その反応についてだ。

もと増田氏のエントリでは、技術的な革新性と歴史、と言う切り口で語られたので、経営的、経済的な話からeneloopブランドどうしてこうなったかを考えてみる。

簡単に言うと、独占禁止法関係eneloop生産ライバル社に売却された。現状eneloopライバルから購入されている状態だから、できるだけ早く軟着陸させEVOLTAブランド統合しなければならないと言う事だと思う。

Panasoniceneloopブランドを高く評価している。評価している故に生産と同時に売却され、eneloopシェアが他社に渡り、自社の電池ビジネスが脅かされる可能性を排除する必要もあった。からこう言う事態になっているのだと。

(なお、この記事中の記事引用における強調は、全て引用者によるものである

三洋歴史Panasonicに引き取られるまでおさら

eneloopを生み出した三洋Panasonic合併した。その経緯はおおざっぱに三行にまとめると

と言う事である

Panasonic三洋を引き取るとき

「これから時代、もちろん家電も地味に売っていくけど、電池ですよ電池! 皆さん知ってましたか? 三洋電池太陽電池が強いんです。さら設備向けBtoBビジネスが良いんですよ!安定的に利益を出せます

株主に対して強弁して、株主もそれはだいたい嘘じゃね……と気付いた人はいたようだが、これを名目株主を納得させた。

当時の記事日経ビジネス - 2008年11月13日 パナソニック、痛み覚悟の三洋買収で挽回狙うには

パナソニック三洋買収の狙いは明白だ。三洋が持つ世界シェアトップリチウムイオン電池と、世界7位の太陽電池事業を掌中に収めることだ。大坪社長は「両社の持つ環境エネルギー技術を合わせれば、世界の人々にとって望ましい事業展開ができる」と語り、今後、電機業界の雌雄を決すると言われる「創エネ」の分野で絶大な力を振るう決意を示した。

とある。こうして三洋Panasonicに合流することになった。

特に電池事業では、三洋電池事業とPanasonic電池事業がくっつけば、シェアを大きく取れると言うことが期待された。

しかし…。

独占禁止法の壁と、今後重要基盤産業になる電池日本企業競争力抑制したい他国の意向

eneloopにつかわれているニッケル水素蓄電池は、Panasonic三洋シェアを合わせると世界シェア8割であった。

Panasonicは「既に市場ニッケル水素からリチウムイオンに移行しつつあるし問題ないんじゃね?」と思っていたようで、日本規制当局はその言い分を信じて承認しているのだが、海外審査が進むにつれて、だんだんと雲行きが怪しくなってくる。

パナソニック、三洋子会社化に立ちはだかる米国競争法の“壁” - ダイアモンドオンライン 2009年4月7日では以下の様に伝えられる。

最大の焦点となっているのは、環境対応車に搭載される二次電池の寡占状況である

車載向け二次電池には、ニッケル水素電池リチウムイオン電池があるが、ニッケル水素電池の両社の合計シェアは8割強を占めるので、問題視されている」パナソニック幹部)もようだ。

もっとも、パナソニック三洋連合にも言い分はある。現在は、ニッケル水素電池車載向け二次電池の主流だが、今後は大容量化を期待できるリチウムイオン電池が主流となることが確実であり、両社の統合排他的競争環境を生むものではない、というものだ。

三洋幹部は、審査の停滞について、「厳格に審査されていることは、米自動車ビッグスリーゼネラル・モーターズフォード・モータークライスラー)”の再建問題と無縁ではないだろう」と指摘する。

この頃は米国自動車業界がガタガタであり、世界潮流である環境対応自動車への舵を切らなければならない時期だった。その時に重要部品で巨大シェア企業誕生し、首根っこを押さえられるのは厳しい、というのが米国政府意向であったのだ。

さら中国でも問題になる。

中国の独占禁止法関係に詳しい、名古屋大学教授、 川島富士雄氏のブログ 2009年11月1日付によると

3)3つの電池市場が関連商品市場商務部は第1に、コインリチウム二次電池、第2に、民生用ニッケル水素電池、第3に、自動車ニッケル水素電池を関連商品市場として画定し、それぞれ企業結合後に市場占拠率が61.6%、46.3%、77%に達し、競争上の問題があるとしています。中でも、第1と第2の市場について、結合後、単独価格引き上げ能力中国語原文「単方面提価的能力」)を持つと指摘している点は、公告された決定では初めてであり、注目されます

そして最終的にはこのような結果になる。

5)問題解消措置として日本国内の工場の第三者への売却を条件付け。上記の関連地理市場世界市場とされたことに対応してか、第1のリチウム二次電池については、三洋電機鳥取県岩美町(公告では岩見町とあるが、正しくは岩美町鳥取工場の第三者への売却が、第2の民生用ニッケル水素電池については、三洋電機群馬県高崎市高崎工場の第三者への売却等が(ただし、パナソニック中国江蘇省の無錫工場の売却と選択的条件)、第3の自動車ニッケル水素電池については、パナソニック神奈川県茅ケ崎市湘南工場の第三者への売却に加え、トヨタとの合弁会社パナソニックEVエナジー株式会社)への出資比率引き下げや代表権放棄等が、それぞれ承認の条件とされています中国域外の工場の売却を条件としたのは本件が初めてであり、今後の実務にとっても注目の動向です。

そして、三洋電機の持つ電池工場が、FDKへと売却されることになる。三洋電機,Ni水素2次電池の製造子会社をFDKに売却 - 日経エレクトロニクス 2009年10月28日付によると

三洋電機2009年10月28日,民生機器向けNi水素2次電池の製造事業を約64億円でFDKに売却すると発表した(発表資料)。同社の子会社で,Ni水素2次電池の製造を手掛ける三洋エナジートワイセル株式FDK譲渡する。これは,パナソニック三洋電機への株式公開買い付け(TOB)により,2社合計のNi水素2次電池事業の世界シェアが大きくなり,米国中国競争法当局からTOBの認可が下りないための措置。

譲渡後,三洋電機電池事業としてはLiイオン2次電池ニカド電池ハイブリッド車向けNi水素2次電池が残る。また同社は,民生機器向けNi水素2次電池ブランドエネループ」も引き続き使用する。エネループ向け電池は今後,FDKから購入する格好となる。

こうしてPanasoniceneloopの製造は分離することになった。

当初Panasoniceneloopブランドを残すつもりだった? しかし…。

売却先のFDKとは、富士通の子会社である富士通Panasonicは、言うまでも無く電池事業、その他での競合関係にある。

通常、こういった売却の時にはブランドも一緒に売却されるのが一般的だろう。しかeneloopブランドPanasonicに残った。これはそれだけeneloopブランドが強力であることをPanasonic認識している証拠だと考えられる。

その他に、2011年4月1日のダイアモンドオンラインの特集「【企業特集】パナソニック 電工、三洋を解体・融合・再構築 100周年に向け大坪改革の正念場」には以下の記述がみられる。

次代を担う電池事業はどうか。重複するのは、繰り返し充電して使えるニッケル水素電池三洋エネループ」とパナソニックエボルタ」がメイン。これも、エネループが強いなら、エネループを残せばいい」(大坪社長)と言い切るほどで、圧倒的なシェアを持つエネループが残るだろう。

大坪社長とは、当時のPanasonic社長現在会長大坪文雄氏である。当初は当然のようにこういった観測がなされていた。

しかし、Panasonic独占禁止法の壁により、eneloop工場を売却することとなった。そこで大きく戦略転換を迫られる。

Panasonicはこれ以上ライバルFDKから購入する事を避けたい

ここからは具体的な記事は無い。通常表にでる話では無いので、推測である

FDKニッケル水素蓄電池生産工場移転する際、折衝の中で、当然FDK側はeneloopブランドを同時に譲渡することを求めたと考えられる。しかし、Panasoniceneloopブランド力を手放す事が惜しい。そこで、中間案として、eneloopブランド継続期間の定めと、eneloopブランドで販売するニッケル水素蓄電池は、"すべて"FDK生産するものを使用する、といった買い上げ契約になっているのではないか

これは企業買収ではよくある話である。自社のコア技術を洗練させていく上で事業部を切り離して売却するとき一定の期限や条件を区切るとしても継続して購買を続けると言う契約付きになるのはごく一般的だ。そうでなはいと、売却されたあと従来は社内需要がしめていた部分の需要がごっそり無くなる事になってしまったら、買い手のつかない商品を作るラインを押しつけられることになって誰も購入はしないだろう。

これは一連の動きとも合致する。たとえば従来はeneloopブランドだったスマートフォン用外部バッテリーなどからeneloopブランドは消えている。またeneloopブランドで展開されていた電気カイロ省エネ製品も姿を消した。

今回の、eneloopブランドを目立たなくして、Panasonicを全面にだすデザイン変更とブランド変更は、全量FDKから購入しなければならないeneloopブランドを徐々にPanasonicブランドに移行させたいがための措置だと思われる。

今後電池の性能は上がっていく。しかFDK側は他社ブランドeneloopに最新技術を投入する意味はそれほどない。また、これは外部から見たイメージと、社内の実際の所の見え方の違いだと考えられるが、EVOLTA技術の方が、eneloopより優れているようだ。これは事業部門は売却したが、何らかの方法eneloop開発のコアになった人材Panasonicに残っていると言う事も考えられる。今回はデザインブランドばかりに目が行きがちだが、eneloop側よりも、EVOLTA側の方が強力な技術転換がかかっていることがわかるだろう。

行き着く先

つのパターンが考えられる。

  1. eneloopブランドは徐々にフェードアウト。最終的にはEVOLTAブランドけが残る。
  2. FDKとの契約期間が終了(又は違約金の支払い)で、EVOLTA充電池ブランドが消えてeneloopに完全移行する
  3. FDKeneloopブランドを買う

順番は私が考える可能性順だ。

eneloopブランドフェードアウトはほぼ間違いが無いだろうと思うが、今回のような反応が全体におき、また有力な顧客大手家電量販店から要望などが出てくれば、2番目の可能性も考えられる。この場合eneloopは、LUMIXVIERAPanasonic Beautyと並ぶブランドに位置づけられて、下手をするとPanasonicエネルギーソリューションブランドになり、太陽光パネルシステムまでeneloopを名乗るようになるかも知れない。ただFDK同意するかは不明だし、そこまでの価値eneloopと言うブランドにあるのかと言う事は不明である二次電池市場が今後リチウムイオンになっていく中、ニッケル水素の伸びしろはそれほど大きくないだろうし、電池の主戦場BtoBであることもあって、コンシューマ向けブランドがどれだけ重要か、と言う判断は慎重になされなければならない。

三番目はあり得ないとは言い切れないが、ほぼ無いだろうと思う。これだとPanasoniceneloopブランドを手元に置くことで二次電池市場を手放さなかった意味が無くなるし、二次電池市場を他社に明け渡しても良いほどの対価をFDKが支払えるのならば買収の時に実行されていただろうからだ。今後十分にEVOLTAに移行された後でeneloopブランドFDKに渡る可能性はあるが、正直行って、ニッケル水素電池はこれから大幅に伸びる分野では無いので、そこにコストを賭けるかどうかはわからない。

いろいろと騒がれたが、この戦略はだいたい上手くいくだろう。何故かと言うとPanasonic電池シェアは半分近くを占めていて非常に高く、それらの販売網を使って一気にEVOLTA蓄電池を押し込んでいけば浸透するのは時間の問題だと思われるからだ。充電器の共用化はその布石である。今後、EVOLTA蓄電池はあるのに、eneloopが売っていない、と言うシーンは増えていく。その時にいくらeneloop派でも、同じ充電器での保証がされているEVOLTAが販売されていた場合EVOLTAはだめだかeneloopを探す、と言う行動をとるだろうか? とる人は非常に限られているのではないか。後は、eneloopブランドでなければ売りにくい、と言う販売店側から圧力だが、これは徐々に減っていくものだと思われる。

追記:忘れてはならない事「こんな事情、お客さまには関係無い!

思ったより反応が大きく、感謝申し上げる。

その中で一つだけはっきりさせておきたい事があるので念のため追記させていただく。この話は本質的にはお客さまには関係が無い事であるこれを忘れてはならない。Panasonic関係者はこれを言い訳に使うべきでは無い…いや、Panasonicはこれを言い訳にすることは無いだろう。客に寄り添う事で、時にはマネシタなどとあざけりを受けながらも成長してきた会社なので、これがベストではない事ぐらいは百も承知だろう。その上で、取り得る限られた選択肢の中での判断だったのではないか、というのが要旨である

また、EVOLTAの方を売り払う事でeneloop工場を残すべきだったのでは無いかと言う意見も拝読した。忘れてはならない前提条件として、三洋経営を行き詰まらせたのは、確かに引き金となったのは新潟県中越地震であるが、本質的には市場変化への対応の遅れと、コスト構造からの採算性の悪化であるPanasonicニッケル水素電池生産拠点は海外にある。一方三洋生産拠点は日本国内にあった。(分離されたFDKトワイセルの会社概要にあるように、ニッケル水素電池生産国内に残っているのはこの拠点のみだ)2009年は円が急速に値上がりしはじめ、どこまで円高が進むかという事に各社頭を悩ませていた時期である。最終的に、どちらを売却すべきかと言うのは当時の内部資料を見なければならないだろうが、おそらくこの辺りから三洋工場が売却され、Panasonic工場が残った理由がある。またパナソニック国内電池関連施設は、トヨタとの合弁で作った当時のパナソニックEVエナジーとの関連などもあり、そう簡単に手放せるものではなかった事も推測できる。(ただ、パナソニックEVエナジーも、独占禁止法回避のため、出資比率を引き下げざるをえなかったわけであるが)

この他に、EVOLTA工場で作ったものeneloopを付けて売ればよかったのでは無いか、と言う指摘も頂戴した。ただしこれでは、おそらくFDKに売却するときに交わされたであろう生産に関する契約と、独占禁止法上に引っかからないために競争相手を作るという目的が達成できないので不可能であった。

追記の2

上記追記でも伝えきれなかった部分がある様なので再び追記させていただく。

この文章は、このような事情があるからデザインが悪いと批判をした人々は軽率だ、等と非難をするものではない。

あくまでも、そのような批判が出る事は承知の上で(お客さまの不満が出ることは分かっていて)、取りうる選択肢はこれしか無かったのではないかと言う分析を重ねたものである事を承知して欲しい。

2011-10-30

つらつらと、日本自動車産業の置かれた状況について考えてみた。

自動車産業が抱える問題って、現在の日本の置かれた状況を象徴するものだよなぁ、と思い、少し掘り下げて考えてみた。「推測」と書いたのは、バックデータ・統計資料にわざわざ時間をかけてあたる暇はないので、状況証拠だけで考えていくということだ。暇な人、もしくは自動車産業関係者のマーケターの方、もしくはマクロ経済の専門家様、データを元にこの推測、といいますか仮説を検証してみてくださいませ。

若者の嗜好が変われば万事解決、なのか

自動車の国内市場規模は縮小の一途。特に若者がクルマに興味を持ってくれない。」というのが、業界的に広く共有された悩みのよう。その典型的な事象の捉え方が痛いニュースのこの記事。

痛いニュース(ノ∀`) : “若者、車離れ” 日本国内で車売れない…トヨタ、本気でアイデア募集 - ライブドアブログ

この2ちゃんねるまとめブログで、板の題材として選ばれている記事がこれ。

国内で車売れない危機打開策 トヨタ本気でアイデア募集 (1/2) : J-CASTニュース

ま、痛いニュースJ-CASTなので、、、、、でも、こういうメディアって、一般的な状況の捉えられ方やルサンチマン的なストレスを推し量るには本当に都合がいい。でもJ-CASTの元記事にはファクトデータも載っている。ちょっと引用してみると、

国内での販売は2年連続の減少だ。ダイハツ工業日野自動車を含めたトヨタグループ販売は前期比同4%減の227万台と、米国販売との差が広がる一方だ。国内市場全体の落ち込みより減少幅が小さかったため、トヨタシェア軽自動車除く)は過去最高の45.8%まで上昇したが、トヨタ車単独で11万台の減では、シェア上昇も手離しで喜べない。

国内の自動車需要(全需)は、2006年度の軽を除いた日本国内の新車販売は前年度比8.3%減の358万台と、29年ぶりの低水準だ。登録車市場の低迷の原因としては、経済性や実用性を求めて軽自動車に人気が移っている影響とされてきた。しかし、軽を加えても同4.1%減の561万台であり、国内市場全体が収縮していることが鮮明になっている。

要は、

ってこと。ちなみにこの元記事は1997年という4年前のもの。

で、その対策として当時のトヨタは、

トヨタは06年末に社内横断的なチームを立ち上げ、国内低迷脱却のアイデアを懸命に探り始めた。

対策チームは、自動車という商品の枠内だけで解答は出さず、地域や社会全体の問題の中で消費を喚起する自動車を改めて模索している。携帯電話などの情報関連の支出が増えた若者の「車離れ」や、少子化による若年人口の減少による市場構造の変化を深刻に受け止め、車が売れなくなった構造要因に真剣に目を向けざるを得ない。地域ごとの特性や家庭の年代構成、消費者の行動なども踏まえて自動車市場全体を抜本的に洗い直そうというものだ。

少子化対策は政府でも有効策を打ち出せていない難題中の難問だ。それでも、トヨタ渡辺捷昭社長は「国内市場を活性化するためには、何よりも市場創造型のいい商品を投入することだ。地域の活性化を含めて、いろんな手を打っていきたい」と、社内チームの試みに大きな期待を寄せている。

というわけで、「国内市場をどうにか活性化させるための手を打ちたいと考え、具体的なアクションを起こしている」というメッセージを打ち出したわけですね。

それに対して2ちゃんねる側の反応はだいたい2分されていて、

  • 魅力のあるクルマを作らないメーカーが悪い (元記事がトヨタを取り上げているので、トヨタが槍玉にあがっているけれど、だからといって、他社のを褒めているわけじゃないから、国内メーカー全体に対して同じように思っているのだろう。海外メーカーはout of 眼中なのかな?)
  • トヨタを含む大企業が賃金を抑制するから、われわれは車を買う金を持っていない。そりゃ売れるわけ無いだろう!

となっている。

で、このあと2010年になってどうなったかというと、、、、市場動向、トヨタの対応、そしてネット民wの反応がツンダオワタ情報にまとめられている。(本当は産経新聞の元記事URLを引きたかったのだが、既に削除済み。というわけで、元記事の存在証明はないところはご容赦を。(だから、論文とかでは、データとしては使えないなぁ、、、増田で使うのが精一杯。)

豊田社長「マスコミは若者の車離れと言うが、離れているのは私達メーカーではないのか」 - ツンダオワタ情報

まずはトヨタがどのような手を売ったのかというと、、

トヨタは今年1月に「スポーツ車両統括部」を立ち上げ、スポーツカーの企画や開発に関する最終権限を経営陣から現場に移譲。スポーツカーの復活とともに、走る楽しみを演出する複数の

 プロジェクトが始動している。足回りの良さにこだわった特別仕様車を相次ぎ発売。4人乗りで世界最小の「iQ」6速MT搭載限定車は予約開始から1週間で完売。

9月3日。強い日差しの下、静岡県小山町富士スピードウェイで、1台のスポーツカーが強烈なエンジン音を響かせていた。12月から世界限定500台で販売が予定されている高級

 スポーツカーレクサスLFA」(価格3750万円)。報道関係者らを対象にした試乗会が行われていた。LFAの最高時速は325キロだが、この日は1周4.5キロのコースを約2分で駆け抜けた。「ハンドルを握ったときにドキドキ、ワクワクするクルマをつくりたい」自らレースにも参戦する豊田社長は常にこう言い続けてきた。

つまり、

のようにスポーツカーに活路を見出そうとしているよう。

でも、その結果は、、、、「文中の」ファクトデータを洗ってみると、、

クルマが売れない。昨年の国内新車販売台数は約460万台と、ピーク時(平成2年)の6割程度にまで縮小している。景気低迷が一因だが、一般的には若者のクルマ離れが最大の理由とされている。調査によると、大学生の「興味ある製品」でクルマは17位(20年度)と、40~50歳代が大学生だった当時の7位から大きく後退している。

要は、

  • 市場の縮小は継続している
  • 大学生の間で車に対する興味は薄れている

ということ。ただし、MTのiQは限定台数を売り尽くしたし、Wikipediaの記述を見るかぎり、LFXもきちんと台数は捌けているよう。要は、「作ったクルマはちゃんと売れたけど、市場全体の構造を変えるまでに至っていない」ってことですね。それに対するネット民wの反応は、1997年痛いニュースから、全く変わっていないというのも面白いところだ。

結局のところ、市場の縮小は人口減少トレンド下では不可避。でも、せめて若年層にクルマを運転する楽しみを知ってもらい、高付加価値のクルマを継続して買ってもらえるようにすることで、市場構造の問題を少しでも緩和したい、っていうところだと思われます。少なくとも、ここまでに取り上げた情報ソースからすると、、、、ですが。

クルマがすきな若者は本当にいなくなったのか?

まず、「若者」という括りに対してツッコミがあるというのは、甘んじて受け入れよう。というか、全面的に納得せざるを得ない。で、話を単純化するために、母集団を「大学生」という括りに絞ってみることにする。大学進学率が上昇し、それによって「大学生」という母集団の性質が変化したという点については、「なぜ大学進学率が50%を超えたのか? -大学進学人口と大学数との関連-」という小樽商科大学の学報掲載記事をご覧いただければ一目瞭然。(ああ、やっと真っ当なデータリソースを挙げることができた、、、ホッ。)

であれば、「大学生」よりも、より限定した形で母集団を設定しなければ、まともな時系列比較ができない、ということになる。でも、そんな統計はまともに存在しないだろうなぁ、、、、ということで、ここからは、私の実感という超主観的な状況証拠を絡めてで話を進めたい。私は30代半ばで、某都心から50kmくらいにある某大学を職場とする人間だ。で、自分の周りがみんな全くクルマに興味がないかというと、そんなことはない。R32スカイラインをシートを始めとしてひたすら改造しながら乗っている先輩、フランスオープンカーに乗る後輩、馬鹿でかいアメリカ製SUVで駅まで送ってくれた後輩、、、、普通にいる。しかし、キャンパスの周りが整備され、駐車場の確保が難しくなったなどの事情もあるのだろうが、昔はその存在を確認できた30万円で買った中古車で大学に通い、金はなくともバス/電車という公共交通機関の利用を忌避するタイプの層は、ほとんど見ることができない。つまり、エンスー、とまではいわないかもいれないが、クルマに対しそれなりのお金を費やししている層は昔も今も、少数ながら存在していて、がんばってクルマに乗ろうという層がいなくなったということになるだろう。

無理してクルマに乗る、というインセンティブは下がっている?

30万円の中古車というと、当時の車種で具体的に言えば、10年オチのファミリアハッチバックとか、カローラⅡとかですな。当然乗り心地は良くないし、内装はパットしないし、、、でも、なぜわざわざそんなクルマを乗り回していたかというと、一番大きな理由は「クルマが無ければ不便だった」ということではないかと思うのですよ。この15年ほどで、私鉄や地下鉄の延長、新規路線開業は相次いだし、JRも湘南新宿ラインなどの直通電車をバンバン投入した。職場近辺は、15年ほど前までは、各駅停車しか止まらない私鉄の駅までバスで15分。都心に行くには2時間じゃ利かないという状況だった。かつ周囲には自動車工場と関連施設、更には清掃工場とかしかない、街だったわけで、、、、そりゃ、がんばってバイトして、クルマ買うよなぁ。逆に言えば、今となっては、無理してバイトしなきゃ手に入らないならクルマなんて買わずに、大学が斡旋してくれるUQ Wimaxルータでも買って、電車の中で課題をこなしている方がよっぽど効率的だ。

これと同じ状況が広く各大学で生じている。また、首都圏関西圏のいたる大学で、文系を中心に、バブル期に都心から30〜50km圏に新たに取得した土地に移転させた学部を、都心部の本部キャンパスに戻すというプロジェクトが進められている。というわけで、大学生の多くがクルマに乗らなくなるのは必然、というべき状況なのだ。

Fun to Driveを実感できる層とは

"Fun to Drive"というのは80年代〜90年代(だったかな?)にトヨタが掲げていたコーポレートスローガン、というかキャッチコピー。今あらためて読んでみると、いいキャッチコピーだなぁと。クルマを運転するのはやっぱり楽しいと思う。車高の低い、重心の位置が決まっているクルマって、運転技術が下手な人間でも、走らせるとむちゃくちゃ楽しい。(助手席に乗る人はたまったものじゃないわけだけれど、、、)研究者の職場というのは、普通のホワイトカラーと比べて圧倒的に交通の不便な場所に設置されていることが多い。大学しかり、企業や行政立の研究所しかり。将来的にそういった職場で、ある程度の期間働くことになったとしても、個人的にはクルマで通勤するのはできるだけ避けたいと思う。だって、遅刻の心配しながら朝必死に高速を飛ばしたり、長時間デスクワークした疲れた体で夜道を長時間かけて走って帰宅なんてしたくないじゃあないですか。しかも、クルマに乗っている限り、酒が飲めないというオチまでついてくる。正直、Fun to Driveを実感するきっかけが、自分に巡ってくる機会なんてめったにない。

タイトな仕事に従事する層が通勤でFun to Driveを感じるというのはかなり厳しい。逆に言えば、サボってもいい授業を沢山履修していたり、帰り道にドライブデートする機会が多い学生というのは、Fun to Driveを感じるのにものすごく最適化された生活をしているのだろう。もちろん、クルマで通うことが正当化されるような大学に通っている場合に限るわけだけれど、、、、

それ以外では、「もともと自宅に乗っていて楽しいタイプのクルマがあって」「工場勤務で工場隣接の寮に住んでいるから平日は閉じ込められている。近所にろくに店もないから、週末はクルマで遠出するのが趣味。店がないということは、そもそも他にお金の使い道もないし、、、」という人くらいなのではないかと思いますよ。

クルマ文化先進国?ヨーロッパの状況

まあそれでも、ものづくりニッポンの文化として、モータリゼーションは浸透し続けるべきだし、それは可能だとおっしゃる向きもあるだろう。であれば、自動車文化先進国といわれるヨーロッパの状況を見てみたい。

ヨーロッパに行くと、日本ではあまりお目にかかれないブランドのクルマをよく見かける。SKODA、SEAT、そして90年代には多少日本にも乗っている人がいたけれど、、、的なOPEL、LANCIAなどもまだまだ現役だ。注目したいのはSKODAとSEAT。この2つのブランドはAudi同様VOLKS WAGENの一ブランドなのである。SKODAはもともとチェコ、SEATはスペインメーカー。それぞれVWによって買収され、現在は中〜低価格帯のラインナップを担っている。逆にVWの高級ラインがAudi。VWは、ヨーロッパで最も販売台数が多い自動車メーカーだ。ACEA - European Automobile Manufacturers' Associationの、Year 2011 by manufacturer and by vehicle category (Enlarged Europe) <※注1:エクセルファイルへのリンクです, 注2:1月〜8月までの数値>によると、メーカーとしてのシェアは23.2%。で、問題は23.2%の内訳だ。VWブランドは全体の12.3%。高級ラインのAudiは全体の5.0%、SEATが2.3%、SKODAが3.6%である。VWはフェートンやトゥアレグなどの高級車(というか、実質中身はAudi A8・Q7ね、、、)はあれど、代数的にはごく一部だろうから、23.2%のうち、15%くらいはBセグメント以下の中小型車と推測できる。そしてVWグループ低価格帯のクルマにスポーツカーは極少数だし、Golfにしても他の車種にしても、ホットバージョンのグレードは売上のほんの少しだろう。

一方、スポーツブランドエンスーな人御用達ブランドはというと、、、ALFA ROMEOで1.0%、PORSCHEで0.3%。ボンドカーASTON MARTINもヨーロッパでは8ヶ月間で1,664台(0.0180630955651735%)しか売れていない。(これだけ売れれば十分か、、、?)ちなみにみんな大好きフェラーリは、FIATグループの中でもその他扱いされていて、数値が出されていない。っていうか、その程度のもの。ヨーロッパ階級社会が未だに色濃く残る社会なので、先祖代々馬車に乗っているような人たちが、相変わらず週末の嗜みとしてポルシェフェラーリ、はたまたブガッティランボルギーニなどのカロッツェリアリリースする少数生産の高級車に乗っているのだろう。ということは、ですよ。日本においてエンスー車のみをひたすら取り上げていたCar GraphicやNaviのような雑誌がそこそこ売れ、地方自治体立の図書館に配架され、なおかつテレビ朝日系で番組まであったというのは、どう考えてもおかしい事態、なわけですね。

じゃあ、アメリカはどうなんだ

というと、やっぱり車の運転が「好き」っていう人はそんなにいるように思えない。バック・トゥ・ザ・フューチャーの時代から、若者の憧れはSUVだったし、トヨタアメリカの若年層を攻略するために導入したサイオンだって、ラインナップはxB(日本名Bb)、xD(日本名ist)だし。アメリカ市場といえば、、、のホンダの戦略車種だって、ELEMENTやCR-VにMDX。ようは、SUVをカリフォルニアサーフカルチャーに振るか、ニューヨークヒップホップカルチャーに振るか、はたまた高級志向に走るかしか、手はなかったわけで、、、、

経済成長期にみられる特殊現象

経済成長期というのは、来年は今年よりも所得が増える人が沢山いるという状態のことだ。経済的に余裕が出来てくると、多くの人間が考えるのは生活の質的向上を図ろうというものだ。その結果、未知の様々な趣味にお金と時間を突っ込んで見ることとなる(これ、現在の中国沿海部がちょうどそういう状態)。そういった状況下で、日本のメーカーレビントレノ、MR-2、CR-X、ユーノスロードスター、FTOなど低価格でかなり走りが楽しめるスポーツカーを量産してしまうことに成功してしまう。ミドシップのツーシーターが200万円台前半とか、V−Tecエンジンを積んだ2ドアホットハッチが100万円台、車の歴史から見たら、おかしいだろう!ということですよ。更にホンダビートダイハツカプチーノ、極めつけはマツダAutozam AZ-1軽自動車なのに、ミドシップガルウィング。とんでもなさすぎる、、、、

で、いろいろ手を出してみるものの、そこそこ収入が安定する頃には、自分の趣味や可処分所得に見合った趣味だけに落ち着いていく。ま、もともとクルマで女の子にもてようと思えば、そこそこの外車や国産車でもレクサスになるだろう。中途半端に月3万円のローンとほぼ同額の維持費をクルマに突っ込むくらいなら、3万円を衣服費に使い、残り3万円でデートに誘う店のグレードを上げた方がよっぽどモテるだろう。結局日本という市場は、相も変わらず500万円オーバーのクルマを買い続けてくれる一部の層と、下駄として使うための安くて丈夫なクルマを選ぶ層(しかも、子育て期限定でワンボックスを買う層も多いと見た、っていうか00年代前半は、2シーター乗っていた人が、パパになってSTEPWGNやセレナに乗り換えを余儀なくされるというパターンが本当に多かったのですよ)と、クルマなんてそもそもいらないっていう多くの層によって形成されることとなる。下駄クルマは利益率は低いし、韓国・中国勢がブランド力を向上させていけば、取って代わられる事態も当然ありうる(それを日本にやられた先例がアメリカだ)。国内市場で利益をあげ続けようと思うならば、高級車のシェアを取りに行くしかない。そういう意味でトヨタはLexusを止める訳にはいかないし、他社は実質国内市場はあきらめかけているんじゃない、、、としか思えない。高級車ラインを展開できなければ、日本は欧州・アジア向けモデルを導入するone of themの市場という前提で戦略を立てざるを得ない(実際、日産、ホンダマツダなんかはまさしくこの戦略をとってる。マーチが全量アジアからの輸入になるなんてね、、、、)。

なぜダイハツは第三のエコカーのCMに瑛太を起用するのか?

で、以下のURLから1本のテレビCMをご覧頂きたい。トヨタグループの一員であるダイハツの企業CMだ。

テレビCM 企業CM「日本のどこかで 新しい町」篇【ダイハツ】

このCMの読み解きは、あくまでも僕の憶測にしか過ぎないのであしからず

都会でクリエイティブ(たぶん美容師とか、ショップ店員とかかな?)な仕事をしていた瑛太が、突如田舎にIターンUターン、じゃないだろうなぁ、、、)して、ガテン系(工務店)の仕事を始める。そこで、これまで乗っていたアメ車のシボレー・カマロを第三のエコカーであるダイハツの軽(ミラ・イース)に変える。生活の変化と平行して、地元の郵便局員である吹石一恵との関係が始まり、、、、というストーリーなわけだけど、設定の1つ1つに企業戦略として重要な意味合いが込められていると思うのだ。(あくまでも推測だけど、、、)

都心にはダイハツが売り込む市場など、商用車以外に大して存在しない(それでも、乳幼児を抱えるお母さんが、電車に乗れなくなったから必要に迫られて車を買うというケースは結構ある(タントのCMを参照。それにしてもダイハツのCMは、意図がすっきりはっきりして清々しいほど。マーケ的お手本ですね。)。だから、当然第一次・第二次産業(の生産部門)が経済の中心であるエリア、もっとわかりやすく言い換えると、でっかいイオンモールが唯一のデートコースという地域が、ダイハツ(とかスズキとか)の主戦場となる。

そういったエリアは、都心とは異なる理由で市場の縮小が進んでいる。まずもって、人口減少トレンドがものすごく強いということ。都心の場合出生率は下がっても、人口流入が大きいので若年層人口の減少トレンドはかなり緩和されている(というか、江東区とか、横浜市なんかは、保育園入園の待機児童問題がぜんぜん解決されないままで、、、、)。でも、地方は加速度がついて若年人口が減っているというのがまず前提となる。

その上に自動車市場を冷やす意外な要因というのが、実はイオンモールの進出ではないのかな、と個人的には睨んでいる。こう書くと、「イオンモールこそが、駅前商店街衰退の最大の要因で、だからみんなクルマを保有せざるをえないのじゃないか」というツッコミがきそうだが、たぶん逆じゃないかな、と。地方の駅前商店街なんて、もともと若年層が楽しめる娯楽や、ファッションを提供する機能を持っていなかった。だから、暇な若者に出来る時間つぶしって、女の子を誘ってドライブくらいしかなかったわけだ。例えば、90年代にものすごく売れたホンダ・S-MX は、フルフラットシートにできるだけでなく、ご丁寧にティッシュボックスまで備え付けてある。わかりやすくニーズのど真ん中をついていたわけだ。

それが、イオンモールができることで状況は一変する。シネコンタイトーとかセガとかの大規模ゲーセンやROUND1で時間は潰せるし、服を買うのも、ワールドイトキンオンワードといったアパレル大手のちょっと低価格ラインのショップレディースならば宮崎あおいがCMしてるEarth music & ecologyとか、OZOC、Melroseとか。メンズならTK Takeo Kikuchiとか。ユニセックスチャイルドで、UNIQLOに満足しない層のために、GAPとか、無印とか、COMME CA ISMとかも入っている。ABCマートがあれば、靴も含めてそんなにダサくない、というか都心で売っているものと遜色のないものが揃ってしまう。そりゃ、裏原宿テイストは無理だけど、池袋マルイサンシャインシティくらいのレベルは買えてしまう。片道30分でイオンモールにつけるのであれば、その短い時間にお金をかけるよりも、一日中過ごすイオンモールの中でお金を使ったほうが楽しいわけだ。つまり、人口が少ないだけでなく、残っている若者にもクルマに必要以上にお金をつぎ込むインセンティブがもはや存在しないということだ。

じゃあ、粛々とシュリンクする市場規模に対応するだけの資源投下をすべきか、、、というとそうは問屋がおろさない。それができない要因、それは地方に数多く存在する独立資本の販売店フランチャイジーだ。バブル崩壊後、自動車メーカーはそれぞれ、ドラスティックに販売網ネットワークを整理した。今となっては複数の販売チャネルを運営しているのは、実質的にはトヨタだけになってしまった。ただし、トヨタ・日産・三菱といったメーカーの場合、販社は一部自らが出資している法人が大半であり、スムーズに(とはいかないまでも、どうにか)店舗網の縮小、合併を進めることができた。ところが、ダイハツスズキスバルホンダ(の旧プリモ店)は、三丁目の夕日に出てくるような個人経営の自動車整備業にフランチャイジーとして販売を委託するという形態の店舗を数多く抱える。販売店網が密だということは、アフターサービスメンテナンスの質を向上させることにつながる。アフターサービスメンテナンスはアフターマーケットという業界用語があるくらい、利益率の高い市場なので、各社力を入れているわけだが、サービス水準を高めるためには、各店舗の士気が高められていることが重要だ。

販社としては、生涯価値の高い顧客、つまり長くお金を落とし続けてくれる顧客を捕まえたいというニーズを持っている。となると、地方にやってきた若年層というのが、一番欲しい顧客のプロファイルとなる。地方にやってきて、工務店という地域密着な仕事をし、地元の(たぶん)特定郵便局の職員とつきあって結婚して、、、というのは、まさしく地方の販売店にとって喉から手が出るほど欲しい顧客像だといえるだろう。こういう層に向けて、ストレートに刺さるCM、というのは、ミラ・イースの本当の想定顧客かどうかは関係ない。(実際、イースの車種CMは、ブルース・ウィリスを起用してダジャレを言わせているわけだから、瑛太のようなプロフィール、ではないことは明白。)「企業CM」して瑛太と吹石一恵が出演するCMを放映するということは、メッセージターゲットは販売店フランチャイジーなのではないかな、と。

長かったけど、結論。車好きの数は基本的には一定比率。高度成長期バブルが異常だっただけ。

小見出しで結論は言い切っちゃいましたが、基本はこれ。自動車メーカーボードメンバーや車種開発部門は既にわかっていてやっているはず。じゃなきゃ、瑛太が乗るクルマはミラ・イースにならないし、マツダスカイアクティブテクノロジ搭載車やホンダハイブリッド車に国内独自モデルが1つもない、なんて事にもならないはず。

ところが、販売部門、とくに販社といっしょにプロモーション計画を取りまとめる部門は、国内は縮小均衡で粛々とやっていく、なんてことは口が裂けても言えないはず。なので、国内販社向けマーケティング担当者が考えるべきは、シュリンクする市場環境下で、世界共通モデルをいかに低コストローカライズして、他者のシェアを奪うのか、しかないのが現状なのだと思いますよ。正直、ね。

2011-03-25

原子力賛成派の原子力廃止論

日本原子力廃止することが可能である検討

可能であると結論しました

原子力利用には賛成

・CO2地球温暖化には懐疑的

・私は新エネルギーについても懐疑的

と言う立場ですので割り引いて読んでください

なお私は機械エンジニアでありますエネルギー問題そのものについては素人です。一緒に考えていただければと思います。

資源エネルギー庁(白書2010)」

http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2010energyhtml/index.html

を見てみましょう。

2008年データによると

発電電力量は9915億kWhでそのうちの2581億kWhが原子力です

原子力設備容量は4279億kWhですので60%の原子炉が稼働していることになります

これは特に2008年は稼働していない原子炉が多かったからで、2009年は65%が稼働しています。

よって良く引き合いに出される電力の30%は原子力という数字あんがい流動的なことがわかります

この30%を化石燃料に置き換えるには化石燃料が現状より40%多く必要になります

これをもって原子力廃止することはあまり現実的では無いとされてきました

ところで、電気以外のエネルギー消費にも目を向けてみますと、車のガソリンを始め非常に多くのエネルギーを消費していることがわかり、そのほとんどは化石燃料です

エネルギー全体でみると

化石燃料83.4%

原子力10.4%

となります

となると原子力10.4%を火力10.4%に置き換えるには化石燃料が現状より12%多く必要になります

もしくはたんに10%消費エネルギーを削減、するだけでも十分です

これはさほど無理な数字はないと考えられます

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石油と国際動向

石油依存は、リスクであるとよく言われます

日本世界最高峰省エネ技術を持っているので、原油の枯渇はむしろ日本に有利に働くのでは無いのでしょうか。

自力で石油生産できる米露はともかく、中印は石油資源を有しておらず。エネルギー効率の悪い彼らと競争関係にある日本にとっては原油が高くなれば高くなるほど有利です

また、新しい油田がどんどん開発され石油無機成因説が徐々に信憑性を持ち始めているので、本当に油田が枯渇することは向こう100年では無さそうな見込みであります。CO2による地球温暖化も当初言われていたよりははるかに影響が少ないことが多数説になりつつありますので、こちらも実のところあまり気にしなくて良さそうです

ただ、石油確保に関してはアラ石の権限を失ったり、イランとのパイプを切られたりと日本失策続きで悲観的です。ここは軍事力の拡大を含めて国際的な存在感を増す必要があると思います。とは言え、国際覇権ネタ脱線しますのでこの程度にしておきます

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エネルギーについて

白書によると新エネルギーの発電設備は53万kWで全体の0.2%です

そのうちの多くは太陽光発電であるかと思います。ここでJPEA(http://www.jpea.gr.jp/04doc01.html)の資料を見ると太陽光発電パネル国内出荷は2009年単年で62万kWとあり白書と矛盾します。ベストエフォートと推定実効値の差であると推察されます

太陽光発電は夏の電力需要のピークに最大出力を出すのは大きな利点です課題価格設備投資に安くても50万円/kWh(新築時に導入)もします。

実用レベルの22円/kWhはどうにかぎりぎり達成していますが、これは色々な付随するコストの無視や20年という非現実的な償却期間を元にしていますので実体としての数字は未知数です。また価格もこの5年間は下げ止まっている(http://www.solar.nef.or.jp/josei/kakakusuii.htm 及び現在の平均価格60万円/kWhより)ので、むこう10年で日本電気需要の5%以上を占めるには何らかの価格破壊が必要です

なお、太陽光の利用は太陽光給湯がエネルギー変換効率約60%と太陽光発電20%と3倍であり、こちらは積極的に進めるべきであると考えられます

個人的にはいわゆる藻油などの水生系バイオマスセルロースバイオマス(藁など)に大いに期待しています。これを石炭火力発電に利用するのは比較現実的だと思います。

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省エネについて、

製造業

再び白書を見ます製造業エネルギー消費は1973年以降むしろ減っていることがわかります製造業はすでに相当に効率化されているのでさらなるエネルギーの削減は簡単では無さそうですが、単に工場国外移転で今後もじわじわ減っていくものと思われます

・運輸

運輸部門の消費は2002年をピークに減少をしています。不況ハイブリッド車の普及、ダウンサイジングによるものと思われます。このトレンドはしばらく続くでしょう。

詳しく見ますと貨物部門が1996年をピークを迎えたのに対して、旅客部門は2001年がピークです。なお、国内国内自動車販売数は1990年がピークですが保有台数はその後も上がり続け2004年にようやく以降横ばいになります。車は2004年に必要な国民に行き渡りそれ以降は買い換えの需要しか無いとも考えられます

技術的に燃費ロープレッシャーターボアイドリングストップの前者への導入などまだまだ改善の余地が有り、さらにはダウンサイジングで大きく燃費は削減できるので一回の買い換えサイクルの7年程度でさらに10%削減は大いに可能でしょう。

なお電気自動車(によるCO2削減)は原子力による無尽蔵のエネルギー供給を前提にしていますので諦めることになるでしょう。

・民生

民生部門の消費は2005年をピークに減少傾向にありますが、家庭業務の双方を含み判断が難しいです。近年では電力消費はOA機器エアコンが大きなウェイトを占めていると白書は分析されています。

ただ数字を見ると家庭業務の双方で冷房は2.1%,12%と非常に小さい数字であることがわかる一方で暖房給湯が半分を占めています。また特に業務部門ではOAの消費電力が大きく、PCサーバの消費電力がバカにならないことがわかります。つまりウォームビズで大きく消費エネルギーは削減できます。ただしこの数字は試算であるので正確性に欠けるおそれが大きいです。

IT業界2008年(ATOMの発売)頃からパフォーマンス競争は一段落し、iPad以降は特に小型低消費電力の流れが強くなっているので今後も電力消費は減る方向に向かうものと思われます

なおITについてはサーバ海外に置くことによって実質的に電力の輸入が行えると附しておきます

冷房について補足

冷房の消費エネルギーはせいぜい国内エネルギー消費の3%ではあるのだが、よく取りざたされるのは夏場の昼にのみ発生するからです

これにより、7月ピークは11月の1.5倍電力を消費するなどと言われています。

「1年間の電気の使われ方の推移」

http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/sw_index_06/index.html

「最大電力発生日における1日の電気の使われ方の推移」

http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/sw_index_05/index.html

しかし、色々調べてみましたクールビズが定着した2005年以降の資料が見つかりませんでした。また夏場のピーク時にも電力を大きく消費するオール電化住宅2008年以降急速に普及している事実があります

これから推察される事実は夏場の電力不足は(今年はともかく)既に解決しているのでは無いのかということです

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オチ

人口推移

どちらにしろ、日本人口は減少トレンドに入りましたので、これ以降はなにもしなくても必要なエネルギーは減る一方です

↓によると日本人口20年後には1割減ることになっていますのでその頃には無理なく原子力とおさらばできるでしょう。

「総人口の推移」

http://www.stat.go.jp/data/nihon/g0302.htm

つまりどんなに省エネが下手でも20年後には原子力日本には不要になっています。

2011-03-22

福島原発は施設を更新していれば大丈夫だったという主張の会計的矛盾

福島原発は施設を更新していれば大丈夫だった」と主張する人たちがいる。しかhttp://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51657414.html 経由で http://www.nuketext.org/yasui_cost.html を読んで、その主張には本人たちが気づいていないだろう矛盾があることがわかった。「福島原発は施設を更新していれば大丈夫だった」という主張は原発を支持する根拠をなくしてしまうのだ。このことを理解するためには、減価償却という会計上の仕組みから考えるとわかりやすいのではないかと思う。減価償却とは辞書的にいえば資産の取得にかかった費用をその資産を使用する期間に配分することである。例えば個人でタクシー業を営むケースで考える。タクシー業を営む場合、車が必要である開業1年目に100万円で車を購入し、売上1000万円を達成し、燃料費等の費用が500万円がかかったとしよう。この場合1年目の利益はいくらと計算すべきだろうか?会計になじみのない人は

1000万円 - 500万円 - 100万円 = 400万円

と考えるかもしれない。しかし現代の会計ではこう考えない。なぜなら車は1年より長く使うことができるからだ。仮にこの車が4年利用でき、2年目、3年目、4年目も同じ売上と費用だったとする。はじめの計算方法では2, 3, 4年目の利益

1000万円 - 500万円 = 500万円

となり、車を利用するための費用が計上されなくなってしまう。現代の会計ではこれはよくないと考え、車の利用という事実利益に反映させるために車の取得にかかった費用を使用期間中に計上する方法がとられている。これが減価償却である。この場合車の取得にかかった100万円を4年間で均等に費用に計上したりすることが考えられる。この方法の場合利益は各年

1000万円 - 500万円 - 100万円 / 4 = 475万円

となる。さてここからが本題である減価償却という制度資産の取得にかかった費用をその使用期間にわたって計上する方法である。その構造上、使用期間が長いほど各期間に計上される費用は減少する。例えば先ほどのタクシー業でいえば、仮に使用期間を10年に設定すれば各期間の利益

1000万円 - 500万円 - 100万円 / 10 = 475万円

より、490万円となり、やっていることが変わらないのに利益計算上増えることになる。使用期間を長くすると各期間に計上される計算上の費用が減るのだ。これを利用したのが原発推進派であるhttp://www.nuketext.org/yasui_cost.html によれば、原子力発電の発電コストがほかよりも低くなる使用期間は40年である。使用期間を15年ぐらいにするとLNG火力発電等に負けてしまう。なぜこうしたことが起きるのかというと原子力発電は施設の投資に莫大な費用がかかるからである。そのため使用期間を長くすることによる計算上の利益が他の発電より大きい。http://www.nuketext.org/yasui_cost.html によれば原子力発電は初期投資が高いが、燃料費等が低い発電方法である。さきほどのタクシー業でいえば、原子力発電は高いハイブリッド車を買う代わりに燃料費等が少なくなる場合と例えることができるだろう。ハイブリッド車の購入に350万円かかるかわりに、燃料費等は450万円になるとしよう。仮に車の使用期間を4年としよう。普通の車を買う場合(他の発電方法)とハイブリッド車を買う場合原子力発電)の利益計算する。

普通の車):1000万円 - 500万円 - 100万円 / 4 = 475万円
(ハイブリッド車):1000万円 - 450万円 - 350万円 / 4 = 462.5万円

このように使用期間が4年だと普通の車の方が利益が高くなる。しかし使用期間を10年とすると次のようになる。

普通の車):1000万円 - 500万円 - 100万円 / 10 = 490万円
(ハイブリッド車):1000万円 - 450万円 - 350万円 / 10 = 515万円

このように使用期間が10年だと逆にハイブリッド車の方が利益が高くなってしまう。このようなことが起こるのは使用期間を長くすることによる費用の減少がハイブリッド車の方が大きいかである原発推進派はこれと似たようなことをやるため、原子力発電に必要な施設の使用期間を長く設定し原子力発電による発電コストは最も小さいとした。従って発電コストの観点から原発を支持するためには使用期間を40年と長く設定することが必要なのである。使用期間が15年程度であればLNG火力発電等の方が発電コストが低く、原発を支持する根拠がなくなる。「福島原発は施設を更新していれば大丈夫だった」という主張は一見原発を支持する主張であるしかし「施設を更新する」ということは使用期間を短くすることを意味するので、原発を支持する根拠をなくしてしまう主張でもあるのだ。このように「福島原発は施設を更新していれば大丈夫だった」という主張は矛盾しているのである

なお減価償却というと「使用期間ではなく耐用年数である」とツッコミを受けそうだが、個人的に会計を知らない人に説明するときは使用期間の方がよいと思っているので使用期間という言葉を利用しているとあらかじめいっておく。耐用年数だと利用する期間ではなく利用できる期間というニュアンスがあるうえ、法定耐用年数を意味する場合もあるので、減価償却を説明するときにはあまりふさわしくないと個人的には考えている。

2010-09-20

環境自動車税について

http://www.asahi.com/politics/update/0916/TKY201009150483.html

曰く、普通自動車軽自動車の間で4倍の負担差があるからこれを是正するという話であるが、もともとの自動車税の使われ方についての話が無い。

賦課額の差だけしかとりあげず、あたかも課税が正当な行為であるかのように主張し、他に論点が無いとする事で、正当化を推し進めるという、詭弁の見本のような手口である。

自動車にかかる税は以下のように分類される。

 

1)自動車取得税。 -車の購入時にかかる税。

2)自動車税、もしくは軽自動車税。 -車を保有している間、毎年かかる税。

3)燃料にかけられている揮発油税。 -車を使うことでかかる税。

4)消費税。 -税金に対しても課税する事ができる税。

 

1)の自動車取得税は物品税の流れを汲む税金で、贅沢品にかかる税であり、その役割を終えているが、未だに徴集が続いている。

今回問題になっている2)は、いわゆるナンバープレート代であり、軽自動車市町村管理となっていて毎年7200円であるのに対し、自動車は陸運局扱いとなっていて、毎年29500円から45000円が濡れ手で泡の売上となっている。これが4倍の負担差という主張の根拠である。

陸運局は、国土交通省の部局で地方支部局内地方運輸局の運輸支局の陸運関係事務所のことを指し、ナンバープレート地名毎に、相応の不動産を所有して所長・副所長・収入役以下の常勤職員が勤めている。1台あたり毎年3万円弱から4万5千円の普通自動車自動車税の過半は、この陸運支局の維持費・人件費に費やされている。自家用・業務用・貨物・乗合含めて、日本国内には約4000万台の陸運局所轄の自動車があるとされている。平均3万円としても1兆2千億円の売り上げになっている。

自動車が壊れやすく、その故障が、メーカー責任なのか利用者の責任なのかがわかりにくかった時代や、自動車産業を育てなければならなかった時代においては、国家権力自動車品質太鼓判を押す車検制度や、その合格の証拠としてのナンバープレートの交付や剥奪に対して効果があったが、自動車産業が十分に育って寡占体質になっている現状においては、もはや、国家権力によるお墨付きは必要無い。

自動車税そのものが、単なるナンバープレートの交付費用だけの存在となりつつあり、その意義が消滅しているのである。ここに、環境というバズワードをくっつけて、あたかも自動車税環境保護に使われていますと主張して延命を図るというのが、今回の主張の狙いであろう。

だが、本来の役割を終えているのであれば廃止するのが筋であるし、地球温暖化(笑)対策として課税を行いたいのであれば、新規の課税として、国民審判を受けてから行うべきであろう。

自動車産業の寡占体質が続く限り、自動車税ナンバープレート交付代以上の意義は無く、地方自治体に事務を移管して年額7200円で統一し、陸運局制度そのものを廃止するべきだ。

廃止されたくなくば、事前認証制度特許制度運用を改め、車検お墨付きを必要とする弱小メーカーが沢山存在する状況を作り出すことである。

自動車環境に負荷を与えているという主張は、課税しやすそうだからという話でしか無い。電気自動車ハイブリッド車にしても、走行中の二酸化炭素排出量は減るであろうが、製造時や廃棄時の環境負荷は通常の自動車よりもはるかに大きいし、電気を充電する時の、いわゆる非走行時の環境負荷については、発電所の負荷として自動車の負荷ではないとされている。見た目はエコだが、全体で考えればぜんぜんエコになっていないし、まだ使える自動車を買い替えさせるのでは、売り上げにはなるが、環境負荷はかえって大きくなっている。

壊れやすい製品を作って定期的に買い換えさせるという手法を使った電機メーカー倒産した例があるのに、自動車まで、そういう商売に手を染めるようになりかねない。本当に環境のことを考えるのであれば、10年でも20年でも壊れずに使い続けられるような製品を作る事である。

2010-04-04

トヨタ嫌いのねらーはなぜマスゴミ捏造といわないんだろうか?

http://alfalfalfa.com/archives/385173.html

13 名無し募集中。。。 :2010/02 /07(日) 15:23:44.63 0

ニュースキャスタープリウス不具合ではなくて運転者に問題がありましたことが判明しました!

263 名無し募集中。。。 :2010/02 /07(日) 15:49:35.97 0

>13

ワラタw

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp1-20100314-605915.html

カリフォルニア州サンディエゴで発生したトヨタハイブリッドカープリウス」が急加速し減速しないというトラブルについて、米メディアの一部は12日までに、運転していた男性の「でっち上げ」と報じた。男性が金銭に困って損害賠償を求めるために利用したのではないか、との見方が出ている。8日の騒動発生時にトヨタを訴える姿勢を見せていた男性は態度を一変、「訴えるつもりはない」と話しているという。

http://www.cnn.co.jp/business/CNN201003230021.html

ニューヨーク州トヨタ自動車ハイブリッド車プリウス」が急加速したとされる事故について、地元警察が22日に記者会見し、事故は運転ミスが原因だったとする捜査結果を発表した。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100402/biz1004022152023-n1.htm

大量リコール(回収・無償修理)で大きな打撃を受けたトヨタ自動車が失地を急速に回復してきた。米国での3月の新車販売台数が前年同期比4割増だったことが1日に判明。世界最大の自動車市場となった中国でも3割以上の増加となった。

ちょっと前「豊田終った日本経済も終わり」とかいってた連中はこのニューススルーだろな

2010-03-12

トヨタオーナー1000万人が集団訴訟、賠償額300億ドル(2.7兆円)の可能性も

ttp://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1437511.html

631 :名無しさん@十周年:2010/03/11(木) 17:02:13 ID:NItI9Cep0

トヨタ経営破綻

GMが買収

トヨタ技術をゴッソリ流用してGMからハイブリッド車発売

GM復活!

自動車産業労働組合ウマー

USA! USA!

660 :名無しさん@十周年:2010/03/11(木) 17:04:00 ID:JIK6fEw/0

»631

ありそうで怖いんだが

2010-02-17

今世紀に起こること(3)

2025年

2026年

2027年

2028年

  • 世界人口が80億人に達する
  • がん化の機構の解明に基づく治療が開始される
  • このころロシア月面基地が完成する(2028-32年)
  • 10/28 直径1.6キロの小惑星が地球をかすめる

2029年

2030年

  • 9/12 小惑星状物体が月までの距離の11倍にまで地球に最接近

2031年

2033年

  • インドの経済規模が、このころ日本を上回る
  • 中国の総人口が15億人に達する

2035年

  • ドイツ高齢者比率が人口の30%に達する
  • このころロシア火星の有人飛行を実現する(2035年以降)
  • 東アジアの人口が20億6300万人でピークに達し、その後は減少に転じる

2036年

  • この年までに南関東直下地震が70%の確率で発生
  • 黒澤明監督作品の著作権が、この年まで存続する(存続期間を死後38年間とする旧著作権法の規定)

2038年

2039年

  • 昭和時代に生まれた者が全員50歳以上に

2040年

  • 早ければこの年に夏の北極海に氷がほとんどなくなる可能性がある(米国立大気研究センター予測)
  • 東京都熱中症患者数が最大5000人に達する
  • 北極上空のオゾンホールが完治する(南極は2065年)
  • 中国の二酸化炭素(CO2)排出量が、この年までにピークを迎える(2030-40年)
  • 人口減少による貯蓄率の低下で、日本経済の潜在成長率がマイナスになる
  • この年以降、中国の1人あたり国内総生産(GDP)が3万ドルに達する
  • このころ葬儀ビジネスの規模が倍増する
  • 中国が人口ゼロ成長を達成する
  • 国内の年間死者数が166万人に達する(現在の1.5倍)

2041年

2042年

2043年

  • 10/1 日本の総人口が1億人を割る

2045年

2047年

2048年

  • 世界人口が90億人に
  • 乱獲と環境汚染による生態系の破壊が続き、食用になる魚介類のほとんどが地球上から姿を消す(対策がない場合の推計でFAO当局者は否定)

2049年

2050年

出典・参考資料

確定済の「予定」部分

Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/

未確定な「予測」部分

未来年表 : 生活総研

http://seikatsusoken.jp/futuretimeline/

調べたきっかけ

1901年未来予測

http://www.tanken.com/yosoku.html

みんなが望む方向に未来は変わっていくのかも、と思ったため。

今世紀に起こること(1)

2010年

  • 中国のエイズ患者が1000万人に達する
  • 看護職員が全国で15900人不足する
  • 小型カメラの映像を眼球に埋めた人工網膜チップに伝えて視力を回復する医療技術が実用化する
  • 発展途上国のすべてのエイズ患者が治療を受けられるようになる
  • 人の体内で診断や治療ができる独立電源のカプセル式超小型医療ロボットが実現する
  • タミフルと同等以上の有効性がある初の国産インフルエンザ治療薬が登場する
  • 国際宇宙ステーション完成
  • 中国が無人機による月面着陸と探査を成功させる
  • 小惑星「イトカワ」への着陸と試料採取に成功した国産探査機「はやぶさ」が地球に帰還する(当初計画の2007年6月を3年延長)
  • 米国のホテルチェーンが宇宙ホテルを開業する
  • 米航空宇宙局(NASA)がスペースシャトルの後継機となる多目的宇宙船(CEV)を完成させる
  • 金星探査機を搭載した国産ロケット(H2A)が打ち上げられる
  • 国産の惑星探査機「はやぶさ」の後継機が、新たな小惑星を目指して打ち上げられる
  • 月や火星に方向転換した米航空宇宙局(NASA)が、完成したばかりの国際宇宙ステーション(ISS)を民間に無料開放する
  • 米国ヴァージン・ギャラクティック社の商業用宇宙船「スペースシップツー」の飛行試験がはじまる(2009*2010年)
  • 環境税の導入により炭酸ガス排出量が4%減少する
  • 欧州連合炭酸ガスを8.6%削減して、京都議定書の削減目標を達成する
  • 燃料電池「電車」が実用化される
  • 日本の自動車メーカーが電気で動く軽自動車(後輪駆動)を発売する
  • 廃車のゴミ問題をほぼ完全に解決する自動車のリサイクル技術が実現する
  • 日本の二酸化炭素(CO2)排出量が1990年比で8.5%増加し、京都議定書の公約達成(6%減)が困難になる
  • 環境の悪化が進む中国が、米国を抜いて世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国になる
  • 中国のアルコール燃料が、ガソリン消費の5割に匹敵する規模に拡大する
  • 日本の家庭からでる二酸化炭素(CO2)の量がこのころピークに達し、その後は自然に減少する(人口減少と省エネ家電の普及が原因)
  • 政府が全国で大気環境基準を達成。公式な大気汚染による公害病の発生が消える
  • 温室効果ガスの排出を削減するため、この年までに全国の照明器具の10%がLEDに変わる
  • 欧州連合(EU)の主要15カ国が、京都議定書の目標(8%)を上まわる11.4%の削減を達成する
  • 欧州連合(EU)とオーストラリアが白熱電球の使用を禁止する
  • 植林事業を進める中国の森林率が、この年20%に達する
  • 二足歩行ロボットの格闘競技会「ROBO-ONE」が宇宙空間での大会開催を実現する
  • 国産単層カーボンナノチューブの量産プラント(年間生産能力数十トン)が稼動を開始。1/100-1/1000の低価格が可能になる
  • ホンダの人型ロボット「ASIMO(アシモ)」が実用化する(2010年代の早い時期に接客ロボットとして登場)
  • 心身の状態を客観的に把握して高齢者ドライバーの安全を支援する次世代自動車が実用化する
  • トヨタ自動車が家庭用ロボット開発の基礎技術を確立する
  • 携帯電話、音楽プレーヤーを高速で充電する無線充電技術が国内で実用化する(韓国ではBMW車が2009年2月に装備)
  • 在宅社員1000人以上年商1000億規模の社屋を持たないバーチャルカンパニーが出現する
  • EU新加盟の全10カ国がユーロを導入。ユーロ経済圏が拡大する
  • 健康福祉、医療・介護用ロボットが日本の中核産業の一翼を担う規模に成長する
  • アジアでFTAの交渉が加速し、自由化が達成する
  • 娯楽や介護など生活密着型ロボット市場規模が最大で約550億円に達する
  • 第11次5カ年計画を実施する中国が、この年まで年率平均8%の経済成長を続ける
  • 世界の金融資産総額がGDPを大きく上回る200兆ドルに達する
  • 暮らしの中で使うロボット市場規模が約3兆円になる
  • 団塊の世代の大量退職で家計貯蓄率が大きく低下する(8%から3%)
  • 中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の貿易総額が北米自由貿易圏(NAFTA)を超える
  • ネットオークションによる売買が2兆8000億円に拡大する(2005年比で1兆7000億円増)
  • 国内の薄型テレビ市場規模が17兆6450億円に拡大する(2005年より倍増)
  • 国内の音楽配信市場が570億円に拡大する(2005年度比5.3倍)
  • 国内のネット広告市場が6430億円に拡大する(2005年度比2.4倍)
  • 住宅リフォーム市場が7兆4000億円に達する。リフォーム適齢期の住宅が増加し、リフォーム支出世代(60歳以上)の人口比率が高まることが要因
  • 日本の最大の貿易相手国が米国から中国に換わる
  • 大都市間の格差が拡大し、東京圏と大阪圏の成長率が2:1に広がる
  • 中国が人口1人あたりの国内総生産(GDP)を2000年の水準の2倍に拡大する
  • 日本の都心部でオフィスビルが供給過剰になる(ビルの2010年問題
  • パソコン向けコンテンツ連動型広告(P4P)市場が2982億円の規模に成長し、パソコン向け広告費の48%を占めるようになる
  • オンラインゲームの国内市場が、3000億円の規模に達する(2005年の2.4倍)
  • 携帯音楽プレーヤーの世界需要が1億2790万台でピークに達する

2011年

  • 網膜に電気刺激を与える人工視覚システムが実用化し、治療のための販売が開始される
  • 医療機関のレセプト診療報酬明細書)が完全電子化し、1兆円規模の医療費削減が可能になる
  • 政府が健康保険証をICカード化。病歴や受診内容を記憶する「健康ITカード」が登場する
  • この年までに移植用完全人工心臓の臨床試験が実現する(2年半以内)《世界中で心臓移植ドナーが必要なくなる》
  • 欧州宇宙機関(ESA)がロボットを投下して火星の表面を探査する「エクソ・マーズ」計画を実施する
  • 太陽の光の粒子に帆をかけて進む「ソーラーセール(太陽帆船)」探査機が、日本で初めて木星に向けて打ち上げられる
  • 英国の航空会社が商用宇宙観光旅行を開始する
  • スウェーデンの芸術家が、同国の伝統的な赤い家を月面に設置する(総事業費3600万ポンド)
  • 世界初の観光宇宙船が地球の上空100キロメートルの営業運行を開始する(全行程約2時間半。3日間の訓練を含む料金は約20万ドル=約1800万円)
  • この年から2年以内に22ナノメーターの16コアCPUチップが登場する(2011-12年)
  • ボタンを押す振動を利用して自分で発電する家電用のリモコンが実用化する
  • 東京駅周辺の再開発事業「Tokyo Station City(東京ステーションシティ)」で、丸の内駅舎の復元工事が完了する
  • 第2東京タワーが完成し、墨田区がおよそ500万人の観光客で賑わう
  • この年までに、政府がアジアで水資源ビジネスを展開する和製水メジャーを育成する
  • 米国の失業率が7.7-8.5%の高い水準にとどまる(従来予測は6.7-7.5%)
  • 主要経済大国の実質的な景気回復が、早くてもこの年になる(2011-12年)
  • NHK大河ドラマ「江(ごう)」が放送される(「江」は織田信長の姪)
  • 出版各社の雑誌記事をインターネットで横断的に検索、閲覧できるポータルサイトが登場する
  • 日本経済のデフレ状況が、最短でもこの年まで継続する(年40兆円規模の需要不足)
  • 九州新幹線鹿児島ルートが全線開業し、新大阪―鹿児島中央間の直通運転が実現する(所要時間4時間)
  • 国内の新車販売に占めるハイブリッド車の割合が20%を超える
  • 呼吸の状態を監視する自動車運転向け眠気検知システムが製品化される
  • 茨城県東海村で国内初の原発解体作業が開始される
  • 35歳以上の「中高年フリーター」が132万人に達する
  • テレビの地上デジタル放送全面移行により、この年までに約5000万台のブラウン管テレビが家電ごみになる
  • 国産ステルス軍用機「心神」が、実証機の初飛行を実施する
  • 岡本太郎氏の壁画「明日への神話」が渋谷に設置される(JR渋谷駅西口と渋谷マークシティの間の連絡通路)
  • この年までにイラク駐留米軍の撤退が完了する(8年間にわたるイラク占領の終結)
  • 宮城県が財政再生団体に転落する
  • 米国の失業率がピークに達する(2011年初め)
  • 悪徳商法で得た利益を被害者に返還させる不当収益はく奪制度が導入される(2011年以降)
  • デジタル録画機の普及をにらみ、番組の録画回数を1回限りに制限する「コピーワンス」制限が緩和に向かう
  • 地上アナログ方式のテレビ放送が電波を停止し、難視聴地区で10万人規模の「地デジ難民」が発生する
  • 国内のインターネット広告費が7558億円の規模に拡大する(2006年は3630億円)
  • 国内でデジタルテレビの普及が6115万台に留まり、4000万台のアナログテレビがそのままになる
  • 携帯電話の普及率が世界人口の70%を超える
  • この年以降、ネットブック(小型ノートパソコン)市場の成長が鈍化する

2012年

2013年

  • 1/1 厚生年金支給開始年齢が65歳に
  • 1/9 医師数が過剰に
  • 7月 参議院選挙

2014年

2015年

  • 将棋でコンピューターが名人に勝利する
  • 食生活の欧米化により、大腸がんが男女ともに死因の1位になる
  • 中国が材料、生物化学研究室を備えた宇宙ステーションを建設する
  • 米航空宇宙局(NASA)の探査機「ニュー・ホライゾンズ」(2006年打ち上げ)が9年の歳月を経て冥王星に到着する
  • ロシアがヘリウム3の採掘を目的とした月面基地を建設する
  • 米国が70年代に実施した有人月面探査を再開する
  • 二酸化炭素を回収し地中に貯留する事業が本格化する
  • ノルウェースウェーデンデンマーク3国の幹線道路(全長1500キロ)が、45カ所の水素ステーションを設置した「水素街道」になる
  • 太陽電池の発電コストが既存の電力と競争可能なレベルに低減。新興国、発展途上国での導入が拡大する
  • 有望な科学分野に集中投資する政府の第3期科学技術基本計画により、脳の情報を情報通信機器に取り込むインターフェースが開発される
  • この年以降、国内で生活支援ロボットが本格普及する
  • 財政再建のため、この年までに消費税が10%を上回る
  • ユーロがドルに代わる世界の第1通貨になる
  • 団塊世代の消費が、このころ終息する
  • このころ米国ゼネラルモーターズ社(GM)が燃料電池車を実用化する
  • この年まで世界で生産されるハイブリッド車の過半数を日本車が占める
  • 日本の電気自動車軽自動車なみの維持費を実現する
  • このころホンダのハイブリッド二輪車が発売される(2010年代半ば)
  • 経営再建に取り組む日本航空が、この年までにグループ従業員1万3000人を削減する
  • この年までにリニア中央新幹線が着工する(2014-15年)
  • この年までの日本の電力需要の伸びが年平均1%の水準に止まる
  • 2010年代後半の日本で、宇宙の太陽光エネルギーレーザーで地上に送る実験衛星が打ち上げられる
  • このころ太陽光発電システムの発電単価が1キロワット時あたり約45円で電気料金と肩をならべる
  • 日本の要介護者が250万人(2004年の100万人増)
  • ワールドカップサッカー日本代表が世界のトップ10入りを果たす
  • 先進国の経済支援により、1日1ドル未満で暮らす極度の貧困にあえぐ人の数が半減する
  • 消費税10%時代が到来し、国民的な節約時代に突入する
  • 経済発展で潤うインド政府が国内の貧困人口(1990年時点で全国民の38%)を半分に減らす
  • 世界の貧困に苦しむ人々のうち、1億7500万人が「マイクロクレジット」(無担保小口融資)で自立に向かう
  • 米国の核弾頭1万発が半減する一方で、中国の核弾頭が220発に増加。米中が新たな冷戦時代を迎える
  • アフリカ連合(AU)の統一政府「アフリカ合衆国」が実現する
  • イランが米本土に到達可能な大陸間弾道弾(ICBM)を開発する
  • 世界の多くの国で景気回復が2011-15年になり、失業率の回復がそれ以降になる
  • この年までに世界の貧困人口を半減させる「国連ミレニアム開発目標」が達成不可能になる(世界的な経済金融危機の影響)
  • 医師がインターネットを経由して診断し、処置する遠隔医療が実施される
  • 日本の電気メーカーパソコンの能力を100倍に高める光配線の新型LSI(大規模集積回路)を実用化する
  • 米国マイクロソフト社が世界の貧困層に自社製品を低価格で提供。この年までに利用者の数を10億から20億に拡大する
  • ハードディスクに代わるソリッドステート・ドライブ(SSD: Solid State Drive)が、世界のノートパソコンの32%に搭載される
  • アップル社の「iPhone」人気に牽引されたタッチパネル市場が、世界全体で52億ドル(7億6500万台)の規模に拡大する

その2 http://anond.hatelabo.jp/20100217133757 に続く

2010-02-05

トヨタ問題の真相

トヨタブレーキ問題が話題だ。

日本新聞も、米国新聞も、この問題に対するメディアの報じ方を見ていると、どれもトヨタ経営上の欠陥を攻めるような金太郎飴だ。

しかし、ことプリウスのようなハイブリッド車に関していうと、この見方は瑣末だ。もちろんトヨタ経営上の問題は否定しないけれども、これはかつての三菱リコール騒動とは、問題の根本的な背景が違っている。

現在、我々が直面しているのは、、自動車というアーキテクチャが、つまり商品それ自体が、かつてない大変化を迎えようとしており、

プリウスの問題もその移行期にあたって不可避的に発生してくる”ひずみ”として認識すべきだと僕は考えている。

それは端的には、従来メカニカルな存在だった自動車エレクトリック化すると言うことだが、今後10年で、世界で売られる自動車の大半は

リチウムイオン電池が積まれたハイブリッド車になると予想されている。

トヨタ世界で一番早くハイブリッド車を売り、今も世界で最も多くハイブリッド車を売っている。他社よりも先行しているから先に問題が表面化した。それだけのことだ。

日産・NECは、今後もっとひどい問題を起こすかもしれない。実際、彼らが今、生産準備している自動車リチウムイオン電池の安全性を懸念する業界関係者の声を私はよく聞く。日産はそんな電池を積んだ車を、今年から来年にかけて、世界中で一斉投入する。

おそらくトヨタ問題は、いずれ世界中自動車メーカーが多かれ少なかれ直面する”ひずみ”の序章にすぎないのだ。

2009-10-13

自家用車なしで生活できる社会ができれば、そりゃいいよねえ

アホな意見の例

http://fragments.g.hatena.ne.jp/fukken/20091012/1255315747

そりゃ文面どおり受けとればアホな意見に見えるけど

  • 今の状況では自家用車を持たない生活は非現実的な地域が多くある
  • ほとんどの人が自家用車を持たないってのが望ましい未来であるかどうかはちゃんと議論されていない
  • 自家用車を持たない生活を現実的に可能とするためにどうしていくのがよいのかはまだちゃんと議論されてない

という状況で、

私は自動車免許も持ってないので、個人的には自動車1台に1000万円以上の「社会的費用」に見合う税金をかけるという宇沢提案に賛成。それを駐輪場に使って自転車無料化すれば、CO2も大幅に減る。

http://twitter.com/ikedanob/status/4758080354

などという酷いことを言ってるからボロクソに言われるんだろう。化石燃料の使用を減らしたいというのが目的なのに、どうして化石燃料税金をかけるよりも自動車を1台保有することに税金をかけるほうがよいのかまったくわからない。

お前らが理想の世界妄想するのは勝手だが、それに向かってどう進むかも妄想で決められた上でそれが正しいと主張されてはたまらん。

「最終的には車がなくても生活できる街になることを目的にしてる」そりゃわかってる。でも、あと10年でCO2排出を30%削減する必要があるのに、10年間でそんなに街が変えれるとはとても思えない。というか全国津々浦々の都市構造を変化させることのほうが自家用車を全部ハイブリッド車にすることよりもずっとコストがかかって大変なはずだ。車はだいたい10年で買い換えられるものだが、建物は20年以上使うだろ普通に。だから正しい解は多分、直接ガソリン税金をかけていくこと。税金だんだん高くしていくけど、そのロードマップを公表してその通りにすること。そうすれば皆長距離は電車で移動するようになるし、買い換えるときには将来の税率を勘案した上で燃費のいい車に買い換えるし、人口密集地から遠く離れた場所に店が立ったりもしなくなるだろう。ガソリンの値段が300円/L程度になれば、1000円安く買えるからといって10km先の店まで行く奴は激減するはずだ。

私が免許がなくて困った唯一の経験は、シリコンバレーに1ヶ月いたときだった。町が自家用車をもっていないと移動できない構造になっているので、友人に頼らないと買い物にも行けない。

俺はシリコンバレーに居たときはタクシー頼んで凌いだけど、なんでこいつはタクシー頼まなかったんだ? シリコンバレータクシー事情も酷かったけど屋外で待ってても寒くないだけ日本よりマシだろ。

池田信夫氏が化石燃料税金をかけたくない理由を考えてみたところ、彼は飛行機に乗りまくってるからじゃないだろうかと思い当たった。東京大阪ジェット機満席でも一人当たりのCO2排出量が2人乗りのハイブリッドカーよりも多いという。そんな状況でハイブリッドカーや、よりCO2排出量の低い電気自動車に普及されては、飛行機に乗りまくってる人が車に乗ってる人よりも悪とされる社会になって困ってしまうのである。それにガソリン税が増えたらタクシー料金も上がるから嫌なんだろ。まあこれは想像でしかないので間違ってたらごめん。

2009-09-27

不可能な目標を掲げ「大和魂さえあれば何とかなる」と国民鼓舞するのは、前の戦争日本が突っ込んでいった時を思わせる

鳩山首相がCO2を25%削減する「鳩山イニシアティブ」を高らかに宣言し、世界各国がそれを賞賛するのをみて、経済学者ってどこの国でも無視されてるんだなと思った。Mankiw blogの読者ならご存じのように、世界の主要な経済学者は、排出権取引よりも環境税のようなピグー税のほうが効率的で公正だと主張しているのだが、政治家にはまったく理解されない。それどころか、この二つが代替的な政策手段だということさえ認識してない人が多い。民主党マニフェストに至っては、

キャップトレード方式による実効ある国内排出量取引市場を創設する。

地球温暖化対策税の導入を検討する。

と併記する支離滅裂なものだ。この両方を同時に実施することは不可能である。たとえば、あるCO2排出企業が、その排出権を他の企業から買って排出量をまったく削減しなかったら、どうするのだろうか。その企業環境税を課税したら二重負担になるから、企業は購入した排出権を政府に買い取れと要求するだろう(つまり排出権取引無意味だ)。もし課税しなかったら税の公平に反するので、税務署は許さないだろう。

排出権取引アメリカの一部の州で実施されているが、それを考案したCrockerも「これはローカル制度で、国際的な排出権取引は不可能だ」と反対している。排出量の正確な測定やペナルティが実施できないからだ。おまけに、それは政治的にも不可能だ。排出権取引でもっとも重要なのは排出量の割り当てだが、それを決める科学的な根拠がなく、政治的な紛争になりやすいからだ。

欧州は「鳩山イニシアティブ」を賞賛しているが、オバマ大統領数値目標を明言しなかったし、中国など途上国先進国責任だと主張している。日本が負担してくれるのは他国にとって結構なことだから、鳩山氏がほめられるのは当たり前だ。たとえば日本企業中国に何兆円も出して排出権を買うのは、ゼロ成長の国が8%成長の国に巨額の開発援助をする結果になり、とても国民の支持を得られないだろう。

かといって国内だけで「鳩山イニシアティブ」を実現しようとすれば、政府の推定にも示されているように、新車の90%をハイブリッド車にし、ガソリン価格を数倍にし、すべての住宅を断熱住宅に改築するよう義務づけるなどの大規模な統制経済が必要で、GDPは3.2%も下がる。これはどう考えても実現不可能な目標である。

物理的に不可能な目標を掲げ、「大和魂さえあれば何とかなる」と国民鼓舞するのは、前の戦争日本が突っ込んでいった時を思わせる。経営工学専門家である鳩山氏が、かつて研究した経営資源の最適配分という合理的思考を忘れて、政治的な大向こう受けをねらったのだとすれば、経済学経営学も大した学問ではないのだろう。

追記:鳩山首相記者会見で「温暖化人類の生存が脅かされる問題だ」と発言したが、これは誤りである。IPCC予測でも、100年後に平均3℃程度上がるだけで、人類の生存には何の影響もない。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/95b9471cdbc2cfa7586819692f132421

2009-03-13

トヨタ、200万円切る低価格ハイブリッド車を開発へ ホンダとの価格競争が本格化

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090313-00000000-sh_mon-bus_all

なんかもう形振り構わんって感じだな…。

そもそも既存の自動車産業ビジネスモデル自体が崩壊しかかってるんだから、

腐っても最強の自動車メーカーとしては新しいビジネスモデルを切り開くような

戦略を展開するべきだと思うんだが…。

その金すら無いのか、それとも最早内部が腐りきっているのか…。

2009-02-19

 ヒラリー来日で興奮している場合だろうか?

中国は着々と資源外交で得点、満を持してヒラリー訪中を待つ

 胡錦涛アフリカ八カ国歴訪の旅を終えて北京へ戻った。

 主席として三回、副主席時代の歴訪を含めると合計五回、アフリカ諸国合計20ヶ国を訪問したことになる。

 『フィナンシャル・タイムズ』(09年2月10日付け)は、中国アフリカにおける「資源目当て」外交、その横暴な振る舞いを批判した。

 とくに露骨な投資コンゴに向けられており、道路鉄道学校病院建設北京政府は90億ドルもの資金を投入する。

 何が狙いか? 交換条件は銅鉱山だ。銅の鉱脈に付帯するのがレアメタルの代表=コバルト。これがないとハイブリッド車エンジン触媒や高速輪転機の裁断機などが生産出来なくなる。

 つまり戦略物資の独占的確保である。

 かつてコンゴ内戦コバルト鉱山の権益をめぐって争われ、ベルギーフランスなどが落下傘部隊を投入してコバルトを守った。

 モブツ・セセ・セコという大統領が同国に君臨していた時代、凄まじい汚職国民は疲弊し、一方で、モブツ大統領専用機に、秘書官三十数名を連れて欧州にたびたび出現し、保養地で遊んだ。

 秘書官の大半が美女で、何故「秘書官」か分からないほど政治も国際情勢も知らなかった。

 

 中国スーダンアンゴラ石油鉱区を保有し、輸入石油の20%前後は、この両国からである。ナイジェリアタンザニアにも触手を伸ばしている。

 資源大陸アフリカにおける列強の角逐に、日本外交今日も拱手傍観を決め込んでいる。

日本中東においてすら独自の「日の丸鉱区」を失っているのに。。。

2009-02-12

 中国、「もう海外投資はしない」はずの金融路線を再転換、積極攻勢か

 英紙「フィナンシャル・タイムズ」(2月12日)によれば、中国国有企業の「シナルコ」(CHINALCO)は、豪州最大の鉱山リオ・テント社の窮状を救うために現金で195億ドルを投じると報じた。

引き替え条件はレアメタル鉄鉱石、銅山、石炭などの鉱区。転換社債とも引き替えるので、CHINALCOは、いきなり9%から18%株主になる。

 コンゴにも90億ドルという天文学投資を続けている。

 道路鉄道学校病院建設北京政府は90億ドルもの資金を投入しているが、交換条件は、ずばり銅鉱山だ。

鉱脈に付帯するのがレアメタルの代表=コバルト。これがないとハイブリッド車エンジン触媒や高速輪転機の裁断機などが生産出来なくなる。

 つまり戦略物資の独占的確保である。

かつてコンゴ内戦コバルト鉱山の権益をめぐって争われ、ベルギーフランスなどが落下傘部隊を投入してコバルトを守った。

 

また中国銀行AIGアジア部門の買収に乗り出すという。

 総額200億ドル、世界一保険会社AIGアジアビジネス部門をごっそりいただこうと言うわけだ。

 倒産かどうかで揉め続けているベルギー最大の銀行フォーティスにも中国触手を動かしている報道がある。

 ともかく金融危機直後から中国の首脳は「もう海外投資はしない」と言ってきた。

 温家宝ロンドンで「米国債継続的にさらに購入するのは熟慮する」と消極的な姿勢を見せた。それから十日も絶たないが、「米国債の購入継続は規定の方針。中国は購入をやめると人民元高騰に陥るためやむを得ず、米国債購入を続けざるを得ないようだ」(同フィナンシャル・タイムズ。同12日付け)。

 中国は積極路線に再転換した可能性がでてきた。

2009-01-14

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51165915.html

確かに田舎ではクルマがないと笑っちゃうほど何も出来ない。ニートワーキングプアも車は必需品。しかし車は走ってくれさえすればいい。そんな構図が統計から見えてくる。

走ってくれればいいや、という観点で軽や小型車を選んでるんじゃなくて

昔は大型車じゃないとまともな車がなかった。

軽なんて走る棺桶もいいとこだし狭いし五月蠅いしダサい

ところが今は開発が進んで小型でも丈夫でしっかり走る車ができた。

だったら安い方がいいじゃん、ということで小型の車が売れている。それだけ。

確かに大きくて高い車はそれよりいいんだけど、誰もそんなの望んでないっていうだけ。

PS3の美麗グラフィックじゃなくて、Wiiのショボグラフィックで満足、というわけだ。

自動車研究開発が進んだ結果、安くて便利でいいものが出てきたっていうごく自然な結果なのに

どうやら自動車業界はそれが不満らしい。

ところが、かつてギークというのは大のクルマ好きだったのだ。

そう!恐らく30代後半以上のギークな人はエンジン構造から種類からターボの方式から可変バルブタイミングまで全部知ってる。(たぶん)

で、普通に若いギークな人も実は知っている人が多いと思う。自動車に興味なくても鉄道なら好き、とか。VVVFとか大好きとか。

ようはそういう人がキャズムの向こう側にいて頑張って引っ張ってたのに

そういう車は減ってしまってキャズムの向こう側には何も無くなってしまった。(方向性が変わったってことかもしれんけど)

もっといろんなアイデアでもっと安全で楽しい車を出せばいいのに出さないもんだから

「なんでそんな高い車買わなきゃならんのだ」

ということになってる。

その結果、車好きな人が減っていって売れなくなった。

都会では車は必要ないとか、たぶん嘘で、あった方がいいに決まってる。

駐車場が高いとか全然使わないとかいうのが動機の人は全体の一桁%じゃなかろうか。動機付けになってる人は多そうだけど。

彼らはもうクルマに「単なる工業製品を超えた魅力」を感じてはいないし、これからはもっと感じなくなるだろう。

車は個人用移動手段として形を変えながらずっと生き続けると思う。

安全で簡単な小型ジェットでも開発されれば別だけれど今のところそれは無理そうだし

陸上を移動しなければならないというのは必ず必要なことだ。

だから、魅力は感じなくても必要であることに変わりはない。

後は自動車メーカーデザインやありきたりなマーケティング商品のような魅力を感じない車ではなく

「新しい車」を出せるかどうか、だと思う。

(その意味ではハイブリッド車とかIWMとかおもしろいのになぁ)

2008-05-20

今日不思議。何しても批判されるのね。

これが

ポール・マッカートニートヨタに激怒!” 環境保護のためにレクサスを船便で注文するも、空輸される

2008/05/15(木) 00:11:11 ID:???0

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1127974.html

ソース

http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-566100/Sir-Paul-McCartney-furious-new-eco-car-flown-7-000-miles-Japan.html

ハイブリッド車空輸したマッカートニーさんに批判

2008年05月16日09時53分

http://www.asahi.com/international/update/0516/JJT200805160002.html

ポールも空輸したことに怒ってるのに、なんでこんな話になってるんだ?

2008-04-16

Sound of Silence

「ねえお父さん、新しい足音ダウンロードしていい?」

「ん?去年変えたばかりだろう」

「もうあきちゃったよう」

「お母さんに聞きなさい」

小学校4年に上がったばかりの美奈子にねだられると、宇崎はなかなかダメだと言えない。厳しかった父が見たらせせら笑うだろう。自分で子供を厳しく育てるのがこれほど難しいとは思わなかった。

一昨年他界した父のことを思っているうちに、予想に反して、妻のよう子はダウンロードを許可してしまった。2万円もするサウンド・コラージュスキンをだ。父が「お母さんに聞きなさい」と言うのは暗黙のNoであり、母はそんな場合決して首を縦に振らなかったが、宇崎の家庭ではまだそこまで阿吽の呼吸ができていない。結婚して13年になるのに。

美奈子は妻が返事を終えるか終えないかの内にコンピュータに飛びついて、スキンの最終選定に入った。プリウス・サウンド・コラージュスキン。しかし日本ではもっぱら足音と呼ばれている。2010年カリフォルニア州議会での歩行者保護のための法案可決を受けて各社がハイブリッド車用の「仮想エンジン音」を実装した。同時に、一部車種でクラッキングが成功するとカスタムスキンが爆発的な流行を呼ぶことになった。メーカーは公式プラグイン以外の存在を認めていないが、それはそれ、解析できないはずのエンジンコントローラですら、ガレージハウスに解析してもらえるよう、分かりやすい実装がなされているのだ。一般層の売り上げに直結するスキンに厳重なプロテクトなどかけるはずがない。著作権無視の勝手スキンから、ポルノまがいのどこに持っていっても堂々たるアングラで通用しそうなスキンまで、探せばなんでもそろう。

昨年のスキン購入時に美奈子には公式スキンしか買わないときつく言ってある。今もPCの前で迷いに迷っている長女は結局2017年版の「野鳥の声」あたりを選んでくるのだろう。前回2016年版の野鳥の声を美奈子が選んできたときには暗い気持ちになった。上京したとき、人で溢れかえるJRのホームで聞いた、場違いな鳥のさえずりを思い出した。あのときの苦い気分は、忘れるどころか最近は思い返す一方だ。

美奈子、もう9時だぞ。寝なさい」

「はーい」

購入許可と言う勝利をもぎ取ったせいか、今夜は馬鹿に素直だ。長女がシャットダウンしたコンピュータを見つめながら、宇崎は嫌な気分を振り払えないでいる。床に就くまでウィスキーをもう二杯呑まなければならなかった。

………

「…おいしい、おいしい、焼き芋だよ…」

家を出た宇崎の横を、三軒となりの佐藤さんの車が小声でつぶやきながら追い越していく。佐藤さん本人は「分をわきまえた」人だったが、子供教育はそれほどでもなかった。大学生になった長男に古い車を譲った途端、安全音がさおだけ売りの珍妙な声に変わった。今聞いたのは通算三つ目だ。運転している本人は「笑える」とでも言っているのだろう。

「…ワンワンワンワンワンワン…」

「…舎利子 是諸法空相 不生不滅…」

「…おほん、うぉっほん、うぉっほん…」

ニュースによれば、ほとんどの人はまともな安全音にしている。本当だろうか。そもそも「まとも」とはなんだろうか。ほぼ無音で走ることのできる車に、閑静な住宅街でわざわざエンジン音を鳴らさせるのがまともだろうか。後ろからぴちゃぴちゃと足音が近づいてきて、ハイブリッドクラウンが追い越していった。

住宅地の外の道路に出る。幹線道路との合流まで続くハイブリッド車の列は、思い思いのつぶやき声を上げている。

あるものは小声で歌い、あるものはキャタピラの音を立て、あるものは鼻歌、ひづめの音、単車のエンジン音、ヘリコプタージェット機、口笛…

(俺が子供のとき夢見た21世紀がこれか)

21世紀は、白昼から百鬼がうろついている。

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