日本の新聞も、米国の新聞も、この問題に対するメディアの報じ方を見ていると、どれもトヨタの経営上の欠陥を攻めるような金太郎飴だ。
しかし、ことプリウスのようなハイブリッド車に関していうと、この見方は瑣末だ。もちろんトヨタの経営上の問題は否定しないけれども、これはかつての三菱リコール騒動とは、問題の根本的な背景が違っている。
現在、我々が直面しているのは、、自動車というアーキテクチャが、つまり商品それ自体が、かつてない大変化を迎えようとしており、
プリウスの問題もその移行期にあたって不可避的に発生してくる”ひずみ”として認識すべきだと僕は考えている。
それは端的には、従来メカニカルな存在だった自動車がエレクトリック化すると言うことだが、今後10年で、世界で売られる自動車の大半は
リチウムイオン電池が積まれたハイブリッド車になると予想されている。
トヨタは世界で一番早くハイブリッド車を売り、今も世界で最も多くハイブリッド車を売っている。他社よりも先行しているから先に問題が表面化した。それだけのことだ。
日産・NECは、今後もっとひどい問題を起こすかもしれない。実際、彼らが今、生産準備している自動車用リチウムイオン電池の安全性を懸念する業界関係者の声を私はよく聞く。日産はそんな電池を積んだ車を、今年から来年にかけて、世界中で一斉投入する。
ガソリンという爆発物が電解液という爆発物に変わるだけ。どーってことない。 そういう意味ではガソリン+リチウムイオン電池のハイブリッドは無理筋だと思う。最終的にはニッケル...